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HOME > 遊戯王SS一覧 > DRAW:243 龍祖、氷臨

DRAW:243 龍祖、氷臨 作:人喰い

(243)



───それは、YAGAMI本社ビルへと向かう道中の記憶。

メアリー「───ね、雫ちゃん。もしワタシが途中で負けちゃうようなことがあれば、後のことは、よろしくネ」

雫「───は?」

メアリー「ん?」

雫「………なななな何言ってるんですか!?わわわわわたしなんて地味ですし喋るの苦手ですし一番年下ですしメアリーさんの代わりなんてぜっっっったい務まりませんよっ!炎群さんや斬波さんの方が───」

メアリー「えー、そんなことないと思うケドな〜。
雫ちゃんは、…まあ確かに、そそっかしくて慌てん坊で多少ドジなとこもあるけど───」

雫「…褒める気あります?」

メアリー「───でも、誰よりも『変わりたい』って強く思ってる」

雫「───」

メアリー「現に雫ちゃんは変わった!そのモッサモサの前髪で視界を塞ぐことで閉じこもってた殻を、自らブチ破った!だからそんな雫ちゃんに任せてみたくなったの!」

雫「…〜〜!無理ですよぉ!そ、それに!メアリーさんが負けるなんて有り得ません!メアリーさんはシルバさんを除いたら、私たちの中で一番強いんですからっ!」

メアリー「…それがたとえ、アナタのお姉ちゃんが相手でも?」

雫「……ハイ。メアリーさんは負けません」

メアリー「んーーーーー、ま!それもそっかぁ!ハハハハハハ!!」




───そうだ。



ワタシは負けない。


ワタシは、強いんだ。




***




〜神星樹内部・美の間〜



瑞希「───」【LP 1200】

メアリー「───」【LP 100】

◉TURN:10◉

瑞希のドローフェイズ。

互いに手札は0。場のモンスターも伏せカードもなければ、墓地で発動できる効果もない。

メアリー「………」

このドローで、全てが決まる。

攻撃力100以上の、通常召喚可能なモンスターを引くだけで、瑞希の勝利は決定する。
逆に引けなければ───


瑞希「───間違った道だけど…!!!私が雫の為にした事は!!!決して無駄じゃなかったって!!証明するんだ!!!


魂の叫びが部屋中の轟き、瑞希はカードを引いた。

メアリー「───」

大丈夫。引かない。引けない。


勝つのは───ワタシだ。















◉◉◉遊戯王 Ph.X◉◉◉
───DRAW:243───
   《龍祖、氷臨》














〜神星樹内部・基礎の間→美の間〜


「───はぁ…っ…!はぁ…っ!!
この先に……お姉ちゃんが…!!」

息を切らしながら螺旋階段を駆け上がるのは、鼻までかかる長い前髪が特徴の蒼髪の少女───柏木 雫(かしわぎ しずく)。

雫「…もうすこし…もうすこしなんだ……!だから───」

昨日までは目までスッポリと覆っていた前髪も、今は真ん中だけ残し両側をピンで止め、露わになった丸く大きな瞳はしっかりと進むべき方向を見据えていた。

雫「───がんばれ、わたし…!」

疲労により重たくなる足をなんとか持ち上げ、気が遠くなる様な長い長い螺旋階段をひたすらに駆けて行く。

雫「───…!」

程なくして。

雫「…見えた……!」

階段の終わりが見え、一枚の大扉を確認する。

雫「あの扉の先が───」

そう、囚われの和泉を守護する瑞希のいる───《美の間》だ。

雫「…和泉さん…!必ず助けます…!!待っててください…!!」

そして、

雫「……瑞希お姉ちゃん。ちゃんと、話をしよう───」

想いを胸に秘め、美の間へ繋がる大扉を開けた。



雫「───ッッ」


すると、肌を突き刺すような極寒の冷気が美の間から一気に溢れ出て、ついさっき登ってきた螺旋階段が一瞬で凍り付く。

しかしそんな事すら気にもならないぐらいの光景が、目の前には広がっていた。

雫「───ぁ」

辺り一面、白銀の世界。
そして、目の前数メートル先には、よく知る金髪の女性の背中があった。

雫「メア───」

扉を開けて0.3秒。

雫が呼びかけるよりも前に、友の叫びが部屋中に響き渡った。




鈴華「───メアリーさんッッッッ!!!!」




かつて聞いたことがない程の、叫び声。

雫「───?」

状況を把握するまで、1秒。

雫「───ぁ?」


雫の視線の先、メアリーの腹部を1本の剣が貫いていた。




メアリー「───ッ」【LP 100→0】





雫「ぁ、ぁ、ぁ、ぁ」



剣は背中から突き出され、飛び散った鮮血がメアリーの背後に立つ雫の蒼髪を赤く染めた。

雫「……ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁあぁぁあ、あぁああ」

直後、メアリーの身体はぐらりと傾き───


メアリー「───ごめん、雫ちゃん」

雫「ぇ」

メアリー「あとは───お願い」

そう言い残すと共に、力なくその場に崩れ落ちた。

雫「ぁ」

広がった視界の先には、1体のモンスター。

『影霊衣の術師 シュリット』[ATK 300]

そしてそれを従える、全身を痣が覆い異形となりかけた姉───瑞希の姿。

瑞希「───」

雫「───瑞希お姉ちゃんッッッッ!!!!

決闘の勝敗が決まり立体映像が消えゆく中、雫は倒れたメアリーの身体を支えながら姉の名を呼ぶ。

瑞希「…はぁ…ッ…はぁ…ッッ……何しに来たの…?」

雫「───!」

対する瑞希は、あくまで、淡白に。

雫「…決まってるでしょ。大切な友達を、助けるため」

そして───

雫「───お姉ちゃんと、話をするため」

言い切り、そこで初めて周囲を見渡す。

雫「───」

無数の氷柱により迷宮のように入り乱れた白銀の世界。
大粒の涙を流しメアリーの元へ駆け寄る霊獣使いたち。
倒れた仲間たちと、その前で膝を着き泣き叫ぶ鈴華。
中央には、凍りついた木の幹に囚われた───和泉の姿。

鈴華「…しず…く…!!戒さんと古宮さんは…、私たちを庇って……ッ…!結維さんは…和泉さんを助けるために……!
それでメアリーさんは…、あなたのお姉さんと戦って───ッ」

雫は鈴華から状況を伝えられ、小さく頷くと、

雫「───ぜんぶ、お姉ちゃんがやったの?」

ただ、問う。

瑞希「……そうだって言ったら?」

雫「───」

雫は無言で決闘盤を構える。
これ以上の会話は不要。決闘で語ろうという意思表示だろう。

瑞希「…いいよ。かかって来なよ、雫。私も、もう逃げないって決めたから」

双方覚悟に満ちた眼で、見合ったところで。

鈴華「…待ってッ…!あなた達2人が戦ってしまったら……ッ…勝った方が負けた方を───ッ」


消滅させてしまう事になる。


そう言って鈴華が止めに入ろうとした、その瞬間だった。




「───ラッキー♪まだ生きてるじゃん」




声。

ねっとりと。全身に絡みつくような、不快な声。

雫「───ッ!?」

その声は知っている。一瞬しか耳にした事が無いはずなのに、どうしてか耳に残っている。
それほどの───嫌悪感。

瑞希「なんで…アンタがここにいんのよ───」

声の主に、瑞希は問う。
若干の苛立ちを含んだ、そんな声色。

瑞希「───“ジャラン”!!!」

そして名を呼ぶ。

男の名は───ジャラン=カルディーネ。
終焉の焔・伍召焔が一人、【シャドール】デッキの使い手───
《影絲の嘲笑-デスパレ-ド•レゾナンス-》
『ジャラン=カルディーネ』


ジャラン「───なぜって、そんな見るも無惨な姿でよく言えたね」

瑞希「…ッ!」

ジャラン「ちょーーーーっとヤバそうだったから、様子を見に来てあげたんじゃないか…♪」

にこやかな笑みの奥に底知れぬ邪悪さを隠したマント姿のその男──ジャランは、言いながらゆっくりと足を進める。

瑞希「いずみんの……“依代”の一件は、私に一任されてんのよ!アンタは余計な事しないで」

ジャラン「……なんだよ、冷たいなァ。でもさ、そうも言ってらんないんだな、これが」

瑞希「…どういうこと…ッ…?」

ジャラン「…っとと、その前に───」

言ってジャランは、視線を移した。
視線の先は、雫の背後で横たわる金髪の女性───メアリー=ベイクウェル。

雫「───!!」

そういえば。
男が姿を現した時、言った言葉。

『ラッキー♪まだ生きてるじゃん』

その言葉は、メアリーの方を向いて放たれていた事を、ここで思い出す。

雫「…何を───ッ」

メアリーの前で両手を広げ立ち塞がる雫。しかし───

ジャラン「…邪魔だよ。キミ」

雫「…ッ!!」

気付くと見えない糸の様なもので全身を縛られ、身動きが取れなくなっていた。

雫「…っ…ァ…!!」

ジャラン「…別に無理に動いてもいいけど……全身がバラバラになってもいいならね」

雫「…!!」

瑞希「……ッッシズク!!!
ジャランッッ貴様ァァァ!!!」

激昂し、ジャランの元へ駆ける瑞希。だが、

ジャラン「───生憎だけど、シスコンごっこは今度にしてくれ」

言って右手の人差し指を、くんっ、と上に上げると、瑞希の身体がピタリと止まった。

瑞希「……ッ…!!」

ジャラン「…言っとくけど、僕は別に、妹の方を生贄にしたっていいと思ってる。それが嫌なら、黙って見てろよ柏木瑞希」

瑞希「───ッッ!!」

雫「……っ…!?何…それ…?一体どういう───」

ジャラン「───さあ、待たせたね」

それ以上は語らず、倒れたメアリーの前で立ち止まる。すると───

レラ「メアリーには指一本…触れさせるもんですか…!!」

メアリーの精霊、レラが立ち塞がる。
身体は既にボロボロで、立っているのがやっとの状態。しかし、退くわけにはいかない。絶対に。

ジャラン「…心配しなくても良いよ。彼女には一切手は出さない。僕が欲しいのは───キミたち精霊さ」

───刹那。

レラ「───!!」

ジャランの背後から翼の如き無数の影絲が現れ───

レラ「───ぇ」

レラを庇った二人の精霊を貫いた。

ウェン「……かっ…ッ…」

ウィンダ「…ッ…ぁ…ッッ…!」

二人の身体はそのまま影絲と共に自らの影の中に沈んでゆき───消えた。

レラ「…嘘…なんで……ぁ、ぁ…ぁぁ…ぁ」

ジャラン「…ご馳走様♪」

雫「……っ…!!!」

ピリカ「…ぇ……二人とも…ッ…なんで……なんで…っ…!!ぁあああぁああああぁあああ…!!!」

悲痛の叫びが鳴り響く中、雫はただだた目の前の非道な行為を見ているだけしかできない自分の無力さに打ちひしがれていた。

雫「……ッ…ぁ…、ぁ、ぁ…ッ…!!」

ジャラン「アッッハハハハハハ!庇ったところで、どうせ全員頂くから意味ないのにねぇ!!ほんっっっっとおかしいよ!!」

男は嗤う。

ジャラン「じゃあ残った2匹も───いただきまぁす」

そして再び翼の様に広げ、レラとピリカに放たれた影絲は───


レラ「───っっ…!!」


すんでのところで、両断された。


ジャラン「……ッ!」


文字通り、一刀両断。

鈴華「…ぁ…っ…!」

こんな芸当ができるのは───この中でただ一人。

ジャラン「…はァ?ザコは大人しく寝とけよ───」

デュエルポリスの隊服に身を包んだ白髪の少年───


戒「───どこまで人の想いを踏みにじれば済む気だッッ!!ジャラン=カルディーネッッ!!!!」


その名は───斬波 戒(ざんば かい)。

鈴華「…戒さん!!」

カードから発せられた光を剣と変え、影絲を断ち切ったそのままの流れでジャランへと振り下ろす。が、

ジャラン「…しつこいなァ、キミも!」

ひらり、と、舞う様にかわされてしまう。

ジャラン「キミ1人で僕の相手が務まるとでも?」

戒「───1人じゃ、ない」

ジャラン「は…?」

瞬間───突風が巻き起こる。

ジャラン「……ッ!!」

栗須「───俺様を忘れてもらっちゃ困るぜ…!!糸巻きゲス野郎!!」

眼鏡をかけたツンツン頭の少年───古宮 栗須(こみや くりす)も立ち上がり、精霊『シムルグ』の力で応戦する。

栗須「テメェには……げほ……ッ…俺もでっけぇ借りがあるんでなァ!!はぁ……ッ…はぁ…っ…容赦しねぇぞ!」

雫「…古宮…さん…!!」

ジャラン「…チッ……ザコが何匹も…!!」

苛立ちの言葉を漏らしつつ距離を取ると、ジャランは、

ジャラン「…こうも邪魔されちゃ仕方ない。───本命を起動させるのが優先か」

そう言って、不敵な笑みを浮かべた。

瑞希「───ッ…!!アンタ…っまさか───ッ!!」

瑞希だけが事の重大さを察知し声を荒げる中、ジャランはそんなことお構いなしに影の中へ姿を暗ますと、一瞬にして今度は部屋の中心部に位置する巨大な幹の前へとその姿を現した。

瑞希「…待ってッッ!!!私はまだ戦える…!!“それ”を使うまでもない!!」

ジャラン「───じゃあキミは、大好きな大好きな妹を殺せるっていうのかい?」

瑞希「……ッ…!!」

ジャラン「…できないよねェ!だから直前で僕が止めに来てあげたんじゃないか」

雫「……お…ねえちゃん…っ…?」

ジャラン「キミはメアリー=ベイクウェルに勝利した事で、妹と会話する覚悟を決めた。しかしそれは、我々には不要な覚悟だ」

瑞希「……っ…」

ジャラン「我々に必要なのは───純粋な破壊衝動のみ!!
家族のために悪の道に?ハハハハハ!!そんな人間みたいな事言わないでくれよ!バケモノのクセになァ!」

瑞希「…ッ……!!!ァ…ッッ…ぁ…!!!」

───『バケモノ』。

その言葉が、瑞希の心に深く突き刺さる。

心無い父親の実験により産み出され、特殊な能力を与えられた。
その真実を知った時、妹だけは、何があっても守り通さねばと思った。例え自分がどれだけ道を踏み外そうとも。

それは、おかしな事なのだろうか。

そう思ったことさえ、バケモノには傲慢だと言うのだろうか───



雫「───何がおかしいんですかっ!!!」



声が───響く。

瑞希「───!」

大好きな妹の声が。

ジャラン「……は?」

雫「どんな理由であれ、人を傷つけていい理由にはなりません…っ!そこはちゃんと償うべきだと思います……!」

けど、と雫は続ける。

雫「…誰かの為を思ってした事を、笑う権利は誰にもないはずです!!」

瑞希「……っ…!」


雫「あなたに…ッ…お姉ちゃんの苦悩の何がわかるって言うんですか!!!」


ジャラン「……わからないよ。わかりたくもない。ただ一つでも希望を持って生きてるキミたちの事なんかね」

ジャランは、一瞬、表情を曇らせ、

ジャラン「…無駄話はここまでだ」

そう言って切り上げると、大樹の幹に手を当てた。


ジャラン「───少し早いけど、目覚めの時だよ」


瑞希「……ッ…!!ダメ───ッ」




ジャラン「起きて───ランセア」





***





雫「───ぇ?」


一瞬。何が起きたのかわからなかった。


1秒、2秒、3秒、4秒、5秒。

5秒経って、ようやく脳が状況を理解しようと働き出す。


まず、和泉を捕らえていた巨大な木の幹が───割れた。

砕けた、とも言うべきか。いや、この際どちらでも良い。

問題は、自らのを支えていた木の幹を失った事で宙へと投げ出された、和泉の身体がどうなったかという部分にある。


和泉「───」


何食わぬ顔で、着地したのだ。


雫「……ぁ…」


そして───


和泉「───私の相手は、誰?」


喋った。

言葉を、発しているのだ。

鈴華「…和泉さ───」

和泉「鈴華ちゃんが相手してくれるの?」

鈴華「……ッ!」

なのに明らかに、様子がおかしい。

ジャラン「アッハハハハ!!決闘兵器『ランセア』の復活だ!!!」

瑞希「…ジャラン…ッッ!!!アンタ…ッ!!」

ジャラン「キミが怒るのは筋違いだろう?元々はキミが始めた事じゃないか───桜庭和泉を、最強の決闘兵器《合成獣(キメラ)》へと進化させる計画は」

瑞希「……!!いずみんを覚醒させるのは、あくまで最終段階…!!中途半端に精霊を取り込んだ状態で覚醒なんかさせたらどうなるかわかってるの!?」

ジャラン「わかってるさ。彼女は空腹を満たすまで精霊を喰らい尽くす。それだけのことだろ?
どの道パイプからの供給は途絶えたんだ。この方が手っ取り早い。違うかい?」

瑞希「…ッ…!でも…ッ!」

ジャラン「……状況を考えろ。僕らはあと“2人しか”残っていないんだ」

瑞希「……!」

ジャラン「…追い詰められてるのはこっちなんだよ」

瑞希「…くっ……!」

ジャラン「それとも終焉の焔を裏切って向こうに付くつもりでもいたのかなァ?だとしたらここで始末しとかなきゃだ」

瑞希「………」

ジャラン「…まぁキミの覚悟がこの程度で揺らぐとは思ってないから、まだ仲間として見てあげるよ」

和泉「…ねえ、私の相手は───」

ジャラン「おっと、巻き添えを喰うと困るから、僕らはここを出るとしよう」

言って指を鳴らす。するとジャランと瑞希の身体が影の中に沈んでゆく───

戒「……待てッッ!!逃げるなッ!!!」

追おうにも、これ以上身体が動かない。

雫「…ッ!!お姉ちゃん!!!」

完全に沈み切る直前、瑞希の口が静かに開く。そして口から出たのは───


瑞希「雫───」


それは。あの時───

終焉の焔に故郷の村を襲われ、マインの放った炎の球体に閉じ込められた際。

雫に対して、言いたくても言えなかった───本音。


『助けて!!シズク!!!』


あの時は本音と裏腹に、助けを求めてしまった瑞希が、今は。



瑞希「───逃げて」



その一言だけを残して、影の中へ消えていった。
対して、雫は───





雫「───嫌だ。絶対助ける」





そう、言った。

あの時『助けて』と言われたにも関わらず逃げてしまった頃の雫とは、もう違う。
絶対に助ける。その誓いを胸に、拳を握った。



和泉「……てん、てん、てん」

しかし───状況は最悪。

和泉「私、置いてけぼりだ」


雫「…和泉さん…!」

ジャランが去った事で影絲が解け自由に動ける様になった雫は、一刻も早く姉を追いたいところだったが、今は何より、和泉が優先。

和泉「…雫ちゃんが、相手してくれるの?」

しかし、この和泉───いや、和泉であって和泉ではない“何か”の何より不気味な点が、対象を認識して、言葉を発している点である。

雫「……!」

きっと、統合が不完全だった所為だ。なら───

雫「ええ、私が相手です!和泉さん!!」

デュエルに勝てば、元の自分を思い出すかもしれない───!


「───よく言ったわ。雫。けど、ゴメン」


そこで───声。

すぐ、隣から。


結維「───ここは私に任せてくれない?」


雫「…結維さん!!!」

立ち上がり、決闘盤を構えるは───和泉と瓜二つの少女、桜庭結維。

そして───

鈴華「…私だって!!黙って見ているわけにはいきませんわ!!」

ゴスロリ娘・鈴華も2本のロール髪を揺らし並び立つ。

今ここに、3人の少女が立ち並び、和泉と向き合った。

和泉「───わあ、みんなで相手してくれるの?」

楽しげに応じる和泉だが、表情は一切の無表情。

結維「…」【LP 8000】

正直ここにいる全員が、これまでの決闘で身体はもう限界近い。戦う力などほとんど残っていない。

雫「…」【LP 8000】

それでも、ひたむきに戦うその姿を見て、

鈴華「…」【LP 8000】

少しでも正気を取り戻してくれれば───


和泉「───♪」【LP 8000】



「「「───決闘!!!」」」


◉TURN:01◉


和泉「行くよ。私のターン!!」[手札 5]


その瞬間、眼鏡の奥の瞳が笑った気がした。


刹那。


結維「───!!」

背筋が凍る様な───視線。

和泉「───『氷結界の霜精』を召喚」[ATK 500]☆1 チューナー

その視線が和泉のものである事に気付くと、震えが止まらなくなった。

結維「……何…これ……?」

和泉「『氷結界の霜精』の効果でデッキから『氷結界の鏡魔師』を墓地へ送り、霜精のレベルを墓地へ送った鏡魔師と同じにするよ!」

『氷結界の霜精』☆1→☆2

使用デッキは違えど、喋り方、口調は和泉そのものなのに。

和泉「───墓地へ送られた『氷結界の鏡魔師』の効果!」

その中に、和泉などいないと思ってしまいそうなほど───纏っている気配が別物なのだ。

和泉「デッキから『氷結界の晶壁』を手札に加えて───発動っ!」

雫「…あれは…!発動時に墓地から氷結界を特殊召喚する永続魔法…!」

和泉「その通り!私はこの効果で墓地の『氷結界の鏡魔師』を特殊召喚し、鏡魔師のもう一つの効果を発動!」

(1):自分フィールドの他の効果モンスター1体をリリースして発動できる。
自分フィールドに「氷結界トークン」(水族・水・星1・攻/守0)を3体まで特殊召喚し、その数だけこのカードのレベルを上げる。
このターン、自分は水属性SモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

和泉「霜精をリリース!そして3体の『氷結界トークン』を特殊召喚!」

『氷結界トークン』[DEF 0]☆1
『氷結界トークン』[DEF 0]☆1
『氷結界トークン』[DEF 0]☆1

『氷結界の鏡魔師』☆2→☆5

和泉「更に魔法カード───『氷結界に至る晴嵐』を発動っ!!」

《氷結界
ひょうけっかい
に至
いた
る晴嵐
せいらん
/Winds Over the Ice Barrier》 †
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「氷結界」モンスターを任意の数だけリリースして発動できる。
リリースした数だけ、デッキからレベル4以下の「氷結界」モンスターを特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
(2):このターンに墓地へ送られていないこのカードを墓地から除外し、
自分の墓地・除外状態の「氷結界」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。


和泉「…3体の『氷結界トークン』をリリースして───3体の氷結界をデッキから特殊召喚!!」

『氷結界の随身』[DEF 300]☆2
『氷結界の照魔師』[ATK 1700]☆4
『氷結界の依巫』[DEF 1800]

和泉「続けて『氷結界の照魔師』の効果!!手札の『氷結界の浄玻璃』を捨ててデッキから『氷結界の守護陣』を特殊召喚!!」

『氷結界の守護陣』[DEF 1600]☆3 チューナー

鈴華「…なんなの…?この迷いの無さは……!」

『決闘兵器』とジャランは言っていた。
決闘機兵が、精霊のエネルギーを媒体に決闘を最適化するために生み出された機械だとするならば、決闘兵器とは、おそらく───

鈴華「……決闘を最適化するために改造された人間…って事になるじゃないの…!」


和泉「───レベル2『氷結界の随身』と、レベル4『氷結界の依巫』に、レベル3『氷結界の守護陣』をチューニング!!」

◉◉◉☆2+☆4+☆3=☆9◉◉◉

和泉「───シンクロ召喚!!レベル9っ!!『飢顎竜アーケティス』!!」[DEF 1000]

現れたのは強靭な顎を持つ凶暴な深海竜───

結維「…9ものレベルを持っていて、攻守たったの1000…!?」

和泉「アーケティスの効果発動っ!!」

(1):このカードがS召喚した場合に発動できる。
そのS素材としたモンスターの内、チューナー以外のモンスターの数だけ、自分はドローする。

和泉「この効果で、私はデッキから2枚ドロー!更にアーケティスの攻守は私の手札1枚につき500ポイントアップ!」

和泉[手札 4]

『飢顎竜アーケティス』[DEF 1000→3000]

結維「手札補充だけじゃなく、自身の強化まで…!!」

しかしその効果を見て、目の前の存在から僅かに感じ取った───和泉の片鱗。

結維「……そこにいるの…っ…?和泉───」

和泉「…何言ってるの?結維ちゃん。私はずっとここにいるじゃない」

目の前の和泉はそう言うが。それでも。この場で結維だけが感じている違和感。

結維「……」

和泉はこうして立って喋ってデュエルをしていると言うのに。

結維「……っ…」

和泉と感覚を共有できる結維の中に、ぽっかりと穴が空いた様な感覚が残っているのだ。

結維「あなたは、和泉じゃない。でも───」

奥底に、必ずいる。それを引っ張り出すためには───戦い、勝つしかないのだ。

和泉「…勝てると、思ってる?」

結維「…もちろん。勝つわ」

雫「…ハイ!」

鈴華「…ですわ!」

和泉「じゃあ、結維ちゃんたちにも見せてあげるよ…!強くなった私の力をね…!!」

言って和泉が掲げたのは、アーケティスの効果で引いたうちの1枚───

和泉「───『氷結界の剣士 ゲオルギアス』の効果!!」

《氷結界
ひょうけっかい
の剣士
けんし
ゲオルギアス》 †
チューナー・効果モンスター
星6/水属性/鳥獣族/攻2000/守1200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「氷結界」モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを手札から守備表示で特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
自分の手札・墓地からレベル5以下の「氷結界」モンスター1体を特殊召喚する。
(3):自分フィールドに他の「氷結界」モンスターが存在する限り、
相手は墓地のモンスターの効果を発動できない。

和泉「このカードを手札から守備表示で特殊召喚し、更なる効果発動っ!!墓地より蘇って!『氷結界の随身』!!」

『氷結界の剣士 ゲオルギアス』[DEF 1200]☆6 チューナー
『氷結界の随身』[DEF 300]☆2

和泉「レベル2の『氷結界の随身』に、レベル6の『氷結界の剣士 ゲオルギアス』をチューニング!!」

鈴華「…!?待って…ッ───」

◉◉◉☆2+☆6=☆8◉◉◉

和泉「───シンクロ召喚!!レベル8!!『魔救の奇跡-ドラガイト』!!」[ATK 3000]

エース級モンスター2体の登場に息を飲む結維と雫。しかし鈴華だけは、

鈴華「…待ってよ…、この神星樹の中じゃあ、EXデッキからモンスターを出せるのはそれぞれ1体までじゃなくて!?」

雫「…そうですよ!召喚エネルギーを多く使うEXデッキからの召喚は、ここでは制限がかかってるはずです!なのになぜ───」

和泉「───それはね。人間界と精霊界が繋がり始めてるから、かな」

鈴華「!!」

雫「…!」

結維「それで向こうのルールとこっちのルールが、ごっちゃになっちゃったって訳?ふざけんじゃないわよ…!!尚更、急がないとじゃない…!」

人間界と精霊界の統合は、それこそ終焉の焔の目的の一つであるはず。
和泉の覚醒によって、人間界と精霊界を繋ぐこの場所───神星樹の役割にも少なからず影響が出ているのかもしれない。

和泉「…だからね、私の展開も、まだもう少しだけ続くんだ♪」

ご機嫌そうに言って、和泉は墓地のカードに手をかけた。

和泉「墓地の『氷結界の依巫』を除外して、『氷結界トークン』を特殊召喚!!」

『氷結界トークン』[DEF 0]☆1


和泉「行くよ───みんな」


そう言った、瞬間。

結維「───!!」

鈴華「……!!」

雫「……っ!」

対面の3人だけではない。
この決闘を側で見守る戒と栗須さえも、得体の知れない恐怖を感じ取っていた。

栗須「……ッ…!」

戒「……なんだ……この感覚は───ッ」


和泉「レベル1の『氷結界トークン』とレベル4の『氷結界の照魔師』に、レベル5となった『氷結界の鏡魔師』をチューニングっっ!!!」

途端、室内に、大雪。

和泉「全ての龍の祖よ───大いなる原初の力にて万物を凍てつかせ、この還零の地に安寧を与えたまえ───シンクロ召喚」


◉◉◉☆1+☆4+☆5=☆10◉◉◉


宙を舞った星が列を無し、光の輪を潜ると、辺りの気温がみるみるうちに下がってゆく───

和泉「現れよ、レベル10───『氷霊山の龍祖 ランセア』っっ!!!!」


高くかざされたカードは白銀の光を放ち、確かにモンスターの召喚は宣言された。しかし───

結維「一体、どこに───」

言いかけ、そこで気付く。

結維「!!」

和泉の背後。
猛吹雪により悪くなった視界の先にある、巨大な影。
その中から10数メートルは超えるであろう巨体が姿を現した。

結維「……ッ!!」

ところどころ赤みを帯びた白銀の身体。
巨大な翼を一振りすれば山ひとつ吹き飛ばしてしまうのではないかと言うぐらいの圧を、その氷龍は放っていた。


『グラァァァァァァアァァァァァアアアァアァアアッッッッ!!!!』[ATK 3300]☆10


氷龍が咆哮すると、凄まじい冷気が3人を襲う。


結維「───ッ!!」

鈴華「…きゃ…ァ…ッ!!」

雫「……く…ぁ…!!!」

痛いほどの冷気。
攻撃を行っていないのに、だ。
召喚されただけで辺り一体を極寒で包み、フィールドを掌握する。
それほどの存在が、龍祖ランセア。
そして何より───


和泉「──私はこれで、ターンエンドだよ」


そんな存在を容易く操る桜庭和泉という存在が。
自分たちのよく知るはずの桜庭和泉というその存在がだ。

この場の全員を震え上がらせていた。

結維「───」

それなのに。


鈴華「…ま……まだ…まだ……ですわ…っ…諦めて……たまるもんですか……っ…!!」

冷気は未だ止まない。
全身の感覚もほとんどない。

雫「…逃げたり…っ…しません……っ…大切な……友達だから……っ…!!

しかし、それでも。

結維「───身体がぶっ壊れてでも…ッッ連れ戻してやるわよッッ!!!」

3人は懸命に、手を伸ばす。

身を寄せ合いながら。それぞれがそれぞれを支えながら、猛吹雪の中を進んでゆく。


栗須「…!」

戒「……っ」

見守る2人も、手を伸ばす。
届かずとも、まっすぐに。

和泉「……っ…なに……?どうしたの…?意味わかんないよ、みんなして───」

確かにその中に、和泉は居る。だが、きっと深い深い闇の底で、眠っているのだろう。

和泉「…わかんない……わかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんないわかんない!!!!」

それを引きずり出すには、まだ、足りない。

結維「…く…あ…ぁ…、ぁ、ぁ、ァ…ッッ!!」

更に勢いを増す吹雪。

意識も朦朧としてきた。

でも諦めるわけにはいかない。

もっと。前に。前に。

前前前前前前前前前前前前前前前。



和泉「イミガワカラナイ」



霞む意識のなか聞こえたのは、機械の様な一声だった。

結維「───ぇ」

誰かが叫ぶ声もした。

古宮栗須か、斬波戒か。なんて言ってるかまでは、聞き取れない。

それよりも、手を伸ばさなきゃ。

もうすぐ和泉に届く。届くんだ。

あと10センチ。9センチ。8センチ。7センチ。6センチ。5センチ。4センチ3センチ───

やっとここまできた。長かった。また会えた。だから。

今度こそ、この手を───






戒「───逃げろォォッッ!!!!西蓮寺!!!柏木!!!!桜庭ぁァァァァッッッ!!!!」





はっきり聞こえた頃には、天井から落下した氷柱がすぐ頭上まで迫ってきていた。



雫「───?」

鈴華「───…?」

結維「───ぁ?」





瞬間───視界が暗くなる。





***




結維「───」


どうなった?

声が、聞こえて。
氷柱が、落ちてきて。

鈴華は?

雫は?


和泉は?


伸ばした手は───届かなかったの?






「いいや───届いたぜ」






───声。


───誰?



雫「……ぇ…?」


すごく聞き慣れた声。だけど。


鈴華「……っ!」


すごく久しぶりに聞いた気がする。



「───遅くなって、悪い」



ああ、そうか。



結維「……遅すぎんのよ、バカ火群」



届いたのか。この手は。




火群「後は俺たちに任せてくれ」





氷の世界に───炎が灯る。






To Be Continued…

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84 DRAW:192 今できること 778 0 2018-09-03 -
125 DRAW:193 今できること②距離 881 0 2018-09-13 -
99 DRAW:194 今できること③決意 848 0 2018-09-16 -
110 DRAW:195 今できること④意思 831 0 2018-09-27 -
62 DRAW:196 今できること⑤家族 775 0 2018-10-02 -
97 DRAW:197 炎花-ホノカ- 934 0 2018-10-07 -
81 DRAW:198 あの日の衝動 923 0 2018-10-09 -
106 DRAW:199 〝破滅の焔〟 826 0 2018-10-18 -
125 DRAW:200〝破壊と創造〟 960 2 2018-11-11 -
118 2章幕間① 願いは地に、祈りは天に 922 0 2018-11-12 -
53 2章幕間② 前へ 800 2 2018-11-15 -
75 2章幕間③ 戒めの記憶 913 0 2018-11-21 -
55 2章幕間④ 断罪と陽炎 774 0 2018-11-27 -
98 2章幕間⑤ 約束の朝 755 0 2018-12-04 -
110 2章幕間⑥ その手は届かない 921 0 2018-12-12 -
66 DRAW:201 不死鳥の精神 878 0 2018-12-22 -
61 DRAW:202 Sephiroth 817 0 2019-01-05 -
49 DRAW:203 ユニコーンの煌めき 857 0 2019-01-07 -
59 DRAW:204 ただ一つの突破口 933 0 2019-01-13 -
66 DRAW:205 栄光の間 853 0 2019-01-19 -
91 DRAW:206 選んだ道は… 762 0 2019-01-25 -
59 DRAW:207命を燃やせ!-爆炎同調- 849 0 2019-01-30 -
94 DRAW:208〝エクストラ・マジック〟 873 0 2019-02-06 -
79 DRAW:209 最後の授業 914 0 2019-03-04 -
86 DRAW:210 -LINK- 762 0 2019-03-27 -
115 DRAW:211 精霊との絆 892 0 2019-04-04 -
78 DRAW:212 限界 608 0 2019-04-16 -
80 DRAW:213 神鳥の来寇 642 0 2019-05-02 -
79 DRAW:214 烈風の覇者 677 0 2019-05-26 -
76 DRAW:215 ハニートラップ 681 0 2019-06-15 -
123 DRAW:216 大切な友達だから 746 0 2019-06-20 -
85 DRAW:217 轟き、破壊せん 808 0 2019-07-22 -
83 DRAW:218 混沌の大渦 791 0 2019-08-14 -
71 DRAW:219 正義の味方 713 0 2019-10-01 -
78 DRAW:220 正義の味方② 749 0 2019-12-13 -
69 DRAW:221 正義の味方③ 604 0 2020-02-01 -
52 DRAW:222 再来の火柱 632 0 2020-02-22 -
67 DRAW223 NEXT→My turn 621 0 2020-03-23 -
70 DRAW224 Hand to Hand 514 0 2020-05-01 -
68 DRAW:225 銃撃、狂騒 658 0 2020-05-02 -
41 DRAW:226 Two Hundred 444 0 2022-12-14 -
20 DRAW:227 魂のバトン 298 0 2022-12-28 -
48 明けまして10周年(10周年‼︎⁇) 467 2 2023-01-03 -
30 DRAW:228 星守の騎士団 362 0 2023-01-11 -
32 DRAW:229 涙は星屑と消ゆ 376 0 2023-01-24 -
44 DRAW:230 託された竜魂 469 0 2023-02-14 -
29 DRAW:231 ひとりぼっちの流星群 351 0 2023-02-28 -
35 DRAW:232 失われし力、星霜を重ね 435 0 2023-03-17 -
17 DRAW:233 ヨゾラ ノ イチブ 296 1 2023-06-23 -
18 DRAW:234 氷結界の三龍 267 0 2023-07-19 -
21 DRAW:235 正義と悪を映す水鏡 278 0 2023-08-15 -
20 DRAW:236 氷魔の龍VS氷魔の鏡 173 0 2023-08-26 -
15 DRAW:237 枯れないゴールキーパー 189 0 2023-09-08 -
20 DRAW:238黙示録の獣機王“キング” 203 0 2023-09-23 -
14 DRAW:239 凍る渓谷!氷獄の鼓動 202 0 2023-11-03 -
32 DRAW:240 天龍雪獄!放て魂の一撃 281 0 2023-11-27 -
12 DRAW:241 トライブ・フォース 161 0 2024-01-07 -
17 DRAW:242 “白き神判” 158 0 2024-02-23 -
21 DRAW:243 龍祖、氷臨 114 0 2024-03-21 -

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