今までの話が丸分かり！　第二章のあらすじ　作：ジェム貯めナイト

※以下の内容には２５～４２Turnまでの出来事が含まれます。
ネタバレを嫌う方はブラウザバックをおススメします。

第二章は物語の核心に迫る章となりました。
このあらすじを読んだ後に１Turnから読み返すと、あの出来事はこういう事だった
のか――と納得する部分も多くあると思います。





○第二章のあらすじ


　タッグデュエル大会から数日が経ち、再び目覚めた遊無は本来の人格が乗り移っ
た影響で、元の自分の振る舞いや口調を思い出しつつあった。


目覚めた次の日。遊陽と遊無は帰宅途中に守護霊の防人（ゲニウス・カストゥディ
ーズ）を名乗る男――サバスと出会う。


本来の遊無の力を探知していた精霊を視る少年――日吾ととともに２人の前へと現
れたサバスは、玉藻前達を従えていたことで２人が人々に危害をもたらす秘号（エ
ンクレーブ）に関係すると断定し、デュエルによって２人を圧倒する。


しかし再びもう一人の遊無が目覚め、自身が精霊の力を行使する日吾の一族――常
盤家の出身だと明かすと、過去に境階の集落を守るためユーメイの手先である秘号
――スチュパリデスと戦い、魂のみの存在となったと打ち明ける。


誤解が解けるとともに、遊無が宿す“遊明の力”を狙うユーメイから彼女を守るた
め、翌日には日吾と境階町に呼び寄せたマノンの２人が転入生として、学園へと訪
れる。


しかしもう一人――闇の秘号であるゴルイニチにより、彼の配下の者である夢枕
現も、遊明の力を狙う先兵として学園へと送り込まれた。


２人と親交を深めた遊陽達は、本来の遊無をより詳しく知るため精霊の力を宿す者
達で協力し、日吾の力でもう一人の遊無がいる遊無の精神世界へと訪れ、遊陽の精
霊ヨリマシの正体――そして現代に伝わる精霊の力の始まりの者達の存在を知る。


一方で始まりの者の１人――マリアの息子であるイーサが率いるサバス達イーサ教
会と、精霊世界でマリアと結ばれたイーサの父、精霊遊明を乗っ取った秘号とその
手先の対立は決定的となった。


囚われた仲間を取り戻すため、秘号が収入源とするフリュギア社に突入したサバス
達は、秘号の１体――地の秘号ミダースを打ち破り囚われた仲間を開放するも、同
時に学園へと２体の秘号が現れた事で境階町へと急行する。


学園では本性を現した現によって、多くの生徒が彼の力で催眠された上、風の秘号
パズズと水の秘号トモカヅキの力で校舎は倒壊し、遊陽ともう一人の遊無は遊明の
力を賭けた闇のデュエルを強いられる。


催眠された仲間をカズや留音、経香が負傷しつつも目覚めさせる中、現に強力な催
眠を仕込まれた千夜と織姫を救い出すため、須浦と八千代は２人との闇のタッグデ
ュエルに挑む。


催眠された千夜によって八千代が倒れるが、須浦は千夜への思いを告白するととも
に、諦めることなく彼女を救い出すため立ち向かうが、闇の力による攻撃で遂に心
停止へと陥る。


しかし復活した八千代の助けと、彼女を救い出すという執念により蘇生した須浦は
遂に千夜を目覚めさせ、須浦の思いを受け入れた事で２人は結ばれるも、彼女を庇
い崩落した瓦礫に巻き込まれた須浦は瀕死の重傷を負う。


須浦が応急処置を施されている頃、校庭ではパズズとトモカヅキとの闇のデュエル
によって、遊陽ともう一人の遊無は２体の力により、徐々に追い詰められていく。


劣勢を覆すため、もう一人の遊無は遊明の力をひと際大きく解放させようとするも
、一度は力を制御しきれず失敗に終わる。


しかしヨリマシの助力もあり、自らが秘める“所縁の精霊の力”を発動させた遊陽
がヨリマシと遊無――そしてもう一人の遊無との繋がりを強めた事で、もう一人の
遊無は所縁の精霊の力の繋がりによって遊明の力の制御に成功する。


発動された遊明の力によって誕生したカードを手にした遊陽と遊無は、進化した切
り札でパズズとトモカヅキをあと一歩まで追い詰めるが、２体が最後に残したカー
ドで抵抗したことにより、２人は引き分けに持ち込まれる。


現を打ち破った日吾やカズ達が駆け付ける中、力を使い果たした遊陽と遊無にパズ
ズとトモカヅキが迫るも、ようやく到着し助太刀に現れたサバスとマノンが２人に
代わって、パズズとトモカヅキとの闇のデュエルを開始する。


連戦となったサバスとマノンだったが、遊陽と遊無によって大きく力を削がれてい
たこともあり、更なる切り札でパズズとトモカヅキに辛勝する。


勝利に沸く遊陽達だったが、ミダースに続きパズズとトモカヅキが敗れた事で、２
体を回収すべく全ての元凶である秘号の源に操られた遊明――ユーメイと、闇の秘
号ゴルイニチが現れた。


精霊の力の始まりの者の意志を継ぐ遊陽と遊無、日吾、サバスとマノンと対峙した
ユーメイ達は、自身の障害となる精霊の力持つ者全てを倒すと宣戦布告する。


そして遊無へと、その身に宿る遊明の力は必ず手に入れると告げたのち、ゴルイニ
チとともにパズズとトモカヅキを再生させるため、そのまま境階町から引き上げて
いった。


○主要人物


那由他遊陽（なゆた ゆうひ）
先祖である遊壱から所縁の精霊の力を受け継いだ少年。サバスとのデュエルを経て
からは遊無を守るため、自らの力をより高めようと模索し、新たなカードで自らの
デッキを一新した。

パズズとのデュエルで自らに宿る所縁の精霊の力を覚醒させ、もう一人の遊無との
繋がりを結んで遊明の力を制御する助けとなり、ヨリマシが進化した新たな切り札
でパズズをあと一歩まで追い詰めた。


刹那遊無（せつな ゆうむ）
遊明の力の器である少女。もう一人の自分が乗り移った影響で意識を失ってからは
、本来の自分の振る舞いや言動を思い出した。

サバスとのデュエル――そして精神世界へと遊陽を受け入れてからは、強くなるべ
く最後の幽鬼へと協力を要請し、同じく新たなカードを加えた遊陽とのデュエルで
遊陽に宿る精霊の力の本質を見抜くとともに、新たな幽鬼の力で彼に勝利する。

トモカヅキとのデュエルでは、精神世界からもう一人の自分を支え続け、彼女と入
れ替わってからはトモカヅキの攻撃を耐え続ける。

そして所縁の精霊の力を通じ、もう一人の自分が遊明の力を行使するのを手助けす
ると、玉藻前が進化した新たな切り札でトモカヅキをあと一歩まで追い詰めた。


遊無の主人格（常盤 阿？？）
生前の遊無の魂にして、所縁の精霊の力の起源である始まりの者の１人。サバスと
のデュエルで再び遊無の肉体に宿り、サバスへと自らの身の上を明かすことで和解
へと導いた。

精神世界へと訪れた遊陽へと、彼の先祖であり友であった遊壱と自らが所縁の精霊
の力で結ばれていることを伝え、現代に受け継がれている３人の精霊の力の始まり
の者について語った。

トモカヅキとのデュエル直前に再び現れるも、彼女との闇のデュエルで次第に劣勢
となりつつあることで、打開策として遊明の力を行使し新たな力を遊陽と遊無に託
すことを決断する。

遊明の力を制御しきれず一度は失敗するも、彼女の助けになりたいと強く願った遊
陽が所縁の精霊の力を覚醒させ、お互いの繋がりを深めたことが、所縁の精霊の力
の結びつきをより一層強くした。

強化された所縁の精霊の力を宿し、遊明の力を自在に操ったことで、ヨリマシと玉
藻前にその力を注いで強化させ、遊陽と遊無に一縷の望みを託した。


ワッショイ・ヨリマシ
生前に友となったもう一人の遊無から、所縁の精霊の力を授けられた遊陽の先祖。
天寿を全うしてからは所縁の精霊の力を宿して生まれた遊陽の元に、稚児の精霊へ
と生まれ変わった姿で現れた。

パズズとのデュエルで追い詰められていく遊陽へと声援を送り続け、もう一人の遊
無が遊明の力を制御しきれず諦めかけた時にも、最後まで希望を信じ続けた。

彼の一言が遊陽の覚醒の一因となり、所縁の精霊の力を通じて精神世界のもう一人
の遊無の元に遊陽と訪れた時は、かつて自らに分けられた所縁の精霊の力で遊陽と
ともに、もう一人の遊無の助けとなった。

もう一人の遊無から遊明の力を注がれたことで、心身ともに成長し少年の姿へと変
化する。そして氏神である祭りの竜をその身に宿したワッショイフェスタ・ヨリマ
シポゼストへと進化すると、遊陽の指示でパズズを後一歩まで追い詰めた。


妖幽鬼 玉藻前
遊無に面従腹背で従える妖の精霊。彼女を引き連れていたことで遊無がサバスから
敵だと断定される要因となってしまった。

サバスに敵わなかったことでより強い力を求める遊無へと、残る三柱の一角である
幽鬼――大嶽丸の所在を知らせるが、同時に幽鬼を従える代償を忘れぬよう念押し
した。

トモカヅキとのデュエルで彼女とは秘号に仕えた時に面識があると明かしつつ、も
う一人の遊無とともにトモカヅキの攻撃を耐え凌ぐ。

もう一人の遊無から遊明の力を注がれたことで、用済み扱いされたことから生き延
びるために彼女の力となる道を選び、力を受け入れた事で式役幽鬼 玉藻前の姿に
進化すると、遊無の指示でトモカヅキを後一歩まで追い詰めた。


サバス・バジャダレス
マグナ ヌメンから境階町へと訪れたイーサより光の精霊の力を授けられし男。当
初は玉藻前を引き連れた遊無を秘号の手先だと判断し、彼女と遊陽をデュエルで圧
倒するも、もう一人の遊無が自らの正体を明かしたことで考えを改めた。

遊明の力を宿す遊無がユーメイに狙われているのだと悟ると、日吾とマノンを交流
生として遊無の側に置き、自らは秘号の隠れ蓑であるフリュギア社へと突入する作
戦をイーサとともに計画した。

仲間の救出のためフリュギア社へと突入し、最上階で地の秘号ミダースとのデュエ
ルに挑むと、ミダースの切り札にして分身を破壊する術が無いながらも機転を利か
せ、辛くもミダースを打ち破る。

その後フリュギア社の所有するヘリで２体の秘号が現れた境階町へと引き返し、遊
陽によって大きく力を弱めたパズズを更なる切り札で打ち破った。


常盤 日吾（ときわ ひゅうご）
初代常盤家当主である精霊の力の始まりの者の末裔であり、生まれながらにして探
知の精霊の力を宿した少年。もう一人の遊無が現代に蘇ったことを探知し、繋がり
のあったイーサ教会へと知らせた。

転入生として境階学園へと訪れ、遊陽達と親交を深めると常盤家に関わるもう一人
の遊無を知るために、自らの力で遊無の精神世界へと向かう遊陽とマノンを助ける
。

現が本性を現すと、仲間達を催眠させた元凶である彼を追って学園の屋上へとたど
り着き、現とのデュエルに挑んだ。

現の切り札が宿す闇の力で一度は催眠されるも、悪夢の中で自らを責める妹の幻影
をムチャリンダの力を借りて打ち破り、奥の手である切り札で現を打ち倒すことに
成功した。


梵定竜王（サマーディナーガ）ムチャリンダ/藍（あい）
探知の精霊の力を宿す日吾がパートナーとする巨大な白いコブラの精霊。初代常盤
家当主が使役した始祖の竜王より生まれた１体で、その身には猛毒や呪いを浄化す
る力を宿している。

精霊として現れている間は巨大な白いコブラの姿だが、精神世界の中では日吾に藍
と名付けられた僧侶としての姿で現れ、対話することもできる。


マノン・ラヴァンディエ
サバスとともに境階町へと訪れた守護霊の防人の少女。奔放に振る舞いながらも自
らに授けられた光の精霊の力を、若くして行使できる才能を秘めている。

学園へと転入し遊陽達と打ち解けると、遊陽とともに遊無の精神世界へと訪れ、自
らの精霊の力の起源となるイーサの母マリアの存在を知る。

フリュギア社への突入の際にはサバスとともに行動し、ミダースが従える多数の配
下を一度に相手取り、サバスがミダースを打ち破るのを支えた。

その後学園に到着すると、遊無に代わってトモカヅキとの闇のデュエルに挑み、更
なる切り札によってトモカヅキを一気に攻め落とした。


夢枕 現（ゆめまくら うつつ）
闇の秘号ゴルイニチによって境階学園に転入した少年。より多くの患者を治療する
ため、一族に伝わる開心術で診療を行う夢枕家の治療法を記した父の論文を医学会
に奪われたことで、医学会への復讐を目論んでいる。

穏やかな人柄を演じて学園内に自らの支持者を増やしたのち、パズズとトモカヅキ
の襲撃の際には本性を現して支持者の生徒を筆頭に、数多くの生徒へと催眠を掛け
て学園を混乱に陥れた。


○作中用語


精霊の力
人間世界とは別の次元に存在するカードの精霊が住む世界から、稀に強い影響を受
けて誕生した人間が宿す力。様々な性質を帯びた力を操ることで、人間世界で奇跡
を起こすことができる。

殆どの場合は時間とともに力を消耗し、延々と受け継がれることは無いが、現代に
おいては以下の３つの並外れた精霊の力が千年以上もの間、継承され続けている。


●探知の精霊の力
遥か昔のヒノモトで生まれ、近代まで国家の未来を予見し朝廷を支えた名家――常
盤家を興した始まりの者が宿した力。

後に当時の朝廷から、阿頼耶（あらや）の名を賜られた常盤家の始まりの者は、そ
の力で未来を見通し朝廷を導いた。

その力の性質は世の中の変化を探り当て、作中では探し物や国家の未来を予見する
だけでなく、他者の意識を別の者の精神に送り届ける発信も可能とする。


●光の精霊の力
始まりの者の中で最も古くに生まれ、精霊世界へとたどり着いた唯一の人間――マ
リアが宿した力。

彼女と精霊遊明の間に生まれたイーサにもその力は受け継がれ、自らの信徒の一部
へとその力を分けることで人間世界の平穏のため、活用されている。

その力の性質はあらゆる者を正しき道へと導き、作中では人間世界に迷い込んだ精
霊を精霊世界へと送り返す他、精霊の力を宿す者に限り精霊世界へと導く事も可能
とし、宿した人間の力量によっては悪しき者を滅ぼす事もできる。


●所縁の精霊の力
常盤家の誕生より少し後の時代に、生前のもう一人の遊無が生まれた時から宿して
いた力。

最初は性質を引き出せなかったものの、当時の常盤家当主から指導を受けたことで
力の制御を可能とし、寒村であった境階の集落を豊かな土地へと作り替えた。

その力の性質は人と人との縁を繋ぎ、作中では力を分けられた遊陽の先祖――遊壱
を転生させ、子孫の元へと導いている。

その真の力は、結びついた人々の間に芽生えた絆を周囲へと波及させ、幸福の加護
によって豊かな恵みをもたらすことにある。

その性質により、もう一人の遊無が興したことで結束が深まった境階の集落は、現
代まで豊作、豊漁に恵まれ、遊陽と遊無、もう一人の遊無とヨリマシの結びつきが
秘号（エンクレーブ）を退ける力を宿したカードを生み出した。


遊明の力
遥か昔に精霊長の下で、精霊世界を治めていた精霊――遊明が宿していた能力。

その力の性質は繁栄をもたらし、マリアとの間に生まれたイーサにも僅かながら受
け継がれたおかげで、イーサ教会は古くから人々の信仰を集める総本山であり続け
た。

遊明が人間世界で秘号の源に敗れた後は、もう一人の遊無がその魂を受け入れたこ
とで、結束が深まりつつあった境階の集落に更なる豊かさをもたらした。

精霊世界を治める諸侯が宿す能力だけあって、宿主のもう一人の遊無ですら多量の力は行使できず、強大なその力が悪しき者の手に渡れば世界を滅ぼしうる危うさも持ち合わせている。