DRAW:１３９ 燃え滾るは友が為　作：人喰い

(139)



【SIDE 火群】


火群【LP 8000】
(モンスター)
『炎王神獣ガルドニクス』[ATK 2700]
(魔法)
『炎王の孤島』
伏せ:1
手札:2

ジャラン【LP 8000】
手札:6


◉TURN０２◉


ジャラン「ーーーメインフェイズ、僕はフィールド魔法『影牢の呪縛』を発動」


《影牢
かげろう
の呪縛
じゅばく
/Curse of the Shadow Prison》 †
フィールド魔法
(1)：このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
「シャドール」モンスターが効果で墓地へ送られる度に、
１体につき１つこのカードに魔石カウンターを置く。
(2)：相手ターン中、相手フィールドのモンスターの攻撃力は、
このカードの魔石カウンターの数×１００ダウンする。
(3)：このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分が「シャドール」融合モンスターを融合召喚する度に１度、
このカードの魔石カウンターを３つ取り除き、
相手フィールドの表側表示モンスター１体を融合素材にできる。


戒「……ッッ！ あのカードは…！」


火群「……フィールド魔法か…」


ジャラン「そして、『マスマティシャン』を召喚」[ATK 1500]


《マスマティシャン/Mathematician》 †
効果モンスター
星３/地属性/魔法使い族/攻1500/守 500
(1)：このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキからレベル４以下のモンスター１体を墓地へ送る。
(2)：このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
自分はデッキから１枚ドローする。


ジャラン「僕はこの効果で、デッキから『シャドール・ドラゴン』を墓地へ送る」


《シャドール・ドラゴン/Shaddoll Dragon》 †
リバース・効果モンスター
星４/闇属性/魔法使い族/攻1900/守 0
「シャドール・ドラゴン」の(1)(2)の効果は１ターンに１度、いずれか１つしか使用できない。
(1)：このカードがリバースした場合、
相手フィールドのカード１枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。
(2)：このカードが効果で墓地へ送られた場合、
フィールドの魔法・罠カード１枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。


ジャラン「『シャドール』モンスターが効果で墓地へ送られた事で、『影牢の呪縛』に魔石が１つ置かれる…」

『影牢の呪縛』◉0→1

火群「……！」

ジャラン「…この魔石１つにつき、キミのターンの間キミのモンスターの攻撃力は100ポイント下がる…」

ジャラン「……更に…！ 効果で墓地へ送られたシャドール・ドラゴンの効果！
炎王の孤島を破壊させてもらうよ…♪」

火群「…！」

孤島は破壊され、ゆっくりと地に沈んでいく。
それと同時に、俺の場のニクスも再び地の底で眠りについた。

火群「…炎王の孤島が破壊された事で、俺の場のモンスターは全て破壊される…！」

ジャラン「…その不死鳥はもう二度と目覚めさせない…♪
ーーーバトルフェイズ！」

ジャラン「マスマティシャンでダイレクトアタック！！」

『マスマティシャン』[ATK 1500]

火群「……っ…！」

先程の言葉の意味を考えながらも、俺はマスマティシャンの攻撃を受け、衝撃に後ずさる。

火群「…くっ……ぁぁぁっっ！！」【LP 8000→6500】

ジャラン「……まだ終わりじゃないよ…♪
手札から速攻魔法『神の写し身との接触』を発動！！」


《神の写し身との接触
エルシャドール・フュージョン
/El Shaddoll Fusion》 †
速攻魔法
「神の写し身との接触」は１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：自分の手札・フィールドから、
「シャドール」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター１体をエクストラデッキから融合召喚する。


ジャラン「ーーー場の『マスマティシャン』と、手札の『シャドール・ヘッジホッグ』を影により縫い合わせーーー融合召喚ッッ！！」

火群「…融合召喚を使うのか……ッ…！」


ジャラン「ーーーここは休息の地…。神へ仇なす者を土へと還せーーー
『エルシャドール・シェキナーガ』！！！」[ATK 2600]


《エルシャドール・シェキナーガ/El Shaddoll Shekhinaga》 †
融合・効果モンスター
星１０/地属性/機械族/攻2600/守3000
「シャドール」モンスター＋地属性モンスター
このカードは融合召喚でのみＥＸデッキから特殊召喚できる。
このカード名の(1)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：特殊召喚されたモンスターが効果を発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
その後、自分は手札の「シャドール」カード１枚を墓地へ送る。
(2)：このカードが墓地へ送られた場合、
自分の墓地の「シャドール」魔法・罠カード１枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。


火群「……！！」


天を裂き、上空に現れたのは、数え切れないほどの影絲により拘束された巨大な女神と、それを更に上回る大きさの騎兵が縫い合わさった存在だった。


火群「……っ……」

そのデカさに俺は思わず固唾を飲み、拳をグッと握る。

ーーー不思議だ。

見たこともないモンスターを目の当たりにして。
俺は今、ワクワクを抑えきれないーーー！


ジャラン「ーーーそういえば…、自己紹介がまだだったね。
僕はジャラン。
ーーー終焉の焔・上層部『伍召焔(ごしょうえん)』が一人………
《影絲の嘲笑-ﾃﾞｽﾊﾟﾚ-ﾄﾞ•ﾚｿﾞﾅﾝｽ-》
『ジャラン=カルディーネ』」
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１３９ーーー
《燃え滾るは友が為》














ジャラン「ーーーキミの事は知ってるよ。市瀬火群。
そして不死鳥の精霊ガルドニクス」

ニクス『……ッ…』

ジャラン「……更に言うと、そのデッキの対処法もね……♪」

火群「………！」

ジャラン「……ヘッジホッグが効果で墓地へ送られた事で、『影牢の呪縛』に魔石が１つ追加される」

『影牢の呪縛』◉1→2

ジャラン「更にヘッジホッグの効果で、デッキから『シャドール・ファルコン』を手札に加える」【手札 4】

火群「…融合で使った手札をすぐに補充しやがった…！」

ジャラン「ーーーまだ僕のバトルフェイズは終了していない…っ！
シェキナーガ！！ プレイヤーにダイレクトアタック！！
ﾈﾌｨｼｬﾄﾞ-ﾙ・ｱﾎﾟｸﾘﾌｧ
〝影堕つる機殻超振動〟ーーー」


背後から伸びる糸が引かれ、巨人はゆっくりと動き出す。
そして一瞬。
地面が光ったように見えたその瞬間。


ｺﾞｺﾞｺﾞ……ｯ‼︎

大地が大きく揺れ、割れた大地から突き出た石柱が俺を襲う。
熊から受けた傷口を、的確に。

火群「…ぐがぁああぁっっ！！」【LP 6500→3900】

火群「……うぅぐ…がぁぁ……ッッ…！！」

ニクス『火群ッ！！』

ジャラン「……♪」

火群「…テメェ……ッッ…！！」

あいつ…、俺の怪我の事を知って……ッッ…！

ジャラン「…くっくく…♪
わかりやすく庇ってるもんだったから、つい……ね♪」

戒「……ッ……外道め……ッ！」


ジャラン「……カードを１枚伏せて、ターンエンド」【手札 3】


◉TURN０３◉


火群「ーーー俺のターン！！ ドローッ！！」【手札 3】

あのデカさには驚いたけど、奴は炎王の孤島を破壊する事でガルドニクスをも効果で破壊した…！
その事を後悔させてやる…！！

火群「…このスタンバイフェイズ時、墓地のガルドニクスは復活する…！！ 現れろ！！
『炎王神獣ガルドニクス』！！！」[ATK 2700]

ジャラン「……♪」

戒（…奴は…、まるで動揺していない……ッ…？ まだ何かあると言うのか…！）


火群「…更に！ 自身の効果で蘇生したガルドニクスの効果発動！！ このカード以外の場のモンスター全てを破壊する！！」


ジャラン「ーーー甘いよ。この瞬間、シェキナーガの効果発動ッ！！」

そこで、ふと先程のジャランの言葉を思い出す。


ーーーその不死鳥はもう二度と目覚めさせないーーー


火群「……！！」

ジャラン「ーーー特殊召喚されたモンスターが発動した効果を無効にし、破壊するッッ！！」

火群「……何っ…！？」

シェキナーガの背後から無数の糸が伸び、ニクスを捉え、拘束する。

ニクス『…っ…！ 馬鹿な…ッ！』

ジャラン「キミは永遠に墓地で主人が敗北する様を眺めているといい…。
さようなら」

宣言と共にニクスは破壊され墓地へ送られてしまう。

火群「…くっ…！」

ジャラン「…そしてその後、僕は手札の『シャドール』カード１枚を墓地へ送らなければならない。『シャドール・ファルコン』を墓地へ」【手札 2】

火群「……っ…」

これじゃあ、次のターンに蘇生しても、手札のシャドールカードがある限り何度でも破壊されちまうってのか…！ なら…！

ジャラン「シャドール・ファルコンの効果で、シャドールファルコンを墓地から場に裏側守備表示で特殊召喚。『影牢の呪縛』にも魔石が追加される」

『影牢の呪縛』◉2→3

火群「…こっちだって…！
前のターンに効果で破壊されたバロンの効果！
デッキから『炎王の急襲』を手札に加える！！」【手札 4】

火群「…そして、伏せカードオープン！！速攻魔法『炎王輪廻』！！」


《炎王輪廻》＊Ph.X Original Cards
速攻魔法
このカード名の①の効果は、１ターンに１度しか発動できず、このカードの①の効果を発動するターン、自分は炎属性モンスターしか特殊召喚できない。
①自分の墓地の「炎王」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターの元々のレベルの数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中の炎属性モンスターを任意の枚数破壊し、残りのカードとこのカードの発動時に選択したモンスターをデッキに戻しシャッフルする。
「炎王神獣」モンスターを対象としてこのカードを発動した場合、このカードの発動に対して相手はカードの効果を発動できない。
②墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の場の炎属性モンスター１体を破壊し、デッキから「炎王」モンスター１体を手札に加える。この効果は相手ターンでも発動できる。


火群「墓地のガルドニクスを対象に、効果発動！ デッキの上から８枚めくる！」


『炎王炎環』
『炎王獣ヤクシャ』
『炎王の急襲』
『炎舞ー天璣』
『熱血獣士ウルフバーク』
『真炎の爆発』
『炎王獣キリン』
『炎王獣ガネーシャ』


火群「そしてめくったカードの中から炎属性モンスターを破壊！！」

-破壊-
『炎王獣ヤクシャ』
『熱血獣士ウルフバーク』
『炎王獣キリン』
『炎王獣ガネーシャ』


火群「そしてその後、対象とした墓地のガルドニクスをデッキに戻す！」

ジャラン「…へぇ……逃げるんだ。面白くないね…」

火群「…破壊されたキリンの効果で、俺はデッキから炎王獣ガルドニクスを墓地へ送る…！」

火群「更に…！ 魔法発動！！『炎王の急襲』！！」


《炎王の急襲/Onslaught of the Fire Kings》
通常魔法
相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキから炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター１体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、
エンドフェイズ時に破壊される。
「炎王の急襲」は１ターンに１枚しか発動できない。


ジャラン（……不死鳥をデッキに戻したのはこのためか…？）


火群「ーーー頼んだぜ！『火舞太刀』！！」[ATK 1700→1400]


《火舞太刀
かまいたち
/Fencing Fire Ferret》 †
効果モンスター
星４/炎属性/獣族/攻1700/守 600
(1)：このカードが破壊され墓地へ送られた場合、
相手フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動する。
その相手の表側表示モンスターを破壊し、相手に５００ダメージを与える。


ジャラン「……ふぅん…。火舞太刀…、ね…。
確かにそのモンスターの効果なら、シェキナーガを破壊する事ができるかもね…♪」


火群「………」

なんだ…あの余裕は…っ…！

火群「……モンスターをセット、更にカードを１枚伏せてターンエンドだ」【手札 1】


ジャラン「つくづく甘いね…！ メインフェイズ終了時！ 伏せカードオープン！！
速攻魔法『神の写し身との接触』！！」


火群「…！？」

あのカードは融合を行う為のカード…！
だけど、なぜこのタイミングで…！？

戒「…影牢の呪縛には魔石が３つ……マズい…ッ…！！」


ジャラン「ーーー『影牢の呪縛』から３つの魔石を取り除く事で……、キミのモンスター…『火舞太刀』を融合素材にさせてもらうよ…♪」

火群「……っ！！」


影が迫り、火舞太刀を飲み込む。

火群「…くそ…ッ！」

ここまでやっても、突破できねぇのか……ッ！！

ジャラン「ーーー場のシャドール・ファルコンと、火舞太刀を影により縫い合わせーーー融合召喚！！」


ジャラン「ーーー理を見張り、監視する原核“ﾙ-ﾂ”ーーー
『エルシャドール・エグリスタ』！！！」[ATK 2450]


現れた存在は、吸収した炎を糸に灯し、赤く輝いた糸を翼の如く広げる。

火群「……！」

そしてこの炎には見覚えがある。
憎悪に満ちた、暖かさなど一切感じられない豪炎。


終焉の焔を率いる男ーーーマインの使う『インフェルノイド』と同じ焔だ。










To Be Continued…






《次回予告》


明日人「……」ｿﾜｿﾜ…

栗須「…どうしたんだ？ 今日誕生日だからプレゼント貰えたりしないかなーとか思ってそうなぐらいそわそわして」

明日人「…いや、それがよぉ………って、何全部言ってんだよっっ！！！
もうちょっと段階踏んでから言う手筈がお前のせいでめちゃくちゃじゃねぇか！！」

栗須「まあそう言うなって。（尺が足りないんだ）
ちゃんとプレゼントは用意してあっからよ」

明日人「！！」



明日人「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１４０ 《届いた光》！！」



みんな「ーーー誕生日おめでとーっ！！」

明日人「…いつの間にこんな飾り付けを…！」

和泉「みんなからプレゼントもあるよーっ」

明日人「…うおっ、みんなそれぞれ用意してくれたんすか！」

雫「はい！
それに、みなさんこの箱の中に今朝入れたばかりで、私たちも自分が入れたもの以外は分かりませんっ」

結維「どきどきわくわくね」

鈴華「……（私、こういうの初めてだし……かなり悩んだ末、町で見かけた小さな鉢植えにしちゃったけど……ま、まぁ、無難ですわよね……？）」

明日人「…じゃあ、あけるぞ……！」



ﾊﾞﾝｯｯ‼︎



『小さな鉢植え』x1

『ローンファイア・ブロッサム』x58



明日人「なんでだよッッ！！？」
鈴華「なんでよっっ！！？？」







＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙