第三章　キャラクター紹介　作：ジェム貯めナイト

　〇精霊世界について


　遊陽達が住む人間世界から、次元の狭間によって隔てられた精霊世界。

　ここではデュエルモンスターズの精霊世界について詳しく解説する。


　〇世界の全容


　精霊世界は下から順に以下の四層が重なって成り立っている。

　各層への行き来は自由であり、精霊達の居住区や第一層の王宮には精霊長アラウ
ンの力を宿す多数の警備犬――迫狗群（はくぐぐん）が駐在している。


　第一層:プイスの王宮

　第二層:ブランウェンの城下町

　第三層:マナウィダンの集落

　第四層:マースの森


　各層は複数の枝廊（しろう）と呼ばれる通路で繋がっており、それぞれの層には
精霊世界を開拓した四大英雄の名が付けられている。


　〇各層の紹介


　第四層:マースの森

　精霊世界の最下層にして非人型の精霊が最も多く住む階層。面積は精霊世界の凡
そ８５％程を占める。

　余りの広大さから迫狗群は枝廊近辺しか警備せず、多くの人型精霊は立ち入るこ
とも調査に乗り出すこともない秘境である。

　非人型の精霊達による独自の生態系が構築されており、上位種に至っては大半の
迫狗群ですら敵わない程の力を持つ。


　第三層:マナウィダンの集落

　最も多くの精霊達が暮らしている居住区の階層。面積は精霊世界の凡そ１２％程
を占める。

　宰相より認定された院長が務める託霊所を中心に、多くの精霊は大地を開墾し農
作業に従事しながら共同生活を送っている。　

　最も多くの迫狗群が警備しており、精霊達の平穏を守るべく日々巡回している。


　第二層:ブランウェンの城下町

　第三層の中でも富を築きあげた者が住まう商業区。面積は精霊世界の凡そ２％程
を占める。

　この階層からは開拓の４大英雄が建設に深く関わっている他、大規模な商店を営
む精霊とその家族、または諸侯のみが第三層からの移住を許されている。

　各商店の営業時間は早朝から夕方までで、毎日のように第三層からの買い物客で
賑わっている。この階層の迫狗群は外敵よりも、悪事を企む不審な精霊がいないか
の監視が主となるようだ。


　第一層:プイスの王宮

　数多の精霊達の中でも、精霊長と王宮での職務に携わる者しか住むことを許され
ない開拓の４大英雄が建設した城。面積は精霊世界の凡そ１％程を占める。

　中心部には精霊達が生まれる泉――溟瀑（めいばく）が存在し、第三層まで見渡せる高い塔や指揮所、迫狗群達の犬舎や闘技場に大図書館、地下には避難シェルターや罪人を閉じ込める牢まで備えている。

　精霊長が住まう部屋や仕事部屋、謁見の間もあり、特に仕事部屋は精霊会議の場
でもある。

　この階層を巡回する迫狗群は選りすぐりの精鋭であり、マースの森に住まう上位
種の精霊とも渡り合えるようだ。


　〇精霊世界の用語


　カードの精霊

　人間世界ではデュエルモンスターズとして存在するカード達。描かれたモンスタ
ーはデュエルモンスターズの精霊世界で暮らす者を元にしており、その精霊達は溟
瀑から誕生する。

　一部の精霊は２つの世界を行き来し、精霊世界からの霊力を宿すカードや霊力を
帯びた人間世界の場所から現界する力を得ている。


　迫狗群（はくぐぐん）

　先代アラウンの死後、現アラウンが精霊世界を守るため自らの力で生み出した警
備犬達。

　クイネ将軍の指揮に従い、精霊世界に仇なす敵を滅するまで追跡する。

　バウワウ、ラフラフ、イィプイィプの三グループで構成され、精霊の兵士と連携
することで精霊世界を守り続けてきた。


　プイスの王宮

　第一層にそびえる開拓の４大英雄が築き上げた城。この城の主である精霊長とそ
の補佐に回る宰相、防衛を受け持つ将軍を中心とした施政を敷いている。

　かつての遊明は宰相、ズメエヴィチ家の裏切り者は将軍を先代アラウンの元で勤
めていた。

　現在は精霊長アラウンの下で、彼を補佐する御仰と人間世界の近況を伝えるイー
サが宰相を。武官をクイネ、文官をフンドの姉弟で将軍を勤めている。


　精霊世界の将軍

精霊世界の防衛を担当する精霊達を束ねる長。現在は多数の迫狗群と少数の精霊の
兵士を部下に持つ。

　精霊長直々に力を分け与えられており、犬耳に尾――そして呪いの首輪が将軍の
証。過去の事件から精霊長に危害を加えようとした途端、首輪に掛けられた呪いが
作用し即座に死に至る。

　クイネは王宮に留まらず精霊世界を見回る警護に赴き、フンドが王宮での事務を
担当する。夜間にはヨタカの精霊扶鷹（ふよう）が姉弟の代理を務める。


　ズメエヴィチ家

　かつては精霊世界の将軍を代々勤めてきた諸侯の中でも有数の名家。現在は精霊
長により過去の栄光全てをはく奪。残された子孫は没落しマナウィダンの集落でひ
っそりと暮らしている。

　遊明が人間世界で秘号の源に敗れてまもなく、ズメエヴィチ家の当時の将軍が先
代アラウンを殺害し、逃亡する事件を起こしてしまう。


　〇第三章キャラクター紹介


　〇常盤家


　常盤 一嘉（ときわ いちか）

　年齢:１２

　性別：女

　身長：１５４㎝

　一人称：うち

　特技：お琴

　エースモンスター：虎嘯の於菟姫－開明陸吾

　容姿：２つ結びにした黒髪に、日吾と同じ白群色の瞳。洛皇言葉で話す。


　つい最近まで、洛皇総合病院に難病の治療のため入院していた日吾の妹。

　週に一度の治療薬の点滴と定期健診により、永らくお世話になった病院を退院し
日常生活を送れるようになった。

　兄の日吾を尊敬しており、彼といる時は片時も離れない程日吾に依存している。

　使用デッキは兄と同じく幻竜族で、虎のモンスターである【於菟姫（おとひめ）
】を使用する。於菟姫の除外と除外からの回収を繰り返し、手札に集めた於菟姫を
融合させ切り札の融合召喚を狙うのを基本戦術とする。


　○イーサ教会関係者


　ディオゴ・ドミンゴ・デ・ソウザ

　年齢:３８

　性別：男

　身長：１８７㎝

　一人称：吾輩

　特技：通読　テニス

　エースモンスター：秘炉枢機卿（ヴェリーバー カーディナル）キュクロプス

　容姿：ブロンドの癖のある髪にイーサ教会の礼服をキチンと着こなしている。
　瞳の色は黄土色。


　サバスとは神学校の同期であった枢機卿に就く男。幾度なく枢機卿を勤めた名家
の出身だが、神父のサバスとは立場を超えて対等に接しようとする。

　サバスの人望と能力を高く評価しており、彼を守護霊の防人から引き抜こうとし
ているが、当のサバスからは何度も栄転を断られている。

　使用デッキはサバスと同じく【秘炉（ヴェリーバー）】だが、サバスとは異なり
相手モンスターを弱体化させるカードを多用している。


　〇精霊世界


　？？？

　一人称：某（それがし）

　外見年齢：２０代後半～３０代前半

　身長：１８２㎝

　容姿：狩衣と袴を身に纏い、深編笠で頭を覆い腰には刀を帯刀している。


　マースの森で出会った謎の男。精霊の中でも特に強力な霊力を宿している他、本
来の遊無について詳しいようだ。


　精霊長 アラウン

　一人称：ワシ

　外見年齢：６０代～７０代前後

　身長：１７０cm

　容姿：灰色のローブを身に纏い、白髪が目立ち始めた黒い頭髪に金の王冠を乗せ
ている。瞳の色は銀色。


　代々精霊世界を統治し続けた名家、アラウン家の現当主にして精霊達の長を務め
る老人。

　遥か昔に精霊世界を訪れたイーサの母マリアを知っており、彼女の来訪から精霊
世界に災厄がもたらされたと信じている。

　当時の精霊長を失った過去の事件以降は、自らの力で生み出した警備犬――迫狗
群（はくぐぐん）をクイネ・フンド両将軍に使役させ、精霊世界を守護している。


　宰相 御仰（ぎょこう）

　一人称：自分

　外見年齢：４０代前半

　身長：１８０㎝

　容姿：常に黒いスーツ姿で背中から白い翼を生やし、モノクルを掛けている。
瞳の色は鶯色。モチーフ動物はシロフクロウ。


　精霊世界にて精霊長の政務を補佐する宰相を勤める男。先代宰相である遊明が人
間世界で消息を絶ったのち、新たな宰相として任命された。

　物腰柔らかな紳士といった出で立ちで、常に冷静に物事を見聞きし時にはアラウ
ンにも物怖じせず意見を述べる程信頼も厚い。

　精霊会議では議長を務めており、クイネ・フンド両将軍や多くの諸侯を取りまと
め、精霊世界の方針を定める役割を果たしている。


　将軍 クイネ

　一人称：クイネ

　外見年齢：１４歳前後

　身長：１５３cm

　容姿：頭頂部から生えた犬耳に、勲章付きの軍服風ワンピースを着こなす。首輪
を着け、白い犬の尾を生やしている。瞳の色はフンドと同じ鉛色。


　精霊世界にて弟のフンドとともに、アラウンの力を宿す迫狗群（はくぐぐん）達
を管轄する将軍姉弟の姉。

　まだ若く活発な少女ながらも、獣人が宿す高い身体能力を発揮し、数百年もの間
森の魔物から精霊達の居住区を守り続けている。

　主に精霊世界の第一から第三層で部下の精霊とともに迫狗群を率いり、危害を及
ぼす者がいないか監視している。アラウンから与えられた能力で数百もの迫狗群達
と意思疎通し、意のままに操る。


　将軍 フンド

　一人称：ぼく

　外見年齢：１１歳前後

　身長：１４０cm

　容姿：頭頂部から生えた犬耳に、勲章付きの軍服を着こなす。首輪を着け、白い
犬の尾を生やしている。瞳の色はクイネと同じ鉛色。


　精霊世界にて姉のクイネとともに、アラウンの力を宿す迫狗群達を管轄する将軍
姉弟の弟。

　言動が幼く控えめな少年ながら、御仰に次ぐ頭脳と蓄えた知識で精霊世界の政務
を担っている。

　姉のクイネが武官として実働部隊を率いるのに対し、彼はプイスの王宮で文官と
して事務に当たるだけでなく、アラウンより生まれた迫狗群の訓練も担当する。


　扶鷹（ふよう）

　一人称：本官

　外見年齢：２０代前半

　身長：１７８cm

　容姿：背中から黒褐色の翼を生やし、黒縁メガネを掛けている。
瞳の色は暗褐色。モチーフ動物はヨタカ


　マナウィダンの集落に住む翼人の若者。日が沈むとともに将軍姉弟の代理として
王宮内での事務仕事に携わっている。

　プライベートでは陽気な若者といった感じだが、将軍姉弟や精霊長達の前では軍
人風の喋り方へと変わる。また、驚いた時にはキョキョッと叫ぶ癖がある。

　集落では翼人グループに属しており、同じ翼人の叢林（そうりん）を含め交友が
広い。


　叢林（そうりん）

　一人称：あちき

　外見年齢：２０代前半

　身長：１４５cm

　容姿：背中から灰褐色の翼を生やし、肩や背中が露出したレオタードに網タイツ
を着用し、ナイトビジョンで素顔を隠している。モチーフ動物はコノハズク。


　シノビを自称する小柄な翼人の女性。御庭番として将軍の元に仕える事に憧れ、
日々研鑽を積んでいる。

　小柄ながらもシノビを名乗るだけあり、戦闘能力はそこそこ高く、女性一人程度
なら抱えて飛行することも可能。また、素顔は翼人でも有数の美人らしい。


　ゲラシモフ・ズメエヴィチ

　一人称：僕

　外見年齢：４０代後半

　身長：２１０cm

　容姿：大柄で頬と両腕が黒龍の鱗で覆われ、こめかみの両側から龍の角が生えて
いる。尾ていから黒くて太い硬質の尾を生やしている。瞳の色は勝色。モチーフ動
物はズメイ


　かつては精霊世界の将軍を輩出する名家だったものの、過去の事件をきっかけに
アラウンによって地位をはく奪されたズメエヴィチ家の子孫。

　没落後は集落で暮らしているものの、他の精霊達からは距離を置かれ常に孤立し
ている。元は諸侯らしく自身に満ちた性格だったが、事件以降は当主の凶行を止め
られなかった罪悪感に苛まれている。

　黒龍の血を引く龍人で、並の精霊を遥かに上回る腕力の持ち主。


　アネーチカ・ズメエヴナ

　一人称：あーし

　外見年齢：１８歳前後

　身長：１８０cm

　容姿：ブロンドの髪を後頭部でまとめており、肩から腕にかけて黒龍の鱗で覆われ、こめかみの両側から龍の角が生えている。スカート付きのレオタードの尾ていから、黒くて太い硬質の尾を生やしている。瞳の色は勝色。モチーフ動物はズメイ


　生まれて間もなく母を亡くし、現在は集落でゲラシモフと暮らしている彼の娘。

　物心ついた頃からゲラシモフと集落で過ごし、周囲に馴染めず殆どの時間を彼と
過ごしていた。

　父譲りの身体能力で大半の魔物では歯が経たず、龍人だった母から受け継いだ火
炎を吐き害なす魔物を焼き払う。