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第二十三話「覚醒を封じられた先に……!」 作:イクス
第二十三話「覚醒を封じられた先に……!」
菊姫の切り札モンスター、『古代の機械究極巨人』が菊姫の場に召喚されたことに、喜びを隠せない菊姫の取り巻き二人。
「やりましたね、アネゴ~!」
「これで、勝ちは貰ったもどうぜんッスね~!」
まるで勝ったかのように騒ぎ立てる岩ノ井と鏡山の二人だが、それに対抗するかのように騒ぎ立てる遊太の父、幸市。
「何を言っている! ここまで逆転につぐ逆転で勝ってきた俺の息子が、こんな所で負けるはずがない! ここまで幾度となくピンチになってきた……しかし遊太は勝ってきた! そんな遊太が、負けるはずない! そうだろう知多君!」
「えっ!? あ、ああ……多分大丈夫じゃん? 遊太なら勝てると思うじゃん?」
「そうだよ知多君! こんな所で、遊太が負けるはずがない!」
そんな遊太父に対し、俄然対抗意識を燃やす岩ノ井と鏡山。
「なにおーう! 遊太と違って、俺達はアネゴのデュエルを幼稚園の頃から見ていたッスよ! 遊太とのデュエルの関わりが、ほんの二週間かそこらしか関わりのない友達と、今日初めてデュエルを見た父親と母親に比べれば、俺達は何倍もアネゴをわかっているつもりッス!」
「俺達は、アネゴのデュエルを何回も見ているからわかるんです!」
「た、確かに……私はデュエルを良く知らない。見たのは今日が初めてだ! 確かにそうだが……息子にかける情熱は、誰よりも凄いんだぞ! 君達が菊姫ちゃんにかける情熱も凄いが、私はその何倍も~~!」
「お父さん、そろそろ静かにしてください。遊太がデュエルに集中できなくなっても良いんですか? あとそれと……これ以上騒いだら、遊太に応援するなってまた言われますよ?」
「……あ、そうだった。騒いだらダメだって、釘を刺されていたからな……。遊太を応援できなくなるのは、勘弁願いたいから、少し黙るよ」
「フン! 一先ずは俺達の勝ちだな!」
「……こ、これで勝ちだと思うなよ。まだまだ二人のデュエルはこれからなんだからな……!」
「やれやれ……全く、遊太のこととなると見境ないんですから」
「この二人、いや一人と二人、よくよく考えたら似たもの同士じゃん?」
「愛する対象が、菊姫か遊太かの違いですからねえ」
やっと静かになった遊太の父、幸市に閉口する母幸子。それを見て、彼の親バカっぷり、取り巻き二人の菊姫バカっぷりを認めざるをえない真薄と知多なのであった。
そんな観客席の戦いとは対照的に、目の前のことに一生懸命な遊太と菊姫のデュエル。特に、遊太は今『古代の機械究極巨人』という、大変強力なモンスターと対応しなければならないからだ。
しかし、遊太はそんな逆境にも負けない。というか、負けていられない。全ては、ロベルトさんとの約束の為に……!
10・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
(このカード……使うとなると、それ相応のコストを背負わなければならない。でも、今はとにかく手札が欲しい! どうせあの永続魔法で、伏せてある『奈落の落とし穴』は使えないんだ! それに、究極巨人の的を増やすくらいなら!)
「魔法カード『天からの宝札』を発動! 発動コストとして、自分の手札・フィールドのカードを全て墓地へ送る。そして、墓地へ送った数だけドローできる! 僕はフィールドのスピーダー、伏せカードを墓地へ送って、2枚ドロー!」(遊太手札1→0→2)(遊太墓地13→16)
「僕は手札より、『ロードナイト・ダーク』を召喚! それにより、モンスター効果発動! ダークは召喚された時、自分の墓地からレベル4以下の『ロードナイト』を守備表示で特殊召喚できる! 僕は、ダージを墓地から特殊召喚!」(遊太手札2→1)(遊太墓地16→15)
「ダージのモンスター効果、特殊召喚された時、デッキから1枚ドローできる。それが『ロードナイト』だったとき、特殊召喚できる。ドロー!」(遊太手札1→2)
遊太がダージの効果で引いたカードは、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』。普通なら良いカードなのだが、生憎このカードの発動は、菊姫の『封魔の呪印』によって封じられている。
しかし、効果の発動を可能にするカードは、いくらでもある。
「……僕は、カードを1枚セットして、ターンエンド」(遊太手札2→1)
(このカードなら、まだやれるさ!)
遊太
ライフポイント6000
手札枚数1枚
モンスター2体
『ロードナイト・ダーク』(攻撃表示・攻撃力1400・レベル4・闇属性)
『ロードナイト・ダージ』(守備表示・守備力800・レベル2・風属性)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数15枚
除外されているカード1枚
11・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札0→1)
(引いたカードは……『古代の機械工兵』。このモンスターはレベル5だが、フィールド魔法『歯車街』の効果で、リリース無しで召喚できる。更に、ダメージステップ終了時に相手の魔法・罠を破壊できる。更に、このカードの攻撃終了まで、相手は魔法・罠を発動できない! ここは、やるしかねえか)
「アタシは手札より、レベル5の『古代の機械工兵』を召喚! このモンスターはレベル5だが『歯車街』の効果によって……もう説明は良いか」
「上級モンスターもリリース無しで召喚できるそのカード……厄介だな。だけど、僕はこのタイミングで、カードを発動させる! 罠カード『置換詠唱』発動! 手札から、通常・速攻魔法カードを1枚捨てて、効果発動! この罠カードの効果は、手札より捨てた魔法カードと同じになる! 僕は手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を捨てて、同じ効果を発動させる!」(遊太手札1→0)(遊太墓地15→17)
「何! またしても、同じ手によって……!」
「この効果で、リリースするのは風属性のダージ! そして、現れろ! 新たな『イクスロードナイト』! 『イクスロードナイト・ローズ』!」(遊太墓地17→18)
薔薇吹雪を吹かせ、花びらの中から現れたのは、最後にピンク色の鎧騎士! 右手にはフェンシングの剣を、左手には薔薇の花を添えている。攻撃力は2600。
(チッ、永続魔法『古代の機械要塞』によって、『アンティーク・ギア』の効果発動にチェーンはできない。本当だったら攻撃後にそれを破壊してやるつもりだったが……!)
「仕方ない、アタシは究極巨人で、ローズを攻撃! ギガント・パウンド!」
「この攻撃宣言時、墓地の『ロードナイト・ビート』のモンスター効果、発動! 相手モンスターの攻撃を、1回だけ無効にする!」(遊太墓地15→14)(遊太除外1→2)
「……そう来るか。だが、これでお前は防御策を失ったな……アタシはこれで、ターンエンドだ」
菊姫
ライフポイント5400
手札枚数0枚
モンスター2体
『古代の機械究極巨人』(攻撃表示・攻撃力4400・レベル10・地属性)
『古代の機械工兵』(攻撃表示・攻撃力1500・レベル5・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード3枚
『古代の機械蘇生』(永続罠)
『古代の機械要塞』(永続魔法)
『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数8枚
除外されているカード0枚
12・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
「僕は、手札を1枚捨てて、ローズのモンスター効果を発動! ローズは手札を1枚捨てることによって、2つの効果から一つを発動できる! 1つは、デッキ・墓地から『ロードナイト』モンスターを2体まで手札に加える。そしてもう1つの効果は、フィールドのカードを2枚まで持ち主の手札に戻す効果! 僕は手札に戻す効果を適用して、菊姫! 君の究極巨人と工兵を、君の手札に戻す! ローズ・タイフーン!」(遊太手札1→0)(遊太墓地14→15)
右手のフルーレから放たれた、薔薇吹雪が菊姫のモンスターに向かって飛んでいく! しかし、菊姫は。
「フン、させるか! アタシは場から罠カード『マグネット・フォース』を発動! このターン、アタシのフィールドにいる機械族・岩石族モンスターは、相手の効果を受けることはない!」(菊姫墓地8→9)
「何!?」
折角発生させた薔薇吹雪も、磁力のバリアによって防がれてしまう。結局、カードを1枚無駄にしただけで終わってしまった。
(くっ、やられた……!)
「さあ、頼みのモンスター効果も防がれた。ここからどうする? 遊太?」
「僕は……バトルフェイズに入る! ローズで、『古代の機械工兵』を攻撃! ローズ・ディサイト!」
「……」(菊姫ライフ5400→4300)(菊姫墓地9→10)
遊太
ライフポイント6000
手札枚数0枚
モンスター1体
『イクスロードナイト・ローズ』(攻撃表示・攻撃力2600・レベル8・風属性)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数15枚
除外されているカード2枚
13・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札0→1)
(……このカードは! フン、途中から悪くなったようだけど、このデュエル、最終的に勝ちそうなのはアタシのようだね。遊太)
「アタシは手札より、魔法カード『アイアンドロー』を発動! 自分フィールドに、機械族・効果モンスターが2体だけいる時のみ、発動可能。デッキから2枚ドローする! そのリスクとしてこのターン、1回しか特殊召喚できない!」(菊姫手札0→2)(菊姫墓地11→12)
「……よし、手札から魔法カード『マジック・プランター』を発動! 自分のフィールドに存在する、表側表示の永続罠を墓地へ送り、2枚ドローする。アタシは『古代の機械蘇生』を墓地へ送り、更に2枚ドロー!」(菊姫手札1→3)(菊姫墓地12→14)
「魔法カード『死者蘇生』を発動! 自分・相手の墓地からモンスターを特殊召喚する! アタシは墓地より、『古代の機械飛竜』を特殊召喚する!」(菊姫手札3→2)
「それにより、モンスター効果発動! デッキより、『アンティークギア』カードを手札に加える。アタシはデッキより、『古代の機械巨人』を手札に加える。そして、フィールド魔法『歯車街』の効果で、リリース1体で『古代の機械巨人』を召喚する!」(菊姫手札1→2→1)(菊姫墓地14→15)
ここに来て、菊姫のフィールドに再びエースモンスターが召喚される! それはまさしく、死刑宣告にも近い召喚。
「……ここにきて、エースをまた召喚してくるなんて!」
「ああ、お前を倒すのに、やりすぎって言葉はいらねえからな。行くぞ、バトルフェイズ! 『古代の機械究極巨人』で、『イクスロードナイト・ローズ』を攻撃! そしてこの瞬間、速攻魔法『決闘融合ーバトル・フュージョン』を発動! 自分フィールドの融合モンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動可能。その自分のモンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする! よって、究極巨人の攻撃力が2600アップ!」(菊姫手札2→1)(菊姫墓地15→16)(究極巨人攻撃力4400→7000)
「と、いう事は……! 究極巨人の攻撃力、そのままのダメージが僕に入ることに!?」
「その通り! ギガント・パウンドォォォッ!」
「うわああっ!」(遊太ライフ6000→1600)(遊太墓地15→16)
「これで、お前のライフは風前の灯火。次の『古代の機械巨人』の攻撃で、お前のライフは0となる! これで最後だ! 行け、『古代の機械巨人』! ダイレクトアタック! アルティメット・パウンド!」
『古代の機械巨人』の、無慈悲すぎる攻撃。その攻撃が、遊太に襲い掛かる! それに対し、観客席では。
「ゆ、遊太ー!」
「遊太君!」
「「やった! これでアネゴの勝ちだ(ッス)ー!」」
『古代の機械巨人』の攻撃は、遊太に直撃した。それにより、菊姫は確信する。
「これで……決まりだ!」
だが。
「それは、どうかな!」
「何!?」
なんと驚くことに、遊太のライフは残っていた。律儀にライフを100残して。
「どうして、お前のライフが……」
「僕はダイレクトアタックの宣言時、墓地からこのカードを除外していたんだ。『ロードナイト・ガードナー』! このカードは手札から捨てることによって、僕の『ロードナイト』は戦闘・効果で破壊されなくなる。そして、墓地から除外することによって、このターン僕が受ける全てのダメージを半分にできる! これによって、『古代の機械巨人』の攻撃力の半分、1500のダメージで済んだのさ!」(遊太ライフ1600→100)(遊太墓地16→15)(遊太除外2→3)
「だが、そのカードをいつ墓地へ送って……ハッ、まさか……! あの時『イクスロードナイト・ローズ』の効果で……」
「うん。さっきローズの効果、手札を1枚切る効果で、ドローフェイズにドローしたこのカードを捨てたのさ。あ~良かった。このカードをドローできていて」
「……アタシはカードを1枚伏せて、ターンエンド」(菊姫手札1→0)
(……この伏せカードは、速攻魔法『収縮』……。相手が攻撃してきても、これなら返り討ちにできる……できる筈なんだが……)
菊姫
ライフポイント4300
手札枚数0枚
モンスター2体
『古代の機械究極巨人』(攻撃表示・攻撃力4400)
『古代の機械巨人』(攻撃表示・攻撃力3000・レベル8・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード3枚
『歯車街』(フィールド魔法)
『古代の機械蘇生』(永続罠)
『古代の機械要塞』(永続魔法)
墓地の枚数14枚
除外されているカード0枚
(それにしても、例えローズの効果が失敗していたしても、こんな形で窮地を免れるなんて……! そのドロー力、そして戦術の強さ……)
(前々から思っていたけど……遊太は、そんじょそこらのデュエリストとは違う、何かを持っている気がする。そんな気がする……! さあ、次のターン、お前は一体何を見せてくれるんだ?)
菊姫がそう考え込んでいる中、観客席はというと。
「ゆ、遊太ぁ~! 何か知らんが、遊太が凄くピンチだ……! 遊太が危ないって時に、自分は応援しかしてやれないなんて……父親としての……無力さを……感じる……!」
「はっはー! 幸市さん、これが俺達のアネゴの、本当の強さッスよ!」
「これで、アネゴの勝ちは貰ったも同然だな!」
遊太が大好きな父幸市と、菊姫が好きな取り巻き二人の争いは、どうやら岩ノ井と鏡山の二人に軍配が上がりそうだった。
しかし、この状況を、知多と真薄はのんびりと見つめている。
「なあ真薄、この状況、どう思うじゃん?」
「恐らく……遊太君が何かしそうだと思いますよ。僕達のデュエルも、そんな感じでしたもの」
「丁度俺も、そんな感じがしていたじゃん? さあ、本当にそうなるのか試してみようじゃん?」
14・遊太のターン
「僕のターン……」
(このターンが、勝負の分かれ目だ……! 今の僕は、フィールドも、手札も0の絶体絶命状況。その上、キーカードは封じられている。でも、こんな状況だからこそ……こんな絶望的状況だからこそ、デュエルは楽しいって思える! この絶体絶命の状況を、逆転したら……さぞかし楽しいんだろうなあ!)
「ドロー!」(遊太手札0→1)
起死回生の一手を賭けた、渾身のドロー。その、ドローしたカードはというと。
(この、カードは……この状況を、一気にひっくり返せるカード! これで、封じられているも同然の『イクスロードナイト』達を呼び出せる……!)
「行くよ! 菊姫! ここから僕は、イクスロードナイトを呼び出す!」
「何!? もう『英雄騎士への覚醒』は3枚墓地へ送られている……それに、モンスターも手札もない今のお前には……!」
「それが、呼べるんだよね。さっきドローした、このカードで!」
「マジか……!」
「マジです。僕は手札から、魔法カード『英雄騎士への転生』を発動! 自分の墓地から、同じ属性の『ロードナイト』を2体除外する。そしてその後、除外した『ロードナイト』と同じ属性を持つ『イクスロードナイト』を、『英雄騎士への覚醒』の効果扱いで、エクストラデッキより特殊召喚する!」
「そう、来るのか!?」
「僕は墓地より、闇属性のスラストとダークを除外することによって、エクストラデッキから『イクスロードナイト・アルファ』を、特殊召喚する! 来い、僕のエースモンスター、アルファ!」(遊太手札1→0)(遊太墓地15→13→14)(遊太除外3→5)
「!」
墓地のモンスターの魂を糧にして生まれたのは、遊太が最も愛用する『イクスロードナイト』! そのモンスターは、菊姫にとって印象深いモンスターだった。
(そのモンスターは……遊太、お前と初めてデュエルした時、アタシにトドメを刺したカード……! そのカードを、ここで持ってくるのか……!?)
「ここで、アルファの効果発動! 自分の墓地から『ロードナイト』1体をデッキに戻すことで、デッキ・墓地から『英雄騎士』魔法カードを1枚手札に加えられる。これにより、僕はディスフェンスをデッキに戻して、デッキから『英雄騎士の兵力増強』を手札に加える」(遊太手札0→1)(遊太墓地14→13)
「そして、手札より『英雄騎士の兵力増強』を発動! 自分の墓地から『ロードナイト』を3体選んでデッキに戻すことにより、2枚ドローできる。ただし、このカードの発動時に手札が0枚だった時、デュエル中1度だけドローできるカードは3枚になる! 僕は、ドゥフト・ローズ・ダージをデッキに戻して、3枚ドローする!」(遊太手札0→3)(遊太墓地13→10→11)
「……悪いけど、菊姫。デュエルはここで終わりだ!」
「なにぃ……!」
「僕は手札より、装備魔法『英雄騎士の剣』を、アルファに装備させる! これにより、アルファの攻撃力は800ポイントアップする!」(遊太手札3→2)(アルファ攻撃力2500→3300)
(ここで、そのカードを出してくるとは……! やはり、このデュエルは!)
「手札より、魔法カード『一騎加勢』を発動! 1ターンの間だけ、対象としたモンスターの攻撃力を1500ポイントアップさせる! これにより、アルファの攻撃力を1500アップして、攻撃力4800にアップさせる!」(遊太手札2→1)
「……この、流れは!」
「行くよ! 僕は『イクスロードナイト・アルファ』で、『古代の機械巨人』を攻撃! ブラック・ロードソード!」
菊姫は、わかっていた。ここで自分が『収縮』を発動させたとしても、結局はアルファに無効化され、攻撃を通してしまうこと。そしてこれは、菊姫と遊太が最初に対戦した時と、殆ど同じ流れだと。
遊太が無意識のうちにやっていたことか、それとも意図的にやっていたことなのか、菊姫はわからなかった。だが菊姫は、わかっていた。
(遊太ァ……お前、なんか持ってるわ。このデュエルで、アタシを最大限楽しませてくれたからな……!)
(菊姫は何故、伏せカードを発動しない!?)
そのまま『古代の機械巨人』への攻撃を通す菊姫。案の定、『古代の機械巨人』は破壊されてしまった。
「……お前の、装備魔法『英雄騎士の剣』の効果。戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを、相手に与える……。これで、アタシの負けだな」(菊姫ライフ4300→2500→0)
「き、菊姫……!」
「お前の勝ちだぜ、遊太。楽しいデュエルを……ありがとよ」
こうして、準決勝は遊太の勝利で終わったのであった。そして、遊太は観客席にいた遊太父や友達一堂にもみくちゃにされているのであった。
「遊太~! よくやったぞ~! あの状況からよく勝ってくれたなあ! 父さん、父さん嬉しいぞ~! ついに、ついに決勝進出だなあ!」
「ちょ、ちょっと、お父さん……!」
「もう、お父さん……」
自分の父、六道幸市に抱き着かれ、ちょっと迷惑そうにする遊太。それを、隣から見ている遊太の母幸子であった。
そして、その様子を傍目から見ている遊太の友達一堂なのであった。
「やれやれ。遊太の奴、あんなにももみくちゃにされて……お父さんお母さんも、遊太も良い奴じゃん?」
「ですね。遊太君は、自分の知らないデュエルにあんなにも応援してくれる乙さんがいて、至れり尽くせりって感じですねえ」
「……なあ、知多、真薄」
「ん? なんですか菊姫さん?」
「なんでか知らんが、アイツとデュエルすると楽しいんだよ。負けたって言うのに、なんかスッキリしたような感覚がそこにあるんだよなあ」
「あー、そんな感じするじゃん? 負けちゃったけど、まあいっか! 的な感じがして!」
「僕も、そんな感じがするんですよね~」
「それに、遊太はデュエルを思いっきり楽しんでいる。その心に引きずられて、デュエルをつい楽しんじまった……実はこれ、遊太と最初会った時も感じてしまったんだよなあ」
「ほえ? どういうことじゃん?」
「実はな、初めて会った時、アタシはどっか勝ちに対して欲のある人間だったかなあ」
「え、そんなんだったじゃん?」
「内心はそうだったんだよ。あの時のアタシは、負けが込んでて初心者狩りもいとわない人間だった!」
「そうでしたね、アネゴ!」
「弱っちそうな相手を狙って、勝ち星稼いでいましたよね!」
「ああ、そうだった。んでな、遊太も次の獲物でしかなかった。ソイツに勝って、次も勝って……といった感じだった。だがな……アタシの初心者狩りは遊太で最後になっちまった。遊太の奴がやけに楽しそうにデュエルをするもんだからさあ、最後には遊太みたくデュエルを楽しむのが一番良いんじゃねえかって思ってな……結局、遊太のペースに飲み込まれて、今はこんな風にデュエルを楽しんでいるって訳さ。結局、アイツに振り回されっぱなしだったなあ」
「アネゴ……」
「アネゴ……!」
「菊姫も、そんな思いを持ってデュエルをしていたのか……勝ちにこだわり過ぎて、目の前が見えなくなったって感じじゃん?」
「菊姫さんも、苦労していたんですねえ」
「それが、遊太に会ったせいでこのざまさ。今じゃあアイツとおんなじだよ。楽しんでデュエルしているさ」
「俺達、なんか遊太に関わったせいで色々変えられちゃったみたいじゃん?」
「ですねえ。僕らも色々、デュエルを楽しむようになっちゃいましたしねえ」
菊姫、知多、真薄の三人が物思いにふけっている中、遊太はひたすら父親にもみくちゃにされていた。
「遊太~!!」
「もう、お父さんいい加減にしてよ!」
(これで優勝したら、お父さんにどんな風にされるんだろう、僕……)
と、言った具合に、友達一堂から尊敬の眼差しを浴び、父親からもみくちゃにされ、母親からは助けて貰えない遊太なのであった。
それを、遠目から見る人物がいた。それは、準決勝をとっくに終えて、観客席へと戻って来たアキラであった。アキラはその様子を遠目から見ているようだった。
「……」
父にもみくちゃにされていたり、その光景を見て友人から笑われていたりする光景を見る眼差しは、どこか羨望のようなものと、敵意のようなものが混ざっていた。
「いよいよ、アイツとデュエルをする。俺はもちろん勝つつもりだが……」
「なんで、アイツを見ていると、こんなにもむなしくなるんだよ……! そりゃあ、俺にはアイツみたいに応援してくれる友達や、親が来ている訳でもない! この大会に出たのは、ただ一つの目的……後腐れ無くデュエルを辞められるようにこの大会で優勝して、いつ倒れるかわからない父さんの為に、会社を、ICPを継ぐ為の勉強をする。そのために来たんだ……」
「なのに……なんだよ、この胸にこみあげてくる、変な物は……!」
「それはきっと、貴方の心が『こんなことは、自分が本当にやりたいことじゃない』と言っているのですよ」
「……!?」
自分の後ろから、声が聞こえたことに驚くアキラ。自分の後ろにいたのは、カリンであった。
「お前……!」
「意地を張っていないで、本当に自分がやりたいことをやりたいと言っても良いんじゃあないですか? 自分で自分を縛っていても、良くないと思いますよ。あなたにとっても、あなたの『青眼の白龍』にとっても」
「う、五月蠅い! 俺は……やらなきゃいけないことがあるんだ!」
そうカリンに怒鳴った後、アキラは何処かへと行ってしまった。
「……これは、もうじきですかね」
そして、会場のVIP席から見ているロベルト・フランシスはというと。
「やっと、エクストラデッキ12枚全ての『イクスロードナイト』を使ったか……これは、決勝が楽しみだな。あのアキラ君との戦いも、気になるな」
第二十三話。終わり。
菊姫の切り札モンスター、『古代の機械究極巨人』が菊姫の場に召喚されたことに、喜びを隠せない菊姫の取り巻き二人。
「やりましたね、アネゴ~!」
「これで、勝ちは貰ったもどうぜんッスね~!」
まるで勝ったかのように騒ぎ立てる岩ノ井と鏡山の二人だが、それに対抗するかのように騒ぎ立てる遊太の父、幸市。
「何を言っている! ここまで逆転につぐ逆転で勝ってきた俺の息子が、こんな所で負けるはずがない! ここまで幾度となくピンチになってきた……しかし遊太は勝ってきた! そんな遊太が、負けるはずない! そうだろう知多君!」
「えっ!? あ、ああ……多分大丈夫じゃん? 遊太なら勝てると思うじゃん?」
「そうだよ知多君! こんな所で、遊太が負けるはずがない!」
そんな遊太父に対し、俄然対抗意識を燃やす岩ノ井と鏡山。
「なにおーう! 遊太と違って、俺達はアネゴのデュエルを幼稚園の頃から見ていたッスよ! 遊太とのデュエルの関わりが、ほんの二週間かそこらしか関わりのない友達と、今日初めてデュエルを見た父親と母親に比べれば、俺達は何倍もアネゴをわかっているつもりッス!」
「俺達は、アネゴのデュエルを何回も見ているからわかるんです!」
「た、確かに……私はデュエルを良く知らない。見たのは今日が初めてだ! 確かにそうだが……息子にかける情熱は、誰よりも凄いんだぞ! 君達が菊姫ちゃんにかける情熱も凄いが、私はその何倍も~~!」
「お父さん、そろそろ静かにしてください。遊太がデュエルに集中できなくなっても良いんですか? あとそれと……これ以上騒いだら、遊太に応援するなってまた言われますよ?」
「……あ、そうだった。騒いだらダメだって、釘を刺されていたからな……。遊太を応援できなくなるのは、勘弁願いたいから、少し黙るよ」
「フン! 一先ずは俺達の勝ちだな!」
「……こ、これで勝ちだと思うなよ。まだまだ二人のデュエルはこれからなんだからな……!」
「やれやれ……全く、遊太のこととなると見境ないんですから」
「この二人、いや一人と二人、よくよく考えたら似たもの同士じゃん?」
「愛する対象が、菊姫か遊太かの違いですからねえ」
やっと静かになった遊太の父、幸市に閉口する母幸子。それを見て、彼の親バカっぷり、取り巻き二人の菊姫バカっぷりを認めざるをえない真薄と知多なのであった。
そんな観客席の戦いとは対照的に、目の前のことに一生懸命な遊太と菊姫のデュエル。特に、遊太は今『古代の機械究極巨人』という、大変強力なモンスターと対応しなければならないからだ。
しかし、遊太はそんな逆境にも負けない。というか、負けていられない。全ては、ロベルトさんとの約束の為に……!
10・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
(このカード……使うとなると、それ相応のコストを背負わなければならない。でも、今はとにかく手札が欲しい! どうせあの永続魔法で、伏せてある『奈落の落とし穴』は使えないんだ! それに、究極巨人の的を増やすくらいなら!)
「魔法カード『天からの宝札』を発動! 発動コストとして、自分の手札・フィールドのカードを全て墓地へ送る。そして、墓地へ送った数だけドローできる! 僕はフィールドのスピーダー、伏せカードを墓地へ送って、2枚ドロー!」(遊太手札1→0→2)(遊太墓地13→16)
「僕は手札より、『ロードナイト・ダーク』を召喚! それにより、モンスター効果発動! ダークは召喚された時、自分の墓地からレベル4以下の『ロードナイト』を守備表示で特殊召喚できる! 僕は、ダージを墓地から特殊召喚!」(遊太手札2→1)(遊太墓地16→15)
「ダージのモンスター効果、特殊召喚された時、デッキから1枚ドローできる。それが『ロードナイト』だったとき、特殊召喚できる。ドロー!」(遊太手札1→2)
遊太がダージの効果で引いたカードは、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』。普通なら良いカードなのだが、生憎このカードの発動は、菊姫の『封魔の呪印』によって封じられている。
しかし、効果の発動を可能にするカードは、いくらでもある。
「……僕は、カードを1枚セットして、ターンエンド」(遊太手札2→1)
(このカードなら、まだやれるさ!)
遊太
ライフポイント6000
手札枚数1枚
モンスター2体
『ロードナイト・ダーク』(攻撃表示・攻撃力1400・レベル4・闇属性)
『ロードナイト・ダージ』(守備表示・守備力800・レベル2・風属性)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数15枚
除外されているカード1枚
11・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札0→1)
(引いたカードは……『古代の機械工兵』。このモンスターはレベル5だが、フィールド魔法『歯車街』の効果で、リリース無しで召喚できる。更に、ダメージステップ終了時に相手の魔法・罠を破壊できる。更に、このカードの攻撃終了まで、相手は魔法・罠を発動できない! ここは、やるしかねえか)
「アタシは手札より、レベル5の『古代の機械工兵』を召喚! このモンスターはレベル5だが『歯車街』の効果によって……もう説明は良いか」
「上級モンスターもリリース無しで召喚できるそのカード……厄介だな。だけど、僕はこのタイミングで、カードを発動させる! 罠カード『置換詠唱』発動! 手札から、通常・速攻魔法カードを1枚捨てて、効果発動! この罠カードの効果は、手札より捨てた魔法カードと同じになる! 僕は手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を捨てて、同じ効果を発動させる!」(遊太手札1→0)(遊太墓地15→17)
「何! またしても、同じ手によって……!」
「この効果で、リリースするのは風属性のダージ! そして、現れろ! 新たな『イクスロードナイト』! 『イクスロードナイト・ローズ』!」(遊太墓地17→18)
薔薇吹雪を吹かせ、花びらの中から現れたのは、最後にピンク色の鎧騎士! 右手にはフェンシングの剣を、左手には薔薇の花を添えている。攻撃力は2600。
(チッ、永続魔法『古代の機械要塞』によって、『アンティーク・ギア』の効果発動にチェーンはできない。本当だったら攻撃後にそれを破壊してやるつもりだったが……!)
「仕方ない、アタシは究極巨人で、ローズを攻撃! ギガント・パウンド!」
「この攻撃宣言時、墓地の『ロードナイト・ビート』のモンスター効果、発動! 相手モンスターの攻撃を、1回だけ無効にする!」(遊太墓地15→14)(遊太除外1→2)
「……そう来るか。だが、これでお前は防御策を失ったな……アタシはこれで、ターンエンドだ」
菊姫
ライフポイント5400
手札枚数0枚
モンスター2体
『古代の機械究極巨人』(攻撃表示・攻撃力4400・レベル10・地属性)
『古代の機械工兵』(攻撃表示・攻撃力1500・レベル5・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード3枚
『古代の機械蘇生』(永続罠)
『古代の機械要塞』(永続魔法)
『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数8枚
除外されているカード0枚
12・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
「僕は、手札を1枚捨てて、ローズのモンスター効果を発動! ローズは手札を1枚捨てることによって、2つの効果から一つを発動できる! 1つは、デッキ・墓地から『ロードナイト』モンスターを2体まで手札に加える。そしてもう1つの効果は、フィールドのカードを2枚まで持ち主の手札に戻す効果! 僕は手札に戻す効果を適用して、菊姫! 君の究極巨人と工兵を、君の手札に戻す! ローズ・タイフーン!」(遊太手札1→0)(遊太墓地14→15)
右手のフルーレから放たれた、薔薇吹雪が菊姫のモンスターに向かって飛んでいく! しかし、菊姫は。
「フン、させるか! アタシは場から罠カード『マグネット・フォース』を発動! このターン、アタシのフィールドにいる機械族・岩石族モンスターは、相手の効果を受けることはない!」(菊姫墓地8→9)
「何!?」
折角発生させた薔薇吹雪も、磁力のバリアによって防がれてしまう。結局、カードを1枚無駄にしただけで終わってしまった。
(くっ、やられた……!)
「さあ、頼みのモンスター効果も防がれた。ここからどうする? 遊太?」
「僕は……バトルフェイズに入る! ローズで、『古代の機械工兵』を攻撃! ローズ・ディサイト!」
「……」(菊姫ライフ5400→4300)(菊姫墓地9→10)
遊太
ライフポイント6000
手札枚数0枚
モンスター1体
『イクスロードナイト・ローズ』(攻撃表示・攻撃力2600・レベル8・風属性)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数15枚
除外されているカード2枚
13・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札0→1)
(……このカードは! フン、途中から悪くなったようだけど、このデュエル、最終的に勝ちそうなのはアタシのようだね。遊太)
「アタシは手札より、魔法カード『アイアンドロー』を発動! 自分フィールドに、機械族・効果モンスターが2体だけいる時のみ、発動可能。デッキから2枚ドローする! そのリスクとしてこのターン、1回しか特殊召喚できない!」(菊姫手札0→2)(菊姫墓地11→12)
「……よし、手札から魔法カード『マジック・プランター』を発動! 自分のフィールドに存在する、表側表示の永続罠を墓地へ送り、2枚ドローする。アタシは『古代の機械蘇生』を墓地へ送り、更に2枚ドロー!」(菊姫手札1→3)(菊姫墓地12→14)
「魔法カード『死者蘇生』を発動! 自分・相手の墓地からモンスターを特殊召喚する! アタシは墓地より、『古代の機械飛竜』を特殊召喚する!」(菊姫手札3→2)
「それにより、モンスター効果発動! デッキより、『アンティークギア』カードを手札に加える。アタシはデッキより、『古代の機械巨人』を手札に加える。そして、フィールド魔法『歯車街』の効果で、リリース1体で『古代の機械巨人』を召喚する!」(菊姫手札1→2→1)(菊姫墓地14→15)
ここに来て、菊姫のフィールドに再びエースモンスターが召喚される! それはまさしく、死刑宣告にも近い召喚。
「……ここにきて、エースをまた召喚してくるなんて!」
「ああ、お前を倒すのに、やりすぎって言葉はいらねえからな。行くぞ、バトルフェイズ! 『古代の機械究極巨人』で、『イクスロードナイト・ローズ』を攻撃! そしてこの瞬間、速攻魔法『決闘融合ーバトル・フュージョン』を発動! 自分フィールドの融合モンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動可能。その自分のモンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする! よって、究極巨人の攻撃力が2600アップ!」(菊姫手札2→1)(菊姫墓地15→16)(究極巨人攻撃力4400→7000)
「と、いう事は……! 究極巨人の攻撃力、そのままのダメージが僕に入ることに!?」
「その通り! ギガント・パウンドォォォッ!」
「うわああっ!」(遊太ライフ6000→1600)(遊太墓地15→16)
「これで、お前のライフは風前の灯火。次の『古代の機械巨人』の攻撃で、お前のライフは0となる! これで最後だ! 行け、『古代の機械巨人』! ダイレクトアタック! アルティメット・パウンド!」
『古代の機械巨人』の、無慈悲すぎる攻撃。その攻撃が、遊太に襲い掛かる! それに対し、観客席では。
「ゆ、遊太ー!」
「遊太君!」
「「やった! これでアネゴの勝ちだ(ッス)ー!」」
『古代の機械巨人』の攻撃は、遊太に直撃した。それにより、菊姫は確信する。
「これで……決まりだ!」
だが。
「それは、どうかな!」
「何!?」
なんと驚くことに、遊太のライフは残っていた。律儀にライフを100残して。
「どうして、お前のライフが……」
「僕はダイレクトアタックの宣言時、墓地からこのカードを除外していたんだ。『ロードナイト・ガードナー』! このカードは手札から捨てることによって、僕の『ロードナイト』は戦闘・効果で破壊されなくなる。そして、墓地から除外することによって、このターン僕が受ける全てのダメージを半分にできる! これによって、『古代の機械巨人』の攻撃力の半分、1500のダメージで済んだのさ!」(遊太ライフ1600→100)(遊太墓地16→15)(遊太除外2→3)
「だが、そのカードをいつ墓地へ送って……ハッ、まさか……! あの時『イクスロードナイト・ローズ』の効果で……」
「うん。さっきローズの効果、手札を1枚切る効果で、ドローフェイズにドローしたこのカードを捨てたのさ。あ~良かった。このカードをドローできていて」
「……アタシはカードを1枚伏せて、ターンエンド」(菊姫手札1→0)
(……この伏せカードは、速攻魔法『収縮』……。相手が攻撃してきても、これなら返り討ちにできる……できる筈なんだが……)
菊姫
ライフポイント4300
手札枚数0枚
モンスター2体
『古代の機械究極巨人』(攻撃表示・攻撃力4400)
『古代の機械巨人』(攻撃表示・攻撃力3000・レベル8・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード3枚
『歯車街』(フィールド魔法)
『古代の機械蘇生』(永続罠)
『古代の機械要塞』(永続魔法)
墓地の枚数14枚
除外されているカード0枚
(それにしても、例えローズの効果が失敗していたしても、こんな形で窮地を免れるなんて……! そのドロー力、そして戦術の強さ……)
(前々から思っていたけど……遊太は、そんじょそこらのデュエリストとは違う、何かを持っている気がする。そんな気がする……! さあ、次のターン、お前は一体何を見せてくれるんだ?)
菊姫がそう考え込んでいる中、観客席はというと。
「ゆ、遊太ぁ~! 何か知らんが、遊太が凄くピンチだ……! 遊太が危ないって時に、自分は応援しかしてやれないなんて……父親としての……無力さを……感じる……!」
「はっはー! 幸市さん、これが俺達のアネゴの、本当の強さッスよ!」
「これで、アネゴの勝ちは貰ったも同然だな!」
遊太が大好きな父幸市と、菊姫が好きな取り巻き二人の争いは、どうやら岩ノ井と鏡山の二人に軍配が上がりそうだった。
しかし、この状況を、知多と真薄はのんびりと見つめている。
「なあ真薄、この状況、どう思うじゃん?」
「恐らく……遊太君が何かしそうだと思いますよ。僕達のデュエルも、そんな感じでしたもの」
「丁度俺も、そんな感じがしていたじゃん? さあ、本当にそうなるのか試してみようじゃん?」
14・遊太のターン
「僕のターン……」
(このターンが、勝負の分かれ目だ……! 今の僕は、フィールドも、手札も0の絶体絶命状況。その上、キーカードは封じられている。でも、こんな状況だからこそ……こんな絶望的状況だからこそ、デュエルは楽しいって思える! この絶体絶命の状況を、逆転したら……さぞかし楽しいんだろうなあ!)
「ドロー!」(遊太手札0→1)
起死回生の一手を賭けた、渾身のドロー。その、ドローしたカードはというと。
(この、カードは……この状況を、一気にひっくり返せるカード! これで、封じられているも同然の『イクスロードナイト』達を呼び出せる……!)
「行くよ! 菊姫! ここから僕は、イクスロードナイトを呼び出す!」
「何!? もう『英雄騎士への覚醒』は3枚墓地へ送られている……それに、モンスターも手札もない今のお前には……!」
「それが、呼べるんだよね。さっきドローした、このカードで!」
「マジか……!」
「マジです。僕は手札から、魔法カード『英雄騎士への転生』を発動! 自分の墓地から、同じ属性の『ロードナイト』を2体除外する。そしてその後、除外した『ロードナイト』と同じ属性を持つ『イクスロードナイト』を、『英雄騎士への覚醒』の効果扱いで、エクストラデッキより特殊召喚する!」
「そう、来るのか!?」
「僕は墓地より、闇属性のスラストとダークを除外することによって、エクストラデッキから『イクスロードナイト・アルファ』を、特殊召喚する! 来い、僕のエースモンスター、アルファ!」(遊太手札1→0)(遊太墓地15→13→14)(遊太除外3→5)
「!」
墓地のモンスターの魂を糧にして生まれたのは、遊太が最も愛用する『イクスロードナイト』! そのモンスターは、菊姫にとって印象深いモンスターだった。
(そのモンスターは……遊太、お前と初めてデュエルした時、アタシにトドメを刺したカード……! そのカードを、ここで持ってくるのか……!?)
「ここで、アルファの効果発動! 自分の墓地から『ロードナイト』1体をデッキに戻すことで、デッキ・墓地から『英雄騎士』魔法カードを1枚手札に加えられる。これにより、僕はディスフェンスをデッキに戻して、デッキから『英雄騎士の兵力増強』を手札に加える」(遊太手札0→1)(遊太墓地14→13)
「そして、手札より『英雄騎士の兵力増強』を発動! 自分の墓地から『ロードナイト』を3体選んでデッキに戻すことにより、2枚ドローできる。ただし、このカードの発動時に手札が0枚だった時、デュエル中1度だけドローできるカードは3枚になる! 僕は、ドゥフト・ローズ・ダージをデッキに戻して、3枚ドローする!」(遊太手札0→3)(遊太墓地13→10→11)
「……悪いけど、菊姫。デュエルはここで終わりだ!」
「なにぃ……!」
「僕は手札より、装備魔法『英雄騎士の剣』を、アルファに装備させる! これにより、アルファの攻撃力は800ポイントアップする!」(遊太手札3→2)(アルファ攻撃力2500→3300)
(ここで、そのカードを出してくるとは……! やはり、このデュエルは!)
「手札より、魔法カード『一騎加勢』を発動! 1ターンの間だけ、対象としたモンスターの攻撃力を1500ポイントアップさせる! これにより、アルファの攻撃力を1500アップして、攻撃力4800にアップさせる!」(遊太手札2→1)
「……この、流れは!」
「行くよ! 僕は『イクスロードナイト・アルファ』で、『古代の機械巨人』を攻撃! ブラック・ロードソード!」
菊姫は、わかっていた。ここで自分が『収縮』を発動させたとしても、結局はアルファに無効化され、攻撃を通してしまうこと。そしてこれは、菊姫と遊太が最初に対戦した時と、殆ど同じ流れだと。
遊太が無意識のうちにやっていたことか、それとも意図的にやっていたことなのか、菊姫はわからなかった。だが菊姫は、わかっていた。
(遊太ァ……お前、なんか持ってるわ。このデュエルで、アタシを最大限楽しませてくれたからな……!)
(菊姫は何故、伏せカードを発動しない!?)
そのまま『古代の機械巨人』への攻撃を通す菊姫。案の定、『古代の機械巨人』は破壊されてしまった。
「……お前の、装備魔法『英雄騎士の剣』の効果。戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを、相手に与える……。これで、アタシの負けだな」(菊姫ライフ4300→2500→0)
「き、菊姫……!」
「お前の勝ちだぜ、遊太。楽しいデュエルを……ありがとよ」
こうして、準決勝は遊太の勝利で終わったのであった。そして、遊太は観客席にいた遊太父や友達一堂にもみくちゃにされているのであった。
「遊太~! よくやったぞ~! あの状況からよく勝ってくれたなあ! 父さん、父さん嬉しいぞ~! ついに、ついに決勝進出だなあ!」
「ちょ、ちょっと、お父さん……!」
「もう、お父さん……」
自分の父、六道幸市に抱き着かれ、ちょっと迷惑そうにする遊太。それを、隣から見ている遊太の母幸子であった。
そして、その様子を傍目から見ている遊太の友達一堂なのであった。
「やれやれ。遊太の奴、あんなにももみくちゃにされて……お父さんお母さんも、遊太も良い奴じゃん?」
「ですね。遊太君は、自分の知らないデュエルにあんなにも応援してくれる乙さんがいて、至れり尽くせりって感じですねえ」
「……なあ、知多、真薄」
「ん? なんですか菊姫さん?」
「なんでか知らんが、アイツとデュエルすると楽しいんだよ。負けたって言うのに、なんかスッキリしたような感覚がそこにあるんだよなあ」
「あー、そんな感じするじゃん? 負けちゃったけど、まあいっか! 的な感じがして!」
「僕も、そんな感じがするんですよね~」
「それに、遊太はデュエルを思いっきり楽しんでいる。その心に引きずられて、デュエルをつい楽しんじまった……実はこれ、遊太と最初会った時も感じてしまったんだよなあ」
「ほえ? どういうことじゃん?」
「実はな、初めて会った時、アタシはどっか勝ちに対して欲のある人間だったかなあ」
「え、そんなんだったじゃん?」
「内心はそうだったんだよ。あの時のアタシは、負けが込んでて初心者狩りもいとわない人間だった!」
「そうでしたね、アネゴ!」
「弱っちそうな相手を狙って、勝ち星稼いでいましたよね!」
「ああ、そうだった。んでな、遊太も次の獲物でしかなかった。ソイツに勝って、次も勝って……といった感じだった。だがな……アタシの初心者狩りは遊太で最後になっちまった。遊太の奴がやけに楽しそうにデュエルをするもんだからさあ、最後には遊太みたくデュエルを楽しむのが一番良いんじゃねえかって思ってな……結局、遊太のペースに飲み込まれて、今はこんな風にデュエルを楽しんでいるって訳さ。結局、アイツに振り回されっぱなしだったなあ」
「アネゴ……」
「アネゴ……!」
「菊姫も、そんな思いを持ってデュエルをしていたのか……勝ちにこだわり過ぎて、目の前が見えなくなったって感じじゃん?」
「菊姫さんも、苦労していたんですねえ」
「それが、遊太に会ったせいでこのざまさ。今じゃあアイツとおんなじだよ。楽しんでデュエルしているさ」
「俺達、なんか遊太に関わったせいで色々変えられちゃったみたいじゃん?」
「ですねえ。僕らも色々、デュエルを楽しむようになっちゃいましたしねえ」
菊姫、知多、真薄の三人が物思いにふけっている中、遊太はひたすら父親にもみくちゃにされていた。
「遊太~!!」
「もう、お父さんいい加減にしてよ!」
(これで優勝したら、お父さんにどんな風にされるんだろう、僕……)
と、言った具合に、友達一堂から尊敬の眼差しを浴び、父親からもみくちゃにされ、母親からは助けて貰えない遊太なのであった。
それを、遠目から見る人物がいた。それは、準決勝をとっくに終えて、観客席へと戻って来たアキラであった。アキラはその様子を遠目から見ているようだった。
「……」
父にもみくちゃにされていたり、その光景を見て友人から笑われていたりする光景を見る眼差しは、どこか羨望のようなものと、敵意のようなものが混ざっていた。
「いよいよ、アイツとデュエルをする。俺はもちろん勝つつもりだが……」
「なんで、アイツを見ていると、こんなにもむなしくなるんだよ……! そりゃあ、俺にはアイツみたいに応援してくれる友達や、親が来ている訳でもない! この大会に出たのは、ただ一つの目的……後腐れ無くデュエルを辞められるようにこの大会で優勝して、いつ倒れるかわからない父さんの為に、会社を、ICPを継ぐ為の勉強をする。そのために来たんだ……」
「なのに……なんだよ、この胸にこみあげてくる、変な物は……!」
「それはきっと、貴方の心が『こんなことは、自分が本当にやりたいことじゃない』と言っているのですよ」
「……!?」
自分の後ろから、声が聞こえたことに驚くアキラ。自分の後ろにいたのは、カリンであった。
「お前……!」
「意地を張っていないで、本当に自分がやりたいことをやりたいと言っても良いんじゃあないですか? 自分で自分を縛っていても、良くないと思いますよ。あなたにとっても、あなたの『青眼の白龍』にとっても」
「う、五月蠅い! 俺は……やらなきゃいけないことがあるんだ!」
そうカリンに怒鳴った後、アキラは何処かへと行ってしまった。
「……これは、もうじきですかね」
そして、会場のVIP席から見ているロベルト・フランシスはというと。
「やっと、エクストラデッキ12枚全ての『イクスロードナイト』を使ったか……これは、決勝が楽しみだな。あのアキラ君との戦いも、気になるな」
第二十三話。終わり。
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127 | プロローグ「出会いは突然に」 | 1895 | 3 | 2018-01-27 | - | |
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101 | 第二話「六道遊太、デュエルスタンバイ!」 | 1411 | 3 | 2018-01-30 | - | |
147 | 第三話「ロードナイトVSC・HERO」 | 1231 | 1 | 2018-02-05 | - | |
83 | 第四話「大会にて」 | 1022 | 1 | 2018-02-11 | - | |
136 | 第五話「カリンとカードの精霊の話」 | 1139 | 1 | 2018-02-14 | - | |
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89 | 第八話「知多泉、デュエルスタンバイ!」 | 1001 | 0 | 2018-02-25 | - | |
183 | 第九話「儀式降臨のサフィラ」 | 1058 | 0 | 2018-03-02 | - | |
96 | 第十話「驚きの予選会」 | 1163 | 1 | 2018-03-05 | - | |
84 | 第十一話「ペンデュラムと、英雄騎士達」 | 1196 | 2 | 2018-03-10 | - | |
94 | 第十二話「プラクサス大会スタート!」 | 1062 | 0 | 2018-03-13 | - | |
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143 | 第十八話「知多と遊太」 | 981 | 0 | 2018-04-13 | - | |
142 | 第十九話「僕のヒーロー」 | 1074 | 0 | 2018-04-17 | - | |
148 | 第二十話「僕のヒーローは」 | 1044 | 0 | 2018-04-21 | - | |
151 | 第二十一話「対決! 遊太VS菊姫!」 | 1134 | 2 | 2018-04-25 | - | |
134 | 第二十二話「菊姫の切り札」 | 978 | 2 | 2018-04-29 | - | |
107 | 第二十三話「覚醒を封じられた先に……!」 | 999 | 2 | 2018-05-09 | - | |
145 | 第二十四話「プラクサス大会、決勝戦!」 | 1026 | 0 | 2018-05-12 | - | |
88 | 第二十五話「真の究極竜と、カオスMAX」 | 1047 | 2 | 2018-05-16 | - | |
144 | 第二十六話「決着、そして……!」 | 1057 | 2 | 2018-05-18 | - | |
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161 | 第三十話「ヒーローショーを見に行こう!」 | 991 | 0 | 2018-06-11 | - | |
130 | 第三十一話「忍び寄る侵略の影」 | 986 | 0 | 2018-06-23 | - | |
109 | 第三十二話「侵略の一手」 | 834 | 0 | 2018-06-24 | - | |
168 | 第三十三話「帝国への招待状」 | 1086 | 0 | 2018-07-03 | - | |
130 | 第三十四話「いざ、帝国へ!」 | 974 | 0 | 2018-07-12 | - | |
236 | 遊戯王EXSキャラ紹介 その1 | 1423 | 2 | 2018-07-14 | - | |
133 | 第三十五話「GAME START」 | 943 | 0 | 2018-07-22 | - | |
84 | 決闘者の帝国における、特殊ルール | 919 | 2 | 2018-07-22 | - | |
169 | 第三十六話「まずは一つ」 | 1058 | 0 | 2018-07-29 | - | |
97 | 第三十七話「菊姫とアキラ」 | 1003 | 0 | 2018-08-05 | - | |
99 | 第三十八話「実力勝負!」 | 941 | 0 | 2018-08-12 | - | |
138 | 第三十九話「エンジョイデュエル!」 | 1045 | 0 | 2018-08-23 | - | |
90 | 第四十話「プレイヤーキラー、動く!」 | 856 | 0 | 2018-09-07 | - | |
80 | 第四十一話「闇を打ち砕け、遊太!」 | 927 | 0 | 2018-09-15 | - | |
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132 | 第四十四話「ヒーロー覚醒!?」 | 956 | 2 | 2018-10-14 | - | |
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99 | 第五十三話「神帝現る」 | 948 | 0 | 2019-02-12 | - | |
95 | 第五十四話「帝国の終焉」 | 852 | 0 | 2019-02-22 | - | |
115 | 特別編『超次元! 世界を越えた絆』1 | 1024 | 0 | 2019-03-07 | - | |
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102 | 第五十七話「マダムの危ない罠」 | 764 | 0 | 2019-05-01 | - | |
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73 | 第五十九話「闇のカード」 | 837 | 0 | 2019-06-04 | - | |
111 | 第六十話「変わり始める生活」 | 792 | 0 | 2019-07-18 | - | |
69 | 第六十一話「ユイのデュエル」 | 723 | 0 | 2019-08-04 | - | |
76 | 作者よりお知らせ2 | 733 | 0 | 2019-08-11 | - | |
93 | 第六十二話「プラクサスの怪人」 | 726 | 0 | 2019-09-11 | - | |
69 | お詫びとお知らせ | 493 | 0 | 2020-02-19 | - | |
147 | 第六十三話「暴走! 怪人クロウリー」 | 778 | 0 | 2020-02-19 | - | |
83 | 特別編『ブルーアイズVSブルーアイズ』 | 844 | 0 | 2020-02-22 | - | |
90 | 第六十四話「闇に落ちる小鳥」 | 784 | 0 | 2020-03-22 | - | |
70 | 第六十五話「鳥人を食う邪竜」 | 673 | 0 | 2020-04-18 | - | |
91 | 第六十六話「ダークヒーロー!ヴェンデット | 696 | 0 | 2020-05-09 | - | |
87 | 第六十七話「堕ちたヒーロー」 | 719 | 0 | 2020-05-23 | - | |
78 | 第六十八話「視える未来(ビジョン)」 | 853 | 0 | 2020-05-30 | - | |
97 | 第六十九話「突入、アポカリプトのアジト」 | 759 | 0 | 2020-06-12 | - | |
64 | 第七十話「登場! 世界チャンピオン!」 | 729 | 0 | 2020-06-14 | - | |
62 | 第七十一話「デートじゃん!」 | 675 | 0 | 2020-06-27 | - | |
76 | 第七十二話「不死者は少年を好く」 | 775 | 0 | 2020-06-28 | - | |
64 | 第七十三話「最強デュエリストのいとこ」 | 671 | 0 | 2020-07-07 | - | |
76 | 第七十四話「D1グランプリ、開催決定!」 | 637 | 0 | 2020-07-13 | - | |
78 | 遊戯王EXS キャラ紹介その2 | 751 | 0 | 2020-07-13 | - | |
73 | 特別編「VSサイコ・ショッカー!?」 | 606 | 0 | 2020-07-26 | - | |
88 | 第七十五話「D1グランプリへの道しるべ」 | 683 | 0 | 2020-08-06 | - | |
63 | 第七十六話「不死と再生、イモータル」 | 667 | 0 | 2020-08-15 | - | |
63 | 第七十七話「雨が降れば蛙が鳴く」 | 601 | 0 | 2020-08-30 | - | |
74 | 第七十八話「噴火寸前のヴォルケーノ」 | 684 | 0 | 2020-09-13 | - | |
72 | 第七十九話「燃えろ遊太!」 | 642 | 0 | 2020-09-27 | - | |
119 | 作者よりお知らせ3 | 625 | 0 | 2020-10-02 | - | |
68 | 第八十話「燃えるデュエル!」 | 624 | 0 | 2020-10-18 | - | |
73 | 特別編「乙女の対決、ブラマジガール!」 | 705 | 0 | 2020-11-05 | - | |
67 | 第八十一話「高き壁」 | 664 | 0 | 2020-11-22 | - | |
76 | 第八十二話「強き者」 | 746 | 0 | 2020-12-05 | - | |
58 | 第八十三話「エキシビションマッチ」 | 679 | 0 | 2021-01-01 | - | |
77 | 第八十四話「二次予選開始!」 | 736 | 0 | 2021-01-11 | - | |
58 | 第八十五話「タッグメイクデュエル」 | 522 | 0 | 2021-02-20 | - | |
65 | 第八十六話「タッグメイクデュエル②」 | 480 | 0 | 2021-04-04 | - | |
69 | 第八十七話「タッグメイクデュエル③」 | 434 | 0 | 2021-04-25 | - | |
70 | 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 | 588 | 0 | 2021-05-04 | - | |
53 | 第八十九話「チーム結成!」 | 502 | 0 | 2021-05-08 | - | |
61 | 第九十話「J4の実力 輝く竜の星」 | 452 | 0 | 2021-06-02 | - | |
60 | 第九十一話「超弩級のパワー」 | 583 | 0 | 2021-06-12 | - | |
77 | 第九十二話「空飛ぶケモノたち」 | 455 | 0 | 2021-07-08 | - | |
68 | 第九十三話「雷と未来」 | 426 | 0 | 2021-07-18 | - | |
65 | 第九十四話「大トリ、明石慎之介」 | 645 | 0 | 2021-09-04 | - | |
58 | 作者からお知らせ4 | 461 | 0 | 2021-09-17 | - | |
74 | 特別編「冥界の王(ファラオ)と決闘!?」 | 552 | 2 | 2021-10-17 | - | |
59 | 第九十五話「最終予選1 友達VS友達」 | 487 | 0 | 2021-12-18 | - | |
64 | 第九十六話「最終予選2 竜姫神と青眼」 | 466 | 0 | 2022-01-04 | - | |
69 | 第九十七話『最終予選3 約束のために』 | 564 | 0 | 2022-01-10 | - | |
61 | 第九十八話「最終予選4 VSJ4最強」 | 669 | 0 | 2022-02-01 | - | |
53 | 第九十九話「異変」 | 515 | 0 | 2022-02-27 | - | |
72 | 第百話「D1グランプリ、本戦開始!」 | 413 | 0 | 2022-04-09 | - | |
74 | 第百一話「プロの実力」 | 424 | 0 | 2022-05-07 | - | |
62 | 第百二話「デストーイ・デコレーション」 | 514 | 0 | 2022-06-04 | - | |
45 | 第百三話「アマゾネスの首領」 | 374 | 0 | 2022-07-10 | - | |
41 | 第百四話「プロ辞めます!」 | 462 | 0 | 2022-08-28 | - | |
39 | 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 | 338 | 0 | 2022-10-16 | - | |
48 | 第百六話「鉄屑と星屑」 | 554 | 0 | 2022-11-27 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 12/24 00:02 コンプリート評価 asdさん ⭐LEGACY OF DESTRUCTION⭐
- 12/23 23:27 ボケ 炎斬機マグマの新規ボケ。ガンダムのおっちゃん「大阪万博に展示される…
- 12/23 23:10 デッキ 坂巻馨容疑者の企み?襲撃のクローラー!
- 12/23 23:01 ボケ No.106 巨岩掌ジャイアント・ハンドの新規ボケ。マリオ64の「あっ…
- 12/23 16:00 評価 5点 《百鬼羅刹大重畳》「自分の場にXモンスターがいること前提の罠。 …
- 12/23 15:41 評価 8点 《蛇眼の大炎魔》「主に《蛇眼神殿スネークアイ》で永続魔法扱いで…
- 12/23 14:52 SS 第二十三話・1
- 12/23 12:18 デッキ マハ速の復活?マハー・ヴァイロのパワー!
- 12/23 10:36 評価 10点 《早すぎた埋葬》「無条件で蘇生可能な装備魔法 《聖騎士の追…
- 12/23 09:15 デッキ 炎の剣士
- 12/23 08:49 SS 第40話:詰み
- 12/23 00:41 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 12/23 00:19 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 12/23 00:07 評価 9点 《鎖付き真紅眼牙》「 《天球の聖刻印》とは相性がよく、出した攻…
- 12/23 00:03 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 12/22 22:00 評価 10点 《深淵に潜む者》「バグースカの身代わりで禁止。墓地封殺がフリ…
- 12/22 21:54 デッキ 俺の真の最強のライゼオル
- 12/22 21:19 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 12/22 21:19 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 12/22 21:18 一言 深淵が禁止は個人的に悲し過ぎますわ…。デスサイズが制限止まりで果た…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
ある意味もう一人の主人公とも言えるアキラはどういう気持ちで挑むのか、見物です。 (2018-05-09 23:17)
フィニッシュは、やっぱりこうしたかったというのもありますしね。そして、アキラ君は遊太にどう挑むのか、楽しみにしていてください。 (2018-05-10 22:03)