DRAW:１３３ 導いた答え・明くる道　作：人喰い

(133)




火群【LP 100】
(モンスター)
なし
伏せ:2
手札:1

雫【LP 6000】
(モンスター)
『イビリチュア・ジールギガス』[ATK 3200]
『イビリチュア・ジールギガス』[ATK 3200]
『リチュア・アバンス』[ATK 1500]
伏せ:0
手札:2


◉TURN０３◉


火群「…俺の……ターン…ッ！！
…ドローッッ！！」


ｺﾞｵｫｵｵｫｵｫｵｵｫｵｯｯ!


火群「ーーー！」


火群「ーーー俺たちの戦う舞台を……見せてやるぜ…！ 柏木さん！
フィールド魔法、『炎王の孤島』を発動！！」




ｺﾞｺﾞｺﾞ…‼︎

大地が揺れ、俺の背後に火山が現れる。

雫「……っ！（…薄々気づいていましたが…、火群さんのもう一枚の手札は…！）


火群「……炎王の孤島の効果発動！
…俺は手札の『炎王神獣 ガルドニクス』を破壊する！」

雫「！！（…やっぱりガルドニクスさん…！）」

火群「そしてデッキから、『炎王獣 ガネーシャ』を手札に！」

火群「…モンスターをセットして、ターンエンド！」【手札 0】


◉TURN:０４◉


雫「…私のターンっ！ ドローっ！」【手札 3】

火群「…この瞬間…！ 効果で破壊されたガルドニクスは蘇る！！」[DEF 1700]

《炎王神獣 ガルドニクス/Fire King High Avatar Garunix》
効果モンスター
星８/炎属性/鳥獣族/攻2700/守1700
このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、
次のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚に成功した時、
このカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する。
また、このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
デッキから「炎王神獣 ガルドニクス」以外の
「炎王」と名のついたモンスター１体を特殊召喚できる。


火群「さらに！ 自身の効果で蘇ったガルドニクスは、他の場のモンスター全てを破壊するッッ！」

ニクス『…ハァァッッ！！』

ニクスは翼を広げ、熱風で場を包んだ。

雫「……っ！ やりますね…っ！ 流石は火群さんです…っ！」

火群（…とは言っても、俺のライフは残り１００…！ 一瞬も油断できないな…！）

雫「…私のモンスターは破壊されてしまいましたが…火群さんとの決闘で、この状況を想定していない訳はありませんよっ！」

火群「…！」

雫「私は墓地に存在する２枚の『リチュアの儀水鏡』の効果を発動しますっ！」


《リチュアの儀水鏡/Gishki Aquamirror》
儀式魔法
「リチュア」と名のついた儀式モンスターの降臨に必要。
自分の手札・フィールド上から、儀式召喚するモンスターと
同じレベルになるようにモンスターをリリースしなければならない。
また、自分のメインフェイズ時に墓地のこのカードをデッキに戻す事で、
自分の墓地の「リチュア」と名のついた儀式モンスター１体を選択して手札に戻す。


雫「このカードをデッキに戻して、墓地の『イビリチュア・ジールギガス』２枚を手札に加えます！」【手札 5】

雫「更に、手札の『シャドウ・リチュア』を捨てて、今デッキに戻した『リチュアの儀水鏡』を再び手札に！」

ニクス『…これでまた儀式召喚の準備が整ったか…っ！』

雫「ーーー儀式魔法『リチュアの儀水鏡』…発動ですっ！」

雫「手札の『イビリチュア・ジールギガス』をリリースし……三度現れてください…！ 儀式召喚！！
『イビリチュア・ジールギガス』っ！！[ATK 3200]


《イビリチュア・ジールギガス/Gishki Zielgigas》 †
儀式・効果モンスター
星１０/水属性/水族/攻3200/守 0
「リチュア」と名のついた儀式魔法カードにより降臨。
１ターンに１度、１０００ライフポイントを払って発動できる。
デッキからカードを１枚ドローし、お互いに確認する。
確認したカードが「リチュア」と名のついたモンスターだった場合、
フィールド上のカード１枚を選んで持ち主のデッキに戻す。


火群「…やっぱまた来たか…！！ けど、また効果を成功できるのか…！？」

雫「…引きますよ、私は…！
ライフを1000払い、ジールギガスの効果を発動します！」【LP 6000→5000】

火群「…！ だったら…！ 伏せカードオープン！『炎王炎環』！！」


《炎王炎環/Circle of the Fire Kings》
速攻魔法
自分のフィールド上及び自分の墓地の
炎属性モンスターを１体ずつ選択して発動できる。
選択した自分フィールド上のモンスターを破壊し、
選択した墓地のモンスターを特殊召喚する。
「炎王炎環」は１ターンに１枚しか発動できない。


火群「場のガルドニクスを破壊して、墓地のガネーシャを特殊召喚！」[DEF 200]

雫「…ガルドニクスさんは墓地へ避難しましたか…！ でも構いません！ ジールギガスの効果でドローっ！！」【手札 3】


ｶﾝ☆ｺ-ﾝ!

雫「…ドローカードは………！」



『水神の護符』


雫「…残念、リチュアモンスターではありません…っ」

火群「……！ よし…！ これで俺のカードはデッキに戻らなくて済む！」

ニクス『だが、火群。 「水神の護符」…。イカとの決闘であの魔法カードに苦しめられたことを、忘れてないだろうな？』

火群「…大丈夫さ。このターンさえ退けられれば…！」


雫「私は永続魔法『水神の護符』を発動します！」


《水神
すいじん
の護符
ごふ
/Sea Loads Amulet》 †
永続魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、
自分フィールド上の水属性モンスターは相手のカ－ドの効果では破壊されない。
発動後３回目の相手のエンドフェイズ時にこのカードは墓地へ送られる。


雫（この状況…、ガネーシャを戦闘破壊してもあまり意味はありませんね…）

雫「…ターンエンドですっ！」【手札 2】


◉TURN０５◉


火群「…俺の、ターンッ！ ドローッ！！」


ｺﾞｵｵｫｵｵｫｵｫｵｵｯｯ‼︎


雫「…！ さっきよりも……大きくて…暖かい炎…です……っ！」

火群「……！」

ドローカードを横目で確認し、思わず笑みをこぼす。

ニクス『…フッ、どうした？ 火群』


火群「ーーーやっぱり決闘は、楽しいな…って！」

雫「っ！」

ニクス『………ああ、同感だ…ッ！！』


火群「行くぜニクス…！ このスタンバイフェイズ時、蘇れっ！！」[ATK 2700]

火群「…そしてガルドニクス以外の場のモンスター全てを破壊する！」

雫「…っ！ 水神の加護の効果で、ジールギガスは効果による破壊を免れますっ！」

火群「…よって破壊されるのはガネーシャのみ…！ けどそれも問題ねぇ！ 伏せカードオープン！『リビングデッドの呼び声』！
この効果で墓地のガネーシャを蘇生！」[ATK 1800]

雫「…これは一体…っ？」


火群「ーーーそして俺は手札から、こいつの効果を発動するぜ…っ！ ……俺のとっておきだっ！！
ーーー『真竜皇アグニマズドV』！！！」


《真竜皇
しんりゅうおう
アグニマズドＶ
バニッシャー
/True King Agnimazud, the Vanisher》 †
効果モンスター
星９/炎属性/幻竜族/攻2900/守1900
「真竜皇アグニマズドＶ」の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、
炎属性モンスターを含むモンスター２体を破壊し、このカードを手札から特殊召喚し、
炎属性モンスター２体を破壊した場合、
相手のフィールド・墓地からモンスター１体を選んで除外できる。
(2)：このカードが効果で破壊された場合に発動できる。
自分の墓地から炎属性以外の幻竜族モンスター１体を選んで手札に加える。


雫「あのモンスターは……っ！？」

火群「…場のガルドニクスとガネーシャを破壊し、手札のこのカードを特殊召喚する！ 現れろ！『真竜皇アグニマズドV』！！」[ATK 2900]

ｺﾞｺﾞｺﾞ…ｯｯ‼︎
ﾄﾞｺﾞｫｫｵｫｫｵｫ!

背後の火山の噴火と共に、火口より焔を纏う黒龍が現れる。
白き翼と赤き翼ーーー計4つの翼を羽ばたかせ、ゆっくりと地に降り立つ。

雫「……凄い迫力です…っ」

火群「それだけじゃ無い！
炎属性モンスター２体を破壊した事で、柏木さんの場か墓地のモンスター１体を選んで除外させて貰うぜ！
除外するのは場の『イビリチュア・ジールギガス』！」

ガルドニクスとガネーシャから炎を吸収して放った熱線が、ジールギガスを貫く。

雫「…きゃぁ…っ！？
…除外されてしまっては…っ！」

火群「更に！ 破壊されたガネーシャの効果発動！ 墓地のガルドニクスを特殊召喚！」[ATK 2700]

雫「…！」

熱風で柏木さんの前髪が舞い上がる。

雫「…っ」

すると優しい笑顔で、


雫「……楽しいですよねっ……決闘って」


そう、言った。


火群「…ああ……最高だよ…っ！！」

俺は涙まじりに答える

火群「ーーーーバトル！ アグニマズドVと、ガルドニクスでダイレクトアタック…っ！！」


ーーーーーありがとう、柏木さん。


火群「ーーーー〝デュアル・バーニング・ヴァニッシャー〟！！」


『真竜皇アグニマズドV』[ATK 2900]

『炎王神獣 ガルドニクス』[ATK 2700]



二対の焔が渦を巻いて、フィールドを包み込んだ。


それはとても暖かく、優しい炎ーーーーー


雫「ーーーっっ」【LP 5000→0】




◉Winner◉
-市瀬 火群-








＊＊＊


【和泉Side】


結維「………」【LP 0】


◉Winner◉
-桜庭 和泉-


和泉「ーーー結維ちゃん。ありがとう。私なりの“答え”見つかったから…。火群くんのところに、行ってくる…っ！」

結維「…。ええ、行ってらっしゃい、和泉」


ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ


結維「………」

結維「……さて、と。
私はどうしますかねぇ…」





＊＊＊


【火群Side】


雫「ーーーふぅー…、あとちょっとだったんですけど…、やっぱり強いですねっ！ 火群さんっ」

火群「…ギリギリの決闘だったよ。けどーーーーー」

雫「……“道”は、見えたんですね。火群さん」

火群「…ああ。バッチリだ」

雫「…なら、早く行ってきたらどうですか？」

火群「…行くって……どこに？」

雫「決まってるじゃ無いですかっ、和泉さんのとこですよっ！」

火群「……！！」

雫「…ちゃんと自分の思いを伝えてきてください…っ！ 応援してますので！」

火群「…柏木さん…。ご…」

雫「………？」

ごめん。

と、そう言いかけたが、口を紡ぐ。

こういう時は、そうじゃ無いよな。
こういう時こそーーーーー


火群「……ありがとう」


柏木さんの気持ちを聞いて、それでも俺は和泉を選んだ。
勇気を出して思いを伝えてくれた柏木さんの事を思うと、心が苦しくなる。

だけど、俺は柏木さんに優しく笑いかけ、走り出したんだ。


ーーーーー想いを、伝えるために。















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１３３ーーー
《導いた答え・明くる道》
















To Be Continued…






《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１３４《告白》






＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙