DRAW:１６７ 神槍の導き　作：人喰い

(167)





〜竜霊山・山道〜

【Side 結維】



結維【LP 2500】
(モンスター)
『太陽神 ヒュペリオン・アル・メギド』[ATK 3300]
『創造の代行者 ヴィーナス』[ATK 1900]
(魔法)
『パーシアスの神域(天空の聖域)』
伏せ:0
手札:1

小次郎【LP 4000】
(モンスター)
セットモンスターx1(真六武衆ーカゲキ)
伏せ:1
手札:0

黒焔の巨人【LP 7050】
(モンスター)
『ヴェルズ・オピオン』[DEF 1650]
(罠)
『安全地帯』＊対象不在
伏せ:0
手札:0



◉TURN:０５◉


結維「ーーーーヒュペリオン・アル・メギドの効果発動…っっ！！」


《太陽神 ヒュペリオン・アル・メギド》＊Ph.X Original Cards
シンクロ・効果モンスター
星１０/光属性/天使族/攻 3000/守 2400
天使族チューナー１体+「マスター・ヒュペリオン」
このカード名の①②③の効果は、それぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「天空の聖域」を１枚選び発動する。既に自分フィールドに「天空の聖域」が表側表示で存在する場合、代わりにデッキから１枚ドローする。
②自分メインフェイズに、手札及びデッキから「代行者」モンスター１体を墓地へ送り発動できる。フィールドのカードを１枚まで選んで破壊する。その後、このカードは次の自分のスタンバイフェイズまで、この効果を発動するためのコストとして墓地へ送った「代行者」モンスターの効果を得る。
③フィールドのこのカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時に、自分の墓地の「マスター・ヒュペリオン」１体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。


結維「…シンクロ召喚成功時、１枚ドローっっ！！」[手札 2]

結維「ーーー更に、もう一つの効果を発動！
デッキから『奇跡の代行者 ジュピター』を墓地へ送り、あなたの場の『ヴェルズ・オピオン』を破壊するっ！！
ーーー〝プラネット・キャノン〟！！」

ヒュペリオンは周囲を公転する小惑星のうち、“木星”を勢いよく撃ち放つ。

黒焔「……ッッ！！」

放たれた木星は炎を纏って闇の中を突き進み、オピオンの中心を貫いた。

黒焔「…ガァァァアァァ…ッッ！！」


結維「それだけじゃない…！
ヒュペリオンは次の自分のスタンバイフェイズまで、墓地へ送ったジュピターの効果を得る！！」


《奇跡
きせき
の代行者
だいこうしゃ
ジュピター/The Agent of Miracles - Jupiter》 †
効果モンスター
星４/光属性/天使族/攻1800/守1000
１ターンに１度、自分の墓地に存在する「代行者」と名のついた
モンスター１体をゲームから除外して発動する事ができる。
自分フィールド上に表側表示で存在する天使族・光属性モンスター１体の攻撃力は、
エンドフェイズ時まで８００ポイントアップする。
また、フィールド上に「天空の聖域」が表側表示で存在する場合、
１ターンに１度、手札から天使族モンスター１体を捨てる事で、
ゲームから除外されている自分の天使族・光属性モンスター１体を選択して特殊召喚する。


結維「…ヒュペリオンが受け継いだジュピターの効果！！
墓地のジュピターを除外して、ヒュペリオンの攻撃力を８００ポイントアップ！！」

オピオンを破壊した木星がヒュペリオンの元へ引き寄せられるように戻っていき、再びヒュペリオンの周囲を公転し始める。

『太陽神 ヒュペリオン・アル・メギド』[ATK 3300→4100]


結維「ーーーー更にっ！ ジュピターのもう一つの効果！！
手札のヴィーナスを捨て……っ、除外されているジュピターを特殊召喚！！」[ATK 1800→2100]

黒焔「……何……ッッ……！！」【LP 7050］


一ツ目を大きく見開き驚く黒焔の巨人の前に、太陽神と代行者が光を放ち攻撃の構えを取る。


『太陽神 ヒュペリオン・アル・メギド』[ATK 4100]
『創造の代行者 ヴィーナス』[ATK 1900]
『奇跡の代行者 ジュピター』[ATK 2100]


黒焔「……貴様等ノヨウナ…ッ…ガキ共二……ッッ…」


結維「ーーーーバトルよ」

黒焔「…我々ガ……ッ敗レルナド……ッッ…！！」

結維「ジュピターの攻撃…！！」

ジュピターの放った光弾が黒焔の巨人の左足を撃ち抜くーーーー

黒焔「……ガギュァァッ！！」【LP 7050→4950】


結維「…続いてヴィーナスの攻撃！！」

ヴィーナスは球体を複数創造し、その球体を撃ち飛ばす事で黒焔の巨人の右足に風穴を空ける。

黒焔「…ギギィギュァッッ！！」【LP 4950→3050】


休む暇など与えない。
私の攻勢はいつだってーーーー連撃必殺。


結維「ーーーこれで終わり…っっ！！
『太陽神 ヒュペリオン・アル・メギド』の攻撃…！！
ーーーー〝サン・バースト・アルマゲドン〟！！


ヒュペリオンは右手を掲げ、真っ赤に燃える小太陽を生成する。


ヒュペリオン『…ォォォオオォォォォォッッ！！』


ーーーーそしてその太陽は黒焔の巨人の眼球めがけて撃ち放たれた。



黒焔「オノレ……ッ…………！
…………ッ…オノレエェェェッッ！！！」



叫び声の直後、太陽は巨大な一ツ目に直撃し、爆音と断末魔が竜霊山一帯に響き渡った。



黒焔「ーーーーギグギュァァァァアアァァァアアッッッ！！！！」【LP 3050→0】




◉Winner◉
-桜庭結維 時枝小次郎-















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１６７ーーー
《神槍の導き》
















〜竜霊山・洞窟最奥部〜

【Side 竜貴】


竜貴【LP 1500】
(モンスター)
なし
伏せ:0
手札:4
墓地:アキュリス、セナート、レヴァテイン

放浪【LP 6200】
(モンスター)
『炎神ー不知火』[ATK 3500]
『戦神ー不知火』[ATK 3000]
伏せ:0
手札:4
墓地:隠者、妖刀、ユニゾンビ
除外:馬頭鬼x2、武士


放浪「……カードを１枚伏せてターンエンドだ」[手札 3]


◉TURN:０４◉


竜貴「………」


放浪「……もっとも、もうお前は決闘を続けられる身体ではないだろうがな…」


竜貴「……」


身体が……言う事をきかねぇ…。

ふざけんな。

ふざけんなよ…。

放浪「……この山に眠る精霊のカードは頂いていくーーーー」

こんな……ところで……ッッ…！


また、終わっちまうのかーーーーー


竜貴「………っ……」


全てを諦めかけた、その時だった。


放浪「……っ…？」



ﾄﾞｺﾞｫｫｵｫｫｵｵｫｵｵｫｫｵｯｯ‼︎


突如、爆発音。


竜貴「…！？」


それと同時に、辺りの闇が僅かに晴れていくーーーー

放浪「…どういうことだ……？」

疑問の声をあげながら精霊のカードに手をかけた放浪は、強力な光によって弾かれる。

放浪「…っ！」


放浪「ーーーーまさかとは思うが…、あのデカブツ……くたばりやがったか…ッ…」


竜貴「……！」

辺りを包む闇が弱まった所為かよくわからねぇが、少し身体が楽になった…！ これなら……まだ戦える…ッ！！


竜貴「……うおおぉぉぉぉ……ッッ…！！」

俺は精一杯の力を振り絞り立ち上がった。

そして思いっきりカードを引くーーーー


竜貴「ーーーー俺のターンッッ！！」[手札 5]

放浪「……チッ…！」

放浪は苛立ちながら振り返り、再び俺と対峙する。
だが、この一瞬の油断を逃すわけにはいかないーーーー


竜貴「ーーーー俺は手札から、『調和の宝札』を発動！！」


《調和
ちょうわ
の宝札
ほうさつ
/Cards of Consonance》 †
通常魔法
手札から攻撃力１０００以下のドラゴン族チューナー１体を捨てて発動できる。
デッキからカードを２枚ドローする。


竜貴「手札の『ドラグニティークーゼ』を捨てーーーー２枚ドロー！！」[手札 5]


竜貴「……そして『ドラグニティードゥクス』を通常召喚！！」[ATK 1500]


《ドラグニティ－ドゥクス/Dragunity Dux》 †
効果モンスター
星４/風属性/鳥獣族/攻1500/守1000
(1)：このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地のレベル３以下のドラゴン族の「ドラグニティ」モンスター１体を対象として発動できる。
そのドラゴン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2)：このカードの攻撃力は、自分フィールドの「ドラグニティ」カードの数×２００アップする。


竜貴「…ドゥクスの攻撃力は、場のドラグニティの数x200アップする！！」

『ドラグニティードゥクス』[ATK 1500→1700]

竜貴「更に、ドゥクスの召喚成功時、効果発動！！ 墓地のクーゼをドゥクスに装備！
ーーー竜装一体！！」

『ドラグニティードゥクス』[ATK 1500→1700]


放浪「ーーーそれ以上はさせねぇ…ッ…。
罠発動ッ！！『不知火流 燕の太刀』！！」

竜貴「…！」


《不知火流
しらぬいりゅう
燕
つばくろ
の太刀
たち
/Shiranui Style Swallows Slash》 †
通常罠
「不知火流 燕の太刀」は１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：自分フィールドのアンデット族モンスター１体をリリースし、
フィールドのカード２枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
その後、デッキから「不知火」モンスター１体を除外する。


放浪「……俺は『戦神ー不知火をリリースしーーーお前の場のドゥクス、そしてクーゼを破壊する…ッ！」


戦神から放たれた炎を纏いし斬撃が、俺のモンスター達を切り裂く。

竜貴「……ッッ…！」

放浪「更にその後、デッキから『不知火の隠者』を除外するーーーーそして除外された隠者の効果！
除外されている『不知火の武士』を特殊召喚！」[ATK 1800]


《不知火
しらぬい
の武士
もののふ
/Shiranui Samurai》 †
効果モンスター
星４/炎属性/アンデット族/攻1800/守 0
「不知火の武士」の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分の墓地のアンデット族モンスター１体を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで６００アップし、
このターンこのカードがモンスターと戦闘を行った場合、
そのモンスターはダメージ計算後に除外される。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2)：このカードが除外された場合、
「不知火の武士」以外の自分の墓地の「不知火」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。


竜貴「…このくらい…っ…どうってことねえ…！」

放浪「……」

竜貴「…今の“燕の太刀”より、小次郎の“ツバメ返し”の方が俺には効いたぜ」

放浪「…ハッ。くだらねぇ冗談だな」

竜貴「……どうかな」


ーーー不思議だ。
身体はもうとっくに限界のはずなのに…、どっからか力が流れ込んでくるような、不思議な感覚ーーーー

レヴァテイン『ーーーワタシも感じるぞ、リューキ。
……奥にある精霊のカードからだ』

竜貴「…！」


この竜霊山の精霊が俺に力を貸してくれてるのか……！！

ならそれに、ちゃんと応えてやらねぇとな…！！



俺のーーーー魂で！！



竜貴「ーーー魔法発動！！ 『死者蘇生』！！」


《死者蘇生
ししゃそせい
/Monster Reborn》 †
通常魔法（制限カード）
(1)：自分または相手の墓地のモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。


放浪「……！」

竜貴「この効果で、墓地からモンスター１体を特殊召喚する！！
ーーーー疾風纏いし竜騎士！ 今ここに舞い降り全ての敵を薙ぎ払えッ！！
『ドラグニティアームズーレヴァテイン』！！」[ATK 2600]☆8


《ドラグニティアームズ－レヴァテイン/Dragunity Arma Leyvaten》 †
効果モンスター
星８/風属性/ドラゴン族/攻2600/守1200
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する
「ドラグニティ」と名のついたカードを装備したモンスター１体をゲームから除外し、
手札または墓地から特殊召喚する事ができる。
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
「ドラグニティアームズ－レヴァテイン」以外の
自分の墓地に存在するドラゴン族モンスター１体を選択し、
装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる。
このカードが相手のカードの効果によって墓地へ送られた時、
装備カード扱いとしてこのカードに装備されたモンスター１体を特殊召喚する事ができる。


竜騎士は疾風を纏いフィールドに舞い降り、激しく雄叫びを上げる。


レヴァテイン『ガァァァアアァァァッッ！！』



放浪「……精霊のカードか……ッ…！」

竜貴「ーーーレヴァテインの効果発動！ 墓地の『ドラグニティークーゼ』をレヴァテインに装備する！！
ーーー竜装一体！！」

クーゼはレヴァテインの剣に装着される。

竜貴「更に、クーゼの効果発動！！」


《ドラグニティ－クーゼ》 †
チューナー・効果モンスター
星２/風属性/ドラゴン族/攻1000/守 200
このカードをＳ素材とする場合、「ドラグニティ」モンスターのＳ召喚にしか使用できない。
(1)：フィールドのこのカードをＳ素材とする場合、
このカードのレベルを４として扱う事ができる。
(2)：このカードが装備カード扱いとして
装備されている場合に発動できる。
装備されているこのカードを特殊召喚する。


竜貴「レヴァテインに装備されたクーゼは分離！！」

クーゼは自ら装備を外れ、レヴァテインの隣に並び立つ。

『ドラグニティークーゼ』[ATK 1000]☆2 チューナー


放浪「……チューナーとチューナー以外のモンスター……来るのか……ッ…」



レヴァテイン『ーーー見せてやれ、リューキ。
“魂”の宿ったーーーー我々の拳を』


竜貴「ーーーーああ！！」


洞窟内に突風が吹き荒れ、奥に眠る精霊のカードがより一層輝きを増してゆくーーーー


竜貴「ーーー竜騎一体！！！
レベル８の『ドラグニティアームズーレヴァテイン』に、レベル２の『ドラグニティークーゼ』をチューニング！！」


一瞬の静寂の直後、一陣の風が俺たちの間を吹き抜けるーーーー


竜貴「ーーー同調せし竜騎士よ…、今こそ旋風を巻き起こし……その“魂”で、立ち塞がるもの全てを貫けッッ！！ シンクロ召喚！！
完全無欠、嵐の神槍！
『ドラグニティナイトーアスカロン』ッッ！！！」[ATK 3300]



金色に輝く神槍竜に騎乗したドゥクスは突風を纏い、悪を滅す為にフィールドに舞い降りた。


その竜騎士の名は『アスカロン』。

“虚無”を討ち亡ぼす為に生まれたーーーー竜霊山を守る大精霊である。







To Be Continued…






《次回予告》


結維「…あなたのおかげで私は勝てた。
……ありがとう。サムライさん」


小次郎「…いえ、結維殿が僕を信じてくれたからの勝利です。
……しかし、今日出会ったばかりの僕にあの場を任せて下さるとは、なんだか以外です」

結維「…ど、どういう事ですかっ」

小次郎「…勝手な憶測ですが……結維殿は、あまり人に頼らず、一人で闘うタイプの方だと思っていたので……」

結維「……何気にズバッと言いますね、、
……間違ってはいませんけど…」

小次郎（間違ってないんですか…）

結維「……けどサムライさん。あなたの実力は信頼に足るものだと直感でわかりましたし、なによりーーーー」




「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１６８ 《ドラグニティ・ドライブ》」




結維「ーーー私は貧乳女子全員の味方です」


小次郎「あれはもう忘れてください！！！///」




＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙