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HOME > 遊戯王SS一覧 > Report#83「研ぎ澄まされし逆鱗」

Report#83「研ぎ澄まされし逆鱗」 作:ランペル


 正義を示さんと霧隠によって始められた渚とのデュエル。霧隠の歪んだ正義を打ち破るべく、渚がデッキトップから力強くカードを引き込む。

「ボクのターン、ドロー!!」
手札:5枚→6枚


渚ーLP   :4000
手札     :6枚
モンスター  :なし
魔法&罠   :なし

ーVSー [ターン2]

霧隠ーLP  :4000
手札     :1枚
モンスター  :《X・HERO ワンダー・ドライバー》[EXM攻]、《M・HERO ダーク・ロウ》[攻]、《E・HERO サンライザー》[攻]、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》[守]
魔法&罠   :《V・HERO インクリース》、伏せ×3


「(あの妨害数……ここで、差を埋められるカードを引かないと手数で負けてしまう)」

 動揺を見せないように振舞っていた渚だが、引いたカードを確認するその一瞬だけは表情が強張る。

「少し……来るのが遅かったね」

 カードを表へ返し、そう呟いた渚は引き込んだカードを霧隠へと晒す。

「ボクのフィールドにカードがない事で、手札の《マルチャミー・フワロス》を捨てて効果発動だ。君がデッキか、EXデッキからモンスターを特殊召喚する度にボクはデッキから1枚ドローさせてもらう」
手札:6枚→5枚

「ふっ、皮肉なもんだ。そいつが初手にさえあれば、俺の展開を眺め続けに済んだってのに」

 黒鉄の仮面の下で、渚の運のなさを嘲笑う霧隠。しかし、その様を笑い返す渚は手札から《RR−トリビュート・レイニアス》を虚空へと放った。

「確かにそうだ……。でも、この手札なら最良の引きかもしれないよ。なんせ、君の盤面はこれで半壊する事になる」

 捨てられた手札が、虚空の彼方へと消えると共に渚の手から新たなカードが高く掲げられた。

「絶対無敵!究極の力を解き放て!
発動せよ……《超融合》!」
手札:5枚→3枚

 発動と共に鳴り起こる雷鳴。渚の頭上で渦巻く暗黒の雷雲が、凄まじい風力で霧隠のフィールドのモンスター達を引き寄せていく。

「てめぇ……!?」

「《超融合》の発動に対して、他のカード効果は発動できない。
君のフィールドから《M・HERO ダーク・ロウ》、《E・HERO サンライザー》、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の3体を素材に融合。
融合召喚!

来たれ、《V・HERO トリニティ》!」[攻5000]

 光と闇を司るヒーロー。そして、不死鳥の力を宿したヒーローの3体が、成す術なく渚の背後の雷雲へと飲み込まれた。暗雲を搔き消し、稲妻と共にフィールドへと降り立ったのは、赤き戦士。素顔を隠そうとも、彼の内に宿る正義は誰にも否定する事など出来やしない。堂々とした佇まいのヒーローは拳を振り上げ、取り込んだ力を誇示する。

「知ってると思うけど、トリニティは融合召喚した場合に攻撃力がターン終了時まで元の攻撃力の2倍となるよ」

「ふざけるなよ鳥女……。なんでてめぇがそのカードを……!?」

「あぁ、口上はなかなか様になってただろう?どっかのデュエル脳に、嫌々レクチャーされてね」

 不敵な笑みを浮かべる渚に、霧隠は右手の拳を握り締め、溢れる怒りのままに思い切り地面を踏みつけた。

「ふざけるなっつってんだ!?てめぇのデッキになんで《超融合》とトリニティが入ってるのかを聞いてんだ!」

「あ、そっちの話ね……。
逆に驚かれても困るんだけど、《情報屋》であるボクが君のデッキを対策出来ていないとでも思ったのかな?」

 渚は右手に残された3枚の手札を持ったまま、やれやれと言ったように両手を持ち上げ首を小さく振る。

「勘違いしてるみたいだから、1つ伝えておくよ霧隠さん。
ボクは別に、君よりデュエルが弱いから従っていた訳じゃないんだよね。いくらデッキの内情をある程度知って対策しても、有効なカードを引けなければボクの命はそれまで……。そんなリスクをわざわざ背負う必要がなかったから、今まで君を野放しにしていただけの話」

「あーそうかよ!?邪悪なお前の戯言なんざどうだっていい。本当に俺を殺せるっつーんなら、殺してみろよ鳥女!モンスターは除去されようが、てめぇの少ねぇ手札で俺の妨害を潜り抜けられると思うなよ!?」

 表情こそ仮面で隠せていても、身振りが大きくなった事で霧隠が動揺している事は容易に渚へと伝わった。渚は、口元を手札で隠しながら小さく笑うとその中から1枚を左手で掴み取る。

「言われずとも……《RR−ミミクリー・レイニアス》召喚。さらに、鳥獣族の召喚に反応して手札の《絶神鳥シムルグ》を見せて効果発動!手札からシムルグモンスターである自身を召喚」[攻1100][攻1800]
手札:3枚→2枚→1枚

 黄色の目立つ機械質な鳥が翼を広げフィールドへ羽ばたくと、それに続くように黒い風へ乗って黒翼の神鳥がフィールドへ鉤爪を降ろす。

「召喚に成功した《絶神鳥シムルグ》の効果により、デッキから《護神鳥シムルグ》を墓地へ送り効果発動。デッキからシムルグ魔法の《神鳥の排撃》を手札へ加える」
手札:1枚→2枚

 絶神鳥が翼を羽ばたかせると、デッキより1枚のカードが吹き飛ぶ。ひらひらと鳥の羽が落ちていくように、吹き飛んだカードは渚の手へと加わった。

「手札の鳥獣族《RR-ノアール・レイニアス》をコストに《シムルグの排撃》発動。相手の魔法&罠ゾーンのカード全てを持ち主の手札へと戻す!」
手札:2枚→0枚

「通す訳ねぇだろうが!チェーンして《ダーク・スプレマシー》発動!
俺の墓地の《ダーク・フュージョン》及びそのカード名を含む魔法カードの数まで、てめぇの表側カードを対象に、その効果をターン終了まで無効化させる……。俺の墓地で条件を満たしたカードは3枚!つまり、てめぇの《神鳥の排撃》、《RR−ミミクリー・レイニアス》、《V・HERO トリニティ》の効果を無効化だ。これで、俺の伏せは手札に戻らず、トリニティの攻撃力も元の2500に戻る」

 対象となった3枚のカードの周囲を暗雲が囲い、その力を奪い去り無力化する。

「んで、さっきの発動で手札も0だ。こっからでも俺の正義を否定できるっつーのか?」

「運命の赴くままってやつだろうね。ボクは、《RR−ミミクリー・レイニアス》と《絶神鳥シムルグ》の2体でオーバーレイネットワークを構築。
エクシーズ召喚。

来たれ、ランク4《RR−フォース・ストリクス》!」[守2000]

 ガコンと重厚な翼が機械的に開き、フクロウ型のモンスターがフィールドへと飛来する。その召喚に反応して、霧隠は機械義手が変形したデュエルディスクへ指示を送った。

「サーチなんざさせねぇよ……伏せていた《フェイバリット・コンタクト》発動!HEROを素材とする融合を、手札、フィールド、墓地、除外されたモンスターの中からデッキへと戻し呼び寄せる。俺は除外されている《E・HERO ネオス》と墓地の《E・HERO フレイム・ウィングマン-フレイム・シュート》をデッキへと戻し融合。
融合召喚!

光の力で邪悪を砕け、レベル8《E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン》!」[攻6400]

 神々しい光と共にフィールドへ差し込むのは、鋼鉄の翼を広げた光の英雄。自らの正義を誇示するように、雄々しく翼と両腕を広げたヒーローが定められた邪悪を打ち倒すべく渚の前へと立ち塞がる。

「ネオス・ウィングマンの特殊召喚により、《X・HERO ワンダー・ドライバー》の強制効果!それに続き、ネオス・ウィングマンの効果発動だ。
フィールドの属性の種類までてめぇのカードを破壊できる。フィールドには光と闇の2属性。つまり、お前の《RR−フォース・ストリクス》と《V・HERO トリニティ》の2体を破壊だ!」

 ネオス・ウィングマンが両腕へと光のエネルギーを集約させる。そして、勢いよくその腕を振るうと光の刃が音速で2体のモンスターを切断した。

「ワンダー・ドライバーの効果により、俺の墓地から《マスク・チェンジ》をセット。
これでもまだ俺の正義を砕けるつもりかよ!?手札だけでなく、フィールドのカードも全部ぶっ壊してやった!さらに、俺のシャイニング・ネオス・ウィングマンの攻撃力は、俺の墓地のモンスターの数×300上昇している。4000ぽっちのライフなんざ、こいつの一撃で吹き飛ぶんだよ!!」

 黒鉄の仮面越しに、絶叫まがいの笑い声をあげる霧隠。それに対して、渚がデュエルディスクへカードを差し込む。

「それは怖いね。ボクのターンのメインフェイズに君がモンスター効果を使用している事で《三戦の才》発動だ。相手の手札を確認し、その中から1枚をデッキに戻す効果を選択する」
手札:1枚→0枚

「あ!?バカな、手札は全部使い切って……」

 存在しないはずの手札が使われた事に、動揺を見せる霧隠。渚はその様を煽っていく。

「どうしたんだ霧隠君。冷静さが足りないなぁ、ボクよりよっぽど鳥頭なんじゃない?いや、鳥男かな?」

 渚の挑発に反応し、霧隠が残された手札を墓地へと送り込む。

「そうか……《マルチャミー・フワロス》でのドローか……。
だが、やっぱ鳥頭なのはてめぇだよ!手札の《ミラクル・フュージョン》をコストとし、伏せていた《超融合》を発動!
前のターンに効果を使用した《E-HERO ヘル・ライダー》の効果により、《ダーク・フュージョン》の効果でのみ呼び出せる融合をそれ以外の方法でも融合する事が出来る。
《E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン》と、《X・HERO ワンダー・ドライバー》の2体で融合!!

闇の力で正義を貫け、《E-HERO ネオス・ロード》!」[守2000]


  =====
《E-HERO ネオス・ロード》
融合 闇 ☆10 悪魔族 攻2500 守2000
「E・HERO ネオス」(またはそのカード名が記された融合モンスター)+フィールドの効果モンスター
このカードは「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが特殊召喚した場合、またはこのカードがモンスターゾーンに存在する状態でモンスターが相手の墓地へ送られた場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。
②:フィールドのこのカードは戦闘・効果では破壊されない。
 =====


 霧隠の背後で巻き起こる雷雲。その暗闇へと彼のフィールドのモンスターが飲み込まれると、重々しい何かが迫る音が響く。瞬間、霧隠の背後を覆っていた雷雲が掻き消え、その中心から現れたのは、黒き鎧に身を包んだ人型のモンスター。まるで王のようにゆっくり、そして堂々とした足取りで歩みを進め……立ち止まる。彼の佇まいは、まさしく覇王と評するに相応しく、威圧的で圧倒的であった。

「悪の王様って感じかな……?嫌な空気だよまったく……」
手札:0枚→1枚

 呼び出されたモンスターの覇気に当てられた渚の額から、一筋の汗が流れ落ちる。自らに走る緊張を有耶無耶にするべく軽口と共に、《マルチャミー・フワロス》の効果でカードを引き込む。

「その1枚で逆転しようと考えてんだろうが……果たされる正義は俺の物だ!
《三戦の才》を引き込んだのは褒めてやってもいいが、ここまでなんだよ。お前が引き込んだそのカードの使い方をミスった事で、俺の正義がこのまま証明されることになる!てめぇの死によってなぁ!!!」

 渚はその場に流れる邪悪な空気へ飲まれそうになりながらも、懸命に口元で笑みを作った。己の自信と運命力、そして悪辣な正義を気取る眼前の男へ、それが過ちである事を示す為に。

「ミス……?
ボクの目的は完璧に果たされた。君に《超融合》を発動させるという目的がね!」

「なに……!?」

 デュエルディスクの墓地よりカードが排出され、それを虚空へと放る渚は高らかに宣言する。

「これで君は能動的に妨害を使えなくなった!後は、ボクが君に引導を渡すだけ。
墓地の《RR-ミミクリー・レイニアス》を除外し効果発動。デッキからRRカード、《RR-ブルーム・ヴァルチャー》を手札へ!」
手札:1枚→2枚

 発動により小さく響く鳥の唸るような鳴き声。デッキから飛び出したカードを引き抜いた渚が、そのカードをすぐ様墓地へと送り込む。

「手札の《RR-ブルーム・ヴァルチャー》をコストに《シムルグの来寇》発動。デッキからシムルグモンスター2体を手札に加える。
ボクは、《ダーク・シムルグ》と《絶神鳥シムルグ》を手札へ!」
手札:2枚→0枚→2枚

 手札のカードがサーチされた2枚と入れ替わった瞬間、渚のフィールドで2体の機械鳥が飛び上がった。

「自分フィールドにモンスターが居ない事で、墓地の《RR-ブルーム・ヴァルチャー》効果発動。墓地から自身と《RR-ノアール・レイニアス》の2体を特殊召喚する」[攻300][攻1600]

 交錯しながら滑空した機械鳥達が羽を休める。その内の黒い装甲に覆われるノアール・レイニアスが、かん高い鳴き声を上げた。
 
「ノアール・レイニアスの効果を自身を対象に発動だ。対象モンスターとレベルの異なるRRをデッキから手札に加えられる。ノアール・レイニアスのレベルは4。よってボクは、レベル3の《RR-ヒール・イーグル》を手札へ。
そして、ヒール・イーグルをそのまま特殊召喚!」[攻700]
手札:2枚→3枚→2枚

 薄い紫色の翼を広げた鷲が、フィールドへと静かに降り立つ。

「ヒール・イーグルは、フィールドにRRがいる時に、手札から特殊召喚できるよ。さらに、墓地の風属性《護神鳥シムルグ》と闇属性《絶神鳥シムルグ》を除外し、手札から《ダーク・シムルグ》も特殊召喚だ」[攻2700]
手札:2枚→1枚

 ヒール・イーグルへと続くのは、黒く巨大な翼で羽ばたく神鳥。その羽ばたきで起こる風が、渚のコートを揺らし、霧隠の身にまとう装甲を撫でる。

「《RR-ヒール・イーグル》と《ダーク・シムルグ》でリンクマーカーをセット。
リンク召喚。

来たれ、《RR-ワイズ・ストリクス》」[攻1400]

 《ダーク・シムルグ》が《ヒール・イーグル》を引き連れ、リンク召喚のゲートへと飛び立つ。2体が右下と左下のマーカーへとそれぞれ吸い込まれた事によって、右目へモノクルを装着した賢明な機械フクロウが、フィールドへと羽ばたいて行く。
 
「ワイズ・ストリクスのリンク召喚時の効果発動。デッキから鳥獣族、闇属性、レベル4モンスターを効果無効にして守備表示で特殊召喚させてもらう。
君がネオス・ロードの効果を使わないのであれば、そのまま効果処理に入らせてもらおうかな?」

「安い挑発だな……。わざわざ低攻撃力晒して負け筋を作る訳ねぇだろうが」

「あっそう、ならデッキから《レイダーズ・ウィング》を特殊召喚させてもらうよ」[攻0]

 青い炎を巻き上げながら新たな機械鳥がフィールドへと飛来する。そしてすぐ様、ノアール・レイニアスと共に交錯しながら羽ばたく。

「《レイダーズ・ウィング》と《RR-ノアール・レイニアス》でオーバーレイネットワークを構築。
エクシーズ召喚。

来たれ、《RR-フォース・ストリクス》」[攻1100]

 2度目となるフォース・ストリクスのエクシーズ召喚。最初は効果を使う事なく除去されたものの、今回はその本分を発揮する。

「フォース・ストリクスの効果発動。オーバーレイユニットを1つ取り除いて、デッキから鳥獣族、闇属性レベル4の《RR-ストラングル・レイニアス》をサーチさせてもらう」
手札:1枚→2枚

 フォース・ストリクスの周囲を巡回する2つのオーバーレイユニットの内1つが弾けると共に飛び出すデッキのカード。その一連の処理を霧隠は仮面越しにただ静かに傍観していた。

「RRエクシーズが効果を発動した事で、《RR-ワイズ・ストリクス》の効果発動だ。デッキからRUM魔法カード1枚をボクのフィールドへとセット出来る。
ここでもネオス・ロードの効果は使わないのかい?」

「誘導が稚拙なんだよ鳥女。わざわざ全員を攻撃表示で呼んでるのがその証拠だ。ネオス・ロードの破壊耐性が厄介なんだろ?生憎、お前の策略にハマってやるほど俺の正義は甘くねぇんだよ!」

 声を荒げる霧隠を前に、デッキから飛び出したカードをデュエルディスクへと伏せる渚。

「親切心で言ってあげたってのに。なら、デッキから《RUM-ファントム・フォース》をセット。そして、この効果で速攻魔法を伏せた場合は即時発動が可能になる。
墓地より闇属性の《ダーク・シムルグ》を除外し、《RR-フォース・ストリクス》を対象に《RUM-ファントム・フォース》発動!除外した闇属性の数だけランクが上のモンスターへランクアップさせる」

 フィールドへと現れた飛躍の渦。バチバチと火花の飛び散るその渦へと、フォース・ストリクスが身を投じていく。

「フォース・ストリクスを素材にオーバーレイネットワークを再構築……。
逆境の中で研ぎ澄まされし逆鱗震わせ、革命と殲滅の狼煙とせよ!
ランクアップ、エクシーズチェンジ!

来たれ、ランク5《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》!」[攻3000]

 召喚の爆発と共にフィールドへと飛来したのは、巨大な翼を広げた黒竜。鋭利な逆鱗が鈍く光り、黒竜の突き刺すような眼光が仮面の奥に宿る霧隠の瞳を貫く。

「ぐっ……!?」

「おっと、まだ下準備が必要だ。ボクのフィールドに闇属性が居る事で《RR-ストラングル・レイニアス》の効果発動。
自身を特殊召喚」[攻1400]
手札:2枚→1枚

 アーク・リベリオンの背後より特殊な形状の機械鳥が甲高い鳴き声と共に飛来した。すると、尾の部分より鋭く尖ったワイヤーフックが地面に向けて放たれる。

「闇属性エクシーズを素材としている《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》が居る事で、ストラングル・レイニアスの効果発動。墓地から《RR-ノアール・レイニアス》を特殊召喚」[攻1600]

 地面へと放たれたワイヤーフックは、地面を貫通し墓地よりノアール・レイニアスを引き上げる。引き上げられたノアール・レイニアスが飛び立つと共に、ワイヤーが勢いよく巻き取られていく。

 その登場に反応し、アーク・リベリオンの翼が稼働していく。

「《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》のオーバーレイユニットを1つ使い、効果発動。このカードの攻撃力は、フィールドの他のモンスター全ての元々の攻撃力分上昇する!つまり、攻撃力が7200アップし、10200となる!」[攻10200]

 アーク・リベリオンの稼働した翼から勢いよく青い炎が噴射される。噴射された青い炎も、黒竜の翼の一部となり、どんどんと翼が大きく広がっていくのだ。炎の翼を広げたアーク・リベリオンが、咆哮を放つ。
 放たれた圧倒的威圧感を全身に浴びる霧隠は、右手を大きく広げた。

「正義は……邪悪に屈したりしねぇ!《E-HERO ネオス・ロード》の効果発動!お前のモンスターが墓地へ送られた場合に、相手モンスター1体のコントロールを得る!圧倒的な力は必ず正義へと降るんだよ!
来い、アーク・リベリオン!お前を邪悪から解放し、正義を示す糧としてやる!」

 鎧で覆われた霧隠の右腕が、唸り声をあげる黒竜へ招き入れる様に伸ばされた。しかし、伸ばされた手に対し黒竜は、威圧的に目を細めるばかりで敵対を解除しようとしない。

「なに……?俺が正義だぞ?なぜ、こちらへ来ない……?」

「アーク・リベリオンが闇属性エクシーズを素材としてこの効果を発動した場合、自身以外の全てのカード効果を無効化する。つまり、君のネオス・ロードの効果は既に無効化されていたんだよ。当然、破壊耐性もね」

「なん……!?」

 バッと視線を己のモンスターの元へと向けた霧隠。そこには、先程まで仁王立ちしていたはずのネオス・ロードが膝をついていた。
 
「《RR-ストラングル・レイニアス》と《RR-ブルーム・ヴァルチャー》の2体でオーバーレイネットワークを構築。
エクシーズ召喚。

来たれ、ランク4《レイダーズ・ナイト》!」[攻2000]

 霧隠の動揺をそのままに追撃する渚。馬の嘶く声と共にフィールドへと駆け込んでくるのは、黒い馬に跨る頑強な鎧で身を包む騎士だ。青い炎を迸らせながら、騎手が槍を振るう。

「これで勝ったつもりか!?バカが!アーク・リベリオンの効果を使ったお前はもうそいつでしか攻撃できねぇんだぞ!?ネオス・ロードは守備表示!
結局は、正義が追い詰められるシチュエーションをなぞってるにすぎねぇだよ!俺の正義が降る事などあってはならねぇ!!」

「おめでたいね。ここまで来てそんなミスすると思ってるなんてね。
《レイダーズ・ナイト》のオーバーレイユニットを取り除き、効果発動。自身を素材に1つ上のランクのエクシーズへとランクアップできる。
ランクアップ、エクシーズチェンジ。

来たれ、ランク5《RR-ブレイブ・ストリクス》!」[攻2000]

 瞳を緑に輝かせたフクロウ型の機械鳥が呼び寄せられる。緑の装飾が華麗に映る翼を広げ、勇ましく自己の存在を示す。

「ブレイブ・ストリクスの効果発動。鳥獣族を素材としている時、オーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキからRUM魔法カード1枚を手札に加える事が出来る。ボクが手札に加えるのは《ЯRUM-レイド・ラプターズ・フォース》だ」
手札:1枚→2枚

 渚はデッキから飛び出したカードを手札に加えると、すぐさまにカードを空中へと放ってしまう。その瞬間、ブレイブ・ストリクスがそれを鉤爪で掴むと、天井を突き抜け飛び立つのだ。
 何の宣言もなく行われたその行為に、霧隠は苛立ちに焦りを滲ませながら吠える。

「てめぇ……何の真似だぁ!?」
 
「すぐに分かるよ。エクシーズ召喚。

来たれ、ランク6《RR-レヴォリューション・ファルコン-エアレイド》!」[攻2600]
手札:2枚→1枚

 飛来したのは、革命の隼。霧隠の頭上を滑空すると両翼の内側が開かれ、そこから大量の爆弾が投下されていく。

「このカードは手札のRUM魔法カードを捨てる事で、ランク5以下のRRに重ねてエクシーズ召喚が行える。そして、エクシーズ召喚成功時に、君の《E-HERO ネオス・ロード》を対象に破壊し、元々の攻撃力分のダメージを与える!
レヴォリューショナル・エアレイド!」

 投下された爆弾が、挫かれたネオス・ロードへと触れた。その瞬間に爆弾は勢いよく弾け、無数の炎が周囲へ降り注ぐ。それへ続くように数多の爆弾が霧隠のフィールドを爆破していき、その中の1つが霧隠へと直撃する。

「がぐぁはっ!?」

霧隠LP4000→1500


 弾けた爆弾は、霧隠の纏った仮面の右側の装甲を砕き、そのまま破片が霧隠の顔面へと突き刺さっていく。痛みに悶絶する霧隠は爆風と共に後ろへ吹き飛び、背中から地面へと倒れる。

「うぐっぁ、ああああぁぁ!!?目っが……!?あぐぁ、クソ!?
俺の……俺の正義は間違ってねぇだろうが!?何故正義がこんな目にばかり遭わなきゃいけねぇ……!?ようやっと、誰からも否定されない俺の正義を手にしたんだぞ!?
それが、なんでてめぇなんかにぃぃぃぃぃ!?」

 地面で藻掻き苦しむ霧隠。彼の上体がふらつきながらも起き上がると、爆撃と爆風で装甲の剥がれた仮面から、既に視力の失われた血まみれの右目が絶叫を乗せながら渚を睨みつけていた。

「運命とやらが、君の正義を認めなかったって事なんだろうさ。
バトルフェイズ」

 渚の宣言を受けた黒竜は、炎の出力を上げ、青く燃え盛る巨大な翼を広げながら飛び上がる。

「《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》で、ダイレクトアタック!」[攻10500]

「あり得ねぇ……間違ってるのは全部お前らだったじゃねぇかぁぁあああ……!!」

 一直線に標的へと急降下していく黒竜。翼の青い炎がジェットの役割を果たし、加速しながら顎の逆鱗が真っすぐに霧隠の胸部を捉える。

「ガ…………」

霧隠LP1500→0


 響くのはガラスの様に装甲が割れる音と爆音。音に遅れて衝撃波と共に激しく粉塵が舞い散る。風圧が渚のコートを揺らし、足元へは勢いよく大量の血しぶきがべシャリと飛び散った。
 圧倒的な速度と巨体を前に、霧隠の体は貫かれると共に押しつぶされたのだろう。霧が晴れ、黒竜が首を持ち上げると、白かったはずの床は赤黒く染まり地面が抉られているのが見えるだけだ。

「かもしれないね……。
でも、生きる事に間違いは付きものだよ」


ピーーー


「霧隠様のライフが0になりました。勝者は福原様です。」

 アナウンスが勝者の名を告げると閉じられたシャッターが持ち上がり、血と死の匂いで満たされた閉鎖空間内の空気が外へと排出される。
 緊張が解けた渚はその場へ、倒れるように座り込む。

「はは……何か1つでもかけ違ってたらって考えると……まったく、我ながらよく生きてるもんだよね」

 まるで話しかけるように、消えゆくリアルソリッドビジョンの黒竜を視界に捉える渚。首をもたげながら消失する黒竜の足元へ、黒い鎧の破片と血肉の残りがぼたぼたと落ちていった。

「はぁ……詰めが甘かったな。いや、今はゆっくり出来る状況でもない。梨沙君を追いかけないと……ね」

 周囲を漂う死の臭いにももはや慣れてしまったのか、表情を歪めることなくゆっくりと腰を持ち上げた渚。立ち上がりふと振り返ると、誰かがこちらへと歩いて来ていた。

「……!
あぁ、君か。無事でよかったよ久能木君」

「………」

 現れたのは、別れて行動していた久能木。そのの顔色から陰りを読み取った渚は、やれやれと言ったように久能木へ言葉を与える。

「……そっちもか。相手が誰にせよ、殺しなんてのは気分が悪いったらないよね」

 その口の動きを目で追った久能木は、周囲に立ち込める血の臭いに顔をさらに歪めながら、ポケットから取り出したメモへと言葉を落としていく。

   *****
無事か?ケガもなし?
   *****

「あぁ、そこは問題なしさ。駆け引き次第で、ボクはここにいなかったかもしれないけどね」
 
 小さく渇いた笑いを零す渚。そんな彼女へ久能木は、再びメモを渡してくる。

   *****
他の2人は?何故1人で居る
   *****

「2人は先に行ったよ。
悪徳弁護士が居たのを覚えてるかい?彼は始末しておこうと裏で動いてたんだけど、それがバレちゃってね。彼の正義に反するって事でさっきデュエルを挑まれてたとこさ。
うーん……自分で言ってて何だけど、これじゃボクが一方的に悪いようにしか聞こえないね?」

 ははっと笑いを交えながら久能木へと状況を伝える渚。彼女の飄々とした態度に反して、久能木の表情は険しくなっていた。

   *****
初耳だ
俺に相談もなかったのはどういう事だ?
   *****

 メモに目を落とした渚が驚いた様に、久能木の顔を見遣る。そこには、真剣な眼差しでこちらを見つめてくる青年の顔があった。

「そうだな……。言うなら、魔が差したとでも言おうか。元々予定していた計画の一部だったし、梨沙君達と思う通りの協力関係を結べなかったやっかみもなくはない。互いに譲歩した結果だし、今の関係に不満がある訳ではないんだけどね。
まぁ……今回の事はボクの采配ミスでしかないよ」

 渚が自らの失敗を認めるも、久能木は新たなメモへと言葉を落とし続ける。

   *****
不用意な事をして、これ以上信用を落とすべきじゃない
短絡的な行動はあなたらしくない
   *****

「……心に来る言葉だよ。ここ数年、集団を意識した行動をして来なかった弊害かもね……」

 渚は、文字へと目を通しながら小さく溜め息を漏らす。顔を上げない彼女へ久能木から間髪入れずメモが差し出される。
 
   *****
得手不得手は誰しもにある
自分の精神状態に合った行動かどうかさえ自覚すれば、あなたの行動を否定する余地はない
   *****

「ふふ……君がこんなにメモを渡してくるって事は、相当目に余ると見える……」

 次々と渡される筆談メモに、渚は自嘲的な笑いを最後に目を閉じる。そして、意を決したように口を開く。

「ご忠告感謝するよ。どうやら、ボクはまだ実験の真実でのショックから立ち直りきれていないのかもしれない……。動揺が抜けていない今のボクが独断で決めた選択は、確かに碌な事にならないだろう。
しばらくは、誰かへの相談を前提に考えを巡らす事とするよ」

 渚の言葉を読み解いた久能木は頷くと、指先で渚の背後を指差す。

「あぁ、今は梨沙君達との合流が先決だ」

 渚は久能木へ背を向け梨沙達を追いかけるべく、足を前へと踏み出した。
 
 しかし、その歩みにもう片方の足は続かない。何故なら、渚の眼前に白衣を羽織った長い黒髪の女性が立っているからだ。左腕へと備えたデュエルディスクを構えるでもなく、ただただその場に佇む女性。だが、前髪で隠れていない右目は確かに渚達を視界に捉えている。

「どちら様かな……?」

 渚がデュエルディスクをゆっくりと持ち上げ警戒しながら、眼前の女性へと問いかける。すると、彼女は薄っすらと微笑みながら言葉を発した。
 
「69の0141番。穏健派であったはずの君がクラスⅢへと躍進し、さらには実験そのものの構造を変革させようというその計略。実に観察し甲斐のある行動だと言えるよ」

 低い声の彼女は渚の問いかけに答えず、どこか上からの物言いで何かの番号と共に言葉を羅列する。その言葉が自分に向けられたものである事を渚は理解すると、その内容に異質さを感じずには居られなかった。

「その口ぶりは、ボクの行動を知っているって事か。……その白衣にも覚えがある。
つまりは、そういうことなんだろう……?」

 渚のカンが眼前の女性の正体を告げる。頭に浮かぶ推測とそれに追従する感情のままに、鋭くなった渚の視線を受けた女性は、前髪を指先で払い除け隠された左目を晒す。その目は緑色に発光しており、まるでカメラのレンズのように瞳孔が拡大と収縮を繰り返していた。

「そう、我々はここでの全てを見ていたよ。君達がこの実験を終わらせようと動いている事もね」

 彼女の言葉の終わりと共に、久能木は渚の一歩前へと出ながらデュエルディスクを構える。

「………」

「あぁ、実に好戦的な構えだ。しかし良いのか、71の3374番?これでは、君の守るべき恩人もデュエルに巻き込む事になるのではないか?」

 首を傾げながら問うてくる女性。渚は久能木の横へ並び立ち、その質問の無意味さを笑う。

「はっ、どちらにしろボク達の前に来たってことは最初からあなたもそのつもりで来たんだろう?
なら、2人がかりで相手させてもらうよ」

 渚の構えたデュエルディスク。それにより、デュエル開始のアナウンスが呼び寄せられていく。 


ザザッピー
「ただいまよりフリーエリアにてデュエルを開始します。
ルール:マスタールール
LP:4000
モード:バトルロイヤル
リアルソリッドビジョン起動…。」


 女性はデュエルを挑まれた事に動揺するでもなく、淡々と自身がここに居る理由を喋り始める。

「我々の目的と言えるのは、君の元で匿われた研究員の残党を排除しきることにある。生憎、排除を依頼した52の1564番は73の0109番と交戦中みたいでね」

 発光する緑眼を閉じ、目元を左手で覆い始めた女性。何かを確認するかのように小さく首を動かしている。

「だったら何故ここへ来た?目的の研究員さんはここには居ない。それが、分からない訳でもないだろう」

「君の言う通りだ。対象の研究員は…………65の0855番と共に無事グリーンフロアへと到達した様だよ。
つまり、私がここに居るのには別の理由がある」

 まるで現場を確認しながら喋っているかの様な素振りを見せる白衣の女性は、そう言い終えると左目を開いた。その左目は、相変わらず人の瞳とは似ても似つかない機械的な挙動をし続けている。

「目的を無視してまで、ボク達に会いたかった理由……か。さぞ、素晴らしい理由があるんだろうね」

 探りを入れる渚に、白衣の女性はカッと両目を見開くと口元を緩めながら語り始める。

「フフ……自らの手で計りたくなったのだよ。69の0141番の心境の変化がどういったものなのかを。そして、己の計画を曲げてまで65の0855番の脱出に手を貸す事へどれ程同調しているのか。果ては、君の意識を改革した65の0855がどれ程の影響を他者に与えているのかを、より近くで感じ取る必要性を感じた訳だ」

 女性は緑と黒の瞳をギラギラと輝かせながら、己の内を曝け出す。
 
「君のここ数日間における活発さは、間違いなく彼女との交流による心理的変化の影響が大きいはずだ。これらを計る為には、安全な場所から観察しておくに留めておくべきではない。私自らが実験へと参加し、1つの試練として役割を担うことによって、より上質な観察結果をもたらすことが出来るだろう?人類の発展の為に、私はより一層人間がなんなのかと言う事を理解していかなければならない。肉体という枷から外れた事を自覚して尚、外の世界へ飛び出そうという65の0855の思考回路。そして、それに追従する君達の物事の捉え方。あぁ、どれほど時間を要しても足りやしない。だからこそ、より密接な関わりと観察が必要ということだな。
このデュエルに君達が勝てば、観測者である私から実験に対するさらなる情報を獲得できるチャンスとなるだろう?つまりは、特異的な報酬が現れたんだ。それに対する君達の反応、デュエルへの本気度、それらから君達が受けた65の0855からの影響と、考えを密に捉えることが出来る。一挙一動ありとあらゆる言動、所作もろもろの全てが、私の求める観察結果をより良質な物へと変容させる事……。
それを願い、私は君達の前にこうして現れる運びとなった訳だ。過去に例を見ない行動の連続に、興味を持つなと言う方が無理なのも分かるだろう?」

 饒舌に吐き散らした白衣の女性は、ゆっくりと左腕を持ち上げ臨戦態勢を取った。
 渚はため息を吐くと共に久能木へアイコンタクトを送る。それに対して、静かに首を縦に振った久能木と共に敵を見据えた。

「逆に安心したよ……。こんな実験を主導してるヤツも、ここに居る頭のおかしい連中と大差ないって事が分かってさ!
行くよ久能木君。彼女の知っている事の全てを梨沙君達への手土産にしよう」

「………」

 渚と久能木がデッキからカードを引き込むのを確認した白衣の女性は、異質な緑眼を大きく見開き対峙する2人をその視界へと捉えた。

「ただ今より、69の0141番及び71の3374番2名の観測者参加型観察実験を行わせてもらおう。担当は私、西澤 麻世理が請け負う。
ぜひ、有意義な時間を共にしようじゃないか」

 
 「デュエル!」   LP:4000
 「………」      LP:4000

 「デュエル」    LP:4000
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