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55Turn 史都洛皇 霊祖常盤家 作:ジェム貯めナイト
その集落では、至る所で家々が火を噴き上げ、灰となり崩れ落ちていた。
――ここは……。
深緑色の狩衣に白の袴を身に纏う遊無は、ゆっくりと目を開けハッとして自らの装いに気付くと、無数の燃ゆる火で真っ赤に照らされた夜空を見上げた。
――おそらく……もう一人の私の“記憶”――。
遊無は辺りを見回し、目の前で崩れ落ちた古民家から、この場所はかつて自分が生きた境階町となる集落であることに気付く。
――うっ……この記憶――私を呼んでいる……?
遊無は頭を押さえ、次々と脳裏に浮かぶ光景に戸惑いを見せる。
やがて過去の記憶に導かれるかのように、過去の自身と同じ後頭部で結った白色に内側が黒の髪を揺らしながら、火の粉が舞う大通りを走り去った。
――ここは……あの時の――。
そして遊無は、集落を抜け小高い山の麓に辿り着く。
――っ……!?
『火ャハハ! 見つけたぜぇ……!』
上空から劫火を纏う巨大な鳥が遊無の元に飛来すると、翼の羽ばたきで火の粉を
舞い散らせ、周囲の藪を燃え上がらせた。
――スチュパリデス……!
遊無は因縁の敵――炎の秘号(エンクレーブ)スチュパリデスをキッと睨むと、
麓から頂上へと向かう2つのルートのうち、祭りの際に神輿が練り歩く横道へと飛
び込む。
そして再び導かれるかのように、山頂を目指し全力で駆けだした。
『火ャハハ! 走れ! 逃げ惑え! 火の手が回らない出口目指してなぁ!』
緩やかな坂道を駆け登る遊無を、スチュパリデスは翼を羽ばたかせて追跡する。
やがて追い付くと彼女に狙いを定め、嘴を開き燃え盛る火球を放った。
「……!? ■■……!」
遊無は自らの意志とは無関係に、耳障りな雑音にしか聞こえない言葉を叫ぶと、
腕を突き出して刀身に七星の刻印が刻まれた剣を生み出し掴む。
そして七星剣の一振りで、自らに迫る火球を掻き消した。
『何ッ……!?』
「■■……魔を払い勝利をもたらす吾(われ)の精霊――」
遊無は七星剣から伝わる霊力をひしひしと感じつつ、精霊世界で出会った深編笠
を被った精霊を思い出す。
――やはりあの者は、私の過去に深く関わっていた――。
『チィ――小癪なぁ……!?』
遊無が再び走り出すとともに、スチュパリデスは立て続けに火球を放った。
襲い来る火球全てを七星剣となった深編笠の精霊で払いながら、遊無は山頂へと
続く道を駆け上がる。
そして遂に、小さな祠がポツンとあるだけの開けた山頂へと到達した。
『もう逃げられねぇよぉ! 大人しくその力を渡しなぁ……!』
スチュパリデスは遊無が逃げられないよう、口から吐く炎で辺り一面を炎で取り
囲んだ。
そして遊無とスチュパリデスは互いに睨み合い、しばしの間円状に取り囲む炎が
弾け、地面の草木を燃やす音だけが辺りを支配する。
やがて遊無から先に、怨敵を倒すため動き出した。
『チィ……!?』
「貰った……!」
連続で襲い来る火球をかわし、スチュパリデスの懐に飛び込んだ遊無は七星剣を
振るい、その首を斬り落とす。
『馬火がよぉ……!』
だが、切断した頭部が地面を転がり消滅するとともに、新たな頭が生えてくると
、開いた嘴から火球を放って遊無を吹き飛ばした。
『焦盛(しょうせい)の炎は消えねぇ……! 例え精霊の力持つてめぇだろうが
なぁ!』
地面に倒れ全身が炎に包まれた遊無を見下ろしながら、スチュパリデスは高らか
に勝利宣言をする。
――阿の方……!
彼女の手から離れ、地面に落ちた七星剣から精霊の声が響いてくると、燃え移っ
た炎に焼かれながらも遊無は立ち上がり、何やら呟き始めた。
――ぐっ……もう一人の私、一体何を……!?
遊無は本来の自分と炎に焼かれる痛みを共有しつつも、やがて薄れゆく意識の中
、薄っすらと開いた目で眩い光があたりを包みこむ光景を目にする。
『馬火な……!? てめぇぇええっ……!?』
本来の自分が起こした行動に、スチュパリデスは狼狽えながら消滅していく。
最後を悟ったかつての自分が命を賭し、この集落を守ったのだと、事の顛末を見
届けた遊無は、そのままゆっくり目を閉じたのであった。
「――う……」
目覚めた遊無は、窓から差し込む太陽光で照らされた病室内で、染み一つない白
い天井を視界に捉えた。
『遊無……!』
遊無が視線を部屋に移すと、彼女の目覚めに気付いた遊陽が来客用のソファから
飛び起き、ベッドまで駆け寄って来た。
「遊……陽――」
遊無は安堵し手を握りしめてきた遊陽を呆然と眺めていると、やがて遊陽の声に
気付いたサバスとマノンも慌ただしく足音を立て、彼女がいる部屋に飛び込んでき
た。
「目覚めたの!? ユーム……!」
遊陽と同様に、自らの目覚めを喜ぶマノンを見ながら、遊無はゆっくりと身を起
こした。
「私――ここは……?」
夢とは異なり、病院着に着替えさせられていた遊無は、髪を触り元の薄い浅葱色
の髪に戻っているのを確認する。
「……ここはイーサ教会の病室だ。お前さんはユーメイに敗れた後、力を奪われ
丸2日も眠っていた」
遊陽とマノンの2人とは距離を置き、部屋の入り口で3人を眺めるサバスは、彼
女が目覚めるまでの経緯を説明した。
「……戻って来たのですね。ごめんなさい。私――」
「お前さんが動かずとも、どのみち力を奪われていただろう。それ程の戦力差だ
。今のオレ達に、ユーメイを止める力は無かった……」
この場にいる誰も、ユーメイには力及ばないとの見解に3人は頷く。
しかし、サバスは険しい顔つきで拳を握りしめると、3人へと内に秘めた決意を
表明する。
「だが……ユーメイが世界を滅ぼすのだけは、なんとしてでも阻止する! その
ためにも、遊明の力は必ず奪還する!」
「サバスさんの言う通りだ。俺も次こそは……!」
遊陽も同じく、多くの精霊達の人生を狂わせた精霊世界の裏切り者――トゥゴル
カン改め闇の秘号――ゴルイニチを倒すと意気込みを見せる。
「……オレはこれから、イーサ様と今後の方針を話し合う。ユーヒ――そしてユ
ーム。お前さんらはマグナ ヌメンを発ち、“洛皇”へと向かってもらう」
サバスが差し出した2人分の航空チケットを受け取った遊陽と遊無は、その行き
先を知るとお互いに顔を見合わせた。
「洛皇って確か――」
「はい。日吾さんの出身地です」
イーサ教会のヒノモト支部があり、ヒノモトの中心部に位置する歴史ある大都市
――洛皇。
洛皇に住む2人の友人にして、精霊の力の始まりの者の1人――常盤 阿頼耶(
ときわ あらや)の直系の子孫である常盤 日吾(ときわ ひゅうご)との再会に、
遊陽と遊無は喜びを露わにする。
「2人は秘号を倒すため、常盤家での“強化合宿”に参加するんだ」
「サバスーッ! アタシは~?」
「……マノン、そうだな――お前さんは、私物を整理して備えておけ」
マノンの問いかけに、サバスは視線を反らし歯切れの悪い返答をする。
「えっ……? ――あっ! 前に言ってた“アルビオン”での件ってこと……!
?」
「……悪いが、別件で遠い土地――いや、休暇と言った方が適当か……?」
サバスは誤魔化すように3人へと背を向け、しばし黙り込んだのち、やがて自ら
の決意を3人へと伝えようとする。
「……とにかくだ。オレも今度こそは――お前さんらを守り抜くため“全てをな
げうってでも”強くなり、そして――」
サバスは静かに病室の扉を開け放つと、しばしの沈黙ののち、立ち去り間際に一
言呟いた。
「――ユーメイを滅ぼす……!」
強い怒気が含まれたサバスの言葉に、遊陽達は威圧され、立ち去るサバスを呆然
と見送ることしかできなかった。
――ここは――。
以前と同じ格好をした遊無は、眼前に広がる大海原を切り立った崖の上から眺め
ていた。
彼女が眺める遠方では、何人もの女性達が沖合で素潜り漁を行っている。
海から吹く潮風を顔に浴びる遊無は、やがて背後からの気配を察して振り向いた。
「■■……」
再び雑音が響くとともに、遊無は目の前に立つ深緑色の狩衣と白の袴を纏い、額
から頬にかけて文様が刻まれた三十前後の青年の名を、ひとりでに呟いた。
「阿の方――こちらにおられましたか」
「ああ。この境階の集落も、吾が訪れた当初より豊かになったものだ」
自らに仕える精霊が目の前まで歩み寄ると、2人で切り立った崖の上から大海原
を眺める。
しばし黙り込んだのち、先に狩衣を身に纏った青年の精霊が沈黙を破り、言葉を
発した。
「……それもこれも、貴女様がもたらした成果です。この地の復興具合をご覧に
なれば、本流でないばかりに“貴女様を疎外した”常盤の者達も、考えを改めるこ
とでしょう」
「■■……吾は名誉がために、“この力”を振るってなどいない」
遊無は自らの手のひらに視線を落とすと、自身が目覚めた“所縁(ゆかり)の精
霊の力”を思いながら、傍らの精霊へと自らの考えを伝える。
「吾はただ、“繋がり”が欲しかったのだ。……皮肉なものだな。人々を縁で繋
ぎ結束をもたらすこの力が、この地に訪れるまで孤独に過ごしてきた吾に宿るとは
……」
「阿の方――」
「超常の力を宿したばかりに生みの親からは気味悪がれ、同じく超常の力を持つ
常盤の者からも、初代当主の阿頼耶(あらや)様に匹敵する者がよそ者だったこと
を疎まれ、蔑まれた」
遊無は改めて自らの生い立ちを振り返り、常に疎外感に苛まれていたと回想する
。
「――阿頼耶様を称え、その子孫であることに執着する常盤家本流の者――末那
(まな)様がそう仕向けていることは、某も宝物庫から知り得ておりました」
「末那様も、阿頼耶様を継ぐ者として吾を煙たがっていただろう。しかし巡り会
えた者達との繋がりが、吾に彩りある世界をもたらしてくれた」
遊無はこの地で出会い、自らに手を差し伸べた境階の者達を想うと、従える精霊
と向き合って自らの心境を明かした。
「吾を気にかけ、阿頼耶様が朝廷より賜った剣――■■を贈与してくれた当時の
当主様。そして吾がこの地で初めて得た友である遊壱もいる。もう吾は孤独ではな
いのだ」
遊無は狩衣を身に纏った青年や常盤家当主、初めての友である遊壱との出会いを
振り返る。
その時だった。水平線に日の出を思わせる眩く輝く光が昇って来ると、球体の形
をしたその光は崖の上にいる2人の元まで接近してきた。
「何奴……!?」
狩衣を身に纏った青年の精霊は七星剣の姿へと変わり、遊無が柄を握りしめる。
やがて彼女の眼前で浮かぶ球体の光は、もやがかかった若い青年の姿へと変わっ
ていった。
――無垢なる魂の者。輿(よ)は遊明という名の精霊です――。
――“遊明”……!?
目の前に現れた精霊を眺め、遊無はこれが本来の自分と遊明の出会いだと察する
。
やがて視界がぼやけていき、遊無は彼女の精霊や遊壱と思われる少年――そして
遊陽が口々に自分の名前を呼ぶ微かな声を聞きながら、意識を遠のかせていった。
「――無。遊無……!」
遊無はハッと目を開け、自身を揺さぶる遊陽の顔を見ると、周りの乗客や訪れた
客室乗務員が心配そうに遊無の様子を眺めていた。
「お客様――どうされましたか……?」
彼女の体調を気遣う客室乗務員に声掛けられつつも、遊無は遊陽とともにマグナ
ヌメンを発ち、エスト パラティーノからサバスが手配してくれた帰りの飛行機に
乗り、洛皇に向かう最中だったことを思い出す。
「い――いえ、大丈夫です」
遊無は体調は大丈夫だと返答するとともに、2人が乗った飛行機はやがて着陸態
勢へと移行し、ヒノモトの国際空港に到着する。
そして飛行機から降りた2人は、空港から洛皇の中央駅へと直通の特急に乗り込
むと、指定席へと座るとともに、特急は洛皇を目指して発進した。
「……なあ、飛行機でうなされていたことだけど――」
遊陽が話を切り出すと、遊無は小さく頷くとともに、遊陽を見て自身が体験した
内容を共有する。
「そうですね……ユーメイに敗れてから目覚めるまで、そして機内でも、もう一
人の私が経験した過去の出来事を見ていました」
「もう一人の遊無の過去――」
「はい。本来の私がスチュパリデスと戦い、相打ちとなったこと――そして過去
に遊明と出会った場面です」
遊明――本来の遊無が過ごした時代から、今も境階町に魂を鎮座させる繁栄の力
宿す精霊にして、人類が募らせてきた心の闇の集合体に取り込まれた精霊世界の元
宰相だと、2人は改めて遊明についての認識を思い浮かべた。
「先程の出来事も、本来の私がお世話になった常盤家のある洛皇に近付きつつあ
るからでしょう」
「本来の遊無と関わりがある土地。それが洛皇」
「私の中に、もう“遊明の力”は無い。これまで私の中には、力を収める器とし
て生み出された私の人格、魂だけとなった本来の人格、そして遊明の力が存在して
いた」
遊無の肉体に宿りし本来の遊無の魂。そして遊明の力について、初めて本来の遊
無と接した時のことを振り返った遊陽は、その時彼女と交わした会話を思い出す。
「遊明の力はユーメイに奪われた。そのポッカリ空いた穴を埋めようとしている
のか……?」
「今現在もう一人の私とは、私と彼女が交わりつつあることでハッキリと認識で
きません。ですがこれだけは確信しています」
遊無は既に、薄っすらとだがもう一人の自分の記憶が読み取れることの意味を感
付いていた。
「――近いうちに、今話している私――遊無は本来の人格に取り込まれる。ある
いは2つの人格が混ざり、1つになろうとする――」
「遊無が……!? ――するとどうなるんだ……?」
遊陽はおそるおそると、人格同士の均衡が崩れた遊無の行く末を聞き出そうとす
る。
「――本来の私の記憶全てが私、遊無のものとなる。つまり私は、切り離された
記憶である本当の名前や、出生の全てを知ることとなる」
遊陽と出会ってから、当初の遊無は自らの記憶を辿ることを目標としていた。
遂にその時が訪れるのだと、遊無は何も知らなかったあの時とはその意味が変わ
ったことに憂いを見せ、無意識に隣に座る遊陽の手に自らの手を重ねた。
「その時には、遊無は本当の自分の魂と同化する……」
「遊陽。……私という存在は、ユーメイとの戦いが終わるとともに消滅するでし
ょう。元より遠い昔に生きた人間――現世に留まるべきではありません」
遊明の力を守る自らの存在意義が消えた時、遊無という存在は本来の彼女ととも
に消滅する運命にあると遊無は自覚しながらも、残された日々を後悔なく過ごした
いという思いを抱いて遊陽に問いかけた。
「ユーメイに勝とうが負けようが、この時代の人間じゃない遊無に“未来”は訪れない……」
「覚悟はできている――つもりです。遊陽……避けられない別れの時が訪れたと
しても――それでも……」
遊無は次第に顔を伏せ、次第に涙声へと変わり続く言葉を躊躇うが、遊陽はそん
な遊無の肩に手をやり、ジッと遊無を見つめて囁いた。
「……例え別れの時が訪れたとしても、遊無は俺や、みんなにとって大切な仲間
だ」
「…………」
「俺はお前の友だった遊壱の子孫で、お前由来の“所縁の精霊の力”を宿す者だ
。そうでなくとも、あの時お前と紡いだ“所縁”は途切れたりしない。別れの時だ
って、“賑やか”に笑って見送ろうと思う」
遊無は自らの肩を持つ手が震えていることに気付き、遊陽の心境を察する。
しかしそれでも、自らとの別れを前向きに迎えようとする遊陽の行動に、遊無は
顔を伏せたまま彼へと身を寄せ、お互いに寄り添ったまま悲しみを共有するのであ
った。
「――着いたな。日吾が待つのは……」
やがて特急は洛皇の中央駅に到着し、ホームへと降りた2人は観光名所である塔
がある方面の改札まで移動する。
「――いた! 日吾……!」
改札を出た遊陽と遊無は、地下の商業施設に続く階段の近くで2人を迎えに来て
いた2人の兄妹に気付いて駆け寄った。
「遊陽君! 遊無さん……!」
青くなるまで剃った頭をした同年代の少年――日吾は夏休み前以来だと、彼と手
を繋ぐ黒髪を2つ結びにした傍らの妹とともに、駆け寄って来た2人を歓迎する。
「初めまして。お兄はんの妹の一嘉(いちか)です」
「久しぶり! それと一嘉ちゃん、初めまして」
難病の治療のため、つい最近まで入院していた日吾の妹に遊陽と遊無は挨拶を済
ませると、4人は日吾の家へと向かう前に、駅周辺の観光へと向かった。
「――到着。ここからなら町を見渡せるよ」
「本当だ。いい眺め――」
日吾に案内され、4人は最初に駅からも見える洛皇の塔へと入場し、展望室で洛
皇中央駅の一帯を見渡し、十分に満喫する。
そして駅地下の飲食街で昼食を食べると地下鉄に乗り、有名な寺の参拝に訪れた
。
「ここも常盤家に繋がりのある寺なんだ」
境内は海外からの観光客や一般の参拝者でごった返しており、一嘉に案内され遊
無が参拝に向かうのを見送った遊陽と日吾は、遠くから2人の様子を眺めていた
。
「遊無さん……傍目からは以前と変わりないけど――」
「ああ。……俺達は精霊世界に向かい、ユーメイ率いる秘号(エンクレーブ)と
戦ったが、遊無はユーメイに敗れ遊明の力を奪われた」
遊陽は表情を暗くし、拳を握りしめゴルイニチやユーメイに及ばなかった悔しさ
を滲ませる。
「……だけど、何も得られなかった訳じゃない。だよね?」
遊陽から後悔の念を察した日吾は、何とか話題を切り替えようと精霊世界で起き
た出来事の詳細を語らせようとする。
「そうだな。それ以外にも、精霊の力の始まりの者の1人――マリアさんについ
て知ることができた」
「僕の先祖である“常盤 阿頼耶”と同じく、精霊の力を宿した“マリア”さん
――彼女の痕跡は、精霊世界に残っていたという訳だね」
現代に残る3つの精霊の力の始まりの者達。その中でもイーサ教会を創設した半
精霊イーサの母であるマリアの顛末を、遊陽は日吾へと聞かせた。
「……そうか。長年消息を掴めなかったマリアさんの半生を知れて、イーサ氏も
報われただろうね」
「それに精霊世界とも繋がりを得たしな」
「――西の大陸を中心に、悪意を持つ精霊から人々を守っていたイーサ教会。極
東で朝廷に仕え国家の未来を占い、害なす精霊を祓っていた常盤家。対秘号への同
盟は確実に結ばれている」
本来の遊無に、彼女と所縁を結んだ遊陽達。イーサ教会、常盤家、精霊世界と、
この世界や異世界の勢力間で所縁が結ばれ、結束は深まっていると日吾は指摘する
。
「……ただ僕達が連携しても、まだユーメイを倒すには及ばない」
「ああ。サバスさんも、今まで以上に強くなろうとしていた」
「だからこその“強化合宿”か。洛皇に滞在する間はヒノモト支部が支援してく
れる。だから遊陽君達は心置きなく、強くなる事に集中してほしい」
日吾は参拝を終えた遊無と一嘉が戻って来たのに気付くと、話を切り上げ妹の元
へと歩き出した。
「お兄はん。遊陽さんと何話してたん?」
「遊陽君や遊無さん達はこの強化合宿で、今以上にデュエルで強くなるんだ。そ
うだ。2人とも、この近くにカードショップがあるから寄ってかないか?」
「洛皇のカードショップか! 分かった。案内してくれ!」
新たなカードでデッキを強化する。秘号を倒すためにも避けては通れないと、遊
陽は日吾の提案に賛成する。
そして4人は寺を離れ、中央駅に程近いカードショップへと移動すると、遊陽は
早速パックを買いに店内へと向かい、遊無達は店舗の外に設置されたデュエルスペ
ースの見学に訪れた。
「――融合に儀式、私達の町では珍しいモンスターばかり――」
デュエルスペースで戦いを繰り広げているデュエリスト達が召喚しているモンス
ターを見て、遊無は境階町よりもレベルが高い洛皇のデュエル光景に驚愕する。
「お兄はん。折角やし久々にデュエルせぇへん……?」
「一嘉……?」
「ほら、皆さんも強くならはること目指しとるし、うちも強くなったってことお
兄はんに見せたいんどす」
D・フェースを腕に付け、兄へとデュエルを申し出る一嘉を見て、日吾は頷き彼
女の挑戦を受けようとする。
「ああ。だが相手が一嘉だろうと、僕は手加減しないよ?」
「それでかまへん。うちも本気でお兄はんを超えてみせる……!」
そしてデュエルスペースが空き、パックを購入した遊陽が戻って来るとともに、
日吾と一嘉は移動し、D・フェースのデュエル機能を起動させた。
「ただいま。……日吾と一嘉ちゃん、デュエルするのか」
「はい。この兄妹対決――注目の一戦となることでしょう」
そして日吾と一嘉は互いに5枚の手札を引き、デュエル開始の宣言をした
『デュエル――』
「遊陽と遊無――」
「そして僕、日吾と一嘉が送る――」
『ビナリウス回顧録!』
遊陽「前回から期間が空いて、ようやく始まった第4章前編-洛皇編!」
日吾「今回の話は、遊陽君と遊無さんが僕達が住む洛皇へと向かう旅と、これまで
の物語の総集編も兼ねた構成となっているんだ」
遊無「第3章で私が敗北し、遊明の力を奪われた――ここから物語は大きな転機を
迎え、秘号(エンクレーブ)との戦いが激化していくことでしょう」
一嘉「……うちはお兄はんほど、探知の精霊の力はつようあらへん。やけどそない
な化けモンが蔓延らはるのを、ほっとく気はあらせんで!」
日吾「ああ。一嘉にも事情は話しているが、この強化合宿で必ず、ヒノモトを――
世界を脅かす秘号と戦える力を、皆には身に付けてもらうよ」
一嘉「それにうちかて、お兄はんに追い付こうと日々鍛えとるんや! その成果は
次回に見せますえ……!」
『次回! 遊戯王Binarius(ビナリウス) -定の竜 風生の虎-』
一嘉「勝負やお兄はん! “龍虎相搏つ”デュエルを制すんは――うちや!」
日吾「望むところだ。妹の成長、見させてもらうよ? 次回、僕と一嘉の兄妹対決
が幕を開ける!」
――ここは……。
深緑色の狩衣に白の袴を身に纏う遊無は、ゆっくりと目を開けハッとして自らの装いに気付くと、無数の燃ゆる火で真っ赤に照らされた夜空を見上げた。
――おそらく……もう一人の私の“記憶”――。
遊無は辺りを見回し、目の前で崩れ落ちた古民家から、この場所はかつて自分が生きた境階町となる集落であることに気付く。
――うっ……この記憶――私を呼んでいる……?
遊無は頭を押さえ、次々と脳裏に浮かぶ光景に戸惑いを見せる。
やがて過去の記憶に導かれるかのように、過去の自身と同じ後頭部で結った白色に内側が黒の髪を揺らしながら、火の粉が舞う大通りを走り去った。
――ここは……あの時の――。
そして遊無は、集落を抜け小高い山の麓に辿り着く。
――っ……!?
『火ャハハ! 見つけたぜぇ……!』
上空から劫火を纏う巨大な鳥が遊無の元に飛来すると、翼の羽ばたきで火の粉を
舞い散らせ、周囲の藪を燃え上がらせた。
――スチュパリデス……!
遊無は因縁の敵――炎の秘号(エンクレーブ)スチュパリデスをキッと睨むと、
麓から頂上へと向かう2つのルートのうち、祭りの際に神輿が練り歩く横道へと飛
び込む。
そして再び導かれるかのように、山頂を目指し全力で駆けだした。
『火ャハハ! 走れ! 逃げ惑え! 火の手が回らない出口目指してなぁ!』
緩やかな坂道を駆け登る遊無を、スチュパリデスは翼を羽ばたかせて追跡する。
やがて追い付くと彼女に狙いを定め、嘴を開き燃え盛る火球を放った。
「……!? ■■……!」
遊無は自らの意志とは無関係に、耳障りな雑音にしか聞こえない言葉を叫ぶと、
腕を突き出して刀身に七星の刻印が刻まれた剣を生み出し掴む。
そして七星剣の一振りで、自らに迫る火球を掻き消した。
『何ッ……!?』
「■■……魔を払い勝利をもたらす吾(われ)の精霊――」
遊無は七星剣から伝わる霊力をひしひしと感じつつ、精霊世界で出会った深編笠
を被った精霊を思い出す。
――やはりあの者は、私の過去に深く関わっていた――。
『チィ――小癪なぁ……!?』
遊無が再び走り出すとともに、スチュパリデスは立て続けに火球を放った。
襲い来る火球全てを七星剣となった深編笠の精霊で払いながら、遊無は山頂へと
続く道を駆け上がる。
そして遂に、小さな祠がポツンとあるだけの開けた山頂へと到達した。
『もう逃げられねぇよぉ! 大人しくその力を渡しなぁ……!』
スチュパリデスは遊無が逃げられないよう、口から吐く炎で辺り一面を炎で取り
囲んだ。
そして遊無とスチュパリデスは互いに睨み合い、しばしの間円状に取り囲む炎が
弾け、地面の草木を燃やす音だけが辺りを支配する。
やがて遊無から先に、怨敵を倒すため動き出した。
『チィ……!?』
「貰った……!」
連続で襲い来る火球をかわし、スチュパリデスの懐に飛び込んだ遊無は七星剣を
振るい、その首を斬り落とす。
『馬火がよぉ……!』
だが、切断した頭部が地面を転がり消滅するとともに、新たな頭が生えてくると
、開いた嘴から火球を放って遊無を吹き飛ばした。
『焦盛(しょうせい)の炎は消えねぇ……! 例え精霊の力持つてめぇだろうが
なぁ!』
地面に倒れ全身が炎に包まれた遊無を見下ろしながら、スチュパリデスは高らか
に勝利宣言をする。
――阿の方……!
彼女の手から離れ、地面に落ちた七星剣から精霊の声が響いてくると、燃え移っ
た炎に焼かれながらも遊無は立ち上がり、何やら呟き始めた。
――ぐっ……もう一人の私、一体何を……!?
遊無は本来の自分と炎に焼かれる痛みを共有しつつも、やがて薄れゆく意識の中
、薄っすらと開いた目で眩い光があたりを包みこむ光景を目にする。
『馬火な……!? てめぇぇええっ……!?』
本来の自分が起こした行動に、スチュパリデスは狼狽えながら消滅していく。
最後を悟ったかつての自分が命を賭し、この集落を守ったのだと、事の顛末を見
届けた遊無は、そのままゆっくり目を閉じたのであった。
「――う……」
目覚めた遊無は、窓から差し込む太陽光で照らされた病室内で、染み一つない白
い天井を視界に捉えた。
『遊無……!』
遊無が視線を部屋に移すと、彼女の目覚めに気付いた遊陽が来客用のソファから
飛び起き、ベッドまで駆け寄って来た。
「遊……陽――」
遊無は安堵し手を握りしめてきた遊陽を呆然と眺めていると、やがて遊陽の声に
気付いたサバスとマノンも慌ただしく足音を立て、彼女がいる部屋に飛び込んでき
た。
「目覚めたの!? ユーム……!」
遊陽と同様に、自らの目覚めを喜ぶマノンを見ながら、遊無はゆっくりと身を起
こした。
「私――ここは……?」
夢とは異なり、病院着に着替えさせられていた遊無は、髪を触り元の薄い浅葱色
の髪に戻っているのを確認する。
「……ここはイーサ教会の病室だ。お前さんはユーメイに敗れた後、力を奪われ
丸2日も眠っていた」
遊陽とマノンの2人とは距離を置き、部屋の入り口で3人を眺めるサバスは、彼
女が目覚めるまでの経緯を説明した。
「……戻って来たのですね。ごめんなさい。私――」
「お前さんが動かずとも、どのみち力を奪われていただろう。それ程の戦力差だ
。今のオレ達に、ユーメイを止める力は無かった……」
この場にいる誰も、ユーメイには力及ばないとの見解に3人は頷く。
しかし、サバスは険しい顔つきで拳を握りしめると、3人へと内に秘めた決意を
表明する。
「だが……ユーメイが世界を滅ぼすのだけは、なんとしてでも阻止する! その
ためにも、遊明の力は必ず奪還する!」
「サバスさんの言う通りだ。俺も次こそは……!」
遊陽も同じく、多くの精霊達の人生を狂わせた精霊世界の裏切り者――トゥゴル
カン改め闇の秘号――ゴルイニチを倒すと意気込みを見せる。
「……オレはこれから、イーサ様と今後の方針を話し合う。ユーヒ――そしてユ
ーム。お前さんらはマグナ ヌメンを発ち、“洛皇”へと向かってもらう」
サバスが差し出した2人分の航空チケットを受け取った遊陽と遊無は、その行き
先を知るとお互いに顔を見合わせた。
「洛皇って確か――」
「はい。日吾さんの出身地です」
イーサ教会のヒノモト支部があり、ヒノモトの中心部に位置する歴史ある大都市
――洛皇。
洛皇に住む2人の友人にして、精霊の力の始まりの者の1人――常盤 阿頼耶(
ときわ あらや)の直系の子孫である常盤 日吾(ときわ ひゅうご)との再会に、
遊陽と遊無は喜びを露わにする。
「2人は秘号を倒すため、常盤家での“強化合宿”に参加するんだ」
「サバスーッ! アタシは~?」
「……マノン、そうだな――お前さんは、私物を整理して備えておけ」
マノンの問いかけに、サバスは視線を反らし歯切れの悪い返答をする。
「えっ……? ――あっ! 前に言ってた“アルビオン”での件ってこと……!
?」
「……悪いが、別件で遠い土地――いや、休暇と言った方が適当か……?」
サバスは誤魔化すように3人へと背を向け、しばし黙り込んだのち、やがて自ら
の決意を3人へと伝えようとする。
「……とにかくだ。オレも今度こそは――お前さんらを守り抜くため“全てをな
げうってでも”強くなり、そして――」
サバスは静かに病室の扉を開け放つと、しばしの沈黙ののち、立ち去り間際に一
言呟いた。
「――ユーメイを滅ぼす……!」
強い怒気が含まれたサバスの言葉に、遊陽達は威圧され、立ち去るサバスを呆然
と見送ることしかできなかった。
――ここは――。
以前と同じ格好をした遊無は、眼前に広がる大海原を切り立った崖の上から眺め
ていた。
彼女が眺める遠方では、何人もの女性達が沖合で素潜り漁を行っている。
海から吹く潮風を顔に浴びる遊無は、やがて背後からの気配を察して振り向いた。
「■■……」
再び雑音が響くとともに、遊無は目の前に立つ深緑色の狩衣と白の袴を纏い、額
から頬にかけて文様が刻まれた三十前後の青年の名を、ひとりでに呟いた。
「阿の方――こちらにおられましたか」
「ああ。この境階の集落も、吾が訪れた当初より豊かになったものだ」
自らに仕える精霊が目の前まで歩み寄ると、2人で切り立った崖の上から大海原
を眺める。
しばし黙り込んだのち、先に狩衣を身に纏った青年の精霊が沈黙を破り、言葉を
発した。
「……それもこれも、貴女様がもたらした成果です。この地の復興具合をご覧に
なれば、本流でないばかりに“貴女様を疎外した”常盤の者達も、考えを改めるこ
とでしょう」
「■■……吾は名誉がために、“この力”を振るってなどいない」
遊無は自らの手のひらに視線を落とすと、自身が目覚めた“所縁(ゆかり)の精
霊の力”を思いながら、傍らの精霊へと自らの考えを伝える。
「吾はただ、“繋がり”が欲しかったのだ。……皮肉なものだな。人々を縁で繋
ぎ結束をもたらすこの力が、この地に訪れるまで孤独に過ごしてきた吾に宿るとは
……」
「阿の方――」
「超常の力を宿したばかりに生みの親からは気味悪がれ、同じく超常の力を持つ
常盤の者からも、初代当主の阿頼耶(あらや)様に匹敵する者がよそ者だったこと
を疎まれ、蔑まれた」
遊無は改めて自らの生い立ちを振り返り、常に疎外感に苛まれていたと回想する
。
「――阿頼耶様を称え、その子孫であることに執着する常盤家本流の者――末那
(まな)様がそう仕向けていることは、某も宝物庫から知り得ておりました」
「末那様も、阿頼耶様を継ぐ者として吾を煙たがっていただろう。しかし巡り会
えた者達との繋がりが、吾に彩りある世界をもたらしてくれた」
遊無はこの地で出会い、自らに手を差し伸べた境階の者達を想うと、従える精霊
と向き合って自らの心境を明かした。
「吾を気にかけ、阿頼耶様が朝廷より賜った剣――■■を贈与してくれた当時の
当主様。そして吾がこの地で初めて得た友である遊壱もいる。もう吾は孤独ではな
いのだ」
遊無は狩衣を身に纏った青年や常盤家当主、初めての友である遊壱との出会いを
振り返る。
その時だった。水平線に日の出を思わせる眩く輝く光が昇って来ると、球体の形
をしたその光は崖の上にいる2人の元まで接近してきた。
「何奴……!?」
狩衣を身に纏った青年の精霊は七星剣の姿へと変わり、遊無が柄を握りしめる。
やがて彼女の眼前で浮かぶ球体の光は、もやがかかった若い青年の姿へと変わっ
ていった。
――無垢なる魂の者。輿(よ)は遊明という名の精霊です――。
――“遊明”……!?
目の前に現れた精霊を眺め、遊無はこれが本来の自分と遊明の出会いだと察する
。
やがて視界がぼやけていき、遊無は彼女の精霊や遊壱と思われる少年――そして
遊陽が口々に自分の名前を呼ぶ微かな声を聞きながら、意識を遠のかせていった。
「――無。遊無……!」
遊無はハッと目を開け、自身を揺さぶる遊陽の顔を見ると、周りの乗客や訪れた
客室乗務員が心配そうに遊無の様子を眺めていた。
「お客様――どうされましたか……?」
彼女の体調を気遣う客室乗務員に声掛けられつつも、遊無は遊陽とともにマグナ
ヌメンを発ち、エスト パラティーノからサバスが手配してくれた帰りの飛行機に
乗り、洛皇に向かう最中だったことを思い出す。
「い――いえ、大丈夫です」
遊無は体調は大丈夫だと返答するとともに、2人が乗った飛行機はやがて着陸態
勢へと移行し、ヒノモトの国際空港に到着する。
そして飛行機から降りた2人は、空港から洛皇の中央駅へと直通の特急に乗り込
むと、指定席へと座るとともに、特急は洛皇を目指して発進した。
「……なあ、飛行機でうなされていたことだけど――」
遊陽が話を切り出すと、遊無は小さく頷くとともに、遊陽を見て自身が体験した
内容を共有する。
「そうですね……ユーメイに敗れてから目覚めるまで、そして機内でも、もう一
人の私が経験した過去の出来事を見ていました」
「もう一人の遊無の過去――」
「はい。本来の私がスチュパリデスと戦い、相打ちとなったこと――そして過去
に遊明と出会った場面です」
遊明――本来の遊無が過ごした時代から、今も境階町に魂を鎮座させる繁栄の力
宿す精霊にして、人類が募らせてきた心の闇の集合体に取り込まれた精霊世界の元
宰相だと、2人は改めて遊明についての認識を思い浮かべた。
「先程の出来事も、本来の私がお世話になった常盤家のある洛皇に近付きつつあ
るからでしょう」
「本来の遊無と関わりがある土地。それが洛皇」
「私の中に、もう“遊明の力”は無い。これまで私の中には、力を収める器とし
て生み出された私の人格、魂だけとなった本来の人格、そして遊明の力が存在して
いた」
遊無の肉体に宿りし本来の遊無の魂。そして遊明の力について、初めて本来の遊
無と接した時のことを振り返った遊陽は、その時彼女と交わした会話を思い出す。
「遊明の力はユーメイに奪われた。そのポッカリ空いた穴を埋めようとしている
のか……?」
「今現在もう一人の私とは、私と彼女が交わりつつあることでハッキリと認識で
きません。ですがこれだけは確信しています」
遊無は既に、薄っすらとだがもう一人の自分の記憶が読み取れることの意味を感
付いていた。
「――近いうちに、今話している私――遊無は本来の人格に取り込まれる。ある
いは2つの人格が混ざり、1つになろうとする――」
「遊無が……!? ――するとどうなるんだ……?」
遊陽はおそるおそると、人格同士の均衡が崩れた遊無の行く末を聞き出そうとす
る。
「――本来の私の記憶全てが私、遊無のものとなる。つまり私は、切り離された
記憶である本当の名前や、出生の全てを知ることとなる」
遊陽と出会ってから、当初の遊無は自らの記憶を辿ることを目標としていた。
遂にその時が訪れるのだと、遊無は何も知らなかったあの時とはその意味が変わ
ったことに憂いを見せ、無意識に隣に座る遊陽の手に自らの手を重ねた。
「その時には、遊無は本当の自分の魂と同化する……」
「遊陽。……私という存在は、ユーメイとの戦いが終わるとともに消滅するでし
ょう。元より遠い昔に生きた人間――現世に留まるべきではありません」
遊明の力を守る自らの存在意義が消えた時、遊無という存在は本来の彼女ととも
に消滅する運命にあると遊無は自覚しながらも、残された日々を後悔なく過ごした
いという思いを抱いて遊陽に問いかけた。
「ユーメイに勝とうが負けようが、この時代の人間じゃない遊無に“未来”は訪れない……」
「覚悟はできている――つもりです。遊陽……避けられない別れの時が訪れたと
しても――それでも……」
遊無は次第に顔を伏せ、次第に涙声へと変わり続く言葉を躊躇うが、遊陽はそん
な遊無の肩に手をやり、ジッと遊無を見つめて囁いた。
「……例え別れの時が訪れたとしても、遊無は俺や、みんなにとって大切な仲間
だ」
「…………」
「俺はお前の友だった遊壱の子孫で、お前由来の“所縁の精霊の力”を宿す者だ
。そうでなくとも、あの時お前と紡いだ“所縁”は途切れたりしない。別れの時だ
って、“賑やか”に笑って見送ろうと思う」
遊無は自らの肩を持つ手が震えていることに気付き、遊陽の心境を察する。
しかしそれでも、自らとの別れを前向きに迎えようとする遊陽の行動に、遊無は
顔を伏せたまま彼へと身を寄せ、お互いに寄り添ったまま悲しみを共有するのであ
った。
「――着いたな。日吾が待つのは……」
やがて特急は洛皇の中央駅に到着し、ホームへと降りた2人は観光名所である塔
がある方面の改札まで移動する。
「――いた! 日吾……!」
改札を出た遊陽と遊無は、地下の商業施設に続く階段の近くで2人を迎えに来て
いた2人の兄妹に気付いて駆け寄った。
「遊陽君! 遊無さん……!」
青くなるまで剃った頭をした同年代の少年――日吾は夏休み前以来だと、彼と手
を繋ぐ黒髪を2つ結びにした傍らの妹とともに、駆け寄って来た2人を歓迎する。
「初めまして。お兄はんの妹の一嘉(いちか)です」
「久しぶり! それと一嘉ちゃん、初めまして」
難病の治療のため、つい最近まで入院していた日吾の妹に遊陽と遊無は挨拶を済
ませると、4人は日吾の家へと向かう前に、駅周辺の観光へと向かった。
「――到着。ここからなら町を見渡せるよ」
「本当だ。いい眺め――」
日吾に案内され、4人は最初に駅からも見える洛皇の塔へと入場し、展望室で洛
皇中央駅の一帯を見渡し、十分に満喫する。
そして駅地下の飲食街で昼食を食べると地下鉄に乗り、有名な寺の参拝に訪れた
。
「ここも常盤家に繋がりのある寺なんだ」
境内は海外からの観光客や一般の参拝者でごった返しており、一嘉に案内され遊
無が参拝に向かうのを見送った遊陽と日吾は、遠くから2人の様子を眺めていた
。
「遊無さん……傍目からは以前と変わりないけど――」
「ああ。……俺達は精霊世界に向かい、ユーメイ率いる秘号(エンクレーブ)と
戦ったが、遊無はユーメイに敗れ遊明の力を奪われた」
遊陽は表情を暗くし、拳を握りしめゴルイニチやユーメイに及ばなかった悔しさ
を滲ませる。
「……だけど、何も得られなかった訳じゃない。だよね?」
遊陽から後悔の念を察した日吾は、何とか話題を切り替えようと精霊世界で起き
た出来事の詳細を語らせようとする。
「そうだな。それ以外にも、精霊の力の始まりの者の1人――マリアさんについ
て知ることができた」
「僕の先祖である“常盤 阿頼耶”と同じく、精霊の力を宿した“マリア”さん
――彼女の痕跡は、精霊世界に残っていたという訳だね」
現代に残る3つの精霊の力の始まりの者達。その中でもイーサ教会を創設した半
精霊イーサの母であるマリアの顛末を、遊陽は日吾へと聞かせた。
「……そうか。長年消息を掴めなかったマリアさんの半生を知れて、イーサ氏も
報われただろうね」
「それに精霊世界とも繋がりを得たしな」
「――西の大陸を中心に、悪意を持つ精霊から人々を守っていたイーサ教会。極
東で朝廷に仕え国家の未来を占い、害なす精霊を祓っていた常盤家。対秘号への同
盟は確実に結ばれている」
本来の遊無に、彼女と所縁を結んだ遊陽達。イーサ教会、常盤家、精霊世界と、
この世界や異世界の勢力間で所縁が結ばれ、結束は深まっていると日吾は指摘する
。
「……ただ僕達が連携しても、まだユーメイを倒すには及ばない」
「ああ。サバスさんも、今まで以上に強くなろうとしていた」
「だからこその“強化合宿”か。洛皇に滞在する間はヒノモト支部が支援してく
れる。だから遊陽君達は心置きなく、強くなる事に集中してほしい」
日吾は参拝を終えた遊無と一嘉が戻って来たのに気付くと、話を切り上げ妹の元
へと歩き出した。
「お兄はん。遊陽さんと何話してたん?」
「遊陽君や遊無さん達はこの強化合宿で、今以上にデュエルで強くなるんだ。そ
うだ。2人とも、この近くにカードショップがあるから寄ってかないか?」
「洛皇のカードショップか! 分かった。案内してくれ!」
新たなカードでデッキを強化する。秘号を倒すためにも避けては通れないと、遊
陽は日吾の提案に賛成する。
そして4人は寺を離れ、中央駅に程近いカードショップへと移動すると、遊陽は
早速パックを買いに店内へと向かい、遊無達は店舗の外に設置されたデュエルスペ
ースの見学に訪れた。
「――融合に儀式、私達の町では珍しいモンスターばかり――」
デュエルスペースで戦いを繰り広げているデュエリスト達が召喚しているモンス
ターを見て、遊無は境階町よりもレベルが高い洛皇のデュエル光景に驚愕する。
「お兄はん。折角やし久々にデュエルせぇへん……?」
「一嘉……?」
「ほら、皆さんも強くならはること目指しとるし、うちも強くなったってことお
兄はんに見せたいんどす」
D・フェースを腕に付け、兄へとデュエルを申し出る一嘉を見て、日吾は頷き彼
女の挑戦を受けようとする。
「ああ。だが相手が一嘉だろうと、僕は手加減しないよ?」
「それでかまへん。うちも本気でお兄はんを超えてみせる……!」
そしてデュエルスペースが空き、パックを購入した遊陽が戻って来るとともに、
日吾と一嘉は移動し、D・フェースのデュエル機能を起動させた。
「ただいま。……日吾と一嘉ちゃん、デュエルするのか」
「はい。この兄妹対決――注目の一戦となることでしょう」
そして日吾と一嘉は互いに5枚の手札を引き、デュエル開始の宣言をした
『デュエル――』
「遊陽と遊無――」
「そして僕、日吾と一嘉が送る――」
『ビナリウス回顧録!』
遊陽「前回から期間が空いて、ようやく始まった第4章前編-洛皇編!」
日吾「今回の話は、遊陽君と遊無さんが僕達が住む洛皇へと向かう旅と、これまで
の物語の総集編も兼ねた構成となっているんだ」
遊無「第3章で私が敗北し、遊明の力を奪われた――ここから物語は大きな転機を
迎え、秘号(エンクレーブ)との戦いが激化していくことでしょう」
一嘉「……うちはお兄はんほど、探知の精霊の力はつようあらへん。やけどそない
な化けモンが蔓延らはるのを、ほっとく気はあらせんで!」
日吾「ああ。一嘉にも事情は話しているが、この強化合宿で必ず、ヒノモトを――
世界を脅かす秘号と戦える力を、皆には身に付けてもらうよ」
一嘉「それにうちかて、お兄はんに追い付こうと日々鍛えとるんや! その成果は
次回に見せますえ……!」
『次回! 遊戯王Binarius(ビナリウス) -定の竜 風生の虎-』
一嘉「勝負やお兄はん! “龍虎相搏つ”デュエルを制すんは――うちや!」
日吾「望むところだ。妹の成長、見させてもらうよ? 次回、僕と一嘉の兄妹対決
が幕を開ける!」
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53 | 第一章 キャラクター紹介 | 425 | 0 | 2022-12-02 | - | |
54 | 9Turn 開幕! 影鬼劇場! | 425 | 0 | 2022-12-03 | - | |
63 | 10Turn 花形役者と斜国の悪狐 | 477 | 0 | 2022-12-04 | - | |
41 | 11Turn 陶酔へと誘う酒処 | 378 | 0 | 2022-12-09 | - | |
57 | 12Turn 特別への自覚 | 391 | 0 | 2022-12-10 | - | |
44 | 13Turn 波間に揺らめく波止場 | 395 | 0 | 2022-12-16 | - | |
41 | 14Turn 命育む赤き血汐 | 458 | 0 | 2022-12-17 | - | |
60 | 幕間 遊無 落第の瀬戸際 | 436 | 1 | 2022-12-24 | - | |
52 | 15Turn 供養と円寂の儀 | 468 | 0 | 2023-01-14 | - | |
71 | 16Turn 石の塔が崩れる時 | 360 | 0 | 2023-01-27 | - | |
53 | 17Turn 盤上のアーティスト | 503 | 0 | 2023-02-12 | - | |
48 | 18Turn 夜空に咲く“賑やか”なる華 | 449 | 0 | 2023-02-21 | - | |
57 | 19Turn タッグデュエル大会 開幕! | 539 | 0 | 2023-03-09 | - | |
45 | 20Turn ウフトカビラ&サギラ | 446 | 1 | 2023-03-15 | - | |
54 | 21Turn 岡と浪花 花よりたい焼き | 379 | 0 | 2023-03-21 | - | |
64 | 22Turn 徹頭徹尾の覚悟 | 479 | 1 | 2023-03-24 | - | |
48 | 23Turn ビナリウス対バウンティフル | 398 | 0 | 2023-04-12 | - | |
46 | 24Turn 決着と新たな予兆 | 384 | 1 | 2023-04-13 | - | |
63 | 今までの話が丸分かり! 第一章のあらすじ | 447 | 0 | 2023-04-14 | - | |
45 | 25Turn 異国からの訪問者 | 377 | 0 | 2023-05-26 | - | |
38 | 26Turn 天上の採火 | 274 | 0 | 2023-06-02 | - | |
49 | 幕間 3人の交流生 | 351 | 0 | 2023-06-04 | - | |
73 | 27Turn 魘夢の魔族 | 334 | 0 | 2023-06-10 | - | |
41 | 28Turn 羅漢の竜王 | 289 | 0 | 2023-06-21 | - | |
46 | 29Turn 聖夜のマノン | 369 | 0 | 2023-06-25 | - | |
41 | 幕間 もう一人の遊無 | 312 | 2 | 2023-06-28 | - | |
42 | 第二章 キャラクター紹介 | 342 | 1 | 2023-07-01 | - | |
72 | 幕間 闘諍の予兆 | 380 | 0 | 2023-07-06 | - | |
46 | 30Turn 狂課金(ミダース) | 317 | 0 | 2023-07-10 | - | |
66 | 31Turn 舞い上がる不死鳥の輪舞 | 429 | 0 | 2023-07-14 | - | |
53 | 32Turn 巻き上げる関捩 | 350 | 1 | 2023-07-17 | - | |
47 | 33Turn 夢に堕ちる仲間 | 404 | 0 | 2023-07-22 | - | |
37 | 34Turn 友を取り戻せ! | 300 | 0 | 2023-07-30 | - | |
38 | 35Turn 堕ちた雷と涙雨の天河 | 339 | 0 | 2023-08-03 | - | |
35 | 36Turn 伝えたい言葉 | 316 | 1 | 2023-08-11 | - | |
34 | 37Turn 夢を喰らう獏 | 277 | 0 | 2023-08-26 | - | |
33 | 38Turn 深淵のトモカヅキ | 252 | 0 | 2023-09-03 | - | |
89 | 39Turn 最遠のパズズ | 351 | 0 | 2023-09-11 | - | |
30 | 40Turn 所縁が結ぶ絆 | 249 | 0 | 2023-09-18 | - | |
31 | 41Turn 活火激発の鍛人(かぬち) | 264 | 0 | 2023-09-22 | - | |
32 | 42Turn 巣林一枝のブルーバード | 206 | 0 | 2023-09-23 | - | |
34 | 今までの話が丸分かり! 第二章のあらすじ | 306 | 1 | 2023-09-24 | - | |
32 | 43Turn 次の関係(ステップ)へ | 279 | 0 | 2023-10-20 | - | |
39 | 44Turn 竜の駒 大洋を統べる | 354 | 0 | 2023-10-22 | - | |
39 | 45Turn マグナ ヌメンへの往訪 | 245 | 0 | 2023-10-26 | - | |
35 | 46Turn 跳躍-精霊世界へ | 260 | 0 | 2023-10-29 | - | |
46 | 幕間 強化訓練と異界の住人 | 299 | 0 | 2023-11-02 | - | |
43 | 47Turn 精霊世界 マースの森で | 250 | 0 | 2023-11-05 | - | |
39 | 祝一周年! 今後の展望など | 314 | 0 | 2023-11-11 | - | |
35 | 48Turn 精霊長アラウン | 206 | 0 | 2023-11-15 | - | |
36 | 第三章 キャラクター紹介 | 262 | 1 | 2023-11-16 | - | |
44 | 49Turn 下される審判 | 285 | 0 | 2023-11-20 | - | |
25 | 50Turn 猟犬従えし灰の王 | 254 | 0 | 2023-11-28 | - | |
32 | 幕間 精霊世界の平生 | 313 | 0 | 2023-12-07 | - | |
31 | 51Turn 最善の選択 | 231 | 0 | 2023-12-18 | - | |
33 | 52Turn 立ちはだかる使者達 | 264 | 0 | 2023-12-28 | - | |
29 | 53Turn 怨嗟積り秘号と成す | 227 | 0 | 2023-12-30 | - | |
33 | 54Turn 遊明の力 | 253 | 0 | 2024-01-02 | - | |
30 | 今までの話が丸分かり! 第三章のあらすじ | 294 | 0 | 2024-01-03 | - | |
23 | お久しぶりです。 | 108 | 0 | 2024-11-10 | - | |
14 | お知らせ。 | 109 | 0 | 2024-11-20 | - | |
4 | 55Turn 史都洛皇 霊祖常盤家 | 20 | 0 | 2024-12-20 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 12/21 04:24 掲示板 過度な荒らしに対する削除依頼板
- 12/21 03:02 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 12/21 02:22 評価 8点 《地雷蜘蛛の餌食》「ソウルズのコストにしてドローに変換しつつ墓…
- 12/21 00:02 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 12/20 23:31 評価 9点 《合成獣融合》「「名称ターン1がない」「墓地から手札に回収でき…
- 12/20 23:18 SS 55Turn 史都洛皇 霊祖常盤家
- 12/20 22:51 評価 6点 《極寒の氷柱》「水属性のアドバンス召喚を補助する為のトークン生…
- 12/20 22:29 評価 5点 《希望の天啓》「レベル8のドラゴン族を出せるデッキであれば問題…
- 12/20 22:23 評価 7点 《アイス・ドール・ミラー》「《アイス・ドール》と相互に持ってこ…
- 12/20 22:23 評価 8点 《SNo.38 タイタニック・ギャラクシー》「元ネタは漫画版ZE…
- 12/20 22:09 評価 5点 《銀河超航行》「【ギャラクシー】の名称があるため《銀河光子竜》…
- 12/20 21:59 評価 8点 《アイス・ドール》「《氷水帝エジル・ラーン》と似た(1)の召喚条…
- 12/20 21:17 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 12/20 19:59 評価 9点 《殺戮聖徒レジーナ》「正規融合すれば最強。デモンスミスが全てを…
- 12/20 19:57 デッキ ブラック・マジシャン
- 12/20 19:32 評価 5点 《銀河超航行》「ギャラクシー名称を持っているだけの汎用カードと…
- 12/20 18:59 評価 8点 《聖魔 裁きの雷》「PREMIUM PACK 2025にて追加された「マギストス…
- 12/20 18:58 評価 9点 《竜王絶火ゾロア》「PREMIUM PACK 2025にてマギストスに与えられ…
- 12/20 18:57 評価 10点 《天賦の魔導士クロウリー》「PREMIUM PACK 2025に収録された新ア…
- 12/20 18:56 評価 8点 《聖月の魔導士エンディミオン》「《精霊コロゾ》に続いてVジャン…
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