DRAW:１５４ 理科室の攻防　作：人喰い

(154)



〜黒髭中学校・校舎3階〜


好「ーーー！！」


ﾄﾞｺﾞｫｫｵｫｫｫｵｵｫ‼︎


好「……ちっ…！ 今度はこの階で爆発してるみたいだネ…ッ」

好（…襲撃の前に校舎内は隅々まで探索したが、爆弾らしきものは一切見当たらなかった…！ 今も探り回っているけど、この爆破にまるで追いつけない…っ！）

好「……ッ！！」

ﾄﾞｺﾞｶﾞｯｯｯ‼︎

突如、廊下を駆ける好の足元が爆発し、廊下が砕け散る。

好「チッ…！！」

好は咄嗟に受け身の体制を取って落下に備えるが、下の階の廊下も爆発の衝撃で脆くなっていたらしく、落下の衝撃に耐えられず好は１階まで落ちてしまった。


好「…ごっ……っっふ…ッ…！ …がぁぁッッ…！！！」


落ちた先は、幸いにも柔らかなソファーーー

好「ーーーここは……校長室……？」


辺りを見渡し、校長室である事を認識する。

好「……あたた…。なんとか助かったみたいだネ…。
ケド、あの落下の瞬間ーーー」

確かに好は見ていた。
落下の瞬間、爆発した廊下の中から、カードの破片のようなものが無数に飛び散ったのを。

好「…おそらくあれが爆発の正体ーーー。
カード型の爆弾を校舎内の壁や床に埋め込んでいたって訳、ネ。
…そして恐らく、そんなことができるのは…、この学校の関係者ーーー」


好「……ん…？」


ふと見ると、校長の椅子が淡い光を放っている。

好「……あれはーーーッッ……？」
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１５４ーーー
《理科室の攻防》














〜黒髭中学校・理科室〜


明日人【LP 8000】

栗須【LP 8000】


人体模型【LP 8000】

＊2対1の変則決闘。場、墓地、除外、ライフ共に別。
TURN:栗須→人体模型→明日人→人体模型→栗須 の順。明日人のターンから攻撃可能。



◉TURN:０１◉


栗須「ーーー俺のターンからだぜっっ！」[手札 5]


栗須「俺はフィールド魔法『死皇帝の陵墓』を発動！！」


《死皇帝
しこうてい
の陵墓
りょうぼ
/Mausoleum of the Emperor》 †
フィールド魔法
(1)：お互いのプレイヤーは、
自分メインフェイズに以下の効果から１つを選択して発動できる。
●１０００ＬＰを払って発動できる。
１体のリリースを必要とする手札のモンスター１体の通常召喚を、
リリースなしで行う。
●２０００ＬＰを払って発動できる。
２体のリリースを必要とする手札のモンスター１体の通常召喚を、
リリースなしで行う。


栗須「この効果で、２０００のライフを支払い……最上級モンスターをリリース無しで召喚するぜ！」【LP 8000→6000】

人体模型「……ケケ、ケ…！ キヒヒ…ッ！」

栗須「…ぅ…！ 不気味な笑い声上げてんじゃねぇよ……。
…さっさとぶっ壊してやる…！ 現れろ！！
『神鳥 シムルグ』！！」[ATK 2700]


《神鳥
しんちょう
シムルグ/Simorgh, Bird of Divinity》 †
効果モンスター
星７/風属性/鳥獣族/攻2700/守1000
このカードは特殊召喚できない。
このカードをアドバンス召喚する場合、
リリースするモンスターは風属性モンスターでなければならない。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
お互いのプレイヤーはお互いのエンドフェイズ毎に１０００ポイントダメージを受ける。
この時、それぞれのプレイヤーが受けるダメージは
魔法・罠カードをコントロールしている数×５００ポイント少なくなる。


栗須「……カードを２枚伏せて、ターンエンド！！
…しかぁし！ このエンドフェイズ時、シムルグの死の風が全てのプレイヤーを切り裂くぜ！！」

神鳥が巨大な翼を一振りすると、黒き疾風が辺りに吹き荒ぶ。
だが栗須だけは魔法罠を２枚以上コントロールしていたため、それらが起き上がり死の風から栗須を守った。


人体模型「…ケケケーーッッ！！」【LP 8000→7000】

明日人「…ぐわぁあっっ！！」【LP 8000→7000】


明日人「てめっ！！ なんでいきなりシムルグとか出してんだよ！」

栗須「…これしかできなかったんだし仕方ねーだろ！？
それに敵のライフも削れたから、１０００ダメージくらい別にいいじゃねーかよ！」

明日人「…そういう問題じゃなくてだな…！
ってか敵のターンが終わってからじゃねーと俺のターン来ねーんだから、少なくとも後１０００ダメージ受けることはほぼ確定してるんだが！？」


人体模型「……ケケ、ケ…！ 喧嘩なんかしてる場合かな…！！ 俺の…ケケ……ターン…！」


◉TURN０２◉


人体模型「…俺は、『ワイトプリンセス』を召喚！」[ATK 1600]


《ワイトプリンセス/Wightprincess》 †
効果モンスター
星３/光属性/アンデット族/攻1600/守 0
(1)：このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
(2)：このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「ワイトプリンス」１体を墓地へ送る。
(3)：自分の手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、
そのレベルまたはランク×３００ダウンする。
この効果は相手ターンで発動できる。


人体模型「…ワイトプリンセスの効果…ッ！
デッキの『ワイトプリンス』を墓地へ送る…！ ケケケ…！」


《ワイトプリンス/Wightprince》 †
効果モンスター
星１/闇属性/アンデット族/攻 0/守 0
(1)：このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
(2)：このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
「ワイト」「ワイト夫人」１体ずつを手札・デッキから墓地へ送る。
(3)：自分の墓地から、「ワイト」２体とこのカードを除外して発動できる。
デッキから「ワイトキング」１体を特殊召喚する。


人体模型「更に、墓地へ送られたワイトプリンスの効果…！ デッキの『ワイト』と『ワイト夫人』を墓地へ埋葬する…！！」


ｺﾞﾄ…ｺﾞﾄｺﾞﾄ…!

怪しげな空気と共に、どこからともなく頭蓋骨が降り落ち、床に埋め込まれていく。


栗須「…ひぃぃっっ！ ……気味悪いぜ…っ…！」

明日人（…ただの骨っつっても油断はできねぇ…！ 大量に墓地を肥やされる前にライフを削りきらねぇと…！）



人体模型「ーーワイトプリンスのもう一つの効果発動…！ 自身を含む墓地の3体のワイトを除外し、デッキから『ワイトキング』を特殊召喚する…ッ…！！」

明日人「…ワイト夫人も墓地ではワイトとして扱う効果を持っている…！ つまりさっき墓地へ送った3体を除外して、“王”を呼び出すって訳か…！！」

埋まっていた骸骨達が砕けて床と同化していく。
それと同時に、激しい地鳴りと共に地中から“王”が姿を現わした。


人体模型「ーーー現れよ、『ワイトキング』…ッッ！！」[ATK ？]


《ワイトキング/King of the Skull Servants》 †
効果モンスター
星１/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0
このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する
「ワイトキング」「ワイト」の数×１０００ポイントの数値になる。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」１体を
ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。


人体模型「…ワイトキングの攻撃力は墓地のワイトとワイトキングの数により決定する……」


『ワイトキング』[ATK 0]


栗須「…へっ！ そいつを出すために墓地の骨どもをコストにしちまったから攻撃力はたったの０っ！
大したことねーなぁ！」

人体模型「……キヒッ！ 手札から『ワイトメア』を捨て、ケケ…ッ効果発動…！！」


《ワイトメア/Wightmare》 †
効果モンスター
星１/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200
このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
また、このカードを手札から捨てて以下の効果から１つを選択して発動する事ができる。
●ゲームから除外されている
自分の「ワイト」または「ワイトメア」１体を選択して自分の墓地に戻す。
●ゲームから除外されている
自分の「ワイト夫人」または「ワイトキング」１体を選択してフィールド上に特殊召喚する。


人体模型「……この効果により、除外されている『ワイト夫人』を守備表示で特殊召喚…！！」[DEF 2200]


《ワイト夫人
ふじん
/The Lady in Wight》 †
効果モンスター
星３/闇属性/アンデット族/攻 0/守2200
このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
「ワイト夫人」以外のフィールド上のレベル３以下のアンデット族モンスターは
戦闘では破壊されず、魔法・罠カードの効果も受けない。


人体模型「…ワイト夫人が場にいる限りワイト夫人以外のレベル3以下のアンデットは戦闘で破壊されず、魔法罠の効果を受けない…！ ケケ…！」

明日人「…っ…！」

人体模型「更に、今墓地へ送ったワイトメアも墓地で『ワイト』として扱うモンスター…！ よってワイトキングの攻撃力は１０００ポイントアップする……！」

『ワイトキング』[ATK 1000]


栗須「…それでもたかが１０００ポイント…！ 恐るに足らないぜ…っ！」


人体模型「…ケケケ…！ ターンエンド…ッ！」[手札 3]

栗須「…このエンドフェイズ時、シムルグの死の風が再び全プレイヤーを襲う！！」


人体模型「……キヒ…ッ…！」【LP 7000→6000】

明日人「……ぐぁぁっ！！」【LP 7000→6000】


◉TURN ０３◉


明日人「…くそ…っ、余計なダメージをもらっちまった……っ…！
俺のターン、ドローっ！」[手札 6]

明日人（…慎重にいきたいところだけど、この校舎に長居するのは危険だ…！ 必要最低限のプレイでいかせてもらうぜ…っ！）

明日人「ーーー俺は、フィールド魔法『森羅の霊峰』を発動！！」


《森羅
しんら
の霊峰
れいほう
/Mount Sylvania》 †
フィールド魔法
自分のメインフェイズ時に手札または自分フィールド上に表側表示で存在する、
植物族モンスター１体を墓地へ送って発動できる。
デッキから「森羅」と名のついたカード１枚を選んでデッキの一番上に置く。
「森羅の霊峰」のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。
また、相手のエンドフェイズ時に１度だけ、
自分のデッキの一番上のカードをめくる事ができる。
めくったカードが植物族モンスターだった場合、そのカードを墓地へ送る。
違った場合、そのカードをデッキの一番上または一番下に戻す。


明日人「…そして森羅の霊峰の効果！ 手札から『森羅の姫芽君 スプラウト』を捨て、デッキの『森羅の神芽 スプラウト』をデッキの一番上に置く！」


人体模型「……ケケケ…！ トップ操作……ッッ…！！ ケ…キヒ…ッ…！ キヒヒ……ッッ…！！」

明日人「…っ…！？
（…なんだあいつ…！？ 何かに反応して……笑っている…！？）」

明日人「……っ更に、俺は栗須の場のフィールド魔法『死皇帝の陵墓』の効果を発動！
ライフを2000払い、【LP 6000→4000】
『森羅の仙樹 レギア』を召喚！！」[ATK 2700]


《森羅
しんら
の仙樹
せんじゅ
レギア/Sylvan Hermitree》 †
効果モンスター
星８/炎属性/植物族/攻2700/守1800
１ターンに１度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
自分のデッキの一番上のカードをめくる。
めくったカードが植物族モンスターだった場合、
そのモンスターを墓地へ送り、デッキからカードを１枚ドローする。
違った場合、そのカードをデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、
自分のデッキの上からカードを３枚まで確認し、好きな順番でデッキの上に戻す。


明日人「…そして、レギアの効果発動！ デッキの一番上をめくるーーー」


デッキトップ
『森羅の神芽 スプラウト』


明日人「…めくったモンスターは植物族モンスター、よってそのモンスターを墓地へ送り、１枚ドロー！」[手札 4]


墓地へ送られたスプラウトの効果を発動！！」


《森羅
しんら
の神芽
しんめ
スプラウト/Sylvan Cherubsprout》 †
効果モンスター
星１/光属性/植物族/攻 100/守 100
このカードが特殊召喚に成功した時、
自分のデッキの上からカードを２枚までめくる事ができる。
めくったカードの中に植物族モンスターがあった場合、
それらのモンスターを全て墓地へ送る。
残りのカードは好きな順番でデッキの一番下に戻す。
また、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、
デッキから植物族・レベル１モンスター１体を特殊召喚できる。
「森羅の神芽 スプラウト」のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。


明日人「…デッキから『コピー・プラント』を特殊召喚！！」[DEF 0]


《コピー・プラント/Copy Plant》 †
チューナー（効果モンスター）
星１/風属性/植物族/攻 0/守 0
１ターンに１度、このカード以外のフィールド上の
植物族モンスター１体を選択して発動できる。
このカードのレベルはエンドフェイズ時まで、選択したモンスターと同じレベルになる。


明日人「…続けてコピー・プラントの効果発動！
コピープラントのレベルを、俺の場のレギアと同じ、８にする！」

『コピープラント』☆1→8


栗須「…これでレベル8のモンスターが2体！」

人体模型「…ケケ…！ ケケケ…ッ！」


明日人「ーーー2体のモンスターでオーバーレイ！ エクシーズ召喚！」


明日人「ーーー強大な力を蓄えし守護精霊よ……、その強固なる意思で大地を揺るがせ！！
現れろ！『森羅の守神 アルセイ』！！」[ATK 2300]



《森羅
しんら
の守神
もりがみ
アルセイ/Alsei, the Sylvan High Protector》 †
エクシーズ・効果モンスター
ランク８/光属性/植物族/攻2300/守3200
レベル８モンスター×２
１ターンに１度、カード名を１つ宣言して発動できる。
自分のデッキの一番上のカードをめくり、
宣言したカードだった場合、手札に加える。
違った場合、めくったカードを墓地へ送る。
また、カードの効果によって自分のデッキからカードが墓地へ送られた場合、
このカードのエクシーズ素材を１つ取り除いて発動できる。
フィールド上のカード１枚を選択して持ち主のデッキの一番上または一番下に戻す。
「森羅の守神 アルセイ」のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。



明日人「…攻め寄りのプレイは好きじゃねーが、墓地にワイトを溜められる前に、一気に行かせてもらうぜ…！」






To Be Continued…






《次回予告》




「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１５５ 衝突と協力」






＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙