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幕間 3人の交流生 作:ジェム貯めナイト
「ああ……学園には既に着いた」
境界学園の男子トイレの個室では、紫と灰色の合わさったフェザーマッシュの髪に、学園の物とは異なる制服を着こんだ生徒が、D・フェースで何者かと通話していた。
「正体だぁ? あんたが思うようなヘマはしねぇよ。俺はこれでも“催眠療法の権威”たる“夢枕”一族の人間だぜ……?」
クックッと含み笑いをする夢枕と名乗った生徒に、通話の相手は手短く用件を伝えると、彼に了承を求めてきた。
「分かってる。あんた達“秘号(エンクレーブ)”が目当てのアマは、運よく俺のクラスにいたぜ」
腕時計の時刻を確認し、教室に向かうと通話の相手に告げた生徒は、じゃあな。と通話を切り、再び彼を待つクラスへと向かって行く。
「……ゴルイニチの野郎。俺はお前らのパシリじゃねぇよ。さっさと目的を果たしちまうか――」
「今回交流生として、カヅサ医科大学 付属高校より皆さんと少しの間勉学を共にする――夢枕 現(ゆめまくら うつつ)君です」
先生の紹介とともに、遊無を始めとして教室中から拍手が沸き上がると、先生が黒板に書いた名前の横に立った現は、礼儀正しく礼をする。
「皆さん初めまして。この度見聞を広めるべく、この学園との交流を希望した夢枕です。どうぞよろしくお願いします」
「カヅサ医科大のとこって、偏差値65以上のエリートが通うとこじゃんか!」
「そんな――僕はただ、偉大な父と同じ精神科医を目指すため、日々努力しているだけだよ」
男子生徒の1人が驚愕するも、謙遜するかのように首を横に振って否定する現の奥の席では、いつもは“賑やか”な千夜が目を皿のようにして、ジーッと現を見つめていた。
「それじゃ席は――」
「先生。あの女子の後ろが空いていますよね?」
「先生が示すよりも早く――現が遊無の後ろにある空いた席を指差すと、突然千夜は立ち上がり廊下に近いもう一つの空いた席を指差す。
「待って! 交流生君は何かと移動に慣れないだろうし、すぐに出れるそっちの席がいいと、転校生係のあたしが進言しまーすっ!」
「笑原君がそういうなら……君もそれでいいかね?」
突然の千夜の振る舞いに、教室中の生徒が虚を突かれたようにポカンと口を開ける中、現は両眉をピクリと動かし苛立ちを募らせるが、すぐに笑顔を取り繕い千夜へと礼を述べる。
「えーっと、貴女は――」
「演劇部の活動大好き――笑原 千夜(えみはら ちよ)だよ!」
「“行き過ぎる”ほど丁重な申し出、ありがとうございます笑原さん。ご厚意に甘えてそっちの席にするね」
千夜が示した席に現は着席すると、少し後ろに座る遊無とその隣の千夜に一度振り向くとニッコリと笑うが、再び前を向くとこめかみに青筋を立て、机の下で手のひらに爪が食い込むほど固く握り拳を作るとともに、その日のSHRは終わりを告げたのであった。
その後午前の授業が終わり、昼食のため遊陽達と合流しつつ食堂に集まった遊無の隣には、授業が始まってから彼女に付きっ切りな千夜が陣取っていた。
「あの交流生――上っ面の笑顔をして遊無ちゃんに視線送ってたし、気を付けなよー?」
「何でそんなこと分かるんだよ。千夜ちゃん」
「そんなの決まってますよカズ先輩! 女の感――もあるけど、あたし演劇部だから人の振る舞いが本気か、演技かが分かっちゃうんですよねー」
自慢げに身体を反って、少しでも山脈になるよう胸を張る千夜に、カズはそういうものか。と千夜と八千代の2人とともに遊陽達の輪に入り、昼食をとる姉の織姫に問いかけた。
「向こうで食べてるけど、千夜ちゃんの言うこと、あながち間違ってないかもねー」
「そうだろうか。“粋過ぎる”申し出だと褒めていたが――須浦君もそう思わないか?」
八千代は丁度通りかかった須浦に同意を求めるも、立ち止まった須浦は午前の授業での現の様子を思い浮かべつつ、首を横に振った。
「……僕も彼からは、底知れないものを感じていた」
「おやぁ? 天才同士惹かれ合うってやつー? じゃああたしも天才ってことでいいよね、ねっ!」
須浦に問い詰める千夜だったが、明後日の方を向きながら足早に立ち去る彼へと不満そうに頬を膨らませ、口を尖らせると再び遊無へと向き直る。
「まあいいや。とにかく彼とは距離を取った方がいいよぉ?」
「遊陽君もその方がいいよねぇ?」
「なんで俺に振るんですか織姫先輩……」
「おやぁ? 遊陽先輩は遊無ちゃんが他の男と仲良くするのが気に食わないのかなぁーっ?」
口元に手を当て、茶化すようにニヤニヤと笑みを浮かべる千夜と口論を繰り広げる遊陽の側では、日吾が先程から周りの様子など気にもせず、持参の湯呑に注いたお茶へと視線を向けている。
恐る恐る湯呑を持ち、唇が触れるギリギリまで口を近づけると、温度が下がったのを確認して少しずつお茶を飲む日吾を眺め、織姫は不思議そうに彼へと尋ねた。
「日吾君――もしかして猫舌……?」
「織姫先輩でしたよね? はい。僕は熱いものがすぐに飲めなくて……」
「でもそれ、保温ポットだよね……?」
織姫は日吾の持参した弁当と、保温力の高い筒状の容器を指差しながら呟くと、2人の会話に割って入るように、留音と甘いものの話題で盛り上がっていたマノンが顔を出す。
「それはね! ヒューゴはテ(お茶)にこだわりがあって、茶葉を熱々のお湯で丁度いい時間蒸らしたのがお気に入りみたい」
「そうなの? 確か日吾君の出身は――洛皇文教高校だったよね?」
「はい。茶葉で有名なところです」
「アタシはマグナ ヌメンの――ディスキトゥム・イーサ・スコラだよーっ! 教会の作った学びの学校って意味!」
マノンが白い長袖シャツの上に着こんでいる――スクールセーターの左胸の下に付けられたイーサ教会のエンブレムを指し示すとともに、再び留音からお裾分けされたコンビニの菓子パンに齧り付く。
「向こうのエピスリー(食料品店)はヒノモトほど種類豊富じゃないんだよね。マルっちの送り迎えじゃ無ければ平日でも通えたのに……」
「マノンさんが寄り道しないよう、サバスさんに言われてますからね」
「交流生の外聞があるもんな。……そういやさ、日吾が来たからうちのクラスは今日の放課後、交流生を歓迎するレクリエーションをするんだけど……」
カズはD・フェースを操作し、各生徒に送られた学園の時間割を表示されると、今日のLHRに括弧表記で予定されている内容を日吾とマノンに示すとともに、遊陽とのやり取りを打ち切った千夜も顔を覗かせる。
「あーっ! カズ先輩、クラスの人に抜け駆けはいけないんだーっ」
「ケス ク セ?(それは何) 来た時に入れて貰ったような……」
「時間割りって聞いてなかったか? 授業が終わった後レクリエーションがあって、大体いつもデュエルなんだけど――千夜ちゃんの言う通りだよな……」
しょんぼりとカズがうなだれると、日吾は表示された時間割りを一望し、目を閉じて内容を頭の中で反芻すると、再び目を開いてカズへと改めて向き直る。
「デュエル――いいよ。一斗君の挑戦。受けて立とう」
「いいんだ!? じゃああたしは――」
日吾が了承したことで千夜はカズに倣って数人の生徒と話しながら食事をする現の元へと飛んでいき、しばらくして千夜から話を聞いたのかマノンのクラスメイトである浪花がマノンの元へと訪れた。
「話は聞いたぜ。俺もマノンさんとデュエルしたい! 受けてくれるかな?」
「オー モン デュー!(驚いた) デュエルを挑まれたなんて久しぶりだよ!」
差し出された浪花の手を握り、ブンブンと大きく振って申し出を受け入れたマノンに、思いもしなかった反応だと浪花が戸惑いつつも、照れ笑いする。
「イベント大好き陽キャ3銃士は、行動が速すぎだろ」
「雷もトンボも鯛も、動く速さは一流だからな」
遊陽の呟きに3銃士の1人――カズが答えるとともに、次第に食事を終えた生徒は食堂から去り、休憩時間を満喫していく。
やがて午後の授業も終わりを告げ、LHRが訪れるとともに、交流生を受け入れた遊無、遊陽、織姫のクラスでは、机を数台残して教室の端に移動させていた。
「それでは予定通り、笑原と転入生の夢枕君のデュエルを始めようと思います」
遊無達のクラスでは、須浦が審判を務める中それぞれの生徒が学園側から頂いたジュースを手に、これから行われる2人のデュエルを待っていた。とばかりに、それぞれ歓喜の言葉を口にする。
そして千夜と現がデッキを取り出し、D・フェースにセットしたことで、遂にデュエルの時間が訪れたのであった。
「俺達が送る――」
『ビナリウス回顧録!』
遊陽「夢枕に日吾、マノンと、3人も学園の仲間が増えた事で、より“賑やか”な毎日になりそうだぜ」
遊無「だけど夢枕君。彼からは千夜さんの言う通り、不穏な気配が感じられる……」
カズ「憶測で人の印象を決めるのはよくないぜ。次々回のデュエルが楽しみだな。日吾!」
日吾「でもまずは、噂の夢枕君と笑原さんのデュエルに注目だね」
マノン「アタシもタイガと久しぶりに人間相手のデュエル――今からワクワクしちゃう!」
留音「という訳で次回は、千夜ちゃんが枠物語である除外状態から“御伽噺の住人”を行き来させる――地属性・雷族の“伝記”デッキで、夢枕君が持つ未知のデッキ相手に翻弄されつつも“更なる切り札”とともに立ち向かうわ」
『次回! 遊戯王Binarius(ビナリウス) -魘夢の魔族-』
遊陽「交流生との3連戦。カズ達陽キャ三銃士には勝って欲しいところだ」
遊無「夢枕さん達はかなりの実力者。だけど戦う3人も決して引けは取らないはず。次回も要注目です」
境界学園の男子トイレの個室では、紫と灰色の合わさったフェザーマッシュの髪に、学園の物とは異なる制服を着こんだ生徒が、D・フェースで何者かと通話していた。
「正体だぁ? あんたが思うようなヘマはしねぇよ。俺はこれでも“催眠療法の権威”たる“夢枕”一族の人間だぜ……?」
クックッと含み笑いをする夢枕と名乗った生徒に、通話の相手は手短く用件を伝えると、彼に了承を求めてきた。
「分かってる。あんた達“秘号(エンクレーブ)”が目当てのアマは、運よく俺のクラスにいたぜ」
腕時計の時刻を確認し、教室に向かうと通話の相手に告げた生徒は、じゃあな。と通話を切り、再び彼を待つクラスへと向かって行く。
「……ゴルイニチの野郎。俺はお前らのパシリじゃねぇよ。さっさと目的を果たしちまうか――」
「今回交流生として、カヅサ医科大学 付属高校より皆さんと少しの間勉学を共にする――夢枕 現(ゆめまくら うつつ)君です」
先生の紹介とともに、遊無を始めとして教室中から拍手が沸き上がると、先生が黒板に書いた名前の横に立った現は、礼儀正しく礼をする。
「皆さん初めまして。この度見聞を広めるべく、この学園との交流を希望した夢枕です。どうぞよろしくお願いします」
「カヅサ医科大のとこって、偏差値65以上のエリートが通うとこじゃんか!」
「そんな――僕はただ、偉大な父と同じ精神科医を目指すため、日々努力しているだけだよ」
男子生徒の1人が驚愕するも、謙遜するかのように首を横に振って否定する現の奥の席では、いつもは“賑やか”な千夜が目を皿のようにして、ジーッと現を見つめていた。
「それじゃ席は――」
「先生。あの女子の後ろが空いていますよね?」
「先生が示すよりも早く――現が遊無の後ろにある空いた席を指差すと、突然千夜は立ち上がり廊下に近いもう一つの空いた席を指差す。
「待って! 交流生君は何かと移動に慣れないだろうし、すぐに出れるそっちの席がいいと、転校生係のあたしが進言しまーすっ!」
「笑原君がそういうなら……君もそれでいいかね?」
突然の千夜の振る舞いに、教室中の生徒が虚を突かれたようにポカンと口を開ける中、現は両眉をピクリと動かし苛立ちを募らせるが、すぐに笑顔を取り繕い千夜へと礼を述べる。
「えーっと、貴女は――」
「演劇部の活動大好き――笑原 千夜(えみはら ちよ)だよ!」
「“行き過ぎる”ほど丁重な申し出、ありがとうございます笑原さん。ご厚意に甘えてそっちの席にするね」
千夜が示した席に現は着席すると、少し後ろに座る遊無とその隣の千夜に一度振り向くとニッコリと笑うが、再び前を向くとこめかみに青筋を立て、机の下で手のひらに爪が食い込むほど固く握り拳を作るとともに、その日のSHRは終わりを告げたのであった。
その後午前の授業が終わり、昼食のため遊陽達と合流しつつ食堂に集まった遊無の隣には、授業が始まってから彼女に付きっ切りな千夜が陣取っていた。
「あの交流生――上っ面の笑顔をして遊無ちゃんに視線送ってたし、気を付けなよー?」
「何でそんなこと分かるんだよ。千夜ちゃん」
「そんなの決まってますよカズ先輩! 女の感――もあるけど、あたし演劇部だから人の振る舞いが本気か、演技かが分かっちゃうんですよねー」
自慢げに身体を反って、少しでも山脈になるよう胸を張る千夜に、カズはそういうものか。と千夜と八千代の2人とともに遊陽達の輪に入り、昼食をとる姉の織姫に問いかけた。
「向こうで食べてるけど、千夜ちゃんの言うこと、あながち間違ってないかもねー」
「そうだろうか。“粋過ぎる”申し出だと褒めていたが――須浦君もそう思わないか?」
八千代は丁度通りかかった須浦に同意を求めるも、立ち止まった須浦は午前の授業での現の様子を思い浮かべつつ、首を横に振った。
「……僕も彼からは、底知れないものを感じていた」
「おやぁ? 天才同士惹かれ合うってやつー? じゃああたしも天才ってことでいいよね、ねっ!」
須浦に問い詰める千夜だったが、明後日の方を向きながら足早に立ち去る彼へと不満そうに頬を膨らませ、口を尖らせると再び遊無へと向き直る。
「まあいいや。とにかく彼とは距離を取った方がいいよぉ?」
「遊陽君もその方がいいよねぇ?」
「なんで俺に振るんですか織姫先輩……」
「おやぁ? 遊陽先輩は遊無ちゃんが他の男と仲良くするのが気に食わないのかなぁーっ?」
口元に手を当て、茶化すようにニヤニヤと笑みを浮かべる千夜と口論を繰り広げる遊陽の側では、日吾が先程から周りの様子など気にもせず、持参の湯呑に注いたお茶へと視線を向けている。
恐る恐る湯呑を持ち、唇が触れるギリギリまで口を近づけると、温度が下がったのを確認して少しずつお茶を飲む日吾を眺め、織姫は不思議そうに彼へと尋ねた。
「日吾君――もしかして猫舌……?」
「織姫先輩でしたよね? はい。僕は熱いものがすぐに飲めなくて……」
「でもそれ、保温ポットだよね……?」
織姫は日吾の持参した弁当と、保温力の高い筒状の容器を指差しながら呟くと、2人の会話に割って入るように、留音と甘いものの話題で盛り上がっていたマノンが顔を出す。
「それはね! ヒューゴはテ(お茶)にこだわりがあって、茶葉を熱々のお湯で丁度いい時間蒸らしたのがお気に入りみたい」
「そうなの? 確か日吾君の出身は――洛皇文教高校だったよね?」
「はい。茶葉で有名なところです」
「アタシはマグナ ヌメンの――ディスキトゥム・イーサ・スコラだよーっ! 教会の作った学びの学校って意味!」
マノンが白い長袖シャツの上に着こんでいる――スクールセーターの左胸の下に付けられたイーサ教会のエンブレムを指し示すとともに、再び留音からお裾分けされたコンビニの菓子パンに齧り付く。
「向こうのエピスリー(食料品店)はヒノモトほど種類豊富じゃないんだよね。マルっちの送り迎えじゃ無ければ平日でも通えたのに……」
「マノンさんが寄り道しないよう、サバスさんに言われてますからね」
「交流生の外聞があるもんな。……そういやさ、日吾が来たからうちのクラスは今日の放課後、交流生を歓迎するレクリエーションをするんだけど……」
カズはD・フェースを操作し、各生徒に送られた学園の時間割を表示されると、今日のLHRに括弧表記で予定されている内容を日吾とマノンに示すとともに、遊陽とのやり取りを打ち切った千夜も顔を覗かせる。
「あーっ! カズ先輩、クラスの人に抜け駆けはいけないんだーっ」
「ケス ク セ?(それは何) 来た時に入れて貰ったような……」
「時間割りって聞いてなかったか? 授業が終わった後レクリエーションがあって、大体いつもデュエルなんだけど――千夜ちゃんの言う通りだよな……」
しょんぼりとカズがうなだれると、日吾は表示された時間割りを一望し、目を閉じて内容を頭の中で反芻すると、再び目を開いてカズへと改めて向き直る。
「デュエル――いいよ。一斗君の挑戦。受けて立とう」
「いいんだ!? じゃああたしは――」
日吾が了承したことで千夜はカズに倣って数人の生徒と話しながら食事をする現の元へと飛んでいき、しばらくして千夜から話を聞いたのかマノンのクラスメイトである浪花がマノンの元へと訪れた。
「話は聞いたぜ。俺もマノンさんとデュエルしたい! 受けてくれるかな?」
「オー モン デュー!(驚いた) デュエルを挑まれたなんて久しぶりだよ!」
差し出された浪花の手を握り、ブンブンと大きく振って申し出を受け入れたマノンに、思いもしなかった反応だと浪花が戸惑いつつも、照れ笑いする。
「イベント大好き陽キャ3銃士は、行動が速すぎだろ」
「雷もトンボも鯛も、動く速さは一流だからな」
遊陽の呟きに3銃士の1人――カズが答えるとともに、次第に食事を終えた生徒は食堂から去り、休憩時間を満喫していく。
やがて午後の授業も終わりを告げ、LHRが訪れるとともに、交流生を受け入れた遊無、遊陽、織姫のクラスでは、机を数台残して教室の端に移動させていた。
「それでは予定通り、笑原と転入生の夢枕君のデュエルを始めようと思います」
遊無達のクラスでは、須浦が審判を務める中それぞれの生徒が学園側から頂いたジュースを手に、これから行われる2人のデュエルを待っていた。とばかりに、それぞれ歓喜の言葉を口にする。
そして千夜と現がデッキを取り出し、D・フェースにセットしたことで、遂にデュエルの時間が訪れたのであった。
「俺達が送る――」
『ビナリウス回顧録!』
遊陽「夢枕に日吾、マノンと、3人も学園の仲間が増えた事で、より“賑やか”な毎日になりそうだぜ」
遊無「だけど夢枕君。彼からは千夜さんの言う通り、不穏な気配が感じられる……」
カズ「憶測で人の印象を決めるのはよくないぜ。次々回のデュエルが楽しみだな。日吾!」
日吾「でもまずは、噂の夢枕君と笑原さんのデュエルに注目だね」
マノン「アタシもタイガと久しぶりに人間相手のデュエル――今からワクワクしちゃう!」
留音「という訳で次回は、千夜ちゃんが枠物語である除外状態から“御伽噺の住人”を行き来させる――地属性・雷族の“伝記”デッキで、夢枕君が持つ未知のデッキ相手に翻弄されつつも“更なる切り札”とともに立ち向かうわ」
『次回! 遊戯王Binarius(ビナリウス) -魘夢の魔族-』
遊陽「交流生との3連戦。カズ達陽キャ三銃士には勝って欲しいところだ」
遊無「夢枕さん達はかなりの実力者。だけど戦う3人も決して引けは取らないはず。次回も要注目です」
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49 | 15Turn 供養と円寂の儀 | 457 | 0 | 2023-01-14 | - | |
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53 | 19Turn タッグデュエル大会 開幕! | 517 | 0 | 2023-03-09 | - | |
38 | 20Turn ウフトカビラ&サギラ | 420 | 1 | 2023-03-15 | - | |
48 | 21Turn 岡と浪花 花よりたい焼き | 349 | 0 | 2023-03-21 | - | |
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45 | 23Turn ビナリウス対バウンティフル | 380 | 0 | 2023-04-12 | - | |
42 | 24Turn 決着と新たな予兆 | 357 | 1 | 2023-04-13 | - | |
57 | 今までの話が丸分かり! 第一章のあらすじ | 420 | 0 | 2023-04-14 | - | |
41 | 25Turn 異国からの訪問者 | 357 | 0 | 2023-05-26 | - | |
31 | 26Turn 天上の採火 | 237 | 0 | 2023-06-02 | - | |
44 | 幕間 3人の交流生 | 333 | 0 | 2023-06-04 | - | |
71 | 27Turn 魘夢の魔族 | 320 | 0 | 2023-06-10 | - | |
39 | 28Turn 羅漢の竜王 | 276 | 0 | 2023-06-21 | - | |
42 | 29Turn 聖夜のマノン | 349 | 0 | 2023-06-25 | - | |
36 | 幕間 もう一人の遊無 | 288 | 2 | 2023-06-28 | - | |
38 | 第二章 キャラクター紹介 | 318 | 1 | 2023-07-01 | - | |
66 | 幕間 闘諍の予兆 | 357 | 0 | 2023-07-06 | - | |
35 | 30Turn 狂課金(ミダース) | 275 | 0 | 2023-07-10 | - | |
63 | 31Turn 舞い上がる不死鳥の輪舞 | 413 | 0 | 2023-07-14 | - | |
50 | 32Turn 巻き上げる関捩 | 334 | 1 | 2023-07-17 | - | |
44 | 33Turn 夢に堕ちる仲間 | 389 | 0 | 2023-07-22 | - | |
36 | 34Turn 友を取り戻せ! | 288 | 0 | 2023-07-30 | - | |
31 | 35Turn 堕ちた雷と涙雨の天河 | 312 | 0 | 2023-08-03 | - | |
32 | 36Turn 伝えたい言葉 | 299 | 1 | 2023-08-11 | - | |
30 | 37Turn 夢を喰らう獏 | 246 | 0 | 2023-08-26 | - | |
30 | 38Turn 深淵のトモカヅキ | 240 | 0 | 2023-09-03 | - | |
83 | 39Turn 最遠のパズズ | 327 | 0 | 2023-09-11 | - | |
26 | 40Turn 所縁が結ぶ絆 | 230 | 0 | 2023-09-18 | - | |
24 | 41Turn 活火激発の鍛人(かぬち) | 237 | 0 | 2023-09-22 | - | |
23 | 42Turn 巣林一枝のブルーバード | 174 | 0 | 2023-09-23 | - | |
32 | 今までの話が丸分かり! 第二章のあらすじ | 289 | 1 | 2023-09-24 | - | |
26 | 43Turn 次の関係(ステップ)へ | 251 | 0 | 2023-10-20 | - | |
32 | 44Turn 竜の駒 大洋を統べる | 316 | 0 | 2023-10-22 | - | |
37 | 45Turn マグナ ヌメンへの往訪 | 228 | 0 | 2023-10-26 | - | |
30 | 46Turn 跳躍-精霊世界へ | 235 | 0 | 2023-10-29 | - | |
44 | 幕間 強化訓練と異界の住人 | 286 | 0 | 2023-11-02 | - | |
38 | 47Turn 精霊世界 マースの森で | 227 | 0 | 2023-11-05 | - | |
34 | 祝一周年! 今後の展望など | 290 | 0 | 2023-11-11 | - | |
28 | 48Turn 精霊長アラウン | 182 | 0 | 2023-11-15 | - | |
30 | 第三章 キャラクター紹介 | 239 | 1 | 2023-11-16 | - | |
42 | 49Turn 下される審判 | 273 | 0 | 2023-11-20 | - | |
22 | 50Turn 猟犬従えし灰の王 | 235 | 0 | 2023-11-28 | - | |
29 | 幕間 精霊世界の平生 | 294 | 0 | 2023-12-07 | - | |
23 | 51Turn 最善の選択 | 202 | 0 | 2023-12-18 | - | |
27 | 52Turn 立ちはだかる使者達 | 240 | 0 | 2023-12-28 | - | |
26 | 53Turn 怨嗟積り秘号と成す | 213 | 0 | 2023-12-30 | - | |
27 | 54Turn 遊明の力 | 223 | 0 | 2024-01-02 | - | |
26 | 今までの話が丸分かり! 第三章のあらすじ | 267 | 0 | 2024-01-03 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/10/25 新商品 SUPREME DARKNESS カードリスト追加。
- 11/06 21:34 評価 9点 《悦楽の堕天使》「難しそうに見えるが使ってみるとそうでもない、…
- 11/06 21:22 評価 4点 《魔轟神ヴァルキュルス》「テーマのTを素材に要求する《魔轟神》…
- 11/06 20:17 評価 1点 《古代の遠眼鏡》「検索しても出てこないなと思ったら「望遠鏡」じ…
- 11/06 19:41 ボケ 悪夢の拷問部屋の新規ボケ。「もっとぉ!もっとぉ!!んモットォ!!!…
- 11/06 18:16 評価 10点 《遺言状》「 相手に無理矢理《遺言状》を書かせる事ができる一…
- 11/06 18:15 評価 10点 《剣闘獣総監エーディトル》「剣闘獣だからええやろというやけく…
- 11/06 17:30 評価 10点 《逢華妖麗譚-魔妖不知火語》「ロルバ経由でコストを踏み倒すな…
- 11/06 17:26 評価 10点 《幻獣王キマイラ》「レアリティ的にテーマのエースのはずが、展…
- 11/06 17:11 評価 10点 《逢華妖麗譚-魔妖不知火語》「遊戯王の中でもトップクラスの「何…
- 11/06 15:53 評価 8点 《トロイメア・ユニコーン》「最近は《S:Pリトルナイト》に席を…
- 11/06 15:42 評価 10点 《奇跡の魔導剣士》「疑似P召喚とエクストラデッキに表側に置かれ…
- 11/06 15:08 評価 1点 《メタル・フィッシュ》「《溶岩大巨人》や《クイーン・バード》と…
- 11/06 14:56 掲示板 他人のオリカでデッキを作ろう!
- 11/06 13:38 評価 8点 《CNo.65 裁断魔王ジャッジ・デビル》「《No.65 裁断魔人…
- 11/06 13:06 評価 8点 《No.65 裁断魔人ジャッジ・バスター》「闇属性2体で出せるラ…
- 11/06 12:41 評価 6点 《出たら目》「総合評価:サイコロの目を変化させることでかなり色…
- 11/06 12:30 評価 8点 《時空の落とし穴》「総合評価:手札から展開されたモンスターをデ…
- 11/06 12:26 評価 4点 《真剣勝負》「総合評価:対応範囲が狭いため扱いにくい。 モンス…
- 11/06 09:35 ボケ ガガギゴの新規ボケ。なんか思ったんだけど、ガが1個足りないかもしれ…
- 11/06 09:30 デッキ 白き森の守護者
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