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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第五十三話「神帝現る」

第五十三話「神帝現る」 作:イクス

第五十三話「神帝現る」


決闘者の帝国、その最終決戦。闇の王と遊太の戦い。最初こそ遊太は押されていたものの、二人の先駆者によるヒントを得て、大逆転の一手を打った。
一転、窮地に立たされた闇の王。遊太はこのまま行けるのだろうか。


11・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札1→2)
強固な耐性や、エクストラ封じは解かれた。攻め込むには、圧倒的なチャンス! 
(遊太、今ここが攻め込む時だ! ここで一気に決めてしまうぞ!)
「うん、僕もそのつもりさ! 行くよ!」
「僕は手札より、速攻魔法『英雄騎士の生還』を発動! このカードは墓地からレベル4以下の『ロードナイト』1体を特殊召喚できる! 僕はネクロを守備表示で特殊召喚して、効果発動! ネクロは特殊召喚に成功した時、墓地から『英雄騎士』魔法カード1枚を手札に加えられる! 僕は、墓地より『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太手札2→1→2)(遊太墓地17→18→17)
「そして僕は、手札から速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! フィールドの『ロードナイト』1体を『イクスロードナイト』に進化させる! ネクロをリリースして、闇属性の『イクスロードナイト』を……!」
「なら我は、速攻魔法『魔法を打ち消す結界』を発動! このカードの発動ターン、このカード以外の魔法カードの効果を無効化する! これにより、お前の魔法カードは全て無効だ!」(闇の王墓地18→19)
「……流石にやらせてはくれないか。だが、僕はまだやれる! 墓地に存在する『ロードナイト・ファントム』の効果発動! このカードを墓地から除外し、墓地から『ロードナイト』1体を特殊召喚する! 僕が墓地から特殊召喚するのは、ボルカ! 守備表示! 更に、ボルカは特殊召喚された時、相手モンスター1体を破壊して、1000のダメージを与える! 僕は、アイテールを破壊して1000のダメージを受けてもらう!」(遊太墓地17→15)(遊太除外2→3)
「ぐうううっ……!」(闇の王ライフ1900→900)(闇の王墓地18→19)
「そして、手札1枚を墓地へ送って、ドゥフトのモンスター効果発動! デッキから『英雄騎士』罠をセットする。そして、ドゥフトを守備表示にして、ターンエンド」(遊太手札1→0)(遊太墓地15→16)

遊太

ライフポイント4000
手札枚数0枚
モンスター3体
『イクスロードナイト・ドゥフト』(守備表示・守備力1900・闇属性・レベル8)
『ロードナイト・ボルカ』(守備表示・守備力200・炎属性・レベル4)
『ロードナイト・ガーディ』(守備表示・守備力2000・光属性・レベル4)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数16枚
除外されているカード3枚


「ぐぅ……おのれぇ……!」
闇の王は、とてつもない劣勢に立たされていた。モンスターは1体のみ、しかも鉄壁の布陣も総崩れで、今は役に立たないモンスターが1体のみ。そして、あの伏せカード。間違いなく厄介なカードであると、本能的に察知していた。
しかし、今の闇の王には除去する術がない。後は崩れるだけ。それほどまでに、追い詰められていた。
(このままでは……! 我がここまで進めて計画が台無しに……! 集めた人間達のソウルや精霊達のソウルが……! なにもかも……!)
焦る闇の王。すると……。
(大分苦戦しているようだな、闇の王……!)
(こ、この声は……!)
闇の王の脳裏に響く、謎の声。そのしっとりとした、心を包み込むような声。この声を、闇の王は知っている。
(なぜ、貴方様がここに……!?)
(いや、ね。意気揚々と人間たちの世界に進出したは良いが、まさか最後の最後で障害が現れるとはね……。ここで、あの時取り逃がした奴らの反逆に遭うとは……。どうしたものかなあ)
(で、ですが! ここでコイツを倒せば同じこと! ですから、貴方様のお手を煩わせる程では……)
(今の状況でそれを言えるのは、大した自信だね。だが、現状を見ればおのずとわかる。この劣勢、どうにもしがたいね)
(……)
(仕方ないね、力を貸そうじゃないか。この力を使えば、お前は絶対に負けることはない。そこのガキも、あっという間に倒せる)
(ははっ、ありがたき幸せ……!)
その瞬間、闇の王に得体の知れない力が流れ込む! 
「うおーっ!」
「な、なんだ!?」
(闇の力が……増大していく!?)
「ここからだ……! ここからが我のターンだ……!」

12・闇の王のターン

「我のターン、ドロー!」(闇の王手札2→3)
凄まじい闇の大気により、ドローですら風圧が起きる。これ程までに、恐ろしいものなのかと、遊太は戦慄する。
(こんな……いきなりこんな……!)
「我は……手札より魔法カード『死者蘇生』を発動! これにより、墓地の『冥帝エレボス』を特殊召喚する!」(闇の王手札3→2)
闇の底より蘇ったエレボス。光と闇、相反する二つの帝王が持つ威圧感は、先程より増している!? 
「そして、墓地の『真源の帝王』の効果発動! 墓地の『帝王』魔法・罠を除外し、このカードをモンスター扱いで特殊召喚する! 『連撃の帝王』を除外し、このカードを特殊召喚する!」(闇の王墓地19→17)(闇の王除外4→5)
闇の王のフィールドに、モンスターが3体現れる。それを見て、遊太は何かを感づく。
「モンスターが3体……!?」
「我は、レベル5以上のモンスター3体をリリースし、このモンスターをアドバンス召喚する!」
その言葉と同時に、辺りに闇の瘴気があふれ出る! その瘴気は、重苦しい空気を辺りにかもしだし、遊太の体に圧をかける。
「な、なんだこれは……!」
「世界の裂け目より生まれし闇よ……今こそ神の力を受けて、帝王として世界に君臨せよ! アドバンス召喚、出でよ! レベル10『神帝ラグナログ』!」(闇の王手札2→1)(闇の王墓地17→20)
闇の底より現れたのは、他の帝王より明らかに巨大な体躯を持つ帝王! 漆黒の体に光る、金色の王冠らしき突起と仮面。その攻撃力は……。
「攻撃力、4000!?」
「それだけではない、このモンスターのアドバンス召喚時は無効化されず、召喚時に相手はモンスター・魔法・罠を発動できない」
「なんだと!?」
「更に、アドバンス召喚成功時に、相手フィールドのカード全てを除外することができる……!」
「なんだって!? だけど、簡単にはやらせるものか! 罠カード発動! 『英雄騎士の進軍』! このカードは、僕のフィールドの『ロードナイト』モンスターの数だけ、相手フィールドのカードを破壊できる! ラグナログは、早速破壊させてもらう!」(遊太墓地16→17)
カードから、雷が発射されラグナログに直撃する。しかし、ラグナログは破壊されず、そのまま立っている。
「何!?」
「無駄だ。ラグナログは相手の魔法・罠の効果を受けず、このカードより低い攻撃力を持つモンスターの効果を受けることはない!」
「んなっ……!」
「これで、貴様の罠は不発となった! さあ、今度はこちらの番だ! お前のフィールドのカードを全て除外だ!」
ラグナログの眼が一瞬光ったかと思うと、そこから発射されたレーザーによって遊太のフィールドが薙ぎ払われる! 遊太のカードは全て除外されてしまった……! 
「うっ、うわあああっ!」(遊太除外3→6)
「フフフ……これでお前のフィールドはがら空きになってしまったな……バトルフェイズ! ラグナログで、貴様にダイレクトアタック! さあ、受けてもらおうか、4000のダメージを!」
ラグナログの巨大な腕より放たれた、極太レーザー! こんなものを直撃でくらってしまっては、あっという間にライフを減らされてしまう! 
遊太は……。
「墓地に存在する、『ロードナイト・シーク』の効果発動! 墓地からこのカードを除外することで、戦闘ダメージを1度だけ0にする! この効果はラグナログに直接作用する効果ではないため、問題なく適用される! 戦闘ダメージは、0になる!」(遊太墓地17→18)(遊太除外6→7)
シークによって張られたバリアにより、なんとかダメージをやり過ごす遊太。どうにか、このターンは凌げたようだ……。
「ふう……危ない危ない……!」
「ふむ……なんとか凌いだか。だが、ピンチであることには変わりないぞ……? 我はこれで、ターンエンドだ」

闇の王

ライフポイント900
手札枚数1枚
モンスター1体
『神帝ラグナログ』(攻撃表示・攻撃力4000・闇属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数20枚
除外されているカード5枚


13・遊太のターン

「クソっ。僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
(あのモンスター、魔法・罠も受けず、あのモンスターの攻撃力より低いモンスターの効果を受けないだって……!? 今、僕の手札は壊滅状態……このままじゃ……!)
「魔法カード『貧欲な壺』を発動! 除外されているモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローする! 僕は、除外されているディアナ・ドゥフト・ファントム・シーク・ガーディの5体をデッキに戻して、2枚ドローする!」(遊太手札0→2)(遊太墓地16→17)(遊太除外7→2)
引いた2枚のカードを見てみる遊太。それは、この状況を乗り切るのに良いカードだった。
(これなら、なんとか凌げるかな……?)
「魔法カード『一時休戦』を発動! このカードの発動時、互いに1枚ドローする。その後、次の相手ターン終了時まで、互いに受けるダメージは0になる! さあ、カードを引けよ」(遊太手札2→1→2)(遊太墓地17→18)
「……なるほど、確かに魔法・罠の効果を受けないラグナログを躱せる、絶好のカードという訳か……だが、そんなものは一時凌ぎにしかならない! この絶対的力の前ではな……」(闇の王手札1→2)
「一時しのぎでも、それでも構わない! お前を倒す為なら!」
「装備魔法『英雄騎士の応急処置』を発動! 墓地から『ロードナイト』モンスター1体を特殊召喚し、このカードを装備する。このカードがフィールドを離れた時、装備モンスターは破壊される。僕は墓地より、ネクロを特殊召喚する!」(遊太手札2→1)(遊太墓地18→17)
「更に、ネクロは特殊召喚された時、墓地から『英雄騎士』魔法カード1枚を手札に加えられる! 僕は『英雄騎士への覚醒』を手札に加える!」(遊太手札1→2)(遊太墓地17→16)
「更に、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分『ロードナイト』1体をリリースして、リリースしたモンスターと同じ属性の『イクスロードナイト』を特殊召喚する! ネクロをリリースして、闇属性の『イクスロードナイト』を特殊召喚する! 来い! 僕のエースモンスター、『イクスロードナイト・アルファ』! 守備表示!」(遊太手札2→1)(遊太墓地16→19)
再び現れた、遊太のエースモンスター! 『ロードナイト』の起点となる、大事なモンスターである。
「更に、アルファの効果発動。墓地より『ロードナイト』1体をデッキに戻すことで、デッキ・墓地より『英雄騎士』魔法カード1枚を手札に加えられる。墓地からブラストをデッキに戻して、デッキより『英雄騎士への未来』を手札に加える」(遊太手札1→2)
「更に、魔法カード『英雄騎士への未来』を発動! このカードは、デッキから『ロードナイト』モンスター1体を墓地へ送る。その後、このカードを発動した次の自分ターンのスタンバイフェイズに、墓地へ送ったモンスターと同じ属性の『イクスロードナイト』モンスターを、『英雄騎士への覚醒』扱いで特殊召喚する! 僕は、デッキから水属性の『ロードナイト・ゾネス』を墓地へ送り、次のスタンバイフェイズに水属性の『イクスロードナイト』を特殊召喚する!」(遊太手札2→1)(遊太墓地19→21)
(だけど、今は……!)
「……1枚カードをセットして、ターンエンド!」(遊太手札1→0)

遊太

ライフポイント4200
手札枚数0枚
モンスター1体
『イクスロードナイト・アルファ』(守備表示・守備力2000・闇属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数21枚
除外されているカード2枚


14・闇の王のターン

「我のターン、ドロー」(闇の王手札2→3)
(……一気にケリをつけたい所だが、あの『一時休戦』のせいで相手へのダメージが0になる……なら、ここは準備期間でいいだろう。どうせ我がラグナログは倒せん……!)
「このメインフェイズ1開始時、我は魔法カード『貪欲で無欲な壺』を発動。このターン、バトルフェイズを放棄する代わりに、墓地の異なる種族のモンスター3体をデッキに戻し、2枚ドローする。我が戻すのは、鳥獣族の『風帝ライザー』・炎族の『爆炎帝テスタロス』・悪魔族の『邪帝ガイウス』の3体。このモンスターをデッキに戻し、2枚ドローする」(闇の王手札3→2→4)(闇の王墓地20→17→18)
「魔法カード『帝王の再誕』を発動。墓地に存在する攻撃力800で守備力1000のモンスター1体を手札に加える。その後、手札に加えたモンスターと同じ属性を持つ、守備力1000で攻撃力2400以上のモンスター1体を墓地から手札に加える。我が選択するのは、『雷帝家臣ミスラ』と『轟雷帝ザボルグ』の2体」(闇の王手札4→3→5)(闇の王墓地18→16→17)
「更に、手札より『帝王の真言』を発動する。デッキより、守備力が1000で攻撃力が2400か2800のモンスター1体を手札に加える。我は『凍氷帝メビウス』を手札に加える」(闇の王墓地17→18)
「更に、ラグナログのモンスター効果発動! 手札のレベル5以上のモンスターを見せることで、そのモンスターと同じ属性を持つ攻守0の帝王トークンを、2体まで特殊召喚できる。今回我が見せるのは水属性のメビウス。これにより水属性となった帝王トークン2体を特殊召喚する」
「そして、このトークン2体をリリースし、『凍氷帝メビウス』を、アドバンス召喚する!」(闇の王手札5→4)
戦場に吹き荒れる猛吹雪。その中より現れたのは、一段階レベルアップした氷の帝王! 攻撃力は2800。
「メビウスはアドバンス召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠を3枚まで破壊できる。更に、水属性をリリースしてアドバンス召喚した場合、このモンスターの対象となった魔法・罠は発動できない! その魔法カードを破壊させてもらう!」
またしても、猛吹雪。それにより、遊太の伏せカードが破壊されてしまう! 
「くっ、罠カード『英雄騎士の爆発力』が……!」(遊太墓地21→22)
「ほう、一丁前に良いカードを伏せていたようだな。だが、その程度では止められぬ!」
「……だが、バトルフェイズを行えないのでは、このターンは意味はない。カードを2枚セットして、ターンエンド」(闇の王手札4→2)

闇の王

ライフポイント900
手札枚数2枚
モンスター2体
『神帝ラグナログ』(攻撃表示・攻撃力4000・闇属性・レベル10)
『凍氷帝メビウス』(攻撃表示・攻撃力2800・水属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数17枚
除外されているカード4枚


15・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
「このスタンバイフェイズに、前のターンの『英雄騎士への未来』の効果が適用される! 前のターン水属性の『ロードナイト』を墓地へ送った為、エクストラデッキから水属性の『イクスロードナイト・アルス』を特殊召喚する!」
今回現れたのは、氷柱と氷の鎧を持つ水の『イクスロードナイト』! 守備力は1700だが、その効果が発動される。
「アルスは『英雄騎士への覚醒』の効果で特殊召喚された時、墓地の『ロードナイト』1体を、効果を無効にして特殊召喚できる! 来い、マグナ!」
アルスが氷柱を刺した所から、現れ出でるマグナ。しかし効果は無効になっており、これでは鉄壁の防御が生かせない。
「フフフ、頭数を揃えたからなんだというのだ?」
「ここで再び、アルファのモンスター効果発動! 墓地のブラストをデッキに戻し、デッキから速攻魔法『英雄騎士交代』を手札に加える」(遊太墓地22→21)(遊太手札1→2)
「ここで手札より、速攻魔法『英雄騎士交代』を発動! 自分フィールドの『イクスロードナイト』1体をエクストラデッキに戻し、エクストラに戻したモンスター以外の『イクスロードナイト』を『英雄騎士への覚醒』の効果扱いで特殊召喚する! 僕はマグナをデッキに戻し、エクストラから『イクスロードナイト・ジエス』を特殊召喚する!」(遊太手札2→1)(遊太墓地21→22)
今回現れたのは、氷の弓矢を持つ騎士。守備力は1800。
「そして、カードを1枚セットして、ターンエンド……!」(遊太手札1→0)
(今できることは、これだけか……!)

遊太

ライフポイント4200
手札枚数0枚
モンスター3体
『イクスロードナイト・アルファ』(守備表示・守備力2000・闇属性・レベル8)
『イクスロードナイト・ジエス』(守備表示・守備力1700・水属性・レベル8)
『イクスロードナイト・アルス』(守備表示・守備力1800・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数22枚
除外されているカード2枚


16・闇の王のターン

「我のターン、ドロー!」(闇の王手札2→3)
「我はラグナログの効果発動! 手札のモンスターを公開し、そのモンスターと同じ属性を持つ帝王トークンを2体まで特殊召喚する。ザボルグを見せ、光属性のトークンを2体特殊召喚する! そしてリバースカード、オープン! 罠カード『エレメント・チェンジ』! このターンフィールドのモンスターは全て、我が指定した属性となる! 我は、光を選択する!」(闇の王墓地17→18)
「くっ……!」
「そして帝王トークン2体をリリースし、現れよ! レベル8『轟雷帝ザボルグ』!」(闇の王手札3→2)
雷雲の中から、再び現れた雷の帝王! 攻撃力は2800だが、それ以上に恐ろしい効果を持っている! 
「ザボルグのモンスター効果発動! アドバンス召喚時、モンスター1体を破壊する! そして、破壊したモンスターが光属性だった場合、互いにエクストラデッキよりカードを墓地へ送る! 我は、アルファを選択する!」
「アルスのモンスター効果、発動! 1ターンに1度、相手モンスター1体の効果と攻撃を封じる! フリージング・アロー!」
「無駄だ無駄だァッ! 手札より、速攻魔法『禁じられた聖杯』を発動! フィールドのモンスター1体の攻撃力を400アップさせる代わりに、効果を無効化する! アルスの効果を無効化し、代わりに攻撃力を400アップさせる!」(闇の王手札2→1)(闇の王墓地18→19)
「なにっ!?」
「ザボルグの効果は、問題なく適用される! アルファを破壊して、効果発動! 互いにエクストラデッキより、モンスターを墓地へ送る! 轟雷発破!」
ザボルグが落とした雷により、アルファは破壊されてしまう。更にそれだけではなく、エクストラのカードまでもが……! 
「アルファのレベルは8! よって、お前の残っている全てのエクストラを墓地へ送ってもらう!」
「そ、そんなっ!」(遊太墓地22→23)
遊太のディスクより、勝手に墓地へ送られてしまう『イクスロードナイト』達! 
「ぐわあっ!」
「うわあっ!」
その悲鳴を、遊太は聞いてしまった。
「み、皆……!」(遊太墓地23→31)
「バトルフェイズだ。ザボルグで、アルスを攻撃! 轟雷・裂傷!」
「ぐうううっ!」(遊太墓地31→32)
「そして、メビウスでジエスを攻撃! 氷結・列旋!」
「うううっ!」(遊太墓地32→33)
「そして最後に、ラグナログでダイレクトアタック! 神罰を受けよ、愚かな子供よ! 神祖・神撃!」
「流石に、4000の直撃を受ける訳には……! 罠カード発動! 『ブレイブメン・バリアー』! 相手の直接攻撃宣言時、ダメージを0にして、バトルフェイズを終了させる!」(遊太墓地33→34)
「無駄だ無駄だ無駄だァッ! 罠カード『トラップ・スタン』を発動! このターン、このカード以外の罠カードは無効化される!」(闇の王墓地19→20)
「そ、そんなっ!」
「今度こそ本当に沈むが良い! ラグナログのダイレクトアタックを受けよ!」
漆黒の体より、巨大なキャノン砲が出る。そこから放たれた極太レーザーが、遊太を直撃した! 
「うわあーーーっ!」(遊太ライフ4200→200)
城の中に響く悲鳴。それ程までの激痛が、彼を襲った。しかし、その悲鳴を聞くのは、敵である闇の王以外にはいなかった。
「あ……ああ……」
ラグナログの直撃を受け、全身傷だらけになった遊太。だが、闇の王は。
「フフフ、最後のトドメだ……! ラグナログが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手のライフを半分にする! 神祖・流生命!」
「うわあーーっ!」(遊太ライフ200→100)
ダメ押しを喰らわされ、遊太の体は、更に傷つく。それはもう、今自分が立っていることも認識できなくなる程に……。
「我は、これでターンエンドだ……!」

闇の王

ライフポイント900
手札枚数1枚
モンスター3体
『神帝ラグナログ』(攻撃表示・攻撃力4000・闇属性・レベル10)
『凍氷帝メビウス』(攻撃表示・攻撃力2800・水属性・レベル8)
『轟雷帝ザボルグ』(攻撃表示・攻撃力2800・光属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数20枚
除外されているカード4枚


17・遊太のターン

「僕の……」
遊太は、デッキからカードを引こうとした……。だが、手が動かない。それでも動かそうとした、でも手が動かない。
遊太は倒れてしまった……起き上がろうとするが、足も、手も、何もかもが動かなかった……。
(こ、こんな所で……! 折角皆が、託してくれたのに……! 菊姫、知多君、真薄君、アキラ君、カリンちゃん……、烏間さん、そしてロベルトさん……! 皆が僕に託してくれたのに、それなのに、僕は……!)
(僕は……!)
デッキに手を伸ばそうとした、だが手はやはり動かなかった……。次第に、遊太は意識が遠くなってきた……。
(ダメ、なのか……!)
遊太が再起不能になったことで、闇の王は。
「フハハハハハ! もう終わりの様だな! これで、我の勝ちが決定したのだ!」
城の中に、笑い声が響く。


一方その頃、菊姫、知多、真薄、カリン、アキラはというと。
「大丈夫かな、アイツ……!」
菊姫の心配は、的中してしまった。突如、カリンがビクッ! と立つ。
「ど、どうしたんですかカリンさん!」
「何かあったのかじゃん……!?」
「遊太君……!」
カリンは、そういうと黙って城を見つめた。


第五十三話。終わり。
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123 第四十四話「ヒーロー覚醒!?」 863 2 2018-10-14 -
199 第四十五話「血の刻印」 1022 2 2018-10-27 -
61 第四十六話「二つの竜」 769 2 2018-11-08 -
156 第四十七話「共鳴、そして目醒め」 950 2 2018-11-19 -
125 第四十八話「思わぬ敵」 866 2 2018-12-02 -
86 第四十九話「救いと絶望」 830 0 2018-12-09 -
137 第五十話「ロベルトを救う者」 894 0 2018-12-17 -
122 第五十一話「決戦! 闇の王と遊太」 887 0 2019-01-17 -
92 作者よりお知らせ 785 0 2019-01-27 -
70 第五十二話「突き抜ける意志」 722 0 2019-02-05 -
85 第五十三話「神帝現る」 867 0 2019-02-12 -
85 第五十四話「帝国の終焉」 741 0 2019-02-22 -
105 特別編『超次元! 世界を越えた絆』1 935 0 2019-03-07 -
131 特別編『超次元! 世界を越えた絆』2 827 0 2019-03-14 -
80 特別編『超次元! 世界を越えた絆』3 844 0 2019-03-22 -
70 第五十五話「休息の時」 745 0 2019-04-07 -
70 第五十六話「彼女との再会」 693 0 2019-04-20 -
90 第五十七話「マダムの危ない罠」 699 0 2019-05-01 -
60 第五十八話「ストアブレーカー」 689 0 2019-05-19 -
65 第五十九話「闇のカード」 778 0 2019-06-04 -
99 第六十話「変わり始める生活」 737 0 2019-07-18 -
55 第六十一話「ユイのデュエル」 663 0 2019-08-04 -
66 作者よりお知らせ2 655 0 2019-08-11 -
80 第六十二話「プラクサスの怪人」 667 0 2019-09-11 -
55 お詫びとお知らせ 447 0 2020-02-19 -
137 第六十三話「暴走! 怪人クロウリー」 664 0 2020-02-19 -
68 特別編『ブルーアイズVSブルーアイズ』 749 0 2020-02-22 -
74 第六十四話「闇に落ちる小鳥」 670 0 2020-03-22 -
62 第六十五話「鳥人を食う邪竜」 621 0 2020-04-18 -
77 第六十六話「ダークヒーロー!ヴェンデット 592 0 2020-05-09 -
74 第六十七話「堕ちたヒーロー」 610 0 2020-05-23 -
65 第六十八話「視える未来(ビジョン)」 775 0 2020-05-30 -
85 第六十九話「突入、アポカリプトのアジト」 696 0 2020-06-12 -
53 第七十話「登場! 世界チャンピオン!」 632 0 2020-06-14 -
51 第七十一話「デートじゃん!」 618 0 2020-06-27 -
67 第七十二話「不死者は少年を好く」 709 0 2020-06-28 -
56 第七十三話「最強デュエリストのいとこ」 606 0 2020-07-07 -
63 第七十四話「D1グランプリ、開催決定!」 572 0 2020-07-13 -
66 遊戯王EXS キャラ紹介その2 661 0 2020-07-13 -
65 特別編「VSサイコ・ショッカー!?」 549 0 2020-07-26 -
77 第七十五話「D1グランプリへの道しるべ」 628 0 2020-08-06 -
48 第七十六話「不死と再生、イモータル」 579 0 2020-08-15 -
47 第七十七話「雨が降れば蛙が鳴く」 505 0 2020-08-30 -
57 第七十八話「噴火寸前のヴォルケーノ」 612 0 2020-09-13 -
59 第七十九話「燃えろ遊太!」 531 0 2020-09-27 -
85 作者よりお知らせ3 528 0 2020-10-02 -
61 第八十話「燃えるデュエル!」 505 0 2020-10-18 -
63 特別編「乙女の対決、ブラマジガール!」 625 0 2020-11-05 -
59 第八十一話「高き壁」 574 0 2020-11-22 -
63 第八十二話「強き者」 604 0 2020-12-05 -
45 第八十三話「エキシビションマッチ」 571 0 2021-01-01 -
65 第八十四話「二次予選開始!」 636 0 2021-01-11 -
49 第八十五話「タッグメイクデュエル」 461 0 2021-02-20 -
55 第八十六話「タッグメイクデュエル②」 429 0 2021-04-04 -
57 第八十七話「タッグメイクデュエル③」 373 0 2021-04-25 -
55 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 493 0 2021-05-04 -
42 第八十九話「チーム結成!」 453 0 2021-05-08 -
50 第九十話「J4の実力 輝く竜の星」 382 0 2021-06-02 -
48 第九十一話「超弩級のパワー」 496 0 2021-06-12 -
60 第九十二話「空飛ぶケモノたち」 386 0 2021-07-08 -
56 第九十三話「雷と未来」 372 0 2021-07-18 -
57 第九十四話「大トリ、明石慎之介」 576 0 2021-09-04 -
43 作者からお知らせ4 353 0 2021-09-17 -
64 特別編「冥界の王(ファラオ)と決闘!?」 471 2 2021-10-17 -
46 第九十五話「最終予選1 友達VS友達」 408 0 2021-12-18 -
52 第九十六話「最終予選2 竜姫神と青眼」 406 0 2022-01-04 -
56 第九十七話『最終予選3 約束のために』 499 0 2022-01-10 -
51 第九十八話「最終予選4 VSJ4最強」 532 0 2022-02-01 -
37 第九十九話「異変」 416 0 2022-02-27 -
59 第百話「D1グランプリ、本戦開始!」 306 0 2022-04-09 -
64 第百一話「プロの実力」 371 0 2022-05-07 -
52 第百二話「デストーイ・デコレーション」 409 0 2022-06-04 -
33 第百三話「アマゾネスの首領」 314 0 2022-07-10 -
27 第百四話「プロ辞めます!」 306 0 2022-08-28 -
26 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 264 0 2022-10-16 -
34 第百六話「鉄屑と星屑」 462 0 2022-11-27 -

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