OtP02　Serenade　作：Ales

《シロキシ》
効果モンスター
星４/光属性/戦士族/攻1200/守1600
（１）：自分フィールド上にカードが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
（２）：このカードの特殊召喚に成功した場合に発動する。デッキ・墓地からそれぞれレベルが同じで属性・種族の異なるモンスターを１体ずつ特殊召喚する。その後、自分のＬＰを半分にする。
（３）：（２）の効果を適用した場合、自分エンドフェイズ毎に自分のＬＰを半分にする。

《クロキシ》
効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻1600/守1200
（１）：自分フィールド上にカードが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
（２）：このカードの特殊召喚に成功した場合に発動する。デッキ・墓地からそれぞれ属性が同じでレベル・種族の異なるモンスターを１体ずつ特殊召喚する。その後、自分のＬＰを半分にする。
（３）：（２）の効果を適用した場合、自分エンドフェイズ毎に自分のＬＰを半分にする。

　諸刃の剣。まさしくそう称するに相応しい２枚のカードを、遊貴は世界をも揺るがす力と共に使用した。効果を発動する度、ターンを終える度に胸元に細身の剣が刺さり、命を蝕むのがわかる。それでも尚立ち上がり、デュエルを続けた理由は‘‘帰りたい’’という想いのみであった。

　「私は……帰りたかったから。ただ、それだけの為にデュエルしてた……」
　「そう、世界の命運とか、あの神様がどうとか……そういうのは後付けでしかない。君は帰る為だけに闘って、今はこんなところにいる、って訳ね。ああ、ちなみに身体の方はちゃんと帰ってるわよ。後は精神的な分だけ、ここに残ってる。」
　「とりあえずこれは、抜いちゃっても痛くないか……な、っと。」

　そう言いながら、遊貴は胸元に刺さった剣を一本手に取って引き抜いた。痛みはなく、出血もなくそのままするりと抜けた。

　「４本刺さってたって事は、それだけ‘‘こっち側’’に近いって事、ちゃんとわかってる？」
　「わかってるけど……まだ、‘‘そっち側’’には行ってない。ん、っと。それが、私とあの人の差、だよね。」

　言いながら２本目を引き抜く。胸元に空いた穴は塞がるのだろうか、などと不安を抱えながら、３本目に手を伸ばした。

　「あの人。螢華さんは、そっちに行ったんだよね。行って、戻ってきたんだっけ。何で？」

　冥界からは戻ることが出来ない。それが遊貴の聞いた話であったが、どうもそうではないらしい。

　「それは私も詳しくはわからないけど、あれでしょ、《螢眼の反魂竜》……元々冥界の守護竜だったんだけど、妹ちゃんの説得で螢華さんを人間界に戻した。」
　「ああ、なるほど……螢華さんは川を渡って対岸まで行っちゃったから、普通の方法では帰ってこられなかった……よいしょ。この剣、結構長いね。」

　３本目を引き抜き、いよいよ残り一本となった剣に遊貴は手を伸ばした。

　「対岸まで行く方法って幾つかあるんだけどね。ちなみに私はあの子の渡し守は担当してなかったから、そもそもどうやって渡ったのかは知らないよ。って事で、この話は終わりにしていいかな。」
　「ん……抜けた。あのデッキ、もう一回ちゃんとデュエルしたかったな……」

　ドローフェイズをスキップする代わりに除外されたカードすらもペンデュラム召喚し、手札の不足を各種モンスターの効果で補う【櫻花】を巧みに操った樋屋螢華は、夏にデュエルした中で唯一敗北を喫したデュエリストでもあった。その時は本調子ではなかっただけに、再戦はいつかしたいと思っていたのだ。

　「ははは……後悔というか、無念？そういうものを抱えて生きるのもまた、良いものなんじゃないかな？今でこそ私はこうやってどんぶらこっことやってるけど、生きていた頃は後悔して、無念ばっかり抱えて‘‘次こそはこうしよう’’とか‘‘同じ後悔はしないようにしよう’’とか思いながら生きていたもんよ。君より少しばかり長生きできてたからね、人生の先輩からの忠言。」
　「でも、帰ったら忘れるんじゃないの……？」

　初邂逅の時は思い出したが、言われなければ忘れたままだった。つまり、今回のことも忘れてしまう。そう考えて遊貴は口にしたが、どうやらそうではないらしい。

　「今の君なら憶えていられるかもしれないよ？ほら、精霊界に行く時に出会ったことも憶えてたみたいだし、多分今の君は君が考えている以上に色々出来るよ。」
　「…………つまり、今までの情報が失われたのは量子デコヒーレンス？」
　「量子力学はわからないけれど、そのカードを使った君ならその意味もわかるんじゃないかな。」


《квант Аврора Дракон（クアンタム・アウローラ・ドラゴン）》
シンクロ・効果モンスター
星１２/光属性/幻竜族/攻４０００/守４０００
チューナー３体+Ｓモンスター１体
このカードの効果発動時、相手はカードの効果を使用できない。
（１）：このカードは他のカードの効果を受けず、このカードの戦闘によって受ける自分への戦闘ダメージは０になる。
（２）：このカードのＳ召喚に成功した場合に発動できる。除外された「メタフィジカ」モンスターを全てデッキに戻し、同じ数までデッキから「メタフィジカ」モンスターを手札に加えるか墓地に送る。
（３）：エクストラデッキの「メタフィジカ」モンスター２体を墓地に送って発動する。このカードはそのターン、その２体のモンスター効果を得る。


　物質の最小単位である量子。遊貴はその量子を象った竜を召喚し、勝利に繋げた。以前の気怠げな様子と違い少し饒舌で、剣の刺さっていた自身の身体にすら驚かない精神力の根底は恐らく、この経験から成るものだろう。

　「……わかってはいないかな。本当の意味でわかってる訳じゃない。ただ、自分の手の上にあるものはわかる、そんな感じ……わかるかな？」
　「わかんないかな。」

　短く返した渡し守は、全ての剣を抜き終えた遊貴を膝に乗せて頭を撫ではじめた。

　「ん……」

　更に短い言葉で返した遊貴は、目を閉じてされるがままにしていた。

　「わからないけど、君が成長したみたいだからよし、って事で。んじゃ、最後の記憶、取り戻しにいこっか。」
　「デュエルの記憶と、その後……」

　それは遊貴にとっては良い記憶ではない。本能でそう察していた。





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　お互いに通り道に居ただけである。遊貴にとっては帰り道に、‘‘覇王’’にとっては覇道の入り口に。

　「そこを退け、小娘。」
　―Tierraは……あの間抜けは何をしている！

　同時に声が聞こえた。ひとつは眼前に見える巨躯の黒鎧から、もうひとつはすぐ隣の女性からである。

　「ティエラ……？」

　聞き慣れない言葉を呟くと、その声に‘‘覇王’’が反応した。

　「ふん、神など我の部下が始末した。いや、直接手を下したのは人間の少女だったか……？まあいい、今となっては奴は何の力も持たん。精霊界を征服し、人間界も手にすれば冥界も目と鼻の先よ！」
　―こいつ……遊貴、やれるか？ここで仕留めねば退路どころか帰る世界がなくなるぞ！

　Sophiaの言葉に、渋々といった体で遊貴はデュエルディスクを構えた。

　「嫌って言っても、やらなきゃいけないんでしょ……？」
　―すまない、だがTierraがいない以上、ここで止められるのは私しかいない……が、今の私ではここで力を発揮するには……
　「デュエルはする。私は帰ることだけ考えるから、余計なことは全部任せるから……」

　その言葉を一笑したのが、眼前の対戦相手であった。

　「はっ、神をも上回る我を倒すと……？面白い、出来るならやってみるが良い！」


　「「デュエル！」」


1st Turn
TP：覇王

覇王　LP：8000　D：35　H：5　G：0　Ex：15　V：0


　□□□□□
□□□□□□
　　□　□　
　□□□□□□
　□□□□□

遊貴　LP：8000　D：35　H：5　G：0　Ex：8　V：0


　「我のターン、まずは《覇王門零》と《覇王門無限》をペンデュラムゾーンにセッティング。そして手札の《覇王眷士パラノイア》の効果を発動。」


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《覇王眷士パラノイア》
ペンデュラム・効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻１８００/守０
【Ｐスケール：青１０/赤１０】
（１）：もう片方の自分のＰゾーンに「覇王」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールド上のモンスター１体を破壊し、デッキから「覇王」モンスター１体を特殊召喚する。この効果は相手ターンでも使用できる。
【モンスター効果】
このカード名の（１）（２）の効果はそれぞれ、１ターンに１度しか使用できない。
（１）：自分のＰゾーンに「覇王」カードが２枚存在する場合、手札のこのカードを捨てて発動できる。デッキからレベル４以下の「覇王」モンスター２体を特殊召喚する（同名カードは１枚まで）。この効果で特殊召喚したモンスターは、エンドフェイズに破壊される。
（２）：このカードが戦闘を行ったエンドフェイズに発動できる。墓地の「覇王」魔法・罠カード１枚を自分フィールド上にセットする。この効果でセットしたカードは、次の自分ターンまで発動できない。
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　‘‘Paranoia’’とは、日本語で‘‘偏執病’’と訳される精神病の一種である。様々な症状が見られるが、妄想や妄執の中に一貫性が見られるのが特徴である。さてこの名を冠した戦士であるが、一瞬ビジョンに映ったところでは大剣を手にした、黒鎧の剣士に見えた。

　「効果でデッキから《覇王眷士メガロマニア》と《覇王眷士インサニティ》を特殊召喚。」


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《覇王眷士メガロマニア》
ペンデュラム・効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻１９００/守０
【Ｐスケール：青１０/赤１０】
（１）：もう片方の自分のＰゾーンに「覇王」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールド上のモンスター１体を破壊し、フィールド上のそのモンスターの攻撃力以上の攻撃力を持つモンスター１体を破壊する。
【モンスター効果】
このカード名の（１）（２）の効果はそれぞれ、１ターンに１度しか使用できない。
（１）：自分のＰゾーンに「覇王」カードが２枚存在する場合、手札のこのカードを捨てて発動できる。自分フィールド上の「覇王」モンスターの攻撃力は倍になり、このターン自分モンスターが相手に与える戦闘ダメージは最大500になる。この効果は相手ターンでも使用できる。
（２）：このカードが戦闘を行ったエンドフェイズに発動できる。このカードを破壊し、デッキから「覇王」魔法・罠カード１枚をセットする。この効果でセットしたカードは、次の自分ターンまで発動できない。

《覇王眷士インサニティ》
ペンデュラム・効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻１８５０/守０
【Ｐスケール：青１０/赤１０】
（１）：もう片方の自分のＰゾーンに「覇王」カードが存在する場合に発動できる。自分フィールド上のモンスター１体を破壊し、墓地から「覇王」モンスター１体を特殊召喚する。この効果は相手ターンでも使用できる。
【モンスター効果】
このカード名の（１）（２）の効果はそれぞれ、１ターンに１度しか使用できない。
（１）：自分のＰゾーンに「覇王」カードが２枚存在する場合、手札のこのカードを捨てて発動できる。デッキの「覇王」魔法カード１枚を発動する。
（２）：このカードが戦闘を行ったエンドフェイズに発動できる。デッキ・墓地の「覇王」魔法・罠カード１枚を手札に加える。
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　「っ……」

　フィールドに登場した２人の剣士を見て、遊貴が顔をしかめた。‘‘Megalomania’’は誇大妄想を、‘‘Insanity’’は精神病を意味する。先のパラノイアに似た黒色の鎧を纏っているが、その風貌はまるで人間には見えない狂気に満ちていた。眼光のみが強烈に光り、命令一つで敵たる遊貴に飛びかからんとするその様は、まさに狂犬のようにも見える。

　「更にフィールド魔法《覇王の征地》を発動。効果を発動する。」


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《覇王の征地》
フィールド魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、自分はフィールド魔法カードを発動・セットできない。また、このカード名の（２）（３）の効果はそれぞれ、１ターンに１度しか使用できない。
（１）：自分フィールド上の「覇王」モンスター２体を選択して発動する。そのうち１体を破壊し、もう１体の攻撃力を倍にする。
（２）：手札を全て捨てる。その後、このカード以外の自分フィールド上の「覇王」カードと同じ数だけドローする。
（３）：自分フィールド上の「覇王」カードが、カードの効果により破壊された場合に発動できる。墓地またはエクストラデッキから「覇王龍」モンスター１体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
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　「手札を全て捨て、「覇王」カードの合計……４枚ドロー。」

　些か反則くさい効果である。遊貴は左手に持ったカードを確認しつつ、相手の様子を伺うより他はない状況であるが、やはり一々のカードの力は相手が上とみて、苦戦を強いられることを想定していた。

　「不愉快な小娘だな……」
　「…………？」

　不意に呟かれた一言に、遊貴は首を傾げて応じた。

　「一々癪に触る……まあいい、我が覇道の一歩……その縁石にでもとなれることを喜ぶが良い。」

　その言葉とともに、エクストラデッキから紺色のカードが弾き出された。

　‘‘我が覇道に於いて、その礎となりし眷属、顕現せよ！《覇王眷士メガロマニア》と《覇王眷士インサニティ》をリンクマーカーにセット。行軍開始！リンク召喚、《覇王眷獣ベヒーモス》！’’

　神話に登場する陸上の巨大な怪物。あまりの大きさ故に複数に見えたとか、伝承によれば「神の最高傑作」とも言われる獣である。しかし海の怪物であるリヴァイアサンと対となることから悪魔的な側面を付与され、本来の神話とはかけ離れた凶暴な様相を呈している。そう、目の前のそれがそうであるように。


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《覇王眷獣ベヒーモス》
リンク・効果モンスター
リンク２/闇属性/獣族/攻2400
【リンクマーカー：上/下】
「覇王」モンスター２体
このカード名のモンスターはフィールド上に１体しか存在できない。また、このカードはカードの効果によって破壊されない。
(１)：このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。エクストラデッキから「覇王眷獣リヴァイアサン」１体をリンク召喚扱いで特殊召喚する。
(２)：？？？。
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　「ベヒーモスのリンク召喚に成功したことにより、効果を発動。現れよ、《覇王眷獣リヴァイアサン》！」

　リヴァイアサンは海の怪物である。その鱗はいかなる攻撃をも通さず、あまりに強いが故に繁殖の阻止のために元来つがいであったが雄を殺されてしまったなど、これまた多くの言い伝えがある。


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《覇王眷獣リヴァイアサン》
リンク・効果モンスター
リンク２/闇属性/獣族/攻2000
【リンクマーカー：右/左】
「覇王」モンスター２体
このカード名のモンスターはフィールド上に１体しか存在できない。また、このカードは戦闘によって破壊されない。
(１)：このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。エクストラデッキから「覇王眷獣ベヒーモス」１体をリンク召喚扱いで特殊召喚する。
(２)：？？？
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　「リンクモンスター……」

　エクストラデッキからのモンスターの特殊召喚は、エクストラモンスターゾーンまたはリンクモンスターの持つリンク先にしか行えないというルールであるが、遊貴はこのリンクモンスターを所持していない。従って現状、既に圧倒的な不利を抱え込んでいる。

　（それに、いくつか……入れていたカードが、なくなってる……）

　腰にぶら下げたエクストラデッキケースに触れると、数枚のカードがなくなっているように思われる。とはいえ、どういう訳か自分にとって必要なカードは備わっているように感じられるため、戦線を維持することはどうにか可能と思われる。

　―気を付けろ……まだ、何かあるぞ。

　Sophiaが言うまでもなく感付いているが、展開力ではかなり差があるように思える。とにかくデッキが軌道に乗るまでは、それ以前に後攻をとっているからには様子見である。

　「魔法カード《交戦準備》を発動。デッキから「覇王」モンスター１体を手札に加える代わりに、相手はデッキからモンスター１体を特殊召喚できる。我は《覇王眷竜オッドアイズ》を手札に加える。さあ、貴様のモンスターを見せてみよ。」


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《交戦準備》
魔法カード
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できない。
（１）：デッキから「覇王」モンスター１体を手札に加える。相手はデッキからモンスター１体を特殊召喚できる。
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　「…………《メタフィジカ・ドラゴン―ラピス》を特殊召喚して効果発動、《覇王の征地》をエンドフェイズまで無効にする。」
　「ほう……」

　巨大な岩窟を想起させる竜が地に降りると、それまで吹き荒れていた風が凪ぎ、まるで世界が時間を止めたかのように静寂が広がった。

　「特殊召喚に合せて我が意図を阻むか。面白い、少しは楽しめそうではないか。」
　「そりゃどうも……」

　口にしながら、遊貴は警戒を怠らない。相手のデッキがわからない以上、想定外の事態を想定するという難儀が予想されるのだ。

　「カードを１枚セットしてターンエンド。この瞬間、フィールドが戦場へと戻る。」


2nd Turn
TP：遊貴

覇王　LP：8000　D：28　H：2　G：4　Ex：13(+2)　V：0
Ⅰ：覇王門零
Ⅱ：セットカード
Ⅲ：覇王門無限
Ⅳ：覇王の征地
Ⅴ：覇王眷獣リヴァイアサン
Ⅵ：覇王眷獣ベヒーモス

　Ⅰ□Ⅱ□Ⅲ
Ⅳ□■Ⅴ■□
　　Ⅵ　□　
　□■Ａ□□□
　□□□□□

Ａ：メタフィジカ・ドラゴン―ラピス
遊貴　LP：8000　D：34　H：5　G：0　Ex：8　V：0


　「私のターン、ドロー。メインフェイズ、永続魔法《幻界突入》を発動。手札を１枚捨てて、デッキから《メタフィジカ・ドラゴン―シニス》を手札に加える。フィールド魔法《幻栄の光》を発動して更に魔法カード《ハーフ・ライト》を発動、《メタフィジカ・ドラゴン―ウンブラ》をレベル２のチューナーとして特殊召喚。」
　「チューナー……ほう、シンクロ使いか。だがリンクモンスターの確保はどうする？」

　嘲笑するように覇王が問うが、遊貴は構わずに展開を続けた。元々段階的にシンクロモンスターを素材にすることが多いデッキということもある。最終的な着地点を間違えなければ、充分渡り合えると踏んでいた。

　「デッキから幻竜族モンスターが特殊召喚されたので《幻栄の光》の効果を発動。デッキから《メタフィジカ・ドラゴン―ネブラ》を特殊召喚、レベル４の《メタフィジカ・ドラゴン―ネブラ》にレベル２となった《メタフィジカ・ドラゴン―ウンブラ》をチューニング。‘‘白光降りて蒼空に舞う。生命の息吹伴いて、勝利への道筋を照らせ！’’シンクロ召喚、《メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン―ホワイト・ボディ》！」

　穏やかな風とともに、視界を灼く程の強烈な光竜が舞い降りた。






---《あとがき》---

熱風かき回す扇風機どうにかしてくださいお願いしますなn