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HOME > 遊戯王SS一覧 > 37Turn 夢を喰らう獏

37Turn 夢を喰らう獏 作:ジェム貯めナイト

 校舎が崩落するとともに、校内へと逃げ込み駆け出した現を追いかける日吾は、
彼が階段を駆け上がり屋上へと向かう姿を捉えていた。

 階段を駆け上がると、屋上を塞ぐ扉が吹き飛ばされており、日吾が扉の残骸を踏
み越えて屋上へと立ち入ると、眼下で繰り広げられているデュエルを見下ろす現の
姿を目に映した。


 「追い詰めた。もう逃げられないよ。夢枕君――」


 背後から近づく日吾に気付き、現は振り返るが、すぐに猟奇的な笑みを浮かべつ
つ、日吾へと叫び返した。


 「俺は逃げてねぇよ。てめぇをこの特等席に招待しただけさ」

 「……それはどう言う――」


 校庭を指し示す現の元に歩み寄り、手すり越しに校庭を覗き込んだ日吾は、遊陽
と遊無の2人がそれぞれ風と水の秘号(エンクレーブ)――パズズとトモカヅキと
のデュエルを行っている光景を目に映した。


 「遊陽君! それに遊無さんまで……!?」

 「ヒャハハ! あいつらはもう終わりだぁ! 秘号は容赦なくあいつらを潰し、
あのアマから力を手に入れるだろうぜ……!」


 そして現は自らのD・フェースを展開させて、屋上の中心部へと移動すると、空
中に獏に似た生物を出現させるとともに、日吾へと向き直った。


 「仲間の催眠を解きたければ、デュエルでこの“タピルス”を撃ち破ることだな
ぁ……!」

 「……君を倒せば皆は元に戻る。いいだろう――」


 日吾も自らのD・フェースを起動させ、お互いに5枚の手札を引くと、人の気配
がない校舎の屋上は空中の獏が噴き出した紫色の煙に包まれていく。


 『デュエル――』


 日吾LP4000。 現LP4000。


 「僕から行くよ。《梵定竜王(サマーディナーガ)ヴァスキ》を召喚」


 カードをかざすとともに、日吾の場には定の境地に住まう第4の竜王が、とぐろ
を巻いて日吾の場に降臨した。


 ヴァスキ攻撃力1600。


 更に魔法カード《梵定竜王無我(サマーディナーガ・アナートマ)》を発動! 
このカードでヴァスキよりレベルの低い“梵定竜王”を手札より呼び出す。現れろ
――《梵定竜王(サマーディナーガ)ナンダ》……!」


 日吾が液晶盤に新たな竜王たるコブラが描かれたカードを置くと、更にもう1匹
のコブラが彼の場へと現れ、既にいるコブラは空間の裂け目へと消えていった。


 梵定竜王無我(サマーディナーガ・アナートマ) 通常魔法
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分フィールドの「梵定竜王」モンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを除外する。その後手札からそのモンスターよりレベルの低い「
 梵定竜王」モンスター1体を特殊召喚できる。


ナンダ守備力400。


 「成程ねぇ。幻竜族の除外を駆使して戦うのが、てめぇの持ち味みてぇだなぁ…
…!?」

 「そしてヴァスキが場から除外されたことで、僕はデッキから《梵定竜王(サマ
ーディナーガ)ムチャリンダ》を除外する!」


 自らの切り札であり、精霊宿りしカードをデッキから除外した日吾は、更にカー
ドを2枚伏せてターンを終えた。


 「当然呼び戻す算段もあるみてぇだが、果たして俺に通用するかなぁ……!?」


 カードを引いた現は、早速手札1枚をD・フェースに挿入させると、屋上を取り
巻く薄い紫色の煙がとぐろを巻くコブラを包み込んでいく。


 「俺は魔法カード《夢綜の夢寐誘い》を発動だぁ! このカードでてめぇのコブ
ラは裏側守備表示――“アスリープ化”する……!」


 纏わりつく煙を吸い込んだことで、コブラは眠りへと落ち、とぐろを解いて屋上
へと横たわると、辺りには薄っすらと靄がかかり、古跡が目立つ古都へと変貌する



 夢綜の夢寐誘い 通常魔法
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):フィールドのモンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを裏側表示にし、デッキから「夢綜の都-邯鄲」1枚を手札に加
 える。


 「そしてフィールド魔法《夢綜の都-邯鄲》を加え、これを発動だ! この中じ
ゃ“アスリープ化”したモンスターは表示形式を変更できねぇ――覚めぬ悪夢に魘
々と苦しみのたうつんだよ……!」


 更に邯鄲を発動したことで、デッキから1体のモンスターを手札に加えた現は、
そのモンスターを液晶盤へと置き、更にもう1体――デッキから同じモンスターを
呼び出した。


 「俺は手札の《夢綜獣-ナイトメア》を、てめぇの場にアスリープ化したモンス
ターがいるため、特殊召喚するぜぇ。そして悪夢は繰り返す……!」


 後頭部から背中にかけて、紫色の煙をたてがみのように纏わせた夢を統べる馬が
いななくと、続けてもう1頭の同じ大きさをした馬が、現の場に呼び寄せられた。


 夢綜獣-ナイトメア
 効果モンスター
 /闇/レベル4/幻想魔/1600。
 このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2
 )の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):相手フィールドに裏側表示モンスターが存在し、自分フィールドにモンス
 ターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
 (2):このカードが(1)の効果で特殊召喚に成功した場合に発動できる。
 手札・デッキから「夢綜獣-ナイトメア」1体を特殊召喚する。
 この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「夢綜」モンスターしか特殊召喚で
 きない。


 ナイトメア×2 攻撃力1600


 「裏側表示に関連する幻想魔族――それが君のデッキの正体か」

 「てめぇにも、俺が見せる夢を味わってもらわねぇとなぁ……!? 俺はナイト
メア2体をリリースすることで、手札から夢を統べる女神をそれぞれ呼び出すぜ。
現れなぁ! 《夢綜魔女-ネヴァン》に《夢綜魔女-ヴァハ》……!」


 2頭の夢を統べる馬がいななくとともに霧散すると、現の場には黒いローブを身
に纏い肩に1羽のカラスを乗せた中年の魔女と、カラスの雛を肩に乗せたまだ幼い
魔女の2体が宝玉をはめ込んだ杖を握りしめ、姿を現した。


 夢綜魔女-ヴァハ
 効果モンスター
 /闇/レベル6/幻想魔/攻撃力0。
 このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
 (1):相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、このカードは自分
 フィールドの表側表示の「夢綜」モンスター1体をリリースし、手札から特殊召
 喚できる。
 (2):相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、このカードは相手
 の攻撃、効果の対象にならず、このカードがフィールドに存在する限り自分が受
 ける効果ダメージは代わりに相手が受ける。


 ネヴァン&ヴァハ 攻撃力0。


 「ともに攻撃力0――」

 「夢か現か。“夢綜”の女神が見せる夢は、てめぇの精神を狂わせるぜぇ……!
 更に俺は魔法カード《半醒半睡》で、墓地のナイトメア2体をアスリープ化させ
た状態で蘇らせる……!」


 続けざまに現が発動したカードによって、再び紫に着色された煙が2頭の馬を形
作ると、眠りへと落ちた夢を統べる2頭の馬を再現する。


 半醒半睡 通常魔法
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分の墓地の「夢綜」モンスターを2体まで対象として発動できる。
 そのモンスターを自分フィールドに裏側守備表示で特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンリリースできない。


 「俺はカード1枚を伏せてターン終了。この時アスリープ化したモンスターを従
える俺は、邯鄲の効果でその数×300ダメージを受けるがぁ! 相手がアスリー
プ化したモンスターを従えていれば、ヴァハの効果で俺へのダメージはてめぇに押
し付けられる……!」


 靄がかかった点在する古跡群から、次々に噴き出した霧が日吾へと纏わりつくと
、突如として襲い来る眠気を堪えつつ、日吾は自らのデッキに手を掛けた。


 日吾LP4000→3400。


 「僕の――ターン。……っ――」


 襲い来る眠気を自らの頬を叩くことで、日吾は何とか手元のカードに意識を向け
る。


 「眠いよなぁ……!? いっそ寝てしまった方が楽になれるだろうぜぇ」

 「……どういう――ことだ?」


 瞼を重くした日吾の変化に、目論み通りだと嘲笑う現へと、日吾は問いかける。


 「俺が掛けた催眠を解きたけりゃ、それ相応の物を賭けてもらわねぇとなぁ……
!? この“闇のデュエル”に負ければ、てめぇの精神は悪夢に侵され、二度と目
覚めることはねぇんだよぉ……!」


 永遠の眠り――死と同等の罰が下されると現は喜び勇んで言い放つが、冗談じゃ
ないと言わんばかりに日吾は頭を左右に振って、眠気を振り払い伏せていたカード
を発動させる。


 「……僕は惰眠を貪るほど、暇じゃない。君は邯鄲の効果でジワジワと僕のLPを
削っていくようだけど、このターン一気に決めさせてもらう――罠カード《梵定竜
王空(サマーディナーガ・シューニャ)》……!」


 伏せカードを発動するとともに、空間に現れた裂け目の隙間から、彼の持つ精霊
のコブラはスルリと抜け落ち、白い胴体を起こして蓮の花の意匠をした頸部を大き
く広げた。


 梵定竜王空(サマーディナーガ・シューニャ) 通常罠
 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):除外状態の自分の「梵定竜王」モンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフ
 ェイズに持ち主のデッキに戻る。
 (2):このカードが墓地に存在し、レベル5以上の「梵定竜王」モンスターが効
 果を発動した場合に発動できる。墓地のこのカードを除外し、デッキから「梵定
 竜王」モンスター1体を選んで除外する。
 次の自分のスタンバイフェイズに、この効果で除外したモンスターを手札に加え
 る。


 「櫛風沐雨より世尊を守護せよ! 定の境地に住まいし竜王――《梵定竜王(サ
マーディナーガ)ムチャリンダ》……!」


 ムチャリンダ攻撃力3000。


 「そいつが“精霊宿りしカード”ってやつか――」


 日吾の元へと現れた白いコブラを、物珍しそうに眺める現だったが、即座にD・
フェースを操作して彼の切り札に対抗しようとする。


 「だが無駄だぁ……! 罠カード《スリープ・パララサス》! こいつはてめぇ
のモンスター1体の攻撃と効果を封じ、このターンの終わりにアスリープ化させち
まうのさぁ……!」

 「だったら……速攻魔法《梵定竜王観(サマーディナーガ・ヴィパッサナー)》
で、ムチャリンダの除外と引き換えに除外状態の“梵定竜王”を呼び戻す……!」


 2体の夢を統べる女神が発生させた対象を麻痺させる念力は、ムチャリンダの消
滅によってかわされ、再び日吾の元に第4の竜王が舞い戻った。


 ヴァスキ攻撃力1600。


 「ご自慢の切り札も、呆気なく退場かぁ……!?」

 「……僕とムチャリンダの“絆”は、次元を超え隔てる境界すら飛び越える……!」

 「俺の催眠の前じゃ! そんなもん通用しねぇよ……! アスリープ化したモン
スターがいる限り、ヴァハはてめぇからの攻撃と効果を受け付けず、ネヴァンを狙
おうにも戦闘で破壊されねぇばかりか、てめぇにダメージが押し付けられるんだよ
……!」


 2体の夢を統べる魔女が肩に留まった烏を撫でつつ、握りしめた杖の宝玉に瞳の
模様を浮かばせるが、日吾は動じず、高らかにバトルを宣言する。


 「だったら僕は、ヴァスキで伏せモンスターに攻撃する……!」


 睡眠中の夢を統べる片方の馬へとコブラは飛び掛かり、首元へと噛み付いて夢を
統べる馬を消滅させると、自らも発生した次元の裂け目に取り込まれた。


 「そして戦闘を行った下級“梵定竜王”は除外されるが、この時場から除外され
たヴァスキの効果で、デッキから《梵定竜王(サマーディナーガ)ウパラガ》を除
外――」


 D・フェースが選び出したカードを日吾は取り出し、現に見せつつ再び取り込ま
せるが、提示された発動確認を了承して、伏せていたもう1枚の罠カードを発動さ
せる。


 「更に“梵定竜王”の効果で除外されたウパラガを対象に、罠カード《梵定竜王
常(サマーディナーガ・アニトヤ)》の発動だ! このカードは先程の罠とは違い
、永続的に除外状態の“梵定竜王”を場に顕現させる……!」


 消滅したコブラよりも大きく、自身の身の丈を超えるコブラが日吾の場に呼び寄
せられると、とぐろを巻いた第8の竜王は身を起こし、現を睨みつける。


 梵定竜王常(サマーディナーガ・アニトヤ) 通常罠
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):「梵定竜王」モンスターの効果で自分の「梵定竜王」モンスターが除外さ
 れた場合、そのモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを特殊召喚
 する。


 「ちぃぃ……!? うぜってぇ――」

 「現れろ――《梵定竜王(サマーディナーガ)ウパラガ》……!」


 梵定竜王(サマーディナーガ)ウパラガ
 効果モンスター
 /光/レベル8/幻竜/攻撃力3000。
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
 (1):このカードの攻撃力・守備力は、除外状態の自分の「梵定竜王」モンスタ
 ーの数×100アップする。
 (2):除外状態の自分の「梵定竜王」モンスター2体を対象に発動できる。その
 モンスターをデッキに戻し、相手フィールドの攻撃表示モンスターを除外する。


 ウパラガ攻撃力3000→3200。


 「そしてウパラガでもう1体のナイトメアを攻撃――サマーディ・ディヤーナ…
…!」


 そして最上級たる第8のコブラは、宙に巨大な曼荼羅を描くとその中心から無数
の光線を撃ち出し、眠ったままの夢を統べる馬へと降り注がせて消滅させる。


 「だがネヴァンとヴァハは健在だ……!」

 「バトルは終了。僕は除外状態のヴァスキとムチャリンダをデッキに戻す事で、
ウパラガの効果発動――回帰創生!」


 日吾が2体のモンスターをD・フェースから取り出し、再びデッキに加える事で
、攻撃に用いた曼荼羅が光を放つとともに2体の夢を統べる魔女は光の粒子へと分
解され、その中に取り込まれていく。


 「何が起きた……!?」

 「よって君の攻撃表示モンスターは、全て除外される。更に“梵定竜王”の効果
が発動したことで墓地の《梵定竜王空(サマーディナーガ・シューニャ)》を除外
し、デッキから再びムチャリンダを除外した」


 日吾はそのままターンを終えると、アスリープ化したナンダがいることで邯鄲の
効果を受け、自らのLPが減少するとともに、再び強い眠気に襲われる。


 日吾LP3400→3100。


 「ぐっ……だけど次のターン、再びムチャリンダを手に入れられる」


 頭を左右に振って眠気を振り払おうとする日吾に対して、揃えたモンスターが全
て消え去ったことに現は苛立ちを見せつつ、デッキに手を掛け自らのターンを開始
した。


 「……! ヒャハハ! 来やがったぜぇ……!」

 「何を引いた……!?」

 「俺にもまだ、ツキは残っていたぁ! まずは魔法カード《トス&ターン》で、
墓地のナイトメアは寝返りを打ち、俺の手札へと転がり込む……!」


 D・フェースの墓地より取り出したカードを日吾に見せつけ、手札に加えた現は
そのまま夢を統べる馬を特殊召喚するとともに、デッキより最後のナイトメアを自
らの場に呼び寄せる。


 トス&ターン 通常魔法
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分の墓地の「夢綜」モンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを自分の手札に加える。フィールドゾーンに「夢綜の都-邯鄲」
 がある場合、代わりにそのモンスターを裏側守備表示で自分フィールドに特殊召
 喚する事もできる。


 「てめぇ――俺がどうやってあいつらを操ってるか、知りてぇよなぁ……!?」

 「君は……何故皆を苦しめる……?」

 「……俺の一族は、独自に編み出した開心術で患者の深層心理に働きかけ、心の
病を完治へと導く医者だった。患者に寄り添い、内に秘めた悩みを共に解決させる
べく診療を続けてたんだけどよぉ――」


 ポツリポツリと語り始めた現は、突如拳を握りしめ、青筋を立て声を荒らげると
、鬱憤を晴らすかのように日吾へと怒鳴りつける。


 「だがなぁ! 俺の父は今までの治療法をまとめた論文を、より多くの患者の治
療のため学会へと提出したけどよぉ! 奴らは患者のプライバシーを冒す治療法だ
と、勝手に決め付けやがった……!」

 「それは……内心の自由に踏み込むからじゃ――」

 「てめぇは見聞きしてねぇからそう言えるよなぁ……!? 俺は父の問診で抱え
ていた悩みを打ち明け、心の平穏を取り戻した患者を何人も見てきた――」


 爪が手のひらに食い込むほど強く拳を握りしめた現は、より激しく怒りを露わに
すると、手札から1枚のカードを抜き取り日吾へとかざす。


 「ひょっとしたら、父の治療は間違ってたかもしれねぇ。だが医学会の奴らは、
父の論文を別の医者の名に変えてまで、世間に公表しやがった……!」

 「それって――」

 「ああ、盗作だよ……! 俺の父や、その治療で心の病を克服してきた患者を冒
とくし、父の論文を金稼ぎに利用しやがった医学会に復讐を遂げるためなら、俺は
鬼や悪魔にだろうとなってやる……!」


 現れた2体の夢を統べる馬が紫に着色された煙へと代わって霧散すると、上空に
佇んでいた獏に似た生物は現の場へと移動する。


 「俺はナイトメア2体をリリース! 闇の秘号(エンクレーブ)――ゴルイニチ
から手に入れたこのカードが! 深層心理に入り込む夢枕一族の秘技を昇華させた
んだよ……!」


 現の元で喉を鳴らし、くぐもった鳴き声を上げた黒白の縞模様をした獏は、鼻先
から噴出した紫色の煙を全身に纏わせていく。


 「“アドバンス召喚”! 華胥をも喰らう絶望の凶獣――現れなぁ! 《現の夢
綜睡獣-タピルス》……!」


 現の夢綜睡獣-タピルス
 効果モンスター
 /闇/レベル8/幻想魔/攻撃力3000。
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):相手フィールドのモンスターが裏側表示モンスターのみの場合、このカー
 ドは相手に直接攻撃できる。
 (2):レベル8以下の相手モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスター
 の効果を無効にし、裏側守備表示にする。この効果は相手ターンでも発動できる
 。


 「っ……!?」


 自らに宿る精霊の力を通じ、宙に浮かぶ夢現の獏から滲み出る“闇”を探知した
日吾は、両目を細めて獏の胴体を眺める。


 「夢枕……君、その人達は――」


 体内に薄っすらと透けて見える――複数の見慣れた生徒達が様々な脅威から必死
に逃れようとする幻に、日吾は夢現の獏を指差しながら現へと問いかける。


 「まさかてめぇ……こいつが見せる悪夢が見えるってかぁ――」

 「そのモンスターの力か――それが君と父、大勢の患者さんのためになるのか…
…?」

 「っ……! 俺達の声を聞こうともしねぇ奴らに訴えかけるには、力で思い知ら
せる他ねぇだろが……!? 俺はタピルスの効果――寐々昏倒を発動だぁ!」


 日吾の従えるコブラを指差しながら現が宣言するとともに、目の前の獏が伸ばし
た鼻先から紫色のガスを噴出させて、直接ガスを浴びた第8の竜王たるコブラを強
制的に昏睡させる。


 「タピルスはレベル8以下のてめぇのモンスターが宿す能力を封じ、強制催眠さ
せるっ! 更にてめぇの場にアスリープ化したモンスターしかいねぇ場合、タピル
スは直接攻撃できる……!」


 現がバトルを宣言するとともに、夢現の獏は消滅していくと、眠ったままの2体
のコブラが呼吸とともに吐き出した紫色の煙の中から、夢現の獏がそれぞれ飛び出
してきた。


 「奴へと攻撃しなぁ! 夢喰いのディヴァウア・ドレイン……!」


 分裂した夢現の獏がそれぞれ口を開けるとともに、日吾から気力が吸い取られて
いき、攻撃を喰らった日吾がフラついてその場に倒れると、再び1体へと戻った獏
は彼から吸い取った気力をムシャムシャと味わう。


 日吾LP3100→100。


 「う――身体が……」

 「流石のてめぇも無事じゃ済まねぇみてぇだなぁ……! さあ、タピルスの悪夢
を味わえ!」


 倒れた日吾が瞼を完全に閉じて、完全に眠りへと落ちたのを確認すると、現は日
吾の元まで歩み寄り、日吾の手を踏みつける。

 それでも目を覚まさない日吾を見て、勝負あった――。と現は上空の獏を見上げ
るとともに、一定時間操作が行われなければデュエル続行は不可能だと、日吾のD
・フェースが強制的に敗北を告げるのを待ちわびるのであった。





 ――僕……は――。


 再び日吾が目を開けると、そこには壁一面へと血が飛び散り、目の前で両親が首
から血を流して倒れている光景を目の当たりにする。


 ――嘘だ――。


 自らが握りしめていた血の付いた包丁に気付くと、背後から自身へと向けられた
視線に気付いた日吾はゆっくりと振り返り、部屋の入口に立っていた黒髪を二つ結
びにした“妹”の姿を視界に映した。


 ――い……一嘉(いちか)――。

 ――あぁ……お父はん! お母はん……!


 日吾の横をすり抜け、血で染まった床に倒れる両親の元へと一嘉は駆け寄って行
く。

 涙を流しながら何度も倒れた両親へと呼びかける一嘉を見て、日吾は包丁を持つ
手を震わせる中、一嘉はスッと立ち上がると、今までに見た事の無い怒りの表情を
浮かべて日吾へと振り返った。


 ――お兄はんがこんなことしようなんて……許せへん――。


 自らの元へと歩み寄る一嘉を前に、日吾は壁際まで後退し、妹が向ける突き刺す
ような視線から逃れようと顔を背ける。


 ――許せへん、許せへん、許せへん、許せへん……!


 次第に大きく叫び始めた一嘉に、日吾は動揺から呼吸を乱し、額に汗を浮かばせ
る。


 ――吾……日吾……!


 その時だった。どこからか日吾の名を呼ぶ聞き馴染みのある声が、日吾の耳には
っきりと聞こえてきた。


 ――ムチャリンダ――。

 ――これは現実ではない。日吾……記憶の中の妹を信じろ――。


 自らの精霊からの声が止むと、日吾が見る悪夢の中の妹はより一層声を荒らげた



 ――お前なんかうちの兄妹やない! うちら家族にお前なんかいらへん! お前
が生まれてこんかったら、うちは健康な体で生まれてきたはずや……!


 一嘉からの罵倒を受けつつも、これは夢の中――。と日吾は呟きながら、ゆっく
りと妹へと近付いていく。


 ――っ……許せ、一嘉……!


 目をつむり、自らを罵倒する悪夢の中の妹へと握りしめた包丁を振り下ろすとと
もに、妹が発した絶叫は次第にくぐもった獏の鳴き声へと変わっていくと、激しい
揺れとともに日吾は意識を取り戻していく。





 「てめぇ……!? タピルスの悪夢を振り払っただと……!?」


 現実世界の現は、再び目を覚まして起き上がった日吾の姿に激しく動揺する中、
地面へと落下して苦しげに呼吸を繰り返す獏の姿を見下ろしつつ、日吾は突き刺す
ような視線で現を睨むと淡々とした声色で語り掛ける。


 「夢枕君――元々の君は、弱きを助け強きをくじく正義側の人間だった……」


 直接攻撃を終え、自らへとターンが回って来た事で日吾はカードをドローしつつ
、このスタンバイフェイズに除外状態のムチャリンダが手札に加わるとともに、引
いたばかりのカードを早速使用する。


 「魔法カード《梵定竜王施(サマーディナーガ・ダーナ)》によって、手札の“
梵定竜王”を除外し2枚をドロー! ……だけど君は道を踏み外した事で、君が忌
み嫌う医学会の人間と変わりなくなった」

 「てめぇ――この世は綺麗ごとだけじゃやっていけねぇんだよ! 俺達が受けた
苦しみはそのまま奴らに返すしか、報われねぇんだ……!」


 ドローした2枚のカードを確認した日吾は、吠えるように怒りをぶつける現へと
激高し、声を荒らげて言い返す。


 「僕はずっと、病気の一嘉に尽くしてきた! 僕の妹が! 僕にあんなことを言
うはずがない……!」

 「っ……!?」

 「僕と一嘉の絆を踏みにじったな! 僕は君を、絶対に許さない……!」


 激怒した日吾が手札から1枚の魔法カードを発動させると、眠ったままの第8の
竜王を中心に8つの燭台が現れ、どこからか経文を読む声が流れるとともに、第8
の竜王は消滅していく。


 「儀式魔法《梵定竜王阿羅漢(サマーディナーガ・アルハット)》によって、ウ
パラガはその魂を昇華させる……!」

 「“儀式召喚”――だとぉ……!?」


 8つの燭台に炎が灯るとともに、その中心部へと光が差し込み燭台が吹き飛ぶと
、日吾の場には無数の頭を持ち、五色で彩られた胴体を複数の腕釧で飾り立てた竜
王がとぐろを巻いて現れた。


 「ナーガローカより地上世界を支えし竜王! 儀式召喚。現れろ――《梵定竜王
(サマーディナーガ)アナンタ》……!」


 梵定竜王阿羅漢(サマーディナーガ・アルハット) 儀式魔法
 「梵定竜王」儀式モンスターの降臨に必要。
 (1):レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分
 の手札・フィールドの「梵定竜王」モンスターをリリース、またはリリースの代
 わりに自分フィールドの「梵定竜王」モンスター(表側表示)を除外し、手札か
 ら「梵定竜王」儀式モンスター1体を儀式召喚する。


 梵定竜王(サマーディナーガ)アナンタ
 儀式、効果モンスター
 /光/レベル8/幻竜/攻撃力3000。
 「梵定竜王阿羅漢」により降臨。
 このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードは相手モンスターの効果の対象とならない。
 (2):自分の墓地の「梵定竜王」モンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。その後自分フィールドの「梵
 定竜王」モンスター1体を選んで除外する。
 (3):自分の除外状態の「梵定竜王」モンスター1体をデッキに戻して発動でき
 る。エンドフェイズまでこのカードの攻撃力はそのモンスターの攻撃力分アップ
 し、そのモンスターと同じ効果を得る。


 「儀式モンスターか――だが忘れてねぇよなぁ……!? タピルスにはてめぇの
モンスターの効果を無効にして、アスリープ化させる寐々昏倒がある!」


 現れた無数の頭を持つ竜王へと、現が効果の発動を宣言することで、夢現の獏が
再び紫色の煙を長い鼻先から噴き出すが、無数の頭持つ竜王は尾を一振りすること
で立ち込める煙を払いのけた。


 「無駄だ。アナンタは相手モンスターの効果対象とならない!」

 「ちぃぃ――」

 「僕はアナンタの効果発動――因機説法! 墓地よりウパラガを蘇らせ、ウパラ
ガを除外する」


 足元に描かれた巨大な曼荼羅から、再び第8の竜王が場に舞い戻ると、その姿が
次元の狭間に吸い込まれていくとともに、入れ替わりに薄っすらと現れたムチャリ
ンダの姿が光の粒子に代わって消滅していく。


 「そして除外状態のムチャリンダをデッキに戻す事で、アナンタが持つ最後の効
果が発動する! このターンムチャリンダの攻撃力分アナンタの攻撃力はアップし
、同じ効果を得る!」


 アナンタ攻撃力3000→6000。


 「だ――だが、俺のLPはまだ残る! アスリープ化したナンダがてめぇの場に
残っている限り、このターンが終われば邯鄲の効果でてめぇは終わりだ!」

 「ムチャリンダの効果を得たアナンタは! 攻撃宣言時に除外状態の“梵定竜王
”を3体までデッキに戻す事で、このターンその攻撃力を得る……! ウパラガの
攻撃力は3000――」


 バトルフェイズを宣言し、無数の頭持つ竜王が日吾の指示を受けて、上空に巨大
な曼荼羅を開いていく。

 この攻撃が通れば終わり――。と、現は自らが呼び出した夢現の獏と日吾が従え
る無数の頭のコブラを交互に見ると、ありえないと言わんばかりに首を激しく横に
振った。


 アナンタ攻撃力6000→9000。


 「っ……!? ざっけんな! 俺がこんなところで――」

 「僕の家族――そして妹の一嘉を侮辱した報いを受けろ! アナンタの攻撃――



 完全に開かれた巨大な曼荼羅から、無数の光線が夢現の獏へと降り注ぐとともに
、光線に身体を貫かれた夢現の獏がくぐもった鳴き声を上げながら消滅していくと
、超過したダメージの衝撃が現へと迫り来る。


 「サマーディ・シャマタ……!」

 「俺が――負ける……っ! くそがああぁぁっっ……!?」


 そして現は屋上の手すりに衝突してその場に崩れ落ちると、日吾を睨みながら再
び起き上がろうとするが、視界が暗転するとともに再び倒れ、そのまま気を失った



 現LP4000→0。





日吾「やった……何とか夢枕君に打ち勝ったよ」

ムチャリンダ「…………」

日吾「そうだね。この勝利はムチャリンダの効果あってのもの――」

ムチャリンダ「…………」

日吾「ああ、分かっている。それじゃあ今回は、僕と夢枕君が使用したカードにつ
いて語ろう」

日吾「夢枕君の真の切り札――タピルスは、相手のモンスターが裏側表示モンスタ
ーのみの場合、相手に直接攻撃ができる」

日吾「しかも好きなタイミングでレベル8以下の相手モンスターの効果を無効にし
て、裏側守備表示にするからね。もし千夜さんとのデュエルで使われていたら、彼
女に勝ち目は無かった」

日吾「加えて人々に悪夢を見せ、操る能力まで備えている。だから僕も、タピルスに対抗できうる奥の手で、彼を打ち破ることにした」

ムチャリンダ「…………」

日吾「そう、初代常盤家当主がパートナーとした“始祖の竜王”に仕えし竜王――
梵定竜王アナンタは、相手モンスターの効果対象とならず、墓地の梵定竜王を蘇らせることができる」

日吾「そして除外状態の梵定竜王をデッキに戻し、その攻撃力を加算し効果を得る
。その力で夢枕君の催眠から皆を解放できたね」

日吾「残るは2体の秘号のみ――もう一人の遊無さん、そして遊陽君が秘号に立ち
向かう。次回――深淵のトモカヅキ。これが最後の戦い……僕も2人の勝利を祈らせてもらうよ」
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