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07 夢路より帰りて 作:Ales
「新しいパック、買ったの?」
見慣れないカードに、遊貴はそんな感想を漏らした。
「いいえ、買ってないわ。同じデッキを持って、気付いたらこれよ。それにもっと不可解なのがこっちね。」
残りのカードを表向けて遊貴に手渡すと、琉枝は鞄からエクストラデッキを取り出し、同じように表向けた。これらもやはり、全て見慣れないカードだった。しかも数枚、ミスプリントと思われる文字やイラストが半分しか描かれていないカードを見つけた。1枚に至っては枠以外真っ白である。
「……なに、これ。」
「そう言われても判らないわよ。気付いたらこれだもの。遊貴、あなたのデッキも持っていらっしゃいな。」
「ん……」
そういえば、放心状態でデッキを確認していなかった。琉枝を信頼していないわけではないが、自分のデッキも確認すればあれが夢だったのかどうかがわかるだろう。
「はい。」
デュエルディスクから外したデッキを手渡した。
「あら、あなたこそ新しいパック買ったの?」
琉枝が確認したカードは、あのデュエルで使ったカードと同じだった。
「…………むぅ。」
「その様子だと、そういう訳ではなさそうね……」
「うん。」
なるほど、と琉枝は頷いた。現状が意味不明なのは確かだが、わかっている事がひとつある。
「明日、調査にでも行ってみる?ちょうど土曜日だし、私も時間あるわよ。」
身体にダメージを与えるデュエル云々はともかく、現象の解明には虎穴に入る事も必要だろう。
「琉枝も一緒に行ってくれるなら……」
「ええ、もちろんよ。うーん、でも……ふーん。」
「……何?」
意味ありげにひとり微笑む琉枝に、遊貴は疑問を投げた。
「いや、あなたが弱音を吐いたの、初めてだな、と思って。」
「っ……晩ご飯まで読書してる。」
恥ずかしかったのか、部屋を出る遊貴の頬は少し赤かった。
「お姉さんに任せなさいな。全部はやらないけれど、手に負えない事はやってあげるからさ。」
琉枝はそう呟くと、台所に向かった。
「まあそうは言っても、安全の確保ぐらいはさせてもらおうかしら……」
深夜、琉枝は自室のPCを起動し、VDCβにアクセスしていた。夕食時に遊貴から聞き出した情報を元に、該当する場所を探す。事前調査という奴だ。
「あれかしら……」
程なくして、目的地を見つけた。路地裏の転送装置は、確かに洋館の前に光っている。
「崩壊した様子はないわね……」
外装に損傷はない。前もって確認したBBSにも、そのような記述は見当たらなかったため、データ上は別のところで起こったのだろう。
「さて、と。鬼が出るか蛇が出るか……」
念のため、フェイルセーフとして用意した「仕掛け」の確認をした。その後、転送プログラムを起動した。
内部もまた、何事もなかったように見える。
「さて、と。まずは正面ね。」
血は争えないのか、琉枝が決めたのは遊貴と同じ扉だった。同じように扉が開くと、やはり同じように広い部屋があった。
そこには、瓦礫が残っていた。向かって右側の壁は残っているが、左側はほぼ全て破壊されている。
遊貴が話していたであろう少女は、そこにいた。
遊貴がそこに来た時と同じように、長椅子に座り、無事な方の壁に掛かった絵画を見ている。
「さて、どう声をかけようかしら……月が綺麗ですね、とでも言ってやろうかしら。」
とにかく機先は制する。宮戸家のモットーだ。
「サンドロ・ボッティチェリの『受胎告知』ね。」
少女が驚いた様子で振り向いた。琉枝は長椅子の後ろに立ち、改めて絵画と正対した。
「あの……?」
「ん?」
少女は座ったまま、琉枝を見ている。しかし、後に続く言葉を探しているのか、何も話さない。
「わかる訳ないでしょ。」
ややあって、琉枝は笑いとともにそう言った。
「えっと……何がですか?」
「絵よ。月明かりじゃ、真贋どころか彩色もわからないわ。わかるのは構図だけよ。」
「は、はあ……」
「とりあえずそれらしき事を言っておけば良いのよ。違っていたら相手が訂正してくれるし、こっちは言い訳が出来る。そしてさりげなくこう聞けばいいのよ。「でも、似ていないかしら?」って。」
「は、はあ……」
琉枝の言う通り、絵画からははっきりとした明彩は読み取れない。
「先んずれば即ち人を制し、遅るれば即ち人の制するところとなる、よ。憶えておくと良いわ。」
「それが間違っていても……ですか?」
「ええ、そうよ。実際に今、私は会話の主導権を握っているし、あなたも随分とおしゃべりじゃない。」
「えっと……それは……」
琉枝は絵-実際には、彼女の言う絵画の複製で正しかった-から視線を外すと、ひとつ拍手を打った。それは、今身体がどこにあるかの確認のためだ。今はどうやら、自室にいるらしい。
「さて、と。色々聞きたい事があるのよ。その調子でお話、お願いできるかしら。」
今更拒否しないわよね、と笑顔で付け加えた琉枝に、少女は視線を落として続きを促した。
「そんなに怯えなくても良いじゃない。ただ言葉を出すだけよ……今日の夕方頃、ここに誰か来なかったかしら?」
「うん、女の子がひとり……」
「そう。その子と何かお話しした?」
「ううん……その子は、デュエルをしてくれました。」
琉枝はひとつ頷くと、今度はデュエルディスクに軽く触れた。まだ、自室にいる。
「デュエル……どんなデッキを使っていたの?」
少女は立ち上がると、長椅子の後ろの瓦礫に視線を移した。
「『光の翼』……」
しばらく、沈黙が流れた。
「あなたが何をしようと、私がとやかく言う権利はないのだけれど……」
遊貴の言う少女であると判断した琉枝は、固い声で呟く。
「人の妹を巻き込まないで頂戴。正直言って、迷惑よ。」
「妹さん……?」
「ええ。あなたが言っていたデュエリスト、私の妹よ。説明を要求する権利ぐらい認めて頂けるかしら。何の理由があって、あの子にそんなデッキが渡されたのか。」
「それは……私にもわかりません。」
「わからない?」
少女は視線を合わせることなく、小さく頷いた。
「カードについては、元々誰かの手に渡る事が決められていました。でもそれが誰かは、わかりませんでした。」
「……はぁ、もう。」
彼女はこれ以上の情報を持っていない。そう判断した琉枝は、眠気が襲ってくる前に退散しようと考えた。
「ミイラ取りがミイラになる前に、さよならさせて頂くわね。」
琉枝は右足でPCを蹴飛ばした。予め緩く差し込んでいた電源ケーブルが抜け、HMDの映像が消えた。
「……あーあ、SSD壊れたか。サブで潜っといてよかったわ。」
モニタディスプレイに映し出されたBIOS画面を見て、琉枝は頭を掻きながら呟いた。
「しかもこれ、メモリもやばいかも……無事なのは電源とケースぐらいかしら。CPUも2世代前のでホントよかったわ。」
電源ボタンを長押ししてBIOSを終了し、ベッドに横たわる。
とりあえずひとつの確信を得、仮定のひとつは、恐らく正しいであろう事がわかった。
(にしても、どうしたもんかね、これ……)
サイドテーブルに置いたデッキから、1枚のカードを取り出した。
本来ないはずの、カードIDとパスワードの抜けたカード。それが手元にあるのは、何か「特別」な証だ。そして特別というのは、大抵ロクでもない事が起る。
我らを試みに会わせず、悪より救い給え-
お祈りというのは、するだけタダだ。そして運がよければ叶うかもしれないので、本質的には得をするものだ、というのが琉枝の持論であった。
カードをデッキに戻すと、琉枝は静かに目を閉じた。
翌朝、朝食後に調査隊が出動した。
目的地へのゲートを迷いなく潜ると、そこにはやはり少女が、長椅子に座って件の絵を見ていた。
「ふむ……やっぱりボッティチェリね。」
昨夜と同じように、少女が驚いた様子で遊貴たちを見た。
「……昨日の今日でいらっしゃるんですね。」
『La+』の存在を認め、どうも苦手意識を持ってしまったらしい少女が、俯き加減に呟いた。
「ははっ、まあそう怖がらなくても良いじゃない。借金の取り立てじゃないんだからさ。」
「……?あれ?琉枝、知ってるの?」
「昨日ちょっとね。絵のお話をさせて頂いたわ。」
少女と『La+』の会話に疑問を持った『Snow』の問いに対し、『La+』は何でもないように笑って返した。
「まあ、昨日話した段階でひとつはもう諦めたから、もうひとつだけ聞かせて貰うわね。」
「はい……」
「ひとつだけよ。本当にひとつだけ……『Plastic』。」
「……」
「……」
「ふむ。これがジェネレーションギャップというやつでしょうか。」
先の『La+』の発言は、1960年代の映画の一台詞だ。遊貴は以前、琉枝とともに見た事があったのだが、それが何を意味していたのかなどさっぱりわからなかった。だがジェネレーションギャップというが、琉枝も生まれていない。
「あの……」
「気にしないで。つい言ってしまっただけ。まあでも、もう少し柔軟に構えてほしい、と思っているのは事実よ。じゃあ改めて聞くわね。」
「あ、はい……」
思わず『La+』を見てしまった少女は、その視線を所在なげに揺らしている。
「そんなに言い辛い事じゃないと思うけどね。このカードで、私たちは何をすればいいのかしら?」
「え……?」
今度こそ想定外だったのか、少女は『La+』の目を見て真意を測っているようだった。
「……特に何も、して頂く必要はありません。思うままにデュエルして頂ければ、それで構いません。」
「あらそう。私の方からはこれだけよ。遊貴、あなたは?」
「ん……」
用を終えた『La+』が、一歩下がった。
「…………」
遊貴の胸中を、万語が埋め尽くした。聞きたい事はない。でも、言いたい事は多くある。
「……名前。」
喉元に迫る多くの雑言を飲み込み、『Snow』は吐き出した。
「はい……?」
少女は呆気に取られていた。
「だから、名前。聞いていなかったから……」
「あ、ええと……好きに呼んで下さい。」
「えぇ……」
特に難しい事を聞いたつもりはない。しかし難しい表情になったのは遊貴の方だった。
「好きにって……」
「あの、変な言葉は困りますけど……」
琉枝にも尋ねてみるが、好きにしなさい、の一言だった。必要な事が済めば急に興味を無くす、極端な姉だ。
「むぅ……じゃあ、『ロロナ』で。」
「素敵な響きですけれど……あの……」
少女は笑顔になったが、すぐに目を伏せてしまった。
「何?」
「『Lolo』というのはその、マラガシ語で『蝶』という意味なんですよ。」
「蝶……あー、昨日の……むぅ。」
先日のデュエルの嫌な記憶と偶然の一致を見せたのが彼女の懸念らしい。
「タガログ語では『祖父』ね。意味はちっとも素敵とは思えないわ。」
「「え?」」
少女と『Snow』が、同時に『La+』に向き直った。
「何で知ってるの…?というか、どこで使われている言葉なの?」
「フィリピンの公用語よ……ちなみに、マラガシ語はマダガスカル島の言語ね。」
遊貴は、改めて『無線RAN内蔵』と称された姉の知識量に驚ていた。
「では、あなたも考えて頂けませんか?」
「え……私?」
少女は、笑顔で『La+』を指名した。
「そうねぇ……」
ちらりと、絵画に目を移した。
「リリィね。」
「百合、ですか?」
ふたりは、どうも由来を聞きたそうに『La+』を見ている。
「あなた、ずっと『受胎告知』の絵を見ていたから……天使ガブリエルが持っているのは決まって百合でしょ?天使や聖母の名にしなかっただけ感謝しなさい。」
徹底して頭を使おうとしない琉枝に対し、ふたりの反応はまちまちだった。
「あ、えっと、ええ?」
「興味ない事だと……ホントに適当……」
「あ……興味、なかったですか?」
少し落ち込んだ表情の少女に、『La+』は更に塩を塗った。
「そうね、私としてはもうあなたに用はなかったから。もう少し真面目なお話だったら、お姉さんもうちょっと真面目になるわよ?」
「えっと……ごめんなさい……」
「相手が悪かったわね。忘れなさい。」
「はい……」
すっかり肩を落としてしまった少女に、『Snow』が声をかけた。
「何にせよ、これからよろしく……『ロロナ』。」
「……はい。といっても、会う事があるのかどうかはわかりませんけれど。」
ここではあんな事がありましたしね、と瓦礫を見つめ、寂しそうに『ロロナ』が言った。
「ここから出ればいいじゃない。出られるのなら。」
「あ……そうでした。」
『La+』の指摘に、『ロロナ』の悩みはあっさり氷解した。
「では、えっと……お名前、何でしたっけ?」
そういえば昨日から、ふたりは名乗っていなかった。
「私は『La+Tawi』。『La+』でいいわ。」
「『Snowispell』……『Snow』でいい……」
『La+』さんと『Snow』さん、と口の中で呟くと、ロロナはこれまでにない明るい表情を見せた。
「では『La+』さん、『Snow』さん、行きましょうか。」
そう言うと、少女は一枚のカードになった。
「まあ、大体予想はしてたわよ。」
『Snow』は驚いていたが、『La+』はさして大きなな反応を見せず、肩をすくめてそのカードを拾った。
-え?予想されていたのですか?
カードから『ロロナ』の声が聞こえた。
「ええ。あなた、色々挙動がおかしかったから。いわゆる『カードの精霊』かしら?」
-あなたは……本当に、賢い方なのですね。
「否定はしないわ。自分の脳を学会に売ったらいくらになるのか気になった事もあるわ。」
-そしてとても不思議な方ですね。ひとつお願いがあるのですが。
「内容次第では聞いてあげない事もないわ。何かしら?」
-このカード……わたしは、『La+』さん、あなたがお持ち下さい。『Snow』さんではなく、あなたが。
「ん?まあそれぐらいなら構わんけど……どうして?」
-正直、『Snow』さんと一緒は少々気まずいのです。
「そう。そういうことなら容赦なく酷使させて頂くから、そのつもりで。」
-お、お手柔らかにお願いします。
「という訳だからさ、こいつは私が預かるよ。いい?」
『ロロナ』との会話を終えた『La+』は、『Snow』に向かって言った。
「ん、わかった……」
こういう時、遊貴の素直な性格はありがたい、と琉枝は思った。
崩れた壁から見える空の映像は、いつもと同じ晴れ間だった。
「お、いたいた。おはよう……ございます。」
廃墟を出てすぐの大通りで、『NSaver』と出会った。『Snow』の脇にいる『La+』には、思わず敬語になってしまうようだ。
「おはよう。久しぶりね。」
「おはよう……」
「でさ、聞いてくれよ。昨日変な事があってさ……」
『La+』と『Snow』の反応は同時だった。
「昨日?」
「変な事……」
興奮気味の『NSaver』が続ける。
「デッキが変なんだよ。」
またも同時に反応した。
「デッキが……」
「変?」
「な、なんかそうしてると本当に姉妹……ですね。それがさ、昨日帰って勉強して、よしデュエルするぞ-、って思ってデッキ見たらさ、全く知らないカードが置いてあるんだよ。親に聞いても知らないって言うし、これいったい何なんだろうな。」
「『ロロナ』、あなた何か知ってるかしら。」
-いえ……実際にデュエルを見ない事には、何も……
『La+』は彼らから一歩引いて、『ロロナ』に訪ねた。しかし返答は芳しくない。
「それで、とりあえず昨日は部屋で元のデッキ探したんだけどさ、どこにもないんだよな。まるですり替えられたみたいだぜ。」
「んー……実は、私たちもそう……」
どうやら同じ穴の狢らしい彼に隠す事もない、と判断した『Snow』は、昨日の話を『NSaver』に話して聞かせた。
「え……ってことは、このカードちょっとやばい感じ?」
「いえ。元凶は特に気にせず、自由に使っていいって言っていたわ。好きに使えばいいんじゃないかしら。」
『La+』が何でもないようにそう言った。
「あ、そうなんですか……でも何なんだ、ホント。デッキが勝手に変わるなんてさ。」
そう呟いた彼に、ひとりの青年が声をかけた。
「その話、詳しく聞かせて貰おうか。」
そこにいた三人が彼の方を向いた。
「は?詳しくって……いやどちら様?」
『NSaver』が、至極真っ当な返答をする。
「何を隠そう……この僕も、同じ経験をしたのだよ!」
「おい聞けよ。」
最初こそ慎重に腹を探っていた『NSaver』だったが、次の言には既に本来のツッコミが戻っていた。
「あれは昨日の夕方、ちょうどこの通りの…あの辺りを歩いていた時だった……」
「デッキが光ってカードが変わっていた、と。」
一人語り始める青年に、『La+』は心底どうでも良さそうに言い放った。
「なっ……何故それを!?」
本気で驚いたらしく、ヘッドフォンが椅子の倒れる音を拾った。
「あら、大丈夫かしら?おーい、生きてらっしゃる?」
「そのお話、詳しく聞かせて頂けますか、レディー。」
うわうっぜー、と言った『NSaver』の声はスルーされた。
「詳しくも何も、元凶は「好きに使っていい」って言っているわ。だからこれで解散。さようなら。」
しかし彼は食い下がった。
「元凶……やはり何か知っておられるのですね。当事者として、何かお聞かせ願えないでしょうか。」
「当事者、ねぇ……まあ、そう言われれば弱いわねぇ。」
『La+』が気怠そうに概要を話した。
「……何と!このカードにはそのような秘密が!そしてそこの君……おや、君は……」
「……?」
一通りの説明を聞いた彼は暫し感嘆していたが、やがて『Snow』を認めると、彼女に声をかけた。
「私……?何?」
「君は、もしや『Snow』かい?」
『Snow』が肯定すると、彼はより一層感嘆した。
「ほう!やはりか!いや、何を隠そう。僕は君のファンなのだよ!」
「うわキモ。」
『NSaver』の声は、またも無視された。
「1ヶ月前のトーナメントでもプレイセンスに惹かれてしまってね……いや、まさかこんなところで会うとは……そしてこのような縁で結ばれるとは……」
「は、はあ……」
『Snow』もまた、引いている。
「こうなってしまったからには、この僕が!あなたをお守りしましょう!」
「いや何言ってんだこのおっさん……」
三度目の声に、漸く反応した。
「おっさんとは失敬な!私はここでは、『Ka.Ta.』と名乗っている!そう言う君はいったい何だい?」
「あ?俺か?ただのクラスメイトだよ。こいつの。ここじゃ『NSaver』って名乗ってるけど。」
『Ka.Ta.』と名乗った青年はレートを確認すると、、鼻で笑って返した。
「ふっ……大した実力もないというのに、彼女を守るというのか……甘いぞ少年!」
数日前に始めたばかりの『NSaver』のレートは2480前後。初期値が2400であることを加味すればかなりよい戦績であるが、相手は2622という中堅どころである。戦績が表示されない以上、『NSaver』が格下に見られてしまうのも仕方のない事だ。
「『NSaver』だよ、おっさん。」
「君、それは喧嘩を売っているのかね?いいだろう。勝った方が『Snow』を守るというのはどうだい?」
「間に合ってる……間に合ってるから……むぅ。」
『Snow』の小さい声が災いしてか、ヒートアップしている二人には聞こえていなかった。
「いや、こいつ守られるほど弱くねーし。でもまあ、喧嘩買ってくれたからには勝負しないとな……」
二人が正対した。
「少年よ、いざ尋常に……」
「はっ!『NSaver』だよ!おっさん!」
一触即発どころか既に臨戦体勢の二人を尻目に、遊貴はスマホをいじっていた。
「ほら遊貴、こういう時に言う言葉があるでしょ?」
『La+』の声に反応し、HMDを装着し直した。しかし返事は明後日の方向だった。
「……アプデ来てた。」
「あらそう。晩ご飯までには返ってらっしゃいね。」
二人の間には、これ以上の会話は必要ない。
-『Snow』さんはどちらへ?
いずこかへ去っていった遊貴が心配なのか、『ロロナ』が声を出した。
「さあ?今はデュエルでも眺めるとしましょう?」
-昨日酷い目にあったというのに、あなたは随分余裕なのですね。
「あなたが思うほど、あの子も馬鹿じゃないわ。ちょっとやそっとの怪我で冒険を取り上げたら、つまらない人間になっちゃうわよ。」
-やっぱり、あなたは不思議な人です。
諦念とも疑心とも付かぬ声色で『ロロナ』はそう言った。
「お褒めの言葉、ありがと。」
『La+』はデュエルディスクを操作し、観戦モードを起動した。
二人とも、遊貴に相応しいかどうか見せて貰おうかしら。
「「デュエル!!」」
---
《?次回予告?》
Ka.Ta.「やるではないか少年!こうなっては致し方あるまい!」
NSaver「人に言う前に自分が名前憶えなおっさん!切り札、いくぜ?」
La+「ダメだこいつら。」
遊貴「やっぱり……付けないと……ダメ?」
次回、「Never say die」
*台詞、タイトル等は予告なく変更します。予めご了承下さい。
見慣れないカードに、遊貴はそんな感想を漏らした。
「いいえ、買ってないわ。同じデッキを持って、気付いたらこれよ。それにもっと不可解なのがこっちね。」
残りのカードを表向けて遊貴に手渡すと、琉枝は鞄からエクストラデッキを取り出し、同じように表向けた。これらもやはり、全て見慣れないカードだった。しかも数枚、ミスプリントと思われる文字やイラストが半分しか描かれていないカードを見つけた。1枚に至っては枠以外真っ白である。
「……なに、これ。」
「そう言われても判らないわよ。気付いたらこれだもの。遊貴、あなたのデッキも持っていらっしゃいな。」
「ん……」
そういえば、放心状態でデッキを確認していなかった。琉枝を信頼していないわけではないが、自分のデッキも確認すればあれが夢だったのかどうかがわかるだろう。
「はい。」
デュエルディスクから外したデッキを手渡した。
「あら、あなたこそ新しいパック買ったの?」
琉枝が確認したカードは、あのデュエルで使ったカードと同じだった。
「…………むぅ。」
「その様子だと、そういう訳ではなさそうね……」
「うん。」
なるほど、と琉枝は頷いた。現状が意味不明なのは確かだが、わかっている事がひとつある。
「明日、調査にでも行ってみる?ちょうど土曜日だし、私も時間あるわよ。」
身体にダメージを与えるデュエル云々はともかく、現象の解明には虎穴に入る事も必要だろう。
「琉枝も一緒に行ってくれるなら……」
「ええ、もちろんよ。うーん、でも……ふーん。」
「……何?」
意味ありげにひとり微笑む琉枝に、遊貴は疑問を投げた。
「いや、あなたが弱音を吐いたの、初めてだな、と思って。」
「っ……晩ご飯まで読書してる。」
恥ずかしかったのか、部屋を出る遊貴の頬は少し赤かった。
「お姉さんに任せなさいな。全部はやらないけれど、手に負えない事はやってあげるからさ。」
琉枝はそう呟くと、台所に向かった。
「まあそうは言っても、安全の確保ぐらいはさせてもらおうかしら……」
深夜、琉枝は自室のPCを起動し、VDCβにアクセスしていた。夕食時に遊貴から聞き出した情報を元に、該当する場所を探す。事前調査という奴だ。
「あれかしら……」
程なくして、目的地を見つけた。路地裏の転送装置は、確かに洋館の前に光っている。
「崩壊した様子はないわね……」
外装に損傷はない。前もって確認したBBSにも、そのような記述は見当たらなかったため、データ上は別のところで起こったのだろう。
「さて、と。鬼が出るか蛇が出るか……」
念のため、フェイルセーフとして用意した「仕掛け」の確認をした。その後、転送プログラムを起動した。
内部もまた、何事もなかったように見える。
「さて、と。まずは正面ね。」
血は争えないのか、琉枝が決めたのは遊貴と同じ扉だった。同じように扉が開くと、やはり同じように広い部屋があった。
そこには、瓦礫が残っていた。向かって右側の壁は残っているが、左側はほぼ全て破壊されている。
遊貴が話していたであろう少女は、そこにいた。
遊貴がそこに来た時と同じように、長椅子に座り、無事な方の壁に掛かった絵画を見ている。
「さて、どう声をかけようかしら……月が綺麗ですね、とでも言ってやろうかしら。」
とにかく機先は制する。宮戸家のモットーだ。
「サンドロ・ボッティチェリの『受胎告知』ね。」
少女が驚いた様子で振り向いた。琉枝は長椅子の後ろに立ち、改めて絵画と正対した。
「あの……?」
「ん?」
少女は座ったまま、琉枝を見ている。しかし、後に続く言葉を探しているのか、何も話さない。
「わかる訳ないでしょ。」
ややあって、琉枝は笑いとともにそう言った。
「えっと……何がですか?」
「絵よ。月明かりじゃ、真贋どころか彩色もわからないわ。わかるのは構図だけよ。」
「は、はあ……」
「とりあえずそれらしき事を言っておけば良いのよ。違っていたら相手が訂正してくれるし、こっちは言い訳が出来る。そしてさりげなくこう聞けばいいのよ。「でも、似ていないかしら?」って。」
「は、はあ……」
琉枝の言う通り、絵画からははっきりとした明彩は読み取れない。
「先んずれば即ち人を制し、遅るれば即ち人の制するところとなる、よ。憶えておくと良いわ。」
「それが間違っていても……ですか?」
「ええ、そうよ。実際に今、私は会話の主導権を握っているし、あなたも随分とおしゃべりじゃない。」
「えっと……それは……」
琉枝は絵-実際には、彼女の言う絵画の複製で正しかった-から視線を外すと、ひとつ拍手を打った。それは、今身体がどこにあるかの確認のためだ。今はどうやら、自室にいるらしい。
「さて、と。色々聞きたい事があるのよ。その調子でお話、お願いできるかしら。」
今更拒否しないわよね、と笑顔で付け加えた琉枝に、少女は視線を落として続きを促した。
「そんなに怯えなくても良いじゃない。ただ言葉を出すだけよ……今日の夕方頃、ここに誰か来なかったかしら?」
「うん、女の子がひとり……」
「そう。その子と何かお話しした?」
「ううん……その子は、デュエルをしてくれました。」
琉枝はひとつ頷くと、今度はデュエルディスクに軽く触れた。まだ、自室にいる。
「デュエル……どんなデッキを使っていたの?」
少女は立ち上がると、長椅子の後ろの瓦礫に視線を移した。
「『光の翼』……」
しばらく、沈黙が流れた。
「あなたが何をしようと、私がとやかく言う権利はないのだけれど……」
遊貴の言う少女であると判断した琉枝は、固い声で呟く。
「人の妹を巻き込まないで頂戴。正直言って、迷惑よ。」
「妹さん……?」
「ええ。あなたが言っていたデュエリスト、私の妹よ。説明を要求する権利ぐらい認めて頂けるかしら。何の理由があって、あの子にそんなデッキが渡されたのか。」
「それは……私にもわかりません。」
「わからない?」
少女は視線を合わせることなく、小さく頷いた。
「カードについては、元々誰かの手に渡る事が決められていました。でもそれが誰かは、わかりませんでした。」
「……はぁ、もう。」
彼女はこれ以上の情報を持っていない。そう判断した琉枝は、眠気が襲ってくる前に退散しようと考えた。
「ミイラ取りがミイラになる前に、さよならさせて頂くわね。」
琉枝は右足でPCを蹴飛ばした。予め緩く差し込んでいた電源ケーブルが抜け、HMDの映像が消えた。
「……あーあ、SSD壊れたか。サブで潜っといてよかったわ。」
モニタディスプレイに映し出されたBIOS画面を見て、琉枝は頭を掻きながら呟いた。
「しかもこれ、メモリもやばいかも……無事なのは電源とケースぐらいかしら。CPUも2世代前のでホントよかったわ。」
電源ボタンを長押ししてBIOSを終了し、ベッドに横たわる。
とりあえずひとつの確信を得、仮定のひとつは、恐らく正しいであろう事がわかった。
(にしても、どうしたもんかね、これ……)
サイドテーブルに置いたデッキから、1枚のカードを取り出した。
本来ないはずの、カードIDとパスワードの抜けたカード。それが手元にあるのは、何か「特別」な証だ。そして特別というのは、大抵ロクでもない事が起る。
我らを試みに会わせず、悪より救い給え-
お祈りというのは、するだけタダだ。そして運がよければ叶うかもしれないので、本質的には得をするものだ、というのが琉枝の持論であった。
カードをデッキに戻すと、琉枝は静かに目を閉じた。
翌朝、朝食後に調査隊が出動した。
目的地へのゲートを迷いなく潜ると、そこにはやはり少女が、長椅子に座って件の絵を見ていた。
「ふむ……やっぱりボッティチェリね。」
昨夜と同じように、少女が驚いた様子で遊貴たちを見た。
「……昨日の今日でいらっしゃるんですね。」
『La+』の存在を認め、どうも苦手意識を持ってしまったらしい少女が、俯き加減に呟いた。
「ははっ、まあそう怖がらなくても良いじゃない。借金の取り立てじゃないんだからさ。」
「……?あれ?琉枝、知ってるの?」
「昨日ちょっとね。絵のお話をさせて頂いたわ。」
少女と『La+』の会話に疑問を持った『Snow』の問いに対し、『La+』は何でもないように笑って返した。
「まあ、昨日話した段階でひとつはもう諦めたから、もうひとつだけ聞かせて貰うわね。」
「はい……」
「ひとつだけよ。本当にひとつだけ……『Plastic』。」
「……」
「……」
「ふむ。これがジェネレーションギャップというやつでしょうか。」
先の『La+』の発言は、1960年代の映画の一台詞だ。遊貴は以前、琉枝とともに見た事があったのだが、それが何を意味していたのかなどさっぱりわからなかった。だがジェネレーションギャップというが、琉枝も生まれていない。
「あの……」
「気にしないで。つい言ってしまっただけ。まあでも、もう少し柔軟に構えてほしい、と思っているのは事実よ。じゃあ改めて聞くわね。」
「あ、はい……」
思わず『La+』を見てしまった少女は、その視線を所在なげに揺らしている。
「そんなに言い辛い事じゃないと思うけどね。このカードで、私たちは何をすればいいのかしら?」
「え……?」
今度こそ想定外だったのか、少女は『La+』の目を見て真意を測っているようだった。
「……特に何も、して頂く必要はありません。思うままにデュエルして頂ければ、それで構いません。」
「あらそう。私の方からはこれだけよ。遊貴、あなたは?」
「ん……」
用を終えた『La+』が、一歩下がった。
「…………」
遊貴の胸中を、万語が埋め尽くした。聞きたい事はない。でも、言いたい事は多くある。
「……名前。」
喉元に迫る多くの雑言を飲み込み、『Snow』は吐き出した。
「はい……?」
少女は呆気に取られていた。
「だから、名前。聞いていなかったから……」
「あ、ええと……好きに呼んで下さい。」
「えぇ……」
特に難しい事を聞いたつもりはない。しかし難しい表情になったのは遊貴の方だった。
「好きにって……」
「あの、変な言葉は困りますけど……」
琉枝にも尋ねてみるが、好きにしなさい、の一言だった。必要な事が済めば急に興味を無くす、極端な姉だ。
「むぅ……じゃあ、『ロロナ』で。」
「素敵な響きですけれど……あの……」
少女は笑顔になったが、すぐに目を伏せてしまった。
「何?」
「『Lolo』というのはその、マラガシ語で『蝶』という意味なんですよ。」
「蝶……あー、昨日の……むぅ。」
先日のデュエルの嫌な記憶と偶然の一致を見せたのが彼女の懸念らしい。
「タガログ語では『祖父』ね。意味はちっとも素敵とは思えないわ。」
「「え?」」
少女と『Snow』が、同時に『La+』に向き直った。
「何で知ってるの…?というか、どこで使われている言葉なの?」
「フィリピンの公用語よ……ちなみに、マラガシ語はマダガスカル島の言語ね。」
遊貴は、改めて『無線RAN内蔵』と称された姉の知識量に驚ていた。
「では、あなたも考えて頂けませんか?」
「え……私?」
少女は、笑顔で『La+』を指名した。
「そうねぇ……」
ちらりと、絵画に目を移した。
「リリィね。」
「百合、ですか?」
ふたりは、どうも由来を聞きたそうに『La+』を見ている。
「あなた、ずっと『受胎告知』の絵を見ていたから……天使ガブリエルが持っているのは決まって百合でしょ?天使や聖母の名にしなかっただけ感謝しなさい。」
徹底して頭を使おうとしない琉枝に対し、ふたりの反応はまちまちだった。
「あ、えっと、ええ?」
「興味ない事だと……ホントに適当……」
「あ……興味、なかったですか?」
少し落ち込んだ表情の少女に、『La+』は更に塩を塗った。
「そうね、私としてはもうあなたに用はなかったから。もう少し真面目なお話だったら、お姉さんもうちょっと真面目になるわよ?」
「えっと……ごめんなさい……」
「相手が悪かったわね。忘れなさい。」
「はい……」
すっかり肩を落としてしまった少女に、『Snow』が声をかけた。
「何にせよ、これからよろしく……『ロロナ』。」
「……はい。といっても、会う事があるのかどうかはわかりませんけれど。」
ここではあんな事がありましたしね、と瓦礫を見つめ、寂しそうに『ロロナ』が言った。
「ここから出ればいいじゃない。出られるのなら。」
「あ……そうでした。」
『La+』の指摘に、『ロロナ』の悩みはあっさり氷解した。
「では、えっと……お名前、何でしたっけ?」
そういえば昨日から、ふたりは名乗っていなかった。
「私は『La+Tawi』。『La+』でいいわ。」
「『Snowispell』……『Snow』でいい……」
『La+』さんと『Snow』さん、と口の中で呟くと、ロロナはこれまでにない明るい表情を見せた。
「では『La+』さん、『Snow』さん、行きましょうか。」
そう言うと、少女は一枚のカードになった。
「まあ、大体予想はしてたわよ。」
『Snow』は驚いていたが、『La+』はさして大きなな反応を見せず、肩をすくめてそのカードを拾った。
-え?予想されていたのですか?
カードから『ロロナ』の声が聞こえた。
「ええ。あなた、色々挙動がおかしかったから。いわゆる『カードの精霊』かしら?」
-あなたは……本当に、賢い方なのですね。
「否定はしないわ。自分の脳を学会に売ったらいくらになるのか気になった事もあるわ。」
-そしてとても不思議な方ですね。ひとつお願いがあるのですが。
「内容次第では聞いてあげない事もないわ。何かしら?」
-このカード……わたしは、『La+』さん、あなたがお持ち下さい。『Snow』さんではなく、あなたが。
「ん?まあそれぐらいなら構わんけど……どうして?」
-正直、『Snow』さんと一緒は少々気まずいのです。
「そう。そういうことなら容赦なく酷使させて頂くから、そのつもりで。」
-お、お手柔らかにお願いします。
「という訳だからさ、こいつは私が預かるよ。いい?」
『ロロナ』との会話を終えた『La+』は、『Snow』に向かって言った。
「ん、わかった……」
こういう時、遊貴の素直な性格はありがたい、と琉枝は思った。
崩れた壁から見える空の映像は、いつもと同じ晴れ間だった。
「お、いたいた。おはよう……ございます。」
廃墟を出てすぐの大通りで、『NSaver』と出会った。『Snow』の脇にいる『La+』には、思わず敬語になってしまうようだ。
「おはよう。久しぶりね。」
「おはよう……」
「でさ、聞いてくれよ。昨日変な事があってさ……」
『La+』と『Snow』の反応は同時だった。
「昨日?」
「変な事……」
興奮気味の『NSaver』が続ける。
「デッキが変なんだよ。」
またも同時に反応した。
「デッキが……」
「変?」
「な、なんかそうしてると本当に姉妹……ですね。それがさ、昨日帰って勉強して、よしデュエルするぞ-、って思ってデッキ見たらさ、全く知らないカードが置いてあるんだよ。親に聞いても知らないって言うし、これいったい何なんだろうな。」
「『ロロナ』、あなた何か知ってるかしら。」
-いえ……実際にデュエルを見ない事には、何も……
『La+』は彼らから一歩引いて、『ロロナ』に訪ねた。しかし返答は芳しくない。
「それで、とりあえず昨日は部屋で元のデッキ探したんだけどさ、どこにもないんだよな。まるですり替えられたみたいだぜ。」
「んー……実は、私たちもそう……」
どうやら同じ穴の狢らしい彼に隠す事もない、と判断した『Snow』は、昨日の話を『NSaver』に話して聞かせた。
「え……ってことは、このカードちょっとやばい感じ?」
「いえ。元凶は特に気にせず、自由に使っていいって言っていたわ。好きに使えばいいんじゃないかしら。」
『La+』が何でもないようにそう言った。
「あ、そうなんですか……でも何なんだ、ホント。デッキが勝手に変わるなんてさ。」
そう呟いた彼に、ひとりの青年が声をかけた。
「その話、詳しく聞かせて貰おうか。」
そこにいた三人が彼の方を向いた。
「は?詳しくって……いやどちら様?」
『NSaver』が、至極真っ当な返答をする。
「何を隠そう……この僕も、同じ経験をしたのだよ!」
「おい聞けよ。」
最初こそ慎重に腹を探っていた『NSaver』だったが、次の言には既に本来のツッコミが戻っていた。
「あれは昨日の夕方、ちょうどこの通りの…あの辺りを歩いていた時だった……」
「デッキが光ってカードが変わっていた、と。」
一人語り始める青年に、『La+』は心底どうでも良さそうに言い放った。
「なっ……何故それを!?」
本気で驚いたらしく、ヘッドフォンが椅子の倒れる音を拾った。
「あら、大丈夫かしら?おーい、生きてらっしゃる?」
「そのお話、詳しく聞かせて頂けますか、レディー。」
うわうっぜー、と言った『NSaver』の声はスルーされた。
「詳しくも何も、元凶は「好きに使っていい」って言っているわ。だからこれで解散。さようなら。」
しかし彼は食い下がった。
「元凶……やはり何か知っておられるのですね。当事者として、何かお聞かせ願えないでしょうか。」
「当事者、ねぇ……まあ、そう言われれば弱いわねぇ。」
『La+』が気怠そうに概要を話した。
「……何と!このカードにはそのような秘密が!そしてそこの君……おや、君は……」
「……?」
一通りの説明を聞いた彼は暫し感嘆していたが、やがて『Snow』を認めると、彼女に声をかけた。
「私……?何?」
「君は、もしや『Snow』かい?」
『Snow』が肯定すると、彼はより一層感嘆した。
「ほう!やはりか!いや、何を隠そう。僕は君のファンなのだよ!」
「うわキモ。」
『NSaver』の声は、またも無視された。
「1ヶ月前のトーナメントでもプレイセンスに惹かれてしまってね……いや、まさかこんなところで会うとは……そしてこのような縁で結ばれるとは……」
「は、はあ……」
『Snow』もまた、引いている。
「こうなってしまったからには、この僕が!あなたをお守りしましょう!」
「いや何言ってんだこのおっさん……」
三度目の声に、漸く反応した。
「おっさんとは失敬な!私はここでは、『Ka.Ta.』と名乗っている!そう言う君はいったい何だい?」
「あ?俺か?ただのクラスメイトだよ。こいつの。ここじゃ『NSaver』って名乗ってるけど。」
『Ka.Ta.』と名乗った青年はレートを確認すると、、鼻で笑って返した。
「ふっ……大した実力もないというのに、彼女を守るというのか……甘いぞ少年!」
数日前に始めたばかりの『NSaver』のレートは2480前後。初期値が2400であることを加味すればかなりよい戦績であるが、相手は2622という中堅どころである。戦績が表示されない以上、『NSaver』が格下に見られてしまうのも仕方のない事だ。
「『NSaver』だよ、おっさん。」
「君、それは喧嘩を売っているのかね?いいだろう。勝った方が『Snow』を守るというのはどうだい?」
「間に合ってる……間に合ってるから……むぅ。」
『Snow』の小さい声が災いしてか、ヒートアップしている二人には聞こえていなかった。
「いや、こいつ守られるほど弱くねーし。でもまあ、喧嘩買ってくれたからには勝負しないとな……」
二人が正対した。
「少年よ、いざ尋常に……」
「はっ!『NSaver』だよ!おっさん!」
一触即発どころか既に臨戦体勢の二人を尻目に、遊貴はスマホをいじっていた。
「ほら遊貴、こういう時に言う言葉があるでしょ?」
『La+』の声に反応し、HMDを装着し直した。しかし返事は明後日の方向だった。
「……アプデ来てた。」
「あらそう。晩ご飯までには返ってらっしゃいね。」
二人の間には、これ以上の会話は必要ない。
-『Snow』さんはどちらへ?
いずこかへ去っていった遊貴が心配なのか、『ロロナ』が声を出した。
「さあ?今はデュエルでも眺めるとしましょう?」
-昨日酷い目にあったというのに、あなたは随分余裕なのですね。
「あなたが思うほど、あの子も馬鹿じゃないわ。ちょっとやそっとの怪我で冒険を取り上げたら、つまらない人間になっちゃうわよ。」
-やっぱり、あなたは不思議な人です。
諦念とも疑心とも付かぬ声色で『ロロナ』はそう言った。
「お褒めの言葉、ありがと。」
『La+』はデュエルディスクを操作し、観戦モードを起動した。
二人とも、遊貴に相応しいかどうか見せて貰おうかしら。
「「デュエル!!」」
---
《?次回予告?》
Ka.Ta.「やるではないか少年!こうなっては致し方あるまい!」
NSaver「人に言う前に自分が名前憶えなおっさん!切り札、いくぜ?」
La+「ダメだこいつら。」
遊貴「やっぱり……付けないと……ダメ?」
次回、「Never say die」
*台詞、タイトル等は予告なく変更します。予めご了承下さい。
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同シリーズ作品
イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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137 | 01 導入その1 | 2065 | 4 | 2016-02-01 | - | |
115 | 02 導入その2 | 1437 | 2 | 2016-02-01 | - | |
110 | 03 星の欠片を探しに… | 1876 | 0 | 2016-02-01 | - | |
113 | 04 光と闇の物語の序曲 | 1261 | 2 | 2016-02-03 | - | |
116 | 05 Eyes up,Commander | 1471 | 2 | 2016-02-03 | - | |
117 | 06 舞い上がれ、光の翼で | 1475 | 2 | 2016-02-06 | - | |
119 | デッキ詳説:宮戸遊貴/【メタフィジカ】 | 1647 | 0 | 2016-02-07 | - | |
89 | 07 夢路より帰りて | 1373 | 4 | 2016-02-08 | - | |
133 | 08 空に掲げた腕は… | 1278 | 0 | 2016-02-10 | - | |
73 | 09 エネミー・ウィズイン | 1235 | 2 | 2016-02-12 | - | |
103 | 10 勇者の地、戦士の郷里 | 1231 | 2 | 2016-02-14 | - | |
140 | 11 口笛合わせて | 1274 | 0 | 2016-02-16 | - | |
63 | 12 光の外へと | 1169 | 2 | 2016-02-18 | - | |
99 | 13 追いかけた星は | 1212 | 0 | 2016-02-20 | - | |
69 | 14 夜昼なれ、花の舞 | 1256 | 2 | 2016-02-22 | - | |
83 | 15 Flee at once. | 1269 | 2 | 2016-02-24 | - | |
74 | 16 ’’Ιλιον’’を護る楯 | 1349 | 2 | 2016-02-26 | - | |
85 | デッキ詳説:LV *5.19追記 | 1160 | 0 | 2016-02-27 | - | |
112 | 17 Black and White | 1231 | 2 | 2016-02-28 | - | |
146 | 18 錆びついた旋律 | 1240 | 2 | 2016-03-01 | - | |
67 | EX 01:魔法のたまご | 1214 | 2 | 2016-03-02 | - | |
78 | EX 02:画竜点睛 | 1238 | 4 | 2016-03-03 | - | |
105 | EX 03:Got more raves | 1190 | 4 | 2016-03-05 | - | |
75 | EX 04:エンジェルドリーム | 1197 | 5 | 2016-03-06 | - | |
145 | EX 05:JET | 1204 | 7 | 2016-03-08 | - | |
145 | EX 06:凛として咲く花の如く | 1106 | 4 | 2016-03-09 | - | |
122 | 19 奏で続ける旋律 | 1159 | 4 | 2016-03-10 | - | |
70 | 20 中身は豚さ♪ | 1324 | 2 | 2016-03-12 | - | |
87 | 21 馬鹿め嘘だ、馬鹿め嘘だ | 1310 | 4 | 2016-03-14 | - | |
112 | 22 I got ’pig iron’♪ | 1167 | 2 | 2016-03-16 | - | |
113 | 23 Get your ticket | 1184 | 2 | 2016-03-18 | - | |
88 | 24 She once was a… | 1156 | 2 | 2016-03-20 | - | |
136 | 25 if you really try | 1265 | 2 | 2016-03-22 | - | |
140 | 26 虹の橋を越えて | 1219 | 2 | 2016-03-24 | - | |
126 | 27 gray sand | 1222 | 2 | 2016-03-26 | - | |
109 | 28 lonely words | 1085 | 2 | 2016-03-28 | - | |
129 | 29 Build a fortress | 1162 | 2 | 2016-03-30 | - | |
106 | 30 自由に歩いて | 1133 | 2 | 2016-04-01 | - | |
113 | 31 気持ち隠して | 1149 | 2 | 2016-04-03 | - | |
131 | 32 シャボン玉ひとつ | 1160 | 0 | 2016-04-05 | - | |
72 | 33 その日まで | 1034 | 2 | 2016-04-07 | - | |
88 | 34 少しずつ埋めるように | 1132 | 2 | 2016-04-09 | - | |
130 | 35 碧の道に沿うように | 1202 | 2 | 2016-04-11 | - | |
79 | 36 信じた夢を目指して | 1079 | 2 | 2016-04-13 | - | |
173 | 37 Revive → | 1291 | 2 | 2016-04-15 | - | |
136 | 38 道標を探すのなら… | 1152 | 2 | 2016-04-17 | - | |
100 | 39 Element of SPADA1 | 1187 | 2 | 2016-04-19 | - | |
133 | 40 さよならトリップ・1 | 1071 | 2 | 2016-04-21 | - | |
120 | 41 In the Zone・1 | 1189 | 2 | 2016-04-23 | - | |
77 | 42 In the Zone・2 | 1067 | 2 | 2016-04-25 | - | |
59 | デッキ詳説:XD (最終稿?) | 1113 | 0 | 2016-04-26 | - | |
128 | 43 星の扉・1 | 1072 | 2 | 2016-04-27 | - | |
93 | 44 F.A.T.E. part1 | 1234 | 2 | 2016-04-29 | - | |
68 | 45 F.A.T.E. part2 | 1192 | 2 | 2016-05-01 | - | |
162 | 46 笑顔の訳 | 1215 | 4 | 2016-05-03 | - | |
93 | 47 Element of SPADA2 | 1224 | 2 | 2016-05-05 | - | |
71 | 48 星の扉 part2 | 1186 | 2 | 2016-05-07 | - | |
64 | 49 Wings of Tomorrow | 1261 | 2 | 2016-05-09 | - | |
79 | 閑話休題 ゆきみかりんのパーフェクトry | 1326 | 2 | 2016-05-11 | - | |
120 | 50 In the Zone・3 | 1074 | 4 | 2016-05-13 | - | |
83 | 51 星の扉 part3 | 1197 | 4 | 2016-05-15 | - | |
113 | 52 星の扉 part4 | 1307 | 5 | 2016-05-17 | - | |
119 | 53 さよならトリップ part.2 | 1237 | 3 | 2016-05-19 | - | |
93 | 閑話休題2:座談会 | 1222 | 2 | 2016-05-21 | - | |
120 | 第2部予告・キャラ紹介 | 1422 | 0 | 2016-05-23 | - | |
119 | 54 開幕前の旋風 | 1287 | 2 | 2016-05-26 | - | |
124 | 55 コピーとオリジナルとコピー 前編 | 1231 | 2 | 2016-05-29 | - | |
67 | 56 コピーとオリジナルとコピー 中編 | 1127 | 2 | 2016-06-01 | - | |
105 | 57 コピーとオリジナルとコピー 後編 | 1146 | 2 | 2016-06-04 | - | |
83 | 58 螢火の幽霊娘 | 1192 | 2 | 2016-06-07 | - | |
131 | 59 Brave Sword | 1257 | 4 | 2016-06-10 | - | |
126 | 60 Braver’s Soul | 1213 | 2 | 2016-06-13 | - | |
127 | 幕間 久実のだらだラジオ01 | 1224 | 0 | 2016-06-14 | - | |
96 | 61 紙一重の差で | 1269 | 2 | 2016-06-16 | - | |
89 | 62 Beyond the fate | 1135 | 2 | 2016-06-19 | - | |
122 | 63 一点突破! | 1193 | 2 | 2016-06-22 | - | |
103 | 64 交わされた約束 | 1051 | 2 | 2016-06-25 | - | |
128 | 65 狂イ咲ケ焔ノ華 | 1247 | 2 | 2016-06-28 | - | |
115 | 66 光と焔 | 1215 | 2 | 2016-07-01 | - | |
120 | 67 Rifling fate | 1164 | 2 | 2016-07-04 | - | |
66 | 68 Gunslinger in... | 1118 | 2 | 2016-07-07 | - | |
128 | 幕間 久実のだらだラジオ02 | 1118 | 2 | 2016-07-10 | - | |
52 | 69 Extra-Zero 8 | 1098 | 2 | 2016-07-13 | - | |
135 | 70 軍靴の鳴動 | 1053 | 2 | 2016-07-16 | - | |
146 | 71 休憩の過ごしかた | 1143 | 2 | 2016-07-19 | - | |
131 | 72 激戦の予感 | 1329 | 2 | 2016-07-22 | - | |
110 | 10000閲覧感謝特番(特番とはry) | 1130 | 2 | 2016-07-25 | - | |
128 | 73 幻竜と隼 | 1141 | 2 | 2016-07-28 | - | |
108 | 74 薄氷 | 1079 | 2 | 2016-08-01 | - | |
133 | 【告知】一万閲覧感謝祭について【重点】 | 1279 | 7 | 2016-08-02 | - | |
110 | 74 バード・ストライク | 1044 | 2 | 2016-08-04 | - | |
116 | 75 革命と終端 | 1092 | 2 | 2016-08-07 | - | |
124 | 76 Soldier’s Ballad | 1017 | 4 | 2016-08-10 | - | |
119 | 77 Full Boost! | 1033 | 2 | 2016-08-13 | - | |
130 | 78 Dead heat | 1147 | 2 | 2016-08-16 | - | |
130 | 79 フューチャー・リビジョン | 1088 | 2 | 2016-08-19 | - | |
119 | 幕間 久実のだらだラジオ03 | 1119 | 2 | 2016-08-22 | - | |
130 | 80 それぞれの「加速度」 | 973 | 2 | 2016-08-25 | - | |
60 | 81 EDEN | 1061 | 4 | 2016-09-01 | - | |
66 | 82 闇夜の錦 | 1040 | 2 | 2016-09-05 | - | |
129 | 83 月影 | 1256 | 2 | 2016-09-09 | - | |
95 | 84 宵待桜と日照の龍 | 1083 | 2 | 2016-09-13 | - | |
118 | 85 Sakura Sunrise | 1207 | 2 | 2016-09-18 | - | |
87 | 閑話休題:お詫びとおまけ | 1096 | 2 | 2016-09-22 | - | |
55 | 86 宵闇に舞え、幽玄の桜 | 1061 | 4 | 2016-09-26 | - | |
88 | 87 ‘‘fascination’’ | 1018 | 4 | 2016-10-05 | - | |
57 | 88 曙光の歌 | 891 | 2 | 2016-10-13 | - | |
93 | 89 夜露に濡れた朝陽 | 1153 | 2 | 2016-10-18 | - | |
169 | 90 9.A.M. | 1238 | 2 | 2016-10-26 | - | |
131 | 幕間 久実のだらだラジオ04 | 1169 | 2 | 2016-11-01 | - | |
116 | 91 Gwin to run | 1005 | 2 | 2016-11-09 | - | |
121 | 92 ライトニング・マイル | 996 | 4 | 2016-11-15 | - | |
141 | 93 双振 | 1061 | 2 | 2016-11-20 | - | |
50 | 94 鉛と金と | 958 | 2 | 2016-11-25 | - | |
110 | 95 剣と牙 | 1044 | 2 | 2016-11-29 | - | |
115 | 96 剣戟連閃 *ミス有・未修正 | 1123 | 4 | 2016-12-04 | - | |
120 | 97 Follow Tomorrow | 1111 | 6 | 2016-12-06 | - | |
71 | 幕間 久実のだらだラジオ05 | 1013 | 3 | 2016-12-07 | - | |
69 | 番外編1-1 plan 8 to B | 1033 | 3 | 2016-12-11 | - | |
119 | 番外編1-2 †渚の大魔王† | 1070 | 5 | 2016-12-15 | - | |
158 | 番外編1-3 灼熱<(ヮ)> | 1107 | 4 | 2016-12-18 | - | |
119 | 番外編2-1 籐篠塾・開講? | 984 | 5 | 2016-12-21 | - | |
99 | 番外編2-2 実践?籐篠塾 | 1113 | 3 | 2016-12-23 | - | |
119 | そぴあちゃんのくり(ry | 1209 | 3 | 2016-12-25 | - | |
129 | 番外編2-3 対面する者たち | 1105 | 3 | 2016-12-30 | - | |
76 | 番外編2-4 集結と収束 | 960 | 7 | 2017-01-03 | - | |
106 | 番外編2-5 勝負の鍵は右端に・1 | 1038 | 3 | 2017-01-05 | - | |
135 | 【番外編の】閑・話・休・題【番外編】 | 1160 | 2 | 2017-01-10 | - | |
97 | 番外編2-6 勝利の鍵は右端に・2 | 1055 | 5 | 2017-01-13 | - | |
141 | 番外編2-7 因縁と銃弾と一瞬の隙・1 | 1077 | 2 | 2017-01-15 | - | |
113 | 番外編2-8 因縁と銃弾と一瞬の隙・2 | 966 | 4 | 2017-01-18 | - | |
133 | 番外編2-9 因縁と銃弾と一瞬の隙・3 | 1049 | 4 | 2017-01-22 | - | |
122 | 番外編 2-10 山場と御山と一撃必中1 | 1176 | 9 | 2017-01-27 | - | |
68 | 番外編 2-11 山場と御山と一撃必中2 | 1140 | 8 | 2017-01-31 | - | |
124 | 番外編2-12 服と感性と(pt.1) | 979 | 4 | 2017-02-04 | - | |
117 | 番外編2 前半終了の幕間 | 1078 | 9 | 2017-02-06 | - | |
134 | 番外編2-13 服と感性と(pt.2) | 934 | 2 | 2017-02-10 | - | |
137 | 幕間 論争、宇宙まで | 995 | 2 | 2017-02-14 | - | |
124 | 番外編2-14 服と感性と(pt.3) | 991 | 2 | 2017-02-16 | - | |
123 | 【緊急?更新】今後の方策について | 1065 | 2 | 2017-02-18 | - | |
109 | 番外編2-15 服と感性と(pt.4) | 1051 | 10 | 2017-02-21 | - | |
126 | 番外編2-16 漁火と陣風と(pt.1) | 1172 | 2 | 2017-02-26 | - | |
138 | 番外編2-17 漁火と陣風と(pt.2) | 1023 | 2 | 2017-03-03 | - | |
103 | 番外編2-18 Symphonic…1 | 1130 | 2 | 2017-03-14 | - | |
116 | 【こいついつも】閑話☆休題【休んでんな】 | 1012 | 2 | 2017-03-20 | - | |
118 | 番外編2-19 Symphonic…2 | 829 | 3 | 2017-03-27 | - | |
91 | 番外編2-20 新乱気流…pt.1 | 906 | 2 | 2017-04-05 | - | |
147 | 番外編2-21 新乱気流…pt.2 | 949 | 2 | 2017-04-16 | - | |
132 | 番外編2-22 新乱気流…pt.3 | 961 | 2 | 2017-04-21 | - | |
102 | 番外編2-23 Waltzic...p1 | 942 | 2 | 2017-04-26 | - | |
127 | 番外編2-24 Waltzic...p2 | 1022 | 2 | 2017-05-02 | - | |
109 | 番外編2-25 Waltzic...p3 | 1094 | 6 | 2017-06-03 | - | |
87 | 番外編2-26 Waltzic...p4 | 856 | 3 | 2017-06-11 | - | |
112 | 番外編2-26 Waltzic...p5 | 974 | 4 | 2017-06-24 | - | |
156 | 98 Drawback | 1108 | 2 | 2017-07-10 | - | |
137 | 99 Silhouette | 940 | 2 | 2017-09-22 | - | |
130 | Where is my No.100!? | 1082 | 4 | 2017-11-19 | - | |
95 | 番外編File-X 静かな夜に? | 1026 | 2 | 2017-12-25 | - | |
109 | Over the Period -御品書 | 950 | 2 | 2018-06-14 | - | |
65 | OtP0 Boat | 820 | 2 | 2018-07-07 | - | |
87 | OtP02 Serenade | 855 | 0 | 2018-07-14 | - | |
76 | OtP03 Dirge | 827 | 0 | 2018-09-01 | - | |
86 | OtP04 Requiem | 831 | 2 | 2018-09-17 | - | |
101 | OtP05 Period | 850 | 2 | 2018-09-24 | - | |
60 | 幕間りたーんず01 新・メタフィジカ | 763 | 0 | 2018-09-28 | - | |
128 | OtP06 Anthem | 869 | 2 | 2018-10-14 | - | |
109 | OtP07 Perfectly | 970 | 2 | 2018-10-19 | - | |
65 | OtP08 Possession | 736 | 2 | 2018-11-02 | - | |
56 | OtP09 Bloomin’ | 880 | 2 | 2018-11-22 | - | |
93 | OtP10 Danger! | 850 | 2 | 2018-12-09 | - | |
115 | OtP11 Vidofnir | 985 | 2 | 2018-12-22 | - | |
90 | OtP12 Sigmund | 788 | 2 | 2019-01-01 | - | |
61 | OtP13 Quantum | 862 | 2 | 2019-01-11 | - | |
104 | OtP14 Vicious | 869 | 2 | 2019-01-25 | - | |
95 | OtP15 Quantize | 812 | 3 | 2019-01-29 | - | |
89 | OtP16 Fragments | 914 | 2 | 2019-02-04 | - | |
76 | OtP17 Nornir | 745 | 2 | 2019-02-15 | - | |
87 | OtP18 Beyond the End | 757 | 2 | 2019-02-20 | - | |
74 | OtP第三幕 コラボ企画おしながき | 712 | 2 | 2019-02-24 | - | |
103 | OtP19 Deflect | 796 | 2 | 2019-03-01 | - | |
61 | OtP20 Jokulhaups | 721 | 2 | 2019-03-11 | - | |
63 | OtP21 Expedition | 789 | 2 | 2019-03-15 | - | |
60 | OtP22 Lindwurm | 807 | 2 | 2019-03-19 | - | |
53 | OtP23 Swords | 719 | 2 | 2019-03-24 | - | |
69 | 【OtP】決戦前特番嘘ですごめんなさい | 771 | 2 | 2019-04-01 | - | |
126 | OtP24 Charge | 790 | 2 | 2019-04-08 | - | |
119 | OtP25 Manque | 763 | 2 | 2019-04-21 | - | |
71 | OtP26 Lightning | 687 | 2 | 2019-05-03 | - | |
72 | OtP27 Blaze | 796 | 2 | 2019-05-22 | - | |
71 | OtP28 Prelude | 914 | 2 | 2019-09-29 | - | |
91 | OtP29 Phantom | 757 | 0 | 2021-01-02 | - | |
59 | OtP30 mare-Nectaris | 604 | 2 | 2023-01-22 | - | |
48 | OtP31 Enclosure | 416 | 1 | 2023-11-06 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 12/12 09:30 評価 6点 《双頭竜キング・レックス》「汎用レベル6素材として使えるモンス…
- 12/12 08:50 SS 第34話:四面楚歌の会議
- 12/12 08:00 評価 6点 《カズーラの蟲惑魔》「プティカとは姉妹(?)説がある蟲惑魔。 …
- 12/12 07:16 評価 5点 《E・HERO ブラック・ネオス》「《E・HERO ネオス》と《…
- 12/12 06:25 評価 1点 《牛魔人》「ヤリあるならちっせぇ角攻撃するんじゃなくてそれ使え…
- 12/12 06:13 評価 1点 《コマンダー》「”漢”本田・魂のカード。「コマンドー」じゃないの…
- 12/12 06:02 評価 1点 《魔界植物》「このイラストでいちいち酸とか出さなくていいよ 魔…
- 12/12 05:58 評価 1点 《B・プラント》「実験の被害者なのに大失敗して生まれたばけもの…
- 12/12 05:49 評価 1点 《ホワイト・ホール》「ブラックホールメタ。一応ホール罠なんで蟲…
- 12/12 05:47 評価 1点 《墓場からの呼び声》「墓場からの呼び声なら「蘇生してくれー」っ…
- 12/12 05:41 評価 1点 《誕生の天使》「散々遊んだ後にこいつ出てくるんでしょ...ひどい …
- 12/11 23:41 ボケ 強奪の新規ボケ。ラグビー部のパス練習。
- 12/11 22:00 デッキ ジュラック2024
- 12/11 21:56 SS 23話 掲示板回Ⅱ
- 12/11 20:52 評価 10点 《ドラゴンメイド・チェイム》「魔法罠サーチャー。 自身を蘇生…
- 12/11 18:52 評価 1点 《ドローバ》「テキスト通り気持ち悪いと思う 名前とテキストでド…
- 12/11 14:44 デッキ 宮本卓司容疑者のあおり?激怒のXーセイバー
- 12/11 14:21 評価 5点 《異次元の生還者》「場から除外されるとEF時に帰還するモンスター…
- 12/11 13:21 デッキ 無限メテオ
- 12/11 08:41 評価 7点 《プティカの蟲惑魔》「強いと言えば強いが、蟲惑魔の強化としては…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
そしてカードが色々と置き換わっていたりと現実世界の方でも影響が出ていますね。いったい何が起きているのか……
次回は遊貴を巡る男二人のデュエルのようですね……全くタイプの違う二人のデュエルも楽しみです。 (2016-02-09 23:55)
コメントありがとうございます。
琉枝ねーさまは割と単独行動が多いので、ロロナちゃんは今後の話し相手となります。こちらの漫才も是非ご注目!
男ふたりは…遊貴の性格が性格なので、オチも大体お察しです(笑)
なお、シリアスな次回タイトルからは似ても似つかないお話が展開される模様です。 (2016-02-10 21:42)
余談ですがこちらのssは中々マイナーな言語が出てきますね。言語好きなのでちょっと楽しんでます。 (2017-01-20 02:19)
頭のいい人の描写が、なんだかんだで一番難しいです……まあ琉枝さんに関して言えば先見の明というか、予知能力じみたものがあるような気がする、といった感じです。
>余談ですがこちらのssは中々マイナーな言語が出てきますね。言語好きなのでちょっと楽しんでます
私も結構いろんな言語が好きなので、色々調べながら書くのは楽しいです。そもそも主人公からしてラテン語モンスター、あと第3部では極北に…… (2017-01-22 07:52)