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第二十一話「対決! 遊太VS菊姫!」 作:イクス
第二十一話「対決! 遊太VS菊姫!」
二回戦、真薄とのデュエルに勝利した遊太は、両親……というか、父親に捕まっていた。
「まさか、二回戦まで勝っちゃうとはな。凄いよ、遊太! さすが、俺の息子だ!」
「もう、お父さんったら……結構ギリギリだったんだよ? 息子の苦労を何だと思っているんだか……」
「何を言っている! 息子の勝利が嬉しくない父親なんて、父親失格だ!」
「そ、そうはいっても、もうちょっと抑えてくれると助かるかなあ、なんて」
「そ、そんなこと言われても……この喜びを、現さない訳にはいかないから……」
「とにかく……さっきは観客席で色々騒いでないのは良かったから、この後もちゃんと静かに応援してね! じゃないと、家に帰ってもらうから!」
「あ……うん、わかった。静かにする。静かにするから……応援はさせてね?」
「うん、それでよし」
「もう、全くお父さんったら……」
息子になだめられる父親、それを見て苦笑いする母親。そして、遠巻きからそれを見る菊姫と知多、真薄。
「羨ましいですねえ、遊太君とお父さんお母さん、凄く仲の良い親子って感じがしますね」
「いいなあ、オレもお父さんお母さんに、俺のデュエルを見てもらいたいじゃん?」
「いや、アタシは見に来て欲しくねえな。なんてったって……お母さんが色々煩わしーし」
「そうですよ! アネゴ、家ではお母さんに『ヒメちゃん』って呼ばれているぐらいですから!」
「家のベッドに、『クリボー』のクッションをおいているぐらいのことを、バラされるかもしれないッス!」
と、取り巻き二人が口々に言ったことに対し、菊姫がゲンコツをかます。
「オイテメエら! なに人の恥ずかしい、人に知られたくないことをベラベラベラベラ喋りやがって! よりにもよって、真薄と知多の二人に! つーかテメエら、どっから湧いた!?」
「……『ヒメちゃん』って……お母さんからそう言われているなんて……っじゃん?」
「菊姫さんも、意外と可愛い趣味をお持ちの用で……」
「だーっ、よりにもよって、コイツらに~!」
そうして、菊姫たちの様子を見ていた遊太の両親はというと。
「いいねえ、遊太の友達って、いっつもこんな様子なのかい?」
「大体こんな感じかなあ、いっつもこんな感じだよ」
「遊太、良いわよねえ。こんな友達がいるから、こっちにいても寂しくないわね」
「うん、寂しくなんてないよ。ああいう皆がいるのって、実は凄く楽しかったりするんだよ」
「良いもんだ、全く……」
「ブルーアイズ、3枚は当然だ……だが、『魔のデッキ破壊ウイルス』も、入れるべき……?」
遊太達が父親や友人と戯れている間、アキラは一人、デッキに対して向かい合っていた。デッキの中にあるカードをひたすら確認し、デッキの修正を行っていた。その様子は、鬼気迫った様子であった。
そこに、ある人物が来ていることに、気づかずに。
「恐らくだが……今の俺のデッキじゃ、遊太の奴とほぼ互角程度……もっとデッキを強くしなければ、ダメだ。それこそ、奴に圧勝できる、圧倒的な力を持つデッキにしなければ……父さんとの、約束が……!」
「約束が、なんですって?」
「な……カリン!? お前、いつの間にそこにいた!? というか、どうして俺の所に来た!?」
「いえ、ちょっとした興味ですよ。先程、遊太君とお父さんお母さんが戯れている姿を見て、羨ましそうな目をしていたのも見ていました」
「……何故、見ていた」
「やっぱり、お父さんと何かあったのでしょう? お父さんが病気で倒れてから……あなたは変わってしまった。お父さんはもう……大丈夫でしょうに」
「いいや、俺は父さんと約束をした。今更後には引けねえ。俺はこの大会を征し、それを手土産に父さんの元へ行く。そして……デュエルを……」
「やめるのですか?」
「……お前には関係ない」
そう言い残し、その場を立ち去ろうとしても、カリンはアキラの肩に手を乗せ、引き止める。
「あなたは……本当にそれで良いと思っているのですか? そして、お父さんもそんなことで喜ぶと思っているのでしょうか?」
「黙れ、俺は決めたんだ。今は……これが俺のやることだ。だからこそ、俺はこの大会を征する。じゃあな」
カリンが引き止めるのも構わず、アキラは走り去ってしまった。一人残されたカリンは、その場で呟く。
「やはり、アキラ君をしがらみから解放してくれる人は、彼なのでしょうね。私なんかではなく……六道、遊太君が」
さて、時は移り。二回戦を突破し、見事三回戦へと辿り着いた遊太。そうして、次の対戦相手である榊原夏鈴とデュエルを始めることになった……のだが。
「ええっ!? ウソでしょお!?」
「ええ、私はこの三回戦、遊太君とのデュエルは棄権します」
「ウソおぉい!?」
三回戦、カリンとデュエルするはずだった遊太なのだが、なんと突然、カリンはこのデュエルを棄権すると言い出したのだ。それは余りにも突然過ぎて、遊太は理解不能だった。
「え……なんで棄権しちゃうの? そ、そりゃあカリンちゃんにはAブロックで勝っているけど……」
「いいえ、そんな陳腐なことではありませんわ。これは、私のデュエルではないのですもの」
「……どういうこと?」
「あなたに、大事な話があるのです。では遊太君、後で控室に来てくださいね。待っていますから。それでは……審判さん、改めて言います。私はこの三回戦、六道遊太選手とのデュエルを、棄権することにします」
「あ、はい。わかりました。三回戦第一試合、六道遊太選手対榊原夏鈴選手のデュエルは、榊原選手の棄権により、六道遊太選手の不戦勝です!」
観客席から、「えーっ」といった不満の声が流れるが、カリンはそんなこと、全く意に介していなかった。そして、遊太に告げる。
「遊太君……後でね」
「あ、うん」
そうして、デュエルをせずに準決勝へと進んだのであった。
そして、その後。遊太は構ってほしい父親をなんとか振り切りつつ、カリンの所へとやってきたのであった。
「カリンちゃん、大事な話って一体何?」
「ええ、アキラ君のことについて、話しがあるのです」
「アキラ君? それはまあ、この大会を順調に勝ち上がっているデュエリストだし……あ、でもなんか追い詰められているような感じがしたなあ」
「やはり、遊太君も感じていましたか。アキラ君の、物憂いを」
「物憂い? あの追い詰められよう、一体アキラ君に何があったって言うんだい?」
「その話は……少し長くなりますが、良いですか?」
「うん、何も知らないよりは、知った方がずっといい」
「……そうですか、では、そもそもの事から話しましょう」
カリンは遊太に背を向け、独り言でも喋るかのように、話を始めた。
「実は私、榊原財閥という財閥の娘なんです。そしてアキラ君は、ICPという会社の社長の息子さんなんですわ」
「ええっ、初耳だなあ」
「まあ、ここに引っ越して来たばかりの遊太君には、わからないことかもしれませんが……この二つの企業は、このプラクサスシティでは有名な企業なんですよ」
「そうなの?」
「そうなのです。ですが、ついこの間、アキラ君のお父さんが、病気で倒れてしまったのです」
「ええっ、まさか……」
「大丈夫です、そんなに心配しなくても。そりゃあ入院こそしましたけど、大丈夫でした」
「そうなの? 良かったあ……」
「でも、アキラ君には相当応えたようでして……その時からでしょうか、アキラ君があんなになったのは」
「……」
「自分が好き放題やっていたら、お父さんが倒れた時、会社のためにならないかもしれない。そう思ったのでしょうね」
「ああ……そうなんだ。だから……」
「ええ、それは……かなり応えたのです。それ以来、アキラ君はこの大会だけを目指して、デュエルをやってきたみたいなのです」
「……」
「遊太君、最初アキラ君のデュエルを見た見た時、彼の持っていた『青眼の白龍』に、何かを感じていましたよね?」
「うん」
「では、さっきのAブロック決勝でのデュエルでは? 何か……ブルーアイズに何かを感じましたか?」
「……いや、特に何も」
「……やはりですね、今の『青眼の白龍』は、声を出していないようですわね」
「ああ、精霊の話? 全然聞こえていなかったけれど……それがどうかしたの?」
「実はね、ロベルトさんが言っているのですわ。遊太君、あなたがロベルトさんに求められている『良いデュエル』というのは、どうやらアキラ君とのデュエルで決着がつきそうだと、ロベルトさんが言っていました」
「そ、そうなの? でも……今のアキラ君には……」
「声は届かない。そう思っておいでなのですか?」
「ああ……うん」
「けれど……あなたなら、きっとできると思います。デュエルの楽しさを最大限理解している、遊太君なら……!」
「……本当に?」
「ええ、ロベルトさんも太鼓判を押していました」
「…………」
「私の話はこれまでです、後は……遊太君の頑張り次第ですね」
「頑張り次第って……結構酷だなあ、次の対戦相手は恐らく、結構やり手の菊姫だと思うのに……」
「けれど、おそらく遊太君なら大丈夫だと思いますよ。さっきも言いましたけど、遊太さんなら問題無いって、ロベルトさんも太鼓判を押していましたし」
「あ……そ」
「さて、頑張ってくださいね、遊太君。ロベルトさんも、影ながら応援しているって言いましたし」
「そうなのか……わかった。ロベルトさんと約束したこと、なんで僕に『ロードナイト』を渡したのか、その辺ちゃんと聞きたいしね」
「でも、目的があるにしても……一戦一戦強敵たちとデュエルをするのは、凄く楽しいよ。知多君にしろ、真薄君にしろ、デュエルは楽しくていいものなんだって……理解している次第だよ」
「……その分では、問題ないようですわね。それでは、私はこれで失礼いたします。次のデュエル……頑張ってくださいね」
「わかった、頑張るよ」
そう言い残して、カリンは去っていった。残された遊太も、決意に燃えていた。
「うん、カリンちゃんのその様子だと、どうやらアキラ君とは意地でも戦わなきゃいけないみたいだねえ。ロベルトさんとの約束の為にも……」
そして、三回戦を終えた遊太達。(といっても、遊太は相手の棄権による不戦勝だが)遂に準決勝を迎えた。そして、遂に来た準決勝はというと。
「遂に……準決勝。そして、対戦相手は……!」
スクリーンに映っていたのは、いつも見慣れた、良く知る名前であった。
「一条寺菊姫。まーさか本当に、準決勝まで上がってくるなんてなあ。まあいいや、菊姫とデュエルするのはあれ以来だからなあ。流石に、あれからパワーアップしているんだろう。楽しみだなあ」
「さて、行くか」
デュエルリングへと急ぐ遊太。そして、リングで待ち受けていたのは案の定。
「よう、遅かったな遊太」
「菊姫! 予想通り準決勝まで上がって来たね!」
「ああ、この大会、アキラを目標にしてきたは良いが、それよりも今は果たさなきゃいけない目標が出来てしまったからな、ここまで上がって来た訳よ」
「その目標って?」
「ああ、お前だよ」
「お前……って、僕ゥ!? なんで僕が目標にィ!?」
「目標というか……今徹底的にぶちのめしたいと思っている相手だからだ、お前は」
「ぶ、ぶちのめしたい!?」
「思えば、お前と出会ったのは、丁度今から三週間くらい前の話だ、最初こそカモって思ってはいたが……」
「カモって……僕のことそう見てたの?」
「甘く見た結果、お前に惨敗を喰らった訳だ。そして、その時のお前を見て……以前無くしたものを思い出したみたいだしな」
「無くしたもの? それってなあに?」
「それは、今は言えねえなあ。取りあえず今はデュエルだ。悪いが今のアタシを、あの時のアタシと一緒にするんじゃあねえぞ。あの時から、アタシのデッキは大きく強化されたんだ。あの時みたく、アタシを倒せると思ったら、大間違いだぞ! お前のデッキを、しっかり研究して、それに見合うカードも入れたからな」
「もちろんさ、あの時勝てたのは、ほぼ運みたいなものだったからさ、だから……今度も全力で行くよ!」
「ヘン、そんなの当たり前さ。あの時の借りを返す為に……アタシは遊太、お前に挑戦するぜ!」
「こっちも、目標があるんだ。そのために、僕は菊姫に勝つぞ!」
「んじゃ、行くか」
二人はデュエルリングに上がり、お互いに向かい合ってデュエルの準備をする。そして、審判が宣言をする。
「ただいまより、準決勝第一試合、六道遊太選手対一条寺菊姫選手のデュエルを、始めたいと思います!」
「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」
「デュエル!」
「先攻は、一条寺菊姫選手です!」
1・菊姫のターン
「アタシのターン!」
デッキから5枚ドローして、手札を見る菊姫。すると、手札にあるカードを発見する。
(こ、これは……! このカードは、確かにアタシが遊太の対策として入れたカード……! このカードが初手で来るとはな……ひょっとしたらこのデュエル、アタシに勝てって言っているのかな……? じゃあ、勝ってやるか!)
「アタシは、カードを2枚伏せる。そして、手札から『古代の機械飛竜』を、攻撃表示で召喚する!」(菊姫手札5→2)
現れたのは、いかにも古めかしい機械のワイバーン。攻撃力は1700。
「そして、飛竜のモンスター効果発動! このモンスターが召喚・特殊召喚された時、デッキから『アンティーク・ギア』カードを手札に加えられる。アタシはデッキより、『古代の機械採掘機』を手札に加える」(菊姫手札2→3)
「アタシは、これでターンエンド」
(さあ、来な遊太……このカードで、お前のデッキは半壊だぜ……?)
菊姫
ライフポイント8000
手札枚数3枚
モンスター1体
『古代の機械飛竜』(攻撃表示・攻撃力1700・レベル4・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数0枚
除外されているカード0枚
2・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札5→6)
「魔法カード『英雄騎士の人員整理』を発動! 手札から『ロードナイト』を任意の数だけ捨てて、その捨てた数+1枚ドローする。僕は『ロードナイト・ビーク』と『ロードナイト・スラッシュ』を捨てて、3枚ドローする!」(遊太墓地0→3)
「そして、ビークのモンスター効果、自分フィールドにモンスターがいない時、墓地から特殊召喚できる! ビークを特殊召喚!」(遊太墓地3→2)
菊姫はこれを見て、これからの予測をする。
(やはり、特殊召喚……そして、特殊召喚されたら……絶対にやる!)
「僕は、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』1体をリリースして、エクストラデッキから『イクスロードナイト』を特殊召喚する! 僕はビークを……」
「……やはり、来た。そのカードが、お前のデッキのキーカードだ! そのカードを封じれば……アタシは一気に勝ちに近づくぜ!」
「な、何を……!?」
「確かにそりゃあ、お前のデッキは強いが……ちゃんとデッキを研究すれば、ちゃんと勝てる! これが、お前のデッキに対する死刑宣告のカードだ!」
「カウンター罠『封魔の呪印』! 手札の魔法カード、『古代の採掘機』をコストに、魔法カードの発動を無効にして、破壊する!」(菊姫手札3→2)(菊姫墓地0→2)
「な、何!?」(遊太手札6→5)(遊太墓地2→3)
「更に、この効果がこのカードの真髄だ。このカードで無効にされた魔法カードは、このデュエルで二度と使用することはできないんだぜ!」
「な、なんだって!? ということは……『封魔の呪印』で無効にされた、僕の『英雄騎士への覚醒』は……!」
「そういうこと、このデュエル中、使用することはできなくなった。お前がキーカードとしている『英雄騎士への覚醒』は、お前の強力なモンスターである『イクスロードナイト』を呼び出す為に必要なカードだからな。それを封じてしまえば、大分お前のデッキの動きは制限されるからな」
「くっ……僕は……モンスターを1体セット。そしてカードを2枚伏せて、ターンエンド」(遊太手札5→2)
遊太
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター2体
『ロードナイト・ビーク』(攻撃表示・攻撃力1200・レベル2・闇属性)
(裏守備表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚
3・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札2→3)
(……ここでこのカード引いちゃう!? マジで今日のアタシ、何か持っているんじゃねえの!?)
「アタシは手札より、フィールド魔法『歯車街』を発動させる!」(菊姫手札3→2)
突如、菊姫のフィールドが歯車と鋼鉄で包まれた町になる。これはまるで、『古代の機械』達の為だけにある町である。
「このフィールドは、『古代の機械』モンスターのリリースを1体少なくさせる効果を持つ! つまり、2体のリリースが必要な『古代の機械巨人』を、1体のリリースで召喚できるのさ!」
「ということは、ここで出すのか!?」
「ああ、もちろんだ。アタシは『古代の機械飛竜』をリリースして、『古代の機械巨人』を、アドバンス召喚する!」(菊姫手札2→1)(菊姫墓地0→1)
アドバンス召喚によって現れたのは、菊姫が最も愛するエースモンスター。攻撃力は3000と、非情に高い。しかも、それだけではない。
「行くよ、アタシは『古代の機械巨人』で、ビークを攻撃! アルティメット・パウンド! その前に、『古代の機械巨人』の効果。このモンスターが攻撃する時、相手は魔法・罠を発動できない! つまり、伏せてあるそのカードは使えない!」
「くっ……自身の効果で特殊召喚されたモンスターは、フィールドを離れた時除外される……」(遊太ライフ8000→6200)(遊太除外0→1)
「これで、アタシはターンエンド。どうだい? 考えつくされたアタシの戦術は? 悪いけど、今回ばかりは勝たせてもらうぜ、あの時やられた……あの屈辱を返させてもらうよ!」
「……これは、キツイことになったなあ……!」
菊姫
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター1体
『古代の機械巨人』(攻撃表示・攻撃力3000・レベル8・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数1枚
除外されているカード0枚
開始早々、キーカードを封じられて窮地に立たされた遊太。不安がる観客席の知多と真薄。そして遊太の父親。
「いきなり……ピンチに立たされてしまいましたね」
「ああ、アレをやられちゃあ、流石の遊太だって……」
「な、なあ知多君。大丈夫だよな? うちの遊太が、このまま負けてしまうなんてことは、ないよな?」
「幸市さん、そりゃあ俺だって心配じゃん。けれど、今はじっくり見守ろうぜ、遊太の父親なら、多少のピンチには動じないもの……じゃん?」
「知多さん、そんなこと言っても不安なもんは不安なんですね」
「じゃ~ん……」
こんな風に、悪いムードが漂っている三人に対し、遊太の母親は慌てず騒がずの姿勢を見せている。逆に、菊姫の取り巻き、岩ノ井と鏡山はというと。
「流石アネゴッス~!」
「このまま一気に勝利ですよ~!」
と言った具合に、盛り上がっているのであった。
第二十話。終わり。
二回戦、真薄とのデュエルに勝利した遊太は、両親……というか、父親に捕まっていた。
「まさか、二回戦まで勝っちゃうとはな。凄いよ、遊太! さすが、俺の息子だ!」
「もう、お父さんったら……結構ギリギリだったんだよ? 息子の苦労を何だと思っているんだか……」
「何を言っている! 息子の勝利が嬉しくない父親なんて、父親失格だ!」
「そ、そうはいっても、もうちょっと抑えてくれると助かるかなあ、なんて」
「そ、そんなこと言われても……この喜びを、現さない訳にはいかないから……」
「とにかく……さっきは観客席で色々騒いでないのは良かったから、この後もちゃんと静かに応援してね! じゃないと、家に帰ってもらうから!」
「あ……うん、わかった。静かにする。静かにするから……応援はさせてね?」
「うん、それでよし」
「もう、全くお父さんったら……」
息子になだめられる父親、それを見て苦笑いする母親。そして、遠巻きからそれを見る菊姫と知多、真薄。
「羨ましいですねえ、遊太君とお父さんお母さん、凄く仲の良い親子って感じがしますね」
「いいなあ、オレもお父さんお母さんに、俺のデュエルを見てもらいたいじゃん?」
「いや、アタシは見に来て欲しくねえな。なんてったって……お母さんが色々煩わしーし」
「そうですよ! アネゴ、家ではお母さんに『ヒメちゃん』って呼ばれているぐらいですから!」
「家のベッドに、『クリボー』のクッションをおいているぐらいのことを、バラされるかもしれないッス!」
と、取り巻き二人が口々に言ったことに対し、菊姫がゲンコツをかます。
「オイテメエら! なに人の恥ずかしい、人に知られたくないことをベラベラベラベラ喋りやがって! よりにもよって、真薄と知多の二人に! つーかテメエら、どっから湧いた!?」
「……『ヒメちゃん』って……お母さんからそう言われているなんて……っじゃん?」
「菊姫さんも、意外と可愛い趣味をお持ちの用で……」
「だーっ、よりにもよって、コイツらに~!」
そうして、菊姫たちの様子を見ていた遊太の両親はというと。
「いいねえ、遊太の友達って、いっつもこんな様子なのかい?」
「大体こんな感じかなあ、いっつもこんな感じだよ」
「遊太、良いわよねえ。こんな友達がいるから、こっちにいても寂しくないわね」
「うん、寂しくなんてないよ。ああいう皆がいるのって、実は凄く楽しかったりするんだよ」
「良いもんだ、全く……」
「ブルーアイズ、3枚は当然だ……だが、『魔のデッキ破壊ウイルス』も、入れるべき……?」
遊太達が父親や友人と戯れている間、アキラは一人、デッキに対して向かい合っていた。デッキの中にあるカードをひたすら確認し、デッキの修正を行っていた。その様子は、鬼気迫った様子であった。
そこに、ある人物が来ていることに、気づかずに。
「恐らくだが……今の俺のデッキじゃ、遊太の奴とほぼ互角程度……もっとデッキを強くしなければ、ダメだ。それこそ、奴に圧勝できる、圧倒的な力を持つデッキにしなければ……父さんとの、約束が……!」
「約束が、なんですって?」
「な……カリン!? お前、いつの間にそこにいた!? というか、どうして俺の所に来た!?」
「いえ、ちょっとした興味ですよ。先程、遊太君とお父さんお母さんが戯れている姿を見て、羨ましそうな目をしていたのも見ていました」
「……何故、見ていた」
「やっぱり、お父さんと何かあったのでしょう? お父さんが病気で倒れてから……あなたは変わってしまった。お父さんはもう……大丈夫でしょうに」
「いいや、俺は父さんと約束をした。今更後には引けねえ。俺はこの大会を征し、それを手土産に父さんの元へ行く。そして……デュエルを……」
「やめるのですか?」
「……お前には関係ない」
そう言い残し、その場を立ち去ろうとしても、カリンはアキラの肩に手を乗せ、引き止める。
「あなたは……本当にそれで良いと思っているのですか? そして、お父さんもそんなことで喜ぶと思っているのでしょうか?」
「黙れ、俺は決めたんだ。今は……これが俺のやることだ。だからこそ、俺はこの大会を征する。じゃあな」
カリンが引き止めるのも構わず、アキラは走り去ってしまった。一人残されたカリンは、その場で呟く。
「やはり、アキラ君をしがらみから解放してくれる人は、彼なのでしょうね。私なんかではなく……六道、遊太君が」
さて、時は移り。二回戦を突破し、見事三回戦へと辿り着いた遊太。そうして、次の対戦相手である榊原夏鈴とデュエルを始めることになった……のだが。
「ええっ!? ウソでしょお!?」
「ええ、私はこの三回戦、遊太君とのデュエルは棄権します」
「ウソおぉい!?」
三回戦、カリンとデュエルするはずだった遊太なのだが、なんと突然、カリンはこのデュエルを棄権すると言い出したのだ。それは余りにも突然過ぎて、遊太は理解不能だった。
「え……なんで棄権しちゃうの? そ、そりゃあカリンちゃんにはAブロックで勝っているけど……」
「いいえ、そんな陳腐なことではありませんわ。これは、私のデュエルではないのですもの」
「……どういうこと?」
「あなたに、大事な話があるのです。では遊太君、後で控室に来てくださいね。待っていますから。それでは……審判さん、改めて言います。私はこの三回戦、六道遊太選手とのデュエルを、棄権することにします」
「あ、はい。わかりました。三回戦第一試合、六道遊太選手対榊原夏鈴選手のデュエルは、榊原選手の棄権により、六道遊太選手の不戦勝です!」
観客席から、「えーっ」といった不満の声が流れるが、カリンはそんなこと、全く意に介していなかった。そして、遊太に告げる。
「遊太君……後でね」
「あ、うん」
そうして、デュエルをせずに準決勝へと進んだのであった。
そして、その後。遊太は構ってほしい父親をなんとか振り切りつつ、カリンの所へとやってきたのであった。
「カリンちゃん、大事な話って一体何?」
「ええ、アキラ君のことについて、話しがあるのです」
「アキラ君? それはまあ、この大会を順調に勝ち上がっているデュエリストだし……あ、でもなんか追い詰められているような感じがしたなあ」
「やはり、遊太君も感じていましたか。アキラ君の、物憂いを」
「物憂い? あの追い詰められよう、一体アキラ君に何があったって言うんだい?」
「その話は……少し長くなりますが、良いですか?」
「うん、何も知らないよりは、知った方がずっといい」
「……そうですか、では、そもそもの事から話しましょう」
カリンは遊太に背を向け、独り言でも喋るかのように、話を始めた。
「実は私、榊原財閥という財閥の娘なんです。そしてアキラ君は、ICPという会社の社長の息子さんなんですわ」
「ええっ、初耳だなあ」
「まあ、ここに引っ越して来たばかりの遊太君には、わからないことかもしれませんが……この二つの企業は、このプラクサスシティでは有名な企業なんですよ」
「そうなの?」
「そうなのです。ですが、ついこの間、アキラ君のお父さんが、病気で倒れてしまったのです」
「ええっ、まさか……」
「大丈夫です、そんなに心配しなくても。そりゃあ入院こそしましたけど、大丈夫でした」
「そうなの? 良かったあ……」
「でも、アキラ君には相当応えたようでして……その時からでしょうか、アキラ君があんなになったのは」
「……」
「自分が好き放題やっていたら、お父さんが倒れた時、会社のためにならないかもしれない。そう思ったのでしょうね」
「ああ……そうなんだ。だから……」
「ええ、それは……かなり応えたのです。それ以来、アキラ君はこの大会だけを目指して、デュエルをやってきたみたいなのです」
「……」
「遊太君、最初アキラ君のデュエルを見た見た時、彼の持っていた『青眼の白龍』に、何かを感じていましたよね?」
「うん」
「では、さっきのAブロック決勝でのデュエルでは? 何か……ブルーアイズに何かを感じましたか?」
「……いや、特に何も」
「……やはりですね、今の『青眼の白龍』は、声を出していないようですわね」
「ああ、精霊の話? 全然聞こえていなかったけれど……それがどうかしたの?」
「実はね、ロベルトさんが言っているのですわ。遊太君、あなたがロベルトさんに求められている『良いデュエル』というのは、どうやらアキラ君とのデュエルで決着がつきそうだと、ロベルトさんが言っていました」
「そ、そうなの? でも……今のアキラ君には……」
「声は届かない。そう思っておいでなのですか?」
「ああ……うん」
「けれど……あなたなら、きっとできると思います。デュエルの楽しさを最大限理解している、遊太君なら……!」
「……本当に?」
「ええ、ロベルトさんも太鼓判を押していました」
「…………」
「私の話はこれまでです、後は……遊太君の頑張り次第ですね」
「頑張り次第って……結構酷だなあ、次の対戦相手は恐らく、結構やり手の菊姫だと思うのに……」
「けれど、おそらく遊太君なら大丈夫だと思いますよ。さっきも言いましたけど、遊太さんなら問題無いって、ロベルトさんも太鼓判を押していましたし」
「あ……そ」
「さて、頑張ってくださいね、遊太君。ロベルトさんも、影ながら応援しているって言いましたし」
「そうなのか……わかった。ロベルトさんと約束したこと、なんで僕に『ロードナイト』を渡したのか、その辺ちゃんと聞きたいしね」
「でも、目的があるにしても……一戦一戦強敵たちとデュエルをするのは、凄く楽しいよ。知多君にしろ、真薄君にしろ、デュエルは楽しくていいものなんだって……理解している次第だよ」
「……その分では、問題ないようですわね。それでは、私はこれで失礼いたします。次のデュエル……頑張ってくださいね」
「わかった、頑張るよ」
そう言い残して、カリンは去っていった。残された遊太も、決意に燃えていた。
「うん、カリンちゃんのその様子だと、どうやらアキラ君とは意地でも戦わなきゃいけないみたいだねえ。ロベルトさんとの約束の為にも……」
そして、三回戦を終えた遊太達。(といっても、遊太は相手の棄権による不戦勝だが)遂に準決勝を迎えた。そして、遂に来た準決勝はというと。
「遂に……準決勝。そして、対戦相手は……!」
スクリーンに映っていたのは、いつも見慣れた、良く知る名前であった。
「一条寺菊姫。まーさか本当に、準決勝まで上がってくるなんてなあ。まあいいや、菊姫とデュエルするのはあれ以来だからなあ。流石に、あれからパワーアップしているんだろう。楽しみだなあ」
「さて、行くか」
デュエルリングへと急ぐ遊太。そして、リングで待ち受けていたのは案の定。
「よう、遅かったな遊太」
「菊姫! 予想通り準決勝まで上がって来たね!」
「ああ、この大会、アキラを目標にしてきたは良いが、それよりも今は果たさなきゃいけない目標が出来てしまったからな、ここまで上がって来た訳よ」
「その目標って?」
「ああ、お前だよ」
「お前……って、僕ゥ!? なんで僕が目標にィ!?」
「目標というか……今徹底的にぶちのめしたいと思っている相手だからだ、お前は」
「ぶ、ぶちのめしたい!?」
「思えば、お前と出会ったのは、丁度今から三週間くらい前の話だ、最初こそカモって思ってはいたが……」
「カモって……僕のことそう見てたの?」
「甘く見た結果、お前に惨敗を喰らった訳だ。そして、その時のお前を見て……以前無くしたものを思い出したみたいだしな」
「無くしたもの? それってなあに?」
「それは、今は言えねえなあ。取りあえず今はデュエルだ。悪いが今のアタシを、あの時のアタシと一緒にするんじゃあねえぞ。あの時から、アタシのデッキは大きく強化されたんだ。あの時みたく、アタシを倒せると思ったら、大間違いだぞ! お前のデッキを、しっかり研究して、それに見合うカードも入れたからな」
「もちろんさ、あの時勝てたのは、ほぼ運みたいなものだったからさ、だから……今度も全力で行くよ!」
「ヘン、そんなの当たり前さ。あの時の借りを返す為に……アタシは遊太、お前に挑戦するぜ!」
「こっちも、目標があるんだ。そのために、僕は菊姫に勝つぞ!」
「んじゃ、行くか」
二人はデュエルリングに上がり、お互いに向かい合ってデュエルの準備をする。そして、審判が宣言をする。
「ただいまより、準決勝第一試合、六道遊太選手対一条寺菊姫選手のデュエルを、始めたいと思います!」
「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」
「デュエル!」
「先攻は、一条寺菊姫選手です!」
1・菊姫のターン
「アタシのターン!」
デッキから5枚ドローして、手札を見る菊姫。すると、手札にあるカードを発見する。
(こ、これは……! このカードは、確かにアタシが遊太の対策として入れたカード……! このカードが初手で来るとはな……ひょっとしたらこのデュエル、アタシに勝てって言っているのかな……? じゃあ、勝ってやるか!)
「アタシは、カードを2枚伏せる。そして、手札から『古代の機械飛竜』を、攻撃表示で召喚する!」(菊姫手札5→2)
現れたのは、いかにも古めかしい機械のワイバーン。攻撃力は1700。
「そして、飛竜のモンスター効果発動! このモンスターが召喚・特殊召喚された時、デッキから『アンティーク・ギア』カードを手札に加えられる。アタシはデッキより、『古代の機械採掘機』を手札に加える」(菊姫手札2→3)
「アタシは、これでターンエンド」
(さあ、来な遊太……このカードで、お前のデッキは半壊だぜ……?)
菊姫
ライフポイント8000
手札枚数3枚
モンスター1体
『古代の機械飛竜』(攻撃表示・攻撃力1700・レベル4・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数0枚
除外されているカード0枚
2・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札5→6)
「魔法カード『英雄騎士の人員整理』を発動! 手札から『ロードナイト』を任意の数だけ捨てて、その捨てた数+1枚ドローする。僕は『ロードナイト・ビーク』と『ロードナイト・スラッシュ』を捨てて、3枚ドローする!」(遊太墓地0→3)
「そして、ビークのモンスター効果、自分フィールドにモンスターがいない時、墓地から特殊召喚できる! ビークを特殊召喚!」(遊太墓地3→2)
菊姫はこれを見て、これからの予測をする。
(やはり、特殊召喚……そして、特殊召喚されたら……絶対にやる!)
「僕は、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』1体をリリースして、エクストラデッキから『イクスロードナイト』を特殊召喚する! 僕はビークを……」
「……やはり、来た。そのカードが、お前のデッキのキーカードだ! そのカードを封じれば……アタシは一気に勝ちに近づくぜ!」
「な、何を……!?」
「確かにそりゃあ、お前のデッキは強いが……ちゃんとデッキを研究すれば、ちゃんと勝てる! これが、お前のデッキに対する死刑宣告のカードだ!」
「カウンター罠『封魔の呪印』! 手札の魔法カード、『古代の採掘機』をコストに、魔法カードの発動を無効にして、破壊する!」(菊姫手札3→2)(菊姫墓地0→2)
「な、何!?」(遊太手札6→5)(遊太墓地2→3)
「更に、この効果がこのカードの真髄だ。このカードで無効にされた魔法カードは、このデュエルで二度と使用することはできないんだぜ!」
「な、なんだって!? ということは……『封魔の呪印』で無効にされた、僕の『英雄騎士への覚醒』は……!」
「そういうこと、このデュエル中、使用することはできなくなった。お前がキーカードとしている『英雄騎士への覚醒』は、お前の強力なモンスターである『イクスロードナイト』を呼び出す為に必要なカードだからな。それを封じてしまえば、大分お前のデッキの動きは制限されるからな」
「くっ……僕は……モンスターを1体セット。そしてカードを2枚伏せて、ターンエンド」(遊太手札5→2)
遊太
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター2体
『ロードナイト・ビーク』(攻撃表示・攻撃力1200・レベル2・闇属性)
(裏守備表示)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚
3・菊姫のターン
「アタシのターン、ドロー!」(菊姫手札2→3)
(……ここでこのカード引いちゃう!? マジで今日のアタシ、何か持っているんじゃねえの!?)
「アタシは手札より、フィールド魔法『歯車街』を発動させる!」(菊姫手札3→2)
突如、菊姫のフィールドが歯車と鋼鉄で包まれた町になる。これはまるで、『古代の機械』達の為だけにある町である。
「このフィールドは、『古代の機械』モンスターのリリースを1体少なくさせる効果を持つ! つまり、2体のリリースが必要な『古代の機械巨人』を、1体のリリースで召喚できるのさ!」
「ということは、ここで出すのか!?」
「ああ、もちろんだ。アタシは『古代の機械飛竜』をリリースして、『古代の機械巨人』を、アドバンス召喚する!」(菊姫手札2→1)(菊姫墓地0→1)
アドバンス召喚によって現れたのは、菊姫が最も愛するエースモンスター。攻撃力は3000と、非情に高い。しかも、それだけではない。
「行くよ、アタシは『古代の機械巨人』で、ビークを攻撃! アルティメット・パウンド! その前に、『古代の機械巨人』の効果。このモンスターが攻撃する時、相手は魔法・罠を発動できない! つまり、伏せてあるそのカードは使えない!」
「くっ……自身の効果で特殊召喚されたモンスターは、フィールドを離れた時除外される……」(遊太ライフ8000→6200)(遊太除外0→1)
「これで、アタシはターンエンド。どうだい? 考えつくされたアタシの戦術は? 悪いけど、今回ばかりは勝たせてもらうぜ、あの時やられた……あの屈辱を返させてもらうよ!」
「……これは、キツイことになったなあ……!」
菊姫
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター1体
『古代の機械巨人』(攻撃表示・攻撃力3000・レベル8・地属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『歯車街』(フィールド魔法)
墓地の枚数1枚
除外されているカード0枚
開始早々、キーカードを封じられて窮地に立たされた遊太。不安がる観客席の知多と真薄。そして遊太の父親。
「いきなり……ピンチに立たされてしまいましたね」
「ああ、アレをやられちゃあ、流石の遊太だって……」
「な、なあ知多君。大丈夫だよな? うちの遊太が、このまま負けてしまうなんてことは、ないよな?」
「幸市さん、そりゃあ俺だって心配じゃん。けれど、今はじっくり見守ろうぜ、遊太の父親なら、多少のピンチには動じないもの……じゃん?」
「知多さん、そんなこと言っても不安なもんは不安なんですね」
「じゃ~ん……」
こんな風に、悪いムードが漂っている三人に対し、遊太の母親は慌てず騒がずの姿勢を見せている。逆に、菊姫の取り巻き、岩ノ井と鏡山はというと。
「流石アネゴッス~!」
「このまま一気に勝利ですよ~!」
と言った具合に、盛り上がっているのであった。
第二十話。終わり。
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127 | プロローグ「出会いは突然に」 | 1894 | 3 | 2018-01-27 | - | |
176 | 第一話「六道遊太、デュエルと出会う」 | 1533 | 1 | 2018-01-28 | - | |
101 | 第二話「六道遊太、デュエルスタンバイ!」 | 1411 | 3 | 2018-01-30 | - | |
147 | 第三話「ロードナイトVSC・HERO」 | 1230 | 1 | 2018-02-05 | - | |
83 | 第四話「大会にて」 | 1022 | 1 | 2018-02-11 | - | |
136 | 第五話「カリンとカードの精霊の話」 | 1139 | 1 | 2018-02-14 | - | |
124 | 第六話「戦いの幕開け」 | 1044 | 1 | 2018-02-18 | - | |
220 | 第七話「大鴉の特訓」 | 1136 | 1 | 2018-02-22 | - | |
89 | 第八話「知多泉、デュエルスタンバイ!」 | 1001 | 0 | 2018-02-25 | - | |
183 | 第九話「儀式降臨のサフィラ」 | 1058 | 0 | 2018-03-02 | - | |
96 | 第十話「驚きの予選会」 | 1163 | 1 | 2018-03-05 | - | |
84 | 第十一話「ペンデュラムと、英雄騎士達」 | 1196 | 2 | 2018-03-10 | - | |
94 | 第十二話「プラクサス大会スタート!」 | 1062 | 0 | 2018-03-13 | - | |
156 | 第十三話「恐怖のロックバーン」 | 1159 | 2 | 2018-03-17 | - | |
174 | 第十四話「カリンとサフィラ」 | 1028 | 0 | 2018-03-24 | - | |
154 | 第十五話「アキラ君の思い」 | 1182 | 2 | 2018-03-29 | - | |
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143 | 第十八話「知多と遊太」 | 981 | 0 | 2018-04-13 | - | |
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151 | 第二十一話「対決! 遊太VS菊姫!」 | 1133 | 2 | 2018-04-25 | - | |
134 | 第二十二話「菊姫の切り札」 | 978 | 2 | 2018-04-29 | - | |
107 | 第二十三話「覚醒を封じられた先に……!」 | 999 | 2 | 2018-05-09 | - | |
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170 | 第四十七話「共鳴、そして目醒め」 | 1019 | 2 | 2018-11-19 | - | |
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69 | お詫びとお知らせ | 493 | 0 | 2020-02-19 | - | |
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67 | 第八十一話「高き壁」 | 664 | 0 | 2020-11-22 | - | |
76 | 第八十二話「強き者」 | 746 | 0 | 2020-12-05 | - | |
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77 | 第八十四話「二次予選開始!」 | 736 | 0 | 2021-01-11 | - | |
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65 | 第八十六話「タッグメイクデュエル②」 | 480 | 0 | 2021-04-04 | - | |
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70 | 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 | 588 | 0 | 2021-05-04 | - | |
53 | 第八十九話「チーム結成!」 | 502 | 0 | 2021-05-08 | - | |
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39 | 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 | 338 | 0 | 2022-10-16 | - | |
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- 12/22 21:19 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 12/22 21:18 一言 深淵が禁止は個人的に悲し過ぎますわ…。デスサイズが制限止まりで果た…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
菊姫は、そういう所結構ありますから、このデュエルは結構苦戦しそうです。続きを楽しみに待っていてください。
(2018-04-26 16:55)