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DRAW:244〝永遠の焔〟 作:人喰い
(244)
突如人間界に姿を現した精霊界の遺物───《神星樹》の内部。
その中心に位置する《美の間》。
和泉「───あ、火群くんだ」
口を開いたのは、黒髪ショートに薄紅色の眼鏡をかけた寝巻き姿の少女───桜庭和泉(さくらば いずみ)。
火群「───」
対するは、赤みがかった黒髪の少年───市瀬火群(いちせ ほむら)。
火群「………」
元の原型などない氷結したこの空間で、少年少女は再会を果たす。
火群「───元気そうだな」
二人の距離は、僅か1メートルにも満たない。
何食わぬ顔で、まるで週明けに教室で挨拶を交わすが如きやり取りが繰り広げられるが───
火群「───」
軽く辺りを見渡すと、傷つき、倒れた仲間たちの姿が目に入る。
火群「───メアリーさん」
メアリーは瑞希とのデュエルに敗れ、大量の血を流し意識も無い。
火群「───栗須、戒」
栗須と戒はメアリー達を守るために氷柱を受け、意識はあるが立ち上がれない程のダメージを負っている。
火群「───西蓮寺さん、雫さん」
鈴華と雫は一人の少女を少しでも前へと送り届けるために、ボロボロになりながらもその少女を支えていた。
そして───
火群「───結維さん」
その少女───和泉と瓜二つの少女、結維。
結維「───」
和泉を助けるべく戦い続けた彼女の伸ばした左手は───火群の右手と繋がれていた。
火群「伸ばした手は───ちゃんと届いたぜ」
だから───
火群「ここから先は───俺が届ける」
その一言と共に、火群の背中から真紅の羽が出現───直後。
鈴華「…っ…!?これは───っ」
暖かい炎が部屋中に広がり、白銀に染まった世界を少しずつ溶かしてゆく───
火群「…雫さん!」
雫「…!!え、あ、はい!」
火群「メアリーさんは、生きてるんだよな??」
雫「…っ…!!はい…!でもお姉ちゃんとのデュエルで……っ…、今はレラさんとピリカさんが診てくれてます…!」
火群「…急がないとマズイ…!神星樹に吸収されてないって事は、“既に養分として機能しないほど衰弱してる”って事かもしれない…!!
鈴華「…!!!」
雫「…っ…!」
火群「俺とニクスの炎でなんとか命は繋ぐ……ッ繋いでみせる…!!絶対に───」
火群を中心に広がる炎がより一層勢いを増す。
しかし、その焔は周りの誰も傷つけはしない。
暖かく柔らかい───癒しの力。
───〝生命の焔〟。
火群「───誰も死なせない!!!」
そして再び和泉を正面に見据え、
火群「和泉!!お前もだ!!!
和泉「……?」
真剣な顔で叫ぶ火群に、和泉はきょとんとし首を傾げた。そして一声。
和泉「…なに言ってるの?私はもう大丈夫だよ?」
火群「悪いけど、キミに言ってるんじゃ無い」
和泉「……??意味わかんないんだけど…」
火群「……キミの中の、和泉に言ってるんだ」
和泉「───あは」
和泉の形をした少女は、笑う。
和泉と同じように。なにも変わらずに。
笑う。
普通が故の───異質。
仲間たちが傷つき、倒れているというのに、目の前のこの少女はなに一つ感じていない。
火群「───キミは、誰だ」
和泉「───」
この感覚には覚えがあった。
目の前の存在は確かに和泉そのものなのに、その中に確かに和泉を感じるのに、脳がそれを拒絶する。
チアガールと戦った時と、同じ感覚だ。
あの時は和泉の中の主人格がチアガールに乗っ取られていた。そして今回もおそらく───
火群「───お前は、誰だッ!!!」
再び、問う。今度は、強い口調で。
和泉「……」
すると少女の目の色が変わり───
和泉「───私は精霊集合体」
赤みがかった氷の翼を広げ───
和泉「名は───ランセア」
ランセア───そう名乗った。
同時に、たん、たん、たん、と軽快なステップで距離を取ると、和泉を護る様にモンスター達が火群の前に立ちはだかった。
『氷霊山の龍祖 ランセア』[ATK 3300]
『魔救の奇跡-ドラガイト』[ATK 3000]
『飢顎竜-アーケティス』[DEF 2500]
和泉「ここにいる全ての精霊を喰らい、完全復活を遂げさせてもらうよ」
火群「……っ!!」
一体一体が、恐ろしいほどのプレッシャーを放っている。
どれも火群の知らないモンスター達だ。
どうやら主人格だけでなく、デッキまでも乗っ取られている状態と見て取れる。
火群「ッ…」
そこで最悪のケースが頭をよぎる。
精霊の統合を阻止できなかったのか?
だが、さっきのセリフからして、統合は完全じゃない。
おそらく敵も焦っている。
統合を途中で打ち切らなきゃならないほど、追い詰められてはいるはずなんだ。
大丈夫。手遅れになんか、なっていない。
大丈夫大丈夫。大丈夫───
火群「……ッ……」
なのに、なぜ、震えが止まらない───?
結維「───大丈夫よ」
直後───声。
繋がれた手から、熱が伝わる。
火群「───」
震えは一瞬にして、止まった。
結維「僅か……だけど…ッ…けほ…ッ……和泉の声は聞こえてる……ッ…」
火群「…!」
結維「まだ…完全に意識を乗っ取られた訳じゃ…っ……ないはずよ…!!」
和泉と感覚を共有できる結維の言葉。この場面において、これほど嬉しい言葉もない。
結維「届けるんでしょ……?助けるんでしょ……?なにがなんでも、みんなで生きて帰るんでしょ…!?だったら一瞬でも弱気になんじゃないわよ……っ…!」
結維は繋いだ手にほんの少し力を込めてからその手を離すと、今度は軽く拳を作り火群の背を小突く形で押し出した。
結維「頼んだわよ───行ってこい…!!バカ火群…っっ!!」
火群「───ッ」
そうだ。そうだった。
必ず、全員生きて帰るんだ。
火群「───おう!!!!」
またみんなで笑って、デュエルをするために。
◉◉◉遊戯王 Ph.X◉◉◉
───DRAW:244───
《〝永遠の焔〟》
火群「───デュエルだ。ランセア。俺が相手だ」
和泉「……火群くんが相手してくれるんだ♪やったー!久しぶりだなぁ…火群くんとデュエルするの!」
火群「…ッ……下手な芝居はやめろ。お前を倒して、和泉の身体を返してもらう!!」
そう言って決闘盤を構えると、火花が弾け、決闘モードへと移行する。
火群【LP 8000】[手札 5]
火群「みんなは安全なとこまで下がっててくれ」
鈴華「…でも…っ…!」
雫「……鈴華さん。火群さんの言う通りにしましょう。私たちが側に居てはきっと邪魔になっちゃいます」
火群「…悪いな。みんな。進化した俺のデッキは……どこまでの出力が出るかまだ俺にもわからないんだ」
鈴華「…!なら、せめて、私たちの想いだけでも───」
鈴華がそう言うと鈴華・雫・結維、3人のデッキから浮き出たエネルギーの球体が火群のデッキに宿っていく───
火群「これは───?」
鈴華「和泉さんを助けたい気持ちは、みんな同じ。私たちの想い、あなたのデッキに託しましたわ」
火群「…!それは頼もしいな…!」
鈴華「…負けたら承知しませんわよ!!」
雫「……火群さん。信じてます。必ずみんなで帰りましょうねっ」
火群「…ああ!!」
雫と鈴華が結維を抱き抱えながら、戒・栗須・メアリー・レラ・ピリカのいる生命の焔で囲われた安全地帯へと辿り着いたのを確認してから、火群はデッキの上に人差し指と中指を乗せ───
火群「───いくぜ、俺のターン」
◉TURN:02◉
火群「ドローーーッッ!!」[手札 6]
力一杯、カードを引いた。
火群【LP 8000】
(モンスター)
なし
(魔法・罠)
なし
伏せ:0
手札:6
墓地:0
和泉【LP 8000】
(モンスター)
『氷霊山の龍祖 ランセア』[ATK 3300]
『魔救の奇跡-ドラガイト』[ATK 3000]
『飢顎竜アーケティス』[DEF 2500]
(魔法・罠)
『氷結界の晶壁』(永続魔法)
伏せ:0
手札:3
墓地:照魔師、鏡魔師、随身、守護陣、ゲオルギアス、浄玻璃、晴嵐、
◉メインフェイズ◉
メインフェイズへ移行し、盤面を軽く見渡すと、
火群「その中に───まだ少しでも和泉の意識が残ってるなら」
迷いの無い動作で、1枚の魔法カードを発動させた。
火群「絶対に───止めるはずだ」
それは、いつだって火群の決闘を支えてくれた───魂のカード。
火群「魔法発動───『炎王の急襲』」
《炎王
えんおう
の急襲
きゅうしゅう
/Onslaught of the Fire Kings》 †
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。
デッキから獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。
火群「聞こえるか───和泉!!!」
和泉「……ッッ…!!」
火群の叫びに、和泉は僅かに肩を揺らし、唇を噛み締めた。そして───
和泉「───『魔救の奇跡-ドラガイト』の効果ッッ!!!」
《魔救の奇跡
アダマシア・ライズ
-ドラガイト/Adamancipator Risen - Dragite》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/水属性/岩石族/攻3000/守2200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分のデッキの上からカードを5枚めくる。
その中の岩石族モンスターの数まで相手フィールドのカードを選んで
持ち主の手札に戻す事ができる。
めくったカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す。
(2):自分の墓地に水属性モンスターが存在し、
相手が魔法・罠カードの効果を発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
発動させたのは、ドラガイトの②の効果。
和泉「魔法カードの発動を無効にし───破壊するッッ!!!」
火群「───ッ」
和泉の元へ迫った不死鳥の炎を、突如床より突き出た無数の氷の結晶が掻き消した。
火群「……そう、だよな…!やっぱり居るんだ…!その中に───和泉が!」
───『炎王の急襲』。
それをここまで警戒するのは、そのカードからの数々の逆転劇を間近で見続けてきた和泉本人の意識が残っている事の証明でもあった。
鈴華「…!市瀬さんはあのモンスターの効果を知っていたの…!?」
二人の攻防を遠くで見守る鈴華は驚きの声を上げる。
雫「…いえ、多分……知らなかったと思います。だけど───」
結維「───直感で、感じ取った」
鈴華「…!!だとしても、なんで『炎王の急襲』を無効にさせようと…?あのカードは、市瀬さんのデッキのキーカードなんじゃないの…!?」
戒「…わからないのか?」
鈴華「戒さん…?」
戒「市瀬は、自らの信じる最強のカードさえ───囮に使う覚悟で闘っているんだ」
───最強の、囮。
火群の戦いをいつも側で見てきた和泉に、それを放っておけるはずなどないのだ。
和泉「───ハァ…ッ…ハァ……!」
無論、和泉のカタチをした目の前の少女“ランセア”の中に、和泉が存在すると仮定するならば、の話ではあったが。
和泉「…身体が…熱い……ッ…なんなの…これ───」
火群「───闘ってるんだ。和泉も。キミの中で」
和泉「……ィ…ァ…違う…ッ……!!」
火群「……すぐに、解放してやるからな───」
和泉だけじゃない。
自分が何者なのかすらわからず目の前で苦しんでいる───ランセアという少女もだ。
火群「───みんな助ける。助けてみせる。
永続魔法発動───『補給部隊』!!」
《補給部隊
ほきゅうぶたい
/Supply Squad》 †
永続魔法
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。
自分は1枚ドローする。
和泉「……補給部隊…!」
これもまた、炎群を支え続けてきたカードである。決闘が長引けば長引くほど効力を発揮するこのカード。長期戦を想定するならできれば早めに処理しておきたい1枚だ。
火群「…さあ、どうでる……?」
そして先程の一手を経てのこの一手。
明らかに、打たせに来てるように和泉には映った。
和泉「───」
選んだのは、沈黙。
何も発動しなかったのを確認すると、火群は次の一手に打って出た。
火群「俺は…『炎王妃 ウルカニクス』を召喚!!!」
和泉「……っ!」
続いて火群が召喚権を切って出してきたのは、身体を借りた和泉の記憶をいくら辿っても知り得ない未知のモンスター。
『炎王妃 ウルカニクス』[ATK 800]☆4
火群「召喚されたウルカニクスの効果!!」
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
このカード以外の自分の手札・フィールド(表側表示)の炎属性モンスター1体を破壊し、
「炎王妃 ウルカニクス」以外の獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスター1体をデッキから手札に加える。
その後、このカードのレベルをこの効果で手札に加えたモンスターと同じにできる。
火群「手札の『炎王獣 バロン』を破壊し…ッデッキから手札に加えるのは───『真炎王 ポニクス』!!」
破壊と創造。そしてこれに反応して、更なる展開へとその炎は連鎖し───
火群「…まだだ!破壊の炎は連鎖する!!
俺の炎属性モンスターが破壊された事で、手札の『真炎王 ポニクス』の効果!!」
《真炎王
しんえんおう
ポニクス/Legendary Fire King Ponix》 †
効果モンスター
星1/炎属性/鳥獣族/攻 500/守 200
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):元々の属性が炎属性となる自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「炎王」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(3):このカードが破壊され墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動する。
墓地のこのカードを手札に加える。
火群「出番だぜ!!現れろッ!!『真炎王 ポニクス』!!」
『真炎王 ポニクス』[ATK 500]
和泉「───!」
灼熱の炎の中より現れたのは、あまりにも小さな───不死鳥の雛。
和泉「随分かわいいモンスターだね…ッ…だけどデュエルにおいては…そういうモンスターが───最も危険」
火群「…特殊召喚されたポニクスの効果発動ッ!!」
和泉「───これ以上好き勝手はさせないから!」
火群「───!」
和泉「この瞬間!!『氷霊山の龍祖 ランセア』の効果発動っ!!」
(1):相手がモンスターを特殊召喚した場合に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
自分の手札・デッキ・EXデッキ・墓地から「氷結界」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を守備表示にできる。
チェーン①『真炎王 ポニクス』
デッキから『炎王』魔法・罠カードをサーチ。
チェーン②『氷霊山の龍祖 ランセア』
手札・デッキ・EXデッキ・墓地から『氷結界』モンスター1体を特殊召喚し、その後相手の攻撃表示モンスター1体を守備表示にできる。
和泉「世界は凍りつく───ランセアの名の下にっ!!デッキより現れよ…っっ『氷結界の虎将 ライホウ』!!」[DEF 2300]
火群「!!(こっちの展開に反応してモンスターを呼び出す効果か……!)…なら俺はポニクスの効果で───」
言いかけ、手が止まる。
火群「…ッ…!?なんだ…ッ…?気温のせいか…?手が悴んで───」
和泉「違うよ。火群くん───ライホウの効果が火群くんが縛ってるんだよ」
和泉の口調で、少女は言う。
火群「…何…!!永続効果か…ッ!!」
和泉「正解っ!ライホウが場にいる限り、炎群くんの場で発動したモンスターの効果適用時に、火群くんは手札を1枚捨てる事ができるの!捨てなかったら───わかるよね?」
火群「───その効果は、無効になる……ッ」
和泉「その通りっ!さあ、聞かせて───火群くんの選択を」
手札を切り捨て、己を通すか。
己を殺し、手札を守るか。
火群「…そんなの、決まってる…!!
俺は手札の『マグマッチョ・ドラゴン』を捨て───ポニクスの効果を適用させる!!」
和泉「…そうだよね!そうするしかないよね!犠牲なくして得られるものなんて無いんだよ!!」
火群「…ただな……俺は欲張りなんだよ…!何かを得るために他のものを犠牲になんてしない!!!」
和泉「…っ…?」
火群「だからこれは“犠牲”じゃない───次に繋がる“希望”の選択だ!!」
和泉「───ッ(今捨てたカード、まさか───)」
火群「俺はポニクスの効果でデッキからこのカードを手札に加え、発動する!!永続魔法───『炎王の聖域』!!!」
宣言と同時に掲げたカードが魔法・罠ゾーンに置かれる。すると、周囲で炎が舞い踊り、部屋中がグラグラと揺れ始める。
和泉「…!!何かが……地面から出てくる…!?」
直感で“下”に何かを感じ取った和泉は視線を落とす。
和泉「───!!」
間も無くして、ヒビ割れた大地から姿を現したのは───巨大な火山。
火群「このカードの発動時、フィールドは『炎王の孤島』となるッ!!」
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「炎王の孤島」1枚を自分のフィールドゾーンに表側表示で置く事ができる。
和泉「また……私の知らないカード…!!でも、炎王の孤島……それは知ってる!!」
デッキを回す上で重要な役割を担うカードである事。
そしてそのカードが抱える、致命的なデメリットも。
彼女の中の“和泉”がよく知っている。
火群「───『炎王の孤島』の効果、発動ッ!!」
《炎王
えんおう
の孤島
ことう
/Fire King Island》 †
フィールド魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスター1体を破壊し、
デッキから「炎王」モンスター1体を手札に加える。
(2):自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
手札から鳥獣族・炎属性モンスター1体を特殊召喚する。
(3):フィールドゾーンの表側表示のこのカードが、
墓地へ送られた場合または除外された場合に発動する。
自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
火群「自分の手札・フィールドのモンスター1体を破壊し、デッキから『炎王』モンスター1体を手札に加えるッ!!」
和泉「───させ…ないよっ!!この瞬間!『飢顎竜 アーケティス』の効果を発動っ!!」
(3):自分・相手ターンに、手札を2枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
和泉「手札を2枚捨て───」
手札→墓地
『氷結界の鏡魔師』
『氷結界の浄玻璃』
和泉「───『炎王の孤島』を破壊するっ!!」
宙に投げられた2枚のカードを喰らい、火群の背後に聳え立つ大火山へと飢顎竜は襲いかかる。
火群「───!」
自身の何倍もの大きさである火山をものともせず、自慢の顎で喰らい付いた飢顎竜の牙は、巨大な火山にすらヒビを入れ───
和泉「…そして、炎王の孤島は墓地へ送られると同時に、味方モンスターを全て破壊する…っ!これで───」
───しかし。
和泉「───!?」
その牙が奥まで届く事は無く、謎の力によって飢顎竜の身体は弾かれた。
火群「───悪いな、和泉。その“穴”は、もう克服してる」
火群の盤面で燦然と輝くは───『炎王の聖域』。その効果が、適用されていた。
(2):1ターンに1度、自分のフィールドゾーンのカードが効果で破壊される場合、
代わりに自分の手札・フィールド(表側表示)の炎属性モンスター1体を破壊できる。
火群「俺の場のウルカニクスが代わりに破壊された事で、その祈りは聖域を通して孤島を護るんだ───」
和泉「…!!」
孤島は健在。よって効果はそのまま適用される───
火群「場のポニクスを破壊し、デッキから手札に加えるのは───『聖炎王 ガルドニクス』ッッ!!!」
和泉「───っ!!」
『ガルドニクス』の名を冠した見たことのないカードに和泉は眉を寄せる。しかし身構える暇もなく、
火群「───効果処理後」
宣言の直後。地中より何本もの火柱が立ち上り───
火群「破壊に反応して、場の『補給部隊』、墓地の『炎王妃 ウルカニクス』、『マグマッチョ・ドラゴン』……そして手札の『聖炎王 ガルドニクス』の効果が発動するッッ!!!」
4つの効果へと、起爆した。
和泉「…!!私だって…っ!墓地へ送られた鏡魔師の効果!!」
チェーン①『補給部隊』
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。自分は1枚ドローする。
チェーン②『マグマッチョ・ドラゴン』
(2):このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドの表側表示の炎属性モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。その後、自分は1枚ドローする。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
チェーン③『炎王妃 ウルカニクス』
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「炎王神獣 ガルドニクス」1体を守備表示で特殊召喚する。
チェーン④『聖炎王 ガルドニクス』
(1):このカードが手札・墓地に存在し、
元々の属性が炎属性となる自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
チェーン⑤『氷結界の鏡魔師』
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
「氷結界の鏡魔師」以外の自分のデッキ・除外状態の「氷結界」カード1枚を手札に加える。
和泉「私はデッキから、『氷結界の紋章』を手札に!!」[手札 2]
和泉が後続の確保をする中、火群の周囲には炎がゆらめき───
火群「───頼むぜ、ニクス」
信頼の声に応え、不死鳥は姿を現した。
ニクス「───任せろ、ホムラ」
和泉「───!」
火群「聖域より来たるは天空の覇者!!炎環より出でよ───ッ」
赤を基調とした和装に身を包んだ金髪ポニーテールの美女。その人間の姿から赤く燃える不死鳥の姿へと成り替わると、灼熱の炎を纏い天高く舞い上がった。
火群「───『聖炎王 ガルドニクス』ッ!!!」
『聖炎王 ガルドニクス』[ATK 2700]
和泉「……っ!」
ガルドニクスの新たな姿、新たな可能性。
その圧倒的存在感に僅かに気圧される和泉だったが、この程度では終わらない。
火群「…力を貸してくれ…!!“炎花(ほのか)”姉さん───」
破壊されたウルカニクスの祈りが───炎王神獣を呼び覚ます。
和泉「───!」
火群「───急襲せよッ! 勝利へ導く紅蓮の翼! 『炎王神獣 ガルドニクス』!!!」
『炎王神獣 ガルドニクス』[DEF 1700]
和泉「2体の───不死鳥…!!」
火群「まだだ───墓地より蘇れ!!『マグマッチョ・ドラゴン』!!」
『マグマッチョ・ドラゴン』[ATK 2100]
和泉「…あれは…っ…ライホウの効果で捨てたカード───!」
火群「言ったろ!何も犠牲にしない!全部助けるって!!」
和泉「……!!」
火群「───更に!『マグマッチョ・ドラゴン』と、『補給部隊』の効果で───2枚のカードをドロー!!」[手札 3]
和泉「…全部助けるって……?そんなの無理だよっっ!!現に火群くんはメアリーさんも…私も…っ…助けられなかった!!間に合わなかったんだよっ!!」
火群「……ッ…!まだ…間に合わなかったって決めつけんな!!メアリーさんも…ッ和泉も生きてる!!絶対に助ける!!こっからでも間に合わせてみせる!!」
両者の叫びが、想いが、それぞれ炎と冷気となって激しく衝突する。
火群「───『聖炎王 ガルドニクス』の効果ッッ!!!」
和泉「───『氷霊山の龍祖 ランセア』の効果ッッ!!!」
チェーン①『聖炎王 ガルドニクス』
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
「聖炎王 ガルドニクス」以外の
自分の手札・デッキ・フィールド(表側表示)の獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスター1体を破壊する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの攻撃力の半分だけアップする。
チェーン②『氷霊山の龍祖 ランセア』
(1):相手がモンスターを特殊召喚した場合に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
自分の手札・デッキ・EXデッキ・墓地から「氷結界」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を守備表示にできる。
和泉「ランセアの効果は1ターンに2度まで発動できる…!墓地より来たれ───!『氷結界の剣士 ゲオルギアス』!!」
『氷結界の剣士 ゲオルギアス』[ATK 2000]☆6 チューナー
和泉「更に!!『聖炎王 ガルドニクス』には守備表示になってもらうよっ!!」
『聖炎王 ガルドニクス』攻撃表示→守備表示
火群「…ッ…!手札の『ファイヤー・バック』を捨て…ッ俺はデッキから───『炎王神獣 キリン』を破壊!!」
ライホウの効果が適用されているため、フィールドのモンスター効果を発動する度に手札を捨てなければならない。が、しかし、この効果は絶対に通さなくてはならない。
火群「そして破壊したキリンの攻撃力の半分───1200の数値を、聖炎王の攻撃力に加えるッ!」
『聖炎王 ガルドニクス』[ATK 2700→3900]
和泉「…今更、何しようと無駄だよ。この世界は凍りつく───氷結界の名の下に!!特殊召喚されたゲオルギアスの効果!!」
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
自分の手札・墓地からレベル5以下の「氷結界」モンスター1体を特殊召喚する。
火群「無駄…なんかじゃない…!!破壊された『炎王神獣 キリン』の効───」
言いかけ、異変に気づく。
火群「───!?」
手を伸ばした先───墓地が、凍りついているのだ。
和泉「言ったでしょ。無駄だって!『氷結界の剣士 ゲオルギアス』───この子は火群くんのデッキにとって最大の天敵───」
(3):自分フィールドに他の「氷結界」モンスターが存在する限り、
相手は墓地のモンスターの効果を発動できない。
和泉「場に他の氷結界が存在する限り、火群くんは墓地のモンスター効果を発動できない───」
火群「!!!」
鈴華「…えげつない効果…!これで破壊された時の効果まで封じられてしまいましたわ…っ!」
雫「ライホウがフィールドの効果を牽制し、ゲオルギアスが墓地の効果を完全に封じる……無駄がありません…っ!」
けど、バトルさえ行えれば───そう思う2人の希望も、すぐに潰える事となる。
和泉「更にこれで、チェックメイトだよ!特殊召喚されたゲオルギアスの効果で墓地より来たれ───『氷結界の守護陣』っ!!」
『氷結界の守護陣』[DEF 1600]
和泉「この子と他の氷結界が存在する限り、守護陣の守備力以上……攻撃力1600以上の相手モンスターは攻撃できない───」
火群「───!」
和泉「それに、『氷結界の晶壁』と、3体の氷結界が存在する限り、私の場の氷結界はEXデッキから特殊召喚されたモンスターの効果も受けない…っ!!私の領域には、誰も踏み込ませないっ!!」
火群「……!」
目の前の少女の叫びに、火群は一瞬の沈黙を経て、
火群「まだ…まだだ…ッ…!!俺の炎は……俺たちの炎は……ッ…!こんな簡単に消えたりしない───!!」
力強く叫び、残った2枚の手札を天高く掲げた。
和泉「…!!」
火群「踏み込ませない…だぁ…?
───いい加減にしろよ!!
いつもいつも…ッ…図々しく人様の心に踏み込んできたのは───ッ」
和泉「───っ」
火群「───和泉ッ!!お前の方だろうが!!」
和泉「───!」
火群「手札の『焔征竜-ブラスター』の効果発動ッ!!!」
(1):手札からこのカードと炎属性モンスター1体を墓地へ捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
それを破壊する。
火群「手札の『焔征竜-ブラスター』と『炎王獣 ガネーシャ』を墓地へ送り───『氷結界の虎将 ライホウ』を破壊するッ!!!」
ガネーシャの炎をその身に纏い突進する焔征竜になすすべもなく、ライホウは破壊され───
和泉「やめて……入って来ないで…ッ…」
思わず声を上げる和泉に、火群は思いの丈全てをぶつける。
火群「…だけどな……ッ…そんなお前がいたから……姉さんを失って塞ぎ込んでた俺は───ッまた歩き出すことができたんだ!!」
和泉「……やめて」
火群「それだけじゃない!!その腕に火傷を負わせてしまった時も…ッ…黒髭中で再会した時も…!結維さんと衝突した時も…ッ…!!」
和泉「………やめて」
火群「俺は、お前に助けられてばかりだ……ッ…!」
和泉「…………やめて」
火群「だから…次は……俺が───ッ」
和泉「やめて」
火群「───俺は!!!」
叫び、右腕を高く突き上げた。
溢れた大粒の涙が炎となって霧散する。
火群「レベル8の『聖炎王 ガルドニクス』と…ッ『マグマッチョ・ドラゴン』…ッ…2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!!!」
2体のモンスターは炎の柱に包まれ、掛け合わされる。
火群「───エクシーズ召喚!!」
それは、今まで覚醒させてきた白紙のカードのどれとも違う。死地より目覚めた火群自身の力───
火群「……もっと高く!!…もっと熱く!!
奇跡が生んだ“神”の力───燃え尽きる事なき〝永遠(とわ)の焔〟よ、希望を胸に燃え上がれッッ!!!
現れろ!!
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』!!!」
直後───爆音。
火群の背後の火山が噴火し、フィールド全体を激しい炎が包み込む。
やがて掛け合わされた2つの炎は金色の光を放ち、“永遠”の名に相応しき不死鳥へと姿を変えた。
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』[ATK 3000]
舞い降りると同時に、
火群「───『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』の…ッ…効果発動ッッ!!!」
その焔は加速する。
火群「フィールドの他のモンスター全てを───破壊するッッ!!」
和泉「───!」
火群「ライホウが居なくなった今…!場の氷結界は2体!!晶壁の効果でもこの炎は防げない!!頼むぜ───ニクス!!!」
期待の声に不死鳥は無言で頷き、叫び声を上げた。
ニクス「ぜぇええぇァァアアアァアアア!!!」
そして金色の炎はフィールド全体を駆け巡り、場のモンスター全てを包み込むのだった。
場→破壊
『炎王神獣 ガルドニクス』
『飢顎竜-アーケティス』
『魔救の奇跡-ドラガイト』
『氷結界の剣士 ゲオルギアス』
『氷結界の守護陣』
『氷霊山の龍祖 ランセア』
一度に6体ものモンスターを巻き込んだ業火に、部屋中の氷柱は全て溶け、水となり、蒸発。
辺りを水蒸気が包み込む───
火群「はぁ…ッ…!はぁ…!はァ…ッッ!
…ランセア…キミはなんで戦うんだ…?キミを創り出したヤツらは、この世界を滅ぼそうとしてるんだぞ…!?」
激しい攻防に息も絶え絶えになる。水蒸気が霧のように視界を奪うそんな中、火群は問う。
火群「キミには、キミ自身の“意思”もある…!終焉の焔に従ってるって訳でも無いんだろう!?」
和泉「……」
和泉───否。ランセアはしばしの沈黙を経て、
和泉「───1000年」
一言、そう呟いた。
火群「───?」
そして、
和泉「私は1000年間、この神星樹にて封印されていたの」
自らの過去を、語り始めた。
和泉「世界を滅ぼせるほどの強大な力を持っていた私は、その力を恐れた精霊王に封印され、この地にて長い時を過ごした。」
火群「……っ…」
和泉「何も悪い事をしてないのに」
火群「……」
和泉「私はただ平穏に過ごしたかった。こんな力なんていらなかった。なのに王は、民は、私を禁忌だと責め立て……暗い世界に閉じ込めた」
火群「……!」
和泉「…私の残した3人の子供さえも───」
火群「…!!」
和泉「───そして1000年。私は『桜庭和泉』という私を受け入れられるほど強力な…適した依代を与えられ、こうして封印は解かれた。だけどね───」
火群「不完全…なんだろ…?」
和泉「…そう。復活は不完全。だからあなた達の精霊を全て喰らい、完全復活を遂げなくては───私の依代であるこの『桜庭和泉』の肉体は負荷に耐えきれず死んでしまうの」
火群「───は?」
和泉「そして、完全復活を遂げた場合───私の中の私以外の意識……即ち、『桜庭和泉』の意識も死滅する」
火群「───は…?」
ランセアを除いたその場の全員が言葉を失い青ざめる。
───間に合わなかった。
先程そう言ったランセアの言葉の意味が、今の言葉に全て込められていた。
ランセアを倒せば、和泉の肉体は死に。
ランセアを完全復活させれば、和泉の心が死ぬ。
どちらを選んでも絶望しか待ち受けていない───不条理な天秤。
和泉「私はもう、暗い暗い世界に戻るのは嫌なんだ。だから私の力がどんな奴らに利用されようと……関係ない」
火群「───」
和泉「───私は生きたい!!!生きるために戦わなきゃいけないの!!!」
叫声───刹那。
火群「───ぁ」
霧がかった視界が一部鮮明になる。
目の前には、見慣れた後ろ姿。
ニクス「───」
火群の相棒、ガルドニクスの姿。
ニクス「───…がッ…」
その背中から、氷の槍が貫通していた。
火群「…!!!ニクスッッ!!」
叫び、ニクス越しに見たランセアの場。そこには信じ難い光景が広がっていた。
火群「…ッ…ニクスの炎は、確かにフィールドの全てを焼き払った…ッ…なのになんで───ッ」
『氷結界の還零龍 トリシューラ』[ATK 2700]☆11
ランセアの場には、全身を氷で覆われた三ツ首の氷龍が君臨していたのだ。
和泉「───『氷霊山の龍祖 ランセア』の、2つ目の効果」
(2):S召喚した表側表示のこのカードが相手によってフィールドから離れた場合に発動できる。
EXデッキから「氷結界」Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
和泉「相手によってフィールドを離れた場合、EXデッキから氷結界モンスターをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する───“プライマル・リ・ゼロ”」
例え死しても、その意思は、子である三龍に引き継がれるのだ。
火群「……ッ…!!!ニクス…!!ニクス…!!しっかりしろ!!」
ニクス「…グ…ッ…が…ァ…!!私に構うな…ッ…!!それより気を抜くな!!“あと2本”が来るぞッッ!!!」
ニクスの言葉を受け、目線を再び還零龍へと移す。
三つの口のうち二つがまだエネルギーを溜めている事に気づき身構えるが、もう遅い。
和泉「───『氷結界の還零龍 トリシューラ』の効果」
(1):このカードがS召喚した時に発動できる。
相手フィールドのカードを3枚まで選んで除外する。
和泉「その氷槍は三度降り注ぐ」
宣言と同時に放たれた2本の槍は先程飢顎竜の効果を弾いた『炎王の孤島』と、『補給部隊の2枚を容易く撃ち貫き、計3枚のカードを一瞬にして消し飛ばした。
フィールド→除外
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』
『炎王の孤島』
『補給部隊』
圧巻の殲滅力。
新たに目覚めたエースモンスターも、展開の起点となるフィールド魔法も、長期戦を見据えた継続的なアドバンテージ源も、一瞬の内に全て失い、火群の場に残されたのは、発動時の効果処理も使い、護るべきフィールド魔法も失った『炎王の聖域』ただ1枚のみ───
火群「───ッ」
和泉「…これが精霊王すら恐れた私の力。私はこの力で───自由を手に入れる」
火群「……っ…」
和泉「もう手遅れなの。どっちが勝とうが、キミの大切な和泉は死ぬ。さっさと諦めた方が身の為だよ」
火群「………」
どっちを選んでも、和泉が死ぬ。
火群「……」
その結果は、変わらない。
火群「……」
それでも。
火群「…その中に……まだ和泉は居る」
確かに、居るんだ。
火群「諦めて……たまるかよ…」
みんなが、繋いでくれた。
火群「…その思い全てを無駄にする訳にはいかないんだ…ッ…」
和泉「じゃあ、どうするの?」
火群「……分からない」
でも───
火群「───必ず助ける。
…和泉も。その中にいる無数の精霊達も…。勿論、ランセア…キミもだ…!!」
和泉「───!」
直後───火柱。
地中より湧き上がる、3本の火柱。
和泉「!?」
火群「───墓地の『ファイヤー・バック』の効果!!!」
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地・除外状態の炎属性モンスター3体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻す。
その後、自分は1枚ドローする。
火群「全部…助けるんだ…!!
俺は墓地・除外状態の炎属性モンスター3体をデッキに戻し───」
除外→EXデッキ
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』
墓地→デッキ
『炎王神獣 キリン』
『炎王妃 ウルカニクス』
火群「…ッ1枚ドローッッ!!!」[手札 1]
引き抜いたカードは炎を帯び、火群の手に宿る。
火群「───カードを1枚伏せて、ターンエンド」[手札 0]
そしてそのカードを伏せると、ターンの終了を宣言した。
和泉「───」
火群は、まだ続けるつもりなのだ。この決闘を。
どのような結末になろうとも。
火群「───」
和泉(…何…?なんなの……あの目は…?)
その答えは、わかっているはずである。
内にいる和泉が、誰よりも知っているのだから。
しかしランセアの脳が、理解を拒むのだ。
不可能を可能に変える、奇跡など。
それを信じ抜く、人の心など。
理解───できない。
理解──────。
To Be Continued…
突如人間界に姿を現した精霊界の遺物───《神星樹》の内部。
その中心に位置する《美の間》。
和泉「───あ、火群くんだ」
口を開いたのは、黒髪ショートに薄紅色の眼鏡をかけた寝巻き姿の少女───桜庭和泉(さくらば いずみ)。
火群「───」
対するは、赤みがかった黒髪の少年───市瀬火群(いちせ ほむら)。
火群「………」
元の原型などない氷結したこの空間で、少年少女は再会を果たす。
火群「───元気そうだな」
二人の距離は、僅か1メートルにも満たない。
何食わぬ顔で、まるで週明けに教室で挨拶を交わすが如きやり取りが繰り広げられるが───
火群「───」
軽く辺りを見渡すと、傷つき、倒れた仲間たちの姿が目に入る。
火群「───メアリーさん」
メアリーは瑞希とのデュエルに敗れ、大量の血を流し意識も無い。
火群「───栗須、戒」
栗須と戒はメアリー達を守るために氷柱を受け、意識はあるが立ち上がれない程のダメージを負っている。
火群「───西蓮寺さん、雫さん」
鈴華と雫は一人の少女を少しでも前へと送り届けるために、ボロボロになりながらもその少女を支えていた。
そして───
火群「───結維さん」
その少女───和泉と瓜二つの少女、結維。
結維「───」
和泉を助けるべく戦い続けた彼女の伸ばした左手は───火群の右手と繋がれていた。
火群「伸ばした手は───ちゃんと届いたぜ」
だから───
火群「ここから先は───俺が届ける」
その一言と共に、火群の背中から真紅の羽が出現───直後。
鈴華「…っ…!?これは───っ」
暖かい炎が部屋中に広がり、白銀に染まった世界を少しずつ溶かしてゆく───
火群「…雫さん!」
雫「…!!え、あ、はい!」
火群「メアリーさんは、生きてるんだよな??」
雫「…っ…!!はい…!でもお姉ちゃんとのデュエルで……っ…、今はレラさんとピリカさんが診てくれてます…!」
火群「…急がないとマズイ…!神星樹に吸収されてないって事は、“既に養分として機能しないほど衰弱してる”って事かもしれない…!!
鈴華「…!!!」
雫「…っ…!」
火群「俺とニクスの炎でなんとか命は繋ぐ……ッ繋いでみせる…!!絶対に───」
火群を中心に広がる炎がより一層勢いを増す。
しかし、その焔は周りの誰も傷つけはしない。
暖かく柔らかい───癒しの力。
───〝生命の焔〟。
火群「───誰も死なせない!!!」
そして再び和泉を正面に見据え、
火群「和泉!!お前もだ!!!
和泉「……?」
真剣な顔で叫ぶ火群に、和泉はきょとんとし首を傾げた。そして一声。
和泉「…なに言ってるの?私はもう大丈夫だよ?」
火群「悪いけど、キミに言ってるんじゃ無い」
和泉「……??意味わかんないんだけど…」
火群「……キミの中の、和泉に言ってるんだ」
和泉「───あは」
和泉の形をした少女は、笑う。
和泉と同じように。なにも変わらずに。
笑う。
普通が故の───異質。
仲間たちが傷つき、倒れているというのに、目の前のこの少女はなに一つ感じていない。
火群「───キミは、誰だ」
和泉「───」
この感覚には覚えがあった。
目の前の存在は確かに和泉そのものなのに、その中に確かに和泉を感じるのに、脳がそれを拒絶する。
チアガールと戦った時と、同じ感覚だ。
あの時は和泉の中の主人格がチアガールに乗っ取られていた。そして今回もおそらく───
火群「───お前は、誰だッ!!!」
再び、問う。今度は、強い口調で。
和泉「……」
すると少女の目の色が変わり───
和泉「───私は精霊集合体」
赤みがかった氷の翼を広げ───
和泉「名は───ランセア」
ランセア───そう名乗った。
同時に、たん、たん、たん、と軽快なステップで距離を取ると、和泉を護る様にモンスター達が火群の前に立ちはだかった。
『氷霊山の龍祖 ランセア』[ATK 3300]
『魔救の奇跡-ドラガイト』[ATK 3000]
『飢顎竜-アーケティス』[DEF 2500]
和泉「ここにいる全ての精霊を喰らい、完全復活を遂げさせてもらうよ」
火群「……っ!!」
一体一体が、恐ろしいほどのプレッシャーを放っている。
どれも火群の知らないモンスター達だ。
どうやら主人格だけでなく、デッキまでも乗っ取られている状態と見て取れる。
火群「ッ…」
そこで最悪のケースが頭をよぎる。
精霊の統合を阻止できなかったのか?
だが、さっきのセリフからして、統合は完全じゃない。
おそらく敵も焦っている。
統合を途中で打ち切らなきゃならないほど、追い詰められてはいるはずなんだ。
大丈夫。手遅れになんか、なっていない。
大丈夫大丈夫。大丈夫───
火群「……ッ……」
なのに、なぜ、震えが止まらない───?
結維「───大丈夫よ」
直後───声。
繋がれた手から、熱が伝わる。
火群「───」
震えは一瞬にして、止まった。
結維「僅か……だけど…ッ…けほ…ッ……和泉の声は聞こえてる……ッ…」
火群「…!」
結維「まだ…完全に意識を乗っ取られた訳じゃ…っ……ないはずよ…!!」
和泉と感覚を共有できる結維の言葉。この場面において、これほど嬉しい言葉もない。
結維「届けるんでしょ……?助けるんでしょ……?なにがなんでも、みんなで生きて帰るんでしょ…!?だったら一瞬でも弱気になんじゃないわよ……っ…!」
結維は繋いだ手にほんの少し力を込めてからその手を離すと、今度は軽く拳を作り火群の背を小突く形で押し出した。
結維「頼んだわよ───行ってこい…!!バカ火群…っっ!!」
火群「───ッ」
そうだ。そうだった。
必ず、全員生きて帰るんだ。
火群「───おう!!!!」
またみんなで笑って、デュエルをするために。
◉◉◉遊戯王 Ph.X◉◉◉
───DRAW:244───
《〝永遠の焔〟》
火群「───デュエルだ。ランセア。俺が相手だ」
和泉「……火群くんが相手してくれるんだ♪やったー!久しぶりだなぁ…火群くんとデュエルするの!」
火群「…ッ……下手な芝居はやめろ。お前を倒して、和泉の身体を返してもらう!!」
そう言って決闘盤を構えると、火花が弾け、決闘モードへと移行する。
火群【LP 8000】[手札 5]
火群「みんなは安全なとこまで下がっててくれ」
鈴華「…でも…っ…!」
雫「……鈴華さん。火群さんの言う通りにしましょう。私たちが側に居てはきっと邪魔になっちゃいます」
火群「…悪いな。みんな。進化した俺のデッキは……どこまでの出力が出るかまだ俺にもわからないんだ」
鈴華「…!なら、せめて、私たちの想いだけでも───」
鈴華がそう言うと鈴華・雫・結維、3人のデッキから浮き出たエネルギーの球体が火群のデッキに宿っていく───
火群「これは───?」
鈴華「和泉さんを助けたい気持ちは、みんな同じ。私たちの想い、あなたのデッキに託しましたわ」
火群「…!それは頼もしいな…!」
鈴華「…負けたら承知しませんわよ!!」
雫「……火群さん。信じてます。必ずみんなで帰りましょうねっ」
火群「…ああ!!」
雫と鈴華が結維を抱き抱えながら、戒・栗須・メアリー・レラ・ピリカのいる生命の焔で囲われた安全地帯へと辿り着いたのを確認してから、火群はデッキの上に人差し指と中指を乗せ───
火群「───いくぜ、俺のターン」
◉TURN:02◉
火群「ドローーーッッ!!」[手札 6]
力一杯、カードを引いた。
火群【LP 8000】
(モンスター)
なし
(魔法・罠)
なし
伏せ:0
手札:6
墓地:0
和泉【LP 8000】
(モンスター)
『氷霊山の龍祖 ランセア』[ATK 3300]
『魔救の奇跡-ドラガイト』[ATK 3000]
『飢顎竜アーケティス』[DEF 2500]
(魔法・罠)
『氷結界の晶壁』(永続魔法)
伏せ:0
手札:3
墓地:照魔師、鏡魔師、随身、守護陣、ゲオルギアス、浄玻璃、晴嵐、
◉メインフェイズ◉
メインフェイズへ移行し、盤面を軽く見渡すと、
火群「その中に───まだ少しでも和泉の意識が残ってるなら」
迷いの無い動作で、1枚の魔法カードを発動させた。
火群「絶対に───止めるはずだ」
それは、いつだって火群の決闘を支えてくれた───魂のカード。
火群「魔法発動───『炎王の急襲』」
《炎王
えんおう
の急襲
きゅうしゅう
/Onslaught of the Fire Kings》 †
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。
デッキから獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。
火群「聞こえるか───和泉!!!」
和泉「……ッッ…!!」
火群の叫びに、和泉は僅かに肩を揺らし、唇を噛み締めた。そして───
和泉「───『魔救の奇跡-ドラガイト』の効果ッッ!!!」
《魔救の奇跡
アダマシア・ライズ
-ドラガイト/Adamancipator Risen - Dragite》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/水属性/岩石族/攻3000/守2200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分のデッキの上からカードを5枚めくる。
その中の岩石族モンスターの数まで相手フィールドのカードを選んで
持ち主の手札に戻す事ができる。
めくったカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す。
(2):自分の墓地に水属性モンスターが存在し、
相手が魔法・罠カードの効果を発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
発動させたのは、ドラガイトの②の効果。
和泉「魔法カードの発動を無効にし───破壊するッッ!!!」
火群「───ッ」
和泉の元へ迫った不死鳥の炎を、突如床より突き出た無数の氷の結晶が掻き消した。
火群「……そう、だよな…!やっぱり居るんだ…!その中に───和泉が!」
───『炎王の急襲』。
それをここまで警戒するのは、そのカードからの数々の逆転劇を間近で見続けてきた和泉本人の意識が残っている事の証明でもあった。
鈴華「…!市瀬さんはあのモンスターの効果を知っていたの…!?」
二人の攻防を遠くで見守る鈴華は驚きの声を上げる。
雫「…いえ、多分……知らなかったと思います。だけど───」
結維「───直感で、感じ取った」
鈴華「…!!だとしても、なんで『炎王の急襲』を無効にさせようと…?あのカードは、市瀬さんのデッキのキーカードなんじゃないの…!?」
戒「…わからないのか?」
鈴華「戒さん…?」
戒「市瀬は、自らの信じる最強のカードさえ───囮に使う覚悟で闘っているんだ」
───最強の、囮。
火群の戦いをいつも側で見てきた和泉に、それを放っておけるはずなどないのだ。
和泉「───ハァ…ッ…ハァ……!」
無論、和泉のカタチをした目の前の少女“ランセア”の中に、和泉が存在すると仮定するならば、の話ではあったが。
和泉「…身体が…熱い……ッ…なんなの…これ───」
火群「───闘ってるんだ。和泉も。キミの中で」
和泉「……ィ…ァ…違う…ッ……!!」
火群「……すぐに、解放してやるからな───」
和泉だけじゃない。
自分が何者なのかすらわからず目の前で苦しんでいる───ランセアという少女もだ。
火群「───みんな助ける。助けてみせる。
永続魔法発動───『補給部隊』!!」
《補給部隊
ほきゅうぶたい
/Supply Squad》 †
永続魔法
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。
自分は1枚ドローする。
和泉「……補給部隊…!」
これもまた、炎群を支え続けてきたカードである。決闘が長引けば長引くほど効力を発揮するこのカード。長期戦を想定するならできれば早めに処理しておきたい1枚だ。
火群「…さあ、どうでる……?」
そして先程の一手を経てのこの一手。
明らかに、打たせに来てるように和泉には映った。
和泉「───」
選んだのは、沈黙。
何も発動しなかったのを確認すると、火群は次の一手に打って出た。
火群「俺は…『炎王妃 ウルカニクス』を召喚!!!」
和泉「……っ!」
続いて火群が召喚権を切って出してきたのは、身体を借りた和泉の記憶をいくら辿っても知り得ない未知のモンスター。
『炎王妃 ウルカニクス』[ATK 800]☆4
火群「召喚されたウルカニクスの効果!!」
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
このカード以外の自分の手札・フィールド(表側表示)の炎属性モンスター1体を破壊し、
「炎王妃 ウルカニクス」以外の獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスター1体をデッキから手札に加える。
その後、このカードのレベルをこの効果で手札に加えたモンスターと同じにできる。
火群「手札の『炎王獣 バロン』を破壊し…ッデッキから手札に加えるのは───『真炎王 ポニクス』!!」
破壊と創造。そしてこれに反応して、更なる展開へとその炎は連鎖し───
火群「…まだだ!破壊の炎は連鎖する!!
俺の炎属性モンスターが破壊された事で、手札の『真炎王 ポニクス』の効果!!」
《真炎王
しんえんおう
ポニクス/Legendary Fire King Ponix》 †
効果モンスター
星1/炎属性/鳥獣族/攻 500/守 200
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):元々の属性が炎属性となる自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「炎王」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(3):このカードが破壊され墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動する。
墓地のこのカードを手札に加える。
火群「出番だぜ!!現れろッ!!『真炎王 ポニクス』!!」
『真炎王 ポニクス』[ATK 500]
和泉「───!」
灼熱の炎の中より現れたのは、あまりにも小さな───不死鳥の雛。
和泉「随分かわいいモンスターだね…ッ…だけどデュエルにおいては…そういうモンスターが───最も危険」
火群「…特殊召喚されたポニクスの効果発動ッ!!」
和泉「───これ以上好き勝手はさせないから!」
火群「───!」
和泉「この瞬間!!『氷霊山の龍祖 ランセア』の効果発動っ!!」
(1):相手がモンスターを特殊召喚した場合に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
自分の手札・デッキ・EXデッキ・墓地から「氷結界」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を守備表示にできる。
チェーン①『真炎王 ポニクス』
デッキから『炎王』魔法・罠カードをサーチ。
チェーン②『氷霊山の龍祖 ランセア』
手札・デッキ・EXデッキ・墓地から『氷結界』モンスター1体を特殊召喚し、その後相手の攻撃表示モンスター1体を守備表示にできる。
和泉「世界は凍りつく───ランセアの名の下にっ!!デッキより現れよ…っっ『氷結界の虎将 ライホウ』!!」[DEF 2300]
火群「!!(こっちの展開に反応してモンスターを呼び出す効果か……!)…なら俺はポニクスの効果で───」
言いかけ、手が止まる。
火群「…ッ…!?なんだ…ッ…?気温のせいか…?手が悴んで───」
和泉「違うよ。火群くん───ライホウの効果が火群くんが縛ってるんだよ」
和泉の口調で、少女は言う。
火群「…何…!!永続効果か…ッ!!」
和泉「正解っ!ライホウが場にいる限り、炎群くんの場で発動したモンスターの効果適用時に、火群くんは手札を1枚捨てる事ができるの!捨てなかったら───わかるよね?」
火群「───その効果は、無効になる……ッ」
和泉「その通りっ!さあ、聞かせて───火群くんの選択を」
手札を切り捨て、己を通すか。
己を殺し、手札を守るか。
火群「…そんなの、決まってる…!!
俺は手札の『マグマッチョ・ドラゴン』を捨て───ポニクスの効果を適用させる!!」
和泉「…そうだよね!そうするしかないよね!犠牲なくして得られるものなんて無いんだよ!!」
火群「…ただな……俺は欲張りなんだよ…!何かを得るために他のものを犠牲になんてしない!!!」
和泉「…っ…?」
火群「だからこれは“犠牲”じゃない───次に繋がる“希望”の選択だ!!」
和泉「───ッ(今捨てたカード、まさか───)」
火群「俺はポニクスの効果でデッキからこのカードを手札に加え、発動する!!永続魔法───『炎王の聖域』!!!」
宣言と同時に掲げたカードが魔法・罠ゾーンに置かれる。すると、周囲で炎が舞い踊り、部屋中がグラグラと揺れ始める。
和泉「…!!何かが……地面から出てくる…!?」
直感で“下”に何かを感じ取った和泉は視線を落とす。
和泉「───!!」
間も無くして、ヒビ割れた大地から姿を現したのは───巨大な火山。
火群「このカードの発動時、フィールドは『炎王の孤島』となるッ!!」
(1):このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「炎王の孤島」1枚を自分のフィールドゾーンに表側表示で置く事ができる。
和泉「また……私の知らないカード…!!でも、炎王の孤島……それは知ってる!!」
デッキを回す上で重要な役割を担うカードである事。
そしてそのカードが抱える、致命的なデメリットも。
彼女の中の“和泉”がよく知っている。
火群「───『炎王の孤島』の効果、発動ッ!!」
《炎王
えんおう
の孤島
ことう
/Fire King Island》 †
フィールド魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスター1体を破壊し、
デッキから「炎王」モンスター1体を手札に加える。
(2):自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
手札から鳥獣族・炎属性モンスター1体を特殊召喚する。
(3):フィールドゾーンの表側表示のこのカードが、
墓地へ送られた場合または除外された場合に発動する。
自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
火群「自分の手札・フィールドのモンスター1体を破壊し、デッキから『炎王』モンスター1体を手札に加えるッ!!」
和泉「───させ…ないよっ!!この瞬間!『飢顎竜 アーケティス』の効果を発動っ!!」
(3):自分・相手ターンに、手札を2枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
和泉「手札を2枚捨て───」
手札→墓地
『氷結界の鏡魔師』
『氷結界の浄玻璃』
和泉「───『炎王の孤島』を破壊するっ!!」
宙に投げられた2枚のカードを喰らい、火群の背後に聳え立つ大火山へと飢顎竜は襲いかかる。
火群「───!」
自身の何倍もの大きさである火山をものともせず、自慢の顎で喰らい付いた飢顎竜の牙は、巨大な火山にすらヒビを入れ───
和泉「…そして、炎王の孤島は墓地へ送られると同時に、味方モンスターを全て破壊する…っ!これで───」
───しかし。
和泉「───!?」
その牙が奥まで届く事は無く、謎の力によって飢顎竜の身体は弾かれた。
火群「───悪いな、和泉。その“穴”は、もう克服してる」
火群の盤面で燦然と輝くは───『炎王の聖域』。その効果が、適用されていた。
(2):1ターンに1度、自分のフィールドゾーンのカードが効果で破壊される場合、
代わりに自分の手札・フィールド(表側表示)の炎属性モンスター1体を破壊できる。
火群「俺の場のウルカニクスが代わりに破壊された事で、その祈りは聖域を通して孤島を護るんだ───」
和泉「…!!」
孤島は健在。よって効果はそのまま適用される───
火群「場のポニクスを破壊し、デッキから手札に加えるのは───『聖炎王 ガルドニクス』ッッ!!!」
和泉「───っ!!」
『ガルドニクス』の名を冠した見たことのないカードに和泉は眉を寄せる。しかし身構える暇もなく、
火群「───効果処理後」
宣言の直後。地中より何本もの火柱が立ち上り───
火群「破壊に反応して、場の『補給部隊』、墓地の『炎王妃 ウルカニクス』、『マグマッチョ・ドラゴン』……そして手札の『聖炎王 ガルドニクス』の効果が発動するッッ!!!」
4つの効果へと、起爆した。
和泉「…!!私だって…っ!墓地へ送られた鏡魔師の効果!!」
チェーン①『補給部隊』
(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動する。自分は1枚ドローする。
チェーン②『マグマッチョ・ドラゴン』
(2):このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドの表側表示の炎属性モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。その後、自分は1枚ドローする。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
チェーン③『炎王妃 ウルカニクス』
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「炎王神獣 ガルドニクス」1体を守備表示で特殊召喚する。
チェーン④『聖炎王 ガルドニクス』
(1):このカードが手札・墓地に存在し、
元々の属性が炎属性となる自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
チェーン⑤『氷結界の鏡魔師』
(2):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
「氷結界の鏡魔師」以外の自分のデッキ・除外状態の「氷結界」カード1枚を手札に加える。
和泉「私はデッキから、『氷結界の紋章』を手札に!!」[手札 2]
和泉が後続の確保をする中、火群の周囲には炎がゆらめき───
火群「───頼むぜ、ニクス」
信頼の声に応え、不死鳥は姿を現した。
ニクス「───任せろ、ホムラ」
和泉「───!」
火群「聖域より来たるは天空の覇者!!炎環より出でよ───ッ」
赤を基調とした和装に身を包んだ金髪ポニーテールの美女。その人間の姿から赤く燃える不死鳥の姿へと成り替わると、灼熱の炎を纏い天高く舞い上がった。
火群「───『聖炎王 ガルドニクス』ッ!!!」
『聖炎王 ガルドニクス』[ATK 2700]
和泉「……っ!」
ガルドニクスの新たな姿、新たな可能性。
その圧倒的存在感に僅かに気圧される和泉だったが、この程度では終わらない。
火群「…力を貸してくれ…!!“炎花(ほのか)”姉さん───」
破壊されたウルカニクスの祈りが───炎王神獣を呼び覚ます。
和泉「───!」
火群「───急襲せよッ! 勝利へ導く紅蓮の翼! 『炎王神獣 ガルドニクス』!!!」
『炎王神獣 ガルドニクス』[DEF 1700]
和泉「2体の───不死鳥…!!」
火群「まだだ───墓地より蘇れ!!『マグマッチョ・ドラゴン』!!」
『マグマッチョ・ドラゴン』[ATK 2100]
和泉「…あれは…っ…ライホウの効果で捨てたカード───!」
火群「言ったろ!何も犠牲にしない!全部助けるって!!」
和泉「……!!」
火群「───更に!『マグマッチョ・ドラゴン』と、『補給部隊』の効果で───2枚のカードをドロー!!」[手札 3]
和泉「…全部助けるって……?そんなの無理だよっっ!!現に火群くんはメアリーさんも…私も…っ…助けられなかった!!間に合わなかったんだよっ!!」
火群「……ッ…!まだ…間に合わなかったって決めつけんな!!メアリーさんも…ッ和泉も生きてる!!絶対に助ける!!こっからでも間に合わせてみせる!!」
両者の叫びが、想いが、それぞれ炎と冷気となって激しく衝突する。
火群「───『聖炎王 ガルドニクス』の効果ッッ!!!」
和泉「───『氷霊山の龍祖 ランセア』の効果ッッ!!!」
チェーン①『聖炎王 ガルドニクス』
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
「聖炎王 ガルドニクス」以外の
自分の手札・デッキ・フィールド(表側表示)の獣族・獣戦士族・鳥獣族の炎属性モンスター1体を破壊する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの攻撃力の半分だけアップする。
チェーン②『氷霊山の龍祖 ランセア』
(1):相手がモンスターを特殊召喚した場合に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
自分の手札・デッキ・EXデッキ・墓地から「氷結界」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を守備表示にできる。
和泉「ランセアの効果は1ターンに2度まで発動できる…!墓地より来たれ───!『氷結界の剣士 ゲオルギアス』!!」
『氷結界の剣士 ゲオルギアス』[ATK 2000]☆6 チューナー
和泉「更に!!『聖炎王 ガルドニクス』には守備表示になってもらうよっ!!」
『聖炎王 ガルドニクス』攻撃表示→守備表示
火群「…ッ…!手札の『ファイヤー・バック』を捨て…ッ俺はデッキから───『炎王神獣 キリン』を破壊!!」
ライホウの効果が適用されているため、フィールドのモンスター効果を発動する度に手札を捨てなければならない。が、しかし、この効果は絶対に通さなくてはならない。
火群「そして破壊したキリンの攻撃力の半分───1200の数値を、聖炎王の攻撃力に加えるッ!」
『聖炎王 ガルドニクス』[ATK 2700→3900]
和泉「…今更、何しようと無駄だよ。この世界は凍りつく───氷結界の名の下に!!特殊召喚されたゲオルギアスの効果!!」
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
自分の手札・墓地からレベル5以下の「氷結界」モンスター1体を特殊召喚する。
火群「無駄…なんかじゃない…!!破壊された『炎王神獣 キリン』の効───」
言いかけ、異変に気づく。
火群「───!?」
手を伸ばした先───墓地が、凍りついているのだ。
和泉「言ったでしょ。無駄だって!『氷結界の剣士 ゲオルギアス』───この子は火群くんのデッキにとって最大の天敵───」
(3):自分フィールドに他の「氷結界」モンスターが存在する限り、
相手は墓地のモンスターの効果を発動できない。
和泉「場に他の氷結界が存在する限り、火群くんは墓地のモンスター効果を発動できない───」
火群「!!!」
鈴華「…えげつない効果…!これで破壊された時の効果まで封じられてしまいましたわ…っ!」
雫「ライホウがフィールドの効果を牽制し、ゲオルギアスが墓地の効果を完全に封じる……無駄がありません…っ!」
けど、バトルさえ行えれば───そう思う2人の希望も、すぐに潰える事となる。
和泉「更にこれで、チェックメイトだよ!特殊召喚されたゲオルギアスの効果で墓地より来たれ───『氷結界の守護陣』っ!!」
『氷結界の守護陣』[DEF 1600]
和泉「この子と他の氷結界が存在する限り、守護陣の守備力以上……攻撃力1600以上の相手モンスターは攻撃できない───」
火群「───!」
和泉「それに、『氷結界の晶壁』と、3体の氷結界が存在する限り、私の場の氷結界はEXデッキから特殊召喚されたモンスターの効果も受けない…っ!!私の領域には、誰も踏み込ませないっ!!」
火群「……!」
目の前の少女の叫びに、火群は一瞬の沈黙を経て、
火群「まだ…まだだ…ッ…!!俺の炎は……俺たちの炎は……ッ…!こんな簡単に消えたりしない───!!」
力強く叫び、残った2枚の手札を天高く掲げた。
和泉「…!!」
火群「踏み込ませない…だぁ…?
───いい加減にしろよ!!
いつもいつも…ッ…図々しく人様の心に踏み込んできたのは───ッ」
和泉「───っ」
火群「───和泉ッ!!お前の方だろうが!!」
和泉「───!」
火群「手札の『焔征竜-ブラスター』の効果発動ッ!!!」
(1):手札からこのカードと炎属性モンスター1体を墓地へ捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
それを破壊する。
火群「手札の『焔征竜-ブラスター』と『炎王獣 ガネーシャ』を墓地へ送り───『氷結界の虎将 ライホウ』を破壊するッ!!!」
ガネーシャの炎をその身に纏い突進する焔征竜になすすべもなく、ライホウは破壊され───
和泉「やめて……入って来ないで…ッ…」
思わず声を上げる和泉に、火群は思いの丈全てをぶつける。
火群「…だけどな……ッ…そんなお前がいたから……姉さんを失って塞ぎ込んでた俺は───ッまた歩き出すことができたんだ!!」
和泉「……やめて」
火群「それだけじゃない!!その腕に火傷を負わせてしまった時も…ッ…黒髭中で再会した時も…!結維さんと衝突した時も…ッ…!!」
和泉「………やめて」
火群「俺は、お前に助けられてばかりだ……ッ…!」
和泉「…………やめて」
火群「だから…次は……俺が───ッ」
和泉「やめて」
火群「───俺は!!!」
叫び、右腕を高く突き上げた。
溢れた大粒の涙が炎となって霧散する。
火群「レベル8の『聖炎王 ガルドニクス』と…ッ『マグマッチョ・ドラゴン』…ッ…2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!!!」
2体のモンスターは炎の柱に包まれ、掛け合わされる。
火群「───エクシーズ召喚!!」
それは、今まで覚醒させてきた白紙のカードのどれとも違う。死地より目覚めた火群自身の力───
火群「……もっと高く!!…もっと熱く!!
奇跡が生んだ“神”の力───燃え尽きる事なき〝永遠(とわ)の焔〟よ、希望を胸に燃え上がれッッ!!!
現れろ!!
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』!!!」
直後───爆音。
火群の背後の火山が噴火し、フィールド全体を激しい炎が包み込む。
やがて掛け合わされた2つの炎は金色の光を放ち、“永遠”の名に相応しき不死鳥へと姿を変えた。
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』[ATK 3000]
舞い降りると同時に、
火群「───『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』の…ッ…効果発動ッッ!!!」
その焔は加速する。
火群「フィールドの他のモンスター全てを───破壊するッッ!!」
和泉「───!」
火群「ライホウが居なくなった今…!場の氷結界は2体!!晶壁の効果でもこの炎は防げない!!頼むぜ───ニクス!!!」
期待の声に不死鳥は無言で頷き、叫び声を上げた。
ニクス「ぜぇええぇァァアアアァアアア!!!」
そして金色の炎はフィールド全体を駆け巡り、場のモンスター全てを包み込むのだった。
場→破壊
『炎王神獣 ガルドニクス』
『飢顎竜-アーケティス』
『魔救の奇跡-ドラガイト』
『氷結界の剣士 ゲオルギアス』
『氷結界の守護陣』
『氷霊山の龍祖 ランセア』
一度に6体ものモンスターを巻き込んだ業火に、部屋中の氷柱は全て溶け、水となり、蒸発。
辺りを水蒸気が包み込む───
火群「はぁ…ッ…!はぁ…!はァ…ッッ!
…ランセア…キミはなんで戦うんだ…?キミを創り出したヤツらは、この世界を滅ぼそうとしてるんだぞ…!?」
激しい攻防に息も絶え絶えになる。水蒸気が霧のように視界を奪うそんな中、火群は問う。
火群「キミには、キミ自身の“意思”もある…!終焉の焔に従ってるって訳でも無いんだろう!?」
和泉「……」
和泉───否。ランセアはしばしの沈黙を経て、
和泉「───1000年」
一言、そう呟いた。
火群「───?」
そして、
和泉「私は1000年間、この神星樹にて封印されていたの」
自らの過去を、語り始めた。
和泉「世界を滅ぼせるほどの強大な力を持っていた私は、その力を恐れた精霊王に封印され、この地にて長い時を過ごした。」
火群「……っ…」
和泉「何も悪い事をしてないのに」
火群「……」
和泉「私はただ平穏に過ごしたかった。こんな力なんていらなかった。なのに王は、民は、私を禁忌だと責め立て……暗い世界に閉じ込めた」
火群「……!」
和泉「…私の残した3人の子供さえも───」
火群「…!!」
和泉「───そして1000年。私は『桜庭和泉』という私を受け入れられるほど強力な…適した依代を与えられ、こうして封印は解かれた。だけどね───」
火群「不完全…なんだろ…?」
和泉「…そう。復活は不完全。だからあなた達の精霊を全て喰らい、完全復活を遂げなくては───私の依代であるこの『桜庭和泉』の肉体は負荷に耐えきれず死んでしまうの」
火群「───は?」
和泉「そして、完全復活を遂げた場合───私の中の私以外の意識……即ち、『桜庭和泉』の意識も死滅する」
火群「───は…?」
ランセアを除いたその場の全員が言葉を失い青ざめる。
───間に合わなかった。
先程そう言ったランセアの言葉の意味が、今の言葉に全て込められていた。
ランセアを倒せば、和泉の肉体は死に。
ランセアを完全復活させれば、和泉の心が死ぬ。
どちらを選んでも絶望しか待ち受けていない───不条理な天秤。
和泉「私はもう、暗い暗い世界に戻るのは嫌なんだ。だから私の力がどんな奴らに利用されようと……関係ない」
火群「───」
和泉「───私は生きたい!!!生きるために戦わなきゃいけないの!!!」
叫声───刹那。
火群「───ぁ」
霧がかった視界が一部鮮明になる。
目の前には、見慣れた後ろ姿。
ニクス「───」
火群の相棒、ガルドニクスの姿。
ニクス「───…がッ…」
その背中から、氷の槍が貫通していた。
火群「…!!!ニクスッッ!!」
叫び、ニクス越しに見たランセアの場。そこには信じ難い光景が広がっていた。
火群「…ッ…ニクスの炎は、確かにフィールドの全てを焼き払った…ッ…なのになんで───ッ」
『氷結界の還零龍 トリシューラ』[ATK 2700]☆11
ランセアの場には、全身を氷で覆われた三ツ首の氷龍が君臨していたのだ。
和泉「───『氷霊山の龍祖 ランセア』の、2つ目の効果」
(2):S召喚した表側表示のこのカードが相手によってフィールドから離れた場合に発動できる。
EXデッキから「氷結界」Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
和泉「相手によってフィールドを離れた場合、EXデッキから氷結界モンスターをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する───“プライマル・リ・ゼロ”」
例え死しても、その意思は、子である三龍に引き継がれるのだ。
火群「……ッ…!!!ニクス…!!ニクス…!!しっかりしろ!!」
ニクス「…グ…ッ…が…ァ…!!私に構うな…ッ…!!それより気を抜くな!!“あと2本”が来るぞッッ!!!」
ニクスの言葉を受け、目線を再び還零龍へと移す。
三つの口のうち二つがまだエネルギーを溜めている事に気づき身構えるが、もう遅い。
和泉「───『氷結界の還零龍 トリシューラ』の効果」
(1):このカードがS召喚した時に発動できる。
相手フィールドのカードを3枚まで選んで除外する。
和泉「その氷槍は三度降り注ぐ」
宣言と同時に放たれた2本の槍は先程飢顎竜の効果を弾いた『炎王の孤島』と、『補給部隊の2枚を容易く撃ち貫き、計3枚のカードを一瞬にして消し飛ばした。
フィールド→除外
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』
『炎王の孤島』
『補給部隊』
圧巻の殲滅力。
新たに目覚めたエースモンスターも、展開の起点となるフィールド魔法も、長期戦を見据えた継続的なアドバンテージ源も、一瞬の内に全て失い、火群の場に残されたのは、発動時の効果処理も使い、護るべきフィールド魔法も失った『炎王の聖域』ただ1枚のみ───
火群「───ッ」
和泉「…これが精霊王すら恐れた私の力。私はこの力で───自由を手に入れる」
火群「……っ…」
和泉「もう手遅れなの。どっちが勝とうが、キミの大切な和泉は死ぬ。さっさと諦めた方が身の為だよ」
火群「………」
どっちを選んでも、和泉が死ぬ。
火群「……」
その結果は、変わらない。
火群「……」
それでも。
火群「…その中に……まだ和泉は居る」
確かに、居るんだ。
火群「諦めて……たまるかよ…」
みんなが、繋いでくれた。
火群「…その思い全てを無駄にする訳にはいかないんだ…ッ…」
和泉「じゃあ、どうするの?」
火群「……分からない」
でも───
火群「───必ず助ける。
…和泉も。その中にいる無数の精霊達も…。勿論、ランセア…キミもだ…!!」
和泉「───!」
直後───火柱。
地中より湧き上がる、3本の火柱。
和泉「!?」
火群「───墓地の『ファイヤー・バック』の効果!!!」
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地・除外状態の炎属性モンスター3体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻す。
その後、自分は1枚ドローする。
火群「全部…助けるんだ…!!
俺は墓地・除外状態の炎属性モンスター3体をデッキに戻し───」
除外→EXデッキ
『炎王神 ガルドニクス・エタニティ』
墓地→デッキ
『炎王神獣 キリン』
『炎王妃 ウルカニクス』
火群「…ッ1枚ドローッッ!!!」[手札 1]
引き抜いたカードは炎を帯び、火群の手に宿る。
火群「───カードを1枚伏せて、ターンエンド」[手札 0]
そしてそのカードを伏せると、ターンの終了を宣言した。
和泉「───」
火群は、まだ続けるつもりなのだ。この決闘を。
どのような結末になろうとも。
火群「───」
和泉(…何…?なんなの……あの目は…?)
その答えは、わかっているはずである。
内にいる和泉が、誰よりも知っているのだから。
しかしランセアの脳が、理解を拒むのだ。
不可能を可能に変える、奇跡など。
それを信じ抜く、人の心など。
理解───できない。
理解──────。
To Be Continued…
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126 | DRAW:44 打ち破れ! 使い魔ロック | 1482 | 0 | 2015-06-07 | - | |
98 | DRAW:45 シムルグの神風! | 1553 | 2 | 2015-06-17 | - | |
150 | DRAW:46 フレグランス・ストーム | 1453 | 1 | 2015-08-01 | - | |
78 | DRAW:47 旋風のドラグニティ! | 1395 | 1 | 2015-08-22 | - | |
62 | DRAW48 竜騎アームズーレヴァテイン | 1459 | 0 | 2015-09-23 | - | |
88 | DRAW:EX2 エンドレス・ナイト♪ | 1380 | 1 | 2015-10-31 | - | |
78 | DRAW:49 秘められし力、竜鳥激突! | 1306 | 0 | 2015-11-06 | - | |
166 | DRAW:50 決着!選ばれし権利獲得者 | 1453 | 0 | 2015-11-15 | - | |
97 | DRAW:51 ほつれた糸 | 1407 | 0 | 2015-12-20 | - | |
147 | DRAW:52 二枚の羽 | 1464 | 0 | 2016-01-31 | - | |
139 | DRAW:53 左支右吾 | 1349 | 1 | 2016-02-24 | - | |
137 | DRAW:54 それぞれの想い | 1406 | 5 | 2016-02-29 | - | |
116 | DRAW:55 開戦! WDCS予選 | 1416 | 1 | 2016-05-21 | - | |
119 | DRAW:56 闘いの伝導 | 1357 | 0 | 2016-05-30 | - | |
158 | DRAW:57 復讐を映す儀水鏡 | 1425 | 1 | 2016-06-10 | - | |
132 | DRAW:58 クロス・デュエル | 1434 | 2 | 2016-06-15 | - | |
158 | DRAW:59 動き出す終焉 | 1546 | 0 | 2016-06-17 | - | |
154 | DRAW:60 豪炎の決闘 | 1491 | 1 | 2016-06-24 | - | |
120 | DRAW:61 真炎の爆発 | 1427 | 0 | 2016-07-30 | - | |
160 | DRAW:62〝不滅の焔〟 | 1553 | 2 | 2016-08-20 | - | |
104 | DRAW:63 強襲、煉獄の悪魔 | 1536 | 0 | 2016-08-31 | - | |
128 | DRAW:64 崩落の彼方 | 1396 | 2 | 2017-01-09 | - | |
155 | DRAW:65 精霊達の鎮魂歌 | 1371 | 0 | 2017-01-11 | - | |
171 | DRAW:66 復讐に揺らぐ陽炎 | 1500 | 0 | 2017-01-24 | - | |
161 | DRAW:67 思いを乗せた拳 | 1398 | 0 | 2017-02-24 | - | |
138 | DRAW:68 左腕の代償 | 1422 | 0 | 2017-02-27 | - | |
81 | DRAW:69 迫る脅威 | 1312 | 0 | 2017-03-07 | - | |
192 | DRAW:EX4 30000の感謝 | 1524 | 1 | 2017-03-16 | - | |
105 | DRAW:70 光と影、右と左 | 1295 | 0 | 2017-03-22 | - | |
148 | DRAW:71 代償を負う者 | 1276 | 0 | 2017-03-25 | - | |
129 | DRAW:72 枯れない意思 | 1202 | 0 | 2017-04-01 | - | |
143 | DRAW:73 森羅の守神 | 1308 | 0 | 2017-04-07 | - | |
180 | DRAW:74 灯る魔光焔 | 1367 | 0 | 2017-04-18 | - | |
126 | DRAW75Perfect Tierra | 1272 | 1 | 2017-04-27 | - | |
207 | DRAW:76 RISE-ライズ- | 1444 | 0 | 2017-04-30 | - | |
129 | DRAW:77 昇る光柱 | 1267 | 0 | 2017-05-01 | - | |
192 | DRAW:78 “精霊王”ルナ光臨 | 1597 | 0 | 2017-05-02 | - | |
151 | DRAW:79 終結を告げる意思 | 1369 | 0 | 2017-05-05 | - | |
144 | DRAW:80 -My Dream- | 1290 | 0 | 2017-05-07 | - | |
152 | DRAW:81 集結、選ばれし決闘者達 | 1337 | 0 | 2017-05-18 | - | |
125 | DRAW:82 ヨーロッパ代表の実力 | 1151 | 0 | 2017-05-18 | - | |
148 | DRAW:83 霊獣の猛攻 | 1272 | 0 | 2017-05-19 | - | |
178 | DRAW:84 〝次元の剣〟 | 1291 | 0 | 2017-05-20 | - | |
164 | DRAW:85 交わる剣 | 1251 | 0 | 2017-05-22 | - | |
130 | DRAW:86 剣に誓った願い | 1146 | 0 | 2017-05-26 | - | |
146 | DRAW:87 斬り開いた未来 | 1126 | 0 | 2017-05-27 | - | |
144 | DRAW:88 禁忌のカード | 1214 | 0 | 2017-05-29 | - | |
145 | DRAW:89 VS黒焔トークン | 1352 | 0 | 2017-06-01 | - | |
136 | DRAW91VS黒焔トークン③騎士の結束 | 1373 | 0 | 2017-06-09 | - | |
167 | DRAW92VS黒焔トークン④裏切りの剣 | 1264 | 0 | 2017-06-11 | - | |
159 | DRAW93 VS黒焔トークン⑤潜む影絲 | 1372 | 0 | 2017-06-12 | - | |
139 | DRAW:90 VS黒焔トークン②地縛 | 1168 | 1 | 2017-06-15 | - | |
154 | DRAW:94 VS黒焔トークン⑥陽光 | 1418 | 1 | 2017-06-21 | - | |
135 | DRAW95VS黒焔トークン⑦太陽の裁き | 1253 | 0 | 2017-06-22 | - | |
142 | DRAW:96 VS黒焔トークン⑧逆境 | 1260 | 0 | 2017-06-25 | - | |
164 | DRAW97 VS黒焔トークン⑨天魔雷撃 | 1322 | 0 | 2017-06-26 | - | |
137 | DRAW98VS黒焔トークン⑩時喰らう鯱 | 1354 | 0 | 2017-07-01 | - | |
160 | DRAW:99 VS黒焔11)二人三腕 | 1263 | 0 | 2017-07-06 | - | |
167 | DRAW100 VS黒焔12)天を穿つ光 | 1296 | 0 | 2017-07-11 | - | |
187 | DRAW:101 一戦終えて… | 1226 | 0 | 2017-07-14 | - | |
129 | DRAW:102 数字に魂を奪われた男 | 1119 | 0 | 2017-07-16 | - | |
146 | DRAW:103 計算し尽くされた決闘 | 1203 | 0 | 2017-07-19 | - | |
156 | DRAW:104 割り切れぬ想い | 1150 | 0 | 2017-07-22 | - | |
148 | DRAW:105 零るる一滴 | 1312 | 0 | 2017-07-23 | - | |
99 | DRAW:106 いざ、合宿へ!! | 1119 | 3 | 2017-07-26 | - | |
126 | DRAW:107 海だぁあぁぁあっっ!! | 1114 | 0 | 2017-08-04 | - | |
136 | DRAW:108 忍び寄る魔手 | 1150 | 0 | 2017-08-07 | - | |
163 | DRAW:109 潜海の巨大烏賊 | 1361 | 0 | 2017-08-14 | - | |
180 | DRAW:110 不死鳥の反撃 | 1246 | 0 | 2017-08-18 | - | |
122 | DRAW:111 食材トレジャー! | 1069 | 0 | 2017-08-23 | - | |
157 | DRAW:112 食事、そして体力テスト | 1187 | 0 | 2017-08-27 | - | |
165 | DRAW:113 湯煙の果てに | 1086 | 0 | 2017-09-07 | - | |
112 | DRAW:114 町長、現る | 1049 | 0 | 2017-09-08 | - | |
138 | DRAW:115 意地の衝突 | 1066 | 0 | 2017-09-12 | - | |
156 | DRAW:116 混沌なる叫び | 1088 | 0 | 2017-09-15 | - | |
165 | DRAW:117 森林に潜む影 | 1146 | 0 | 2017-09-19 | - | |
124 | DRAW:118 WILD FANG | 1084 | 0 | 2017-09-20 | - | |
133 | DRAW:119 森の怒り | 1068 | 0 | 2017-09-25 | - | |
124 | DRAW:120 森羅、震撃 | 1135 | 0 | 2017-10-06 | - | |
133 | DRAW:121 牙獣の咆哮 | 1177 | 0 | 2017-10-08 | - | |
172 | DRAW:122 揺れるマインド | 1188 | 0 | 2017-10-11 | - | |
164 | DRAW:123 変わらないはずなのに | 1314 | 0 | 2017-10-17 | - | |
133 | DRAW:124 神鳥に迫る影 | 1103 | 0 | 2017-10-21 | - | |
153 | DRAW:125 死の風吹き荒ぶ | 1143 | 0 | 2017-10-24 | - | |
159 | DRAW:126 騎雷鳥VS黒神鳥 | 1184 | 0 | 2017-10-26 | - | |
151 | DRAW:127 疾風迅雷 | 1133 | 0 | 2017-10-27 | - | |
135 | DRAW:128砕ける“へーじょーしん” | 1086 | 0 | 2017-10-28 | - | |
141 | DRAW:129 姉と妹 | 1028 | 0 | 2017-11-02 | - | |
172 | DRAW:130 楽な気持ちで | 1092 | 0 | 2017-11-07 | - | |
157 | DRAW:131 桜の庭 | 1165 | 0 | 2017-11-13 | - | |
147 | DRAW:132 儀水鏡に映る炎 | 1100 | 0 | 2017-11-16 | - | |
149 | DRAW:133 導いた答え・明くる道 | 1170 | 0 | 2017-11-20 | - | |
140 | DRAW:134 告白 | 1117 | 0 | 2017-11-21 | - | |
79 | DRAW:135 “影”の襲撃 | 998 | 0 | 2017-11-26 | - | |
114 | DRAW:136 堕ち影の蠢き | 953 | 0 | 2017-12-02 | - | |
127 | DRAW:137 “堕ちてきた者たち” | 912 | 0 | 2017-12-08 | - | |
137 | DRAW:138 音を立てて砕ける心 | 1127 | 0 | 2017-12-09 | - | |
113 | DRAW:139 燃え滾るは友が為 | 1090 | 0 | 2017-12-10 | - | |
169 | DRAW:140 届いた光 | 1006 | 0 | 2017-12-12 | - | |
68 | DRAW:141 受けた傷は深く | 895 | 0 | 2017-12-19 | - | |
81 | DRAW:142 這い寄る終焉 | 1070 | 0 | 2017-12-21 | - | |
103 | DRAW:143 “毎日”を守るために | 1124 | 0 | 2017-12-22 | - | |
150 | ◉キャラ紹介◉Side火群*6/12更新 | 1335 | 0 | 2017-12-28 | - | |
93 | DRAW:144 竜霊山での出会い | 979 | 0 | 2017-12-31 | - | |
76 | DRAW:EX5光の速さで今年を振り返る | 944 | 2 | 2017-12-31 | - | |
76 | 年、明けてました | 943 | 1 | 2018-01-03 | - | |
146 | DRAW:145 実力伯仲 | 994 | 0 | 2018-01-04 | - | |
84 | DRAW:146 拮抗勝負 | 980 | 0 | 2018-01-05 | - | |
52 | DRAW:147 真剣勝負の行方 | 844 | 0 | 2018-01-07 | - | |
76 | DRAW:148 眠る霊魂達 | 859 | 0 | 2018-01-10 | - | |
139 | DRAW:149 近づく狂気 | 1007 | 0 | 2018-01-12 | - | |
132 | DRAW:150 Sisters | 1121 | 0 | 2018-01-13 | - | |
69 | DRAW:151 真夜中の決闘 | 938 | 0 | 2018-01-19 | - | |
86 | DRAW:152 進撃、文具のサイボーグ | 954 | 0 | 2018-01-25 | - | |
77 | DRAW:153 裁きの答案返却 | 887 | 0 | 2018-01-27 | - | |
156 | DRAW:154 理科室の攻防 | 956 | 0 | 2018-02-01 | - | |
73 | DRAW:155 衝突と協力 | 934 | 0 | 2018-02-06 | - | |
77 | DRAW:156 森羅の鎮神 | 913 | 0 | 2018-02-08 | - | |
65 | DRAW:157 教師として | 991 | 1 | 2018-03-11 | - | |
84 | DRAW:158《連立方程式》 | 978 | 0 | 2018-03-23 | - | |
68 | DRAW:159 炎の料理人・美 好 | 894 | 0 | 2018-03-24 | - | |
77 | DRAW:160 誰が為に | 941 | 0 | 2018-03-26 | - | |
64 | DRAW:161 苦しき決着 | 916 | 0 | 2018-03-28 | - | |
76 | DRAW:162 霊山に墜つる火柱 | 974 | 0 | 2018-03-31 | - | |
115 | DRAW:163 竜霊山防衛戦 | 908 | 0 | 2018-04-11 | - | |
132 | DRAW:164 侵略の三龍 | 1090 | 0 | 2018-04-12 | - | |
122 | DRAW:165 その拳は疾風の如く | 1023 | 0 | 2018-04-14 | - | |
80 | DRAW:166 ロスト・サンクチュアリ | 986 | 0 | 2018-04-23 | - | |
142 | DRAW:167 神槍の導き | 1066 | 0 | 2018-04-26 | - | |
135 | DRAW:168 ドラグニティ・ドライブ | 963 | 0 | 2018-04-27 | - | |
61 | DRAW:169 魂宿る拳 | 907 | 0 | 2018-04-28 | - | |
126 | DRAW:170 機械仕掛けの防衛戦 | 906 | 0 | 2018-04-29 | - | |
144 | DRAW:171 夜空を照らす一等星 | 979 | 0 | 2018-05-01 | - | |
151 | DRAW:172 影の霊衣を纏う者 | 993 | 0 | 2018-05-03 | - | |
103 | DRAW:173 絶望の淵 | 876 | 0 | 2018-05-05 | - | |
123 | DRAW:174 私の中の白と黒 | 905 | 0 | 2018-05-06 | - | |
143 | DRAW:175 女神の微笑み | 992 | 0 | 2018-05-10 | - | |
106 | DRAW:176 星戦の行方 | 1049 | 0 | 2018-05-12 | - | |
86 | DRAW:177〝生命の焔〟 | 880 | 0 | 2018-05-26 | - | |
74 | DRAW:178 炎は奔る | 949 | 0 | 2018-05-28 | - | |
135 | DRAW:179 ネロ | 986 | 0 | 2018-06-01 | - | |
95 | DRAW:180 最悪の再会 | 964 | 0 | 2018-06-06 | - | |
130 | DRAW:181 氷獄の霊槍 | 954 | 0 | 2018-06-10 | - | |
126 | DRAW182 Past Reflect | 956 | 0 | 2018-06-13 | - | |
161 | DRAW:183 闘いの跡 | 1129 | 0 | 2018-06-24 | - | |
92 | DRAW:184 -YAGAMI- | 1042 | 0 | 2018-06-29 | - | |
82 | DRAW:185 -Qliphort- | 958 | 0 | 2018-07-06 | - | |
187 | DRAW:186 命を懸けた決闘 | 1108 | 0 | 2018-07-18 | - | |
109 | DRAW:187-Infernoid- | 1114 | 0 | 2018-07-22 | - | |
98 | DRAW:188 -Mine- | 1113 | 0 | 2018-08-03 | - | |
406 | DRAW:189 第10のクリファ | 1401 | 0 | 2018-08-09 | - | |
85 | DRAW:190 悪魔が産まれた日 | 1126 | 0 | 2018-08-20 | - | |
119 | DRAW:191 -Diabolos- | 1230 | 0 | 2018-08-24 | - | |
90 | DRAW:192 今できること | 820 | 0 | 2018-09-03 | - | |
131 | DRAW:193 今できること②距離 | 929 | 0 | 2018-09-13 | - | |
107 | DRAW:194 今できること③決意 | 894 | 0 | 2018-09-16 | - | |
121 | DRAW:195 今できること④意思 | 877 | 0 | 2018-09-27 | - | |
68 | DRAW:196 今できること⑤家族 | 807 | 0 | 2018-10-02 | - | |
108 | DRAW:197 炎花-ホノカ- | 991 | 0 | 2018-10-07 | - | |
91 | DRAW:198 あの日の衝動 | 998 | 0 | 2018-10-09 | - | |
113 | DRAW:199 〝破滅の焔〟 | 860 | 0 | 2018-10-18 | - | |
134 | DRAW:200〝破壊と創造〟 | 1057 | 2 | 2018-11-11 | - | |
123 | 2章幕間① 願いは地に、祈りは天に | 971 | 0 | 2018-11-12 | - | |
62 | 2章幕間② 前へ | 850 | 2 | 2018-11-15 | - | |
81 | 2章幕間③ 戒めの記憶 | 964 | 0 | 2018-11-21 | - | |
66 | 2章幕間④ 断罪と陽炎 | 832 | 0 | 2018-11-27 | - | |
109 | 2章幕間⑤ 約束の朝 | 803 | 0 | 2018-12-04 | - | |
116 | 2章幕間⑥ その手は届かない | 967 | 0 | 2018-12-12 | - | |
73 | DRAW:201 不死鳥の精神 | 926 | 0 | 2018-12-22 | - | |
67 | DRAW:202 Sephiroth | 852 | 0 | 2019-01-05 | - | |
55 | DRAW:203 ユニコーンの煌めき | 903 | 0 | 2019-01-07 | - | |
67 | DRAW:204 ただ一つの突破口 | 985 | 0 | 2019-01-13 | - | |
78 | DRAW:205 栄光の間 | 903 | 0 | 2019-01-19 | - | |
97 | DRAW:206 選んだ道は… | 817 | 0 | 2019-01-25 | - | |
67 | DRAW:207命を燃やせ!-爆炎同調- | 919 | 0 | 2019-01-30 | - | |
108 | DRAW:208〝エクストラ・マジック〟 | 924 | 0 | 2019-02-06 | - | |
86 | DRAW:209 最後の授業 | 961 | 0 | 2019-03-04 | - | |
93 | DRAW:210 -LINK- | 808 | 0 | 2019-03-27 | - | |
127 | DRAW:211 精霊との絆 | 999 | 0 | 2019-04-04 | - | |
88 | DRAW:212 限界 | 666 | 0 | 2019-04-16 | - | |
87 | DRAW:213 神鳥の来寇 | 697 | 0 | 2019-05-02 | - | |
88 | DRAW:214 烈風の覇者 | 734 | 0 | 2019-05-26 | - | |
82 | DRAW:215 ハニートラップ | 730 | 0 | 2019-06-15 | - | |
131 | DRAW:216 大切な友達だから | 789 | 0 | 2019-06-20 | - | |
98 | DRAW:217 轟き、破壊せん | 923 | 0 | 2019-07-22 | - | |
91 | DRAW:218 混沌の大渦 | 859 | 0 | 2019-08-14 | - | |
81 | DRAW:219 正義の味方 | 762 | 0 | 2019-10-01 | - | |
85 | DRAW:220 正義の味方② | 791 | 0 | 2019-12-13 | - | |
80 | DRAW:221 正義の味方③ | 683 | 0 | 2020-02-01 | - | |
58 | DRAW:222 再来の火柱 | 666 | 0 | 2020-02-22 | - | |
74 | DRAW223 NEXT→My turn | 673 | 0 | 2020-03-23 | - | |
76 | DRAW224 Hand to Hand | 565 | 0 | 2020-05-01 | - | |
75 | DRAW:225 銃撃、狂騒 | 691 | 0 | 2020-05-02 | - | |
45 | DRAW:226 Two Hundred | 488 | 0 | 2022-12-14 | - | |
27 | DRAW:227 魂のバトン | 345 | 0 | 2022-12-28 | - | |
55 | 明けまして10周年(10周年‼︎⁇) | 508 | 2 | 2023-01-03 | - | |
40 | DRAW:228 星守の騎士団 | 420 | 0 | 2023-01-11 | - | |
39 | DRAW:229 涙は星屑と消ゆ | 435 | 0 | 2023-01-24 | - | |
52 | DRAW:230 託された竜魂 | 547 | 0 | 2023-02-14 | - | |
36 | DRAW:231 ひとりぼっちの流星群 | 397 | 0 | 2023-02-28 | - | |
45 | DRAW:232 失われし力、星霜を重ね | 534 | 0 | 2023-03-17 | - | |
32 | DRAW:233 ヨゾラ ノ イチブ | 401 | 1 | 2023-06-23 | - | |
27 | DRAW:234 氷結界の三龍 | 313 | 0 | 2023-07-19 | - | |
26 | DRAW:235 正義と悪を映す水鏡 | 350 | 0 | 2023-08-15 | - | |
29 | DRAW:236 氷魔の龍VS氷魔の鏡 | 241 | 0 | 2023-08-26 | - | |
23 | DRAW:237 枯れないゴールキーパー | 258 | 0 | 2023-09-08 | - | |
28 | DRAW:238黙示録の獣機王“キング” | 262 | 0 | 2023-09-23 | - | |
22 | DRAW:239 凍る渓谷!氷獄の鼓動 | 262 | 0 | 2023-11-03 | - | |
44 | DRAW:240 天龍雪獄!放て魂の一撃 | 456 | 0 | 2023-11-27 | - | |
21 | DRAW:241 トライブ・フォース | 246 | 0 | 2024-01-07 | - | |
26 | DRAW:242 “白き神判” | 265 | 0 | 2024-02-23 | - | |
42 | DRAW:243 龍祖、氷臨 | 270 | 0 | 2024-03-21 | - | |
22 | DRAW:244〝永遠の焔〟 | 227 | 0 | 2024-05-17 | - | |
27 | DRAW:245 勇者に、微笑みを | 231 | 0 | 2024-06-20 | - | |
19 | DRAW:246 永炎のダークフェアリー | 145 | 0 | 2024-07-30 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 12/05 09:56 評価 5点 《クリフォート・アクセス》「総合評価:他のクリフォートと比べる…
- 12/05 09:51 評価 7点 《クリフォート・アーカイブ》「総合評価:リリースコストに使い、…
- 12/05 09:49 評価 7点 《クリフォート・ゲノム》「他のカードのリリースコストに使いバッ…
- 12/05 09:39 ボケ カオス・ソルジャー -宵闇の使者-の新規ボケ。Sin カオス・ソルジ…
- 12/05 08:11 評価 10点 《トロイメア・マーメイド》「 MDで遂に復活する事が確定した…
- 12/05 08:04 評価 5点 《極夜の騎士ガイア》「《カオス・ソルジャー -宵闇の使者-》の…
- 12/05 03:09 評価 7点 《E・HERO エアー・ネオス》「詳細不明だが公式から黒歴史扱…
- 12/05 00:14 評価 6点 《エルシャドール・ウェンディゴ》「風のエルシャドール。憑依元は…
- 12/05 00:11 一言 ここまで解除するならモルモやブルホーンも緩和してほしかった……
- 12/05 00:01 掲示板 SS始めてみた
- 12/04 23:56 評価 9点 《エルシャドール・シェキナーガ》「地のエルシャドール。憑依元は…
- 12/04 23:32 評価 8点 《エルシャドール・アノマリリス》「水のエルシャドール。憑依元は…
- 12/04 23:06 評価 6点 《甲化鎧骨格》「がっちり描き込まれたメカイラストが特徴の汎用シ…
- 12/04 20:06 一言 クリスマスシーズンですからね 昨年もOCGを他所に征竜緩和したり会局…
- 12/04 19:49 評価 9点 《混沌空間》「除外すればする程カウンターが載せられて、4つ以上…
- 12/04 19:18 評価 10点 《騎士皇プリメラ・プリムス》「このカード自体は文句無しの10点…
- 12/04 18:51 評価 5点 《かなり魅湧な受注水産》「速攻魔法かと思いきや通常魔法……。 マ…
- 12/04 18:37 評価 6点 《宵星の閃光》「後攻1ターン目に捲くり札として使うには心もとな…
- 12/04 17:23 評価 2点 《ミクロ光線》「場のモンスター1体の守備力を0にする通常罠。 攻…
- 12/04 17:09 一言 MDの新レギュでもドラグーン釈放決定、(※あちらはアナコンダが使える) …
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