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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第四十二話「ユニオンロボ&宇宙のヒーロー

第四十二話「ユニオンロボ&宇宙のヒーロー 作:イクス

第四十二話「ユニオンロボ&宇宙のヒーロー」


・竜魂の城

遊太のデュエルを終えて、喜ぶ大鴉。そして、不満な態度を取る闇の王。
「やれやれ、ヒヤヒヤさせてくれる。しかし、それでも勝つとは、流石遊太君と言った所だね」
「あと一歩の所で、負けるとは……全く、使えん輩だ」
「さて、あの子の雄姿も見届けた所だし、こっちの用件も済ませないとダメみたいね。闇の王さん?」
そう言って、玉座に座る闇の王に向き直る大鴉。しかし、闇の王は。
「フン、奴が我が配下に勝った所でなんだというのだ。あの程度では、我が力量には遠く及ばん。無論、お前もな……。それよりも重大な問題がある」
「なんだと? やりもしないで力量を決めつけるのはは良いとして、重大な問題とは、どういうことだ?」
「資格が無い、と言っているのだよ。我の帝国において、我とデュエルができるのはスターポイントを10個集めた人間だけ。例え乱入者と言えど、そのルールには従って貰わないと困る」
「乱入者である、私にもルールに従ってもらうだと……? 乱入者は強制退去とか、もっとそういうものがあると思っていたぞ」
「ここは『決闘者の帝国』。私とてデュエリストは同列に扱わなければならない。お前もデュエリストなら、デュエルで事を片づければ良いだろう」
そう言って、スターポイントを溜める腕輪を大鴉に渡す闇の王。それには、スターポイントが2つある。
「デュエリストなら、デュエルで……か。私にウソはつくなよ。スターポイントを10個集めたなら、私とデュエルしてもらおう。それで異存は無いな?」
「ああ、例え乱入者と言えど、デュエリストならば丁重に扱わねばならない。健闘を祈るよ」
「……ああ」
そう言って、大鴉は城から出て行ったのであった。そして、玉座に残された闇の王は。
「さて、帝国の状況を確認するか。奴の実力からして、この城へ来るのはそう遅くない。それに……、ロベルトがこちらにいる時点で、私のアドバンテージは遥かに上……そして、大鴉の奴は……クククッ、フハハハハハ!」


・ダークゾーンエリア

プレイヤーキラー・ダークバットを倒した遊太は、闇のデュエルによるケガを癒している最中だった。
「おー、痛たた……」
「酷いケガですね……あの時削られたダメージは7650。初期ライフを8000とするなら10分の9も削られた……だから、こんなにも傷を負ってしまったのですね」
「まだ切り傷がジンジン痛むよ……大分マシになったとはいえ、痛い……」
サフィラとディアナの力によって、治されているとはいえ傷は深いものだった。それを見て、アルファ達は。
「あの戦いで、我らは殆ど活躍できなかった。それ程まで、奴は強敵と言えるものだった……」
「アルファが気に病むくらいだ、あのデュエルでの我ら『イクスロードナイト』の活躍できなさは、遊太の所に来て初めてといった具合だ」
「それ故、危うく負けかけた程だな。あの時、菊姫にキーカードを封じられた時には何とか上手くやれていたが、召喚そのものが封じられると……キツイな」
遊太と『イクスロードナイト』の反省も程々に、次に語ったカリンは。
「しかし、ダークバットが持っていた精霊の宿るカード……恐らくは帝国のデュエリストから奪ったのでしょうが、取り返すこともできないなんて……」
「うん、持っているカードが何処かへ消えちゃったからね。恐らく闇の王の所に送られたんだと思うけど」
「それに、他のゾーンにいると思われる皆さまも、心配ですわ……」
「うん、知多君、真薄君、菊姫とその取り巻き、アキラ君。タクマ君や慶次君……」
「わてがどないしたん?」
「う、うわあああっ!? 慶次君!?」
「大丈夫だったんですか!?」
いきなり現れた慶次に、びっくりする二人。それに対し驚く慶次。
「な、なんやねんお前ら……ワイが大丈夫なことがなんで、そんなに驚くんか? 確かに、ここ最近便秘気味でトイレの時間が長いんは認めるけど、ちょいと驚きすぎやあらへん?」
その言葉を聞いて、余りにも驚きすぎたと実感する二人。そのため、ひそひそ話をし始める。
(ゆ、遊太君……便秘ですって。どうやらトイレにいたから、プレイヤーキラーの魔の手から逃れられたようですね……)
(あ、うん……そうみたいだね。しかし……どうする? 僕がケガしているのも、あの屍の山も……どう説明しようか?)
(少なくとも、多少のごまかしで納得してもらえるようなものではありませんね……)
といった具合に、この後どうするべきかを考える遊太とカリン。すると、慶次は。
「なんか……異常なんやろ? この状況」
「あ……え? わかってるの?」
「んなもんわかるに決まっとるやん。傷だらけのお前、倒れたデュエリストの数々。これを異常や思わなくて、なんやと思うねん。とりあえず、今さっき巻き込まれたっちゅーんがわかる」
「ああ、実はたった今、プレイヤーキラーなる奴に襲われて……このザマさ」
「なんちゅーこった……」
「それで、慶次さんにも注意して貰いたいのです。どうか、プレイヤーキラーに遭わないようにと……」
「おう、わーった。さっきみたく、トイレに隠れとりゃなんとかなるやろ。んじゃ、アンタらも気ぃつけるんやで! ほなまた!」
と言って、慶次は去っていった。そして、残された遊太とカリンはというと。
「とりあえず、彼が無事で良かったよ……」
「ええ、傷を治した後、他の皆を探しに行きましょう」
「皆、大丈夫かな……?」
(それと、スターポイントも平行して集めないと……。まだ6個しかないから、後4個……集めないと)


・シャインスパークエリア

ここシャインスパークエリアは、『神の居城・ヴァルハラ』や『天空の聖域』といった、光系のアトラクションがあるエリアである。ここにいるのは。
「スターポイント、やっと5つか。負けたり勝ったりを繰り返して、やっと半分かぁ……」
広野真薄。遊太達と別れてエリアを移動していたが、その道中、デュエリスト達とのデュエルで勝ったり負けたりを繰り返して、今に至る。
「やっぱり、こういった所に来るデュエリストは、皆強い……プラクサスの大会で本戦に出てくるような人が、ここにはゴロゴロいるんだもんなあ。スターポイントを取ったり取られたり……!」
「でも、僕のヒーロー達は、簡単には負けたりしない! 簡単には、ね」
そう呟いた時。
「見~つ~け~た~ぞ~!」
後ろから、自分と同じぐらいの背丈をしている少年がいた。後ろ向きに被ったキャップと、左ほおの切り傷が目立つ。
「あー、あなたは誰ですか?」
「俺様は絶斗! 江崎絶斗! サイバシティのデュエル大会で、30戦連勝の脅威的記録を残した男だあ!」
「凄い……! そんなデュエリストも、この大会に参加しているのか……!」
「時に、お前! さっきヒーローは絶対に負けないとか言っていた。お前だよ!」
「僕ですか? 確かに、ヒーローは不撓不屈ですが……それが?」
「甘いな、最強で絶対負けないのは、俺様のユニオンロボだあい! ヒーローなんて、古臭いったらありゃしねえ!」
江崎は挑発のつもりで言ったのだろうが、この言葉が真薄の言葉に火をつけることとなってしまう……。
「なんですって? ヒーローが、古臭いですって?」
「あ、あったり前だぜ……時代は合体ロボだぜ。ヒーローじゃ、巨大な相手には敵わないぜ!」
「ヒーローは、最後に絶対に勝つんです。そりゃあ合体ロボは魅力的かもしれませんが、個々の能力と団結力でどんな強大な敵にも勝てるんです。ヒーローにとって、合体ロボはただの巨大な敵の為の道具でしかありません」
「ん、だとぉ!? ロボにだって、意志を持つ奴はいるんだぞ! 例え大きさがどうだろうと、その正義の心は存在しているんだぞ!」
「ロボヒーローだっていますが、生身のヒーローこそ良いもの! コスチュームと能力だけで戦う、ヒーローこそ至高です!」
「なにおう!? 俺様のユニオンロボを馬鹿にする奴は、絶対許さねー! 勝負だぁ! デュエルだぁ!」
「良いでしょう! ここは『決闘者の帝国』! デュエルで決着つけましょう!」
「おう! それじゃあ、賭けるスターポイントは3つだ! お前もスターポイントを3つ賭けろぉ!」(絶斗スターポイント5→2)
「わかりましたよ!」(真薄スターポイント5→2)
「それじゃあ、行くぜ!」

「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」


「先攻は、僕が貰います!」

1・真薄のターン

「僕は手札から、魔法カード『コスモの繋がり』を発動! 手札を1枚捨てることで、デッキから同じ属性を持つ『C・HERO』2体を、手札に加えられます。僕は手札の『ネクロ・ガードナー』を捨てて、デッキから地属性の『C・HERO マット』と『C・HERO ヒューモンガ』を手札に加えます」(真薄墓地0→1)
「そして、手札から『C・HERO グレイ』の効果発動。手札からこのモンスターを捨てることで、デッキから『融合』を1枚手札に加えられます」(真薄墓地1→2)
「そして手札から、『融合』を発動! 手札のマットとヒューモンガ2体を素材として、融合召喚を行います! 融合召喚! ゴミ惑星の獣と、恐竜惑星の恐竜よ今一つとなれ! 現れろ、『C・HERO ワイルドマット』!」(真薄手札5→2)(真薄墓地2→5)
小さな獣と恐竜が融合して現れたのは、眼の無い毛むくじゃらの、四つ足の獣! 攻撃力は2800。
「融合素材となった、ヒューモンガの効果発動! このモンスターを融合素材として融合召喚した、融合モンスターの攻撃力を1000アップさせる! よって、ワイルドマットの攻撃力は3800にアップです!」(ワイルドマット攻撃力2800→3800)
「僕は、カードを1枚セットして、ターンエンドです」(真薄手札2→1)

真薄

ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター1体
『C・HERO ワイルドマット』(攻撃表示・攻撃力3800・地属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数5枚
除外されているカード0枚


2・絶斗のターン

「俺のターン、ドロー!」(絶斗手札5→6)
「確かに強力なヒーローだが、その程度じゃ俺のユニオンロボは止められないぜ!」
「俺は手札から、魔法カード『予想GUY』を発動! 自分フィールドにモンスターがいない時、デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚できる。俺が特殊召喚するのは、レベル4の『X-ヘッドキャノン』!」(絶斗手札6→5)(絶斗墓地0→1)
両肩に二つの砲台を持った、ロボットが現れる。
「更に、永続魔法『前線基地』を発動! この永続魔法の効果で、手札からユニオンモンスター1体を特殊召喚できる! 俺は手札から、『Y-ドラゴン・ヘッド』を特殊召喚する!」(絶斗手札5→3)
Xの隣に現れたのは、ドラゴンのようなロボット。
「そして、手札から『Z-メタル・キャタピラー』を、通常召喚!」(絶斗手札3→2)
最後に現れた、キャタピラー型のロボットモンスター。
レベル4のモンスターが3体も並び、真薄は身構える。
「レベル4が3体……エクシーズですか!?」
「チッチッチ。ここからが俺のデッキの本領発揮さ。俺はこのモンスター3体で、融合召喚を行う!」
「融合!? 『融合』の魔法カードも無いのに!」
「こうやって融合するのさ! 俺はX・Y・Zの3体を除外し、融合召喚! 行くぞ、超絶ユニオン合体!」(絶斗除外0→3)
絶斗のフィールドにいる、X・Y・Zの3体がそれぞれ分離し、合体する! そして召喚されたのは、下段にキャタピラー、中段にドラゴンヘッド、上段にヘッド・キャノンを装備した合体モンスター! 攻撃力は2800と、脅威的。それだけではなく、光属性のこのモンスターは、フィールドのシャインスパークの恩恵を受けて、攻撃力は3300に上がる。
「合体! 『XYZ-ドラゴン・キャノン』! どうだ! これが俺様のユニオン合体だ! すげえだろ!」
「……確かに、ちょっとはカッコいいかもしれないけど、それだけじゃ今のワイルドマットは倒せませんよ!」
「確かに、このままじゃ倒せない。だけど、何の考えもなしにこのモンスターは出さないぜ! XYZの効果発動! 手札1枚をコストに、相手フィールドのカード1枚を破壊する! ワイルドマットを破壊! ハイパー・ディストラクション!」(絶斗手札2→1)(絶斗墓地1→2)
XYZのキャノン砲で、ワイルドマットは簡単に破壊されてしまう。あっけない具合に。
「くっ、こうも簡単に……」(真薄墓地5→6)
「まだまだ! XYZの効果を再び発動! コイツは手札がある限り、何度でも効果を使えるんだぜぇ! 今度はお前の伏せカードを対象に、もいっぱぁーつ! ハイパー・ディストラクション!」(絶斗手札1→0)(絶斗墓地2→3)
「僕はそれにチェーンして、罠カード『融合準備』を発動! このカードは、エクストラの融合モンスター1体を公開して、その融合モンスターに名前が記されたモンスター1体を手札に加えられる。僕が公開するのは、『C・HERO ダイヤモンドヘッド』! よって、僕はそのテキストに記された『C・HERO ダイヤ』を手札に加える。更に、自分の墓地に『融合』がある時、それも手札に加えられる」(真薄手札1→3)
「でも、これで邪魔は無くなったな。俺は、XYZでダイレクトアタック! 喰らえ、XYZ・ハイパー・キャノン!」
「させない! 僕は、墓地の『ネクロ・ガードナー』を除外して、その攻撃を無効にする!」(真薄墓地6→5)(真薄除外0→1)
「ふーん、防ぐのね」
「流石に、3300の直撃は受けられませんよ」
「やるな。俺はこれで、ターンエンド」

絶斗

ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター1体
『XYZ-ドラゴン・キャノン』(攻撃表示・攻撃力3300・光属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚
『前線基地』(永続魔法)
墓地の枚数3枚
除外されているカード3枚


3・真薄のターン

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札3→4)
「僕は手札から、魔法カード『コスモ・コール』を発動します。デッキから『C・HERO』1体を手札に加えます。僕は『C・HERO アプリ』を手札に加ます」(真薄墓地5→6)
「そして、手札から魔法カード『融合』を発動! 手札からダイヤと光属性のアプリを手札から墓地へ送ることで、融合召喚! 鉱石のエイリアンと、液体金属のエイリアンを1つに! レベル8『C・HERO ダイヤモンドヘッド』!」(真薄手札4→1)(真薄墓地5→8)
現れたのは、ダイヤの体を持つ、角ばったエイリアン。守備力は3500だが、光属性であるためシャインスパークの恩恵を受けて4000になる。
「偉そうなこと言った割には、守り重視か? いくらモンスターを並べても、俺のXYZが粉砕するぜ!」
「そうはいきません。ダイヤモンドヘッドは、戦闘と効果では破壊されません! それに、なんの策も無く守るだけなのは、嫌なんです! バトルフェイズ!」
「何……守備表示のモンスターで、バトルだと!?」
「ダイヤモンドヘッドは、守備表示でも攻撃ができます。そして、守備表示の時は守備力を攻撃力として扱えます! よって、僕は4000となっているダイヤモンドヘッドでXYZを攻撃! ダイヤモンド・ビーム!」
ダイヤモンドヘッドが腕をクリスタル状に変形させると、光を集めてビームにする。そのビームが、XYZを貫く。
「くっ、いとも簡単に破壊しやがって……」(江崎ライフ8000→7300)(絶斗墓地3→4)
「リバースカードを1枚伏せて、ターンエンドです」(真薄手札1→0)

真薄

ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター1体
『C・HERO ダイヤモンドヘッド』(守備表示・守備力4000・光属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数8枚
除外されているカード1枚


4・絶斗のターン

「くっ、俺のターン、ドロー」(絶斗手札0→1)
「俺は手札から、魔法カード『逆境の宝札』を発動。自分フィールドにモンスターが存在せず、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターがいる時、2枚ドローできる」(江崎手札0→2)(絶斗墓地3→4)
「俺は、リバースカードを2枚セットして、ターンエンドだ」(絶斗手札2→0)
(……ここは耐えるしかない)

絶斗

ライフポイント7300
手札枚数0枚
モンスター0体
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚
『前線基地』(永続魔法)
墓地の枚数4枚
除外されているカード3枚


5・真薄のターン

「僕のターン、ドロー」(真薄手札0→1)
「どうしましたどうしました? 勢いが良いのは最初だけですか? 魔法カード『死者蘇生』を発動。墓地からモンスター1体を特殊召喚する! 僕は墓地から、ワイルドマットを特殊召喚する!」(真薄手札1→0)
「そしてバトル! ダイヤモンドヘッドで、ダイレクトアタック! 守備表示だから、守備力4000でダメージ計算を行う! ダイヤモンド・ビーム!」
「罠カード発動! 『カウンター・ゲート』! 直接攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる。その後、デッキから1枚ドローし、それがモンスターなら、召喚することができる! よし、俺は『Vータイガー・カタパルト』を召喚する!」(絶斗墓地4→5)
今度は、虎のようなロボットが特殊召喚される。
「やはり、そう簡単には突破させてくれないようですね。僕は、これでターンエンドです」

真薄

ライフポイント8000
手札枚数0枚
モンスター2体
『C・HERO ダイヤモンドヘッド』(守備表示・守備力4000・光属性・レベル8)
『C・HERO ワイルドマット』(攻撃表示・攻撃力2800・地属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数8枚
除外されているカード1枚


6・絶斗のターン

「俺のターン、ドロー!」(絶斗手札0→1)
ドローしたカードを確認する江崎。すると、自然と笑みがこぼれる。
「来た! 俺の切り札を呼べるカードが! コイツさえ出せれば、戦局を一気に変えられる!」
「なんですって!? そんなモンスターが……!」
「じゃあ行くぜ。俺は手札から、永続魔法『前線基地』の効果で『W-ウィング・カタパルト』を特殊召喚する!」
現れたのは、ジェットのようなロボットが現れる。
「罠カード発動! 『スクランブル・ユニオン』! 除外されている自分の機械族・光属性の、通常モンスターまたはユニオンモンスターを3体まで対象として発動! そのモンスターを、特殊召喚する! 俺はX・Y・Zの3体を除外ゾーンから特殊召喚する!」(絶斗除外3→0)(絶斗墓地4→5)
こうして、江崎の場にV・W・X・Y・Zの5体のモンスターが並ぶ。
「このモンスターの並びは……!」
「行くぜ! 俺はV・Wを除外し、ユニオン合体! 合体融合・『VW-タイガー・カタパルト』!」(絶斗除外0→2)
VとWの合体によって、ジェット飛行するタイガーロボが現れる。攻撃力は2000だが、シャインスパークのフィールド効果で500アップの2500となる。
「更に、俺はX・Y・Zを除外することにより、再びユニオン合体を行う! 現れろ、『XYZ-ドラゴン・キャノン』!」(絶斗除外2→5)
再びXYZが現れる。しかし、この2体では今の状況を塗り替えることはできない。真薄は感づく。
「VWと、XYZ……。まさか!」
「その通り! 俺はこの2体を除外し、更なるモンスターを融合召喚する! 俺は『VW-タイガー・カタパルト』と『XYZ-ドラゴン・キャノン』を除外して、このモンスターを融合召喚する! 究極・ユニオン合体! 現れろ、『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』!」(絶斗除外5→7)
XYZと、VW。2体が更にバラバラになり、それぞれのパーツが合体する。そして、現れたのは人型の巨大ロボットだった! 攻撃力は3000。そしてシャインスパークのフィールド効果で、3500となる。
「す、すごいですっ! こんなモンスターを、持っていたなんて……!」
「どうだ? すげえだろ? これこそまさしく、究極のユニオンロボだ!」
「でも、ダイヤモンドヘッドは……」
「知ってる。だから呼んだ。俺はVWXYZの効果を発動! 1ターンに1度、相手フィールドのカードを除外する! 俺は、お前のダイヤモンドヘッドを除外! ディメンション・ディストラクション!」
VWXYZの効果で、異次元へと強制送還されるダイヤモンドヘッド。これには破壊耐性も意味がない。
「くっ、やられた……!」(真薄除外1→2)
「そして、バトルフェイズ! 俺はVWXYZで、ワイルドマットを攻撃! アルティメット・ディストラクション!」
VWXYZの究極キャノン砲が、ワイルドマットを直撃する! その威力の大きさに、跡形もなく粉砕されてしまう。
「ぐううっ……! だけど、僕は罠カード『奇跡の残照』を発動! これで、戦闘で破壊されたワイルドマットを、特殊召喚する!」(真薄ライフ8000→7300)
「フーン、そうくる? だが俺はこれで、ターンエンドだ。言っておくが、VWXYZは除外効果だけじゃなく、攻撃する相手モンスターの表示形式も変更できる。守備で逃げようとしても、無駄だぜ?」
「くっ……」

絶斗

ライフポイント7300
手札枚数0枚
モンスター1体
『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』(攻撃表示・攻撃力3500)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード1枚
『前線基地』(永続魔法)
墓地の枚数5枚
除外されているカード7枚


7・真薄のターン

「僕のターン、ドロー!」(真薄手札0→1)
「絶斗君、先程は失礼なことを言いました。君のユニオンロボは、想像以上に強い。単なるロボでない存在を、理解しました」
「なんでえ、今更詫びでも入れようってのか?」
「はい。お詫びです。ユニオンロボは、まさしく合体による相乗作用によって、強力な力を生み出す……まさしく合体ゆえの力……! 尊敬しますよ」
「へへっ、まあな」
「ユニオンロボの力、認めない訳にはいきません。でも、勝つのは僕です! 僕は手札から、魔法カード『融合回収』を発動! 墓地から融合召喚に使用したモンスター1体と『融合』を1枚を、手札に加える! 僕は墓地から、ヒューモンガと『融合』を手札に加えます」(真薄手札0→2)
「そして、手札より『融合』を発動! これにより、手札のヒューモンガと、フィールドにいる地属性のワイルドマットを融合! 融合召喚! 荒々しい獣と、小さき恐竜を、1つに! レベル8『C・HERO ヒューモンガソー』!」(真薄手札2→0)(真薄墓地8→11)
現れたのは、巨大な人型の恐竜! 攻撃力は3000と、それに見合った攻撃力。
「融合素材となったヒューモンガの効果で、このモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる。これで、攻撃力は4000に!」
「何ィ!? 俺のVWXYZの攻撃力を上回っただと!?」
「それだけじゃない! ヒューモンガソーは自分メインフェイズに1度だけ、元々の攻撃力を倍にすることができる!」
「な、なにいぃぃ!」
ただでさえ大きいヒューモンガソーの体が、更に大きくなる。それにより、攻撃力は6000となり、融合素材となったモンスターの効果で7000となる。
「攻撃力、7000!?」
「行くよ、これが僕のヒーロー達の力さ! 行け、ヒューモンガソー! ダイノクラッシュ・インパクト!」
VWXYZと同じくらいに巨大化した、ヒューモンガソーの攻撃が直撃する! 大ダメージと言うべきダメージが、絶斗に入る! 
「ぐああああ!」(絶斗ライフ7300→3300)
「よおぉっし! だけど、バトルフェイズ終了時、攻撃力が倍化したヒューモンガソーは強制的に守備表示になります……しかも、その守備力は0……攻撃するなら今のうち、ですよ」

真薄

ライフポイント7300
手札枚数0枚
モンスター1体
『C・HERO ヒューモンガソー』(守備表示・守備力0・地属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数11枚
除外されているカード2枚


ヒューモンガソーの攻撃を受けた絶斗は、真薄に言う。
「へへっ。お前のモンスター、中々良いパンチ持っているじゃねえかよ。ヒーローを馬鹿にして、ゴメンな……」
「わかってくれれば、それで良いんですよ。先程も、僕がちょっと怒っていたとはいえ、君のユニオンを馬鹿にしてしまって……ごめんなさい」
「ああ、これでお互い様だな。さあ、ここからが真のデュエルの始まりだ!」
「はい!」
(VWXYZが倒されたとはいえ、俺にはまだあのカードがある。それを出せれば、まだなんとかなるだろう……!)
(ヒューモンガソーを出したのは良いけど、守備力0じゃ、後が怖い……うっかり貫通持ちなんて出されたら、大ダメージだ……!)
((ここからが正念場だ!))

8・絶斗のターン

「俺のターン、ドロー!」
勢いよくドローした江崎。しかし。
「は~い、デュエルはそこまでね」
突如、デュエルディスクの電源がバツンと切れる。デュエルが中断され、無効試合となってしまう。
「なっ……!」
「これは……!」
「楽しいデュエルはここまで。ここからは、危ないデュエルの時間よ?」
コツコツと足音を立てて、女々しい声を立てながら歩いて来たのは、まるでトカゲ染みた体を持つ女。左腕には、デュエルディスクをつけている。
「な、今良い所だったのに! 何しやがる! なんだお前は!」
「私は、『プレイヤーキラー』ライト・ヴァイパー。デュエリスト達のスターポイントと、命を刈り取る死神……! 何人もの相手を、このシャインスパークで刈り取って来た。次はお前達だ!」
「「何いっ!?」」
真薄にも迫る、プレイヤーキラーの影。はたしてどうなってしまうのか……。


第四十二話。終わり。
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99 第二十八話「カリンと遊太」 1008 2 2018-05-28 -
97 第二十九話「日傘の女の子」 951 0 2018-06-07 -
161 第三十話「ヒーローショーを見に行こう!」 991 0 2018-06-11 -
130 第三十一話「忍び寄る侵略の影」 985 0 2018-06-23 -
109 第三十二話「侵略の一手」 833 0 2018-06-24 -
168 第三十三話「帝国への招待状」 1085 0 2018-07-03 -
130 第三十四話「いざ、帝国へ!」 973 0 2018-07-12 -
236 遊戯王EXSキャラ紹介 その1 1422 2 2018-07-14 -
133 第三十五話「GAME START」 942 0 2018-07-22 -
84 決闘者の帝国における、特殊ルール 918 2 2018-07-22 -
169 第三十六話「まずは一つ」 1058 0 2018-07-29 -
97 第三十七話「菊姫とアキラ」 1002 0 2018-08-05 -
99 第三十八話「実力勝負!」 940 0 2018-08-12 -
138 第三十九話「エンジョイデュエル!」 1044 0 2018-08-23 -
90 第四十話「プレイヤーキラー、動く!」 855 0 2018-09-07 -
80 第四十一話「闇を打ち砕け、遊太!」 927 0 2018-09-15 -
116 第四十二話「ユニオンロボ&宇宙のヒーロー 935 0 2018-09-29 -
87 第四十三話「侵攻するワーム」 999 0 2018-10-06 -
132 第四十四話「ヒーロー覚醒!?」 955 2 2018-10-14 -
213 第四十五話「血の刻印」 1145 2 2018-10-27 -
71 第四十六話「二つの竜」 836 2 2018-11-08 -
170 第四十七話「共鳴、そして目醒め」 1018 2 2018-11-19 -
137 第四十八話「思わぬ敵」 969 2 2018-12-02 -
101 第四十九話「救いと絶望」 945 0 2018-12-09 -
149 第五十話「ロベルトを救う者」 987 0 2018-12-17 -
134 第五十一話「決戦! 闇の王と遊太」 994 0 2019-01-17 -
101 作者よりお知らせ 825 0 2019-01-27 -
83 第五十二話「突き抜ける意志」 780 0 2019-02-05 -
99 第五十三話「神帝現る」 947 0 2019-02-12 -
95 第五十四話「帝国の終焉」 852 0 2019-02-22 -
115 特別編『超次元! 世界を越えた絆』1 1024 0 2019-03-07 -
143 特別編『超次元! 世界を越えた絆』2 891 0 2019-03-14 -
89 特別編『超次元! 世界を越えた絆』3 909 0 2019-03-22 -
82 第五十五話「休息の時」 803 0 2019-04-07 -
78 第五十六話「彼女との再会」 743 0 2019-04-20 -
102 第五十七話「マダムの危ない罠」 763 0 2019-05-01 -
69 第五十八話「ストアブレーカー」 790 0 2019-05-19 -
73 第五十九話「闇のカード」 836 0 2019-06-04 -
111 第六十話「変わり始める生活」 791 0 2019-07-18 -
69 第六十一話「ユイのデュエル」 723 0 2019-08-04 -
76 作者よりお知らせ2 732 0 2019-08-11 -
93 第六十二話「プラクサスの怪人」 726 0 2019-09-11 -
69 お詫びとお知らせ 492 0 2020-02-19 -
147 第六十三話「暴走! 怪人クロウリー」 778 0 2020-02-19 -
83 特別編『ブルーアイズVSブルーアイズ』 844 0 2020-02-22 -
90 第六十四話「闇に落ちる小鳥」 783 0 2020-03-22 -
70 第六十五話「鳥人を食う邪竜」 672 0 2020-04-18 -
91 第六十六話「ダークヒーロー!ヴェンデット 695 0 2020-05-09 -
87 第六十七話「堕ちたヒーロー」 718 0 2020-05-23 -
78 第六十八話「視える未来(ビジョン)」 852 0 2020-05-30 -
97 第六十九話「突入、アポカリプトのアジト」 758 0 2020-06-12 -
64 第七十話「登場! 世界チャンピオン!」 728 0 2020-06-14 -
62 第七十一話「デートじゃん!」 674 0 2020-06-27 -
76 第七十二話「不死者は少年を好く」 774 0 2020-06-28 -
64 第七十三話「最強デュエリストのいとこ」 670 0 2020-07-07 -
76 第七十四話「D1グランプリ、開催決定!」 636 0 2020-07-13 -
78 遊戯王EXS キャラ紹介その2 750 0 2020-07-13 -
73 特別編「VSサイコ・ショッカー!?」 605 0 2020-07-26 -
88 第七十五話「D1グランプリへの道しるべ」 682 0 2020-08-06 -
63 第七十六話「不死と再生、イモータル」 666 0 2020-08-15 -
63 第七十七話「雨が降れば蛙が鳴く」 600 0 2020-08-30 -
74 第七十八話「噴火寸前のヴォルケーノ」 683 0 2020-09-13 -
72 第七十九話「燃えろ遊太!」 641 0 2020-09-27 -
119 作者よりお知らせ3 624 0 2020-10-02 -
68 第八十話「燃えるデュエル!」 623 0 2020-10-18 -
73 特別編「乙女の対決、ブラマジガール!」 705 0 2020-11-05 -
67 第八十一話「高き壁」 663 0 2020-11-22 -
76 第八十二話「強き者」 745 0 2020-12-05 -
58 第八十三話「エキシビションマッチ」 679 0 2021-01-01 -
77 第八十四話「二次予選開始!」 735 0 2021-01-11 -
58 第八十五話「タッグメイクデュエル」 521 0 2021-02-20 -
65 第八十六話「タッグメイクデュエル②」 479 0 2021-04-04 -
69 第八十七話「タッグメイクデュエル③」 433 0 2021-04-25 -
70 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 587 0 2021-05-04 -
53 第八十九話「チーム結成!」 501 0 2021-05-08 -
61 第九十話「J4の実力 輝く竜の星」 451 0 2021-06-02 -
60 第九十一話「超弩級のパワー」 582 0 2021-06-12 -
77 第九十二話「空飛ぶケモノたち」 454 0 2021-07-08 -
68 第九十三話「雷と未来」 425 0 2021-07-18 -
65 第九十四話「大トリ、明石慎之介」 644 0 2021-09-04 -
58 作者からお知らせ4 460 0 2021-09-17 -
74 特別編「冥界の王(ファラオ)と決闘!?」 551 2 2021-10-17 -
59 第九十五話「最終予選1 友達VS友達」 486 0 2021-12-18 -
64 第九十六話「最終予選2 竜姫神と青眼」 465 0 2022-01-04 -
69 第九十七話『最終予選3 約束のために』 563 0 2022-01-10 -
61 第九十八話「最終予選4 VSJ4最強」 669 0 2022-02-01 -
53 第九十九話「異変」 514 0 2022-02-27 -
72 第百話「D1グランプリ、本戦開始!」 412 0 2022-04-09 -
74 第百一話「プロの実力」 424 0 2022-05-07 -
62 第百二話「デストーイ・デコレーション」 514 0 2022-06-04 -
45 第百三話「アマゾネスの首領」 373 0 2022-07-10 -
41 第百四話「プロ辞めます!」 461 0 2022-08-28 -
39 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 337 0 2022-10-16 -
48 第百六話「鉄屑と星屑」 553 0 2022-11-27 -

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