DRAW:１６８ ドラグニティ・ドライブ　作：人喰い

(168)



竜貴【LP 1500】
(モンスター)
『ドラグニティナイトーアスカロン』[ATK 3300]
伏せ:0
手札:3
墓地:レヴァテイン、セナート、ドゥクス、クーゼ、アキュリス、


放浪【LP 6200】
(モンスター)
『炎神ー不知火』[ATK 3500]
『不知火の武士』[ATK 1800]
伏せ:0
手札:3
墓地:戦神、妖刀、隠者、ユニゾンビ
除外:隠者、馬頭鬼x2


◉TURN:０４◉


放浪「…『ドラグニティナイトーアスカロン』ーーーー竜霊山を統べる精霊が……、お前を選んだ、ってのか………？」


竜貴「……細かいことはよくわかんねぇけどよ……ただ一つわかることがあるぜ…、永井放浪…！！」

放浪「……」


竜貴「ーーーこいつがテメェをぶっ飛ばすッ！！！」
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１６８ーーー
《ドラグニティ・ドライブ》















竜貴「ーーーー『ドラグニティナイトーアスカロン』の効果発動！！」


《ドラグニティナイト－アスカロン》 †
シンクロ・効果モンスター
星１０/風属性/ドラゴン族/攻3300/守3200
「ドラグニティ」チューナー＋チューナー以外のモンスター１体以上
このカード名の(2)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分の墓地の「ドラグニティ」モンスター１体を除外し、
相手フィールドのモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
(2)：Ｓ召喚したこのカードが相手によって破壊された場合に発動できる。
ＥＸデッキから攻撃力３０００以下の「ドラグニティ」Ｓモンスター１体をＳ召喚扱いで特殊召する。


竜貴「……墓地のドゥクスを除外しーーーその“魂”は、お前のモンスターを除外する槍となる！！」


放浪「…何……ッ……？
（炎神が場のアンデットに持たせられる耐性は、戦闘および効果による破壊のみ……ッ…）」

ドゥクスの魂が槍の形状となり、俺の右腕に宿る。


竜貴「ーーーぜぇぇぇいりゃぁぁぁああぁッッ！！！」


そしてその“魂”を“拳”に乗せて、全力で放つーーーーー！！


この三日間何千回と振り抜いてきた、『青龍抜闘術』の正拳突き。そのフォームで。


放浪「ーーーー！！！」


拳から撃ち放たれた魂の槍は炎神を貫く。
槍はその勢いを殺さず、放浪の頰をかすめ岩壁に突き刺さった。


放浪「……ッ………！」


呆気にとられた表情の放浪を横目に、“二発目”の槍を装填する。

竜貴「ーーー次はセナートを除外し、『不知火の武士』を除外する！！」


今度はセナートの魂が槍となって俺の右腕に宿る。

竜貴「……二発目ぇぇぇッッ！！！」


再び力強く拳を振り抜き、撃ち出された槍は放浪のモンスターを貫いた。


竜貴「これで場は空いた……バトルだ！！」

放浪「……っ…」


竜貴「ーーーーアスカロンの攻撃…ッ！！
〝滅龍神槍・アスカロン・シェイバー〟！！！」



『ドラグニティナイトーアスカロン』
[ATK 3300]


放浪に向かい突進するアスカロンの周囲に突風が巻き起こる。
そして何者をも寄せ付けない竜騎士の一撃が放浪を吹き飛ばし、岩壁に叩きつけた。


放浪「ーーーーがッッッ…ッッ！！！」【LP 6200→2900】


一時は膝を付いたものの、よろめきながらゆっくりと立ち上がる放浪…。


竜貴「……カードを２枚伏せて、ターンエンドだ」[手札 1]



◉TURN:０５◉


放浪「……チッ……！ 舐めやがって…ッ…！」

放浪の右目付近を覆う痛々しい火傷の跡から黒い霧のようなものが現れ始める。
そしてその直後に霧は焔となって叫びと共に燃え上がった。


放浪「ーーーテメェは黙って俺の前に這いつくばってりゃいいんだよッッ！！」


放浪は決死の形相で力強くカードを引く。

放浪「……俺のターンッッ！！」[手札 4]


放浪「手札からフィールド魔法、『不知火流 転生の陣』を発動ッ！」


《不知火流
しらぬいりゅう
転生
てんせい
の陣
じん
/Shiranui Style Synthesis》 †
フィールド魔法
「不知火流 転生の陣」は１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：１ターンに１度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
手札を１枚墓地へ送り、以下の効果から１つを選択して発動できる。
●自分の墓地の守備力０のアンデット族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
●除外されている自分の守備力０のアンデット族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地に戻す。


放浪「ーーー転生の陣の効果…！ 手札の『不知火の鍛師』を墓地へ送りーーーー墓地より蘇れ！！『戦神ー不知火』！！[ATK 3000]

竜貴「……また出てきやがったか……！」


放浪「戦神の効果発動！！ 特殊召喚成功時、墓地の『不知火の鍛師』を除外し、攻撃力を1000上昇させる！！」

『戦神ー不知火』[ATK 3000→4000]

放浪「ーーー続いて、墓地の『妖刀ー不知火』の効果発動！！」


《妖刀
ようとう
－不知火
しらぬい
/Shiranui Spectralsword》 †
チューナー・効果モンスター
星２/炎属性/アンデット族/攻 800/守 0
「妖刀－不知火」の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードが墓地に存在する場合、チューナー以外の
自分の墓地のアンデット族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターとこのカードを墓地から除外し、
その２体のレベルの合計と同じレベルを持つ
アンデット族Ｓモンスター１体をエクストラデッキから特殊召喚する。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。


竜貴「…！」

あのカードは…、墓地でシンクロ召喚を行うカード……！

放浪「ーーー墓地のレベル4『不知火の隠者』に、レベル２『妖刀ー不知火』チューニング！！」

辺りに青白い炎が揺らめくーーーー

放浪「ーーー不屈の魂輝かせ、燃え盛る刀で敵を断つ！
現れろ…ッ！レベル6
『刀神ー不知火』！！」[ATK 2500]


《刀神
かたながみ
－不知火
しらぬい
/Shiranui Samuraisaga》 †
シンクロ・効果モンスター
星６/炎属性/アンデット族/攻2500/守 0
アンデット族チューナー＋チューナー以外のアンデット族モンスター１体以上
自分は「刀神－不知火」を１ターンに１度しか特殊召喚できない。
(1)：１ターンに１度、除外されている
自分のアンデット族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻し、
その攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを全て守備表示にする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2)：このカードが除外された場合、
相手フィールドのモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は５００ダウンする。


放浪の展開はまだ止まらないーーー

放浪「ーーー除外された隠者の効果…ッ！
俺の場に転生の陣がある事により、除外されている『不知火の武士』、そして『炎神ー不知火』を特殊召喚！！」

『不知火の武士』[ATK 1800]

『炎神ー不知火』[ATK 3500]


輪廻の果てより再びフィールドに舞い戻った炎神は炎刀を掲げる。
効果を使うためのコストが無いとはいえ、攻撃力3500というのは非常に強大な壁だ。


放浪「……バトルフェイズ……！
『不知火の武士』で『ドラグニティナイトーアスカロン』を攻撃……ッ！！」


『不知火の武士』
[ATK 1800]
ーーーVSーーー
[ATK 3300]
『ドラグニティナイトーアスカロン』


竜貴「……！ 攻撃力はアスカロンの方が上…っ…！」

武士の一太刀がアスカロンに届く直前に、武士の持つ刀が青白い炎を纏う。

放浪「ーーーこのダメージステップ開始時、『不知火の武士』の効果を発動！！」


《不知火
しらぬい
の武士
もののふ
/Shiranui Samurai》 †
効果モンスター
星４/炎属性/アンデット族/攻1800/守 0
「不知火の武士」の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分の墓地のアンデット族モンスター１体を除外して発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで６００アップし、
このターンこのカードがモンスターと戦闘を行った場合、
そのモンスターはダメージ計算後に除外される。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2)：このカードが除外された場合、
「不知火の武士」以外の自分の墓地の「不知火」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。


放浪「……墓地のユニゾンビを除外し、武士の攻撃力を６００ポイント上昇させるーーー」

『不知火の武士』[ATK 1800→2400]


竜貴「…だが、それでもまだアスカロンには届かない…っ！！」


放浪「……それで終わりじゃねぇ……、更にこのターン、不知火の武士と戦闘を行ったモンスターはダメージ計算後に除外される！！」

竜貴「ーーー！！」

そういう事かよ…ッ…！

けどーーーー

竜貴「ーーーまだ俺にも手は残ってんだよ…ッ！！ 伏せカードオープン！！
速攻魔法『禁じられた聖杯』！！」


《禁
きん
じられた聖杯
せいはい
/Forbidden Chalice》 †
速攻魔法
(1)：フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動できる。
ターン終了時までそのモンスターは、攻撃力が４００アップし、効果は無効化される。


放浪「……ッ…！」

竜貴「…この効果で…！ 不知火の武士の攻撃力はエンドフェイズ時まで４００アップし、効果は無効となる！！」

青白い炎を纏った刀に聖杯が降り注ぐ。
それによって刀の炎が消え、その直後にアスカロンとぶつかり合った。


『不知火の武士』
[ATK 2400→2200]
ーーーVSーーー
[ATK 3300]
『ドラグニティナイトーアスカロン』


放浪「…！ …戦神の効果で除外した鍛師の効果で、このターン俺のモンスターは戦闘では破壊されない…！」

竜貴「ーーーだが、戦闘ダメージは受けてもらうぜ…っ！！」


能力を失った武士をアスカロンは返り討ちにし、その際に巻き起こした突風で放浪に反射ダメージを与えるーーーー

放浪「……ッ…！！」【LP 2900→1800】


なんとかダメージは与えたが、まだ放浪の攻撃は終わってない……！


放浪「…戦神ー不知火…！！
今度こそあの精霊を斬り伏せろ…！！
ーーー〝不知火流奥義・紅蓮双破斬〟！！」


『戦神ー不知火』
[ATK 4000]
ーーーVSーーー
[ATK 3300]
『ドラグニティナイトーアスカロン』


戦神の全身全霊の斬撃がアスカロンを切り裂くーーーー

竜貴「…ぐぁぁッ…！！」【LP 1500→800】


放浪「…次の一撃で仕留めるーーーー！！」

次の攻撃に入ろうとする放浪を遮る形で、崩れそうな足を気合いで支えて叫ぶ。


竜貴「俺の魂はまだ…ッ…折れちゃいねぇ…！！
ーーーアスカロンの効果発動っ！！
このカードが相手によって破壊された場合、エクストラデッキから攻撃力3000以下の『ドラグニティ』シンクロモンスター１体を……ッ…シンクロ召喚扱いで特殊召喚するッ！！」

放浪「……！」


竜貴「ーーー同調せし竜騎士よ、フィールドに舞い降り、希望の風をその手に掴め！！
現れろ！！ 一意専心・不屈の魂！！
『ドラグニティナイトーバルーチャ』！！」[ATK 2000]


竜貴「…バルーチャの効果発動！！」


《ドラグニティナイト－バルーチャ/Dragunity Knight - Barcha》 †
シンクロ・効果モンスター
星８/風属性/ドラゴン族/攻2000/守1200
ドラゴン族チューナー＋チューナー以外の鳥獣族モンスター１体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
自分の墓地の「ドラグニティ」と名のついた
ドラゴン族モンスターを任意の数だけ選択し、
装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。
このカードの攻撃力は、このカードに装備された
「ドラグニティ」と名のついたカードの数×３００ポイントアップする。


竜貴「墓地のドラゴン族ドラグニティよーーーーバルーチャの槍に集え！！」

墓地→バルーチャに装備
『ドラグニティーアキュリス』
『ドラグニティークーゼ』
『ドラグニティアームズーレヴァテイン』
『ドラグニティナイトーアスカロン』


竜貴「ーーー更に、バルーチャの攻撃力は、このカードに装備されたカードの数x３００ポイントアップする！！」


『ドラグニティナイトーバルーチャ』[ATK 2000→3200]


放浪「ーーーうぜぇ、うぜぇ…、うぜぇうぜぇうぜぇ！！」

竜貴「……！」

激しく憎悪の念を燃やす放浪に思わず気圧される。

放浪「……クソうぜぇ精霊共が…ッ…！！
ーーー『炎神ー不知火』…！！！ バルーチャを焼き斬れッッ！！」


『炎神ー不知火』
[ATK 3500]
ーーーVSーーー
[ATK 3200]
『ドラグニティナイトーバルーチャ』


攻撃と共に放浪から黒い霧が放たれる。

竜貴「……！！」

その霧に包まれそうになったその時、バルーチャに装備されているアスカロンとレヴァテインのカードが微かに光を放つーーーー

竜貴「……っ…！
…ッこの攻撃宣言時、伏せカードオープン！！
永続罠ーーーー『ドラグニティ・ドライブ』！！！」



《ドラグニティ・ドライブ》 †
永続罠
このカード名の(1)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：以下の効果から１つを選択して発動できる。
このターン、自分は「ドラグニティ」モンスターしか特殊召喚できない。
●自分の魔法＆罠ゾーンの「ドラグニティ」モンスターカード１枚を対象として発動できる。
そのカードを守備表示で特殊召喚する。
●自分フィールドの「ドラグニティ」モンスター１体を対象として発動できる。
自分の墓地から「ドラグニティ」モンスター１体を選び、
装備カード扱いとして対象の自分のモンスターに装備する。


竜貴「……竜騎士の絆は…、この程度の闇じゃ揺るがねぇッ！！ 『ドラグニティ・ドライブ』の効果発動！！
魔法・罠ゾーンに存在する『ドラグニティナイトーアスカロン』を守備表示で特殊召喚！！」


疾風を纏いし竜騎士が再びフィールドに舞い降りるーーーー！


『ドラグニティナイトーアスカロン』[DEF 3200]


竜貴「…アスカロンがバルーチャの装備を外れた事で、バルーチャの攻撃力は３００ダウンーーーー」

『ドラグニティナイトーバルーチャ』[ATK 3200→2900]


放浪「……ッ……！ 攻撃対象をアスカロンに変更…ッ…！！
ーーー〝不知火流奥義・紅蓮爆砕刃〟！！


『炎神ー不知火』
[ATK 3500]
ーーーVSーーー
[ATK 3200]
『ドラグニティナイトーアスカロン』


炎神の炎を纏った一閃によりアスカロンは破壊されてしまうーーーー

だが。


竜貴「……っ…」

放浪「………ハァ……ハァ……ッ…」


これで放浪の攻撃の手は止まった。



放浪「……ターン……エンド…ッ…」




◉TURN:０６◉


竜貴「……ぜぇ……はぁ……っ…俺の、ターン…！」[手札 2]


あと少し……あと少しなんだ…！！

身体………保ってくれよ……ッッ…！！







To Be Continued…






《次回予告》


小次郎「……終焉の焔は恐らくこの洞窟の中に入り込んだはずです。竜貴殿もそれを追ってこの奥にーーーー」

結維「…どうしてそれがわかったんですか？」

小次郎「この洞窟の最奥部には精霊のカードが眠っているんです。結維殿が言っていた『精霊レーダー』の存在を考えると、終焉の焔の連中はすぐにこの洞窟へ向かうかと」

結維「……なるほど、ね」

小次郎「…最奥部までの道は把握しているのでご安心を」

結維「………それは助かるわ。
それにしても、中、暗そうですね」

小次郎「…入り口付近はほぼ真っ暗ですが、奥の方はランプで照らされていたと思いますよ。
……では、参りましょうか。結維殿」




「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１６９《魂宿る拳》」




小次郎「ーーーーって、結維殿……どうして僕の袴の裾を掴んでいるんですか…？」

結維「……え、いや、なんでもありませんっ！！
気にせず早く進んでくださいっ！！
……できれば！！
…ランプの照らすとこまで！！
はやく！！」

小次郎「…え…、は、はいっっ！」





＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙