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HOME > 遊戯王SS一覧 > 58 螢火の幽霊娘

58 螢火の幽霊娘 作:Ales



 「うわぉ……いや、ホントにそれしか感想が思い浮かばないのよ。」

 静まりかえった場内で、真っ先に声を上げたのは山崎久実だった。

 「いや、勝負決まったんだからさ、健闘に対して拍手ぐらいしようよ……」

 その言葉に促され、ようやくひとり、またひとりと手を叩き始めた。それらはやがて、まさに万雷と言うに相応しい音の集合へと変化した。そしてその中を、ふたりのデュエリストが肩を並べて出口へと向かっていた。





 「慧さん……あれ、わざと……?」

 興奮冷めやらぬ控え室で、遊貴は新田慧の行動について思案を巡らせていた。

 「わざとって、わざと負けたってことですか?」

 それを聞いたのは、彼女の隣に座っていた舞である。

 「んー……舞先輩なら、あの状況で《シャーク・フォートレス》を出しましたか?」
 「遊貴さんなら、別のものを出していた、と。」
 「はい。私ならアーティファクト2体で《セイクリッド・プレアデス》を出してました。もしモラルタの攻撃力を活かしたいなら、《アーティファクト-デュランダル》にしています。あの時のドローがモニタで確認できる限り魔法カードのようでしたから、それを伏せれば問題なく発動できる訳ですし。」
 「言われてみれば……という事はつまり、あの状況で2回攻撃するメリットというのはないと?」

 遊貴の疑問は、まさにそこである。

 「うーん……私の考えではない、という事になるのかな?でも、元とはいえプロが状況判断を見誤るとは思えないですし……」
 「フォートレスで2回攻撃しても、結局削りきれなかった……《神の警告》や《神の通告》を警戒したのではないでしょうか?」
 「でも、あの状況で一番警戒したいのは《ブラック・ホール》だと思うんですけれど。そうなると、やっぱりデュランダルが適任のような……」

 《セイクリッド・プレアデス》は、フリーチェーンのバウンス効果を持っている。戦闘での除去に大きく依存する【グラディウス】が相手取るにはもっとも厄介なカードと言えよう。そして《アーティファクト-デュランダル》の複数ある効果のうちひとつは、通常魔法・通常罠の効果を「相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する」に書き換える効果である。つまりドローしたカードが何であれ、それをセットしていれば《ブラック・ホール》に対策が出来たし、実際《オーバーロード・フュージョン》から《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を融合召喚される事もなかったのである。

 「そう考えると、結果論とはいえあのフォートレスはプレイミス……」
 「確かに、そうですよね。本人に聞かないとわからないですけど。」





---





 ファンデッキ同士の対戦とはいえ、デュエルアカデミア元最強が元ツアープロを破った衝撃はそこにいた全生徒に衝撃を与えたが、とにかくこれは開会の合図に過ぎない。これからデュエルスペースで行われるのが、今回のメインイベントなのである。
 山崎久実の説明にあった1次リーグと2次リーグが今日、ワイルドカード枠と決勝トーナメントが明日、しかもこちらは一般の観衆の中で行われるのである。

 「ここからは参加者には、専用の控え室が割り当てられます。遊貴さんは……高等部2年生の……って、私のクラスじゃないですかここ。良かったですね、恐らくデュエルスペースに一番近いところですよ。」

 大会に関する資料を捲りながら、芹野舞が言った。

 「そうなんですか……」

 デュエルアカデミア・ウエスト校の校舎はL字型に建っている。それぞれ両端に平屋建ての部室棟があり、交点にあるのがデュエルスペースだ。普段は1・2階が中等部、3・4階が高等部用として開放されている。

 「対戦相手は……あー……」

 再び資料を捲った舞が、言葉を失った。

 「ご愁傷様です…………」

 そしてたっぷり1分は沈黙した後、そう呟いた。





 「さて、ここからは解説の2人をお迎えして、デュエリスト達の動向について色々言っていく訳なんですけれど、改めてご紹介します、新田慧さんと宮戸琉枝さんです。お二方、どうぞよろしくお願いします。」
 「はい、よろしくお願いします。」
 「ああ、よろしく。」

 放送のスピーカーは、デュエルスペースの観客には聞こえるが対戦者には聞こえない仕様になっている。その為、ふたりのアドバイスがプレイヤーに届く事はない。だが観客は彼らの声が聞こえるので、スポーツ中継のようにデュエル観戦を楽しむ事ができるのだ。

 「ところで新田さん、さっきのデュエルでお伺いしたい事があるんですけれど。」

 スピーカーから流れた次の言葉は、琉枝のものだった。

 「はい、なんでしょう。」
 「何でしょうって言われましてもなんですけれど……どうしてあの時に《シャーク・フォートレス》を出したんですか?アーティファクトを採用したのなら恐らく《セイクリッド・プレアデス》は入っていたでしょうし、結果論とはいえ《アーティファクト-デュランダル》にしていれば勝負はわからなかったと思うんですけれど。」

 姉妹揃って考える事は同じなのか、琉枝の質問も遊貴の疑問と同じだった。

 「ああ、そのことか。ライフ計算をミスした……というのは勿論冗談だし、エクストラデッキにはデュランダルがいたな。言われてみれば、どうして《シャーク・フォートレス》にしたんだろうね?」
 「いや、あなたがわからなきゃ誰もわからないでしょ、プロ。」

 脇で聞いていた久実も、思わずといった体で突っ込んだ。

 「まあ私の時代は終わったのだから、いつまでも老害が居座る訳にもいかない、という事だよ。琉枝さん、もし今の仕事に飽きたらツアープロを目指してみるといい。君ならきっと、私よりも遙か高みへ行く事ができるさ。」
 「あ、はい。ありがとうございます……じゃなくて、上手く纏めようとしないで下さい。結局疑問は解決していないじゃないですか。」

 はははと笑う新田慧に琉枝は何度も食い下がるが、それでもはははと言うのみの彼に対し、3分前後で諦めたようである。

 「えーっと……話は以上でいいのかな……?さて、若い世代と言えば目の前にいるんですけれど。え?私は永遠の17歳……あっすいません、リアル17歳ですはい。は?うるせーそういうキャラで売ってんだよ全く。
 …………あーヤバ、なんか変なノイズ入った。ごほん、失礼しました。さて、次世代を担う若者達の祭典の第1戦が始まろうとしている訳ですけれども、おふたり、解説の程よろしくお願いしますね。」

 参加者24人を6組に分けてデュエルを行うのだが、円滑な進行のためにどうしても12試合のうち大半を同時進行せざるを得ない。つまりこのふたりは、複数の試合の全体を見て細かな点を突っ込む、という技術が要求されるのだ。そもそもこの実況や解説を導入する事自体初の取り組みなので、これ以後適用されるかどうかはこのふたりに懸かっている。

 「つまりあれでしょ?聖徳太子になれってこと。」

 放送席に笑いが溢れた。





---





 「あなたが……?ふぅん、可愛い仔猫ちゃんね……」

 控え室を出て所定の位置で待機していると、対戦相手は反対側の中等部の校舎からやって来た。まるで白粉でも付けたかのように白い肌、それとは両極の長い黒髪、そしてどことなく吹いたら消えてしまいそうな、希薄な雰囲気。そんな中で黄色く輝く眼が、妙に目立っている。

 「にゃー…………」

 とりあえず鳴いてみた。

 「ふふっ……ありがとう。私はイースト校高等部3年、樋屋螢華(ひやけいか)よ。」
 「ウエスト校中等部1年の宮戸遊貴……です。よろしくお願いします。」


 ちょうどその時、デュエル開始を告げるブザーが鳴った。


 「遊貴さん、私はここで見られますが、デュエルが終わるまでお互いに声をかけると失格になります。ご武運を。」

 所定の位置に立つ前に、舞が小さく声をかけてきた。

 「ありがとうございます……」

 そう言われると、これから2日にわたる長い戦いの、本当の幕開けなのだと思い少し緊張する。舞が頷き、用意されていたパイプ椅子に座ったのを見て、遊貴はフィールドへ踏み入った。



 「遊貴ちゃん……?」

 同じようにデュエルフィールドに立った螢華が、声をかけてきた。

 「何ですか……?」

 デュエルディスクに向けた視線をそちらに向けつつ訊ねた。

 「…………本気を出しても、いいかしら?」
 「?どうぞ…………」

 そもそも全力対全力のぶつかり合いである。まだ一次予選だから、といって遠慮するものでもない。そう思って彼女の真意を問うべく、眼を見据えた。



 その瞬間、螢華の眼が明るく光り、遊貴の視界が歪んだ。



 樋屋螢華の両眼を中心に、背景が晩年のゴッホの絵の如くに歪んでいく。

 「ぅ……ぁ……」

 それまでより一際明るく輝く不気味な光点から、目を逸らそうとしても、何故か出来ない。吸い込まれたように両眼を見つめてしまう。

 (おい、遊貴!どうした!?)

 頭の中で何かが聞こえるが、それが認識できない。正確には、それを認識する余裕がない。思考が限界を超えて加速しているのに、その考えは全く纏まっておらず、そもそも何を考えているか認識する事すら出来ない。

 (遊貴!おい、遊貴!)

 思考の暴走が止まらない。





 「あら?あらあら……?」

 他方、全力を出すと宣言した螢華は少々困惑していた。

 (ねえ、何をしたの……?)
 (いつも通りよ。あなたが望むままに、お互いの負担にならない程度に力を貸しているだけ。)

 頭の中で会話している相手は、彼女の持つ’’精霊’’である。いや、精霊と言うよりは’’幽霊’’や’’亡霊’’と言った方が正確だろうか。とにかく、螢華はデュエルの際にこの精霊の力を借りねばならない。その副作用として相手に威圧感を与えてしまうのだが、いくら中等部の1年とはいえそれに耐えられないような人間の精神力が弱い訳はない。しかし目前の仔猫は、目も虚ろに棒立ちになっている。

 「ちょっと、大丈夫?」

 そう声をかけた直後、遊貴の身体がぐらりと揺れた。





 (遊貴、おい!)
 (ぁ…………)
 (全く、世話の焼ける。)

 脳内の電気信号が異常に加速しているのを悟ったソピアは、それらを遮断すべく対応した。

 (っ!?)
 (おっと、すまん。人間の脳は複雑すぎて面倒だ。まあ、神経系統に影響はない。)

 その際少し失敗して意識まで飛ばしてしまったが、まあすぐに回復するだろう。

 (それまで……まあ、何とかしてやるさ。)

 とりあえずは傾いた身体を戻す事から始めようか。





 「えっ…………?」

 螢華が慌てて駆け寄ろうとして一歩踏み出した時、遊貴の身体は逆方向に揺れ、元の直立に戻った。

 「あの、大丈夫……?」

 それを遮るように、遊貴は口を開いて呟いた。

 「待たせたな、始めようか。」

 言葉と同時に開いた遊貴の両眼は、真紅に輝いていた。





---





 「遊貴さん!?大丈夫ですか!?」

 デュエル中は声を掛ける事は出来ない。しかし、デュエルが終わった後なら話は別である。

 「ああ、少しふらついただけだ。問題ない。」

 その口調はデュエル中と同じく、普段の宮戸遊貴とは全く異なるものであった。

 「えっと……とりあえず、色々話を聞きたいんで控え室に戻りましょうか。」
 「ああ、そうしよう。」

 連れ立ってデュエルスペースを後にし、割り当てられた控え室にやってきた。

 「さて、色々訊きたいんですけれど……まず、あなたは誰ですか?」
 「ふむ、誰という言葉をどう解釈するかによって解答も変わるだろうが……少なくとも宮戸遊貴ではない、という解答が欲しいのだろう?」

 デュエル前にふらついたのを見たが、倒れたらそれこそデュエル中止になるのでそれまでは静観しようと思っていた舞だったが、果たして遊貴は身体を起こしてデュエルを進行していた。口調は随分違っていたが、ふらつく前に十数秒フリーズしていた事を考えるとこの時に何かが起こったと考えるのが妥当だろう。

 「はい、ですがそれはあくまで確認に過ぎません。ですからもう一度訊きます。あなたは誰ですか?」

 真紅の双眸がこちらを見つめる。そういえば、宮戸遊貴の目の色は朱色に近かったような気がする。

 「ふむ……答える事自体には問題はない。ないのだが、ひとつ条件がある。」
 「何ですか?」
 「その紙とペンを置け。あと胸ポケットのICレコーダーもだ。そしてこの事は誰にも話すな。私の、というよりはこいつが特別だという印象を他に与えたくはないのでな。」

 舞は軽く頷いて、紙とペンとICレコーダーを言われた通り机の上に置いた。

 「わかりました。このお話は記事にもしませんし、録音もしません。要するに、この話は胸にしまっておけばいいんですよね?」

 遊貴は満足そうに頷くと、エクストラデッキから1枚のカードを抜き出した。

 「これが私だ。色々あって宮戸遊貴と行動を共にする事になってな。まあ、それなりに仲良くはさせてもらっているさ。」

 《創星神 SophiaΩ》。黒い枠のそのカードには、そう書かれていた。

 「ではあなたの事は、ソピアとお呼びすればいいでしょうか?」
 「まあこいつの名前で呼ばれるよりはずっといいな。今回、あの……樋屋螢華、だったか?あいつとのデュエル前にこいつの思考プロセスが暴走していたから、一旦寝てもらう事にした。原因はわからんが、あいつに訊けば何かは掴めるだろうな。」
 「その……行動を共にする事になった経緯を伺ってもいいでしょうか……?」

 個人的な興味だが、訊いてみたくなった。

 「む……すまないが、それは出来ない。その話をすると、私やこいつだけでなく宮戸琉枝にも問題が波及してしまうのでな。」

 解答は期待していなかったが、意外な名前が出てきたので少し驚いた。とはいえここでの話は他言無用、これ以上この件にアプローチする事は出来ない。となれば、訊く事は多くない。いや、ひとつである。

 「あなたは、何者なんですか?」

 それに対するソピアの答えは、あっさりしたものだった。

 「電気信号を操る素敵な神。これ以上は言えんな。」

 そろそろ遊貴の意識が戻る、と言ってソピアは椅子から立ち上がり、教室の床に身体を横たえた。





---





 「むぅ…………」

 意識を回復して周囲を見渡すと、そこは教室だった。

 「あ、遊貴さん……?」

 目の前で手をひらひらと振っているのは、芹野舞である。床で寝ているらしい身体を起こすと、改めて向き合った。

 「先輩……?」
 「はい、芹野舞です。ここがどこかわかりますか?」
 「デュエルアカデミアジャパン・ウエスト校……」
 「ではあなたのお名前をフルネームでお願いします。」
 「宮戸遊貴……」

 舞はひとつ頷くと、現状の報告に移った。

 「とりあえず、今は1戦目が終わったところです。次の対戦相手は……」
 「待って、1戦目の結果は……というか、いつの間に?」

 その問いに、舞はバツが悪そうに目を逸らした。

 「先輩……?」

 問い詰めようとした時、ソピアから声がかかった。

 (こいつを責めるな。ルール上、何も出来なかったのはわかっているだろう?)
 (じゃあ、ソピアが答えて……1戦目はどうなったの?)
 (すまない。お前の思考が異常を起こしたから、私が代わりにデュエルしたのだが……)
 (負けた、ってこと?)
 (ああ、すまない。だがあのままでは、お前は戦う前に負けていただろう。体調不良の可能性があれば、今後のデュエルが出来たかどうかも危うい。違うか?)

 言い訳に聞こえるかも知れないが、ソピアの言い分は正しい。交流会はあくまで教育の一環であり、教育には安全保障が付きものである。体調が悪いなら、残り全てのデュエルを棄権扱いにしてそのまま家に帰されたかも知れない事を考えると、ソピアは上手くフォローしてくれたという事である。

 「…………大体の事情はわかりました。要するに、私は負けたんですよね?」

 舞にしてみればソピアとの会話をした事は他言できないし、遊貴にしてみればソピアと舞の会話を知らないのだから、舞がソピアの存在を知っている事を知らない。あくまで、雰囲気から察した、という体を装って、遊貴はそう言った。

 「はい……それで次戦以降ですが、まず全勝する事が2次予選への必須条件となります。恐らく螢華さんは全勝するでしょうから、他のふたりに勝てば2位での通過が可能です。」


 残り2戦、負けられない試合が続く。遊貴は必勝の決意を新たに、まずは自省から入る事にした。


 「あの、螢華さんのデッキデータって見られますか?」

 一応デュエルディスクをスマホに接続すれば見られるのだが、生憎その為のケーブルは鞄の中に忘れてしまった。

 「はい、ではこちらのタブレットをお使い下さい。」

 舞はスリープ状態を解除すると、慣れた手つきで操作しだした。デュエルフィールドで行われたデュエルのデータは、全て学校のサーバに自動で保存され、全生徒が見られるようになっているのだ。

 「こちらになります。どうぞ。」

 そう言って差し出されたタブレットを受け取ると、適当にモンスターを選択してタップした。



 「え…………?」

 見慣れないモンスターだが、それはいい。相手にしてみても、こちらは未知のカードであっただろうし、条件はお互い様である。しかし問題は、そのカードのテキストだ。


---
《櫻花(おうか)の霊樹(れいじゅ)-ヒガン/Moonlight Prunus -Higan》
ペンデュラム・チューナー・効果モンスター
星2/地属性/植物族/攻0/守1400
【Pスケール:青1/赤1】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り、自分のドローフェイズをスキップする。
(2):もう片方のPゾーンに「櫻花」モンスターが存在する場合、お互いのスタンバイフェイズをスキップする。
【モンスター情報】
(1):自分フィールド上にこのカード以外の「櫻花」モンスターが存在する場合、相手フィールド上のモンスターの攻撃力は700ダウンする。
(2):このカードが除外された場合に発動できる。自分のデッキから「櫻花」モンスター1体を手札に加える。
---


 「え……?」

 もう一度テキストを読み返す。

 「自分のドローフェイズを……スキップ?」

 おまけにスタンバイフェイズのスキップまである。



 他のカードも見てみる。


---
《櫻花(おうか)の舞姫(まいひめ)-モチヅキ/Dancer of Prunus -Mochiduki》
ペンデュラム・効果モンスター
星5/風属性/アンデット族/攻2000/守0
【Pスケール:青8/赤8】
(1):もう片方のPゾーンに「櫻花の霊樹-ヒガン」が存在しない場合、このカードのPスケールは1になる。
(2):このカードがフィールド上に存在する限り、墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。
(3):「櫻花」モンスターをP召喚する場合、手札のカード1枚を除外する事で除外されたモンスターをP召喚扱いで特殊召喚できる。
【モンスター情報】
(1):このカードはリリースなしで召喚できる。この方法で召喚したこのカードは、スタンバイフェイズ時に除外される。
(2):このカードが戦闘を行うダメージステップ時、デッキの上から1枚除外する。そのカードが「櫻花」モンスターだった場合、このカードの攻撃力はそのカードの攻撃力または守備力のうち高い方の数値だけアップする。
---


 「こっちは《次元の裂け目》内蔵……?」

 内容が狂っている。ドローフェイズにドローできないという事は、徐々に自分の首を絞めるようなものである。除外効果も(3)で補完されているものの、その適用にも手札コストが必要である。となれば速攻で決着を付けられるのか、リソースの補充が相当容易であるかのどちらかだ。




 「むぅ…………」

 確かに、【メタフィジカ】は除外デッキとの相性が悪い。いや、最悪と言っていい。しかしお互いに勝ち続ければ再戦せねばならないので、このデッキに対抗する手段もおいおい考えねばならない。

 「あの……失礼します……」

 そんな事を考えていると、控えめにノックされたドアから声と共に女性が入ってきた。






---

《?次回予告?》



和那 「悪いけど、負ける訳にはいかないんでな……」



次回、「果てしなく仁義なき戦い」
覚悟と共に剣を掲げて。
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光芒
慧さんは勝利よりも場の盛り上がり、すなわちエンタメデュエルを選んだということなんでしょうかね。自分が勝つよりも―――的な。まあツアープロ経験者とあってどういうデュエルをすれば観客を沸かすことができるか、ということも大事な一面だと思うので。

そして遊貴が最初に相対した相手・螢華さんですが……まあまたずいぶんと嫌らしいカードを使うことで。ドローフェイズだけならまだ某八咫烏さんで見たことありますが、スタンバイスキップというのは初めて見ましたね。自分にかかるデメリットも大きいので、よほどのタクティクスがないと使いこなせないカテゴリーでしょうね。少なくとも自分には無理です(え
遊貴のメタフィジカとは相性最悪なこのデッキ。正気の遊貴がどう立ち向かうのかも今後の見所ですね。


P.S.仔猫ちゃん呼ばわりされて咄嗟に「にゃー」と鳴ける遊貴のアドリブ力の高さが羨ましい。 (2016-06-07 09:39)
Ales (from SP)
光芒さん
よくよく考えれば琉枝さん伏せカード一枚あったので、デュランダル出されてもその伏せカード次第ではオーバーロード→キメラテックでいけたんですよね。本当に何でフォートレスにしたんだろう……きっと六武衆の使いすぎでランク5が手に馴染んでなかったのでしょう(適当)
螢華さんのコンセプトは、(色々と)破綻している、とにかく刹那的である、ということだったので、試行錯誤の末にこんなデッキになりました。わかりやすいデメリットといいジリ貧になりかねない効果といい、割と上手く出来たと思っております。ドロースキップ……ネクロの夏……うっ、頭が。
まあ、遊貴はまだまだ乗り越える壁が多いですし、螢華との再戦前にあれなイベントがおっとネタバレ。
次は予告通りだと和那回です。仁義なき命の奪い合いにご注目下さい(錯乱)。 (2016-06-07 18:29)

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120 幕間 久実のだらだラジオ02 1068 2 2016-07-10 -
42 69 Extra-Zero 8 1028 2 2016-07-13 -
124 70 軍靴の鳴動 1005 2 2016-07-16 -
137 71 休憩の過ごしかた 1075 2 2016-07-19 -
122 72 激戦の予感 1233 2 2016-07-22 -
100 10000閲覧感謝特番(特番とはry) 1066 2 2016-07-25 -
116 73 幻竜と隼 1077 2 2016-07-28 -
98 74 薄氷 1013 2 2016-08-01 -
123 【告知】一万閲覧感謝祭について【重点】 1219 7 2016-08-02 -
100 74 バード・ストライク 976 2 2016-08-04 -
102 75 革命と終端 1023 2 2016-08-07 -
107 76 Soldier’s Ballad 921 4 2016-08-10 -
109 77 Full Boost! 968 2 2016-08-13 -
115 78 Dead heat 1063 2 2016-08-16 -
116 79 フューチャー・リビジョン 989 2 2016-08-19 -
102 幕間 久実のだらだラジオ03 1046 2 2016-08-22 -
119 80 それぞれの「加速度」 917 2 2016-08-25 -
42 81 EDEN 978 4 2016-09-01 -
54 82 闇夜の錦 978 2 2016-09-05 -
121 83 月影 1198 2 2016-09-09 -
82 84 宵待桜と日照の龍 979 2 2016-09-13 -
108 85 Sakura Sunrise 1085 2 2016-09-18 -
75 閑話休題:お詫びとおまけ 1041 2 2016-09-22 -
45 86 宵闇に舞え、幽玄の桜 985 4 2016-09-26 -
78 87 ‘‘fascination’’ 965 4 2016-10-05 -
48 88 曙光の歌 835 2 2016-10-13 -
81 89 夜露に濡れた朝陽 1051 2 2016-10-18 -
152 90 9.A.M. 1162 2 2016-10-26 -
121 幕間 久実のだらだラジオ04 1118 2 2016-11-01 -
104 91 Gwin to run 939 2 2016-11-09 -
112 92 ライトニング・マイル 938 4 2016-11-15 -
129 93 双振 1001 2 2016-11-20 -
41 94 鉛と金と 897 2 2016-11-25 -
101 95 剣と牙 988 2 2016-11-29 -
103 96 剣戟連閃 *ミス有・未修正 1052 4 2016-12-04 -
111 97 Follow Tomorrow 1046 6 2016-12-06 -
63 幕間 久実のだらだラジオ05 953 3 2016-12-07 -
58 番外編1-1 plan 8 to B 975 3 2016-12-11 -
108 番外編1-2 †渚の大魔王† 1004 5 2016-12-15 -
143 番外編1-3 灼熱<(ヮ)> 1036 4 2016-12-18 -
98 番外編2-1 籐篠塾・開講? 917 5 2016-12-21 -
88 番外編2-2 実践?籐篠塾 1058 3 2016-12-23 -
105 そぴあちゃんのくり(ry 1130 3 2016-12-25 -
116 番外編2-3 対面する者たち 1040 3 2016-12-30 -
60 番外編2-4 集結と収束 897 7 2017-01-03 -
96 番外編2-5 勝負の鍵は右端に・1 977 3 2017-01-05 -
124 【番外編の】閑・話・休・題【番外編】 1099 2 2017-01-10 -
87 番外編2-6 勝利の鍵は右端に・2 1005 5 2017-01-13 -
129 番外編2-7 因縁と銃弾と一瞬の隙・1 1021 2 2017-01-15 -
103 番外編2-8 因縁と銃弾と一瞬の隙・2 909 4 2017-01-18 -
123 番外編2-9 因縁と銃弾と一瞬の隙・3 990 4 2017-01-22 -
111 番外編 2-10 山場と御山と一撃必中1 1081 9 2017-01-27 -
59 番外編 2-11 山場と御山と一撃必中2 1078 8 2017-01-31 -
114 番外編2-12 服と感性と(pt.1) 926 4 2017-02-04 -
106 番外編2 前半終了の幕間 1024 9 2017-02-06 -
125 番外編2-13 服と感性と(pt.2) 882 2 2017-02-10 -
127 幕間 論争、宇宙まで 953 2 2017-02-14 -
113 番外編2-14 服と感性と(pt.3) 938 2 2017-02-16 -
112 【緊急?更新】今後の方策について 1005 2 2017-02-18 -
100 番外編2-15 服と感性と(pt.4) 993 10 2017-02-21 -
116 番外編2-16 漁火と陣風と(pt.1) 1085 2 2017-02-26 -
129 番外編2-17 漁火と陣風と(pt.2) 970 2 2017-03-03 -
92 番外編2-18 Symphonic…1 1009 2 2017-03-14 -
107 【こいついつも】閑話☆休題【休んでんな】 951 2 2017-03-20 -
109 番外編2-19 Symphonic…2 779 3 2017-03-27 -
81 番外編2-20 新乱気流…pt.1 846 2 2017-04-05 -
134 番外編2-21 新乱気流…pt.2 879 2 2017-04-16 -
110 番外編2-22 新乱気流…pt.3 885 2 2017-04-21 -
89 番外編2-23 Waltzic...p1 872 2 2017-04-26 -
117 番外編2-24 Waltzic...p2 970 2 2017-05-02 -
100 番外編2-25 Waltzic...p3 1023 6 2017-06-03 -
77 番外編2-26 Waltzic...p4 811 3 2017-06-11 -
100 番外編2-26 Waltzic...p5 920 4 2017-06-24 -
143 98 Drawback 1046 2 2017-07-10 -
124 99 Silhouette 889 2 2017-09-22 -
117 Where is my No.100!? 1025 4 2017-11-19 -
84 番外編File-X 静かな夜に? 967 2 2017-12-25 -
98 Over the Period -御品書 881 2 2018-06-14 -
55 OtP0 Boat 769 2 2018-07-07 -
74 OtP02 Serenade 806 0 2018-07-14 -
66 OtP03 Dirge 783 0 2018-09-01 -
74 OtP04 Requiem 782 2 2018-09-17 -
92 OtP05 Period 795 2 2018-09-24 -
49 幕間りたーんず01 新・メタフィジカ 688 0 2018-09-28 -
119 OtP06 Anthem 816 2 2018-10-14 -
85 OtP07 Perfectly 896 2 2018-10-19 -
54 OtP08 Possession 673 2 2018-11-02 -
46 OtP09 Bloomin’ 777 2 2018-11-22 -
80 OtP10 Danger! 797 2 2018-12-09 -
103 OtP11 Vidofnir 905 2 2018-12-22 -
83 OtP12 Sigmund 744 2 2019-01-01 -
52 OtP13 Quantum 807 2 2019-01-11 -
91 OtP14 Vicious 802 2 2019-01-25 -
85 OtP15 Quantize 767 3 2019-01-29 -
81 OtP16 Fragments 840 2 2019-02-04 -
64 OtP17 Nornir 682 2 2019-02-15 -
75 OtP18 Beyond the End 698 2 2019-02-20 -
64 OtP第三幕 コラボ企画おしながき 648 2 2019-02-24 -
90 OtP19 Deflect 739 2 2019-03-01 -
51 OtP20 Jokulhaups 660 2 2019-03-11 -
54 OtP21 Expedition 732 2 2019-03-15 -
45 OtP22 Lindwurm 738 2 2019-03-19 -
44 OtP23 Swords 658 2 2019-03-24 -
56 【OtP】決戦前特番嘘ですごめんなさい 704 2 2019-04-01 -
111 OtP24 Charge 723 2 2019-04-08 -
107 OtP25 Manque 710 2 2019-04-21 -
61 OtP26 Lightning 628 2 2019-05-03 -
60 OtP27 Blaze 740 2 2019-05-22 -
60 OtP28 Prelude 819 2 2019-09-29 -
78 OtP29 Phantom 695 0 2021-01-02 -
49 OtP30 mare-Nectaris 546 2 2023-01-22 -
19 OtP31 Enclosure 236 1 2023-11-06 -

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