DRAW:１１５ 意地の衝突　作：人喰い

(115)


進「…言っとくが、俺に負けてるようじゃ…、終焉の焔ってぇ連中と危ねぇ戦いをしに行くのは絶対に許さねぇ…、家にも帰って来てもらう。いいか？」

鈴華「……ええ…、いいですわ…。その代わり私が勝ったら…、私に決闘を続けさせてっ！！」

進「……好きにしろ。ただし……そんな簡単に勝てると思うなよ……ッ！！」



西蓮寺 鈴華【LP 8000】

西蓮寺 進【LP 8000】


「「決闘！！」」


鈴華「…強くなった私を見せてあげますわ…！！ 私の先攻！」

鈴華（終焉の焔との決闘から改修した私の新しいデッキで、絶対パパに勝ってみせますわ…！！）

和泉「……あわわわ…っ、いきなり始まっちゃったけど…、みんなを呼んで来た方がいいのかな…っ…！？
でもこの場を放ってもおけないし………」

鈴華「ーーー私は、モンスターをセット！！ これでターンエンドですわっ！！」【手札 4】


◉TURN０２◉


進「……威勢の割には消極的じゃないか、鈴華！ 俺のターン！！ ドロー！」【手札 6】

進「ーーー俺は、フィールド魔法『巨大要塞ゼロス』を発動！！」


《巨大要塞ゼロス/B.E.F. Zelos》
フィールド魔法
(1)：このカードの発動時の効果処理として、
デッキから「ボスラッシュ」１枚を手札に加える事ができる。
(2)：自分フィールドの「巨大戦艦」モンスターの攻撃力・守備力は５００アップし、
相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(3)：１ターンに１度、自分メインフェイズに発動できる。
手札から「巨大戦艦」モンスター１体を特殊召喚する。
(4)：自分フィールドに「巨大戦艦」モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。
そのモンスターに、自身の効果で使用するカウンターを１つ置く。


鈴華「……巨大…要塞……っ！！」

進「…このカードの発動時、デッキから『ボスラッシュ』を手札に加え、発動！」


《ボスラッシュ/Boss Rush》
永続魔法
自分が通常召喚していないターンにこのカードを発動できる。
(1)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、自分は通常召喚できない。
(2)：自分フィールドの表側表示の「巨大戦艦」モンスターが破壊され墓地へ送られた場合、
そのターンのエンドフェイズに発動できる。
デッキから「巨大戦艦」モンスター１体を特殊召喚する。


進「そして巨大要塞ゼロスの効果を発動！ 手札から巨大戦艦を一機特殊召喚する！
現れろ！『巨大戦艦 ビッグ・コア』！！[ATK 2300→2800]


《巨大戦艦
きょだいせんかん
ビッグ・コア/B.E.S. Big Core》 †
効果モンスター
星６/闇属性/機械族/攻2300/守1100
このカードの召喚時にカウンターを３つ置く。
このカードは戦闘によっては破壊されない。
戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時に
このカードのカウンターを１つ取り除く。
カウンターのない状態で戦闘を行った場合、
ダメージステップ終了時にこのカードを破壊する。


和泉「…巨大要塞の効果で攻撃力が2800に…！」

進「…更にそれだけではないぞ！ 巨大要塞ゼロスの最後の効果により、特殊召喚されたビッグコアにカウンターを1つ置く」

『巨大戦艦 ビッグ・コア』[◉0→1]

進「行くぞバトルだ！ ビッグコアで裏守備モンスターを攻撃！！」

ビッグコアの砲撃に合わせ裏守備モンスターが表側となる。

『キラートマト』[DEF 1100]

進「…セットモンスターはキラートマトか…！ 構わん！ 撃破だ！！」

『巨大戦艦 ビッグ・コア』
[ATK 2800]
ーーーVSーーー
[DEF 1100]
『キラートマト』

すでに放たれていた無数のビーム砲がキラートマトの全身に穴を空けて破壊する。


鈴華「…キラートマトが先頭で破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスターを特殊召喚できますわ！ 私は再びキラートマトを特殊召喚！」[ATK 1400]

進「…ビッグコアが戦闘を行なったことにより、カウンターを１つ取り除く」[◉1→0]

進「カードを１枚伏せ、俺のターンはこれで終わりだ。
…かかってこい！ 鈴華ァ！」【手札 3】

鈴華「…ええ、全力で行きますわ…！！
パパ…っ！！」















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１１５ーーー
《意地の衝突》















◉TURN０３◉

鈴華「私のターン！ ドロー！！」【手札 5】

鈴華（…巨大戦艦は戦闘を行う度にカウンターを取り除き、カウンターがない状態で戦闘を行うとダメージステップ終了と同時に破壊される…！
ならやる事は１つですわ…っ！）

鈴華「私は、『エクリプス・ワイバーン』を召喚！」[ATK 1600]


《エクリプス・ワイバーン/Eclipse Wyvern》 †
効果モンスター
星４/光属性/ドラゴン族/攻1600/守1000
(1)：このカードが墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから光属性または闇属性のドラゴン族・レベル７以上のモンスター１体を除外する。
(2)：墓地のこのカードが除外された場合に発動できる。
このカードの(1)の効果で除外されているモンスターを手札に加える。


鈴華「……更に、墓地のキラートマトを除外して、手札から『輝白竜 ワイバースター』を特殊召喚！！」[ATK 1700]


《輝白竜
きびゃくりゅう
ワイバースター/White Dragon Wyverburster》 †
特殊召喚・効果モンスター
星４/光属性/ドラゴン族/攻1700/守1800
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から闇属性モンスター１体を除外した場合のみ特殊召喚できる。
この方法による「輝白竜 ワイバースター」の特殊召喚は
１ターンに１度しかできない。
(1)：このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「暗黒竜 コラプサーペント」１体を手札に加える。


進「……っ！ 一気に展開してきたか…！」

鈴華「バトルですわ…！！ キラートマトで、巨大戦艦ビッグコアを攻撃！」


『キラートマト』
[ATK 1400]
ーーーVSーーー
[ATK 2800]
『巨大戦艦 ビッグ・コア』


進「…再び蜂の巣にしてやれ！ ビッグ・コア！」

『キラートマト』
[ATK 1400]
ーーーVSーーー
[ATK 2800]
『巨大戦艦 ビッグ・コア』

キラートマトはビッグ・コアへと飛びかかるが、ビーム砲の連射を全身に受け返り討ちにあってしまう。
そして流れ弾が鈴華に被弾する。

鈴華「…くぅ…ぁぁ…っっ！！」【LP 8000→6600】

鈴華「……まだ…、まだ…っ！ ですわ…っ！！ キラートマトが戦闘で破壊された事で、デッキから『終末の騎士』を特殊召喚！」[ATK 1400]


《終末
しゅうまつ
の騎士
きし
/Armageddon Knight》 †
効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻1400/守1200
(1)：このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
デッキから闇属性モンスター１体を墓地へ送る。


鈴華「そして終末の騎士の効果発動！ 私はデッキから、『天魔神 ノーレラス』を墓地へ送りますわ！」

進「…っ…！ このダメージステップ終了時、カウンターの無いビッグ・コアは破壊される…！」

和泉「…これで場はガラ空きになった…！」

鈴華「…行きますわよ…っ！ 終末の騎士の攻撃！」

『週末の騎士』[ATK 1400]

進「…ぐぅ…！」【LP 8000→6600】

鈴華「…続いてエクリプス・ワイバーン！」

『エクリプス・ワイバーン』[ATK 1600]

進「…がぁっ！」【LP 6600→5000】

鈴華「……まだまだっ！ ワイバースターで、ダイレクトアターックっ！！」

『輝白竜 ワイバースター』[ATK 1700]

進「………ぐぉぉ…っっ！！」【LP 5000→3300】

怒涛の三連撃を受け、父はその場に片膝をつく。
直接人体へのダメージがあるわけでは無いが、娘の気迫によって、僅かに彼は気圧されたのだ。


和泉「…凄い…！ 一気に半分以上ものライフを削った…！」

鈴華「…どうよ…！ カードを１枚伏せて、ターンエンド…、ですわ…っ！」【手札 2】

進「…なかなかやるじゃないか…！ だが、勝負はここからだ…ッ！！
この瞬間、ボスラッシュの効果により、デッキから新たな巨大戦艦を出撃させる！！
現れろ！『巨大戦艦 ビッグ・コアMkーⅡ』！！」[ATK 2400→2900][◉0→3]


《巨大戦艦
きょだいせんかん
ビッグ・コアＭｋ－ＩＩ/B.E.S. Big Core MK-2》 †
効果モンスター
星６/炎属性/機械族/攻2400/守1100
このカードが特殊召喚に成功した時、このカードにカウンターを３つ置く。
このカードは戦闘では破壊されない。
このカードが戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時に
このカードに乗っているカウンターを１つ取り除く。
このカードがカウンターのない状態で戦闘を行った場合、
ダメージステップ終了時にこのカードを破壊する。
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードはリリースなしで召喚する事ができる。


和泉「また新たな巨大戦艦が…！！」

鈴華「…しかも今度のはカウンターが3つ…！ 突破するのも一筋縄ではいきませんわ…っ！」


◉TURN０４◉


進「…俺のターーンッ！ ドローッ！」【手札 4】

進「俺は、ゼロスの効果により、手札から『巨大戦艦 テトラン』を特殊召喚！！」[ATK 1800→2300][◉0→1]


《巨大戦艦
きょだいせんかん
テトラン/B.E.S. Tetran》 †
効果モンスター
星６/風属性/機械族/攻1800/守2300
このカードの召喚時にカウンターを３つ置く。
このカードは戦闘によっては破壊されない。
戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時に
このカードのカウンターを１つ取り除く。
カウンターのない状態で戦闘を行った場合、
ダメージステップ終了時にこのカードを破壊する。
またこのカードのカウンターを１つ取り除く事で、
フィールド上の魔法・罠カード１枚を破壊する。
この効果は１ターンに１度しか使用できない。


鈴華「…また新しい巨大戦艦が…！ 一体どんな効果を……」

進「すぐに見せてやるさ！ テトランの効果発動！ 自身のカウンターを１つ取り除く事で、フィールドの魔法罠を１枚破壊する！ その邪魔な伏せカードには消えてもらうぜ？」

テトランの発射した砲撃により鈴華の伏せカード『神風のバリアーエア・フォース』は破壊されてしまう。

鈴華「…！ そんな…っ！」

進「よし…！ これで心置き無く攻撃できる…！ MkーⅡで終末の騎士を攻撃！」


『巨大戦艦 ビッグ・コアMkーⅡ』
[ATK 2900]
ーーーVSーーー
[ATK 1400]
『終末の騎士』


発射口がゆっくりと騎士へと向けられ、強力な一撃が放たれる。

鈴華「…きゃぁぁあぁあっ！！」【LP 6600→5100】

進「MkーⅡは戦闘を行なったことによりカウンターを１つ消費する」[◉3→2]

進「…続けてテトランで輝白竜を攻撃だ！！」


『巨大戦艦 テトラン』
[ATK 2300]
ーーーVSーーー
[ATK 1700]
『輝白竜ワイバースター』


旋回するテトランの四本腕が輝白竜を薙ぎ払う。

鈴華「…うぅ…っっくぅ…っ！！」【LP 5100→4500】

進「…カウンターの無いテトランは戦闘終了後、自壊する」

鈴華「ワイバースターが場から墓地へ送られたことで…！ デッキから『暗黒竜 コラプサーペント』を手札に加えますわ…！」【手札 3】

進「俺はこれでターンエンドだ！」【手札 3】

進「更にこのエンドフェイズ、ボスラッシュの効果でデッキから『巨大戦艦 クリスタル・コア』を特殊召喚する！」[ATK 2100→2600][◉0→1]


《巨大戦艦
きょだいせんかん
クリスタル・コア/B.E.S. Crystal Core》 †
効果モンスター
星５/水属性/機械族/攻2100/守1000
このカードの召喚時にカウンターを３つ置く。
このカードは戦闘によっては破壊されない。
戦闘を行った場合、ダメージステップ終了時に
このカードのカウンターを１つ取り除く。
カウンターのない状態で戦闘を行った場合、
ダメージステップ終了時にこのカードを破壊する。
１ターンに１度だけ自分のメインフェイズに、
相手フィールド上の表側攻撃表示モンスター１体を
表側守備表示にする事ができる。


鈴華（…ここまでくると、さっきみたいに自爆特攻で処理してたんじゃ流石にライフが保たない…！）


◉TURN０５◉


鈴華「…私のターン…！！ ドロー！」【手札 4】

鈴華（ーーー…！！）

鈴華「私は……負けられ…ないっ！！ 手札から『ファントム・オブ・カオス』を召喚！」[ATK 0]

《ファントム・オブ・カオス/Phantom of Chaos》 †
効果モンスター
星４/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1)：１ターンに１度、自分の墓地の効果モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外し、このカードはエンドフェイズまで、
そのモンスターと同名カードとして扱い、同じ元々の攻撃力と効果を得る。
(2)：このカードの戦闘で発生する相手への戦闘ダメージは０になる。


進「……！」

鈴華「私の決闘の見てきたパパならわかるはず…！ このカードの脅威が…！！」

進「………ああ、よくわかるさ。お前の墓地には天魔神ノーレラスがいる…。そしてその効果は、1000のライフと引き換えに、互いの手札・場のカード全てを墓地へ送り、自分のみカードを１枚ドローできるという非常に強力な効果だ」

鈴華（…？ 様子が……おかしい…！）


進「……だが、俺はお前との決闘が始まったその時から、そのカードの召喚を待っていた…ッ！！」


鈴華「！？」

進「…罠カード発動！！『連鎖除外』！！」


《連鎖除外
チェーン・ロスト
/Chain Disappearance》 †
通常罠
攻撃力１０００以下のモンスターが
召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
その攻撃力１０００以下のモンスターをゲームから除外し、
さらに除外したカードと同名カードを相手の手札・デッキから全て除外する。


場に生まれた混沌が、勢い良く突き出した鎖によって貫かれ、霧状となって消えていく。

鈴華「…なん…ですって…っ！？」

それだけでは無い。
混沌を貫いた鎖の速度は止まることを知らず、鈴華のデッキへと潜り込み、残り２枚の『ファントム・オブ・カオス』のカードを全て同じように貫いた。

鈴華「…！！」

進「……パパは全力でお前を倒す。お前をママと同じ目にあわせるわけにはいかないからな」

和泉「……っ？」

鈴華「…っそれって…っどういうこと…！？」

進「……鈴華にはまだ話していなかったが、ママは過度な決闘が原因で病気になってしまった…。だからその血を引くお前に、これ以上決闘をさせる訳にはいかないんだ…！！」

鈴華「……！！」

鈴華（…ママは決闘をするアンドロイドの研究をしているって言ってた…、病気も……その仕事中に発症したって……。でもまさか…、ママが…決闘が原因で病気になってしまっただなんて……！！）

進「…もちろん確証がある訳じゃない…！！ だが、万が一の事があってからじゃ遅いんだ！！ わかってくれ……鈴華…！！」

鈴華「………」

和泉「…鈴華ちゃん……」


鈴華（……私は………私は……っっ…！！）





白と黒がーーー揺らぐ。






To Be Continued…






《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１１６ 混沌なる叫び




＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙