DRAW:１２５ 死の風吹き荒ぶ　作：人喰い

(125)




栗須「ーーー戒ッッ！！ まずはテメェに思い知らせてやる…ッ！！ 最強のチカラを手に入れたこの俺の実力をなァ！！」

戒「……っ…（…古宮の身体中に巻かれている、淡い光を帯びた糸…。見間違えるはずもない。
裏でその糸を引いているのはーーー間違いなく奴だ…ッ…！）」


栗須【LP 8000】

戒【LP 8000】



「「ーーー決闘！！」」



◉TURN０１◉



栗須「俺の先攻！！ 飛ばしてくぜぇ！！
『終末の騎士』を召喚！！」


《終末
しゅうまつ
の騎士
きし
/Armageddon Knight》 †
効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻1400/守1200
(1)：このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
デッキから闇属性モンスター１体を墓地へ送る。


火群「……！ 終末の騎士だって…！？」

明日人「…今までの栗須のデッキには入っていなかった……。
デッキも変わってんのか…！！」


栗須「終末の騎士の効果発動！！ この効果で俺がデッキから墓地へ送るのはーーーこいつだ！！」

栗須はデッキから、禍々しい光を放つ１枚のカードを抜き出すと、そのカードを墓地へと送る。

ーーー黒き神鳥のカードを。


栗須「ーーー『ダーク・シムルグ』！！」


火群「……ッ…！！」

明日人「ダーク・シムルグ…！？」

栗須「そして…ッ！ 墓地のダーク・シムルグの効果発動ォ！！
俺の手札から、風属性モンスター『始祖神鳥シムルグ』と、闇属性モンスター『D.D.クロウ』を除外して、このカードを墓地より特殊召喚！！」

栗須がカードを掲げると、漆黒の風が吹き荒れる。

栗須「ーーー闇と風を超越し、今、神鳥は最強の力を手に入れたッ！！ 黒き神風で、全てを薙ぎ倒せッッ！！ 現れろッ『ダーク・シムルグ』！！」


《ダーク・シムルグ/Dark Simorgh》 †
効果モンスター
星７/闇属性/鳥獣族/攻2700/守1000
(1)：自分の墓地から闇属性モンスター１体と風属性モンスター１体を除外して発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2)：このカードが墓地に存在する場合、
手札から闇属性モンスター１体と風属性モンスター１体を除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
(3)：このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードの属性は「風」としても扱う。
(4)：このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はカードをセットできない。


シムルグの召喚と共に、風は更に勢いを増し、辺りの木々を激しく揺らす。

戒「……ッ…」


栗須「カードを１枚伏せて、ターンエンドだ！！」【手札 0】


◉TURN:０２◉


戒「…俺のターン…！！ ドローッ！！」【手札 6】

栗須「こっからだぜ…！！ 俺のデッキの本当の恐ろしさは…ッ！！
このスタンバイフェイズ時、リバースカードオープン！ 永続罠『魔封じの芳香』発動！！


《魔封
まふう
じの芳香
ほうこう
/Anti-Spell Fragrance》 †
永続罠
(1)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、
お互いに魔法カードはセットしなければ発動できず、
セットしたプレイヤーから見て次の自分ターンが来るまで発動できない。


戒「……チッ…ッ！！ やはり伏せていたか……ッ…！！」

栗須「魔封じの芳香の効果で、魔法カードを発動するためには一度セットし、次のターンにならないと発動させる事はできない…」

戒「……」

栗須「…しかしところが！！
残念なことに俺のダークシムルグが場にいる限り、お前のみカードをセットすることができない…ッ！ つまりお前の魔法罠は全て封じられたのさ！！」

戒「……ッ…」

栗須「装備魔法を発動できなきゃ何もできないお前のデッキは、これで完全に機能しなくなった！！
ハァァッハッハァッ！！ 最高に気分がいいぜ！！」

戒「…ふざけやがって……ッ、ターンエンドだ…ッ」


明日人「……モンスターを引いてなきゃ何もできないなんてな……凄まじいコンボだ…ッ」

火群「…栗須…闇に囚われることでとんでもなくパワーアップしてる…！ 戒……勝てるのか……？」


栗須「いい気味だぜ…！！ 戒…ッ！！ 俺を散々馬鹿にしてくれた借りを…今ここで返してやるよ…ッ！！」


◉TURN０３◉


栗須「俺のターン！ ドロー！！」【手札 1】

栗須「……このままバトルだ！！ 週末の騎士でダイレクトアタック！」

『週末の騎士』[ATK 1400]

戒「ぐっ……！！」【LP 8000→6600】

栗須「続いて攻撃だ！！ ダーク・シムルグ！！
〝デス・スパイラル・ストーム〟！！」

『ダーク・シムルグ』[ATK 2700]

黒き神鳥は翼を大きく広げ羽ばたかせる。
すると漆黒が渦を巻き、竜巻となって戒に襲いかかった。


戒「……がぁぁっっ！！」【LP 6600→3900】

栗須「ターンエンドだ！」


◉TURN０４◉


戒「…俺のターン、ドロー…ッ！」【手札 7】

栗須「へっ…！ どうせ何もできねーだろ…！
せいぜいライフが尽きるまで逃げ回ってればいいさ…！」

戒「……俺は、『聖騎士アルトリウス』を召喚！！」


《聖騎士
せいきし
アルトリウス/Noble Knight Artorigus》 †
通常モンスター
星４/光属性/戦士族/攻1800/守1800
聖騎士団に所属する聡明な青年騎士。
導かれるかの如く分け入った森の中、ついに運命にたどり着く。
そして青年は大きな一歩を踏み出すのだ。
――これは全ての始まりであり、大いなる叙事詩である。


戒「……黙っていろ。
騎士は逃げも隠れもしない。目の前に敵がいるならば、ただ剣を構え突き進む。
ーーーそれだけだ」
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１２５ーーー
《死の風吹き荒ぶ》
















戒「…バトル…！ アルトリウスで、終末の騎士を攻撃ッ！！ 煌めけ……ッカリバァァーンッッ！！」


『聖騎士 アルトリウス』
[ATK 1800]
ーーーVSーーー
[ATK 1400]
『終末の騎士』


突風を物ともせずアルトリウスは駆け抜け、終末の騎士を一閃した。

栗須「……くっ…！」【LP 8000→7600】

戒「……ターンエンド」

栗須「ナメやがって…！！ 俺のターンだっ！！」



◉TURN０５◉


栗須「ドロー！！」【手札 2】

栗須「…俺は、『ハンター・アウル』を召喚！！」


《ハンター・アウル/Hunter Owl》 †
効果モンスター
星４/風属性/鳥獣族/攻1000/守 900
自分フィールド上に表側表示で存在する風属性モンスター１体につき、
このカードの攻撃力は５００ポイントアップする。
また、自分フィールド上に他の風属性モンスターが表側表示で存在する限り、
相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。


栗須「…ハンター・アウルは、場の風属性モンスター１体につき攻撃力が500ポイントアップする。
フィールドで風属性としても扱うダーク・シムルグと合わせて、場の風属性モンスターは２体！ よって攻撃力が１０００ポイントアップ！！」

『ハンター・アウル』[ATK 1000→2000]

栗須「…ガンガン行くゼェ…！！ バトルだ！
ハンター・アウルで聖騎士アルトリウスを攻撃！！」


『ハンター・アウル』
[ATK 2000]
ーーーVSーーー
[ATK 1800]
『聖騎士アルトリウス』


戒「……っ…！」【LP 3900→3700

栗須「まだまだァァ！！ ダーク・シムルグ！ もう１発お見舞いしてやれッ！！
〝デス・スパイラル・ストーム〟！！」

漆黒の竜巻が、再び戒の身体を容赦無く痛めつける。

戒「……ッッ…！！」【LP 3700→1000】


火群「…戒っっ！！」

戒「……構うな…ッ、市瀬。
……俺は必ず勝つ」

火群「……！」


栗須「…まだ強がってられんのか…！！ いい加減認めろよ！！ お前は俺に勝てない…っ！！ 俺はお前より強いんだよぉぉおっっ！！！」

戒「……確かに今のお前は強い。正直驚いている」

栗須「…！」

戒「………だが、それは本当の強さとは呼べない」

栗須「なん……だと…？」

戒「…お前はただ…、借り物の力を誇示し、強くなった気でいるだけだッ！」

栗須「……ふざ…けんな…ッ！ そんな戯言は…、俺に勝ってから言いやがれぇぇ！！ ターンエンド！！」【手札 1】


◉TURN０６◉


戒「…俺の……ターン…！！ ドローッ！」【手札 7】

戒「ーーー行くぞ……ッ！
……俺は、『湖の乙女ヴィヴィアン』を召喚！！」[ATK 200]


《湖
みずうみ
の乙女
おとめ
ヴィヴィアン/Lady of the Lake》 †
チューナー・効果モンスター
星１/光属性/水族/攻 200/守1800
このカードをＳ素材とする場合、戦士族モンスターのＳ召喚にしか使用できず、
Ｓ召喚に使用されたこのカードは除外される。
(1)：このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地の「聖騎士」通常モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2)：このカードが墓地に存在する場合、
自分フィールドのレベル５の「聖騎士」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを１つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。


戒「…ヴィヴィアンの効果発動！！ このカードが召喚に成功した時、墓地の聖騎士アルトリウスを復活させる！〝コール・オブ・レイク〟！！」

『聖騎士アルトリウス』[DEF 1800]

栗須「…そんな壁モンスターいくら出したところで…お前のライフは残り1000…！時間稼ぎにしかなんねぇぞ！！」

戒「…フッ……壁モンスターなどではない…！ 逃げも隠れもしないと言ったはずだ！
見せてやる…！ 新たなる境地を…ッ！」

栗須「……何…！？」

戒「ーーーレベル1の『湖の乙女ヴィヴィアン』に、レベル4『聖騎士アルトリウス』を……チューニング！！」

栗須「……！！」

戒「ーーーシンクロ召喚！！ 現れろ！！
レベル5、『魔聖騎士皇ランスロット』！！」[ATK2100]


《魔聖騎士皇
ませいきしおう
ランスロット/Ignoble Knight of High Laundsallyn》 †
シンクロ・効果モンスター
星５/闇属性/戦士族/攻2100/守 900
チューナー＋チューナー以外の「聖騎士」モンスター１体以上
(1)：「魔聖騎士皇ランスロット」は自分フィールドに１体しか表側表示で存在できない。
(2)：このカードがＳ召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「聖剣」装備魔法カード１枚を選んでこのカードに装備する。
(3)：このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送ったバトルフェイズ終了時に発動できる。
デッキから「聖騎士」カードまたは「聖剣」カード１枚を手札に加える。


栗須「…ハッ！ ビビらせやがって…！！ 何が出てくるかと思えば、攻撃力たかが2100程度のモンスターで、何ができるってんだ！！」

戒「……それは、どうかな」

栗須「！？」

戒「ーーー魔聖騎士皇ランスロットの効果発動！！
このカードがシンクロ召喚に成功した時、デッキから『聖剣』１枚をこのカードに装備できる！！」

火群「うまいぞ…！ これなら魔封じの芳香とダーク・シムルグの影響を受けずに、聖剣を装備することができる…！！」

栗須「……ッッ…！！」


戒「デッキの『聖剣ガラティーン』をランスロットに装備！！」


《聖剣
せいけん
ガラティーン/Noble Arms - Gallatin》 †
装備魔法
戦士族モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は１０００ポイントアップし、
自分のスタンバイフェイズ毎に２００ポイントダウンする。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、
自分フィールド上の「聖騎士」と名のついた
戦士族モンスター１体を選択してこのカードを装備できる。
「聖剣ガラティーン」のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。
また、「聖剣ガラティーン」は自分フィールド上に１枚しか表側表示で存在できない。


『魔聖騎士皇ランスロット』[ATK 2100→3100]


明日人「…ダーク・シムルグの攻撃力を上回ったぞ…！！」

栗須「……く…っっ！」

戒「ーーーバトルだッ！
行け…ランスロットッ！！ ダーク・シムルグを斬り裂けぇぇっ！！
〝イグノーブル・スラスト〟ッッ！！」


『魔聖騎士皇ランスロット』
[ATK 3100]
ーーーVSーーー
[ATK 2700]
『ダーク・シムルグ』



ランスロットの黒くも気高き剣撃は、吹き荒れる暴風の中で舞うように放たれ、黒き神鳥を両断した。


栗須「ーーーっっ！！」【LP 7600→7200】


戒「ーーー反撃、開始だ…ッ」








To Be Continued…






《次回予告》


明日人「ーーー今回の予告は俺たちみたいだぞ、火群」

火群「…あ、えっ？ あ…うんわかった」

明日人「緊張でガッチガチじゃねーかよ！！
主人公がそんなんで大丈夫か…？」

火群「あ、あー、あー、テステス」

明日人「今頃マイクテストしてんじゃねーよ…もう音声入ってるから…」

火群「…えー、こほん。らいs…来週の、遊戯王ふぇぬ、Ph.Xですが…」

明日人「ストップストーップ！！ 何やってんだ火群！ しっかりしろ！ ここで目立っておかないと出番どんどん減ってくぞ！！」

火群「…あー、テス……テス…」

明日人「なんでだよぉぉぉっっ！！」




結維「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１２６《騎雷鳥VS黒神鳥》」




結維「…あら倉川くん。その決闘機兵よく出来てるでしょ。火群のアホ面そっくり。
さっき鈴華のお母さんが届けてくれたのよ」

明日人「……は？」

結維「ただ、ちょっとオツムまでアホすぎる失敗作らしいんだけどね」

明日人「………は？」

結維「…ちなみに、本物の火群ならリビングのソファーでゴロゴロしているわ」

明日人「………」

結維「…」


ﾊﾞｷｯ(機兵火群の首が折れる音)








＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙