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HOME > 遊戯王SS一覧 > OtP04 Requiem

OtP04 Requiem 作:Ales





 宮戸遊貴という少女にとって、非日常的な展開は‘‘慣れたくないもの’’であり、忌避してきた事案でもある。それだけに、この一連の経験は人生における大きな転換点であると言える。

 「君は本当に、色々大変だったよね。デュエルだけじゃなくて、その他のことも、さ……」
 「別に……さっきも言ったけど、私だけが辛い思いしてる訳じゃないし。それに……」
 「それに?」

 頭を撫でられている間目を閉じていた遊貴は、ゆっくりと目を開けて彼女を視た。

 「過ぎたことであれこれ言って過去が変わる訳じゃないし、私も成長して、皆も成長した。そう考えたら、別段酷い経験とは言えないんじゃないかな?」
 「君、その歳にしては達観しすぎじゃないかな……」

 渡し守は苦笑混じりに呟くと、灰色の空を見上げた。

 「私が君ぐらいの頃って、もっと生きるのに必死というかさ、やりたいこととかやるべきことをこなすのに一生懸命だった気がするんだよね。何で君はまた、そんなに余裕なの?もっと女の子らしくとか、そんな……特別じゃなくて、普通の子でいたかった、とか思わない訳?」


 「んー……」

 遊貴もまた灰色の空を見ながら、言葉を探しつつ返した。

 「私だってもっと普通の子でいたいと思うことはある。私の身には過去にも、ついさっきも、今でも……イレギュラーばかり起こってる。嫌だよ?」

 一度言葉を切った遊貴は、しばしの逡巡の後に小さく呟いた。

 「もっと、美夏とか……花鈴とか、皆みたいに普通でいたかったよ。‘‘今の’’あの二人が普通かどうかは別として、普通に成長して、普通に学校に行ったりいつか就職して通勤したり。でも、そういうのはもう無理だろうね……」
 「それについては私から謝っとくよ……私が悪い訳じゃないけどさ、うちの元締めも一枚噛んでるっちゃ噛んでる訳で、私も正直後味悪いからさ……」

 渡し守はバツが悪そうに頭を掻き、空から視線を逸らした。

 「あれも何考えて君を選んだのかわかんないけど、というかたまたま居合わせただけだろうけど……うぅ、板挟みになるってのは辛いね。ない胃が痛いわ。」
 「まあ、気遣ってもらえるだけありがたいかな。過ぎたことは仕方ないから、なるようになって、行き着く先が……平和だと良いかな、って。今はそう思ってる。」
 「それは慣れちゃってるからだよ、もう。でも、もし次またこういうことが起こるなら……その時は私がどうにかする。君には影響しないように、何とかする。」


 「安請け合いしていいの?それ。」
 「大丈夫だよ。こちとらこの舟でどんぶらやってもう百年近くになるから、少しぐらい有休くれるって。」
 「えぇ……そっち?」

 仕事についての問題云々ではなく、どうやって助け船を出すつもりなのかを訊いたつもりであったのだが、遊貴は想定外の返答に意中にない声を上げた。

 「大丈夫、渡し守ってのはこういう時に役に立つ職業なのよ?」
 「もっともらしいこと言ってるけど、不安になるのは私だけなのかな……?」


 「そりゃ、ここには私と君しかいないからねー。」


 「ごもっとも……」

 ごもっともであるが、腑に落ちない事ももっともである。





---





 ―貴様に、力を見せてやろう。


 そう言って覇王はその闘気を増した。

 「手札から2枚目のパラノイアの効果を発動、このカードを捨て、デッキから《覇王眷虫アノフェレス》と《覇王眷虫フィラリア》を特殊召喚!」
 「っ!また、気味の悪い……」

 アノフェレスはマラリア原虫の一種であり、和名「ハマダラカ」の名の通り蚊のような見た目である。エキノコックスは犬や猫に寄生する線虫であるが、アニサキスとは違い何匹も絡み合って球状に蠢いていた。そして例に漏れず、モンスターと呼ぶに相応しい巨大さである。


---

《覇王眷虫アノフェレス》
ペンデュラム・効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤1】
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):メインフェイズ1に発動できる。自分のPゾーンのカード2枚を破壊し、手札またはフィールド上のこのカードを相手フィールド上の攻撃表示モンスターに装備する。この効果で装備されたこのカードは、以下の効果を得る。
●装備モンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。
●装備モンスターが戦闘で破壊された事によってこのカードが墓地に送られた場合に発動できる。墓地から「覇王」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に送られた場合に、フィールドの「覇王」モンスター1体を選択して発動する。そのモンスターの攻撃力分、自分のLPを回復する。

《覇王眷虫フィラリア》
ペンデュラム・効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻0/守0
【Pスケール:青1/赤1】
【モンスター効果】
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):メインフェイズ1に発動できる。自分のPゾーンのカード2枚を破壊し、手札またはフィールド上のこのカードを相手フィールド上の攻撃表示モンスターに装備する。この効果で装備されたこのカードは、以下の効果を得る。
●装備モンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。
●装備モンスターが戦闘で破壊された事によってこのカードが墓地に送られた場合に発動できる。手札から「覇王」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に送られた場合、フィールド上の「覇王」モンスター1体を選択して発動する。そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。

---

 「「覇王眷虫」共通の効果……でも、それだとどちらか一方しか効果を発動できない……」
 「何を勘違いしている?我は効果を発動するとは言っていないぞ?魔法カード《テラ・フォーミング》を発動!デッキからフィールド魔法《覇王の征地》を手札に加える。そして発動!手札を全て捨て、フィールドの「覇王」カードと同じ数……5枚ドロー!」
 「うわぁ……」

 意せず、間の抜けた声が漏れた。相手取って戦っている以上厄介この上ないはずなのだが、どうも実感がわかない。ただチートめいたカードの処理が行われるのを、どこか他人事のような面持ちで俯瞰していた。

 「ブラック・ボディの効果発動、手札の《メタフィジカ・ドラゴン-プルヴィア》を捨てて、このターン終了時まで、このカード以外のフィールドのカードの効果を無効にする……」


 「ふん、残念だったな。」

 ブラック・ボディの放つ波動によってフィールドすらも凍り付いた中、覇王は薄い笑みと共にそう言った。そして、手札から1枚のカードを置いてそれを宣言した。



 ‘‘覇道の中心、我が身をそこに置く。世界に君臨するは我、唯一人!《覇王眷獣ベヒーモス×ジエンド》と《覇王眷虫アノフェレス》と《覇王眷虫エキノコックス》をリンクマーカーにセット。終焉の幕開けだ!リンク召喚、《覇王顕神クォーク》!!’’



 覇王自ら、フィールドに降り立った。 


---

《覇王顕神クォーク》
リンク・効果モンスター
リンク3/闇属性/悪魔族/攻4000
【リンクマーカー:左下/下/右下】
攻撃力5000以上のモンスターを含む「覇王」モンスター3体
このカード名のモンスターはフィールド上に1体しか存在できない。また、このカードはリリースできず、相手のカードの効果を受けない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。手札・デッキ・墓地・エクストラデッキから「覇王」モンスターを1体ずつ、召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果に対してカードの効果を発動できない。
(2):このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上のモンスターが墓地に送られる場合、そのカードは墓地へは行かず除外される。
(3):自分のLPが回復した場合に発動する。このカードの攻撃力を倍にする。
(4):「覇王」モンスターの攻撃宣言時に発動できる。相手は墓地からモンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。
(5):「覇王」モンスターの融合・S・X召喚に成功した場合に発動できる。デッキから1枚ドローする。この効果は1ターンに1度、相手ターンでも使用出来る。

---


 「さあ、終幕といこうではないか!リンク召喚に成功した我自身の効果発動、覇王モンスターを手札・デッキ・墓地・エクストラデッキから1体ずつ特殊召喚する!現れろ、《覇王眷竜オッドアイズ》、《覇王眷竜ダークヴルム》、《覇王眷士パラノイア》、《覇王眷竜クリアウィング》!!」

 虎王に応じて、三頭の竜と一体の剣士が顕現した。

 「特殊召喚に成功したダークヴルムの効果、デッキから2枚目の《覇王門零》を手札に加える。更に《覇王眷竜ダークヴルム》と《覇王眷士パラノイア》をオーバーレイ、2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!《覇王眷竜ダーク・リベリオン》!エクシーズ召喚に成功した為我が効果を発動!デッキから1枚ドロー!」

 展開が続く最中、先とは打って変わって遊貴の胸中をぞわぞわとした感覚が襲っていた。

 (このままだと……負ける。)
 「永続魔法《魂吸収》を発動してバトルフェイズ、《覇王眷竜ダーク・リベリオン》で《メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン―ブラック・ボディ》を攻撃!この時、ダーク・リベリオンの効果を発動!攻撃対象のモンスターの攻撃力を自身のものとする!」
 「プルヴィアの効果……いや、通さないと負けか。」

 自身を除外してモンスター1体をターン終了まで除外するプルヴィアだが、ここで効果を使ってしまうと《魂吸収》の効果が2度発動する。するとクォークの効果も2度発動し、攻撃力が16000にまで跳ね上がる。そのままブラック・ボディに攻撃されればそのままゲームエンドとなる。


覇王眷竜ダーク・リベリオン ATK:5000  ATK:0 メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン-ブラック・ボディ
 遊貴 LP:8000 → 3000


 「あっ……ぐうっ!」

 全身を押し潰されるような衝撃に、身体が弾け飛んだ。

 「ふっ……あっけないものだな。Sophiaの力がありながらその程度か?」
 「っ……フィールドから離れたブラック・ボディの効果を発動するけど……」
 「ああ、その前に《魂吸収》の効果が発動する!除外されたカード1枚に付き、LPを500回復!」

 Chain2:メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン-ブラック・ボディ
 Chain1:魂吸収

 「ブラック・ボディの効果で……デッキから《メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン-ブルー・ボディ》を守備表示で特殊召喚。」
 「《魂吸収》の効果でLPを500回復。更に我が効果。攻撃力を倍にする!」

 覇王 LP:7500 → 8000
 覇王顕神クァーク ATK:4000 → 8000

 「我自身で《メタフィジカ・ドラゴン-グラシエス》を攻撃。これで終わりだが……何か言い残すことはあるか?」
 「リバースカード……速攻魔法、《幻想の供物》を発動。グラシエスをリリースして、オッドアイズとクリアウィングを破壊する……」

 氷竜がその身を犠牲に、後ろに控える二頭の竜に氷弾を撃ち込んだ。

 「オッドアイズの効果を発動!自身をリリースし、エクストラデッキから《覇王門零》と《覇王眷竜ダークヴルム》を特殊召喚。更にモンスターが除外されたことで、回復と攻撃力上昇の効果が発動!」
 「むぅ……2枚同時に破壊できなかった場合、不発扱いでそのまま……」

 覇王 LP:8000 → 8500
 覇王顕神クァーク ATK:8000 → 16000

 「攻撃の巻き戻しにより対象を《メタフィジカ・ドラゴン-ラピス》に変更。滅びよ!」

覇王顕神クァーク ATK:16000  DEF:2000 メタフィジカ・ドラゴン-ラピス

 「カードが除外され、更に2つの効果が発動!」

 覇王 LP:8500 → 9000
 覇王顕神クァーク ATK:16000 → 32000

 「更に《覇王眷竜ダークヴルム》で《メタフィジカ・ドラゴン-プロセラ》を攻撃!」

覇王眷竜ダークヴルム ATK:1800  DEF:200 メタフィジカ・ドラゴン-プロセラ

 「ここでも効果が発動……」
 「その通りだ。《魂吸収》で回復し、我が効果により攻撃力が上がる!」

 覇王 LP:9000 → 9500
 覇王顕神クァーク ATK:32000 → 64000

 「そして《覇王眷竜クリアウィング》で《メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン-ブルー・ボディ》を攻撃!」

覇王眷竜ダークヴルム ATK:2800  DEF:2400 メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン-ブルー・ボディ

 「…………ブルー・ボディの効果、墓地の《メタフィジカ・ジェネシス・ドラゴン-ホワイト・ボディ》を特殊召喚。」

 覇王 LP:10000 → 10500
 覇王顕神クァーク ATK:64000 → 128000


 「一体残ったか……まあいい、メインフェズ2に《覇王眷竜ダークヴルム》と《覇王門零》をリリース、エクストラデッキより《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》を特殊召喚。これでターンエンドだ。」



 「うあ、やば…………」

 覇王のターン終了宣言とほぼ同時に遊貴は呟いた。

 (ちょっとダメージ……受けすぎた、かな。)

 受けた瞬間もそうだが、不意に頭がぐらついて平衡感覚が失われた。


 身体が後方に傾き、そのまま頭が地面に向けて落下していく。



 (あ……見られたくない人に、見られちゃったなぁ……)



 遊貴が視界の端で捉えたのは、覇王の後ろから走ってやってくる5人の姿だった。

 ―おい遊貴、起きろ!遊貴!

 Sophiaの声が聞こえる中、遊貴は地に倒れた。





---





 「いらっしゃいませ。って、本当に生きてる人が来た!」

 次に遊貴の視界に入ったのは、まるで鏡でも見ているかのように自身にそっくりの少女だった。

 「……ドッペルゲンガー?」

 思わずそう呟いた。

 「うん?そのカードの効果なら知ってるよ?確かリバースモンスターで……」
 「そうじゃない……まあでも、世の中には自分に似てる人が3人いるって言うから珍しいけどそっちの方が納得できるか。」

 目の前の少女はしきりに首を傾げている。よく見ると髪の色が違う。遊貴は珍しく微かに青みがかった黒だが、少女のそれは如何にも日本人らしい黒である。また、肌の色も彼女の方が少々白い。

 「うーん、よくわかんないけど、とりあえずまあかんげいするよ。」
 「歓迎されても……そもそも、ここはどこなの?」

 周囲を見回すと、少女の後ろに光の粒子をまき散らしながら輝く滝とも泉ともつかぬ光源が見えるのみで、それ以外には地面すら見当たらない。立っていることから何らかの着地点があるようだが、物理学的に考えると些か奇妙である、とだけ考えることにした。

 「ここがどこか、か。うーん、どっからせつめいしたら良いかな?」
 「どこからでもどうぞ。」
 「うーん、そうだね……まずあなたは‘‘りんねてんしょう’’って信じる?」

 さて何を言い出すかと思って身構えていたら、どうにも遊貴の予想の範囲外の言葉を受けた。

 「‘‘輪廻転生’’……信じてないけど、信じておくことにする。で、それがどうしたの?」
 「なーんか、ずるい言い方だなー。でで、ここはそのりんねのしゅうちゃくてんであり、同時にしはつてんでもあるの。」
 「……は?」

 少女は身振り手振りで座標の情報を伝えるが、遊貴からすれば突拍子もないことで理解が追いつかない。

 「んーとね、肉体からたましいが抜けても、まだ色々なきおくが残ってるんだって。それをもとに冥界で色々するんだけど……その‘‘いろいろ’’が終わったあと、ここでたましいをきれいに洗い流して、新しい生命を始めるんだって。」
 「……はぁ。」

 まるで他人から聞いたような、当人が理解していない文章を聞かされても、咄嗟に解釈できていない。



 「あ、そういうことか。」
 「う?」

 不意に呟いた遊貴に、少女は首を傾げて返した。

 「冥界での記憶を含め、ここで記憶……いや、情報を全て落として新しい生を始める。つまりこの光は……えっと、消えていく情報、かな?」



 「ふふ、せーかい!」

 悪戯っぽく笑った少女が返すと、次は饒舌に説明を続けた。

 「ここは古い生命の終わりに全ての‘‘記憶’’を昇華させる場所で、同時に新しい生命の為に魂を送り出す場所でもあるの。」
 「で、なんで私がここに?」
 「それは……もしかしたら、あなた自身の方が良くわかってるんじゃないかな?直前の記憶とか、これまでの記憶とか……」
 「これまで……なるほど。私、冥界をすっ飛ばして終点に来たのかな。」

 最後の記憶は、覇王の攻撃を受けて昏倒した事であった。相当な衝撃であった事から、遊貴は自身の生命が終了したものと思ったのだ。

 「違うよ。ぜんぜん違う。あなたがここに来たのは、世界のりんねをせいじょうに保つため。憶えてる?あなたが戦っていた相手、何を目的にしてたか。」


 「確か、人間界と冥界を征服する、みたいな事を……」
 「そそ。で、人間界と精霊界、そして冥界って、たましいのバランスを上手に取っておたがいにふかしんになってたの。もし人間が精霊界に攻め込もうとしたら、冥界から精霊界に送られるたましいが増えて精霊界が有利になる。ぎゃくもまたしかり、なんだけど……」
 「もしかして、Tierraと関係がある?」

 Sophiaの言葉にあった、Tierraという存在。Sophiaと並び「創星神」の名を冠する存在が精霊界に‘‘不在’’であるというのは、この件と繋がりがあるように思えた。

 「うわゎ、そこまでわかっちゃうんだ。そう、‘‘はおう’’のさくりゃくでティエラがたおされて、世界のバランスがくずれたの。で、それをどうにかするためにたまたまそこにいたあなたに火の粉がふりかかった……んだと思うよ。」
 「あなたにも、詳しいことはわからない……?まあいいか。で、私ははいそうですかと言ってこのままその光に飛び込めば良いの?そうすれば……」



 「全て忘れて、覇王が侵略し尽くした世界に生を受けるか。それとも抗って今ある生を掴み取るか。選びなさい。」


 突如として、少女が耳元で低い声を出した。


 「…………残念だけど、このまま戻っても勝てないよ。結局私はここに戻ってくることになる。」

 暫し驚いた様子を見せた遊貴だが、言葉を発することにはいつもの調子に戻っていた。

 「そう。でも、あなたがここに来たということは……ここにある力を、つかうけんりをえた、ってことじゃないかな?」
 「ここにある力?それって……」
 「うん、りんねのはじまり。たましいにからみついたきおくをぜんぶけし去って、新しくはじめるための。」

 遊貴は少女の背後にある光に向けて歩き出した。

 「あんまり近づくとあぶないよ?」
 「ん、なんとなくわかる……ここ辺りが限界、かな。で、これからが問題か。これをどう使えって……?」

 目の前に見えるのは、触れると恐らく全て消え去ってしましそうな程に強大な力を感じる光の渦がある。

 「んっとね、それについてでみうるごす様からでんごん、だよ。」
 「デミウルゴス……?ああ、そう言えば壊星神……」

 影が薄くて失念していたが、‘‘壊星神’’の名を冠する、ソピアが「自身の反存在」と呼ぶ存在があった。

 「えっと、なんだったかな……さいしょからもっているなんとかかんとか……」
 「最初から持っている……?」

 肝心なところが抜けていて、情報としてはほとんど役に立たないように思える。だが遊貴は、不意にSophiaと邂逅した時の会話を思い出した。





 ―判るか?お前はその両腕で、この世界を好きなようにできる。あの小娘を消し去るも自由、気に入らぬものを書き換えるも自由だ。

 そう。あのとき、《創星神 Sophia》の特殊召喚に成功した時。


 「創造と破壊の力……そのうち、私が最初から持っているものは……」



 メタフィジカ・‘‘ジェネシス’’・ドラゴン。



 遊貴は腰のデッキホルダーから一気に数枚のカードを手に取ると、それを光の渦に投げ込んだ。


 「カードの情報を……一度昇華させて、再構成する……!」


 宙に浮いたカードから色が消え、やがて形すらも消えていく。



 「…………はぁっ!」


 次に左手を伸ばした遊貴は、光の渦の中から数枚のカードを引っ張り出した。





 「うまく、いったかな?」

 振り返ると、肩越しに覗き込んでいた少女から声が掛かった。

 「うん、上手くいったと思う。ありがと。」
 「私は何もしてないし、あなたにはこれからもっと大きな仕事があるから。頑張ってね。」

 遊貴は頷くと、少女の目を見た。



 「じゃあ、行ってくる。いや、多分しばらく帰ってこないよ。」


 ―樋屋鳴梨さん。




 「……どうして、その名前を?」

 少女は驚いた様子で遊貴を見つめ返した。

 「私によく似ているらしい人で、一人だけ名前を知っている人があなた。その人は故人で、あと……雰囲気が似てた。螢華さんに。」
 「ふんいきって……ずいぶんあいまいだね。でも、それが正解。私は樋屋鳴梨で、おねえちゃんを強引に人間界に送りかえしたから、そのばつでここにいたの。」

 鳴梨が語るには、《螢眼の反魂竜》は元々冥界の守護竜の一頭であった。しかし鳴梨の頼みで螢華を人間界に送り返し、彼女が目的を達するまで人間界で行動を共にしていた。そして鳴梨の方は、輪廻の循環を乱す行為を取ったとして、ここにその‘‘循環’’の監視者として送り込まれたのである。

 「もしかしたら、お姉ちゃんとか、家族の方が先にここにくるかな、と思ってたけど……まさか、お姉ちゃんの知り合いに会うなんて。こーんなに世界は広いのに、なんだか不思議。」
 「……じゃあ、さよなら。」

 別段会話が必要な間柄でもない。そう思い、遊貴は踵を返して光源から歩き去った。




 「鳴梨ちゃーん、もうそろそろ戻ってきていいよー。」

 遊貴が去って暫くして、酷く間の抜けた声が鳴梨を呼んだ。

 「はーい……はあ。私の上司、なんでこんなにてきとうなんだろ……」
 「んー?何か言ったー?」

 鳴梨は軽く首を振ると、遊貴とは別の方に立ち去った。



 二人が去り、誰もいなくなった空間。観測者なしでも、昇華する記憶は輝き続けていた。





---





 「…………深琴先輩、痛いです。」

 意識が急速に回復して第一声がそれであった。

 「遊貴ちゃん……大丈夫、なの?」

 どうやら膝の上に頭を乗せ、両肩を掴んで揺さぶっていたらしい。深琴は驚いた様子でどうにか声を絞り出した。

 「はい、もう大丈夫です。それより……」
 「それより……?」

 遊貴が立ち上がろうとするのを支えつつ、深琴は訊ねた。

 「深琴先輩、らしくないですよ?ほら、いつもの……」
 「えぇ?この状況で?」
 「この状況だからこそ……ですよ。」

 デュエルの前に展開された障壁により、通常であれば対戦者以外は干渉することができない。にも関わらず、深琴はその壁を破って遊貴を助けようと手を尽くしていた。それはつまり、深琴が障壁を越える何らかの力を手にしている証左である。

 「わかった……ふっ、我と切り結び、一度は破って見せたのだ。この程度の敵に負けると言うのか?」
 「……負けそうではあるね。負ける気はないけど。」

 深琴は大仰に頷くと、一歩退いて大きく息を吸った。


 「ならば勝って見せよ!案ずるな、我も……皆も付いている!」
 「ん……わかりました。じゃあ、下がっててください。」

 そう言うと、遊貴は振り返って対戦者と改めて対峙した。


 「…………。」

 深琴は小さく何事か呟くと、背を向けて障壁の外へ出た。



 「待たせたね……私のターン、からだったよね?」
 「ああそうだ。だが貴様、本当に勝てるというのか?」

 嘲笑う覇王の盤面は堅い。攻撃力がインフレした効果を受けないモンスターがいる。他にも二竜を従え、ライフにも余裕がある。

 「さあ?でも、未来は確定されている。私がここでドローするカードも、この後の……展開も!私のターン、ドロー!」




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光芒
うわぁ、この覇王さん自重しない。攻撃力5000以上の「覇王」3体という非常に重たい召喚条件ながらその重さに見合った色々とぶっ飛んだ効果を持っていますね。魂吸収の効果が発動する度に攻撃力が倍になったり覇王眷竜がアホみたいに出てくるのはラスボス特権というものでしょうか。
さすがのメタフィジカをもっても凌ぐのがやっと。そして凌いだところでライフは保てても遊貴自身が満身創痍に。しかし、ここで仲間の声が聞こえてくるのは王道オブ王道で熱い展開です。
そして鳴梨が出てくるとは思いませんでした。悲劇的な結末を迎えてしまった彼女ですが、ここで遊貴と出会っていたんですね。遊貴がドッペルゲンガーと思うくらい似ている彼女ですが、それなら螢華が亡くなった妹の姿を重ねるのもわかります。ですが螢華と出会っていたからこそここで遊貴と鳴梨が出会うわけで……お手本にしたくなる展開です。
(2018-09-19 00:59)
Ales(from SP)
光芒さん
「覇王」カードをデザインしたのは一年ほど前で、その時はこれどうすんのよ…と思っていたら色々効果を修正して出すことに……

>魂吸収の効果が発動する度に攻撃力が倍になったり覇王眷竜がアホみたいに出てくるのはラスボス特権というものでしょうか
ラスボスはやっぱり火力と火力のぶつかり合いが良いですよね(ちょっとネタバレ)。ただどこかで倍々ゲームを終わらせないと永遠に追い付けないので、普通は使わない《魂吸収》を採用することに……

>そして鳴梨が出てくるとは思いませんでした。悲劇的な結末を迎えてしまった彼女ですが、ここで遊貴と出会っていたんですね。遊貴がドッペルゲンガーと思うくらい似ている彼女ですが、それなら螢華が亡くなった妹の姿を重ねるのもわかります
実は鳴梨は自分の名前を忘れていて、それを思い出すまであの場所にいなければならない、という設定を考えていましたが、理由付けが面倒なのでやめました(殴
螢花の話もそうですが、この辺りの話は後の(作品の)伏線?っぽくなっていたりします。予定ですが。
(2018-09-24 11:52)

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131 32 シャボン玉ひとつ 1159 0 2016-04-05 -
72 33 その日まで 1033 2 2016-04-07 -
88 34 少しずつ埋めるように 1131 2 2016-04-09 -
130 35 碧の道に沿うように 1201 2 2016-04-11 -
79 36 信じた夢を目指して 1078 2 2016-04-13 -
173 37 Revive → 1290 2 2016-04-15 -
136 38 道標を探すのなら… 1151 2 2016-04-17 -
100 39 Element of SPADA1 1186 2 2016-04-19 -
133 40 さよならトリップ・1 1070 2 2016-04-21 -
120 41 In the Zone・1 1188 2 2016-04-23 -
77 42 In the Zone・2 1066 2 2016-04-25 -
59 デッキ詳説:XD (最終稿?) 1112 0 2016-04-26 -
128 43 星の扉・1 1071 2 2016-04-27 -
93 44 F.A.T.E. part1 1233 2 2016-04-29 -
68 45 F.A.T.E. part2 1191 2 2016-05-01 -
162 46 笑顔の訳 1214 4 2016-05-03 -
93 47 Element of SPADA2 1223 2 2016-05-05 -
71 48 星の扉 part2 1185 2 2016-05-07 -
64 49 Wings of Tomorrow 1260 2 2016-05-09 -
79 閑話休題 ゆきみかりんのパーフェクトry 1325 2 2016-05-11 -
120 50 In the Zone・3 1073 4 2016-05-13 -
83 51 星の扉 part3 1196 4 2016-05-15 -
113 52 星の扉 part4 1306 5 2016-05-17 -
119 53 さよならトリップ part.2 1236 3 2016-05-19 -
93 閑話休題2:座談会 1221 2 2016-05-21 -
120 第2部予告・キャラ紹介 1421 0 2016-05-23 -
119 54 開幕前の旋風 1286 2 2016-05-26 -
124 55 コピーとオリジナルとコピー 前編 1230 2 2016-05-29 -
67 56 コピーとオリジナルとコピー 中編 1126 2 2016-06-01 -
105 57 コピーとオリジナルとコピー 後編 1145 2 2016-06-04 -
83 58 螢火の幽霊娘 1191 2 2016-06-07 -
131 59 Brave Sword 1256 4 2016-06-10 -
126 60 Braver’s Soul 1212 2 2016-06-13 -
127 幕間 久実のだらだラジオ01 1223 0 2016-06-14 -
96 61 紙一重の差で 1268 2 2016-06-16 -
89 62 Beyond the fate 1134 2 2016-06-19 -
122 63 一点突破! 1192 2 2016-06-22 -
103 64 交わされた約束 1050 2 2016-06-25 -
128 65 狂イ咲ケ焔ノ華 1246 2 2016-06-28 -
115 66 光と焔 1214 2 2016-07-01 -
120 67 Rifling fate 1163 2 2016-07-04 -
66 68 Gunslinger in... 1117 2 2016-07-07 -
128 幕間 久実のだらだラジオ02 1117 2 2016-07-10 -
52 69 Extra-Zero 8 1098 2 2016-07-13 -
135 70 軍靴の鳴動 1052 2 2016-07-16 -
146 71 休憩の過ごしかた 1142 2 2016-07-19 -
131 72 激戦の予感 1328 2 2016-07-22 -
110 10000閲覧感謝特番(特番とはry) 1129 2 2016-07-25 -
128 73 幻竜と隼 1140 2 2016-07-28 -
108 74 薄氷 1078 2 2016-08-01 -
133 【告知】一万閲覧感謝祭について【重点】 1278 7 2016-08-02 -
110 74 バード・ストライク 1044 2 2016-08-04 -
116 75 革命と終端 1091 2 2016-08-07 -
124 76 Soldier’s Ballad 1016 4 2016-08-10 -
119 77 Full Boost! 1033 2 2016-08-13 -
130 78 Dead heat 1146 2 2016-08-16 -
130 79 フューチャー・リビジョン 1087 2 2016-08-19 -
119 幕間 久実のだらだラジオ03 1118 2 2016-08-22 -
130 80 それぞれの「加速度」 972 2 2016-08-25 -
60 81 EDEN 1061 4 2016-09-01 -
66 82 闇夜の錦 1039 2 2016-09-05 -
129 83 月影 1256 2 2016-09-09 -
95 84 宵待桜と日照の龍 1082 2 2016-09-13 -
118 85 Sakura Sunrise 1206 2 2016-09-18 -
87 閑話休題:お詫びとおまけ 1095 2 2016-09-22 -
55 86 宵闇に舞え、幽玄の桜 1060 4 2016-09-26 -
88 87 ‘‘fascination’’ 1017 4 2016-10-05 -
57 88 曙光の歌 890 2 2016-10-13 -
93 89 夜露に濡れた朝陽 1152 2 2016-10-18 -
169 90 9.A.M. 1237 2 2016-10-26 -
131 幕間 久実のだらだラジオ04 1168 2 2016-11-01 -
116 91 Gwin to run 1004 2 2016-11-09 -
121 92 ライトニング・マイル 995 4 2016-11-15 -
141 93 双振 1060 2 2016-11-20 -
50 94 鉛と金と 957 2 2016-11-25 -
110 95 剣と牙 1043 2 2016-11-29 -
115 96 剣戟連閃 *ミス有・未修正 1122 4 2016-12-04 -
120 97 Follow Tomorrow 1110 6 2016-12-06 -
71 幕間 久実のだらだラジオ05 1012 3 2016-12-07 -
69 番外編1-1 plan 8 to B 1032 3 2016-12-11 -
119 番外編1-2 †渚の大魔王† 1070 5 2016-12-15 -
158 番外編1-3 灼熱<(ヮ)> 1107 4 2016-12-18 -
119 番外編2-1 籐篠塾・開講? 983 5 2016-12-21 -
99 番外編2-2 実践?籐篠塾 1112 3 2016-12-23 -
119 そぴあちゃんのくり(ry 1208 3 2016-12-25 -
129 番外編2-3 対面する者たち 1104 3 2016-12-30 -
76 番外編2-4 集結と収束 959 7 2017-01-03 -
106 番外編2-5 勝負の鍵は右端に・1 1037 3 2017-01-05 -
135 【番外編の】閑・話・休・題【番外編】 1159 2 2017-01-10 -
97 番外編2-6 勝利の鍵は右端に・2 1055 5 2017-01-13 -
141 番外編2-7 因縁と銃弾と一瞬の隙・1 1076 2 2017-01-15 -
113 番外編2-8 因縁と銃弾と一瞬の隙・2 966 4 2017-01-18 -
133 番外編2-9 因縁と銃弾と一瞬の隙・3 1048 4 2017-01-22 -
122 番外編 2-10 山場と御山と一撃必中1 1175 9 2017-01-27 -
68 番外編 2-11 山場と御山と一撃必中2 1139 8 2017-01-31 -
124 番外編2-12 服と感性と(pt.1) 978 4 2017-02-04 -
117 番外編2 前半終了の幕間 1077 9 2017-02-06 -
134 番外編2-13 服と感性と(pt.2) 933 2 2017-02-10 -
137 幕間 論争、宇宙まで 994 2 2017-02-14 -
124 番外編2-14 服と感性と(pt.3) 991 2 2017-02-16 -
123 【緊急?更新】今後の方策について 1064 2 2017-02-18 -
109 番外編2-15 服と感性と(pt.4) 1050 10 2017-02-21 -
126 番外編2-16 漁火と陣風と(pt.1) 1171 2 2017-02-26 -
138 番外編2-17 漁火と陣風と(pt.2) 1022 2 2017-03-03 -
103 番外編2-18 Symphonic…1 1129 2 2017-03-14 -
116 【こいついつも】閑話☆休題【休んでんな】 1012 2 2017-03-20 -
118 番外編2-19 Symphonic…2 828 3 2017-03-27 -
91 番外編2-20 新乱気流…pt.1 905 2 2017-04-05 -
147 番外編2-21 新乱気流…pt.2 949 2 2017-04-16 -
132 番外編2-22 新乱気流…pt.3 960 2 2017-04-21 -
102 番外編2-23 Waltzic...p1 941 2 2017-04-26 -
127 番外編2-24 Waltzic...p2 1021 2 2017-05-02 -
109 番外編2-25 Waltzic...p3 1093 6 2017-06-03 -
87 番外編2-26 Waltzic...p4 855 3 2017-06-11 -
112 番外編2-26 Waltzic...p5 973 4 2017-06-24 -
156 98 Drawback 1107 2 2017-07-10 -
137 99 Silhouette 939 2 2017-09-22 -
130 Where is my No.100!? 1082 4 2017-11-19 -
95 番外編File-X 静かな夜に? 1025 2 2017-12-25 -
109 Over the Period -御品書 949 2 2018-06-14 -
65 OtP0 Boat 820 2 2018-07-07 -
87 OtP02 Serenade 854 0 2018-07-14 -
76 OtP03 Dirge 827 0 2018-09-01 -
86 OtP04 Requiem 830 2 2018-09-17 -
101 OtP05 Period 849 2 2018-09-24 -
60 幕間りたーんず01 新・メタフィジカ 762 0 2018-09-28 -
128 OtP06 Anthem 868 2 2018-10-14 -
109 OtP07 Perfectly 969 2 2018-10-19 -
65 OtP08 Possession 735 2 2018-11-02 -
56 OtP09 Bloomin’ 879 2 2018-11-22 -
93 OtP10 Danger! 850 2 2018-12-09 -
115 OtP11 Vidofnir 984 2 2018-12-22 -
90 OtP12 Sigmund 787 2 2019-01-01 -
61 OtP13 Quantum 861 2 2019-01-11 -
104 OtP14 Vicious 868 2 2019-01-25 -
95 OtP15 Quantize 812 3 2019-01-29 -
89 OtP16 Fragments 913 2 2019-02-04 -
76 OtP17 Nornir 744 2 2019-02-15 -
87 OtP18 Beyond the End 756 2 2019-02-20 -
74 OtP第三幕 コラボ企画おしながき 711 2 2019-02-24 -
103 OtP19 Deflect 795 2 2019-03-01 -
61 OtP20 Jokulhaups 720 2 2019-03-11 -
63 OtP21 Expedition 788 2 2019-03-15 -
60 OtP22 Lindwurm 807 2 2019-03-19 -
53 OtP23 Swords 718 2 2019-03-24 -
69 【OtP】決戦前特番嘘ですごめんなさい 770 2 2019-04-01 -
126 OtP24 Charge 789 2 2019-04-08 -
119 OtP25 Manque 762 2 2019-04-21 -
71 OtP26 Lightning 686 2 2019-05-03 -
72 OtP27 Blaze 795 2 2019-05-22 -
71 OtP28 Prelude 913 2 2019-09-29 -
91 OtP29 Phantom 757 0 2021-01-02 -
59 OtP30 mare-Nectaris 604 2 2023-01-22 -
48 OtP31 Enclosure 416 1 2023-11-06 -

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