第九十八話「最終予選４　ＶＳＪ４最強」　作：イクス

第九十八話「最終予選４　ＶＳＪ４最強」


プラクサスシティで行われる世界的なデュエル大会、Ｄ１グランプリの本戦出場を賭けた予選会、激突するメンバー達。そして最後のデュエルは、遊太と明石のデュエル。
Ｊ４における最強格である明石との２度目の対決。勝つのは……！　


「さて、楽に勝てるとは思わんことやな」
「思ってないよ、そんなこと。ここまで来たからには、絶対に強いと思ってる。それに、君とは１度戦っているから、強さは知っている……はず。更に上を隠していなかったらね」
「そこまで読めとるか、まだ奥の手隠しとったことを」
「隠してたんだ？　なら、出し惜しみなんてしないでよ。アレが無ければ、あの時勝ってたのは僕だからね！」
「……せやな。あの時はまだ心のどこかで、お前のこと舐めとったかもしれん。全力で行かしてもらうわ！　行くで、遊太！」
「いつでも！」


「「ルールはマスタールール３、ライフポイントは8000！」」
「「デュエル！」」


「先攻は俺や！」

１・明石のターン

「俺のターン！」
「俺は手札から、魔法カード『堕天使の追放』を発動。デッキから『堕天使』カード１枚を手札に加える。俺はデッキより『堕天使イシュタム』を手札に加える」（明石墓地0→1）
「更に手札から『ヘカテリス』を捨てることで、デッキより永続魔法『神の居城－ヴァルハラ』を手札に加え、発動！」（明石墓地1→2）（明石手札5→4）
「手札のイシュタム、効果発動！　手札からこのカードと『堕天使』カード１枚を捨て、２枚ドローできる。『堕天使スペルビア』と共に捨て、２枚ドロー！」（明石墓地2→4）
「ヴァルハラの効果、発動。自分フィールドにモンスターがいない時、手札から天使族モンスターを特殊召喚できる。俺が特殊召喚するのは、レベル８『堕天使アスモディウス』！」（明石手札4→3）
「アスモディウスの効果、デッキから天使族モンスター１体を墓地へ送る。デッキより『堕天使テスカトリポカ』を墓地へ」（明石墓地4→5）
「そして天使族が墓地に４体のみの場合、手札の『大天使クリスティア』は特殊召喚できるでぇ！　自身の効果で特殊召喚されたクリスティアは、墓地から天使族モンスター１体を手札に加えられる。テスカトリポカを手札に」（明石墓地5→4）
「そしてクリスティアが場にいる時、互いのプレイヤーは特殊召喚を封じられる」
「い、いきなりそんなことを……！」
「お前が本気出せゆーたから出したんやろ。こないなことやっても、勝ってみせーや」
「……苦しい立ち上がりだなあ！」
「んで、カードを１枚伏せ、ターンエンド」（明石手札3→2）


明石

ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター2体
『堕天使アスモディウス』（攻撃表示・攻撃力3000・闇属性・レベル８）
『大天使クリスティア』（攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル８）
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『神の居城－ヴァルハラ』（永続魔法）
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚


「いきなり厄介なモンスターが出てきちゃったなあ……しかもあのモンスター、フィールドから墓地へ送られるとデッキトップに戻る……そして永続魔法ヴァルハラの効果で、フィールドにモンスターがいなくなっても特殊召喚可能……特殊召喚封じは順調か……」
「だが、やるしかないか！」


２・遊太のターン

「僕のターン、ドロー！」（遊太手札5→6）
「手札から『ロードナイト・アウェイク』を捨てて、デッキから速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」（遊太墓地0→1）
「更に手札から、『ロードナイト・ニードラー』を召喚！　効果発動。デッキから『ロードナイト』を墓地へ送る。『ロードナイト・ナイトメア』を墓地へ」（遊太手札6→5）（遊太墓地1→2）
「更に、手札からカードを３枚セットして、ターンエンド！」（遊太手札5→2）
（守りを固めて来たか……おそらく、伏せカードの１枚は速攻魔法『英雄騎士への覚醒』……ということは、伏せカードのどれかは除去するカードか、効果無効化のカード……クリスティアをどかすか封じるカードなんやろ？）
「読めとるで！　リバースカード、オープン！　罠カード『砂塵の大嵐』！　フィールドの魔法・罠を２枚破壊する！　その伏せカードを２枚、破壊させてもらうでぇ！」
「……！　やっぱりそう来るか！」
「１枚は残るが、これで破壊や！」
竜巻によって、遊太の伏せカードは２枚破壊される。１枚は『英雄騎士への覚醒』。明石はしてやったりと思うが……。
「ふん、当たりだよ！　破壊されたもう１枚のカードは、罠カード『異次元装甲』！　このカードは、相手の攻撃宣言時相手モンスター１体を除外するカード。だけど、このカードには続きがある。セットされたこのカードが破壊された時、相手モンスター１体を選んで除外できる！　クリスティアを除外！」（遊太墓地1→3）
「なぬ！？　そんなカード伏せとったんかい！？」（明石除外0→1）（明石墓地4→5）
「伏せカードは少なくても守り切れないけど、多く伏せると除去されやすくなる……そんな時に地雷を伏せておくと、こんなに機能するんだよね」

遊太

ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体
『ロードナイト・ニードラー』（攻撃表示・攻撃力1700・闇属性・レベル４）
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚


３・明石のターン

「くっ……俺のターン、ドロー！」（明石手札2→3）
「アスモディウスの効果で、デッキから天使族モンスターの『アテナ』を墓地へ」（明石墓地5→6）
「手札から、魔法カード『堕天使の戒壇』を発動。墓地から『堕天使』モンスター１体を守備表示で特殊召喚する。墓地から特殊召喚するのは、当然スペルビア。そして墓地から特殊召喚されたスペルビアの効果で、墓地から天使族モンスター、『アテナ』を攻撃表示で特殊召喚するで！」（明石手札3→2）（明石墓地6→4）
（出た……！　天使族が場に出る度に、相手に600のダメージを与えるモンスター……出鼻をくじかれただけに、これは痛い！）
「更に『アテナ』の効果発動。フィールドの天使族モンスター１体を墓地へ送り、墓地から天使族モンスター１体を特殊召喚する。よって、スペルビアを墓地へ送って墓地からイシュタムを攻撃表示で特殊召喚するで！　更に天使族が特殊召喚されたことで、相手に600のダメージ！」
「くっ。だけど、ダメージを受けた時、手札の『ロードナイト・ボルカ』の効果が発動する。このカードを手札から特殊召喚する。そして、特殊召喚されたボルカの効果が発動して、相手モンスター１体を対象とし、破壊して1000ポイントダメージを与える！　アテナを破壊！」（遊太ライフ8000→7400）（遊太手札2→1）
「そっちもタダではやられんちゅーことかい。テスカトリポカが破壊から守れるのは、あくまで『堕天使』やからな」（明石ライフ8000→7000）（明石墓地4→5）
「じゃが、壁が二体になったところで……」
「更に罠カード発動！　『和睦の使者』。このターンの戦闘ダメージは０となり、モンスターは戦闘で破壊されない！」（遊太墓地3→4）
「チッ、そこで防御カードかい。まあええわ、ここはカードを１枚伏せてターンエンド」（明石手札2→1）

明石

ライフポイント7000
手札枚数1枚
モンスター2体
『堕天使アスモディウス』（攻撃表示・攻撃力3000・闇属性・レベル８）
『堕天使イシュタム』（攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル１０）
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『神の居城－ヴァルハラ』（永続魔法）
墓地の枚数5枚
除外されているカード1枚


４・遊太のターン

「僕のターン、ドロー！」（遊太手札1→2）
「手札から、魔法カード『英雄騎士の作戦変更』を発動！　自分フィールドの『ロードナイト』モンスター１体をリリースして、属性が異なる『ロードナイト』１体をデッキから特殊召喚する。僕は炎属性のボルカをリリースして、水属性の『ロードナイト・ゾネス』を特殊召喚する」（遊太手札2→1）（遊太墓地4→6）
「ゾネスの効果、フィールドの『ロードナイト』モンスターの数まで、墓地から『ロードナイト』モンスターを手札に加える。今フィールドにいるのは２体、よって墓地からアウェイクとボルカの２体を手札に加える」（遊太手札1→3）（遊太墓地6→4）
「そして再びアウェイクを捨てて、デッキより『英雄騎士への覚醒』を手札に」（遊太墓地4→5）
「そして、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動！　闇属性のニードラーをリリースして、エクストラデッキから闇属性の『イクスロードナイト・アルファ』を攻撃表示で特殊召喚する！」（遊太手札3→2）（遊太墓地4→6）
遊太のエースモンスター、攻撃力2500の黒い鎧と青マントの騎士が現れる。魔法を司る魔導騎士。
「アルファの効果、発動。墓地から『ロードナイト』１体をデッキに戻して、デッキ・墓地から『英雄騎士』魔法カード１枚を手札に加えられる。アウェイクをデッキに戻し、デッキから『英雄騎士の再生術』を手札に加える」（遊太手札2→3）（遊太墓地6→5）
「魔法カード『英雄騎士の再生術』を発動。墓地の『ロードナイト』モンスター１体と『英雄騎士』魔法カード１枚を手札に加える。墓地から『英雄騎士への覚醒』とアウェイクを手札に加える」（遊太手札3→4）（遊太墓地5→4）
「速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動！　水属性のゾネスをリリースして、エクストラデッキから『イクスロードナイト・ジエス』を特殊召喚する！」（遊太手札4→3）（遊太墓地4→6）
氷の弓矢を持つ青き鎧の騎士。攻撃力は2600。さらには恐ろしい効果も持っている。
「ジエスが特殊召喚に成功した時、このターンのエンドフェイズまで相手は魔法・罠を発動することはできない。さあ、伏せカードを使う？」
（今、イシュタムで使うべきカードは無いな……）
「使うしかないみたいやな、罠カード『背徳の堕天使』を発動させて、アスモディウスをリリースしお前のジエスを破壊させてもらうでぇ！」（明石墓地5→7）
「そう来るか……これでライフ1000と引き換えに万能破壊が墓地へ行った……」
（明石が使う天使族モンスターは、高レベル高火力のモンスターばかり……そう簡単には攻撃を通せない。ここは……）
「カードを１枚伏せて、ターンエンド」（遊太手札3→2）

遊太

ライフポイント7400
手札枚数2枚
モンスター1体
『イクスロードナイト・アルファ』（攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル８）
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数6枚
除外されているカード0枚


５・明石のターン

「俺のターン、ドロー！」（明石手札1→2）
（さて、ヤツのアルファ……魔法無効化に加え、サーチまでする厄介なカードや。ここは早めに破壊しといた方が……けどなあ、伏せカードはどうやろか？　無効化？　破壊？　１枚だけとはいえ……なら）
「イシュタムのモンスター効果発動。ライフを1000支払い、墓地に存在する『堕天使』魔法・罠の効果を１枚発動する。俺は罠カード『背徳の堕天使』の効果を発動して、相手フィールドのカードを１枚破壊するで。破壊するのは……アルファ！」（明石ライフ7000→6000）
「……仕方ない、ここは破壊されよう」（遊太墓地6→7）
「効果を使い終わったことで、コピーしたカードはデッキに戻る」（明石墓地7→6）
「魔法カード『堕天使の追放』を発動して、デッキより『神属の堕天使』を手札に加える」（明石墓地6→7）
「バトルフェイズに入り、イシュタムでダイレクトアタック！　煌々たる――」
「罠カード『カウンター・ゲート』を発動！　相手の直接攻撃宣言時、バトルフェイズを終了させる。更に１枚ドローして、通常召喚可能なモンスターなら、召喚できる！　ドロー！」（遊太墓地7→8）
「……よし、手札から『ロードナイト・アース』を召喚！」
「……カードを１枚伏せ、ターンエンドや」（明石手札2→1）

明石

ライフポイント6000
手札枚数1枚
モンスター1体
『堕天使イシュタム』（攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル１０）
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『神の居城－ヴァルハラ』（永続魔法）
墓地の枚数7枚
除外されているカード1枚


６・遊太のターン

「僕のターン、ドロー！」（遊太手札2→3）
「イシュタムの効果発動。ライフを1000支払い、墓地の『堕天使』魔法・罠カード１枚のを効果を発動する！　墓地の『堕天使の追放』を発動して、デッキより『堕天使アムドゥシアス』を手札に加える」（明石手札1→2）（明石ライフ6000→5000）
（伏せカードは、おそらく伏せた罠カード『神属の堕天使』……１体は無効化される。そして手札には、まだテスカトリポカがあって破壊は免れる……かなり固いな。ここは……）
「アースの効果発動。フィールドのこのカードをリリースして、墓地から『ロードナイト』を特殊召喚する。アルファを特殊召喚！　そして効果を発動、墓地から『ロードナイト・アウェイク』をデッキに戻して……」（遊太墓地8→7）
「さすがに、ソレは見逃せんなあ。罠カード『神属の堕天使』を発動して、選んだモンスターの効果を無効化する。アルファの効果を無効化する。更に、アルファの攻撃力分ライフを回復する。2500回復するで」（明石ライフ5000→7500）（明石墓地7→8）
「やっぱり、罠カードで無効化されるか。でも大丈夫」
「墓地の『ロードナイト・ナイトメア』を除外して効果発動。墓地から『ロードナイト』を特殊召喚する。墓地から特殊召喚するのは、ジエス！」（遊太墓地7→5）（遊太除外0→1）
「速攻魔法『英雄騎士交代』を発動！　無効化されたアルファをエクストラに戻して、エクストラデッキから違う『イクスロードナイト』を特殊召喚する！　特殊召喚するのは……」（遊太手札3→2）
（どれがいいかな？　どれが……最適解？　マグナとウェイカーはダメだと仮定して、連続攻撃のアルスかデューク？　確実にダメージを与えるディアナかアポロ？　守りのドゥフト？　……ここは！）
「僕は、アルスを攻撃表示で特殊召喚する」（遊太墓地5→6）
「アルスの効果、『英雄騎士への覚醒』で特殊召喚された時、墓地から『ロードナイト』を特殊召喚できる。ゾネスを守備表示で特殊召喚する」（遊太墓地6→5）
「アルスのモンスター効果発動。自分フィールドのアルス以外の『ロードナイト』モンスターの数まで追加攻撃できる！　今いるのは２体。よって３回攻撃できる！」
「……来るなら来いや！」
「アルスで、イシュタムを攻撃！」
「手札から、テスカトリポカを捨てて、１回だけ破壊を免れるで！　ダメージは受けるがな！」（明石手札1→0）（明石墓地8→9）（明石ライフ7500→7200）
「もう一回！」
「くっ」（明石ライフ7200→6900）（明石墓地9→10）
「そして、ダイレクトアタック！」
「ぬぅっ！」（明石ライフ6900→4100）
「メインフェイズ２、リバースカードを１枚セットして、ターンエンド！」（遊太手札2→1）


遊太

ライフポイント7400
手札枚数1枚
モンスター3体
『イクスロードナイト・アルス』（攻撃表示・攻撃力2800・水属性・レベル８）
『イクスロードナイト・ジエス』（攻撃表示・攻撃力2600）
『ロードナイト・ゾネス』（守備表示・守備力600・水属性・レベル３）
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数5枚
除外されているカード1枚


７・明石のターン

「俺のターン、ドロー！」（明石手札0→1）
（わかっとったつもりやが、やるなこん男。あの時負けかけたのもあながちウソやないな。せやかて、負ける訳にはいかんのや！）
「俺は手札より、魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動！　デッキからカードを１０枚裏側除外することで、２枚ドローできる」（明石手札0→2）（明石除外1→11）（明石墓地10→11）
「よし、来た！　魔法カード『死者蘇生』を発動！　墓地のモンスター１体を特殊召喚する！　俺はスペルビアを特殊召喚！　スペルビアの効果で、墓地から天使族を１体特殊召喚する！」（明石手札2→1）
「させない！　ジエスの効果発動。相手モンスター１体を対象として、効果と攻撃を無効化する。スペルビアを無効化！」
「そう来るのはわかっとったで。魔法カード『三戦の才』を発動。自分ターンに相手モンスターが効果を発動した時、３つの効果から１つを発動できる。俺はデッキから２枚ドローする」（明石手札1→2）（明石墓地11→12）
「よし、魔法カード『アドバンスドロー』を発動。自分フィールドのレベル８以上のモンスター１体をリリースして、デッキから２枚ドローする」（明石手札1→3）（明石墓地12→14）
「そして手札より、魔法カード『堕天使の戒壇』を発動。これにより、再び墓地から『堕天使スペルビア』を守備表示で特殊召喚する。そしてスペルビアの効果で、墓地からアテナを守備表示で特殊召喚する！」（明石手札3→2）（明石墓地14→13）
（召喚権を使って無くて、モンスターが２体……来るか！？）
「行くで？　モンスター２体をリリースして、
アドバンス召喚！　現れよ神の世界を追放されし明星の堕天使！　レベル１１『堕天使ルシフェル』！」（明石手札2→1）（明石墓地13→15）
３対の黒き羽根を持つ、漆黒の天使が現れた。攻撃力は3000。
「ルシフェルの効果、アドバンス召喚に成功した時、デッキ・手札から『堕天使』を相手フィールドのモンスターの数まで特殊召喚できる！　デッキより『堕天使マスティマ』『堕天使ネルガル』『堕天使ユコバック』を特殊召喚する！」
「やはり……『堕天使』の長だけはある。一気にこんな……」
「それだけやないで？　ユコバックの効果で、デッキより『堕天使の追放』を墓地へ」（明石墓地15→16）
「更に、ルシフェルの効果で自分フィールドの『堕天使』の数まで、デッキの上からカードを墓地へ。更に、その中にあった『堕天使』の数×500ポイントライフを回復する。あったのは……２枚。よって1000ライフを回復」（明石墓地16→20）（明石ライフ4100→5100）
「バトルフェイズに入り、ルシフェルでアルスを攻撃！」
「ぐぅっ！」（遊太ライフ7400→7200）（遊太墓地5→6）
「更にネルガルでジエスを攻撃！」
「ぬっ！　だけど、手札からボルカの効果発動！　ダメージを受けた時、このモンスターを手札から特殊召喚する！　そして、特殊召喚されたボルカは、相手モンスター１体を対象として破壊して、1000のダメージを与える！　マスティマを破壊！」（遊太ライフ7200→7100）（遊太墓地6→7）（遊太手札2→1）
「破壊されたか……なら、ここはメインフェイズ２に入り、リバースカードを１枚伏せて、ターンエンド」（明石手札1→0）（明石墓地20→21）（明石ライフ5100→4100）
（さて、そろそろいこか）

明石

ライフポイント5100
手札枚数0枚
モンスター3体
『堕天使ルシフェル』（攻撃表示・攻撃力3000・闇属性・レベル１１）
『堕天使ネルガル』（攻撃表示・攻撃力2700・闇属性・レベル８）
『堕天使ユコバック』（守備表示・守備力1000・闇属性・レベル３）
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『神の居城－ヴァルハラ』（永続魔法）
墓地の枚数21枚
除外されているカード11枚


８・遊太のターン

「僕のターン、ドロー！」（遊太手札1→2）
「手札から、魔法カード『英雄騎士の一斉突撃』を発動！　相手フィールドのモンスターの数まで、墓地からレベル４以下の『ロードナイト』を効果を無効化して特殊召喚する！　今相手のモンスターは３体。よって墓地から３体特殊召喚する！　ゾネス、ニードラー・アースの３体を召喚！」（遊太手札2→1）（遊太墓地7→5）
「チェーン発動！　ネルガルの効果。ライフを1000支払い、墓地から『堕天使の戒壇』を発動して、墓地からスペルビアを特殊召喚！」（明石ライフ4100→3100）（明石墓地21→20）
「更に！　罠カード『叛逆の堕天使』を発動！」
「叛逆……！？」
「神に仇なす『堕天使』の長、その力束ねし時、神を打ち破らん……このカードは、手札・フィールドから『堕天使』モンスター１体を墓地へ送り、手札・フィールドから闇属性の融合モンスターの素材となるモンスターを墓地へ送って融合召喚する！」
「融合召喚だって！？」
「スペルビアを墓地へ送り、ルシフェル、ネルガル、ユコバックの３体を素材として、融合召喚！　現れよ、叛逆の意思をその胸に宿し、討ち滅ぼすは傲慢なる神！　かつての明星の輝きを漆黒に変えて、現れよレベル１２『黎明の堕天使ルシフェル』！」（明石墓地20→25）
現れたのは、６対の羽根を携え、更にレベルアップしたルシフェル。攻撃力はなんと4000！　
「『叛逆の堕天使』の効果、コストで墓地へ送ったモンスターの攻撃力分ライフを回復。スペルビアの攻撃力は2900、よって2900回復」（明石ライフ3100→6000）
「だが、4000程度なら……！」
「黎明の堕天使は、元となるルシフェルを素材とした場合、相手フィールドのカードを全て破壊する」
「そ、そんなっ！」
「よって、その伏せカードもモンスターも、全て破壊や！　エンジェルフォール・デストロイ！」
「あああっ！」（遊太墓地5→10）
（伏せカードまで！）
「さて、これでフィールドは０や。さ、どうする？」
「……相手モンスターが自分ターンに効果を発動した時、魔法カード『三戦の才』を発動。デッキから２枚ドローする」（遊太手札1→2）（遊太墓地10→11）
「モンスターを１体伏せて、カードを１枚伏せてターンエンド……！」（遊太手札2→0）

遊太

ライフポイント7100
手札枚数0枚
モンスター1体
（裏守備表示）
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数11枚
除外されているカード1枚


９・明石のターン

「俺のターン、ドロー！」（明石手札0→1）
「黎明の堕天使の効果、天使族モンスターを手札・墓地から特殊召喚する。墓地からスペルビアを特殊召喚して、更にスペルビアの効果でネルガルを特殊召喚する！」（明石墓地25→23）
「手札から、魔法カード『リリース・リボーン』を発動！　自分フィールドのカード１枚をリリースして、墓地からモンスター１体を特殊召喚できる。墓地から特殊召喚するのはテスカトリポカ！」（明石手札1→0）（明石墓地23→25）
「ほな、ラストバトル行くでぇ！　スペルビアで、伏せ守備モンスターを攻撃！　そしてネルガルの効果で、攻撃は貫通する！」
「リバースしたディスフェンスの効果、発動！　デッキからレベル４以下の『ロードナイト』モンスター１体を特殊召喚する！　テラを特殊召喚！　ぐぅっ！」（遊太ライフ7100→6200）（遊太墓地11→12）　
「更にネルガルで、テラを攻撃！」
「ぐっ……破壊されたテラの効果で、デッキからクレスを攻撃表示で特殊召喚！　クレスは戦闘では破壊されない！」（遊太ライフ6200→5000）（遊太墓地12→13）
「ならここで、ライフ1000払って墓地の『背徳の堕天使』の効果をネルガルがコピーして、破壊！」（明石墓地23→22）（明石ライフ6000→5000）
「やられた……！」（遊太墓地13→14）
「テスカトリポカで、ダイレクトアタック！」
「うううっ！」（遊太ライフ5000→2200）
「これが最後や！　黎明の堕天使で、ダイレクトアタック！　沈め！　黎明の先へ！」
「ううう～っ！　罠カード『ガード・ブロック』を発動！　戦闘ダメージを０にして、カードを１枚ドローする！」（遊太墓地14→15）（遊太手札0→1）
「なんやて！？」
「かろうじて、防ぎきったか……！」
「せやかて、俺の場には新たに『堕天使』を呼べるルシフェルと、墓地のカードをコピーできるモンスターが２体……もはやこの状況は覆らんで！　ターンエンド！」

明石

ライフポイント5000
手札枚数0枚
モンスター4体
『黎明の堕天使ルシフェル』（攻撃表示・攻撃力4000・闇属性・レベル１２）
『堕天使スペルビア』（攻撃表示・攻撃力2900・闇属性・レベル８）
『堕天使テスカトリポカ』（攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル９）
『堕天使ネルガル』（攻撃表示・攻撃力2700・闇属性・レベル８）
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数25枚
除外されているカード1枚


１０・遊太のターン

「僕のターン！」
（ここだ……ここで逆転へのキーとなるカードを引けなければ、負ける……！　さっきドローしたカードじゃ、まだ足りない。ここで、引くことが、勝利へのキーだ！）
「ドローッ！　……来た！」
「なんやて！？」
「魔法カード『英雄騎士融合』を発動！　フィールド・墓地から『ロードナイト』融合モンスターによって決められたモンスターを除外することにより、エクストラデッキから融合召喚できる！　僕は墓地から、水属性の『イクスロードナイト』２体、ジエスとアルスを除外することにより！　融合召喚！　現れろ、戦場を全て凍てつかせ、その後に残るのは静寂のみ……レベル１０『イクスロードナイト・フリーズ・クリスタル』！」（遊太手札2→1）（遊太墓地14→13）（遊太除外1→3）
氷の鎧は更に分厚くなり、持つのは槍を発射する弓。青き氷の羽根の騎士！　攻撃力は3400。
「ここで、さっき見せたみたいな『イクスロードナイト』の融合を……！　だが、そうはさせん！　ネルガルの効果で……」
「残念だけど、このモンスターが特殊召喚に成功時に、相手は魔法・罠・モンスター効果を使うことはできず、相手はこのターン効果を発動できない！」
「な、なんやと～っ！？」
「更に、１ターンに１度、相手フィールドの表側表示カードを全て無効化することができる！　エターナル・フォース・ブリザード！」
猛吹雪により、明石のモンスターは一斉に凍り付いてしまう。
「クリスタルの効果。このターン、無効化したカードの数まで通常攻撃に加えて追加攻撃できる！　今無効化したのは４体。よって、このターン５回攻撃できる！」
「馬鹿な……合計５回の攻撃やと！？　しかし、黎明の堕天使の攻撃力は超えられんようやな！」
「手札から、魔法カード『一騎加勢』を発動！　モンスター１体の攻撃力を1500アップさせる！　クリスタルの攻撃力を1500アップ！」
「攻撃力……4900！？　５回攻撃！？」
「行くぞ、バトルフェイズ！　スペルビア、ネルガル、テスカトリポカに攻撃！　エターナル・フリージング・ランスアロー！」
クリスタルの弓から放たれた氷の槍が、辺り一面に降り注ぐ！　攻撃が全員に通り、ライフは０となった！　
「ぬあああああっ！」（明石ライフ5000→3000→800→0）
「……よっしゃー！　今度こそ僕の勝ちだーっ！」


「やれやれ……今回ばかりは、完璧に負けたわ。ホンマ強いわお前」
「よっしゃー！　今度こそ、完全に僕の勝ち！　Ｊ４相手の勝利！」
「ハ、そんなに喜ばれたら負けたのに悪い気もせんわ。せやけど、世界に向けて戦うんやから、この予選で大喜びされても困るで？　なんせ世界には、まだまだ強いデュエリストがおるんやからな！　Ｊ４最強の俺よりもな！」
「Ｊ４最強よりも強い……明石君よりもか！　よーし、燃えてきた！」
そして、ステージ上のリトルバードが声を上げる。
「はーい、終了でーす！」
「最終予選のデュエルが、全て終了しました。勝利したデュエリストは、大会用デュエルディスクに登録します。負けたデュエリストは、残念ながら観戦か応援で楽しんでね～」
遊太たちのディスクに、マークがつく。予選通過者は、遊太、知多、アキラ、菊姫、ユイの５人。
そして、日本トップ３の才羽、千歳、美里は全員出場し、Ｊ４からは桐生、冴香の２人。ロカクタウンからは、赤井、赤羽根、雨崎、森野の４人が全員出場を決めた。ついでに、ルイもなぜか出場を決めた。
「みなさーん！　本戦は３日後、ここプラクサスシティで行われます！　出場に備えて、ホテルやお家でゆっくり休んでね～！　それでは解散！」
リトルバード２人のかけ声で、一斉に解散するデュエリスト達。敗北に打ちひしがれ、涙するデュエリストもいれば、勝利に喜ぶデュエリストと、気を引き締めるデュエリスト、勝って当然のデュエリストもいた。
遊太達は。
「よーし！　本戦出場だー！　今から楽しみだ！」
「気合い入りまくっていますわね、遊太君」
「だって、Ｊ４よりも強いデュエリスト達やラルセイ君達ともデュエルできるんだから、気合いも入るよ！　カリンちゃんと真薄君は……残念だったね」
「はい、知多君に負けてしまいました。出ることができないのが残念ですが……今回は応援に回ります」
「ええ。アキラ君の方が強かったのですから、出場するのは当たり前ですわ」
「今回は、シェリルちゃんとも約束があるからな。そう簡単には負けないじゃん！」
「約束ならアタシだって！　コジローとの約束があるからな！」
「フン……他の約束とかそーいうのは俺は必要ない。俺は、俺自身のために、本戦へ行く。遊太、そして千歳さんをぶっ倒す。それだけだ」
各々決意を固めるのを見て、遊太が思うのは。
（みんな思うのは、ただ勝つだけじゃない。楽しむだけじゃない。それぞれの思いを持って本戦へ行くんだ。きっとラルセイ君も、そうなんだろうな。でも今は、本戦を、思いっきり楽しむんだー！）
やっとの思いで本戦へと歩みを進めた遊太達。対するは、世界中から集まった猛者達。
遊太達は、その相手達にどう立ち向かうのだろうか！？　


第九十八話。終わり。