DRAW:１４０ 届いた光　作：人喰い

(140)



火群【LP 3900】
(モンスター)
セットモンスターx1
伏せ:1
手札:1

ジャラン【LP 8000】
(モンスター)
『エルシャドール・シェキナーガ』[ATK 2600]
『エルシャドール・エグリスタ』[ATK 2450]
伏せ:0
手札:2


◉TURN０４◉


ジャラン「ーーー残念だったね…♪
キミの“炎”も…僕のものだ…っ！！」

火群「………ッッ…！！」

エルシャドール・エグリスタの放つ“焔”…！！
あれは間違いない…！ マインの使う『インフェルノイド』と同等のーーーッ


ジャラン「ーーーそろそろ終わりにしようか。
どうやらキミも、僕を楽しませるには力及ばないみたいだしね…」

火群「……っ…！」


ジャラン「僕のターン、ドロー！」【手札 3】

ジャラン「『シャドール・リザード』を召喚！」[ATK 1800]


《シャドール・リザード/Shaddoll Squamata》 †
リバース・効果モンスター
星４/闇属性/魔法使い族/攻1800/守1000
「シャドール・リザード」の(1)(2)の効果は１ターンに１度、いずれか１つしか使用できない。
(1)：このカードがリバースした場合、
フィールドのモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
(2)：このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「シャドール・リザード」以外の「シャドール」カード１枚を墓地へ送る。


ジャラン「バトルフェイズ！
リザードでセットモンスターを攻撃…！！」

『シャドール・リザード』[ATK 1800]

リザードは勢いよく飛びかかり、俺のセットモンスター、『炎王獣 ガルドニクス』を破壊する。

火群「ーーーどんな逆境でも、不死鳥の意思は潰えちゃいない…ッ！！ 炎王獣ガルドニクスの効果発動！！」


《炎王獣
えんおうじゅう
ガルドニクス/Fire King Avatar Garunix》 †
効果モンスター
星３/炎属性/鳥獣族/攻 700/守1700
自分フィールド上に表側表示で存在する
「炎王」と名のついたモンスターがカードの効果によって破壊された場合、
このカードを手札から特殊召喚できる。
また、このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合、
デッキから「炎王獣」と名のついたモンスター１体を特殊召喚できる。


火群「…デッキから、『炎王獣ガネーシャ』を特殊召喚！！」[DEF 200]


《炎王獣
えんおうじゅう
ガネーシャ/Fire King Avatar Arvata》 †
効果モンスター
星４/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードがフィールドに存在し、モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし、このカード以外の自分の手札・フィールドの炎属性モンスター１体を選んで破壊する。
(2)：このカードが破壊され墓地へ送られた場合、
「炎王獣 ガネーシャ」以外の自分の墓地の炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズ時に破壊される。


ジャラン「……！ エグリスタでガネーシャを攻撃……！！
ｵﾙｼｬﾄﾞ-ﾙ・ｲﾝﾌｪﾙﾉ
〝堕天せし滅焔〟ーーー」


『エルシャドール・エグリスタ』
[ATK 2450]
ーーーVSーーー
[DEF 200]
『炎王獣ガネーシャ』


エグリスタは全身から焔を解き放つ。
その焔の勢いは凄まじく、俺のフィールド一帯を包み込んだ。


火群「……！！」

ダメージを受ける訳じゃないのに…この威力かよ……ッ…！

火群「…っ、ガネーシャが破壊された事で、効果発動！ 墓地の『炎王獣ガルドニクス』を、効果を無効にして特殊召喚！！」[DEF 1700]

ジャラン「……（火舞太刀じゃなく炎王獣ガルドニクスを蘇生した…？ ここにきてどうして保守的なプレイングを……？）。
……カードを１枚伏せてターンエンド」【手札 1】


火群「このエンドフェイズ時、ガネーシャの効果で蘇生したガルドニクスは破壊される…！」


◉TURN０５◉


火群「俺のターン…！ ドロー！！」【手札 2】


ジャラン「……斬波戒といい、キミといい、なんで絶望的な状況で抗うの？ そんなの時間の無駄じゃない？」


火群「……うるせぇ。
ーーー誰かの為に精一杯闘った時間は……絶対に無駄にはなんねぇよ」
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーDRAW:１４０ーー
《届いた光》















火群「ーーー魔法発動！！『炎王の急襲』！！」


《炎王の急襲/Onslaught of the Fire Kings》
通常魔法
相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキから炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター１体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、
エンドフェイズ時に破壊される。
「炎王の急襲」は１ターンに１枚しか発動できない。


火群「ーーーデッキより現れろ！ 勝利へ導く紅蓮の翼！ 『炎王神獣 ガルドニクス』！！！」[ATK 2700]


《炎王神獣 ガルドニクス/Fire King High Avatar Garunix》
効果モンスター
星８/炎属性/鳥獣族/攻2700/守1700
このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、
次のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚に成功した時、
このカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する。
また、このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
デッキから「炎王神獣 ガルドニクス」以外の
「炎王」と名のついたモンスター１体を特殊召喚できる。


ジャラン「……本っっ当にしつこいね、キミ達は」

火群「…俺たちは何度だって立ち上がるぜ…。お前等をぶっ倒すまでなァ…ッ！」


火群「…影牢の呪縛にもう魔石は無い…！ ガルドニクスで、シェキナーガを攻撃！！
焼き貫けッ！
ーﾊﾞ-ﾆﾝｸﾞ・ｲﾚｲｻﾞ-ー
〝業火炎の抹焼熱線〟！！」


『炎王神獣ガルドニクス』
[ATK 2700]
ーーーVSーーー
[ATK 2600]
『エルシャドール・シェキナーガ』


ジャラン「ーーー無駄だって言ってるよね…！！ 罠発動！！『魂源への影劫回帰』！！」


《魂源への影劫回帰
プルシャドール・アイオーン
/Purushaddoll Aeon》 †
通常罠
(1)：自分フィールドの「シャドール」モンスター１体を対象として発動できる。
手札から「シャドール」カード１枚を墓地へ送る。
対象のモンスターは攻撃力・守備力が１０００アップし、
エンドフェイズに裏側守備表示になる。


ジャラン「ーーー場のシェキナーガを対象として効果発動！
手札の『シャドール・ヘッジホッグ』を墓地へ送り……シェキナーガの攻撃力を１０００ポイント上昇させる！！」


『エルシャドール・シェキナーガ』[ATK 2600→3600]


ジャラン「…更に、ヘッジホッグが効果で墓地へ送られた事により『シャドール・ビースト』をデッキから手札に！」【手札 1】

戒「…影牢の呪縛にも魔石が１つ置かれる……！」

『影牢の呪縛』◉0→1

『炎王神獣ガルドニクス』[ATK 2700→2600]


火群「……ッッ…！！」

不死鳥の攻撃は、強力な大地の振動によって弾かれてしまう。

火群「…ぐぁぁあっっ！」【LP 3900→2900】


火群「……ガルドニクスが戦闘で破壊された事で、効果発動！！ デッキから『炎王獣ガネーシャ』を特殊召喚！！」[DEF 200]


火群「…ハァ……ハァ……ッッ…！」

ニクス『…火群…ッ…、大丈夫か……！？』

火群「……ああ…、なんとか…な…！」

ニクス（…火群がここまで疲弊していては…、ライズ召喚を行うのは無理か……っ…！）


ジャラン「……♪
（……やはりそうか…、先程のダメージは相当なものだったようだね…♪）」

火群「……っ…」

大見栄切ったものの、頭が全然回んねぇ……！！
けど、あと少し…、あと少しできっと……！！


火群「…ターンエンドだ…！ かかってこいよ…！」


ジャラン「……このエンドフェイズ時、『魂源への影劫回帰』の効果を受けたシェキナーガは裏側守備表示となる」


◉TURN:０６◉


ジャラン「僕のターン、ドロー」【手札 2】


ジャラン「ーーー魔法発動、『影依融合』」

《影依融合
シャドール・フュージョン
/Shaddoll Fusion》 †
通常魔法
「影依融合」は１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：自分の手札・フィールドから
「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター１体をエクストラデッキから融合召喚する。
エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合、
自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。


火群「…！」


ジャラン「……手札の『シャドール・ビースト』と場の『シャドール・リザード』を影により縫い合わせーーー融合召喚！！」


ジャラン「現れ出でよ！！
影を堕とし、影を縫い…、影より回帰せし“破壊”の使者！！
『エルシャドール・ミドラーシュ』！！」[ATK 2200]


《エルシャドール・ミドラーシュ/El Shaddoll Winda》 †
融合・効果モンスター
星５/闇属性/魔法使い族/攻2200/守 800
「シャドール」モンスター＋闇属性モンスター
このカードは融合召喚でのみＥＸデッキから特殊召喚できる。
(1)：このカードは相手の効果では破壊されない。
(2)：このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
その間はお互いに１ターンに１度しかモンスターを特殊召喚できない。
(3)：このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード１枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。


『影牢の呪縛』◉1→3

ジャラン「…墓地へ送られた『シャドール・リザード』の効果でデッキの『シャドール・ハウンド』を墓地へ送り、同じく墓地へ送られた『シャドール・ビーストの効果で１枚ドロー！！」【手札 1】


ジャラン「…更に、リザードの効果で墓地へ送った『シャドール・ハウンド』の効果で、キミのガネーシャを攻撃表示に変更する！！」

火群「…くっ…！！」

『炎王獣ガネーシャ』[DEF 200]→[ATK 1800]


ジャラン「……そしてシェキナーガを反転召喚しーーーバトルフェイズ！
シェキナーガで、ガネーシャを攻撃！！
ﾈﾌｨｼｬﾄﾞ-ﾙ・ｱﾎﾟｸﾘﾌｧ
〝影堕つる機殻超振動〟ーーー」


『エルシャドール・シェキナーガ』
[ATK 2600]
ーーーVSーーー
[ATK 1800]
『炎王獣ガネーシャ』


火群「ぐぁぁああっっ！！」【LP 2900→2100】

火群「……ッッ！ ガネーシャの……効果…！！
墓地の炎王神獣ガルドニクスを…特殊召喚ッ！」[ATK 2700]

ジャラン「…エグリスタでガルドニクスを攻撃」

火群「…！」


『エルシャドール・エグリスタ』
[ATK 2450]
ーーーVSーーー
[ATK 2700]
『炎王神獣ガルドニクス』


ジャラン「…心配しなくていいよ。
エグリスタの焔が不死鳥に届くことはない」

火群「…何……？」

ジャラン「エグリスタは破壊され、僕は戦闘ダメージを受ける」【LP 8000→7750】

ジャラン「……けど、エグリスタが墓地へ送られた事で効果発動。僕は墓地の『神の写し身との接触』を手札に」【手札 2】

ニクス『…ッッ！！』

火群「…その…カードは…！！」

ジャラン「……速攻魔法『神の写し身との接触』、発動！！」


ジャラン「…影牢の呪縛の魔石を３つ使い…！！
シェキナーガとーーーキミの場の不死鳥を融合素材とさせてもらう…！！」

火群「…！！」


ジャラン「ーーー理を見張り、監視する原核“ﾙ-ﾂ”ーーー
再びここに顕現せよ！！ 融合召喚！！
『エルシャドール・エグリスタ』！！！」[ATK 2450]


火群「…２体目の……エグリスタだと……！？」

ジャラン「……“人形”には幾らでも“替え”がいるんだよ…♪
壊れたモノは廃棄し、新しいモノを使うだけさ」

火群「……く…ッ…そ…！！」

戒「……市瀬ッッ…！！」


ジャラン「ーーーこれで終わりだ。
エルシャドール・エグリスタの攻撃。
ｵﾙｼｬﾄﾞ-ﾙ・ｲﾝﾌｪﾙﾉ
〝堕天せし滅焔〟ーーー」




見上げるとそこには、赤く燃える巨大な影。

やがて解き放たれた焔は、俺たちの身を激しく包んだ。





火群【LP 2100→0】






＊＊＊


ジャラン「ーーー哀れだね。希望なんて、最初からありもしないのに」


火群「………」

戒「………」

地に倒れ伏す二人を中心に一帯は焼け崩れ、黒い煙が上がっている。


ジャラン「…キミたちの精霊は頂いていくよ」

ジャランは火群の元へ足を進める。

ジャラン「………？」

火群の前に来たところで、足に、違和感。

ジャラン「……動ける力なんて、残ってないはずだけど」

火群の左手が、ジャランの足首を掴んでいた。



火群「ーーー言った……はずだぜ…？
……時間は…っ、無駄には……なんねぇ、って」





ーーー刹那。





上空から、一声。








結維「ーーーりゃぁああぁあああぁあああっっっ！！！」


振りかぶった“右手”が、ジャランを捉え、落とされる。

確実にヒットしたかと思われたが、ジャランの足元から白い煙が発せられたかと思うと、ジャランの姿は火群から５メートル程離れた後方へと一瞬で移動していた。


結維「……ちっ…！」


そしてその攻防の隙に、背後から和泉達も駆けつける。

和泉「…火群くん！！ 斬波くん！！」

千愛『…にくす！！ しっかりしなさい！！』

雫「……二人とも…っ酷い怪我ですよ…！！」

鈴華「早く病院に連れて行かないとマズいですわ…っ！！」

明日人「…あいつがあの２人を……！！」

栗須「……俺を操ったヤツだ……！！ 間違いねぇ…！！」



ジャラン「ーーーこれ、なんの冗談…？」

眉を潜め、この状況に対し不服そうに呟くジャランの背後から、カツン、カツン、と、ヒールが地面を叩く音。



火群「ーーーちゃんと届いたみたいで良かったです……俺たちの“光”ーーーッ」



メアリー「ーーー遅くなって本当にごめん！！
不死鳥ちゃんの放った光、確かに届いていたわ…！！」








To Be Continued…






《次回予告》


和泉「…結維ちゃん結維ちゃん」

結維「…なに？和泉」

和泉「私も結維ちゃんみたいに生身で戦えるようになりたいっ！」

結維「急にどうしたのよ…」

和泉「だってさだってさ、もし、変質者に襲われたりしても安心だし！ 強くてかっこいい女性っていうの、なんか憧れるし！」

結維「戦闘力なんて、対して使い道無いと思うわよ…？」

和泉「…えー、なんでなんで？」


結維「…だってこの世界、大抵のことは決闘で解決できるし」


和泉「確かに」




結維「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１４１《受けた傷は深く》」




結維「…しかも筋肉と引き換えに、胸の成長が…」

和泉「それ以上は言わないでぇっ！」





＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙