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Report#2「痛み」 作:ランペル



梨沙-LP:7700
手札   :4枚
モンスター:《ゴーストリック・キョンシー》[セット]
魔法&罠 :なし

ーVSー [ターン1]

朱猟-LP:8000
手札   :4枚
モンスター:なし
魔法&罠 :《種砲連射》



「行くぜ、俺は手札から魔法カード《融合》を発動。手札の《捕食植物フライ・ヘル》と《捕食植物モーレイ・ネペンテス》で融合…
融合召喚…!

レベル8…全てを喰らい尽くせ《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》!」[攻2800]
手札:4枚→1枚


彼がモンスターを呼び出すと私の前には暗がりの中、唸り声と共に毒々しい竜が現れた…。

「これが…ソリッドビジョン…」

普通のソリッドビジョンではない…リアルソリッドビジョン…実体化したモンスターは今にも私を食べてしまうのではないかと思える程の迫力と威圧感を発していた。

「それじゃぁ~お手並み拝見と行かせてもらうぜぇ?俺はこれでターンエンドだ」



朱猟-LP:8000
手札:1枚



スターヴ・ヴェノムの体の光る玉とその口から出る液体がそのモンスターの不気味さをより一層引き立て、嫌でも怖さを感じてしまう…。

「(けど…私はこんなところで死ぬ訳にはいかない…!)


 [ターン2]


「私の…ターン。ドロー」
手札:4枚→5枚


「私はセットされている《ゴーストリック・キョンシー》を反転召喚」

私がキョンシーを反転召喚すると私の前に、キョンシーが出てきた。カードからぴょんとはねて出てきたこの子は、本当にそこにいるかのようにリアルな質感をしていた…。こんな状況じゃなければ、きっと私も飛び跳ねて喜んでいたに違いない…。そんなことが頭をよぎったが、それは恐怖によって塗りつぶされてしまっている…今は勝たないとダメなんだ…負けたら…負けたら………。


「キョンシーのリバース効果発動。デッキからフィールドの表側表示のゴーストリックの数以下のレベルのゴーストリックを手札に加えることが出来ます。私のフィールドにゴーストリックは1体、よってレベル1の《ゴーストリック・フロスト》を手札に加えます。
手札:5枚→6枚

ゴーストリックは表側でゴーストリックが存在している場合に通常召喚が行えます。私は手札から《ゴーストリック・マミー》を召喚。そして、マミーの効果でゴーストリックの召喚権が追加されます。追加で《ゴーストリックの魔女》を召喚」
手札:6枚→4枚


「ふーん…」

「魔女の効果発動。相手モンスター1体を裏側守備表示にすることが出来ます。私は《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》を裏側守備表示に変更します」

「やってくれんねぇ…」スターヴ・ヴェノム[守2000]

「(よし、裏側に出来た。このまま…)
私はレベル3のキョンシーとマミーの2体でオーバーレイネットワークを構築します!
エクシーズ召喚!

来て、ランク3《ゴーストリック・アルカード》![攻1800]

行きます。アルカードの効果を発動。オーバーレイ・ユニットを1つ使って、相手フィールドのセットカード1枚を破壊できます。これでスターヴ・ヴェノムを破壊します!
(これが…通れば…)」

「…スターヴ・ヴェノムは破壊されるぜ」

「よし、私は…

「この瞬間に、破壊された《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》の効果を発動させてもらうぜ?」

「え…」

「このカードが破壊された場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターをすべて破壊し、その元々の攻撃力の合計分のダメージを与える!」

「なっ…」

「ハハ!お前のアルカードは破壊だ。そして、その攻撃力分のダメージを受けてもらうぜぇ?」

地面から倒したドラゴンの形をした紫色の靄が現れ、尻尾で私のアルカードを薙ぎ払うと破壊され、衝撃が私の元まで届く。

「う…あああ!?」

梨沙-LP:7700→5900


さっきの痛みの何倍もの痛みが体に襲ってきた…。先ほどとは比べ物にならない衝撃が私の体へと響き渡り、立っていられなくなった私は膝をついた。

「…う…ぐぅ…」

「ハハハ!やっぱりこうじゃねぇとな!苦痛に表情を歪めるやつの顔程面白れぇもんはねぇなぁ!」

痛みによって一瞬息ができなかった。そして先ほどはすぐに引いた痛みがズキズキとまだ残っている…。
先ほどよりも強い威力の衝撃は私に、より一層死を連想させた…。
体に残る痛みに耐えながら呼吸を整える。

「こんなんで戦意喪失か?まだまだ粘ってくれないとつまんないぜぇ?」

「(ダメだ…焦っても状況は悪くなるだけ…ちゃんと状況を見極めないと本当に…)」

体の痛みに耐え、何とか立ち上がる。

「…墓地へ送られたアルカードの効果を…使います。墓地の自身以外のゴーストリックカードを手札に加えます…」

「ハハ!いいねぇ…まだまだ楽しむことができそうだ~」

「私は…墓地の《ゴーストリック・マリー》を手札に加えます。」
手札:4枚→5枚

「(少しでもダメージを与えておかないと…。)バトルに移ります。《ゴーストリックの魔女》で攻撃します」[攻1200]

「ハハハ!おかしくってたまんねぇなぁ。思い通りに事が進むってのは楽しくて楽しくて仕方がねぇよ」

男は饒舌に喋りながら手札のカードを手に取り、こちらへとかざす。

「相手モンスターの直接攻撃宣言時、手札の《捕食植物セラセニアント》を特殊召喚させてもらう!」[守600]
手札:1枚→0枚


「…!」

男がデュエルディスクへモンスターを特殊召喚すると同時に、地面から花のような虫のようなモンスターが現れる。

「ハハ!攻撃してくれてもいいんだぜ?ただし、こいつの効果で戦闘を行ったモンスターをダメージ計算後に破壊することが出来るけどなぁ」

「(ここでフィールドのゴーストリックを失っても状況が悪くなるだけ…。)
…攻撃は中止します」

「ハ!」

「(まずい…この人のペースに乗せられてしまっている…このままじゃ…いや…いやだ…)」

焦る心を落ち着けるべく、一度深呼吸をする。このままではズルズルとペースに乗せられる。少しでも心を落ち着けないといけない…。

「《ゴーストリックの魔女》の効果。1ターンに1度、自身を裏側守備表示にすることが出来ます。そして、カードを2枚セットしてターンエンドです」
手札:5枚→3枚



梨沙-LP:5900
手札:3枚


 [ターン3]


「(落ち着くんだ…落ち着いて…少しでも状況が良くなるように…しないと…)」

「ハハ!楽しい!なんて楽しいんだろうな!もっともっといたぶりつくしてやるよぉ!俺のターン、ドロー!」
手札:0枚→1枚

「俺は魔法カード。《融合回収》を発動!墓地の《融合》1枚と融合に使用した素材である《捕食植物モーレイ・ネペンテス》を手札に回収だ!」
手札:1枚→2枚

「そしてぇ、再び魔法カード!《融合》を発動だぁ!」

「(融合…またあのドラゴンが…?)」

「さっき回収したモーレイ・ネペンテスとフィールドのセラセニアントで融合…
融合召喚!
レベル7!《捕食植物キメラフレシア》!」[攻2500]
手札:2枚→0枚

そこに現れたのは先ほどの竜とは違う融合モンスター。
「これは…花…?」

その植物、花には口がついており、腹を空かせているように複数の口から液を滴らせている…。先ほどの竜とはまた別な形でとても不気味な姿をしていた…。

「これで終わらないぜ。素材となった《捕食植物セラセニアント》の効果を発動。素材となった場合または戦闘で破壊された場合にデッキからプレデターカードを手札に加えることが出来る。
俺が手札に加えるのは《捕食植物スピノ・ディオネア》だ!」
手札:0枚→1枚

「な、なにをするつもり…?」

「ハハ!なんてこたぁない。ただ、召喚するだけだよ。」
手札:1枚→0枚

彼がそのモンスターを召喚すると新たなモンスターが現れた。背中に大きな口を付けた恐竜のようなモンスターが現れ、私を怯えさせるように大きく唸り声をあげた。

「ひっ…」

「ハハ!何を怯えてるんだぁ?たかがモンスターじゃないか。まぁ、リアルではあるけどな」

その男は私をあざけ笑い、暗闇から見えるその顔は完全に狂気に染まっている…。

「なんで…どうして…あなたはこんなことを…」

より戻ってきた恐怖を抑えるかのように男へと再び問いかける。

「ハ、何を言ってやがる。ここはこういう場所なんだよ。俺の欲を満たしてくれるここほどに楽しい場所はねぇ。それに…

その男は一度口を噤み、私の顔を見やって満面の笑みを浮かべこう言った…。


「お前がここにいるのは、お前が望んだことなんだからなぁ?」


言っている意味が分からなかった…。私が望んでこんな訳の分からない場所に来たとでも言うのだろうか?でも、私にそんな記憶はない。私が覚えてるのは………


あれ…私…何してたんだっけ…。


「何ボケっとしてんだよ。バトルに入るぜ」

「わ、私…なんで…」

「バトル!スピノ・ディオネアでセットモンスターを攻撃だ」[攻1800]

「…な…え…あ……」


混乱している私を他所に、恐竜は私に向かって全速力で向かってきた。その攻撃に対して何も反応できなかった…。


「セットモンスターはレベル2の魔女…条件は満たされた…。
《捕食植物スピノ・ディオネア》の効果を発動!自身のレベル以下のモンスターと戦闘を行ったダメージ計算後、デッキから捕食植物モンスター1体を特殊召喚できる」

セットされていた魔女が破片となって砕け散っていった。

「あ…あ…」

「俺はデッキから《捕食植物サンデウ・キンジー》を特殊召喚[攻600]
まだ、バトルは続いている、キメラ・フレシアでダイレクトアタックだ」

「あ、待って…まっ

私の制止を当然モンスターは聞き入れてくれない…。後ずさる私を逃さないように、そのモンスターの口のついた触手が私にへと伸ばされ、私の腕へと喰らいついた…!

「かっ!?!?」

触手が腕へと絡み付き、腕を締め付けながら牙が私の肉へと食い込んでいく…。

「あぁぁぁああああ!!?」

梨沙-LP:5900→3400


痛い、痛い痛い痛い痛い痛い…私の手は今にも引きちぎれるのではないかという程の痛みを感じていた。
今までに感じたことのない痛みを味わった私は悲鳴を上げ、立っていられなくなった…。

「あぁん?なに勝手にラリッてんだよ。死にてぇのか?」

梨沙の腕からモンスターの牙が引き抜かれ男の元へと戻っていく。

「ぁ…」


私の手からは血が流れていた…腕には牙が食い込んだ跡が残っており、血が腕を伝って床へとぽたぽたと垂れていた。


「あ…あぁ…ひどい…いたいよぉ…」

痛みに反応して自然と目からは涙が零れ落ちる…いまだ腕の痛みは引かない。さっきまでのダメージとは違った傷の残るこの痛み…。
私は恐怖で座り込んだままもう動けそうになかった。

「あのなぁ、ラリんのは好きにしてくれて構わねぇんだけどよぉ…。取り乱してデュエルに影響を与えんのはやめてくれねぇかぁ?全力であがいてあがいて、あがき抜いたやつをいたぶんのが、最高に楽しいんじゃねぇか!やる気のねぇ相手をいたぶっても、最高級の楽しみは得られねぇんだからよぉ!
なぁ!?立てよ…立って、俺と楽しい楽しいデュエルを続けてくれよ…?

聞いてんのか!このクソガキァ!」

男が何か無茶苦茶な理由で怒っている。しかし、男が何か言っているのは分かるが痛みと恐怖で竦んでしまった私には入ってこない…。

「………」

「…ケ、あん時反撃しようとしたときの気構えは期待してたんだけどなぁ……。
結局お前も、あいつらと一緒。自分の命がかかってるっていうのに、本気でデュエルをしようとしやがらねぇ…。ぎゃぁぎゃぁわめいたり、動かなくなったり…ふざけんなよ?
俺を楽しませるのがテメェラの役割だろうが!どいつもこいつも、つまらねぇ…本当に苛立たしい…こんな生きようという努力もできないゴミクズはとっととぶち殺すに限る…。

メインフェイズ2…サンデウ・キンジーの効果発動。融合魔法なしで融合を行う。サンデウ・キンジーとキメラ・フレシアで融合。
レベル8《捕食植物ドラゴスタペリア》…。[攻2700]
あと、永続魔法《種砲連射》の効果。デッキから《捕食植物ダーリング・コブラ》を墓地に送って、お前に300のダメージを与えておく」

最初と同様の光の玉が梨沙へと向けて高速で放たれた。

「ぐ…ぁ…」

梨沙-LP:3400→3100

ダメージを受けた私はそのまま後ろへと倒れこむ。傷だらけの腕にも響き体が動かない。


「おら、ターンエンドだ。そんなに死にてぇんならとっととターンエンドして死 ね」



朱猟-LP:8000
手札   :0枚



「(もう、無理だ………怖いし…痛いし…意味わかんないし…。
私が何をしたって言うの…なんで、私がこんな目に合わないといけないの…?

お父さん…助けて……)
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