DRAW:１１２ 食事、そして体力テスト　作：人喰い

(112)




火群「ーーーみんな待たせたな！！ これが俺たち男の中の男の料理！！」



男子全員「シーフードカレーだッッ！！」



和泉「…ふおぉぉ…っ！ ほんまに魚介が来おった…！」

メアリー「眼鏡ちゃんキャラおかしくなってるよ…」

雫「いい香りですね〜っ！」

ニクス「…食欲をそそるじゃないか」

鈴華「…み、見た目は庶民的ですわね…っ！」

結維「あんたは合宿カレーにどんなクオリティを求めてたのよ…」

千愛「…それじゃあみんな揃ったことだし…」


「「「いただきまーっす！！」」」















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１１２ーーー
《食事、そして体力テスト》
















和泉「…ボイルしたイカにイカフライに…、イカの天ぷら…それからイカリングーーー」

鈴華「イカしか入っていませんわっっ！！」

千愛「名前詐欺ね」

結維「……というかこのイカってまさか……っ！」

火群「クレームは後！！ まずは食べてみてって！」

栗須「たらふく味見したから大丈夫だぜ！！」

結維「…たらふくって…っ、あんたねぇ…」

雫「まぁまぁ結維さんっ。とにかく食べてみましょうよ！」

結維「わかったわよ…っ。……もぐっ」

結維がカレーを一口食べたその瞬間。

結維「ーーー！！」

結維の身体がピクッと揺れる。
身体からは汗が吹き出し、真っ赤になった顔をうつむかせ、数回咀嚼した後ゴクリと飲み込んだ。

結維（何ーー！？ これーーーっ！？）

火群「………ﾆﾔﾘ」

結維「……ん…っ！ ぅぅ…っんっ…！
（身体がーーー熱い……っ…！）」

和泉「…ゆ、結維ちゃん？ 大丈夫…っ？」

結維（…ゲソからとった出汁の風味が数種のスパイスと混ざり合う事で口一杯に海の味が広がって……私の口の中には今、『海』が…『夏』ができつつある…！！！）

結維（…それに、熱いだけじゃない…っ、このイカの風味に溺れていると、身体中に……何かが絡みつくような…っ。
…さっき巨大イカに拘束されていた時と全く同じ感覚……っ…！ 粘液を纏った触手が全身を弄る……そんな不快感が…っ！）

結維「…くっ…っっ！ こんなイカなんかに……っ！ 屈するもんですか…っ…！」

和泉「え？ 屈するって何っ！？」

火群「……でも結維さんよぅ…。
ーーー手の動きは止まってないぜ？」

結維「！？」

脳でいくら拒絶しても、結維の右手は、確かにスプーンに力を伝え、次の一口をすくっていた。

結維「…そんな…っ…！？ 私が……こんなイカの触手を……再び求めているっていうの…！？ 嘘よ！！」

などと口にしつつも、イカカレーを乗せたスプーンは結維の口へと吸い寄せられるように迫っていく。

結維「………っ…！！
（…こんな気持ち悪い感覚…！ 嫌なはずなのに……っ！）」

そして二口目が容赦無く口内へと運び込まれる。

結維「……んん…っっ！！（触手が増えて……っ！？ ちょっ…！？ そんなとこ激しく突いたら…ぁ…っんっ！！）」

びくびくと痙攣する身体を必死に抑えながら、咀嚼し、飲み込む。

結維（…悔しい……っ…！！ 認めたくない…っ…！ けどーーー）

その頃にはまた右手に持ったスプーンは次の一口を山のように盛って待ち構えていた。
だが先程と１つ違うのが、結維は恍惚な表情でイカを待ち受けていたのだ。
そしてそのスプーンいっぱいに盛ったイカカレーを口の中に突っ込む。


結維「…おい……しい…っ…！！」


こうして1人の少女は触手の海にその身を投じたのだったーーー。



和泉「ゆ、結維ちゃーん？ 帰ってきてー…」

雫「…わ、私たちも食べてみましょうか…？」


栗須「…おっ？ 今のを見て食欲を掻き立てられるとは……欲しがりさんだなぁ？」

雫「そんなんじゃありませんよぉっ！ お腹が空いただけですっ！！」

メアリー「…そんじゃワタシも早速一口ーーー」

メアリー「ーーーっっ！！！」ﾋﾞｸﾝｯ‼︎


以下ループ。




〜〜〜


ーーー20分後。


全員「………」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ


死しても尚、その意地を見せた巨大イカの最期の足掻きによって触手漬けになった一同は、1時間の休憩を挟んだのち、訓練を始める事となった。





＊＊＊




そしてようやく始まった訓練の内容とは、なんてことはない、ただの体力テストだった。


まずはハンドボール投げ。


和泉「えいっ！」←8m

雫「やぁっ！」←10m

鈴華「とぉっ！」←10m

栗須「どぉぉらぁあっ！！」←18m

火群「ぅぉおぉぉぉおおぉおおおっっっ！！！」←19m

明日人「…いけぇぇっ！！」←29m

戒「…フッ、こんなものk」←31m

結維「……りゃぁあああぁああぁあっっっ！！！」←測定不能


その後すぐに握力測定。


和泉「…やっぱ右はまだ慣れないなぁ…」←13kg

雫「んーっ！！」←19kg

鈴華「んにゃぁああぁぁーっ！」←23kg

栗須「ぐごごごぉぉ……！！」←30kg

明日人「ぐぅぅぉおお…！」←32kg

火群「んぉぉぉおおっっ！！」←33kg

戒「………ッッ！」←35kg

結維「…っっ…！！」ﾍﾞｷｯ!!←測定不能


次に長座体前屈。


和泉「えへへーっ」←51cm

雫「でろーんっ」←50cm

結維「…まさかこの2人に負けるなんてね…」←48cm

戒「………」←46cm

栗須「あががが…っ」←39cm

火群「いだだだ…ッッ」←36cm

明日人「痛ー…っ…」←35cm

鈴華「あだだだっ！ ちょっ…無理無理っ！ もう無理ーっっ！！」←24cm


続いて上体起こし。


結維「30秒って…、意外と短いものね」←42回

戒「桜庭結維…、お前……何者だ…？」←41回

火群「……はぁ…はぁ…っ、し、死ぬ……」←24回

栗須「…あの2人バケモンかよ…っ…」←22回

明日人「……くそ…キッツイな…」←19回

鈴華「」←10回

雫「」←9回

和泉「」←7回



その後も何種目か終え、最後に町内外周ランニング。


戒「…そんなペースで飛ばして大丈夫か？」

結維「……別に。このくらい余裕よ」


火群「…ぜぇー…！ はぁーっ…！！ 戒ぃぃ…！ 調子乗りやがってぇ…！」

明日人「…おい火群っ！ そんな飛ばしたらすぐバテるぞっ！」

栗須「…いい風だぜ…」


和泉・雫・鈴華「」ﾁ-ﾝ



〜〜〜



メアリー「みんなお疲れ様ーーっ！！ 今日は初日だし、軽くみんなの基礎体力を計らせてもらったわ！」

火群「…づがれだ……っ」

メアリー「今日はもう日も暮れてきたしこれで終わるけど、腹筋と外周に関しては毎朝やってくから覚悟しといてねーっ！」

「「「はーい……っ」」」

和泉（決闘の強化合宿に来たはずだよね……？ 私たち…。
なんで体力テストなんかやってるの…？）


＊＊＊



体力テストを終え、宿舎に戻ってきた火群たち。身体は疲れきっていたが、メアリーの一言によってすぐに復活することになる。

メアリー「じゃあみんな運動して汗もかいた事だしーーーウチの露天風呂入ってきなよ♪」

火群・栗須「！！！」


一部の男は、邪悪な思惑を抱いてーーー。




To Be Continued…






《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１１３ 湯煙の果てに




＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙