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HOME > 遊戯王SS一覧 > 35Turn 堕ちた雷と涙雨の天河

35Turn 堕ちた雷と涙雨の天河 作:ジェム貯めナイト

 校舎の一部が倒壊した中庭で、カズと留音がデュエルを繰り広げている最中――
巨大な瓦礫で隔てられた反対側では、現によって直接催眠された笑原姉妹と、須浦
と八千代のデュエルが続いていた。


 「……私はモンスターとカードを1枚ずつ伏せ、ターン終了だ」


 デュエル開始から少し経ち、最後にターンが回った八千代が最低限の防備を固め
つつ、再び千夜にターンを渡す。


 Turn4終了時点

 須浦&八千代LP4000。 手札3 手札3

 伏せモンスター×2

 伏せカード×2


 千夜&織姫LP4000。 手札3 手札3

 伏せモンスター×2

 伏せカード×2


 「八千代ちゃんまで同じ構え――お互いまずは様子見ってわけぇ……?」


 他の催眠された生徒達よりも感情の振れ幅が大きく、現のような態度と狂気を含
んだ笑みを浮かべた千夜は、目当てのカードが引けたことに、口が裂けるほどに口
角を上げた。


 「やっぱ一番手はあたしだよねぇ! 行くよお姉ちゃん――」


 お互いに目配せすると、千夜と織姫は伏せモンスターを裏返し、縦向きに液晶盤
へと置き直した。


 「あたしは伏せていた《アル=ナジュム・ナラティブ アリ・サイード》とぉ!
 《ウィーブ・マグパイ ヘリンボレロ》を反転召喚っ……!」


 アル=ナジュム・ナラティブ アリ・サイード
 効果モンスター
 /地/レベル1/雷/攻撃力600。
 このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがフィールドから除外された場合に発動できる。
 デッキからカードを1枚ドローし、LPを600回復する。


 ヘリンボレロ攻撃力400。


 「更に魔法カード《パワー・キンドル》で、手札の《アル=ナジュム・ナラティ
ブ シンドバード》を除外して、デッキから“御伽噺の端末”を手札に加えるよ!」

 「来るか――」

 「手札の《アル=ナジュム・ナラティブ イフリート》を除外し、魔法カード《アル=ヌジューム・アル=キターブ》! イフリートよりレベルが2つ高い“アル=ナジュム”を、デッキから再現するっ……!」


 催眠された千夜の心情を表すかのような――黒く染まった雷が千夜を中心に周り
へと落雷し、彼女の側へと目元に影が差した“御伽噺の王妃”が招来される。


 「星々が巡り移ろうとも、その悪夢に未来永劫もがき苦しむ! 《アル=ナジュ
ム・マリカ シェヘラザード》……!」


 シェヘラザード攻撃力2400。


 「先に切り札を出されたか――」

 「そして王妃様が住まう宮殿――《砂丘王城 アル=カスル・アル=アハカーフ
》を発動しぃ! “アル=ナジュム”に破壊と対象耐性を与えたところで早速語ら
っちゃうよ――カーナ ヤー マカーン……!」


 御伽噺の始まりを告げる語り言葉が囁かれるとともに、黒い雷が姉妹の場へと落
ちると、ランプの注ぎ口から雷の霊体をした魔神が呼び寄せられた。


 イフリート攻撃力1800。


 「バトル! まずはお前のモンスターから感電させてやるっ!」


 須浦を指差し、彼の場に伏せられたモンスターへと攻撃を仕掛けようとする千夜
だが、ちょっと待った――。の声を掛けた八千代が、自らの伏せカードを発動させ
る。


 「私は罠カード《影鬼暗転(ブラックアウト)》の発動で、私の伏せモンスター
を光差す舞台へと呼び寄せ、その魔神を舞台袖へと追い立てる」


 影鬼暗転(ブラックアウト) 通常罠
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分フィールドの裏側表示モンスター1体を対象に発動できる。
 そのモンスターを表側守備表示にする。その後相手フィールドの表側表示モンス
 ター1体を選んで裏側守備表示にできる。


 「リバースモンスターを光当たる舞台に導くトラップ。これなら――」

 「あたしが無策で突っ込むわけねぇだろ! カウンター罠《DRMバリア》……
!」


 発動した罠の効果を封じる返しの罠で、八千代が発動させたカードは無数の文字
列に覆いつくされて封じられ、須浦の伏せたモンスターが裏返って現れる。


 インクミキサー守備力1500。


 「そして墓地に《アル=ヌジューム・アル=キターブ》があれば手札に加えられ
る。やれ、イフリート! アズィーム・サーイカ……!」


 ランプの魔神が上空の黒雲から火を纏った黒い雷で雷撃し、塗料を混ぜ合わせる
塗師を焼き焦がすとともに、地面へと焦げ跡を残す。


 「次は八千代ちゃんだ! シェヘラザード――アルフ・ライラ・ワ・ライラ……
!」


 続けて暗い表情の御伽噺の王妃が、怒れる御伽噺の住人を霊体として呼び寄せる
と、黒く塗られた激しい雷が八千代の伏せていた《影鬼団-鬼人形(マリオネット
)》を消滅させる。


 「更に続けぇ! アリ・サイード! ヘリンボレロ……!」


 絹織物を掴むカササギは翼を羽ばたかせ、2人へと接近すると嘴で頭を突つき、財宝を手に入れた働き者が砂の塊に黒い雷を纏わせ、2人へと放つ。


 「う――っ……!?」 須浦&八千代LP4000→3600→3000。


 降りかかる砂に触れた途端、気を失いかねないほどの電撃が全身を走り、須
浦と八千代は倒れそうになるが地面に両手を付いて、何とか身体を支える。


 「あっ、そうだぁ! この“闇のデュエル”じゃ、お前達へのダメージは命取り
となるからねぇ……!」


 千夜はわざとらしく額に手を当てながら、倒れた2人をあざ笑うかのように呟い
た。


 「……いい加減、あいつの口真似なんて止めたらどうだ?」


 先に起き上がった須浦が額に汗を滲ませつつ、D・フェースを構え直して指摘す
るが、八千代が立ち上がろうとする中千夜は須浦へと向け、苛立ちを込めた言葉を
発した。


 「お前――あたしに命令すんじゃねぇよ! あたしに命令できるのは現様だけだ
っ!」

 「違う! 君の意志は君だけの物だ。あんな奴なんかに操られるな。笑原――」

 「黙れっ! 赤の他人の癖に――あたしに口答えするなっ……!」


 取り合う間もなく、千夜がターンを終えると除外されたランプの魔神が残した効
果で、デッキの上2枚の中から1枚を手札に加え、もう1枚を墓地へと送る。


 イフリート効果(アラァ・アディーン パイレーツ・オブ・クラックダウン)

 手札に加えたカード(アラァ・アディーン) 墓地(パイレーツ・オブ・クラッ
クダウン)


 「……石井。笑原や先輩の意識は、根元まで夢枕に侵食されているようだ」


 自らのデッキに手を掛けると、カードをドローした須浦は引いたカードを見て、
ようやく動ける――。とばかりに手札から2枚のカードを引き抜いた。


 「しかし僕なら――僕と君ならきっと、2人を取り戻せる……!」

 「ああ――私と君、学園でも上位者同士のタッグならきっと――」

 「僕は墓地のインクミキサーを除外して効果発動! その効果で手札の《マスケ
ッチ・レッドインク》と《マスケッチ・ブルーインク》の2色を混ぜ合わせ、新た
なモンスターを“融合召喚”する……!」


 須浦が手札から見せた2体の塗師が、塗師が生み出した渦の中で混ざりあうこと
で、D・フェースの中から飛び出したカードを須浦は手に取り、液晶盤へと置いて
場に呼び出す。


 マスケッチ・インクミキサー
 効果モンスター
 /水/レベル4/戦士/攻撃力1500。
 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードが「マスケッチ」融合モンスターの融合素材となり、墓地へ送
 られた場合に発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローし、その後手札
 を1枚選んで捨てる。
 (2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。
 自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、「マスケッチ」融合モン
 スター1体を融合召喚する。この効果はこのカードが墓地に送られたターンには
 発動できない。


 「現れろ――《ボレーマスケッチ・イエローインク》……!」


 イエローインク攻撃力2400。


 「そして融合素材となったブルーインクの効果で、墓地からレッドインクを蘇生
。更に自身以外の“マスケッチ”が現れたことでイエローインクの効果により、デ
ッキから《マスケッチ・インクチャージャー》を手札に加え、これを召喚!」

 「須浦君――3体のモンスターを即座に並べるなんて……」


 一度の融合から始まり、3体ものモンスターを並べた須浦に八千代が感嘆の声を
上げるも、千夜はつまらなさそうな態度で水を差すように言葉を投げかけた。


 「あーはいはい。さっさと進めてくれますぅ……?」

 「そんなに怖いか。僕に心を揺り動かされることが」

 「――っせえなぁ! 早くしろって言ってんだろがっ……!?」


 声を荒らげ、まるで現のような怒鳴り声を再現した千夜に、これ以上彼女の機嫌
を損なわないようにと、須浦は塗料の補充師を液晶盤から離して墓地へと送る。


 「僕はインクチャージャーをリリースすることで効果発動。2人の場に地属性と
風属性がいるため、その属性の数と同じ数だけデッキから“マスケッチ”を場に呼
び寄せる……!」

 「だったらあたしもシェヘラザードの効果――カーナ ヤー マカーンで、除外状
態のイフリートをこのターンの間だけ呼び戻すっ!」


 再び表情の暗い王妃の詠唱によって、黒い雷が落ちると雷の霊体をしたランプの
魔神が再び招来された。

 そして塗料を他の塗師へと補充する塗師が消滅するとともに、デッキから新たに
緑の塗料を銃に詰めた塗師と、異なる色同士を背負ったタンクに投入して混ぜ合わ
せる塗師が現れた。


 マスケッチ・インクチャージャー
 効果モンスター
 /光/レベル4/戦士/攻撃力1500。
 このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードをリリースして発動できる。相手フィールドのモンスターの属
 性の数まで、デッキから「マスケッチ」モンスターを特殊召喚する。(同名カー
 ドは1枚まで)。
 この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「マスケッチ」モンスターしかモ
 ンスターを特殊召喚できない。


 グリーンインク&インクミキサー攻撃力1500。


 「そして僕が発動するのは、このターン引き当てた“このカード”!」

 『《融合》……!』


 八千代と織姫が同時に叫び、千夜が不快感を表すように顔をしかめる中、赤の塗
料を詰めた塗師と塗料を混ぜ合わせる塗師が渦の中に取り込まれ、新たなモンスタ
ーを“融合召喚”する。


 「現れろ――《ボレーマスケッチ・シアンインク》……! そして融合素材とな
ったレッドインクの効果で、墓地のブルーインクを蘇生し、融合素材となったイン
クミキサーの効果発動だ!」


 発動した効果で須浦はデッキからカードを2枚ドローし、手札の《スタビリテ
ィ・イーゼル》を捨てると、更に青の塗料を充填させた塗師が現れた事により、2
丁合わさった銃を持つ塗師の効果を発動させる。


 「ブルーインクが現れたため、シアンインクの効果で更に1枚ドロー。……知っ
ているか笑原、融合モンスターの中には、自らの効果で融合召喚可能なモンスター
も存在する」

 「つまり――《融合》無しで融合できるモンスター……!?」


 まさか――。と千夜が姉の織姫と顔を見合わせると、D・フェースから飛び出し
たカードを須浦は手に取り、2人へと見せつけることでその存在を証明する。


 「僕は“ボレーマスケッチ”2体――イエローインクとシアンインクをリリース
することで、EXデッキからこのカードを特殊召喚する! 撃ち続ける塗料の弾幕
は、正に津波の如し……!」


 2体の塗師が消滅し、須浦が“そのカード”を液晶盤へと置くと、絶えず塗料を
撃ち続ける大容量のタンクを背負った塗師が、両手に背中のタンクと接続された銃
を握りしめて現れた。


 「現れろ――《コンティニュアスマスケッチ・ジェットインク》……!」


 コンティニュアスマスケッチ・ジェットインク
 融合、効果モンスター
 /光/レベル8/戦士/攻撃力3000。
 「マスケッチ」融合モンスター×2体
 このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
 ●自分フィールドの上記カードをリリースした場合にEXデッキから特殊召喚で
 きる。
 (1):1ターンに1度、デッキ・EXデッキから「コンティニュアスマスケッチ
 ・ジェットインク」以外の「マスケッチ」モンスター1体を墓地に送って発動で
 きる。エンドフェイズまで、このカードはそのモンスターと同名カードとして扱
 い、フィールドのモンスターは墓地に送ったモンスターと同じ属性となる。


 「本当に融合魔法無しで、融合召喚しちゃった――」

 「どうした? 驚きで口調が“元の笑原”に戻っているぞ……?」


 須浦の指摘に千夜はハッとして口元を押さえると、すぐに怒りの形相を浮かべて
須浦へと言い返す。


 「はぁ? あたしがお前なんかの好みに合わせるかよ……!?」

 「それで照れ隠しのつもりか? 可愛いとこもあるんだな」

 「うっさい! 黙れよ――キモいんだよお前は……!」


 からかい気味に呟いた須浦の言葉に対して、余裕が無くなって来たからか辛辣な
言葉と口調で怒鳴り返す千夜に、須浦は表情を崩さず石井の方へと振り向くと、自
らの考えを告げた。


 「ジェットインクへの反応で確信したよ。夢枕の催眠も完璧には程遠い。2人が
心の底から“強い思い”を抱けば、その心は揺れ動く」

 「流石の観察眼だな――だったら早速攻撃して、その思いを直接千夜に届けるん
だ……!」


 催眠されている彼女達を揺るがす言葉や行動を示せば、2人は揺れ動いて自我を
取り戻せる――。そう受け取った八千代が攻撃を急かすが、まだだ――。と須浦は
場の塗料撃ち続ける塗師を見上げ、効果の発動を宣言する。


 「ジェットインクは1ターンに1度、デッキかEXデッキから“マスケッチ”を
墓地へと送ることでそのカード名を取得し、場のモンスターをそのモンスターと同
じ属性へと塗り変える!」


 再びEXデッキからカードを引き出すと、炎属性の《ボレーマスケッチ・マゼン
タインク》を墓地に送ったことで、場のカササギや御伽噺の住人は撃ち続ける塗料
によって赤く染まっていく。


 「更にフィールド魔法《世絵画廻り》を発動したことで、元々の属性と異なる属
性の相手モンスターの攻撃力は500ダウンする! 笑原達のモンスターは真っ赤
に染まっている――」


 シェヘラザード(地→炎)攻撃力2400→1900。 イフリート(地→炎)攻撃力18
00→1300。 アリ・サイード(地→炎)攻撃力600→100。 ヘリンボレロ(風→炎)攻撃力400→0。


 「ちっ……お前如きにっ……!」

 「これでラフは整った。後は筆を入れるのみ……! ジェットインクでシェヘラ
ザードに攻撃――笑原に届け! 僕の――僕達の思い……!」


 槓桿を引き、銃の内部に背負ったタンクからの塗料を加え入れる塗師を前に、墓
地からカードを引き出した千夜がそのカードをかざすと、財宝を手に入れた働き者
は雷の霊体に代わって場から消滅する。


 「墓地の《パワー・キンドル》を除外することで、アリ・サイードは御伽噺の中
へと収納したっ! そして場から除外されたことでアリ・サイードの効果――イフ
タフ ヤー シムシム……!」


 千夜が開けゴマの合言葉を唱えた事で、天から降り注ぐ金貨が2人のLPを潤し
回復させるとともに、D・フェースの指示に従い、カード1枚をドローした。


 「更に御伽噺の住人が除外されたことで、砂丘にそびえる王城が呼び起こした砂
塵が、お前達のモンスターから攻撃力500を消耗させるっ……!」


 塗料撃ち続ける塗師が発射した塗料の津波は、到達を阻むように吹き始めた砂嵐
によって威力を弱めたものの、御伽噺の王妃を押し寄せる塗料で飲み込み、押し流
すことで消滅させる。


 ジェットインク攻撃力3000→2500。 ブルーインク(守備表示)&グリーンイン
ク攻撃力1500→1000。


 千夜&織姫LP4000→4600→4000。


 「っ……! これでダメージは帳消し!」

 「だったらグリーンインクで、ヘリンボレロを攻撃――」

 「そうはさせないわ。罠カード《フロックオブ・シャトル》で、あたしの“ウィ
ーブ・マグパイ”への攻撃は無効!」


 須浦と千夜――2人のやり取りを静かに見守っていた織姫は、ここに来て自らが
伏せていたカードを発動し、放出された緑の塗料から自身の操るカササギを守ると
ともに、液晶盤から離したカードを手札へと加えた。


 「そしてモンスターゾーンの端へと移動させたことで、ヘリンボレロはあたしの
手札に帰って来る」

 「須浦君の攻撃を凌ぎ切るなんて――」

 「……僕はカード1枚を伏せて、ターン終了」


 織姫へとターンが移る前に、ランプの魔神は再び除外されることで枠物語の中へ
と帰っていくと、呼応して発生した砂塵が塗師達の活力を消耗させていく。


 ジェットインク攻撃力2500→2000。 ブルーインク(守備表示)&グリーンイン
ク攻撃力1000→500。


 「サンキュッお姉ちゃん! ほら、さっさとあいつらをぶっ潰しちゃってよ……
!」


 千夜に肩を掴まれ、感謝の意を伝えられた織姫は、彼女の方へと顔を向けて小さ
く頷くと、カードを引いて自らのターンを開始しようとする。


 「先輩! 千夜が自らの意志を曲げられ、夢枕君に従わされるのを黙って見てい
るつもりですか……!?」


 八千代は織姫へと呼びかけ、千夜や彼女自身がこのまま操られたままでいいのか
――。と訴えかけるも、織姫は首を左右に振り、自らの心中を語り始める。


 「八千代ちゃん――あたしは現様から頂いたこの力を、千夜ちゃんが皆の憧れと
なるお膳立てを演出するために使うんだ」

 「そんなこと――ただの欺瞞だ」

 「妹をみんなに好かれるよう引き立たせる――それが姉妹愛ってもんじゃないか
なぁ……!?」


 織姫が引き当てたカードを発動させると、空へとかかった乳白色の天河を引き裂
くように黒雲が覆い隠していき、現の力による影響を受けたからか、黒い雨が降り注ぎ地面を激しく打つ。


 「永続魔法《孟秋の催涙雨》……! その効果で手札から“ウィーブ・マグパイ
”を場に呼び寄せる!」


 孟秋の催涙雨 永続魔法
 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):自分フィールドのモンスターが、存在しない場合または「ウィーブ・マグ
 パイ」モンスターのみの場合に発動できる。手札から「ウィーブ・マグパイ」モ
 ンスター1体を特殊召喚する。
 (2):自分フィールドの「ウィーブ・マグパイ」モンスター1体を対象に発動で
 きる。そのモンスターを他のメインモンスターゾーンに移動する。


 「果てしない行路が見せる悪夢――夜空を覆い2人を引き裂け! 《ウィーブ・
マグパイ フライング・カルゼット》を“左から2番目”に特殊召喚するっ……!」


 液晶盤の位置を指し示し、その場所に“自らの切り札”を置くと、黒い雨が降る
星逢の空へと橋渡しをする数羽のカササギ達が、共同で織る絨毯を引っさげて場に
飛んできた。


 フライング・カルゼット攻撃力2500。


 「来てしまったか。須浦君――“モンスターの位置”に注意して……!」

 「既に出したモンスターは、その位置に縫い付けられたように動かせないよ! 
“ウィーブ・マグパイ”が場にいることで、もう一度ヘリンボレロと《ウィーブ・
マグパイ コーデュローブ》を両端に特殊召喚するっ……!」


 ウィーブ・マグパイ コーデュローブ
 効果モンスター
 /風/レベル2/鳥獣/攻撃力400。
 このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2
 )の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):自分フィールドに「ウィーブ・マグパイ」モンスターが存在する場合、こ
 のカードは手札から特殊召喚できる。
 (2):自分フィールドに「ウィーブ・マグパイ」モンスターが召喚、特殊召喚さ
 れた場合に発動できる。除外状態の「ウィーブ・マグパイ」モンスターをこのカ
 ードとそのモンスターの間のモンスターゾーンに特殊召喚する。


 モンスターの位置。

 左 コーデュローブ フライング・カルゼット 空き 空き ヘリンボレロ 右

 左 空き ブルーインク ジェットインク 空き グリーンインク 右


 「コーデュローブが現れた事でヘリンボレロの効果発動! 2体の間にはモンス
ターゾーンが3ヶ所――よって1ヶ所に付き“ウィーブ・マグパイ”の攻撃力は5
00アップするっ……!」


 トップスを織るカササギ達が天河の空を飛び交い、元の位置へと戻ることにより
、2体の間には黒く着色された絹の橋が架かると、カササギ達はより一層奮い立つ



 ヘリンボレロ&コーデュローブ攻撃力400→1900。 フライング・カルゼット攻
撃力2500→4000。


 「そして適切な距離へと合わせる! 《孟秋の催涙雨》のもう一つの効果で、コ
ーデュローブを真ん中へと移動してフライング・カルゼットの効果発動――絹綾架
橋……!」


 1羽のカササギを液晶盤の中央へと移動させたのち、右に置かれた自らの切り札
との位置を交換させることで、カササギ達は高速で宙を飛び交い、生じた残像が黒
い橋を生み出して正面の位置に置かれた2体の塗師を取り込もうとする。


 「これが決まれば――須浦君のモンスターが一方的に除外される……!」

 「問題ない――罠カード《アディションズ・リペイント》をジェットインクに対
して発動だ!」


 すぐさま須浦が伏せていたカードを発動させ、液晶盤から塗料撃ち続ける塗師を
取り除くとともに、放出された白い塗料がその場で旋回するカササギ達へと降りか
かる。


 アディションズ・リペイント 通常罠
 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):自分フィールドの「マスケッチ」モンスター1体を対象に発動できる。
 フィールドのモンスターをエンドフェイズまでそのモンスターと同じ属性に変更
 し、そのモンスターをエンドフェイズまで除外する。
 (2):自分メインフェイズに除外状態の「マスケッチ」融合モンスター1体を対
 象に発動できる。墓地のこのカードを除外して対象のカードをデッキに戻す。
 このターン自分が対象のモンスターと同じカード名のモンスターを融合召喚する
 場合に一度だけ、このターンに除外された除外状態の「マスケッチ」融合モンス
 ターをデッキに戻して融合素材とする事ができる。
 この効果はこのカードが墓地に送られたターンには発動できない。


 「このターンが終わるまでジェットインクを除外し、全てのモンスターはジェッ
トインクと同じ光属性となる」

 「属性が変わったということは、須浦君の《世絵画廻り》によって攻撃力を50
0ダウンする」


 ヘリンボレロ&コーデュローブ(風→光)攻撃力1900→1400。 フライング・カ
ルゼット(風→光)攻撃力4000→3500。


 「だけどブルーインクは、絹に絡めとられる! バトル! あたしの切り札で攻
撃力500のグリーンインクへの攻撃が成立すれば、それでジャストキル……!」


 織姫が緑の塗料を詰めた塗師を指し示し、戦闘を行う宣言をするとともに、上空
を飛ぶカササギ達が垂直になって急降下を始める。


 「いいよぉお姉ちゃん……! そのままやっちまえ!」

 「グリーンインクを攻撃――乞巧逢瀬 橋渡……!」


 絨毯から解いた黒い絹糸が塗師を縛り上げようと迫るが、須浦が伏せていたもう
1枚の伏せカードを発動させると、塗師の身体を締め付け破壊されたことによるダ
メージは軽減される。


 「罠カード《意到筆随》で、僕と石井が受けるダメージは半減する――」


 意到筆随 通常罠
 このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。
 (1):相手モンスターの攻撃宣言時に自分の墓地の属性が異なる「マスケッチ」
 モンスターを2体まで対象に発動できる。その戦闘で自分が受ける戦闘ダメージ
 は半分となり、ダメージステップ終了時に対象のモンスターを特殊召喚する。


 『ぐっ……!?』 須浦&八千代LP3000→1500。


 「そして墓地から属性が異なる2体の“マスケッチ”――レッドインクとインク
ミキサーを蘇らせる……!」


 レッドインク&インクミキサー守備力1500。


 「あぁっ、もう! 何やってるのお姉ちゃん!? この攻撃で決まるはずだった
のにっ……!」


 苛立つ千夜に八つ当たりされ、織姫は申し訳なさそうに謝りつつカードを1枚伏
せてターンを終えると、除外された塗料撃ち続ける塗師を場に戻しつつ、須浦は2
人の様子を眺めながら1人呟く。


 ヘリンボレロ&コーデュローブ(光→風)攻撃力1400→400。 フライング・カ
ルゼット(光→風)攻撃力3500→2500。


 「笑原の方がより深く、夢枕の思惑が働いている……?」

 「逆恨みからの洗脳――だったらこのターンで、まずは先輩の心に訴えかけてみ
せる……!」


 八千代はカードを引いて自らのターンを開始すると、須浦へと向き直り彼の了承
を取るとともに、須浦は蘇ったばかりの2体の塗師を墓地へと送る。


 「遠慮なく使え――石井!」

 「ああ! 私はレッドインクとインクミキサーをリリースし、手札のモンスター
を“アドバンスセット”する……!」


 2体の塗師が消滅し、裏側に向けられたカードがモンスターゾーンに伏せられる
とともに、続けて八千代は手札から1枚のカードを発動させる。


 「そして魔法カード《若手影鬼のドサ回り》を発動したことによって、手札から
下級“影鬼団”1体を裏向きで特殊召喚……! そして2つある効果のうち、
今伏せたモンスターを“リバース”させる効果を使う!」


 若手影鬼のドサ回り 通常魔法
 このカード名のカードは1ターンに1度しか発動できない。
 (1):自分の手札からレベル4以下の「影鬼団」モンスター1体を裏側守備表示
 で特殊召喚する。その後、以下の効果のうち1つを適用する。
 ●フィールドの裏側表示モンスター1体を選んで表側守備表示にする。
 ●フィールドの表側表示モンスター1体を選んで裏側守備表示にする。


 「お得意の“リバースモンスター”ってわけぇ!?」

 「よって《影鬼団-幻燈映写(ミラージュランタン)》をリバースし、効果発動
! 手札から更に“影鬼団”1体を裏向きで特殊召喚し、レベル7のためそのまま
リバースさせる……!」


 表向きとなり、大きく口を開いて眠る鬼の口に次々と飛び込む鼠が幻灯機から映
されると、やがて鬼の口から飲み込まれたはずの鼠が1人の人物となって、映像の
中から場に飛び出してきた。


 影鬼団-幻燈映写(ミラージュランタン)
 リバース、効果モンスター
 /闇/レベル3/獣戦士/攻撃力1000。
 (1):このカードがリバースした場合に発動できる。自分の手札・墓地から「影
 鬼団」モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。この効果でレベル7「影
 鬼団」モンスターを特殊召喚した場合、フィールドのモンスター1体を選んで表
 示形式を変更できる。


 『この音楽は……!?』

 「舞台に臨場感をもたらし彩る――我らこそ劇場楽団! 《影鬼楽長-カペルマ
イスター》……!」


 鳴り響く管楽器や弦楽器の演奏に合わせて指揮棒を振り、奏でる音色で舞台を盛
り立てる燕尾服に片眼鏡を合わせた“劇場指揮者”が現れたことで、発動された2
枚のカードから現れた動物の被り物をした奏者が、それぞれ楽器を奏でる。


 影鬼楽長-カペルマイスター
 リバース、効果モンスター
 /闇/レベル7/獣戦士/攻撃力2000。
 このカード名はルール上「影鬼団」カードとしても扱う。
 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):このカードがリバースした場合に発動できる。自分フィールドの「影鬼団
 」モンスターの種類の数まで、デッキから「影鬼楽団」を選んで自分の魔法&罠
 ゾーンに表側表示で置く。
 (2):自分・相手メインフェイズに自分フィールドのモンスター1体を対象に発
 動できる。そのモンスターを表側攻撃表示にする。このターンのエンドフェイズ
 に、この効果で表側攻撃表示にしたモンスターを裏側守備表示にする。


 影鬼楽団(オーケストラ) 永続罠
 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターの表示形式が変更された場
 合に発動できる。ターン終了時まで自分フィールドの「影鬼団」モンスターの攻
 撃力・守備力は300アップし、相手モンスターの攻撃力・守備力は300ダウ
 ンする。
 (2):魔法&トラップゾーンの表側表示のこのカードを墓地に送り、自分の墓地
 の「影鬼団」モンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィー
 ルドに裏側守備表示で特殊召喚する。
 (3):自分・相手エンドフェイズに「影鬼楽長-カペルマイスター」が自分フィ
 ールドに存在しない場合、このカードは墓地に送られる。


 「来たか――石井の更なる切り札……!」

 「カペルマイスターのリバース効果によって、幻燈映写と自身がいることで2枚
の《影鬼楽団(オーケストラ)》を発動した。更にアドバンスセットした私のモン
スターに対して、効果発動――フリップ・フィルハーモニクス……!」


 壮大に“主演役者”の登場を演出しようと、劇場指揮者が振る指揮棒に合わせ、
登場を盛り上げようと動物の被り物を着けた奏者達も、楽器をかき鳴らしていく。

 そしてスポットライトの中心に、ふわりと折り目の広がった袖から覗く手を振り
ながら、本日の主役たる男装の麗人が場へと登場した。


 「裏側表示から表側攻撃表示へ――さあ現れよ! 《影鬼団長-レビュースター
》……!」


 レビュースター攻撃力2000。


 「あのカードが出たということは――」

 「レビュースターのリバース効果で、先輩の切り札は魅了され、私の元へと馳せ
参じる……!」


 織姫の切り札である複数のカササギ達を指差して八千代が宣言するも、させない
――。とばかりに織姫が伏せていたカードを発動させ、絨毯を共同で織るカササギ
達を液晶盤から手札へと戻した。


 「あたしは罠カード《二星会合》で、フライング・カルゼットを手札に戻してコ
ントロール奪取を回避する!」


 二星会合 通常罠
 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
 (1):自分フィールドの「ウィーブ・マグパイ」モンスター1体を対象に発動で
 きる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。その後デッキからそのモンスター
 とレベルの同じ「ウィーブ・マグパイ」モンスター1体を特殊召喚する。


 「あたしは自由な鳥! しばらくは誰の者にもなりたくないの。そして戻したモ
ンスターとレベルの同じ“もう1枚の切り札”をデッキから左端に特殊召喚っ……
!」


 D・フェースが選び出したカードを織姫は引き抜くと、須浦と八千代に見せつつ
、液晶盤の左端にそのモンスターを置いた。


 「縮絨の織布で、夢現を繋ぎ合わせて橋渡せ! 《ウィーブ・マグパイ パッチ
ワーク・シェニルダック》……!」


 ウィーブ・マグパイ パッチワーク・シェニルダック
 効果モンスター
 /風/レベル7/鳥獣/攻撃力2700。
 (1):1ターンに1度、自分・相手メインフェイズに発動できる。
 フィールドのモンスター全ての位置を、他のメインモンスターゾーンに移動する
 (そのモンスターから見て相手のフィールドには移動できない)。
 その後、相手フィールドのレベルが一番低いモンスター1体を選んで除外する。


 「絹糸だけじゃなく、獣毛の扱いもこなすか」

 「そして右端のヘリンボレロの効果で、シェニルダックとの間に3ヶ所のモンス
ターゾーンを挟んでいるため“ウィーブ・マグパイ”の攻撃力は1500アップす
る……!」


 獣毛を圧縮して仕上げた不織布を縫い合わせ、敷物を共同で製作するカササギ達
と1羽のカササギが場を飛び交い、再びその力を増していく。


 ヘリンボレロ&コーデュローブ攻撃力400→1900。 シェニルダック攻撃力2700
→4200。


 「更にシェニルダックの効果――全てのモンスターの位置は、あたしの思うがま
ま! 交刺千鳥……!」


 左端から逆向きに8の字を描くよう、旋回して場を飛び交うカササギによって、
カササギ達や塗師、舞台役者達は毛糸に絡まれて引っ張られ、別の位置へと飛ばさ
れると鼠を映し出す幻灯機は消滅する。


 モンスターの位置(変更後)。

 左 ヘリンボレロ 空き シェニルダック コーデュローブ 空き 右

 左 レヴュースター ジェットインク 空き カペルマイスター 幻燈映写 右


 「そしてこの効果で移動した相手モンスターの中から、一番レベルの低いモンス
ターを選んで除外する! 幻燈映写には消えてもらうよ!」

 「くっ……だがモンスターの表示形式が変更されたため、2枚の《影鬼楽団(オ
ーケストラ)》の効果でこのターン“影鬼団”の攻撃力は計600アップし、同じ
数値を先輩達のモンスターから引かせてもらう……!」


 劇場指揮者が振る指揮棒に合わせ、奏者達が徐々に激しく鼓舞する演奏へと切り
替えていくと、音楽の力を借りて“主演役者”を勤める男装の麗人と劇場指揮者は
力を増していき、不穏な旋律へと切り替わることでカササギ達の攻撃力を減少させ
る。


 カペルマイスター&レビュースター攻撃力2000→2600。

 ヘリンボレロ&コーデュローブ攻撃力1900→1300。 シェニルダック攻撃力4200→3600。


 「千夜――織姫先輩、2人は須浦君とは違い、私の事はちゃんと名前で呼んでく
れている」

 「……だから何?」

 「2人の中には、私と過ごした“思い出”がまだ残っているはずだ! 催眠に掛
かろうと決して揺るがない――硬い絆が……!」


 バトルを宣言した八千代が劇場指揮者へと命じることで、指揮棒を振り上げ描か
れた音符の図形がカササギへと投げられる。


 「この攻撃で思い出して――カペルマイスターでコーデュローブを攻撃! クレ
ッシェンド・オブ・ハートスイング……!」


 実体化した音符がカササギへと直撃し、撃破するとともに男装の麗人は空中にせ
り出してきた階段を駆け下りつつ、手にした鞭をもう1羽のカササギへと振るう。


 「――っ……!?」 千夜&織姫LP4000→2700。


 「私達が過ごした日々を……! レビュースター! フィナーレ・オブ・グラン
ドステアーズ……!」


 残るもう1羽のカササギへと鞭は振るわれ、打たれたカササギは地面に叩きつけ
られて消滅すると、2人は表情を歪ませ発生した衝撃に耐えようとする。


 「あぁっ……!?」 千夜&織姫LP2700→1400。


 「はぁっ――どうだ……?」


 息を整えつつ、八千代は同じく何度も呼吸を繰り返す2人を見ると、再びD・フ
ェースを構えた2人だったが、織姫の瞳が微かだが光を取り戻したのを視界に捉え
た。


 「……八千代ちゃん――あたし……!」

 「石井が――先輩の意識を……!」


 須浦が驚きの声を上げた途端、八千代も思いが届いたことに安堵の表情を浮かべ
た。


 「……!?」

 「あぁ、使えねぇなぁ……!」


 だが彼女へと近づいた千夜が、織姫の肩を強く押し、よろめく織姫が困惑したの
表情を浮かべる中、千夜は自らのデッキに手を掛けて言い放った。


 「お姉ちゃんまで、あたしを裏切るんだ!? もういいっ! 何もかも――あた
しを裏切り続ける世界なんてぶっ壊してやる……!」


 自らを慕ってきた彼女が発した言葉に、織姫は信じられないと悲しみの涙を流す
中、怒りの形相を浮かべた彼女が催眠による力を増していく様を見て2人は決意す
る。

 必ず勝って、千夜に掛けられた催眠も解いてみせると――。





 「僕、藤次と――」

 「私、八千代が送る――」

 『ビナリウス回顧録!』


八千代「強く催眠され夢枕君の手先となった千夜達に、私達は追い詰められていく


須浦「だが笑原達の目を覚まさせるため、弱音を吐いてはいられない。石井、今回
登場した3体の切り札について解説しよう」

八千代「ああ。まずは織姫先輩が使用した“シェニルダック”は、全てのモンスタ
ーの位置を意のままに操り、移動した一番レベルの低い相手モンスターを除外して
しまう」

須浦「特にフライング・カルゼットと並んでしまったら、交刺千鳥で2体の正面の
位置に移動したところを、絹綾架橋で同時に除外されてしまう。そして僕の“ジ
ェットインク”は、ボレーマスケッチ2体をリリースすることでも融合召喚が可能
なモンスター」

八千代「好きなマスケッチを墓地に送り、フィールド全てのモンスターの属性を変
更させることで、デュエルを有利に運ばせる。最後に私の“カペルマイスター”は、
歌劇を盛り立てる演奏を行う影鬼楽長――」

須浦「デッキから永続罠のオーケストラを発動させ、舞台袖の影鬼団を任意のタイ
ミングで光差す舞台へ登場させる――歌劇に欠かせない重鎮だ」

八千代「これで全部だな。さあ、次回はより深く堕ちた千夜に対し、満身創痍の須
浦君は尚も立ち向かう。私にできるのはここまでみたいだ。頼む、須浦君――どう
か千夜を……」


須浦「ああ……例え僕の命に代えてでも――次回、-伝えたい言葉- 笑原、君に話
しておきたいことがある――」
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