DRAW:１４７ 真剣勝負の行方　作：人喰い

(147)




竜貴【LP 4000】
(モンスター)
『ドラグニティアームズーレヴァテイン』[ATK 2600]@『ドラグニティーファランクス』
『BFー精鋭のゼピュロス』[ATK 1600]
(魔法)
『竜の渓谷』
伏せ:0
手札:0

小次郎【LP 5400】
(モンスター)
『大将軍ー紫炎』[ATK 2500]
『真六武衆ーキザン』[ATK 1800]
『真六武衆ーシナイ』[ATK 1500]
『真六武衆ーカゲキ』[ATK 1700]
(魔法)
『六武の門』◉3
伏せ:1
手札:0



◉TURN ０４◉




竜貴「ーーーなあ、コジロー」

小次郎「……どうしました？ 竜貴殿」

竜貴「…お前はどうしてこの山で修行をしてるんだ？」

小次郎「……そうですね…」


小次郎「…単純かもしれませんが、“強い漢”になるためーーーそして、強くなって『ある人』に認めてもらうため、でしょうか」

竜貴「……確かに単純だなっ。けどそういうの、嫌いじゃないぜ…！」

小次郎「…っ。
竜貴殿は、なぜ強さを求めるのです？」

竜貴「…俺か？ 俺は……そうだな。今ここに来たのはぶっ倒したいヤツがいるからって理由があるんだけど…、根本はまた別だ」


竜貴「ーーーもう一度会いたい人がいる。そいつに会ってもう一度話したい。その為に俺は決闘で強くならなきゃいけないんだ」

小次郎「…なるほど。ではその想いが如何程のものなのか、見極めさせてもらいましょうか…ッ！」

竜貴「……ああ…ッ！ 俺の全力……ぶつけるぜ…！！」
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１４７ーーー
《真剣勝負の行方》















竜貴「ーーーレヴァテインに装備されたファランクスの効果発動！！ ファランクスをフィールドに特殊召喚！」[DEF 1100]

小次郎「……！」

小次郎（…気の流れが変わった…ッ！！ シンクロ召喚か…ッ！！）


竜貴「行くぜーーーレベル８『ドラグニティアームズーレヴァテイン』に、レベル２『ドラグニティーファランクス』をチューニング！！」

小次郎（…！！ レベルの合計は１０…ッッ！！）


竜騎「ーーーその灼炎は３度降り注ぐーーッ。荒ぶる暴龍よ…ッ！ 全てをぶち壊せッッ！！ シンクロ召喚ッ！ レベル１０ーーー
『トライデント・ドラギオン』！！！」[ATK 3000]


《トライデント・ドラギオン/Trident Dragion》 †
シンクロ・効果モンスター
星１０/炎属性/ドラゴン族/攻3000/守2800
ドラゴン族チューナー＋チューナー以外のドラゴン族モンスター１体以上
このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
このカード以外の自分フィールド上のカードを２枚まで選択して破壊できる。
このターン、このカードは通常の攻撃に加えて、
この効果で破壊したカードの数まで１度のバトルフェイズ中に攻撃できる。



三頭を持つ暴龍は激しく咆哮する。
そしてその内の二頭が火炎を吐き周囲を燃やす。

小次郎「…あれは…！！ 自分の場のカードをーーー竜の渓谷とゼピュロスを破壊して…！」

竜貴「…こいつがシンクロ召喚に成功した時、俺の場のカードを２枚まで、こいつの供物として捧げる事でーーーそのカードの数だけ、追加攻撃することができる！！」

小次郎「！！ 自分のカードを破壊してまで…！ まさに捨て身の一撃というわけですね…っ！」


竜貴「ーーーバトルだ！！
トライデント・ドラギオン！！ まずは真六武衆ーシナイを攻撃！
〝トライバースト・インフェルノ〟！！
一撃目ぇ！！」


『トライデント・ドラギオン』
[ATK 3000]
ーーーVSーーー
[ATK 1500]
『真六武衆ーシナイ』


小次郎「……ッッ！！」【LP 5400→3900】

小次郎「…場の六武衆の数が減ったことでキザン殿の攻撃力は元に戻る…！」

『真六武衆ーキザン』[ATK 2100→1800]


竜貴「…続けて二撃目ぇ！！ 今度はキザンを攻撃！」


『トライデント・ドラギオン』
[ATK 3000]
ーーーVSーーー
[ATK 1800]
『真六武衆ーキザン』


小次郎「……くっ…っっ！！」【LP 3900→2700】

小次郎「…更に場の六武衆が減ったことで、カゲキ殿の攻撃力も元の数値に戻るーーー」

『真六武衆ーカゲキ』[ATK 1700→200]


竜貴「…こいつでフィニッシュだ…！！ 三撃目ぇ！！ 攻撃対象は、攻撃力が200に戻った真六武衆ーカゲキだッ！！」


『トライデント・ドラギオン』
[ATK 3000]
ーーーVSーーー
[ATK 200]
『真六武衆ーカゲキ』


小次郎「ーーーッッ…！！！」



暴龍の最後の一撃が放たれ、大きな爆発が起きる。
山道を駆けながら決闘を続けてきたが、この瞬間だけは立ち止まり、立ち込める煙が晴れるのを待った。
やがて煙は晴れーーー



小次郎「………」【LP 2700→1400】


竜貴「…！！？ どうしてライフが残って…！？」

それだけではない、コジローの場には、倒したはずのキザンとイロウの姿がーーー

『六武衆ーイロウ』[ATK 1700]

『真六武衆ーキザン』[ATK 1800]


小次郎「ーーー伏せカードを発動させてもらいました。『諸刃の活人剣術』ーーー」



《諸刃
もろは
の活人
かつじん
剣術
けんじゅつ
/Double-Edged Sword Technique》 †
通常罠
(1)：自分の墓地の「六武衆」モンスター２体を対象として発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊され、
自分は破壊されたモンスターの攻撃力の合計分のダメージを受ける。



小次郎「このカードで墓地からイロウ殿とキザン殿を復活、カゲキ殿の攻撃力を1700まで上昇させダメージを抑えたーーー」

竜貴「…なるほど、な…っ！ とことん燃えるじゃねーか…！ まだ決闘が続けられるなんてな…っ！」

小次郎「…ええ、僕もこんなに楽しい決闘は久々です。竜貴殿を“試す”立場である事を忘れるくらいに」

竜貴「…じゃあまだまだ力をぶつけ合おうぜ…！！ 次はお前のターンだ！」

小次郎ーーーしかし残念ながら、決着はもう着いてしまいました。竜貴殿」


竜貴「…何…！？」

小次郎「ーーー諸刃の活人剣術で復活したモンスターはエンドフェイズに破壊され、僕はその破壊されたモンスターの攻撃力の合計分、ダメージを受ける。
よってこの決闘ーーー」



小次郎「ーーー僕の、負けです」【LP 1400→0】




◉Winner◉
-東雲 竜貴-





＊＊＊




小次郎「ーーーお見事です、竜貴殿。
僕も、負けるつもりは無かったのですが……」

竜貴「…強かったぜ、コジロー。
…けど、最後どうしてあのカードを発動したんだ？」

小次郎「……結果は変わらずとも、最後まで諦めず仲間の為に戦いたいという六武衆たちの想いを汲んであげたかったんです」

竜貴「…そっか。
……また決闘しようぜ。ただし次は、その“エクストラデッキ”のカードも使って貰うぜ？」

小次郎「…やはりバレていましたか…。
ええ、次に戦う時は、誠心誠意……本気でお相手しますよ、竜貴殿」

竜貴「…ああ！」


小次郎「…ともあれ、竜貴殿は先生の元で修行をするに相応しい実力を持つ事がわかりました。
ーーー間もなくつきますよ。
竜霊山の頂上ーーー」



竜貴「ーーーッッ！！」




岩の崖を登り終え、頂上の大地をしっかりと踏みしめる。
青空に囲まれた空間。
全身に当たる心地よい風。
ふもとで感じた“霊気”も一層濃くなっているのがなんとなくわかる。
そして辺りには砕けた岩がゴロゴロと転がっていて、数十メートル先には1軒の小屋が見えた。
同時に、その古屋の方から一人の男性が近づいてくる。


？？「ーーーようこそ。竜霊山へ」


長身で、端正な顔立ちの着流し姿の男性は、下駄の音をカツカツと鳴らしながら黒い長髪を揺らし、俺の手前で立ち止まった。


跡部「ーーー俺は『跡部 慎之介(あとべ しんのすけ)』。
この竜霊山の精霊を管理している者だ」








To Be Continued…






《次回予告》




「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１４８ 眠る霊魂達





＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙