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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」

第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 作:イクス

D1グランプリ本戦。デュエルをこなし、勝利し次へ進む者、敗北し歩みを止める者……いや、魂を抜かれてしまう者。
そして、夕暮れの時間となりアナウンスが流れる。
「はーい、デュエリストの皆さん! 本戦の1日目が終わりました! デュエルタイムは終了です、ホテルへ戻って明日への準備をしてくださーい!」
プラクサスシティ全体にアナウンスが流れ、デュエリスト達はホテルへと戻っていく。もちろん、遊太達も戻っていく。家はプラクサスシティにあるが、大会規定でホテルに泊まらなければいけないのだ。
もちろん、これに遊太のお父さんが納得しているはずもない。
「うー……なぜ、家がここにあるのにホテルに泊まらなければいけないんだ……それも、遊太とユイ、二人も!」
「まあまあ良いじゃない。ホテルで一人で過ごすのも良い経験よ」
「良い経験なのかなあ? 一人は子ども、もう一人は記憶喪失……大丈夫なのかなあ?」
「あの子達は、意外と心配いらない子達ですから。心配しすぎですよ」
「ウェ~ン。ユイ、遊太、早く戻ってくれ~」
ホテルに入る遊太達。ここではデュエリストではなく、ただのホテルの客だ。夕食のバイキングに、人々が群がる。もちろん、遊太達も。
「あ、菊姫。みんな残っているんだね」
「当たり前だ! こんなところで、終わってたまるかってんだ!」
「俺も、まだまだ負けていられないじゃん!」
「ま、このくらいは通過点に過ぎねえよ」
「ワタシも、何かを取り戻すタメに、負けられマセンから……」
「みんな強気だねー。後で部屋行っても良い?」
「ルールで禁止デス」
「そっかー、じゃあまた明日ね!」

自分の部屋に戻った遊太。テレビをつけると、「D1ニュース」というD1グランプリについて解説する番組がやっていた。番組のメインキャスターは、リトルバードの二人だった。
「こんちゃーす! D1ニュースの時間だよ~!」
「この番組は、今現在開催されているD1グランプリについてアタシたちリトルバードがいろいろ解説する番組よ~」
「さて、D1グランプリもいよいよ本戦が始まり、5500人以上のデュエリストが集まりました。そのデュエリスト達が、このプラクサスシティにおいて激戦を繰り広げ、1日目を終えた時点で残ったデュエリスト達は、なんと3100人! 1日目でもう2000人以上デュエリストが敗退しているという事実!」
「やっぱサバイバルは違うわな~。これは、意外と早くトーナメント行っちゃうかもね」
「そんで、本日のMVPは……八神アキラ君! 今日一番デュエリストを倒した相手として、最終トーナメントのシード権に一歩ちかづきました」
「みんなも、最終トーナメントに向けて頑張ってねー! 以上、D1ニュースでした~!」
「へー、アキラ君が今日のMVPなのか。これは僕もうかうかしてられないな!」
遊太が意気込んでいむと、部屋に備え付けてある端末に着信がかかってきた。
「あれ? 誰だろう?」
端末を操作して、着信に応対する遊太。すると、それはテレビ電話だった。そこに映っていたのは、予選で自分に「本戦で待っている」と言った、ラルセイ・ドリーマーだった。
「ラルセイ君!」
「やあ遊太君、約束通り、本戦に出場してくれたんだね」
「うん、いろいろ苦労はあったけれど、どうにか本戦に出場はできたよ。そっちは?」
「僕はもちろん、アメリカ予選をトップで通過したよ! 僕は、アメリカの将来を期待されているデュエリスト、スター5だからね!」
「スター5?」
「うん、アメリカで将来を期待されているデュエリスト5人だよ。僕も含めてみんな遊太君や僕と同じくらいの年代なんだ!」
 J4みたいなのが、世界には沢山いるんだ。と、遊太は思う。そして続けざまに、ラルセイは語る。
「それに、僕はかなり期待が大きいんだ。なんていったって、オグマさんの子どもだからね」
「あのデュエルチャンピオン、オグマさんの子ども!? 君の名字って、ドリーマーだったよね?」
「子どもっていうのは言い過ぎた。正確には、僕を支援してくれている人だね。実は僕、元々は孤児なんだ……」
「孤児!?」
「うん。僕はね、元々は孤児院の生まれで、親も知らないんだ。んで、そこの孤児院の暮らしと言ったら、もう酷いもので……マトモに食事も与えられないし、所長はお金儲けのことばかり考えているしで、ホントに僕は……」
「……」
「でもね、ある日オグマさんが僕のいる孤児院にやって来たんだ。孤児院に寄付をしたいって言ってね。所長は大金をせしめようと躍起になるばかりで僕らのことなんかちっとも見てくれない。そして、みんなでオグマさんからデュエルを習ったんだけれど、そこが僕の転機だったんだ。デュエルを覚えた途端、あれよあれよとみんなに勝っちゃうようになったんだ」
「すると、オグマさんは言ったんだ。『もし良かったら、私の下でデュエルを学ばないか』ってね。僕はもちろんOKしたよ。そして、僕はオグマさんの下でデュエルを学んでからというもの、連戦連勝。ついにはアメリカチャンピオンになっちゃったんだ」
「そんな過去が……」
「今の僕があるのは、オグマさんのおかげなんだ。だから、このD1グランプリでは必ず優勝という結果で返そうと思っているんだ」
「でも、僕のことも気にしているんだよね?」
「そうだよ、ただ優勝しただけじゃ恩返しにはならないからね。君みたいな強いデュエリストを倒して頂点に立ってこそ、さ。中でも、君はこれから倒したくなるデュエリストナンバー1になるはずさ!」
「僕が……」
「だからね、決勝トーナメントで僕と戦うまで、絶対に負けちゃダメだよ! じゃあね!」
そうして、テレビ電話は消えた。
「そうか……認められているんだな、僕。なら、お望み通り決勝トーナメントで会おうじゃないか!」
決意を新たにして、遊太は眠った。


翌日。D1グランプリ本戦2日目。本日も決勝トーナメントへ残るために、デュエリスト達がプラクサスシティへと旅立つ。
「よーし! 今日も本戦に残るために頑張るぞー!」
もちろん、遊太もプラクサスへと出て行く。ホテルを出て、しばらく歩く。すると。
「……!?」
突如、背中から鋭い視線を感じた。振り向くが、そこには誰もいない。だが、こういう視線を感じたことがある遊太にはわかった。
「誰だ! そこにいるのはわかっているぞ!」
大声を出すと、物陰から現れたのは中国の梁山伯のような格好をした遊太より少し年が上っぽい少年だった。左手には、D1グランプリのデュエルディスクがつけられていた。
「何だ、デュエリストか。あんまり鋭い視線感じたから、てっきり闇の力の関係者かと思ったよ」
「……温いな」
「え?」
「先ほどの、視線だけで俺がいることを感じ取ったまでは良かった。だが、デュエリストとわかれば気を緩めた。故に温いと言ったまでだ。俺たちは、互いに戦う人間なのだから、勝敗を分かつまで気を緩めるのはありえん」
「そんな、デュエルなんだしもう少し気楽にやっても……」
「お前、何か勘違いしていないか?」
「勘違いって?」
「デュエルを、スポーツかエンタメか何かだと勘違いしている。良いか、デュエルとは戦争だ。互いのプライドという名の命をかけたものだ……特に、この世界中のデュエリストが集うD1グランプリではな……今から戦争を行う者が、気楽になれるか? おめでたいヤツだ……」
「そんな! デュエルっていうのは、国の垣根を超えて、みんなが楽しめるモノだよ! 傷つけ合うデュエルなんて……」
遊太は知っていた。傷を負うデュエルのつらさを。あの、決闘者の帝国や、ダークネスカードの一件。だからこそ、デュエルというのは楽しいものでなくてはならないと、思っていたのだが……。
「だから、甘いというのだ!」
「ぐふっ!」
突然、遊太は腹を殴られた。正拳突きが、見えなかった。
「既に、戦争は始まっている。その甘さが、命取りだ」
「く、くそ……デュエリストなら、デュエルで戦え! 僕と、戦え!」
「挑む気か」
「当たり前だ! デュエルが戦争だなんて、そんなの絶対間違ってる! 僕とのデュエルで、それをわからせてやる!」
「良いだろう、その甘い考えを、お前の失格と共に思い知らせてやる」
遊太は、フラフラになりながらもデュエルディスクを構える。それを見て、相手もディスクを展開する。そして、カンフーのポーズを取る。
「ホッ、ハァー! 中国代表陽秦春(ヤン・シンシュン)、参る!」


「「ルールはマスタールール3、ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」


「先攻は僕がもらう!」


1・遊太のターン

「僕は手札から、魔法カード『英雄騎士の援軍』を発動。デッキから『ロードナイト』モンスター1体を手札に加える。僕は、『ロードナイト・クリスティ』を手札に加える」(遊太墓地0→1)
「更に、手札より『ロードナイト・アウェイク』を捨てて効果発動。デッキから『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太墓地1→2)
「手札から、『ロードナイト・クリスティ』を召喚! 効果発動、手札から『ロードナイト』を1体特殊召喚できる。手札から『ロードナイト・スター』を特殊召喚する」(遊太手札5→3)
「スターは特殊召喚された時、デッキからレベル4以下の『ロードナイト』を特殊召喚できる。デッキから『ロードナイト・ダージ』を特殊召喚! ダージが特殊召喚された時、デッキから1枚ドローできる。それが『ロードナイト』だった時、特殊召喚できる! ドローしたカードは……『ロードナイト』じゃない。よってこのまま手札に加える」(遊太手札3→4)
「そして手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』モンスター1体をリリースして、リリースしたモンスターと同じ属性を持つ『イクスロードナイト』1体を、エクストラデッキから特殊召喚する! 水属性のクリスティをリリースして、エクストラデッキから特殊召喚! レベル8『イクスロードナイト・ジエス』!」(遊太手札4→3)(遊太墓地2→4)
氷の弓矢を持つ青色の騎士。攻撃力は2600だが、相手モンスターの効果を無効化できる効果を持つ。
「更に手札から、魔法カード『英雄騎士の作戦変更』を発動。自分フィールドの『ロードナイト』モンスター1体をリリースして、デッキから違う属性の『ロードナイト』を特殊召喚できる。ダージをリリースして、デッキから『ロードナイト・ネクロ』を守備表示で特殊召喚する」(遊太墓地4→6)(遊太手札3→2)
「ネクロは特殊召喚された時、墓地の『英雄騎士』魔法カード1枚を手札に加えられる。墓地より『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太墓地6→5)(遊太手札2→3)
「そして手札から再び、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動。闇属性のネクロをリリースして、エクストラデッキから僕のエースモンスター『イクスロードナイト・アルファ』を特殊召喚する!」(遊太手札3→2)(遊太墓地5→7)
黒き鎧の、青いマントを羽織る魔導騎士。遊太の『イクスロードナイト』デッキにおける、エースモンスター。攻撃力は2500。
「アルファのモンスター効果発動。墓地の『ロードナイト』モンスター1体をデッキに戻して、デッキから『英雄騎士』魔法カード1枚を手札に加える。僕はデッキから『英雄騎士の再生術』を手札に加える」(遊太手札2→3)(遊太墓地7→6)
「そして手札から、魔法カード『英雄騎士の再生術』を発動。墓地から『ロードナイト』モンスターと『英雄騎士』魔法カードを1枚ずつ手札に加える。『ロードナイト・ダージ』と『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太手札2→4)(遊太墓地6→5)
「そして三回目、『英雄騎士への覚醒』を発動! 光属性のスターをリリースして、エクストラデッキから『イクスロードナイト・ディアナ』を特殊召喚する!」(遊太手札4→3)(遊太墓地5→7)
3体目、白い鎧に三日月の鎌を持つ女騎士。その鎧は月の意匠を持つ。攻撃力は2700。
「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」(遊太手札3→2)

遊太

ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター3体
『イクスロードナイト・ジエス』(攻撃表示・攻撃力2600・水属性・レベル8)
『イクスロードナイト・アルファ』(攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル8)
『イクスロードナイト・ディアナ』(攻撃表示・攻撃力2700・光属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数7枚
除外されているカード0枚


「ほう、1ターン目で強力なモンスターをそこまで出すとはな。戦いへの用意はできていたということか」
「デュエルは、戦いなんかじゃない! このデュエルで、それを証明してやる!」
「だが、俺も戦いで負けるわけにはいかんのでな。こちらも全力で行かせてもらう!」
(やってみろよ。こっちには、モンスター効果を無効化するジエス、魔法を無効化するアルファ、モンスター1体の攻守を0にするディアナがいるんだ。そう簡単にはいかないよ!)


2・陽のターン

「俺のターン、ドロー!」(陽手札5→6)
「手札から、魔法カード『サンダー・ボルト』を発動。相手モンスターを全て破壊する!」(陽手札6→5)(陽墓地0→1)
「アルファの効果発動! 手札1枚を捨てて、相手の魔法カードの発動を無効化し、破壊する!」(遊太手札2→1)(遊太墓地7→8)
「まあそれくらいはやるだろう。ここから行かせてもらう。永続魔法『炎虎梁山壁』を発動。このカードの発動処理として、デッキよりレベル5の地属性・戦士族モンスターか光属性・戦士族モンスターを手札に加える。俺はデッキから光属性・戦士族の『天融星カイキ』を手札に加える」
「魔法カード『融合』を発動。手札のレベル5『天融星カイキ』とレベル5『天昇星テンマ』を素材とし、融合召喚! 今、天を昇りし者と天に溶けし者が一つとなり、悠久の覇者となる! レベル10『覇勝星イダテン』!」(陽手札5→2)(陽墓地1→4)
現れたのは、猛々しい鎧を身に纏った荒武者。攻撃力は3000。遊太のモンスター達より上だ。
「攻撃力3000……! だけど、速攻で封じさせてもらうよ! ジエスの効果発動! 1ターンに1度、相手モンスター1体を対象として、そのモンスターの攻撃と効果を無効化する! フリージング・アロー!」
ジエスが放った氷の矢が、イダテンを凍らせようとする。だが、その矢は炎の壁に阻まれて届かなかった。
「なんだって!? モンスター効果が通用しない!?」
「永続魔法『炎虎梁山壁』の効果。このカードが表側表示である限り、俺のモンスターは自身が持つレベル以下のモンスター効果を受けない!」
「イダテンのレベルは10……よって、レベル8の『イクスロードナイト』達の効果は受けないってことか……!」
「続けるぞ、融合召喚に成功したイダテンの効果で、デッキよりレベル5の戦士族モンスター『地葬星カイザ』を手札に加える」(陽手札2→3)
「装備魔法『風雷剣』をイダテンに装備。このカードを装備したモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、もう一回攻撃することができる」(陽手札3→2)
「一掃するつもりか!」
「バトルフェイズ! イダテンで、アルファを攻撃! そしてこの瞬間、イダテンの効果が発動される。イダテンは、自身よりレベルの低いモンスターと戦闘を行う時、その攻撃力を0にする!」
「3000の直撃を受ける訳には……! 罠カード『ガード・ブロック』を発動! 戦闘ダメージを0にして、1枚ドローする!」(遊太墓地8→10)(遊太手札1→2)
「だが、装備魔法『風雷剣』を忘れていないか? モンスターを破壊したため、もう一回攻撃できる! ジエスに攻撃! そして、イダテンの効果で攻撃力は0となる!」
「ぐっ、ターン1がないのか!」
「行け、攻撃!」
「ぐぅっ!」(遊太ライフ8000→5000)(遊太墓地10→11)
「メインフェイズ2に入り、カードを1枚伏せてターンエンド」(陽手札2→1)



ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター1体
『覇勝星イダテン』(攻撃表示・攻撃力3000・光属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『風雷剣』(装備魔法)
『炎虎梁山壁』(永続魔法)
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚


3・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札2→3)
(レベル以下のモンスター効果を受けない永続魔法……相手のレベルが10ということを考えると、僕のほとんどのモンスターが効果を受けないってことになる。でも、レベルってだけなら……あのモンスターなら、ロベルトさんからもらったあのモンスターなら!)
「手札から、『ロードナイト・ダーク』を召喚! 効果発動。召喚された時、墓地から『ロードナイト』モンスター1体を特殊召喚できる。墓地からネクロを特殊召喚し、効果発動。墓地から『英雄騎士』魔法カード1枚『英雄騎士の作戦変更』を手札に加える」(遊太墓地10→8)
「魔法カード『英雄騎士の作戦変更』を発動。フィールドのダークをリリースして、デッキから違う属性を持つ『ロードナイト・クレス』を特殊召喚する。効果発動、デッキから『ロードナイト・ビート』を手札に加える」(遊太墓地8→10)
(これで、レベル4のモンスターが2体揃った!)
「レベル4のモンスター2体を素材に、エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!」
「エクシーズモンスター……! 永続魔法『炎虎梁山壁』をかいくぐる効果か……」
「ダーク・リベリオンの効果発動! エクシーズ素材を2つ取り除き、相手モンスター1体を対象として発動。相手モンスターの攻撃力を半分にして、ダーク・リベリオンの攻撃力をアップする! イダテンを対象として、攻撃力を半分に!」(遊太墓地10→12)
イダテンの攻撃力が半分の1500となり、ダーク・リベリオンの攻撃力が4000となる。だが、陽は不敵に微笑む。
「やはりな、そう来ると思っていたぞ。永続魔法『炎虎梁山壁』はエクシーズモンスターの効果を防げない。そこをついてエクシーズで攻めれば……というところが甘いのだ!」
「なに……」
「この瞬間、元々の攻撃力と異なるレベル5以上の戦士族モンスターが存在している相手ターン、墓地の『天融星カイキ』の効果発動! このカードを墓地から特殊召喚する!」(陽墓地4→3)
「更に、特殊召喚に成功したカイキの効果を発動させる。500ポイントライフを支払い、手札・フィールドから戦士族の融合モンスターによって決められたモンスターを墓地へ送り、融合召喚できる! 俺は、カイキとイダテンを素材とし、融合召喚! 天にとけし者と悠久の覇者が一つとなり、今、天下を取らん! レベル12『覇道星シュラ』!」(陽墓地3→6)(陽ライフ8000→7500)
現れたのは、3つの顔と4つの腕を持つ覇道の戦士。レベルは12だが、攻撃力は0。
「攻撃力0……? 何か、強力な特殊効果を持つモンスターなのか……?」
「フフフ、攻撃してきたらどうだ?」
(攻撃力が0のモンスターを棒立ちさせるなんて、ありえない。だったら攻撃できないよな……その上、あの永続魔法の効果で、レベルが低いモンスターの効果を受けないって言うのなら……ここはひとまず守りに徹しよう)
「カードを1枚伏せて、ディアナを守備表示にしてターンエンド」(遊太手札3→2)

遊太

ライフポイント5000
手札枚数2枚
モンスター2体
『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力4000・闇属性・ランク4・X素材0)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数12枚
除外されているカード0枚


「ほう、特殊効果を警戒して攻撃しなかったか。だが、その選択が一番の愚かな行為だと言うことを、思い知らせてやる!」


4・陽のターン

「俺のターン、ドロー」(陽手札1→2)
「俺は手札から、魔法カード『融合回収』を発動。墓地から『融合』と融合素材モンスター『天昇星テンマ』を手札に加える」(陽手札2→3)(陽墓地6→5)
「そして再び、魔法カード『融合』を発動! 『天昇星テンマ』と『地葬星ガイザ』を素材として、融合召喚! 今、天に昇りし星と、地に埋葬されし星が一つとなり、稲光の覇者となる! レベル10『覇雷星ライジン』!」(陽手札3→0)(陽墓地5→8)
稲光の閃光と共に現れた、雷の覇者。攻撃力は3000。
「また、攻撃力の高いモンスターが……」
「バトルフェイズに入り、シュラの効果が発動される! シュラの効果で、お前のモンスターの攻撃力は0となる!」(ダーク・リベリオン攻撃力4000→0)(ディアナ攻撃力2700→0)
「なにっ!? そんな効果が……」
「更に、シュラの効果でモンスター同士が戦闘を行うダメージ計算時、お互いのモンスターは攻撃力がレベル×200アップする」
「ということは、シュラの攻撃力は2400となり、ライジンの攻撃力は5000に……」
「だが、お前のエクシーズモンスターはレベルを持たないため、攻撃力を上げることはできん!」
「しまった、エクシーズモンスターを出したことが仇になった!」
「更に、ライジンの効果。このモンスターがレベルを持たないモンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは倍になる」
「ということは……シュラの効果を使わずとも、ダメージが6000に!?」
「終わりだ! ライジンで攻撃力が0となっているダーク・リベリオンを攻撃! 6000のダメージを食らえ!」
「この攻撃を食らったら、負ける……! 手札から『ロードナイト・ビート』を捨てて効果発動! モンスター同士で発生する戦闘ダメージを0にする!」(遊太手札2→1)(遊太墓地12→14)
ビートが現れ、代わりに攻撃を受ける。ダメージは0となり、キルは防がれた。
「防いだか。なら、シュラでディアナを攻撃! この瞬間、シュラの攻撃力は2400となる!」
「ぐっ……だけど、破壊されたディアナは破壊された時、このモンスターの攻撃力分のライフを回復できる! 2700ライフを回復!」(遊太墓地14→15)(遊太ライフ5000→7700)
「フム、回復効果を持っていたか。俺はこれでターンエンドだ」
「だけど、このターンのエンドフェイズ、罠カード『裁きの天秤』を発動できる! 相手フィールドのカードの数が自分の手札・フィールドのカードの合計より多い場合、その差分だけドローできる。今、僕のカードはこのカードも含めて2枚。君のフィールドはシュラ、ライジン、永続魔法、伏せカード含めて4枚。よって2枚ドローする!」(遊太手札1→3)(遊太墓地15→16)



ライフポイント7500
手札枚数0枚
モンスター2体
『覇道星シュラ』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル12)
『覇雷星ライジン』(攻撃表示・攻撃力3000・光属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『炎虎梁山壁』(永続魔法)
墓地の枚数8枚
除外されているカード0枚


5・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札3→4)
(レベルを持つモンスターは、あの永続魔法で防がれ、かといってエクシーズとかで攻めればシュラに防がれる……良いコンボだ。攻め方にそつが無い。だけど、ここは僕が勝たせてもらう!)
「手札から、速攻魔法『英雄騎士の緊急招集』を発動! 自分フィールドにモンスターがいない時、手札・デッキからレベル4以下の『ロードナイト』を特殊召喚できる。僕はデッキから、レベル3の『ロードナイト・パニッシュ』を特殊召喚する! そして、特殊召喚されたパニッシュは、デッキから『ロードナイト』モンスターを手札に加えられる。デッキから『ロードナイト・シーマイン』を手札に加える」(遊太墓地16→17)
「パニッシュをリリースして、レベル6のシーマインをアドバンス召喚! 効果発動。このモンスターがアドバンス召喚に成功した時、墓地からレベル4以下の『ロードナイト』を2体特殊召喚できる! 僕は墓地から、レベル4の『ロードナイト・ネクロ』レベル2の『ロードナイト・クレス』を特殊召喚する」(遊太手札4→3)(遊太墓地17→16)
「クレスが特殊召喚に成功した時、デッキから『ロードナイト』モンスター1体を手札に加えられる。デッキより『ロードナイト・サフィア』を手札に加える。更に、ネクロの効果で墓地から『英雄騎士の再生術』を手札に加える」(遊太手札3→5)(遊太墓地16→15)
「手札の『ロードナイト・サフィア』を、手札から捨てて効果発動。相手フィールド上の表側表示の魔法・罠を1枚無効化する! 僕は永続魔法『炎虎梁山壁』を無効化!」(遊太手札5→4)(遊太墓地15→16)
「なんだと!?」
サフィア自身がサファイアの槍となって、永続魔法を封じる。これで、陽のモンスターに耐性が無くなった。
「行くよ! 魔法カード『英雄騎士の再生術』を発動。墓地から『ロードナイト・ビート』と速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太手札4→5)(遊太墓地16→15)
「手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 地属性のクレスをリリースして、『イクスロードナイト・ウェイカー』を特殊召喚する!」(遊太手札5→4)(遊太墓地15→17)
分厚い鎧に包まれた、巨体の鎧騎士が現れる。守備力は2800。
「ウェイカーの効果発動! 相手フィールドの守備力が一番高いモンスターか、攻撃力の最も低いモンスターを破壊できる! 攻撃力の最も低い、シュラを破壊! キングダム・クラッシャー!」
巨大な鉄球によって、シュラが破壊される。だが、破壊されたシュラから、モンスターの影が現れる。
「『覇道星シュラ』が相手によって破壊され墓地へ送られた場合、エクストラから『覇勝星イダテン』を融合召喚扱いで特殊召喚できる! よって、デッキからレベル5の戦士族モンスター『地翔星ハヤテ』を手札に加える」(陽手札0→1)(陽墓地8→9)
「速攻魔法『英雄騎士交代』を発動! 自分フィールドの『イクスロードナイト』モンスター1体をエクストラデッキに戻し、エクストラから違う『イクスロードナイト』を特殊召喚する。僕はウェイカーをデッキに戻し、炎属性の『イクスロードナイト・デュナス』をエクストラから特殊召喚する!」(遊太手札4→3)(遊太墓地17→18)
ウェイカーと入れ替わるように現れたのは、ドラゴンの翼を持つ騎士。攻撃力は2900。
「デュナスのモンスター効果発動! ライフを1000支払い、フィールドのこのモンスター以外のモンスターを全て破壊する! ビッグバン・バーストインパクト!」(遊太ライフ7700→6700)
空中に飛び上がったデュナスは、巨大な火球を作りフィールドに落とす。その炎の威力は、とても他のモンスター達に耐えられるものではなく、敵味方も関係なく焼き尽くしてしまう。
「くっ、無理矢理だな……」(陽墓地9→11)
「この時、僕のモンスターも破壊されてしまう。けれど、この効果には続きがある。破壊したモンスターの中で、攻撃力が一番高いモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。一番攻撃力が高かったのは、イダテンの3000。よって、3000のダメージを相手に与える!」(遊太墓地18→20)
「くっ……やられたか……」(陽ライフ8000→5000)
「ただし、この効果を使った時、このモンスターは直接攻撃できない。でも、これは発動できる。速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! デュナスをリリースして、同じ炎属性の『イクスロードナイト・デューク』をエクストラデッキから特殊召喚する!」(遊太手札3→2)(遊太墓地20→22)
再び現れたのは、赤い鎧と赤いマントの、炎をかたどった槍を持つ騎士。攻撃力は2800。
「行くぞデュークでダイレクトアタック! フレムベル・セイバー!」
「ぐぅっ!」(陽ライフ5000→2200)
「ようし、カードを1枚伏せて、ターンエンド。どうだ、これで僕が逆転したよ!」(遊太手札2→1)
「だが、このターンのエンドフェイズ、破壊されたライジンの効果が発動される。戦闘・効果で破壊されたターンのエンドフェイズに、墓地のレベル7以下の戦士族モンスターを特殊召喚する。俺は墓地のカイキとテンマを特殊召喚する。そして、特殊召喚されたカイキの効果で、500ライフを支払い、融合召喚! 再びレベル10の『覇勝星イダテン』を召喚する」(陽ライフ2200→1700)


遊太

ライフポイント6700
手札枚数1枚
モンスター1体
『イクスロードナイト・デューク』(攻撃表示・攻撃力2800・炎属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数22枚
除外されているカード0枚


「どうだ! これが僕のデュエルだ!」
「お前の、楽しむデュエルとはそういうものか。温い! その程度で俺に勝つことはできん!」
「ライフがそんなに減って、そんなこと言えるの?」
「フン、こういうギリギリの状況においても、攻める姿勢は忘れない。それが戦いと言うものだ! この戦いは、俺が制する!」
「戦いだなんて……そんなことまだ言っているのかよ!」
「言っただろう、これがデュエルは戦いだと!」

6・陽のターン

「俺のターン、ドロー!」(陽手札1→2)
「俺は手札から、魔法カード『アドバンスドロー』を発動。フィールドのレベル8以上のモンスターを1体リリースし、2枚ドローする。俺はイダテンをリリースし、2枚ドローする」(陽手札2→3)(陽墓地11→13)
「魔法カード『死者蘇生』を発動! このカードは、自分・相手墓地からモンスターを特殊召喚できる! おれは墓地より、イダテンを特殊召喚する!」(陽手札3→2)
「手札から、速攻魔法『風虎梁山術』を発動! このカードは、自分フィールドにレベル10以上の戦士族の融合モンスターが特殊召喚された時、エクストラ・墓地からレベル10の戦士族モンスターを1体ずつ特殊召喚できる! 俺は墓地からライジンを、エクストラデッキから『覇嵐星フウジン』を特殊召喚する!」(陽手札2→1)
エクストラデッキから特殊召喚された『覇嵐星フウジン』は、攻撃力3000。
「行くぞ、バトルフェイズ! イダテンで、デュークを攻撃! イダテンは、レベルの低い相手モンスターと戦闘を行う時、相手モンスターの攻撃力を0にする!」
「手札から、『ロードナイト・ビート』を捨てて効果発動! 戦闘で受けるダメージを0にする!」(遊太手札1→0)(遊太墓地22→24)
「ならば、ライジンでダイレクトアタック!」
「ぐうううっ! だけど、3000のダメージを受けたこの時、罠カード『ダメージ・ゲート』を発動! 戦闘ダメージを受けた時、墓地から受けたダメージ以下の攻撃力のモンスターを特殊召喚できる! ダメージは3000、よって攻撃力2900のデュナスを墓地から特殊召喚する! 守備表示だ!」(遊太ライフ6700→3700)
「ならば、ここはエンドフェイズ。エンドフェイズにフウジンの効果が発動され、フィールド上の戦士族モンスターの数×500ポイントのダメージを相手に与える! お前のモンスターも戦士族で、今フィールドにいるのは4体。よって2000のダメージを与える!」
「ぐぅっ!」(遊太ライフ3700→1700)
(あれ、でもおかしいな。デュナスの効果が発動されれば、相手は効果ダメージだけで終わってしまう。効果ダメージを優先したとしても……まさか、今まで発動されなかった、あの伏せカード……!)



ライフポイント1700
手札枚数1枚
モンスター3体
『覇勝星イダテン』(攻撃表示・攻撃力3000・光属性・レベル10)
『覇雷星ライジン』(攻撃表示・攻撃力3000・光属性・レベル10)
『覇嵐星フウジン』(攻撃表示・攻撃力3000・風属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『炎虎梁山壁』(永続魔法)
墓地の枚数13枚
除外されているカード0枚


7・遊太のターン

「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
「デュナスの効果発動! ライフを1000支払い、フィールドのデュナス以外のモンスターを全て破壊する!」(遊太ライフ1700→700)
「この瞬間、カウンター罠『雷火梁山掌』を発動! 自分フィールドにレベル10以上の戦士族融合モンスターがいる時、相手のモンスター効果・魔法・罠の発動を無効化し、破壊する! そして無効化したのがモンスター効果だった場合、無効化したモンスターの元々の攻撃力分のライフを回復する!」
「ここで残していたのを……! くっ!」(遊太墓地24→25)
「詰めの一発には、鋭かっただろう? お前の手札は1枚。そしてフィールドはがら空き、もうどうすることもできまい!」(陽ライフ1700→4600)(陽墓地13→14)
「まだ……やれるさ! 速攻魔法『英雄騎士融合』を発動! フィールド・墓地から『イクスロードナイト』融合モンスターによって決められた融合素材を除外して、融合召喚を行える! 僕は、デュナスとデュークの2体を除外して、融合召喚! 戦場を焦土に変える騎士よ、赤き紅蓮の騎士よ、今こそ一つとなって、全ての敵を灰燼と化せ! レベル10『イクスロードナイト・タイラント・エグザ』!」(遊太手札1→0)
現れたのは、巨大なドラゴンが二対の槍を持った姿の騎士! 攻撃力は……。
「攻撃力……3800!?」
(だが、イダテンの効果の対象はあくまでレベル以下。レベル10ならば、イダテンなら……)
「バトルフェイズ! タイラント・エグザで、イダテンを攻撃!」
「この瞬間、イダテンの効果が発動……しない!?」
「タイラント・エグザのモンスター効果。このカードが存在する限り、相手はバトルフェイズ中に効果を発動できない!」
「ぐぅぅっ!」(陽ライフ4600→3800)(陽墓地14→15)
「そしてタイラント・エグザは、一度のバトルフェイズ中に2回攻撃ができる! フウジンを攻撃!」
「ぬぅっ!」(陽ライフ3800→3000)(陽墓地15→16)
「ここでバトルフェイズは終了。そしてバトルフェイズ終了時、タイラント・エグザの効果が発動する! それは、エグザ自身の攻撃力分のダメージを相手に与えるか、フィールドのカードを全て破壊して、破壊した数×800ポイントのダメージを相手に与える!」
「と、ということは……!」
「タイラント・エグザの攻撃力分のダメージを、相手を与える!」
「ぐああああっそんな馬鹿なああっ!」(陽ライフ3000→0)


デュエルが終わった陽と遊太。
「負けたのか……俺は」
「どうだ! デュエルっていうのは、戦いじゃない。もっと楽しくて、もっと張り合いのある……」
遊太が言いかけた、その瞬間だった。リリリと、着信音が鳴った。陽は懐からケータイを取り出し、応対する。
「はい、もしもし。陽です。主席様ですか、申し訳ありません、予選で負けました。ハッ、何なりと罰は受けます……ただちに帰国します」
ケータイを切り、どこかへ行こうとする陽。
「待ってよ! 話はまだ……」
「俺が今回のD1グランプリに出場したのは……俺の国のデュエリストが、優秀であることを世界に知らしめることが、俺に与えられた使命……」
「し、使命!?」
「しかし、それは果たせなかった。罰を受けるのは当然だ」
「ま、待ってよ!」
陽の肩をつかんで、止める遊太。
「罰って、酷いことされるんでしょ!? 君はそれで……」
「……心配か? 俺とて幼い頃からデュエルの英才教育を国家から受けてきた身。罰なんて受け慣れている。いや、それよりも……さっきまで敵対していた人間を心配か? とんだ お笑い種だ……」
「だ、だってぇ……デュエルは楽しい物なのに、負けたからってそんな……」
「……優しいヤツだな、お前は。だが、戦場においてはその優しさが命取りとなるぞ。それをわかっておくことだな」
遊太の肩を払いのけ、再び歩き出す陽。遊太は、それに対し何も声をかけられなかった。だが、陽は止まり、振り向かずに遊太に言った。
「……もし、もしお前とまたデュエルできることがあったなら、その時は……楽しいデュエルをしようじゃないか。デュエルで友達ってな」
そう言い残して、去って行った。陽が見えなくなった後、遊太は一人つぶやいた。
「なんだよ……急に良い奴になるなんて……そんなのずるいよ……」


「アチャァ!」
「ぐえっ!」
「俺が罰を受けるのは、お前らじゃない。国へ帰ってだ」
陽は、魂を奪う関係者をぶちのめし、国へ帰ろうと思っていたが、ケータイに着信が鳴る。
「もしもし、主席ですか? はい? 帰る前に協力したほうがいい人間がいると? その人間の名前は……ロベルト・フランシスですか。わかりました、やりましょう」


第百五話。終わり。
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