DRAW:１８誓い　作：人喰い

ーーーWDCS(ワールドデュエルチャンピオンシップス)。
それは、毎年夏に開催される、世界で一番大きなデュエルの大会である(因みに今年の開催場所は日本)。
それぞれの地区で行われる権利戦、地区予選を勝ち抜く事で本戦へと出場する事ができる。

そしてWDCS優勝者は、精霊の間へと導かれ、精霊王に願いを一つだけ叶えて貰えるという、まさにデュエリストのための夢の祭典である。






遊戯王 Ph.X 〜第一章〜
《Dreams Come True》

DRAW:１８
《誓い》






2007年 4/24(土)


火群「……これ、本当か？」

自室でデュエル関連雑誌を見ていた俺は、ニクスに問う。

、ニクス『そうだぞ。今年の開催場所はなんと日本だ』

火群「いや、そこも十分驚くところなんだろうけども、今はそれよりも疑問に思うべきところがあるだろう」

ニクス『…？ 私のスリーサイズか？ 言っとくが、土下座でもしない限り教えてやらんぞ？』

ニクスが言い終わる前に、俺の身体は土下座の体制にトランスフォームしていた。

ニクス『………』

顔を伏せているからわからないが、確実に、虫の死骸でも見るような瞳で見られている気がした。

火群「……って違くて！！ それもめちゃくちゃ気になるけど！」

そこで土下座モードを解除し、言う。


火群「……『優勝者は、精霊の間へと導かれ、精霊王に願いを一つだけ叶えて貰える』って、一体どういうことだ？」


ニクス『前に言ってなかったか？
そのまんまの意味だ。優勝すれば、願いを一つ叶えてもらえる』

火群「…ま、マジかよ…」


ニクス『…そこで、だ。お前はWDCSで優勝して、和泉の腕を元に戻してやるんだ。そのような高みに、お前と共に立つのもいいだろう』

火群「…そうか……！ その手があったか！ よし決めた！」

ニクス『…！ 火群！？ どこへ行くつもりだ！？』

火群「黒川だよっ！ 誓いをたてにいくんだ！」



俺は無我夢中で走った。
まっすぐ、まっすぐ、前だけを見つめて。



☆黒髭川・河川敷☆


火群「俺はWDCSで優勝するぞォォォ！！！
絶対絶対絶対絶対、優勝するからなァァァ！！！
まだ見ぬライバル！！
そして………戒！！
絶対勝つから！！ 待ってろよォォ！！！」


戒も絶対WDCSに参加してくるハズだ。
優勝して和泉の腕を元に戻してやる為には、あいつにーーー戒に勝たなくてはならない。
それに、戒には俺の力のことも聞き出さないといけないし、な。

そこで俺は足を止め、少しニクスの事で気にかかっていた事を、改めて考える。


火群「……そういやニクスは、和泉の腕の事を知る前から、WDCSで優勝したいって言ってたっけ…」


ニクスは、優勝者が願いを叶えてもらえる事を最初から知っていて、それを知っていた上で、俺に優勝してもらいたがっていたんじゃないか…？



ということは、だ。


ニクスは最初、何か自分の事で叶えたい願いがあったというのか。


なんてのは考えすぎか。

その場合優勝者は俺なんだし、俺の願いは俺だけのもんだしな！


でも、
もし最初に思った通りなら。




火群「ニクスは一体、何を願ったんだ……？」






ー〜ー〜ー〜ー〜ー〜ー〜ーTo Be Continued…ー〜ー〜ー〜ー〜ー



《次回予告》

ニクス「WDCS優勝を目指す私たちの前に、『最強』を名乗るデュエリストが現れる。果たしてその自称最強デュエリストの実力は……！？


次回、『遊戯王 Ph.X』
DRAW:１９ シムルグの猛攻！
☆５／５(日) 更新予定☆


火群「次回もまた、見てくれよな！」