DRAW:１６４ 侵略の三龍　作：人喰い

(164)




【Side 結維】


〜竜霊山・山道〜


結維【LP 2500】
(モンスター)
『神騎 セイントレア』[ATK 2000]
『創造の代行者 ヴィーナス』[ATK 1900]
(魔法)
『パーシアスの神域』(永続)
伏せ:1
手札:1

黒焔の巨人【LP 8000】
(モンスター)
なし
伏せ:0
手札:４

小次郎【LP 4000】
(モンスター)
なし
伏せ:0
手札:5


＊2対1の変則決闘。場、墓地、除外、ライフ共に別。
TURN:結維→黒焔の巨人→小次郎→黒焔の巨人→結維 の順。小次郎のターンから攻撃可能。



黒焔「……クク…ククク…ッ…！」


結維「……かかって…来なさいよ…ッ…！」

虹光の宣告者の効果を使わせるためにヴェルズ・バハムートを切って来たということは、次に出して来るモンスターこそ……奴が絶対に通したいモンスターのはず…！



黒焔「ーーーー我ハ『ヴェルズ・ケルキオン』ヲ召喚ッ！」[ATK 1600]


《ヴェルズ・ケルキオン/Evilswarm Kerykeion》 †
効果モンスター
星４/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1550
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分の墓地の「ヴェルズ」モンスター１体を除外し、
自分の墓地の「ヴェルズ」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
(2)：このカードの(1)の効果を適用したターンのメインフェイズに発動できる。
「ヴェルズ」モンスター１体を召喚する。
(3)：このカードが墓地へ送られたターン、
「ヴェルズ」モンスターを召喚する場合に必要なリリースを１体少なくできる。


結維「…っ！！」

小次郎「…馬鹿な…！ 召喚権はもうすでに使ったはずでは……っ！？」


黒焔「…クク……ッ…！
『ヴェルズ・カストル』ガ召喚ニ成功シタターン、通常召喚ニ加エテモウ一度ダケ『ヴェルズ』モンスターヲ召喚デキルノダーーーー」

小次郎「…！ そんな効果が…！」

結維「……なるほど、ね」


黒焔「ーーー更ニ！ 『ヴェルズ・ケルキオン』ノ効果発動ッ！
墓地ノ『ヴェルズ・マンドラゴ』ヲ除外シ、墓地カラ『ヴェルズ・カストル』ヲ手札ニ加エルッ！」[手札 4]


黒焔「…ソシテ『ヴェルズ・ケルキオン』ノモウ１ツノ効果ニヨリ、手札カラ『ヴェルズ・カストル』ヲ召喚！！」[ATK 1750]


小次郎「…！！」

結維「…またレベル４のモンスターが２体…！」

黒焔「ーーー２体ノモンスターデオーバーレイッ！ エクシーズ召喚！」


辺りの闇が陽炎に揺れ、漆黒の中より黒龍が姿を現すーーーーー

結維「……っ…！」


黒焔「今コソ現レヨ…、ランク４ーーーーー
『ヴェルズ・オピオン』ッッ！！」


《ヴェルズ・オピオン/Evilswarm Ophion》 †
エクシーズ・効果モンスター
ランク４/闇属性/ドラゴン族/攻2550/守1650
レベル４「ヴェルズ」モンスター×２
(1)：Ｘ素材を持っているこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いにレベル５以上のモンスターを特殊召喚できない。
(2)：１ターンに１度、このカードのＸ素材を１つ取り除いて発動できる。
デッキから「侵略の」魔法・罠カード１枚を手札に加える。


結維「…このモンスターは……っ…！？」

小次郎「……さっきのバハムートと同様に、恐ろしい能力を持っているに違いありません…！ 気をつけてください…！ 結維殿！」


黒焔「ーーーエクシーズ素材ヲ持ッタ『ヴェルズ・オピオン』ガ場ニ存在スル限リ、互イニレベル５以上ノモンスターヲ特殊召喚デキナイーーーーー」


小次郎「…！！」

結維「……っ！」

高レベルのシンクロ召喚だけじゃなく……、ヒュペリオンの特殊召喚さえ封じられた……っ！？

結維「……」

私の場に残った『神騎 セイントレア』なら、オピオンを簡単に処理することができるけど…、次に私のターンが来るまでに、相手にはもう１ターンの猶予がある…！
恐らく次のターンにセイントレアを突破する手筈も用意しているはずーーーー

結維「……厳しくなってきたわね…っ」


黒焔「…クク……続ケテ『ヴェルズ・オピオン』ノエクシーズ素材ヲ１ツ使イ、効果発動ーーーーデッキカラ『侵略の汎発感染』ヲ手札ニ加エル」[手札 4]

黒焔「…カードヲ３枚伏セテ、ターンエンドダ…」[手札 2]


小次郎（…『ヴェルズ・オピオン』…！
かなり厄介な効果だが…、あのモンスター自体にはなんの耐性も無い…！ 僕のターンでオピオンを突破し、結維殿のターンに繋げる…！）
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１６４ーーー
《侵略の三龍》















◉TURN:０３◉


小次郎「…僕のターン…っ！ ドローッ！」[手札 6]

小次郎（このターンから攻撃が可能となる…。
できれば一気に畳み掛けたいがーーーー）


小次郎「ーーー『真六武衆ーカゲキ』を通常召喚！」[ATK 200]

《真六武衆
しんろくぶしゅう
－カゲキ/Legendary Six Samurai - Kageki》 †
効果モンスター
星３/風属性/戦士族/攻 200/守2000
このカードが召喚に成功した時、手札からレベル４以下の
「六武衆」と名のついたモンスター１体を特殊召喚する事ができる。
自分フィールド上に「真六武衆－カゲキ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが表側表示で存在する限り、
このカードの攻撃力は１５００ポイントアップする。


小次郎「カゲキ殿の効果発動！
手札から『六武衆ーイロウ』を特殊召喚！」

《六武衆
ろくぶしゅう
－イロウ/The Six Samurai - Irou》 †
効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻1700/守1200
自分フィールド上に「六武衆－イロウ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが存在し、
このカードが裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、
ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。
また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、
代わりにこのカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する
「六武衆」と名のついたモンスター１体を破壊できる。


『真六武衆ーカゲキ』[ATK 200→1700]

小次郎「…更に、僕の場のイロウ殿を対象に、手札から速攻魔法『六武衆の荒行』を発動！」

《六武衆
ろくぶしゅう
の荒行
あらぎょう
/Asceticism of the Six Samurai》 †
速攻魔法
(1)：自分フィールドの「六武衆」モンスター１体を対象として発動できる。
対象のモンスターとはカード名が異なり、同じ攻撃力を持つ「六武衆」モンスター１体をデッキから特殊召喚する。
このターンのエンドフェイズに対象のモンスターは破壊される。


小次郎「この効果でデッキから、『真六武衆ーエニシ』を特殊召喚！」[ATK1700→2200]

《真六武衆
しんろくぶしゅう
－エニシ/Legendary Six Samurai - Enishi》 †
効果モンスター
星４/光属性/戦士族/攻1700/守 700
自分フィールド上に「真六武衆－エニシ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、
１ターンに１度、自分の墓地に存在する
「六武衆」と名のついたモンスター２体をゲームから除外する事で、
フィールド上に表側表示で存在するモンスター１体を選択して手札に戻す。
この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
また、自分フィールド上に「真六武衆－エニシ」以外の
「六武衆」と名のついたモンスターが表側表示で２体以上存在する場合、
このカードの攻撃力・守備力は５００ポイントアップする。


小次郎「…レベル５以上がダメなら…、こちらもエクシーズで対抗するまで…！」

結維「…！」


小次郎「レベル４のイロウ殿とエニシ殿でオーバーレイ！ エクシーズ召喚！
……今こそ出陣せよ！『六武衆の影ー紫炎』！！」[ATK 2500]


《六武衆
ろくぶしゅう
の影
かげ
－紫炎
シエン
/Shadow of the Six Samurai - Shien》 †
エクシーズ・効果モンスター
ランク４/地属性/戦士族/攻2500/守 400
レベル４「六武衆」モンスター×２
(1)：１ターンに１度、このカードのＸ素材を１つ取り除き、
自分フィールドの攻撃力２０００未満の「六武衆」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターの元々の攻撃力はターン終了時まで２０００になる。
この効果は相手ターンでも発動できる。


黒焔「…クク……！ …ダガ、マダ『ヴェルズ・オピオン』ノ攻撃力ニハ達シテイナイ……！」


小次郎「…それはどうかな…？
『六武衆の影ー紫炎』の効果発動！ エクシーズ素材を一つ使い、カゲキ殿の元々の攻撃力をエンドフェイズまで２０００にする！」

黒焔「…！」

小次郎「…カゲキ殿は場に他の六武衆がいる時、攻撃力を１５００アップさせる効果を持つーーーーよって現在の攻撃力は、３５００！！」


『真六武衆ーカゲキ』[ATK 1700→3500]


結維「…やるわね…っ、これでオピオンの攻撃力を上回った…！」


小次郎「戦闘だ！！
『真六武衆ーカゲキ』で、『ヴェルズ・オピオン』を攻撃！！」


『真六武衆ーカゲキ』
[ATK 3500]
ーーーVSーーー
[ATK 2550]
『ヴェルズ・オピオン』


カゲキの持つ4本の刀に雷が迸り、黒龍へと振り払われた。


黒焔「……クク……クカカ…ッ……！！」【LP 8000→7050】

しかし煙の奥からは、不気味な笑い。

結維「……！」

小次郎「……！？」


煙が晴れると、そこには先程と変わらぬ黒龍の姿ーーーーー


『ヴェルズ・オピオン』[ATK 2550]


小次郎「…伏せカードか……っ…！」

黒焔「…クク……ソノ通リダ。
私ガ発動シタカードハ、永続罠『安全地帯』！！」


《安全地帯
あんぜんちたい
/Safe Zone》 †
永続罠
フィールドの表側攻撃表示モンスター１体を対象としてこのカードを発動できる。
(1)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、
その表側表示モンスターは、相手の効果の対象にならず、
戦闘及び相手の効果では破壊されず、相手に直接攻撃できない。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。
そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。


結維「…モンスターに強固な耐性を付与できるカード…！」

小次郎「…っ……カードを３枚伏せてターンエンド…！」[手札 0]


黒焔「ーーーコノエンドフェイズ時、伏セカードオープン！ 罠発動、『エクシーズ・リボーン』！！」

《エクシーズ・リボーン/Xyz Reborn》 †
通常罠
(1)：自分の墓地のＸモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてＸ素材とする。


黒焔「墓地ヨリ『ヴェルズ・バハムート』ヲ蘇生サセ、コノカードヲエクシーズ素材トスル！！」

闇の底より黒龍がその身を再生させ、再びフィールドに舞い戻る。

『ヴェルズ・バハムート』[ATK 2350]

結維「……くっ…！
…しつこい…っっ…！」



◉TURN:０４◉



黒焔「我ノターン、カードヲドロースルーーーー」[手札 3]


黒焔「ーーー我ハ再ビ、手札カラ『ヴェルズ・マンドラゴ』ヲ、自身ノ効果ニヨリ特殊召喚…！」[DEF 1450]

黒焔「…更ニ、『レスキューラビット』ヲ通常召喚！」


《レスキューラビット/Rescue Rabbit》 †
効果モンスター
星４/地属性/獣族/攻 300/守 100
「レスキューラビット」の効果は１ターンに１度しか使用できない。
このカードはデッキから特殊召喚できない。
(1)：フィールドのこのカードを除外して発動できる。
デッキからレベル４以下の同名の通常モンスター２体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。


黒焔「…レスキューラビットノ効果発動！ 自身ヲ除外シ、デッキカラ２体ノ『ヴェルズ・ヘリオロープ』ヲ特殊召喚！！」[ATK 1950]

《ヴェルズ・ヘリオロープ/Evilswarm Heliotrope》 †
通常モンスター
星４/闇属性/岩石族/攻1950/守 650
ルメトモ　ヲンエウユシ　ツメハ　イカハ
ンネヤジルナウコウス　ノズルエヴンイ
イシマタノラレワ　ルナクアヤジ　テシニイスンユジ

結維「…まだそんな展開札を残していたの…っ…！？」

小次郎「…今度はレベル４のモンスターが……３体…！！」


黒焔「ーーーーレベル４ノ『ヴェルズ・マンドラゴ』、ソシテ２体ノ『ヴェルズ・ヘリオロープ』デ……オーバーレイッッ！！
エクシーズ召喚！！」


黒焔の巨人は巨大な１ツ目を大きく見開く。
それと同時に冷たき焔が周囲を揺らぎ、極寒の煉獄へと私達を誘う。

結維「…ぅぅ……っ…！！」

小次郎「……く…ぁ…！！」


ーーーそして漆黒の闇より、“破滅の邪龍”が姿を現す。

３つの首を持ち、何者をも寄せ付けない圧倒的な威圧感を放ち、フィールドに舞い降りた。



黒焔「…現レヨ…！！ ランク４ッ…！
破滅の邪龍ーーーーー
『ヴェルズ・ウロボロス』ッッ！！！」


《ヴェルズ・ウロボロス/Evilswarm Ouroboros》 †
エクシーズ・効果モンスター
ランク４/闇属性/ドラゴン族/攻2750/守1950
レベル４モンスター×３
１ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を１つ取り除き、
以下の効果から１つを選択して発動できる。
以下の効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り
それぞれ１度しか選択できない。
●相手フィールド上に存在するカード１枚を選択して持ち主の手札に戻す。
●相手の手札をランダムに１枚選んで墓地へ送る。
●相手の墓地に存在するカード１枚を選択してゲームから除外する。


『ヴェルズ・バハムート』[ATK 2350]

『ヴェルズ・オピオン』[ATK 2550]

『ヴェルズ・ウロボロス』[ATK 2750]



ウロボロス『ゴギャォォォォォォオォォォオォッッ！！！』



邪龍は咆哮する。

それは、“侵略”の狼煙だ。





To Be Continued…






《次回予告》




「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１６５ その拳は疾風の如く






＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙