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HOME > 遊戯王SS一覧 > Report#31「献身」

Report#31「献身」 作:ランペル




梨沙-LP:2400
手札   :1枚
モンスター:《ゴーストリック・ランタン》[裏]
魔法&罠 :なし

ーVSー [ターン5]

有栖川-LP:8000
手札   :4枚
モンスター:《輝神鳥ヴェーヌ》[裏]《サイバー・エンジェル-荼吉尼-》[裏]《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》[攻]《霊魂鳥トークン》[守]《霊魂鳥トークン》[守]
魔法&罠 :なし



素材を集めていた《ゴーストリックの駄天使》は《霊魂鳥神-彦孔雀》の効果でフィールドを離れた。なんとか攻撃を防ぎきることは出来たが、駄天使の特殊勝利を狙うにはあまりに状況が悪い。

でも、まだ希望は残っている…。

「私のターン…ドロー!」
手札:1枚→2枚

痛みと戦いながら1枚のカードを引く。
時間が経ち、焼かれた皮膚に水ぶくれが出来始める。

「《魔界発現世行きデスガイド》召喚…します」[攻1000]
手札:2枚→1枚

フィールドへ黒いバスが走り込み、そこから赤髪ツインテールのデスガイドが降りてくる。

「デスガイドの召喚時効果で、もう1体のデスガイドを特殊召喚…」[守600]

「くそっ…1枚でエクシーズ召喚できるカードだと!?」

もう一台黒いバスがやって来て、そこから2体目のデスガイドが降りてくる。

「2体のデスガイドでオーバーレイネットワークを構築…。
エクシーズ召喚。

来て、ランク3《ゴーストリック・アルカード》」[攻1800]

2体のデスガイドが向き合い同時にウィンクをすると、エクシーズ召喚の渦へと吸い込まれていった。
そして、爆発と共にフィールドへ内側の赤いマントを靡かせた《ゴーストリック・アルカード》が現れた。

「アルカードに重ねて…エクシーズチェンジです。

来て、ランク4《ゴーストリックの駄天使》」[守2500]ORU3

駄天使がフィールドへと明るい笑顔を見せながら登場した。

「またそいつか…けど、もう意味ないんだ…そのはずなんだ…」

「駄天使の効果です。オーバーレイユニットを取り除いて、デッキから《ゴーストリック・ショット》を手札へ加えます」ORU2
手札:1枚→2枚

いつものように、近くの継ぎ接ぎのハートを引き寄せ、糸をほどきカードに変えた駄天使がカードを渡してくれる。

「うん、ありがとう…。墓地へ行ったアルカードの効果で、墓地の駄天使をEXデッキに回収します。そして、墓地の《ゴーストリック・リフォーム》を除外して効果を発動。
ゴーストリック・チェンジ。

来て、ランク1《ゴーストリック・デュラハン》」[攻1200]ORU3

馬が嘶き、それに乗った首なしの甲冑の騎士が自身の頭を抱えながらフィールドへと走り込んでくる。
到着したデュラハンは自身の頭部を上空へと放る。

「もう一度…エクシーズチェンジ。

来て、《ゴーストリックの駄天使》」[守2500]ORU4

上空からふわりと舞い降りた駄天使が地面へ足をつけると、先程デュラハンが投げた頭部が降って来る。それをキャッチした駄天使は訳が分からない様であたふたし始める。

「(ど、どういう状況…?)
だ、駄天使のオーバーレイユニットを取り除いて、デッキから《ゴーストリック・アウト》を手札に加えます」ORU3
手札:2枚→3枚

地面からデュラハンの腕が生えてくる。駄天使がその手にそっとデュラハンの頭を渡すと、ゆっくりと地面へと頭を持って引っ込んで行った。それと同時にデッキから1枚のカードが飛び出る。

「さらに、墓地へ送られた…デュラハンの効果で墓地の《ゴーストリック・パニック》を手札に加えます」
手札:3枚→4枚

引っ込んだはずのデュラハンの腕が、今度は梨沙の足元から出てくるとその手にはカードが握られていた。

「ふ、あはは…ほんとにどうなるか分かんないね。
っ…ありがとう」

体中が痛くなければもっと楽しく反応が出来ただろうが、ほんの少し笑ったその動きで皮膚に痛みが走り現実へと戻される。

「ふぅ…《死者蘇生》を発動です。
墓地から《ゴーストリックの妖精》を特殊召喚」[守1000]
手札:4枚→3枚

緑の衣装とマントに身を包み、キャンディケインを持った妖精がフィールドへぱたぱた羽根を羽ばたかせながら降り立つ。

「妖精の効果で1ターンに1度、裏側守備表示になれます」

内側がきらきらと輝くマントで身を包むと、マントを残して妖精は姿を消す。

「《ゴーストリック・ショット》…発動します。墓地から《ゴーストリック・スケルトン》を特殊召喚して、妖精を攻撃表示に変更します」
手札:3枚→2枚

カタカタと音を立てながら鎌を持った死神がフィールドへとふわりと降り立ち、マントを残して消えた妖精がマントの中から現われて、マントを揺らす。

「妖精のリバース効果も、発動。墓地の《ゴーストリック・ナイト》を…私のフィールドへセット。そして、セットカードの数だけ相手モンスターを選んで、裏側守備表示に変更します。セットカードはさっきセットしたナイトのみ。
アリスさんの《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》を裏側守備表示に変更です…!」

妖精がキャンディケインを魔法の杖の様に振るうと、小さなたくさんの黄色い星がカオス・MAXの辺りを回り始める。それに合わせてカオス・MAXも回り始め星がキランと消えると同時に、カオス・MAXもフィールドから姿を消した。

「また対象を取らない裏側…いい加減にしろ…!」

「ゴーストリック達の、いたずらの…真骨頂ですから…!
スケルトンの効果で、自身を裏側守備表示に変更して、《ゴーストリックの妖精》1体でリンクマーカーをセット。
リンク召喚。

再開だよ、LINK1《ゴーストリック・フェスティバル》」[攻0]

地面へと浮かびあがる紺色のゲート。そこに《ゴーストリックの妖精》が吸い込まれると、たくさんの白いお化けが装飾を持ち寄りフロア内へと解き放たれる。

「私は…カードを2枚伏せて…墓地の《ゴーストリック・ショット》を除外して、駄天使へ墓地の《ゴーストリック・アルカード》をオーバーレイユニットにして、ターンエンドです…」ORU4
手札:2枚→0枚



梨沙-LP:2400
手札:0枚


 [ターン6]


「あたしのターン…ドロー!」
手札:1枚→2枚

「このスタンバイフェイズに、《ゴーストリック・ナイト》を再び発動です。これで、また反転召喚が出来なくなりました」

「ぁぁああ…!またそれか…!!」

アリスさんは歯を食いしばり、こちらを睨みつけてくる。

「くそ…くそくそ…くそくそくそ…!
ターンエンドだ…」

悪態を吐きながら、状況を打開できない様でターンエンドを宣言する。



アリス-LP:8000
手札:2枚


 [ターン7]


「私のターン、ドロー。
手札:0枚→1枚

駄天使の効果を発動します。オーバーレイユニットを1つ取り除いて…デッキから《ゴーストリック・ショット》を手札に加えます」ORU2
手札:1枚→2枚

駄天使が指をパチンと鳴らすと、周囲を漂っていた継ぎ接ぎのハートが1つ爆発し、中から落ちてきたカードを梨沙が手にする。

「裏側の《ゴーストリック・ランタン》を反転召喚して、《ゴーストリック・ショット》を発動です。
墓地から《ゴーストリックの妖精》を特殊召喚して、《ゴーストリック・スケルトン》を攻撃表示に変更します」[守1000][攻1200]
手札:2枚→1枚

妖精がぱたぱたと羽根を羽ばたかせながらフィールドに降り立ち、セットされていたスケルトンの所をキャンディケインでとんとんと叩く。すると、黒いオーラに包まれたスケルトンが回転しながらフィールドへと現れた。

「スケルトンのリバース効果です。リバースした時、自分フィールドのゴーストリックモンスターの数まで相手のデッキの上からカードを裏側表示で除外します…!」

「は…!?デッキからカードを除外…!?」

アリスは自身のデッキに目を向ける。デッキはかなり薄くなっており、残りの枚数はすぐに数えられる。

「10…」

「私のフィールドにゴーストリックは、フェスティバル、ランタン、駄天使、妖精、スケルトンの5体…よって5枚のカードを裏側で除外します」

スケルトンがふわりとアリスさんの近くまで向かうと、鎌を振るった。しかし、鎌はアリスさんの体を傷つけることなく、鎌に5枚のカードが刺さっていた。

アリスデッキ:10枚→5枚


「くそ…!これか!?これを狙ってたのかおまえぇぇぇええ!!!」

「確証はありません…。でも、特殊勝利でダメージがないなら…デッキ破壊でもダメージがないと考えてもいいと思うんです」

「(まずいまずいまずい…あいつの効果で毎ターン5枚削られる…。次のターンがラストか…!?)
くそぉ…くそくそ…道理であきらめない訳だ。笑えてる訳だ。死なない訳だ!?
こんな、こんな手段であたしを……」

「そうです…。
この方法なら、アリスさん…あなたを傷つけなくて済むはずなんです」

「そんなの信じられるか…あり得ない…。みんな殺しに来るんだ…あり得る訳ない…」

「さっき試してきたのと少し違いますが…まず大丈夫だと思いますよ…。
私はランタン、スケルトン、妖精3体の自身効果で、それぞれを裏側守備表示に…!
カードを1枚伏せて、ターンエンドです」
手札:1枚→0枚



梨沙-LP:2400
手札:0枚


 [ターン8]


「このターン…ここで決めなきゃ…死ぬ…。
死ぬ…?殺される…?あぁ…あぁぁ…嫌だ…いやだいやだ…。
傷めつけられるのも、いたぶられるのも、殺されるのも…。
もういやなんだよぉぉ!!!」

心の底から恐怖に怯え絶望した表情の彼女が、最後の抵抗を見せる。

「あたしのターン…ドローぉ!!」
手札:2枚→3枚
デッキ:5枚→4枚

絶望に染まっていた表情がほんの少し緩む。

「まだ、まだまだまだお前を殺せる…!!!
《儀式の準備》…発動!!
デッキからレベル7《古聖戴サウラヴィス》を手札にへと加え、墓地の《霊魂の降神》を手札に加える…!」
手札:3枚→4枚
デッキ:4枚→3枚

なけなしのデッキからカードを引き込む。
それは、このターンで決着をつける意志の表れだ。

「…呼ばれてからでは遅いですね…。《ゴーストリック・パニック》を発動します。私のスケルトンと妖精、ランタンを対象に表側守備表示に変更。これによりスケルトンのリバース効果と妖精のリバース効果を発動。
墓地から《ゴーストリック・パレード》をセットして、私のフィールドのゴーストリックの数、5枚のカードをアリスさんのデッキトップから除外します」

スケルトンが先ほどと同様に、鎌を振り抜く。アリスのデッキトップから3枚のカードが刈り取られ、デッキがセットされる場所からカードがなくなった。

アリスデッキ:3枚→0枚

「今更デッキが0になろうが、関係ない!要するに、このターンでお前を殺せば意味ないってことだろ!!
儀式魔法《霊魂の降神》発動!レベル4の《霊魂鳥トークン》2体を生贄に捧げ、降臨しろ。
儀式召喚。

終わらせろ《霊魂鳥神-彦孔雀》!」[攻3000]
手札:4枚→2枚

フロアを風が巡り、神々しい光と共に孔雀の羽が織り込まれた着物を着こなした彦孔雀が降り立った。

「やれ!彦孔雀!儀式成功時相手モンスター3体を選んで手札へと戻す!
お前の《ゴーストリックの駄天使》《ゴーストリック・フェスティバル》《ゴーストリック・スケルトン》の3体を手札へ戻す!」

鞘から抜き取った刀で空を斬ると、そこから生じた突風が3体のモンスターをフィールドから弾き飛ばした。

「うぐ…ですが、妖精とランタンが残っている限り、アリスさんは、まだ反転召喚は出来ません…。墓地へ送られたアルカードの効果で墓地から《ゴーストリック・フロスト》を手札に加えます」
手札:0枚→1枚

「今からそいつらもどけて殺してやる…!
《強制転移》発動!互いに自分モンスター1体を選び、そのコントロールを入れ替える!」
手札:2枚→1枚

「強制…転移…!?」

「あたしの裏側の《輝神鳥ヴェーヌ》をプレゼントしてやる」

「《ゴーストリックの妖精》を選びます。
でも、《ゴーストリック・ナイト》の縛る条件は、フィールドにゴーストリックモンスターがいる事…アリスさんのフィールドに移動したからと言って、反転召喚は行えません」

「そこでだ!!!残り物にもちゃんと福があったんだよ!!!
ようやっと…ようやく…殺せる…安堵が訪れる…!もうたくさんだ今すぐ、すぐに!
《ゴーストリックの妖精》、《霊魂鳥神-彦孔雀》の2体をリンクマーカーにセットぉ!」

「な…!」

「召喚条件はカード名が異なるモンスター2体…。
リンク召喚。

来な、LINK2《トロイメア・ケルベロス》」[攻1600]

首を巨大なトゲのついた首輪で締め上げられたオレンジ色の三頭の異形が理解できない声で唸り声をあげた。

「12枚除外してましたが…まだ呼べるモンスターが残っていたんですね…」

「後はお前のフィールドのカボチャだけだ!《トロイメア・ケルベロス》がリンク召喚成功時、手札1枚をコストに相手メインモンスターゾーンの特殊召喚された《ゴーストリック・ランタン》を破壊する!」
手札:1枚→0枚

三つの頭の真ん中の顔に描かれた音楽記号の様な文様が淡く光ったと同時に、異形の獣はランタンの元まで走り込み、ランタンへと喰らいついた。
その瞬間、ケルベロスは元居た場所へと瞬間移動し、その場でランタンをぐちゃぐちゃと音を立てながら屠っている。

「これでゴーストリックはもういない!!!
さぁ、死んでもらうぞ…ようやくだぁぁ!!!
反転召喚…!

《サイバー・エンジェル-荼吉尼-》!
《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》!」[攻2700][攻4000]

セットしたことでフィールドから消えていた2体の儀式モンスターが再び姿を見せた。どちらも貫通効果を内包している。

「さっき回収したフロストも防御できるのは1体だけ…それも直接攻撃のみだ…!
あぁ…やっと…終わる…。
あたしは疲れたよ…あんたの存在に…。どれだけあたしを怯えさせれば気が済むんだ…。楽しかっただろ?さぞ楽しかったよなぁ!!!
ならもういいだろ!?死 ね、死んでくれ、二度と会う事のない様に一片も残さず消滅させてやる…!!
バトルフェイズだ!
《ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン》でぇ…

「速攻魔法、《皆既日食の書》発動…です…!」

「え?は?あ?あぁ…?あぁ!?あぁあああああああ!!!!!???」

「フィールドのモンスターを全て裏側守備表示に変更して、ターンの終わりに相手モンスターを全て表にして、その数だけ相手にカードをドローさせます…!」

「なっあ…あぁ…そんな…」

フィールドからモンスターが消える。威圧感を放っていた2体の儀式モンスターは裏側となりフィールドから姿を消したのだ。

「いや…いやだ…殺されるなんて…なんで…なんでだよ…なんでなんだよぉおおおおおおおおおお!!!?
あぁぁぁぁあああああああああああああっっぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

喉がちぎれんばかりに叫び始めたアリスさんは、膝から崩れ落ち、頭を地面へと叩きつけ始める。

「(ぐっ…)
アリスさん…!アリスさん…!
死にません…!殺しません…!現にここまであなたは1ダメージも受けていないはずです…!」

地面へ叩きつけていた頭の動きが止まる。

「私は…あなたに…助けられたんです!
だから、助けたい…それだけ、なんです…!」

大きな声を出すと体に振動が伝わる。それは、体中の火傷の傷に響き意識が飛びそうになる痛みをもたらす。

「っ…ぃ…殺したり…なんか…する訳ない…。
絶対に…しない…でき、ない…!
私を信じて…みて、くれませんか…?」

アリスは俯いていた顔を梨沙の方へと向ける。
頭部からは先程叩きつけた事で血が一筋流れている。

「なんで…なんで、あたしを傷つけないだとかそんなことを…あたしがお前に何をした?何もしてないだろ?やったのはお前を焼き殺そうとしたことだけだ…!
たとえそれ以外に何かしたとしてだ…なんで、なんでそんな風になってまで、助けようだとか言うんだよ!?」

「それは…私が…アリスさんを…。
信じてるからです…!」

「しん、じる…?」

「話には聞きました…《背反の魔女》。会う時によって態度が全然違うって…。
でも、私を助けてくれた…アリスさんは、人を傷つける事を望んでいる人ではなかった。裏の一面を持ってたとして…そんな一面を持つ人が、たとえ気まぐれでも自分の命を危険にさらしてまで、人を助ける事なんかしません…。
もし、あなたの記憶に私がいなかったとしても…私はあなたが助けてくれたから今、ここに居ます。こんな危険な場所に何も分からず放り込まれた私に…あなたは希望をくれました。家へと帰る希望を…。デュエルすることへの気力を…。
今のアリスさんだって、何かがあって…人を信じられなくなって…だから全員殺してしまおうと…そう、なんでしょう?」

「………」

「アリスさんがどれだけ恐ろしい目にあって…今そうなっているのかは分かりません…。でも、私も恐怖で誰の話も聞こうとしなかったことがあります。それをすごく後悔したんです。どうして、少しでも相手の話に耳を傾けられなかったんだろうって…。
だから、私を助けてくれたあなたを助けるお手伝いが、したいんです」

目を逸らし、声を震わせながらぼそぼそと彼女は口を開きだす。。

「全部裏切られる。元から頭のおかしい奴の方が幾分かましだ…信頼させて、懐まで転がり込んでから…突然裏切るんだ…。
そして、嘲笑う。楽しそうに、楽しそうに………」

突然立ち上がった彼女は、梨沙を正面から見つめるとゆっくり口を開いた。

「だからあたしが生まれた。そんな奴らはこっちから壊してやる。そうしないと、あいつが壊れるんだ…。
お前はあいつを壊さないのか?お人好しでお節介な癖に、貧弱な…あいつを…?」

その口にする言葉の意味を全て理解する事は難しかった。ただ一つ言える事は…

「私は、アリスさんの味方です…。
ピンチを助けてもらったんですもん!私だって、アリスさんのピンチには駆けつけないと!
友達…なんですから!」

柔らかな笑顔が、立ち尽くす女性へと向けられる。
それが、届いたのか…女性は一つため息を吐いた。

「信じるのは…デュエルが終わってからだ…。どっちにしろあたしは負けてしまった…。
だが、もしお前の言うそれらが嘘だった時は…今度こそ殺してやる……。

ターンエンドだ」

きつい目つきで梨沙の方を見遣るとターンエンドを宣言する。
しかし、その目に先ほどまでは嫌でも感じていた殺意を感じることはなかった。

エンドフェイズに移行するとフィールドへ先ほど姿を消した、荼吉尼とカオス・MAXが姿を見せ、それと同時にデュエルの終了を知らせるブザーが鳴り響いた。



ピーーー



「有栖川様のデッキが0になり、ドローが行えませんでした。勝者は裏野様です。」

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