DRAW９５VS黒焔トークン⑦太陽の裁き　作：人喰い

(95)


メアリー【LP 2400】
(モンスター)
精霊獣騎 ペトルフィン[DEF 2800]
伏せ:1
手札:3

黒焔【LP 2500】
(モンスター)
地縛神Ccarayhua[ATK 2800]
(魔法)
始皇帝の陵墓(フィールド)
伏せ:0
手札:2


◉TURN０５◉


メアリー「ーーーこっからMAXで行くわよ…！ 伏せカードオープン！ 罠カード『霊獣の連契』！ この効果で、地縛神Ccarayhuaを破壊！」

黒焔「…グ…！！ 地縛神ガ破壊サレタカ…！！
ダガ忘レタ訳ジャアルマイ、Ccarayhuaガ効果デ破壊サレタ場合、フィールド上ノカードヲ全テ破壊スル！！」

メアリー「アラ、ウッカリしてたわ！
……なんてねっ！ 獣騎ペトルフィンはカードの効果で破壊されないのよ！」

黒焔「…何…！！？」

メアリー「…よって破壊されたのはあんたの場の始皇帝の陵墓だけ…、さぁ、終わらすわよ！ 獣騎ペトルフィンの効果で、自身はエクストラデッキに戻り、除外されている『精霊獣 アペライオ』と『霊獣使い レラ』を特殊召喚！」

黒焔「…コノ流レハ…！！」

メアリー「……そして呼び出した２体を除外して、融合召喚！！
Come on！『精霊獣騎 アペライオ』！！」[ATK 2600]


《聖霊獣騎
せいれいじゅうき
アペライオ/Ritual Beast Ulti-Apelio》 †
融合・効果モンスター
星６/風属性/炎族/攻2600/守 400
「霊獣使い」モンスター＋「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる（「融合」は必要としない）。
(1)：このカードは攻撃する場合、
ダメージステップ終了時までこのカード以外のカードの効果を受けない。
(2)：このカードをエクストラデッキに戻し、
除外されている自分の「霊獣使い」モンスター１体と
「精霊獣」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。


メアリー「いっけぇぇ！！ 精霊獣騎 アペライオで、ダイレクトアターック！！」

『精霊獣騎 アペライオ』[ATK 2600]


黒焔「…グフガァッッ！！」【LP 2500→0】


◉Winner◉
-メアリー=ベイクウェル-




メアリー「ふーっ！ 思ったより時間かかっちゃったかな…。まぁワタシのデッキの性質上、仕方ないか…」

黒焔「…グゴ……コレホドトハ……」

メアリー「…さぁってと、あんたには聞きたい事が山ほど……って、なんか消えそうになってない！？」

黒焔「…残念ダッタナ……我々ハ決闘ニ敗北シタ直後ニ消滅スル……。我々ノ事ガ知リタケレバ、マイン様ニ直接聞ク……ンダ……ナ…ッ」

ｼｭｩｩ…

メアリー「…消えた…。それにワタシ達を包んでた辺りの瘴気も晴れていく…！」

メアリー「……まだ瘴気に包まれているのは……6人ね。1人はもう決着をつけたってことになるけど…、まぁシルバさんだろーね」

そこで胸の谷間からケータイを取り出すメアリー。
そのロック画面にはシルバからのメールが表示されていた。
そのメールの内容とは、もう自分は黒焔を倒し上の階の調査に向かったとの事、それからメアリーも決着が着き次第、自分と一緒に上の階の調査に当たる事、といった内容だ。

メアリー「…ビンゴ♪ シルバさんはもう上の階を調べに行ってるみたいね。それじゃワタシも早速ーーー」

そこで進みかけた足を一旦止める。
瘴気のドームが1つ、晴れていくのが見えたからである。















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:９５ーーー
《VS黒焔トークン⑦太陽の裁き》
















【結維side】


結維【LP 2050】
(モンスター)
フェアリー・アーチャー[DEF 600]
バトルフェーダー[DEF 0]
(魔法)
天空の聖域(フィールド)
伏せ:0
手札:2

黒焔【LP 2700】
(モンスター)
地縛神Cusillu[ATK 2800]
(魔法)
神縛りの塚(フィールド)
伏せ:0
手札:0


◉TURN０４◉


結維「ーーー私のターン！ ドロー！！」【手札 3】

結維「…私達には立ち止まってる暇なんてないの…！！ 墓地のアースを除外して、このカードを手札から特殊召喚！！
ーーその燃え盛る翼を以って、地へと舞い降り“強さ”を示せっ！
来て！ 恒星を司る太陽の神！『マスター・ヒュペリオン』！！」［ATK 2700］


《マスター・ヒュペリオン/Master Hyperion》 †
効果モンスター
星８/光属性/天使族/攻2700/守2100
このカードは、自分の手札・フィールド上・墓地に存在する
「代行者」と名のついたモンスター１体をゲームから除外し、
手札から特殊召喚する事ができる。
１ターンに１度、自分の墓地に存在する
天使族・光属性モンスター１体をゲームから除外する事で、
フィールド上に存在するカード１枚を選択して破壊する。
フィールド上に「天空の聖域」が表側表示で存在する場合、
この効果は１ターンに２度まで使用できる。


黒焔「…先程回収シタ精霊ノカードカ…！ ダガ、今更ソンナカードヲ出シタトコロデ、モウ遅イ！ オ前ノモンスターハ地縛神ガイル限リ攻撃デキナイ！ 更ニ、地縛神ハ『神縛りの塚』ニヨッテ効果対象ニナラズ効果デ破壊スル事モデキナインダゾ！」


結維「……恐れてるのがバレバレですよ」


黒焔「……！？」

結維「ヒュペリオンの効果を発動！！
墓地の神聖なる球体を除外して、神縛りの塚を破壊…っ！！
〝プラネット・シュート〟！！」

ヒュペリオンの周囲を公転する小惑星が一つ、神縛りの塚目掛けて勢いよく放たれ、塚を破壊した。

黒焔「…！ ダガ、マダフィールド魔法『天空の聖域』ガ存在シテイル事デ地縛神ガ自壊スル事ハ無イ…！」

結維「……」

黒焔「狙イハ良カッタガ、ココニキテ自分デ自分ノ首ヲ絞メテシマウトハナ……！！」

結維「……何を言っているんですか？」

黒焔「……ッ…！？」

私の目の前には、再び小惑星を発射する構えをとるヒュペリオン。

黒焔「…ナ、何ノツモリダ…！ マイン様ノ話ニヨレバ、太陽神ノソノ効果ハ１ターンニ１度ノハズ…！！」

結維「それはあなた達のボスさんを恨むべきですね。あの時は使いませんでしたが、『天空の聖域』が場にある時、ヒュペリオンはこの効果を１ターンに２度まで発動する事ができるんです」

黒焔「…ナンダト…！？」

結維「…もっと前に進むには、こんな所で立ち止まってる訳にはいかない。
ヒュペリオン！」

ヒュペリオン『御意のままに』

ヒュペリオンは一言返すと、突き出した左手に力を込め、漂う小惑星を地縛神に撃ち放った。
その小惑星は勢いを殺さぬまま地縛神の胴体を貫き、その衝撃によって辺りの闇も僅かに晴れる。

黒焔「…バ、馬鹿ナ…！！ ワタシノ……地縛神ガ…！！」

黒焔が嘆きの声を上げるもつかの間、黒焔の頭上に移動し右手を下に向け構えるヒュペリオン。

黒焔「！！」

結維「ーーー思いっきりやって下さい、ヒュペリオン！
〝サン・バースト・ディザスター〟！！」

私の宣言と共に、ヒュペリオンの右手から放たれた赤く燃える小太陽が、黒き焔に獄炎の裁きを下した。


黒焔「……マイン……様…ァァ…ァ……ッッ！！」【LP 2700→0】



◉Winner◉
-桜庭 結維-




＊



決着が着くと共に、私達を包んでいた黒い瘴気が完全に晴れる。
流石に強くやり過ぎてしまったせいか、黒焔は倒れたまま霧状となって消えてしまった。


ヒュペリオン『……奴から情報を聞き出さなくても良かったのか、結維』

結維「…あ。
…あなたが加減しないからいけないんです」

ヒュペリオン『…思いっきりやれと言ったのは結維だ』

そんなやりとりをしていると、脇から女性の声。


？？「心配ナッシング。どうせ奴らは絶対に口を割らないようになってるみたい」

声の主はメアリーだ。

結維「…！ そうだったんですか。
どうやら、私達以外はまだ決闘中のようですね…」

メアリー「…いや、シルバさんだけはもう上の様子を見に行ってるみたい。ワタシも今から向かおうって思ってた所。ライト眼鏡ちゃんはどうする？」

途轍もなく呼びづらそうな呼び名に関してはとりあえずスルーするとして。

結維「…私は……っ…」

メアリー「…3人のガールズが心配？」

結維「……それは…っ」

メアリー「OK！ わかったわかった！」

結維「…え…っ」

メアリー「…そんじゃ、ライト眼鏡ちゃんはここで待機！ OK？」

結維「ちょ、私、まだ何にも言ってない…っ」

改めて思うが、本当に強引な人だ。

メアリー「…まぁ正直、ここにまた敵が来るかもわかんないからね。けど1人で大丈夫…？」

結維「…それは問題無いです。1人でも充分ですが、どうやら“もう2人ほど”いるみたいですし」

メアリー「…おっ…？」



黒きドーム状の瘴気が二つ、ほぼ同時に晴れていく。





火群「ーーーよし！！ 俺が一番か！！？」


戒「…残念だが、市瀬。俺の方が先だ」



結維「……残念だけど、あなた達2人とも同時な上に一番じゃないわ」


火群・戒「「！？」」


メアリー「あははは♪ 2人とも仲いーねー！」


火群・戒「「誰がこいつなんかと！！」」


面白いくらいに息ぴったりじゃないの。

メアリー「…そんじゃま、この場は3人に任せるよ。戦闘経験の特に浅い3人のガールズが負けちゃうような事があれば、フォローしてあげて！」

結維「…了解です」

戒「…む。承知した」

火群「…え…っ？ …あ、はい！」

火群（そうか……和泉たち、まだ決着が着いてないんだ…。チアガールがついているとはいえ…、やっぱり止めるべきだったか…？）


結維「……ソロデュエリストさん」

私は火群に小声で話しかける。

火群「……？」

結維「…あなたが一番に信じてあげられなくて、どうするんですか」

火群「……っ」

結維「…あの子なら、きっと大丈夫。あなたの決闘を一番身近で見てきた…和泉なら」

火群「………！」

火群（…確かに、結維さんの言う通りだ。今俺がすべきなのは心配じゃなくてーーー応援だ）

火群「……がとう。結維さん」

結維「聞こえません。もう一度」

火群「………！」

「こいつ…！！」とでも言いたそうに目で訴えて来る火群。流石に泣かせるのはマズイので、弄るのはここら辺でやめておきますか。

それにしても私は、いつの間にこんなにお節介を焼くようになってしまったんだろう。

前までは他人なんて、どうでも良かったのに。








To Be Continued…






《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:９６ VS黒焔トークン⑧




＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙