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第九十五話「最終予選1 友達VS友達」 作:イクス
三次予選チームメイクデュエルにおいて、まさかのチームJ4と引き分けを起こすという珍事を起こしたチーム遊太達。さらには、特殊裁定で両方生き残るというさらなる驚きを見せた。チーム遊太は、一気に最終予選に残った連中の注目を集める。
「なんだ……? あのジュニアデュエリスト最強の4人相手に、引き分け……?」
「2回負けているとはいえ、なんでこんなことを……?」
これにロカクタウンのみんなは、当然といった表情。
「すごいんだな、あのJ4に引き分けなんだな」
「ま、俺らに勝っているんだから当然だよな」
「あの子達は、計り知れない可能性を持っているのね」
プロのトップ3も、その内容に唸る。
「ほう、将来を期待されたあのデュエリスト達に、引き分けとはな。やるではないか」
「ま、俺の弟子がいるんだから、当然っちゃあ当然だがな」
「キャハハハ! かわいくて強いなんて、すっごぉ~く、キュート!」
そうして、息つく暇も無く最終予選が始まろうとしていた。ステージのリトルバードの二人が、予選の内容を説明する。
「はーいみなさーん! 三次予選は終了でーす!」
「最終予選は、シングルデュエル! こちらがランダムに決めた相手とデュエルして、勝った方が本戦へと出場できま~す」
そうして、ステージの組み合わせ表が発表され、各個人の対戦相手が発表される。
各人の対戦相手は。
「ウソ……まさか友達同士で戦うことになるとは」
「まさかまさかの展開じゃん! 同じ友達同士で、本戦を賭けて戦うじゃん!」
「……ですけど、負けませんよ。僕だって、この日のために頑張って来たんです。ここで負けたら、全部が全部終わっちゃいますから!」
「俺だって、応援してくれる人のために頑張らないといけないんじゃん!」
知多と真薄、同じ友達がデュエルを行うこととなり。
「マジかよ、なんでお前と対戦することになったんだ?」
「それはこちらも同じですわ、アキラ君」
「前に一回戦ったことがあるが、あん時は本気でやれてなかったからな」
「ええ、互いに本気のデュエルをしましょうね」
アキラはカリンと戦うことになり。
「マジかよ……今回は一人でやることになったのかよ」
「おやおや、タッグで負けた相手と、またやることになるたぁ、かなりド派手な展開だな」
「フン、さっきの仕返しって訳か? だけど……アタシだって負けられないんだよ!」
菊姫は、J4の一人石山堅と戦う。
そして、遊太と戦うのは!
「まさか、もう一度戦うことになるなんてね……明石さん」
「なんでやろなあ。これもまた、デュエルの神様のお導きかもしれんなあ。やけど、先ほどのチーム戦での借り、返させてもらうで!」
遊太はJ4最強の男、明石慎之介と対戦することになった。
ユイはなんかよく知らないプロと戦うことになり、石田や明石以外のJ4や日本トッププロの3人もまた別のデュエリストと戦うこととなった。
「全員そろいましたね……? それでは最終予選……」
「スターット!」
リトルバードのアオイとヒカリのかけ声によって、最終予選は始まった!
知多と真薄、そのデュエルは。
「なあ真薄、俺たちってさあ……遊太と一緒になってから、いろいろなことに巻き込まれて来たじゃん?」
「はい、そうですよね」
「そんで強くなって、こんな所でデュエルできるようになって……俺達はいろんな出会いをしたじゃん……」
「はい……」
「おかげで俺は将来の伴侶を見つけ、すごいことを託されて……ともかくなんかすごいことが起ころうとしているじゃん! 遊太がいなかったら、こんなとこになんかこれなかったよなぁ……」
「今更思い出浸りですか?」
「そうかもな~。だからこうして、こんな最高の舞台で出会えた友達とデュエルできる。サイコーじゃん! ついでに、遊びで何回かは戦ってたけど、真剣勝負で戦ったことは一回も無かったじゃん? だから……」
「はい、僕も同じです。だからこそ、負けませんよ!」
「おう!」
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」
「先攻は俺がいただくじゃん!」
1・知多のターン
「俺のターン!」
「俺は手札から、速攻魔法『イモータルの贄』を発動じゃん! このカードは手札・フィールドの『イモータル』を破壊して、2枚ドローする。俺は手札の『イモータル・コカトリス』を破壊して、2枚ドローじゃん!」(知多墓地0→2)
「更に、『イモータル』カードの効果で破壊されたコカトリスは、デッキよりレベル4以下の『イモータル』モンスターを特殊召喚できる! デッキより、レベル4の『イモータル・グール』を特殊召喚する」
「手札より、永続魔法『補給部隊』を発動じゃん。このカードがフィールド上にある時、俺のフィールドのモンスターが破壊された時、デッキから1枚ドローできる」(知多手札5→4)
「手札のレベル2チューナー『イモータル・バット』は、自分フィールドのアンデット族1体を対象として、そのモンスターを破壊することで手札・墓地から特殊召喚できる。グールを破壊して、手札から特殊召喚じゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地2→3)
「『イモータル』カードの効果で破壊されたグールは、デッキより『イモータル』モンスターを1体手札に加えられる。俺はデッキより『イモータル・ヴォーン』を手札に加える。更に、俺のフィールドのモンスターが破壊されたことで、永続魔法『補給部隊』の効果が発動して1枚ドローじゃん!」(知多手札3→5)
「手札より、『イモータル・ヴォーン』を召喚! そして、レベル4のヴォーンに、レベル2のバットをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、永久凍土に秘められし白き白狼、レベル6『スノーイモータル・ガルム』!」(知多手札5→4)(知多墓地3→5)
吹雪の中より現れた、白い狼。口からこぼれる白い吐息は、それだけで冷たさを感じるアンデット。攻撃力は2500。
「リバースカードを2枚セットして、ターンエンド。そしてこのターンのエンドフェイズ、破壊されたグールとコカトリスは墓地から蘇るじゃん!」(知多墓地5→3)(知多手札4→2)
知多
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター3体
『スノーイモータル・ガルム』(攻撃表示・攻撃力2500・水属性・レベル6)
『イモータル・グール』(守備表示・守備力500・闇属性・レベル4)
『イモータル・コカトリス』(守備表示・守備力600・闇属性・レベル5)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚
「『イモータル』デッキ……破壊されれば何度でも蘇るまさしく不死のモンスター。でも、その特性を理解すれば決して負ける相手じゃありません!」
2・真薄のターン
「僕のターン、ドローです!」(真薄手札5→6)
「手札を1枚捨てることにより、魔法カード『コスモの繋がり』を発動させます。このカードはデッキより同じ属性を持つ『C・HERO』2体を手札に加えます。僕は闇属性の『C・HERO アズマス』と『C・HERO グレイ』を手札に加える」(真薄墓地0→2)
「そしてグレイは手札から捨てることで、デッキより『融合』を手札に加えます」(真薄墓地2→3)
「手札より、アズマスを召喚! アズマスは召喚・特殊召喚された時、デッキから『コスモ』カード1枚を手札に加えます。僕はデッキより『コスモテック・フュージョンサポート』を手札に加えます」
「永続魔法『コスモテック・フュージョンサポート』を発動させ、その発動処理としてデッキより『C・HERO』を1体手札に加え――」(真薄手札5→4)
「それにチェーンして、ガルムの効果発動じゃん! 自分フィールドのアンデット族モンスターを任意の数破壊して、破壊した数まで相手フィールドのカードを無効化できるじゃん! グールを破壊して、相手カード1枚、そのフュージョンサポートを無効化するじゃん! デスアイスブレス!」
ガルムの冷たい息吹が、永続魔法を凍り付かせて無効化してしまう。その上。
「フィールドのモンスターが破壊されたことで、永続魔法『補給部隊』の効果でデッキから1枚ドローし、『イモータル』カードの効果で破壊されたグールの効果でデッキより『イモータル・ハウンド』を手札に加えるじゃん」(知多手札2→4)(知多墓地3→4)
(『イモータル』はシンクロモンスターの効果で下級を破壊しつつアドバンテージを稼ぎ、更に自己再生することで毎ターン効果を使える……更にそこに破壊でドローできる『補給部隊』が加われば……ものすごいアドが稼げますね。でも、ボクだってそこらへんは……!)
「フィールド魔法『コスモスペース』を発動させます!」(真薄手札4→3)
真薄のフィールドが、様々な宇宙に包まれる。この宇宙に、『C・HERO』達はたくさんいる。
「『コスモスペース』の効果により、『C・HERO』融合モンスターを違う属性の『C・HERO』で融合召喚できます!」
「魔法カード『融合派兵』を発動します。エクストラデッキの融合モンスターに名前が記されたモンスターをデッキから特殊召喚します。僕は『C・HERO アクセラレート』を公開して、デッキから『C・HERO アクセル』をデッキから特殊召喚します」(真薄手札3→2)(真薄墓地3→4)
「魔法カード『融合』を発動させます! この効果で、アクセルとアズマスを素材として、融合召喚! 現れてください、レベル6『C・HERO アクセラレート』!」(真薄墓地4→7)(真薄手札2→1)
流線型の青いトゲトゲしたモンスターが現れる。攻撃力は2400。
「『コスモスペース』の効果、『C・HERO』融合モンスターが融合召喚された時、1枚ドローできます。そして、融合素材となったアズマスは墓地から『融合』『フュージョン』カード1枚を手札に加えます。墓地の『融合』を手札に」(真薄手札1→3)(真薄墓地7→6)
「更に、墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果。ライフを500支払って同名カードを手札に加えます」(真薄手札3→4)(真薄ライフ8000→7500)
「魔法カード『融合』を再び発動させます! 手札の『C・HERO ヒート』と、炎属性の『ヴォルカニック・バレット』を融合させ、『C・HERO ヒートブラスト』を融合召喚します!」(真薄手札4→1)(真薄手札6→9)
全身が溶岩の人型エイリアンが現れる。攻撃力は2500。
「『コスモスペース』の効果で、デッキから1枚ドローします。更に、融合素材となったヒートの効果で、デッキより『C・HERO』1体を墓地へ送ります。『C・HERO ダーク』を墓地へ」(真薄手札1→2)(真薄墓地9→10)
「ヒートブラストのモンスター効果。墓地のモンスター1体を除外することによって、除外されたモンスターの攻撃力分攻撃力をアップします! ダークを除外して、その攻撃力分1500アップします」(真薄墓地10→9)(真薄除外0→1)
「バトルフェイズに入り、アクセラレートの攻撃! アクセラレートは直接攻撃が可能! ライトニングアクセル!」
「罠カード発動! 『攻撃の無力化』! 攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させるじゃん!」(知多墓地4→5)
「やはり、簡単にはやらせてくれませんか。ならこちらは、メインフェイズ2に入ってアクセラレートを除外して、墓地のアズマスを手札に加えます。そしてカードを2枚セット、ターンエンドです! そしてこのターンのエンドフェイズ、アクセラレートは帰還します」(真薄手札2→3→1)(真薄墓地9→8)
「なら俺も、エンドフェイズにグールは復活するじゃん!」(知多墓地5→4)
真薄
ライフポイント7500
手札枚数1枚
モンスター2体
『C・HERO ヒートブラスト』(攻撃表示・攻撃力2500・炎属性・レベル7)
『C・HERO アクセラレート』(攻撃表示・攻撃力2400・風属性・レベル6)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『コスモスペース』(フィールド魔法)
『コスモテック・フュージョンサポート』(永続魔法)
墓地の枚数8枚
除外されているカード1枚
3・知多のターン
「俺のターン、ドローじゃん!」(知多手札4→5)
「リバースカード、オープン! 速攻魔法『禁じられた一滴』を発動じゃん! 手札のモンスター、ハウンドと罠カードを2枚捨てて、捨てた枚数だけ相手フィールドの効果モンスターを選んで効果を無効化して攻撃力を半分に!」(知多手札5→3)(知多墓地4→7)
「アクセラレートの効果と、リバースカードで……」
「残念だけど、このカードのコストで捨てたカードの種類によって、チェーンが不可になるじゃん! 今捨てたのはモンスターと罠だから……そのカードは発動不可じゃん!」
「そんな……よって、アクセラレートとヒートブラストの攻撃力は半分になり、効果は無効化じゃん!」
「そんなっ!」(ヒートブラスト攻撃力2500→1250)(アクセラレート攻撃力2400→1200)
まさかのチェーン不可の魔法にやられ、逃げることもできないアクセラレート。しかも、相手には余力がたくさんある。
「手札より、レベル3チューナー『ユニゾンビ』を召喚! 効果発動。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送り、フィールドのモンスター1体のレベルを上げるじゃん。俺は『馬頭鬼』を墓地へ送って、グールのレベルを1上げるじゃん!」(知多手札3→2)(知多墓地7→8)(グールレベル4→5)
「更に、墓地へ送られた『馬頭鬼』の効果を発動じゃん! このカードを墓地から除外することで、墓地からアンデット族モンスターを1体特殊召喚するじゃん! 俺は墓地からハウンドを特殊召喚じゃん!」(知多墓地8→7)(知多除外0→1)
「レベル4のハウンドに、レベル3の『ユニゾンビ』をチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、大地を血で濡らす血の伯爵! レベル7『ダークイモータル・バロニス』!」(知多墓地7→9)
知多の『イモータル』デッキにおけるエースカードが現れる。攻撃力は2800。
「行くじゃん! バロニスの効果、発動! 自分フィールドのアンデット族モンスターを任意の数破壊して、破壊した数だけ相手フィールドのカードを破壊できる。俺はコカトリスとグールを破壊して、お前のフィールド魔法と、永続魔法を破壊させてもらうじゃん! ブラッドランス!」(知多墓地9→11)
「くっ……要のカードが……!」(真薄墓地8→10)
「そして、破壊されたコカトリスの効果で、デッキから『イモータル・スケルトン』は特殊召喚され、グールの効果でデッキから『イモータル・ステップス』を手札に加えるじゃん。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で1枚ドロー」(知多手札2→4)
「バトルフェイズじゃん! バロニスで、アクセラレートを攻撃! スカーレット・ファング!」
「罠発動! 『コスモ・チェンジ』! 自分フィールドの『C・HERO』融合モンスター1体をリリースして、エクストラから別の『C・HERO』融合モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚できます!」
「ならこっちも、ガルムの効果発動じゃん! バロニスを破壊して、相手の表側表示カードをターン終了まで無効化じゃん! バロニスは特殊召喚されるじゃん!」
「ああっ、くそっ!」
「行け、バロニス! 攻撃続行じゃん!」
吸血鬼の赤い牙が、エイリアンを貫く。それにより、破壊され生気を吸い取られてしまった!
「ううっ……」(真薄ライフ7500→5900)(真薄墓地10→11)
「そしてバロニスの効果。このモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のライフを回復できるじゃん!」(知多ライフ8000→10400)
「厄介ですね……そのカード!」
「そして、ガルムでヒートブラストを攻撃! フロスト・ピラー!」
氷に貫かれ、ダメージを受ける。
「くっ……」(真薄ライフ5900→4650)(真薄墓地11→12)
「メインフェイズ2に入り、カードを1枚伏せてターンエンドじゃん! そしてこのエンドフェイズ、グールとコカトリスは復活するじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地11→9)
知多
ライフポイント10400
手札枚数3枚
モンスター5体
『ダークイモータル・バロニス』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル7)
『スノーイモータル・ガルム』(攻撃表示・攻撃力2500・水属性・レベル6)
『イモータル・グール』(守備表示・守備力500・闇属性・レベル4)
『イモータル・コカトリス』(守備表示・守備力600・闇属性・レベル5)
『イモータル・スケルトン』(守備表示・守備力・100・闇属性・レベル3)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数9枚
除外されているカード1枚
(知多君、強くなってる……! デッキの違いもあるんだろうけど……何よりも、背負ってる物が違うんだ……)
以前、知多から聞いたイモータル達の思い。それが強さの違いなんだと真薄は考える。彼女達の思いが、カードの一枚一枚に宿り、知多を後押ししているのだと。
自分は初心者だったが、数々の戦いを経て知多と同じくらいにはなったとは思っていた。だが、思いの差がそうさせているのだと、真薄は理解している。
だけど、自分だってここで負けるわけにはいかない。デュエリストとしてのプライド、そして自分をここまで押し上げてくれたみんなのためにも、やらなければいけないのだ。
そう思っていた時。
(勝ちたい……のかい?)
(あ、グレイマター! なんか久しぶりに喋ったね)
(必要無かったからね~。でも、今回はなかなかピンチじゃないかい? 手助けしちゃう? 口添えしよっか?)
(大丈夫! こういうのは自分でやるから良いんです! 自分で乗り越えてこそ、良いんです!)
(そうか、ならボクはこのまま黙っているよ。自分で乗り越えてみせてごらんよ)
(うん!)
4・真薄のターン
「僕のターン、ドローです!」(真薄手札1→2)
「手札より、『C・HERO アズマス』を召喚します。アズマスの効果、召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから『コスモ』カードを1枚……」
「そうはいかないじゃん! ガルムのモンスター効果、グールを破壊して、アズマスの効果を無効化! 更に、『イモータル』カードの効果で破壊されたので、グールの効果で『イモータル・ヴォーン』を手札に加え、『補給部隊』の効果で1枚ドローじゃん!」(知多手札3→5)(知多墓地9→10)
「わかっています。罠カード『逆転の明札』を発動させます! このカードは、相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた時、相手の手札枚数と同じになるようにドローできます。今、知多君の手札は5枚。よって4枚ドローします!」(真薄手札1→5)(真薄墓地12→13)
(いくら相手ターンでも手札を増やせるギミックがあるとはいえ、こう利用されるとは思ってもみないじゃん)
「墓地の『ヴォルカニック・バレット』は、500ポイントライフを支払うことでデッキから同名カードを1枚手札に加えられます」(真薄ライフ4650→4150)(真薄手札5→6)
「魔法カード『コスモの繋がり』を発動します。このカードは、手札1枚を捨ててデッキから同じ属性を持つ『C・HERO』2体を手札に加えます。僕は、地属性の『C・HERO アームズ』と『C・HERO ストーン』を手札に加えます。更にその後、墓地に『融合』があれば手札に加えられます」(真薄手札6→7)(真薄墓地13→15→14)
「相手モンスターの効果が自分ターンに発動している時、手札より『三戦の才』は発動できます! このカードは、3つの効果から1つを選んで発動できます! 1つは2枚ドローする効果。2つめは相手の手札を確認して、1枚をデッキに戻す効果。3つめは相手モンスター1体のコントロールを得る効果。今回は……相手モンスター1体のコントロールを得ます! バロニスのコントロールを得ます!」(真薄手札7→6)(真薄墓地14→15)
(うっ、ここでバロニスのコントロールを奪われるかじゃん!)
「魔法カード『融合』を発動させます! このカードによって、手札のアームズとストーンを融合させて、融合召喚! 現れてください、堅い岩を貫いて、岩盤のその向こうへ! 現れてください、レベル7『C・HERO クロマストーン』!」(真薄手札6→3)(真薄墓地15→18)
紫色の宝石エイリアン、その鋭いボディはどんなモンスターも貫きそう。攻撃力は2700。
「魔法カード『簡易融合』を発動させます! このカードは1000ライフを支払うことで、エクストラデッキよりレベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚します。僕が呼び出すのは、レベル2『C・HERO グレイマター』!」(真薄手札3→2)(真薄ライフ4150→3150)(真薄墓地18→19)
(おやおや、ここで僕が呼ばれるとはね)
(必要だから呼ぶんです!)
「グレイマター、モンスター効果発動です! 自分フィールドの『C・HERO』1体をリリースして、デッキ・墓地から『融合』または『フュージョン』カードを1枚手札に加えます。アズマスをリリースして、デッキより『置換融合』を手札に加えます」(真薄手札2→3)(真薄墓地19→20)
(そして……ここがあのカードを使う時!)
「魔法カード『置換融合』を発動させます! フィールドの、闇属性モンスター2体、グレイマターと知多君のバロニスを融合させて、現れてください! 飢えた牙持つ毒竜! レベル8『スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン』!」(真薄手札3→2)(真薄墓地20→22)(知多墓地10→11)
現れたのは、紫色の長い触手を持つ毒々しいドラゴン! 攻撃力は2800。
(俺のモンスターを使って融合召喚するなんて! しかもアレは、ロベルトさんからもらったカード……! こんな感じで融合素材にされちゃあ、復活もできないじゃん!)
「スターヴヴェノム、効果発動です! このカードは融合召喚に成功した時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選んで、そのモンスターの攻撃力分スターヴヴェノムの攻撃力を上げます! ガルムの攻撃力2500を、スターヴヴェノムに加えます!」(スターヴヴェノム攻撃力2800→5300)
「更に、融合素材となったグレイマターは、デッキ・墓地より『融合』または『フュージョン』カード1枚を手札に加えられます。僕はデッキより『パラドックス・フュージョン』を手札に」(真薄手札2→3)
「……ヤバッ! こんな攻撃力……!」
「バトルフェイズです! スターヴヴェノムで、ガルムを攻撃! ヴェノム・スプラッシュ!」
「んぐぅぅぅ! だけど、ここで永続罠『イモータルの輪廻』発動じゃん! 自分フィールドのアンデット族が破壊された時、デッキから『イモータル』モンスター1体を特殊召喚するじゃん! デッキより『イモータル・クロウ』を特殊召喚して、更にガルムが破壊された時、墓地から特殊召喚できるじゃん!」(知多ライフ10400→7600)
「でも、クロマストーンでクロウを攻撃します!」
「更に永続罠の『イモータルの輪廻』の2つめの効果発動じゃん! 自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、『イモータル』シンクロモンスターをシンクロ召喚できるじゃん! レベル6のガルムに、レベル1のクロウをチューニング! 大海の深淵に潜む悪魔の魚、不死の呪いが今、その身に宿る! レベル7『アクアイモータル・ドヴァリン』!」(知多墓地11→13)
今回現れたのは、深い水の中より現れる青い巨大なタコ。守備力は1500。
「守備表示ですか。ですが、クロマストーンには貫通効果がありますよ! クロマストーンで、ドヴァリンを攻撃しますよ~! ダイヤモンド・ブレード!」
「ぐぅぁっ! でも、ドヴァリンも復活! 今度は攻撃表示! 攻撃力2600だ!」(知多ライフ7600→6400)
「攻撃表示にしても、逃げられませんよ! クロマストーンの融合素材となったアームズの効果、このカードが融合素材となった融合モンスターは、モンスターに2回攻撃ができます! 更に、クロマストーンが攻撃する時、相手モンスターの表示形式を変更できます! ドヴァリンを守備表示に変更します!」
「なっに~……ぐあっ! さすがに二度目は復活できないじゃん……! でも、『イモータルの輪廻』のもうひとつの効果、アンデット族が破壊された時、デッキより『イモータル』を特殊召喚できる! 俺はレベル3チューナー『イモータル・ビー』を特殊召喚するじゃん!」(知多ライフ6400→5200)(知多墓地13→14)
「メインフェイズ2に入り、リバースカードを2枚セットして、ターンエンドです!」(真薄手札3→1)
「エンドフェイズ、グールは特殊召喚できるじゃん!」(知多墓地14→13)
(よし、あの不死のシンクロを大分倒せた……でも、相手のモンスターはまだ3体も残ってる。まだ……終わってない!)
この真薄のやり方に、グレイマターもうんうんうなずいて肯定する。
真薄
ライフポイント3150
手札枚数2枚
モンスター2体
『スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル8)
『C・HERO クロマストーン』(攻撃表示・攻撃力2700・地属性・レベル7)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数21枚
除外されているカード0枚
5・知多のターン
「俺のターン、ドローじゃん!」(知多手札5→6)
(まくられた……大量ドローもあったとはいえ、あの布陣を破るとはじゃん。お前、もう初心者じゃねえよな。立派で強力なデュエリストじゃん! そんなデュエリスト相手なら、きっと勝った時すっごく気持ちいいじゃん!)
(ごめんね、シェリルちゃん。まだこのデッキ、本来使うべき時に使えないじゃん。でも、絶対に約束は果たすから……今だけは、使わして欲しいじゃん!)
「手札より、魔法カード『生者の書-禁断の呪術-』を発動じゃん! 自分墓地のアンデット族1体と、相手墓地のモンスター1体を対象として、俺の墓地からは特殊召喚。相手墓地からは除外するじゃん! 俺は墓地のガルムを特殊召喚して、相手墓地のアクセラレートを除外するじゃん!」(知多手札6→5)
「カウンター罠『パラドックス・フュージョン』を発動させます! 自分フィールドの、融合モンスター1体を除外して発動。相手の特殊召喚、魔法・罠の発動を無効化して破壊します! 僕はクロマストーンを除外して、そのカードを無効化して破壊します!」(真薄除外0→1)(真薄墓地21→22)(知多墓地13→14)
「やっぱり、ここは止めてくるじゃん? だったらここは、速攻魔法『サイクロン』を発動じゃん! そっちの伏せカード1枚を破壊するじゃん!」(知多手札5→4)(知多墓地14→15)
「リバースカード、オープン! 罠カード『ホーリーライフバリアー』! 手札を1枚捨てることで、このターン僕が受ける全てのダメージは0となり、モンスターは戦闘破壊はされません!」(真薄墓地22→24)(真薄手札2→1)
(このターンだけでも、しのげれば!)
(なるほど、俺のノワールヴァンプを嫌って、効果ダメージも0にする防御カード……だけどそれだけじゃあ、甘いじゃん! 俺はその次の次を行くじゃん!)
「俺は、レベル4のグールに、レベル3のビーをチューニング! シンクロ召喚! 現れろレベル7『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」(知多墓地14→16)
「クリアウィング!?」
「そう!」
知多の今のデッキに似合わない、クリアなきらめきを持つドラゴンが現れる。攻撃力は2500。
「あの時ロベルトさんからもらったカード……ここで生きてくるじゃ~ん?」
「一体、どんな効果を持っているのでしょうか……!?」
「ここからここからじゃん。手札のバットの効果発動じゃん。フィールドのコカトリスを破壊して、このカードを特殊召喚するじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地16→17)
「更に、破壊されたコカトリスの効果と永続魔法『補給部隊』の効果発動。デッキより『イモータル・ヴォーン』を特殊召喚して、デッキより1枚ドローするじゃん!」(知多手札3→4)
「レベル3のスケルトンに、レベル2のバットをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、空を支配する不死の蛾! レベル5『スカイイモータル・ドゥネイル』!」(知多墓地17→19)
(あのモンスターは確か……効果が発動される度に相手に300のダメージを与えるモンスター! ここで出してくるなんて……!)
「リバースカードを1枚セットして、ターンエンドじゃん。このターンのエンドフェイズ、コカトリスは復活するじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地19→18)
知多
ライフポイント5200
手札枚数3枚
モンスター4体
『スカイイモータル・ドゥネイル』(攻撃表示・攻撃力2400・風属性・レベル5)
『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2500・風属性・レベル7)
『イモータル・コカトリス』(守備表示・守備力600・闇属性・レベル5)
『イモータル・ヴォーン』(守備表示・守備力400・闇属性・レベル4)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『イモータルの輪廻』(永続罠)
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数18枚
除外されているカード1枚
6・真薄のターン
「僕のターン、ドローです!」(真薄手札1→2)
「魔法カード『HEROの遺産』を発動させます! 墓地の『HERO』モンスターを融合素材とする融合モンスター2体をエクストラに戻し、3枚ドローできます! 僕はアクセラレートとヒートブラストの2体をエクストラに戻して、3枚ドローします! そして、ドゥネイルの効果で300のダメージを受けます」(真薄ライフ3150→2850)(真薄手札1→4)(真薄墓地24→23)
「……よし、手札より、魔法カード『ブラック・コア』を発動させます! このカードは、手札1枚をコストにフィールドのモンスター1体を除外させます! ドゥネイルを、除外します! 300ダメージを受けますが、除去する価値はあります!」(真薄手札4→2)(真薄墓地23→25)(真薄ライフ2850→2550)
「おっとっと。やるじゃん?」(知多除外1→2)
「よし、魔法カード『死者蘇生』を発動します! 墓地からモンスター1体を特殊召喚します! 僕が特殊召喚するのは、グレイマター!」(真薄手札2→1)
「グレイマターの効果発動。『C・HERO』1体をリリースして、デッキ・墓地より『融合』『フュージョン』カード1枚を手札に加えます。グレイマター自身をリリースして、墓地より『コスモテック・フュージョンサポート』を手札に加えます」(真薄手札1→2)
「永続魔法『コスモテック・フュージョンサポート』を発動させます! デッキより『C・HERO』1体を手札に加えます。デッキより『C・HERO チル』を手札に加えます」
「魔法カード『貪欲な壺』を発動させます! 墓地のモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローします。『ヴォルカニック・バレット』2枚と、アクセル、ヒート、ストーンの5体をデッキに戻して、デッキより2枚ドローします」(真薄墓地25→20→21)(真薄手札1→3)
「魔法カード『フュージョン・リスタート』を発動させます! 墓地からレベル5以下のモンスターを特殊召喚します。そして、墓地に『融合』がある場合、墓地から魔法・罠ゾーンにセットできます。僕はアズマスを特殊召喚して、墓地から『融合』を1枚セットします」(真薄手札3→2)(真薄墓地21→20)
「アズマスの効果、デッキより『コスモ』魔法・罠を1枚手札に加えます。2枚目の『コスモスペース』を手札に加え、そのまま発動させます」
「魔法カード『融合』を発動させます! 手札からチルと、フィールドからアズマスを素材として、融合召喚を行います! フィールド魔法『コスモスペース』の効果で、融合素材の属性縛りを無視できます! 現れてください! 絶対零度のエイリアン、レベル8『C・HERO ビッグチル』!」(真薄手札2→1)(真薄墓地20→23)
現れたのは、青と黒が混じった蛾のようなエイリアン。攻撃力は2800。だが、そのビッグチルはフィールドに猛吹雪を発生させる!
「ビッグチルの効果、特殊召喚された時相手フィールドの表側表示カードを全て無効化します! エターナル・フォース・ブリザード!」
「来たな! この時クリアウィングの効果が発動じゃん! レベル5以上のモンスター効果が発動した時、それを無効化して破壊するじゃん! 更に、クリアウィングがモンスター効果を無効化した時、そのモンスターの攻撃力分攻撃力を上げるじゃん!」(クリアウィング攻撃力2500→5300)(真薄墓地23→24)
「ええっ!? そんな、ビッグチルが……でも、融合素材となったチルとアズマスの効果を発動させます! チルが融合素材となった時、相手フィールドの表側表示カード1枚を無効化します。永続罠『イモータルの輪廻』を無効化します。そして『コスモスペース』の効果で1枚ドローし、『コスモテック・フュージョンサポート』の効果でデッキより『C・HERO アクセル』を手札に加えます!」(真薄手札1→3)
「融合素材となったアズマスの効果も発動して、墓地から『融合』『フュージョン』カードを1枚手札に加えます。僕が手札に加えるのは……」
(手札に加えるのは……『簡易融合』? それとも『パラドックス・フュージョン』? 『簡易融合』はライフを1000支払い、『パラドックス・フュージョン』は融合モンスターを1体離してしまう……でも、普通に融合したら……! でも、レベル5以上でも発動しない効果なら……! よし、こっち!)
「墓地から手札に加えるのは、『融合』!」(真薄墓地24→25)(真薄手札3→4)
(それに、どうせ破壊されただけなら……!)
「墓地の『置換融合』を除外して発動します! 墓地の融合モンスター1体をエクストラに戻して、1枚ドローします! ビッグチルをエクストラに戻して、1枚ドローです!」(真薄手札4→5)(真薄墓地25→23)(真薄除外1→2)
(……よし! これなら……!)
「魔法カード『融合』を発動します! 手札から、ゴーストと『C・HERO フライ』を素材として……融合召喚! 現れてください、レベル6『C・HERO アクセラレート』!」(真薄手札5→2)(真薄墓地23→26)
「またそのモンスターか!」
「フュージョンサポートの効果で、デッキより『C・HERO ヒート』を手札に加え『コスモスペース』の効果で、1枚ドローします!」(真薄手札2→4)
「融合素材となったフライは、相手フィールドのモンスター1体を対象として攻撃力を半分にできる! クリアウィングの攻撃力を半分に!」
「悪いが、クリアウィングはレベル5以上のモンスターを対象としたモンスター効果を無効化できるじゃん!」
(おそらく、それが効果の全容……!)
「行きますよ、バトルフェイズ! アクセラレートで、ダイレクトアタック! ライトニング・アクセル!」
「更に速攻魔法『コンセントレイト』を発動させます! コンセントレイトは、対象としたモンスターの攻撃力をモンスターの守備力分上げます!!」(真薄手札4→3)(真薄墓地26→27)(アクセラレート攻撃力2400→4200)
「ぐあっ! ライフが……!」(知多ライフ5200→1000)
「よし……! カードを2枚伏せて、ターンエンドです!」(真薄手札3→1)
「エンドフェイズ、クリアウィングの効果でアップした攻撃力は元に戻るじゃん」(クリアウィング攻撃力5300→2500)
真薄
ライフポイント2550
手札枚数1枚
モンスター2体
『スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル8)
『C・HERO アクセラレート』(攻撃表示・攻撃力2400・風属性・レベル6)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『コスモテック・フュージョンサポート』(永続魔法)
『コスモスペース』(フィールド魔法)
墓地の枚数27枚
除外されているカード2枚
「逆転……! やるじゃん、真薄!」
「僕だって、まだまだ負けません! ここで勝って、本戦は僕が行きます!」
(僕も知多君ももうギリギリ……次のお互いのターンで勝負が決まりますね……!)
(ここで決められなかったら、おそらく負けるじゃん……! それに、お互いの伏せカード……! 多分これが勝負のカギ……!)
((ここがお互いの正念場!))
7・知多のターン
「俺のターン、ドローじゃん!」(知多手札3→4)
(コレが最後の賭け!)
「魔法カード『手札爆殺』を発動じゃん! 互いのプレイヤーは、手札を全て破壊してその破壊した数までドローするじゃん! 俺は3枚破壊して、3枚ドローじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地18→21)
「1枚破壊して、1枚ドローします」(真薄墓地27→28)
「……よし! 手札より、『生者の書-禁断の呪術』を発動じゃん! 墓地からアンデット族モンスター1体を特殊召喚して、相手の墓地からモンスター1体を除外するじゃん! 俺は墓地からレベル3チューナーの『ユニゾンビ』を特殊召喚して、お前の墓地からグレイマターを除外じゃん!」(知多手札3→2)(真薄除外2→3)
「『ユニゾンビ』の効果、発動じゃん! デッキよりアンデット族モンスター1体を墓地へ送って、フィールドのモンスター1体のレベルを1上げるじゃん! デッキより再び『馬頭鬼』を墓地へ送って、ヴォーンのレベルを1上げて5にするじゃん!」
「レベル合計8……! 来ますか!?」
「レベル5となっているヴォーンに、レベル3の『ユニゾンビ』をチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、レベル8俺のエース! 『吸血竜-ノワール・ヴァンプドラゴン』!」(知多墓地21→23)
現れたのは、知多のデュエルで幾度となくフィニッシャーとなってきた紅と黒のドラゴン。攻撃力は3000。さらには破壊された時特殊召喚できる効果も持っている。
「知多君の、この状況を決められるモンスター……! たとえ相手の攻撃力がいくら高くても、それを無にできる上に、攻撃力が高ければ高いほど仇になるカード……!」
「そう、ノワール・ヴァンプの効果。このカードは相手モンスターに攻撃する時、お互いのモンスターは破壊されずダメージは0になり、相手モンスターの攻撃力を0にする。更に、その時俺は攻撃した相手モンスターの元々の攻撃力分のライフを回復して、回復した分のダメージを相手に与える!」
ノワール・ヴァンプがスターヴ・ヴェノムに攻撃すれば、スターヴ・ヴェノムの攻撃力は2800。真薄のライフは2550。これを食らえば、ライフは尽きてしまう!
だが、真薄はただではやられない。
「罠カード『フュージョン・ディメンションホール』を発動させます! このカードは、自分フィールドにレベル5以上の融合モンスターが存在する時、相手がモンスターを召喚・特殊召喚・反転召喚した時、相手モンスターを全て除外します!」(真薄墓地27→28)
「なにっ!? てことは……!」
「そうです! 全て除外されて、復活はできません!」
「ぬーっ!」(知多除外1→4)
「さぁ、これでもう……!」
「まだまだじゃん! 手札より、魔法カード『死者蘇生』を発動じゃん!」(知多手札2→1)
「ここで、『死者蘇生』ですか!?」
(ですが、墓地に存在するモンスターは……! あ、しまった! 墓地には除外することで墓地からアンデット族を特殊召喚できる『馬頭鬼』が……!)
「俺は墓地から、グールを特殊召喚! 更に、墓地から『馬頭鬼』を除外して、墓地から『ユニゾンビ』を特殊召喚!」(知多墓地23→21)(知多除外1→2)
「レベル4のグールに、レベル3の『ユニゾンビ』をチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、全てを石へと変える嘆きの魔女! レベル7『ストーンイモータル・カーミラ』!」(知多墓地21→23)
現れた、蛇の下半身と髪を持つ魔女。攻撃力は2700。
「手札より、『イモータル・スケルトン』を召喚! そしてカーミラの効果発動! フィールドのカーミラを破壊して、スターヴ・ヴェノムに石化カウンターを1つ置く!」(知多手札1→0)(知多墓地23→24)
「そしてコレが、俺のフィニッシュカードだ! リバースカード、オープン! 速攻魔法『イージーチューニング』! このカードは、墓地のチューナーモンスター1体を除外して、除外したモンスターの攻撃力を自分のモンスター1体に加える! 俺は墓地の『ユニゾンビ』を除外して、カーミラの攻撃力を1300アップだ!」(知多除外4→5)(カーミラ攻撃力2700→4000)
「カーミラの攻撃! カーミラで、スターヴヴェノムを攻撃! クイック・サーペント!」
カーミラの鋭い尻尾攻撃が、石化したスターヴヴェノムを打ち砕く!
「ぐっ……ですが、スターヴヴェノムの効果発動! 融合召喚したこのカードが破壊された時、相手の特殊召喚されたモンスターを全て破壊して……」(真薄ライフ2550→1350)(真薄墓地28→29)
「悪いが、ソイツはできないじゃん! カーミラは戦闘で破壊したモンスターの効果を無効化するじゃん! そして、石化カウンターが乗ったモンスターが戦闘で破壊された時、破壊されたモンスターの攻撃力分のダメージを、相手に与えるじゃん!」
「そんな……この状況、僕がどうやっても、封じることはできなかった……ということですか……!」(真薄ライフ1350→0)
遊太の仲間達の中で、最初に本戦に出場を決めたのは知多であった。デュエルを終えた知多と真薄は、互いにこれからのことを語り合う。
「本戦出場おめでとうございます、知多君」
「ああ。ま、あの子達との約束もあったし、ここで負けてはいられなかったじゃん。んで、今後はどうするつもりなんじゃん?」
「みんなを、応援します。自分がいけなかった分も、みんなに頑張ってもらいたいです!」
「わかったじゃん……さて、みんなはどうなっているのかじゃん?」
第九十五話。終わり。
「なんだ……? あのジュニアデュエリスト最強の4人相手に、引き分け……?」
「2回負けているとはいえ、なんでこんなことを……?」
これにロカクタウンのみんなは、当然といった表情。
「すごいんだな、あのJ4に引き分けなんだな」
「ま、俺らに勝っているんだから当然だよな」
「あの子達は、計り知れない可能性を持っているのね」
プロのトップ3も、その内容に唸る。
「ほう、将来を期待されたあのデュエリスト達に、引き分けとはな。やるではないか」
「ま、俺の弟子がいるんだから、当然っちゃあ当然だがな」
「キャハハハ! かわいくて強いなんて、すっごぉ~く、キュート!」
そうして、息つく暇も無く最終予選が始まろうとしていた。ステージのリトルバードの二人が、予選の内容を説明する。
「はーいみなさーん! 三次予選は終了でーす!」
「最終予選は、シングルデュエル! こちらがランダムに決めた相手とデュエルして、勝った方が本戦へと出場できま~す」
そうして、ステージの組み合わせ表が発表され、各個人の対戦相手が発表される。
各人の対戦相手は。
「ウソ……まさか友達同士で戦うことになるとは」
「まさかまさかの展開じゃん! 同じ友達同士で、本戦を賭けて戦うじゃん!」
「……ですけど、負けませんよ。僕だって、この日のために頑張って来たんです。ここで負けたら、全部が全部終わっちゃいますから!」
「俺だって、応援してくれる人のために頑張らないといけないんじゃん!」
知多と真薄、同じ友達がデュエルを行うこととなり。
「マジかよ、なんでお前と対戦することになったんだ?」
「それはこちらも同じですわ、アキラ君」
「前に一回戦ったことがあるが、あん時は本気でやれてなかったからな」
「ええ、互いに本気のデュエルをしましょうね」
アキラはカリンと戦うことになり。
「マジかよ……今回は一人でやることになったのかよ」
「おやおや、タッグで負けた相手と、またやることになるたぁ、かなりド派手な展開だな」
「フン、さっきの仕返しって訳か? だけど……アタシだって負けられないんだよ!」
菊姫は、J4の一人石山堅と戦う。
そして、遊太と戦うのは!
「まさか、もう一度戦うことになるなんてね……明石さん」
「なんでやろなあ。これもまた、デュエルの神様のお導きかもしれんなあ。やけど、先ほどのチーム戦での借り、返させてもらうで!」
遊太はJ4最強の男、明石慎之介と対戦することになった。
ユイはなんかよく知らないプロと戦うことになり、石田や明石以外のJ4や日本トッププロの3人もまた別のデュエリストと戦うこととなった。
「全員そろいましたね……? それでは最終予選……」
「スターット!」
リトルバードのアオイとヒカリのかけ声によって、最終予選は始まった!
知多と真薄、そのデュエルは。
「なあ真薄、俺たちってさあ……遊太と一緒になってから、いろいろなことに巻き込まれて来たじゃん?」
「はい、そうですよね」
「そんで強くなって、こんな所でデュエルできるようになって……俺達はいろんな出会いをしたじゃん……」
「はい……」
「おかげで俺は将来の伴侶を見つけ、すごいことを託されて……ともかくなんかすごいことが起ころうとしているじゃん! 遊太がいなかったら、こんなとこになんかこれなかったよなぁ……」
「今更思い出浸りですか?」
「そうかもな~。だからこうして、こんな最高の舞台で出会えた友達とデュエルできる。サイコーじゃん! ついでに、遊びで何回かは戦ってたけど、真剣勝負で戦ったことは一回も無かったじゃん? だから……」
「はい、僕も同じです。だからこそ、負けませんよ!」
「おう!」
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」
「先攻は俺がいただくじゃん!」
1・知多のターン
「俺のターン!」
「俺は手札から、速攻魔法『イモータルの贄』を発動じゃん! このカードは手札・フィールドの『イモータル』を破壊して、2枚ドローする。俺は手札の『イモータル・コカトリス』を破壊して、2枚ドローじゃん!」(知多墓地0→2)
「更に、『イモータル』カードの効果で破壊されたコカトリスは、デッキよりレベル4以下の『イモータル』モンスターを特殊召喚できる! デッキより、レベル4の『イモータル・グール』を特殊召喚する」
「手札より、永続魔法『補給部隊』を発動じゃん。このカードがフィールド上にある時、俺のフィールドのモンスターが破壊された時、デッキから1枚ドローできる」(知多手札5→4)
「手札のレベル2チューナー『イモータル・バット』は、自分フィールドのアンデット族1体を対象として、そのモンスターを破壊することで手札・墓地から特殊召喚できる。グールを破壊して、手札から特殊召喚じゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地2→3)
「『イモータル』カードの効果で破壊されたグールは、デッキより『イモータル』モンスターを1体手札に加えられる。俺はデッキより『イモータル・ヴォーン』を手札に加える。更に、俺のフィールドのモンスターが破壊されたことで、永続魔法『補給部隊』の効果が発動して1枚ドローじゃん!」(知多手札3→5)
「手札より、『イモータル・ヴォーン』を召喚! そして、レベル4のヴォーンに、レベル2のバットをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、永久凍土に秘められし白き白狼、レベル6『スノーイモータル・ガルム』!」(知多手札5→4)(知多墓地3→5)
吹雪の中より現れた、白い狼。口からこぼれる白い吐息は、それだけで冷たさを感じるアンデット。攻撃力は2500。
「リバースカードを2枚セットして、ターンエンド。そしてこのターンのエンドフェイズ、破壊されたグールとコカトリスは墓地から蘇るじゃん!」(知多墓地5→3)(知多手札4→2)
知多
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター3体
『スノーイモータル・ガルム』(攻撃表示・攻撃力2500・水属性・レベル6)
『イモータル・グール』(守備表示・守備力500・闇属性・レベル4)
『イモータル・コカトリス』(守備表示・守備力600・闇属性・レベル5)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚
「『イモータル』デッキ……破壊されれば何度でも蘇るまさしく不死のモンスター。でも、その特性を理解すれば決して負ける相手じゃありません!」
2・真薄のターン
「僕のターン、ドローです!」(真薄手札5→6)
「手札を1枚捨てることにより、魔法カード『コスモの繋がり』を発動させます。このカードはデッキより同じ属性を持つ『C・HERO』2体を手札に加えます。僕は闇属性の『C・HERO アズマス』と『C・HERO グレイ』を手札に加える」(真薄墓地0→2)
「そしてグレイは手札から捨てることで、デッキより『融合』を手札に加えます」(真薄墓地2→3)
「手札より、アズマスを召喚! アズマスは召喚・特殊召喚された時、デッキから『コスモ』カード1枚を手札に加えます。僕はデッキより『コスモテック・フュージョンサポート』を手札に加えます」
「永続魔法『コスモテック・フュージョンサポート』を発動させ、その発動処理としてデッキより『C・HERO』を1体手札に加え――」(真薄手札5→4)
「それにチェーンして、ガルムの効果発動じゃん! 自分フィールドのアンデット族モンスターを任意の数破壊して、破壊した数まで相手フィールドのカードを無効化できるじゃん! グールを破壊して、相手カード1枚、そのフュージョンサポートを無効化するじゃん! デスアイスブレス!」
ガルムの冷たい息吹が、永続魔法を凍り付かせて無効化してしまう。その上。
「フィールドのモンスターが破壊されたことで、永続魔法『補給部隊』の効果でデッキから1枚ドローし、『イモータル』カードの効果で破壊されたグールの効果でデッキより『イモータル・ハウンド』を手札に加えるじゃん」(知多手札2→4)(知多墓地3→4)
(『イモータル』はシンクロモンスターの効果で下級を破壊しつつアドバンテージを稼ぎ、更に自己再生することで毎ターン効果を使える……更にそこに破壊でドローできる『補給部隊』が加われば……ものすごいアドが稼げますね。でも、ボクだってそこらへんは……!)
「フィールド魔法『コスモスペース』を発動させます!」(真薄手札4→3)
真薄のフィールドが、様々な宇宙に包まれる。この宇宙に、『C・HERO』達はたくさんいる。
「『コスモスペース』の効果により、『C・HERO』融合モンスターを違う属性の『C・HERO』で融合召喚できます!」
「魔法カード『融合派兵』を発動します。エクストラデッキの融合モンスターに名前が記されたモンスターをデッキから特殊召喚します。僕は『C・HERO アクセラレート』を公開して、デッキから『C・HERO アクセル』をデッキから特殊召喚します」(真薄手札3→2)(真薄墓地3→4)
「魔法カード『融合』を発動させます! この効果で、アクセルとアズマスを素材として、融合召喚! 現れてください、レベル6『C・HERO アクセラレート』!」(真薄墓地4→7)(真薄手札2→1)
流線型の青いトゲトゲしたモンスターが現れる。攻撃力は2400。
「『コスモスペース』の効果、『C・HERO』融合モンスターが融合召喚された時、1枚ドローできます。そして、融合素材となったアズマスは墓地から『融合』『フュージョン』カード1枚を手札に加えます。墓地の『融合』を手札に」(真薄手札1→3)(真薄墓地7→6)
「更に、墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果。ライフを500支払って同名カードを手札に加えます」(真薄手札3→4)(真薄ライフ8000→7500)
「魔法カード『融合』を再び発動させます! 手札の『C・HERO ヒート』と、炎属性の『ヴォルカニック・バレット』を融合させ、『C・HERO ヒートブラスト』を融合召喚します!」(真薄手札4→1)(真薄手札6→9)
全身が溶岩の人型エイリアンが現れる。攻撃力は2500。
「『コスモスペース』の効果で、デッキから1枚ドローします。更に、融合素材となったヒートの効果で、デッキより『C・HERO』1体を墓地へ送ります。『C・HERO ダーク』を墓地へ」(真薄手札1→2)(真薄墓地9→10)
「ヒートブラストのモンスター効果。墓地のモンスター1体を除外することによって、除外されたモンスターの攻撃力分攻撃力をアップします! ダークを除外して、その攻撃力分1500アップします」(真薄墓地10→9)(真薄除外0→1)
「バトルフェイズに入り、アクセラレートの攻撃! アクセラレートは直接攻撃が可能! ライトニングアクセル!」
「罠カード発動! 『攻撃の無力化』! 攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させるじゃん!」(知多墓地4→5)
「やはり、簡単にはやらせてくれませんか。ならこちらは、メインフェイズ2に入ってアクセラレートを除外して、墓地のアズマスを手札に加えます。そしてカードを2枚セット、ターンエンドです! そしてこのターンのエンドフェイズ、アクセラレートは帰還します」(真薄手札2→3→1)(真薄墓地9→8)
「なら俺も、エンドフェイズにグールは復活するじゃん!」(知多墓地5→4)
真薄
ライフポイント7500
手札枚数1枚
モンスター2体
『C・HERO ヒートブラスト』(攻撃表示・攻撃力2500・炎属性・レベル7)
『C・HERO アクセラレート』(攻撃表示・攻撃力2400・風属性・レベル6)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『コスモスペース』(フィールド魔法)
『コスモテック・フュージョンサポート』(永続魔法)
墓地の枚数8枚
除外されているカード1枚
3・知多のターン
「俺のターン、ドローじゃん!」(知多手札4→5)
「リバースカード、オープン! 速攻魔法『禁じられた一滴』を発動じゃん! 手札のモンスター、ハウンドと罠カードを2枚捨てて、捨てた枚数だけ相手フィールドの効果モンスターを選んで効果を無効化して攻撃力を半分に!」(知多手札5→3)(知多墓地4→7)
「アクセラレートの効果と、リバースカードで……」
「残念だけど、このカードのコストで捨てたカードの種類によって、チェーンが不可になるじゃん! 今捨てたのはモンスターと罠だから……そのカードは発動不可じゃん!」
「そんな……よって、アクセラレートとヒートブラストの攻撃力は半分になり、効果は無効化じゃん!」
「そんなっ!」(ヒートブラスト攻撃力2500→1250)(アクセラレート攻撃力2400→1200)
まさかのチェーン不可の魔法にやられ、逃げることもできないアクセラレート。しかも、相手には余力がたくさんある。
「手札より、レベル3チューナー『ユニゾンビ』を召喚! 効果発動。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送り、フィールドのモンスター1体のレベルを上げるじゃん。俺は『馬頭鬼』を墓地へ送って、グールのレベルを1上げるじゃん!」(知多手札3→2)(知多墓地7→8)(グールレベル4→5)
「更に、墓地へ送られた『馬頭鬼』の効果を発動じゃん! このカードを墓地から除外することで、墓地からアンデット族モンスターを1体特殊召喚するじゃん! 俺は墓地からハウンドを特殊召喚じゃん!」(知多墓地8→7)(知多除外0→1)
「レベル4のハウンドに、レベル3の『ユニゾンビ』をチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、大地を血で濡らす血の伯爵! レベル7『ダークイモータル・バロニス』!」(知多墓地7→9)
知多の『イモータル』デッキにおけるエースカードが現れる。攻撃力は2800。
「行くじゃん! バロニスの効果、発動! 自分フィールドのアンデット族モンスターを任意の数破壊して、破壊した数だけ相手フィールドのカードを破壊できる。俺はコカトリスとグールを破壊して、お前のフィールド魔法と、永続魔法を破壊させてもらうじゃん! ブラッドランス!」(知多墓地9→11)
「くっ……要のカードが……!」(真薄墓地8→10)
「そして、破壊されたコカトリスの効果で、デッキから『イモータル・スケルトン』は特殊召喚され、グールの効果でデッキから『イモータル・ステップス』を手札に加えるじゃん。更に、永続魔法『補給部隊』の効果で1枚ドロー」(知多手札2→4)
「バトルフェイズじゃん! バロニスで、アクセラレートを攻撃! スカーレット・ファング!」
「罠発動! 『コスモ・チェンジ』! 自分フィールドの『C・HERO』融合モンスター1体をリリースして、エクストラから別の『C・HERO』融合モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚できます!」
「ならこっちも、ガルムの効果発動じゃん! バロニスを破壊して、相手の表側表示カードをターン終了まで無効化じゃん! バロニスは特殊召喚されるじゃん!」
「ああっ、くそっ!」
「行け、バロニス! 攻撃続行じゃん!」
吸血鬼の赤い牙が、エイリアンを貫く。それにより、破壊され生気を吸い取られてしまった!
「ううっ……」(真薄ライフ7500→5900)(真薄墓地10→11)
「そしてバロニスの効果。このモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のライフを回復できるじゃん!」(知多ライフ8000→10400)
「厄介ですね……そのカード!」
「そして、ガルムでヒートブラストを攻撃! フロスト・ピラー!」
氷に貫かれ、ダメージを受ける。
「くっ……」(真薄ライフ5900→4650)(真薄墓地11→12)
「メインフェイズ2に入り、カードを1枚伏せてターンエンドじゃん! そしてこのエンドフェイズ、グールとコカトリスは復活するじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地11→9)
知多
ライフポイント10400
手札枚数3枚
モンスター5体
『ダークイモータル・バロニス』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル7)
『スノーイモータル・ガルム』(攻撃表示・攻撃力2500・水属性・レベル6)
『イモータル・グール』(守備表示・守備力500・闇属性・レベル4)
『イモータル・コカトリス』(守備表示・守備力600・闇属性・レベル5)
『イモータル・スケルトン』(守備表示・守備力・100・闇属性・レベル3)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード1枚
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数9枚
除外されているカード1枚
(知多君、強くなってる……! デッキの違いもあるんだろうけど……何よりも、背負ってる物が違うんだ……)
以前、知多から聞いたイモータル達の思い。それが強さの違いなんだと真薄は考える。彼女達の思いが、カードの一枚一枚に宿り、知多を後押ししているのだと。
自分は初心者だったが、数々の戦いを経て知多と同じくらいにはなったとは思っていた。だが、思いの差がそうさせているのだと、真薄は理解している。
だけど、自分だってここで負けるわけにはいかない。デュエリストとしてのプライド、そして自分をここまで押し上げてくれたみんなのためにも、やらなければいけないのだ。
そう思っていた時。
(勝ちたい……のかい?)
(あ、グレイマター! なんか久しぶりに喋ったね)
(必要無かったからね~。でも、今回はなかなかピンチじゃないかい? 手助けしちゃう? 口添えしよっか?)
(大丈夫! こういうのは自分でやるから良いんです! 自分で乗り越えてこそ、良いんです!)
(そうか、ならボクはこのまま黙っているよ。自分で乗り越えてみせてごらんよ)
(うん!)
4・真薄のターン
「僕のターン、ドローです!」(真薄手札1→2)
「手札より、『C・HERO アズマス』を召喚します。アズマスの効果、召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから『コスモ』カードを1枚……」
「そうはいかないじゃん! ガルムのモンスター効果、グールを破壊して、アズマスの効果を無効化! 更に、『イモータル』カードの効果で破壊されたので、グールの効果で『イモータル・ヴォーン』を手札に加え、『補給部隊』の効果で1枚ドローじゃん!」(知多手札3→5)(知多墓地9→10)
「わかっています。罠カード『逆転の明札』を発動させます! このカードは、相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた時、相手の手札枚数と同じになるようにドローできます。今、知多君の手札は5枚。よって4枚ドローします!」(真薄手札1→5)(真薄墓地12→13)
(いくら相手ターンでも手札を増やせるギミックがあるとはいえ、こう利用されるとは思ってもみないじゃん)
「墓地の『ヴォルカニック・バレット』は、500ポイントライフを支払うことでデッキから同名カードを1枚手札に加えられます」(真薄ライフ4650→4150)(真薄手札5→6)
「魔法カード『コスモの繋がり』を発動します。このカードは、手札1枚を捨ててデッキから同じ属性を持つ『C・HERO』2体を手札に加えます。僕は、地属性の『C・HERO アームズ』と『C・HERO ストーン』を手札に加えます。更にその後、墓地に『融合』があれば手札に加えられます」(真薄手札6→7)(真薄墓地13→15→14)
「相手モンスターの効果が自分ターンに発動している時、手札より『三戦の才』は発動できます! このカードは、3つの効果から1つを選んで発動できます! 1つは2枚ドローする効果。2つめは相手の手札を確認して、1枚をデッキに戻す効果。3つめは相手モンスター1体のコントロールを得る効果。今回は……相手モンスター1体のコントロールを得ます! バロニスのコントロールを得ます!」(真薄手札7→6)(真薄墓地14→15)
(うっ、ここでバロニスのコントロールを奪われるかじゃん!)
「魔法カード『融合』を発動させます! このカードによって、手札のアームズとストーンを融合させて、融合召喚! 現れてください、堅い岩を貫いて、岩盤のその向こうへ! 現れてください、レベル7『C・HERO クロマストーン』!」(真薄手札6→3)(真薄墓地15→18)
紫色の宝石エイリアン、その鋭いボディはどんなモンスターも貫きそう。攻撃力は2700。
「魔法カード『簡易融合』を発動させます! このカードは1000ライフを支払うことで、エクストラデッキよりレベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚します。僕が呼び出すのは、レベル2『C・HERO グレイマター』!」(真薄手札3→2)(真薄ライフ4150→3150)(真薄墓地18→19)
(おやおや、ここで僕が呼ばれるとはね)
(必要だから呼ぶんです!)
「グレイマター、モンスター効果発動です! 自分フィールドの『C・HERO』1体をリリースして、デッキ・墓地から『融合』または『フュージョン』カードを1枚手札に加えます。アズマスをリリースして、デッキより『置換融合』を手札に加えます」(真薄手札2→3)(真薄墓地19→20)
(そして……ここがあのカードを使う時!)
「魔法カード『置換融合』を発動させます! フィールドの、闇属性モンスター2体、グレイマターと知多君のバロニスを融合させて、現れてください! 飢えた牙持つ毒竜! レベル8『スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン』!」(真薄手札3→2)(真薄墓地20→22)(知多墓地10→11)
現れたのは、紫色の長い触手を持つ毒々しいドラゴン! 攻撃力は2800。
(俺のモンスターを使って融合召喚するなんて! しかもアレは、ロベルトさんからもらったカード……! こんな感じで融合素材にされちゃあ、復活もできないじゃん!)
「スターヴヴェノム、効果発動です! このカードは融合召喚に成功した時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選んで、そのモンスターの攻撃力分スターヴヴェノムの攻撃力を上げます! ガルムの攻撃力2500を、スターヴヴェノムに加えます!」(スターヴヴェノム攻撃力2800→5300)
「更に、融合素材となったグレイマターは、デッキ・墓地より『融合』または『フュージョン』カード1枚を手札に加えられます。僕はデッキより『パラドックス・フュージョン』を手札に」(真薄手札2→3)
「……ヤバッ! こんな攻撃力……!」
「バトルフェイズです! スターヴヴェノムで、ガルムを攻撃! ヴェノム・スプラッシュ!」
「んぐぅぅぅ! だけど、ここで永続罠『イモータルの輪廻』発動じゃん! 自分フィールドのアンデット族が破壊された時、デッキから『イモータル』モンスター1体を特殊召喚するじゃん! デッキより『イモータル・クロウ』を特殊召喚して、更にガルムが破壊された時、墓地から特殊召喚できるじゃん!」(知多ライフ10400→7600)
「でも、クロマストーンでクロウを攻撃します!」
「更に永続罠の『イモータルの輪廻』の2つめの効果発動じゃん! 自分フィールドのアンデット族モンスターを素材として、『イモータル』シンクロモンスターをシンクロ召喚できるじゃん! レベル6のガルムに、レベル1のクロウをチューニング! 大海の深淵に潜む悪魔の魚、不死の呪いが今、その身に宿る! レベル7『アクアイモータル・ドヴァリン』!」(知多墓地11→13)
今回現れたのは、深い水の中より現れる青い巨大なタコ。守備力は1500。
「守備表示ですか。ですが、クロマストーンには貫通効果がありますよ! クロマストーンで、ドヴァリンを攻撃しますよ~! ダイヤモンド・ブレード!」
「ぐぅぁっ! でも、ドヴァリンも復活! 今度は攻撃表示! 攻撃力2600だ!」(知多ライフ7600→6400)
「攻撃表示にしても、逃げられませんよ! クロマストーンの融合素材となったアームズの効果、このカードが融合素材となった融合モンスターは、モンスターに2回攻撃ができます! 更に、クロマストーンが攻撃する時、相手モンスターの表示形式を変更できます! ドヴァリンを守備表示に変更します!」
「なっに~……ぐあっ! さすがに二度目は復活できないじゃん……! でも、『イモータルの輪廻』のもうひとつの効果、アンデット族が破壊された時、デッキより『イモータル』を特殊召喚できる! 俺はレベル3チューナー『イモータル・ビー』を特殊召喚するじゃん!」(知多ライフ6400→5200)(知多墓地13→14)
「メインフェイズ2に入り、リバースカードを2枚セットして、ターンエンドです!」(真薄手札3→1)
「エンドフェイズ、グールは特殊召喚できるじゃん!」(知多墓地14→13)
(よし、あの不死のシンクロを大分倒せた……でも、相手のモンスターはまだ3体も残ってる。まだ……終わってない!)
この真薄のやり方に、グレイマターもうんうんうなずいて肯定する。
真薄
ライフポイント3150
手札枚数2枚
モンスター2体
『スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル8)
『C・HERO クロマストーン』(攻撃表示・攻撃力2700・地属性・レベル7)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数21枚
除外されているカード0枚
5・知多のターン
「俺のターン、ドローじゃん!」(知多手札5→6)
(まくられた……大量ドローもあったとはいえ、あの布陣を破るとはじゃん。お前、もう初心者じゃねえよな。立派で強力なデュエリストじゃん! そんなデュエリスト相手なら、きっと勝った時すっごく気持ちいいじゃん!)
(ごめんね、シェリルちゃん。まだこのデッキ、本来使うべき時に使えないじゃん。でも、絶対に約束は果たすから……今だけは、使わして欲しいじゃん!)
「手札より、魔法カード『生者の書-禁断の呪術-』を発動じゃん! 自分墓地のアンデット族1体と、相手墓地のモンスター1体を対象として、俺の墓地からは特殊召喚。相手墓地からは除外するじゃん! 俺は墓地のガルムを特殊召喚して、相手墓地のアクセラレートを除外するじゃん!」(知多手札6→5)
「カウンター罠『パラドックス・フュージョン』を発動させます! 自分フィールドの、融合モンスター1体を除外して発動。相手の特殊召喚、魔法・罠の発動を無効化して破壊します! 僕はクロマストーンを除外して、そのカードを無効化して破壊します!」(真薄除外0→1)(真薄墓地21→22)(知多墓地13→14)
「やっぱり、ここは止めてくるじゃん? だったらここは、速攻魔法『サイクロン』を発動じゃん! そっちの伏せカード1枚を破壊するじゃん!」(知多手札5→4)(知多墓地14→15)
「リバースカード、オープン! 罠カード『ホーリーライフバリアー』! 手札を1枚捨てることで、このターン僕が受ける全てのダメージは0となり、モンスターは戦闘破壊はされません!」(真薄墓地22→24)(真薄手札2→1)
(このターンだけでも、しのげれば!)
(なるほど、俺のノワールヴァンプを嫌って、効果ダメージも0にする防御カード……だけどそれだけじゃあ、甘いじゃん! 俺はその次の次を行くじゃん!)
「俺は、レベル4のグールに、レベル3のビーをチューニング! シンクロ召喚! 現れろレベル7『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」(知多墓地14→16)
「クリアウィング!?」
「そう!」
知多の今のデッキに似合わない、クリアなきらめきを持つドラゴンが現れる。攻撃力は2500。
「あの時ロベルトさんからもらったカード……ここで生きてくるじゃ~ん?」
「一体、どんな効果を持っているのでしょうか……!?」
「ここからここからじゃん。手札のバットの効果発動じゃん。フィールドのコカトリスを破壊して、このカードを特殊召喚するじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地16→17)
「更に、破壊されたコカトリスの効果と永続魔法『補給部隊』の効果発動。デッキより『イモータル・ヴォーン』を特殊召喚して、デッキより1枚ドローするじゃん!」(知多手札3→4)
「レベル3のスケルトンに、レベル2のバットをチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、空を支配する不死の蛾! レベル5『スカイイモータル・ドゥネイル』!」(知多墓地17→19)
(あのモンスターは確か……効果が発動される度に相手に300のダメージを与えるモンスター! ここで出してくるなんて……!)
「リバースカードを1枚セットして、ターンエンドじゃん。このターンのエンドフェイズ、コカトリスは復活するじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地19→18)
知多
ライフポイント5200
手札枚数3枚
モンスター4体
『スカイイモータル・ドゥネイル』(攻撃表示・攻撃力2400・風属性・レベル5)
『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2500・風属性・レベル7)
『イモータル・コカトリス』(守備表示・守備力600・闇属性・レベル5)
『イモータル・ヴォーン』(守備表示・守備力400・闇属性・レベル4)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『イモータルの輪廻』(永続罠)
『補給部隊』(永続魔法)
墓地の枚数18枚
除外されているカード1枚
6・真薄のターン
「僕のターン、ドローです!」(真薄手札1→2)
「魔法カード『HEROの遺産』を発動させます! 墓地の『HERO』モンスターを融合素材とする融合モンスター2体をエクストラに戻し、3枚ドローできます! 僕はアクセラレートとヒートブラストの2体をエクストラに戻して、3枚ドローします! そして、ドゥネイルの効果で300のダメージを受けます」(真薄ライフ3150→2850)(真薄手札1→4)(真薄墓地24→23)
「……よし、手札より、魔法カード『ブラック・コア』を発動させます! このカードは、手札1枚をコストにフィールドのモンスター1体を除外させます! ドゥネイルを、除外します! 300ダメージを受けますが、除去する価値はあります!」(真薄手札4→2)(真薄墓地23→25)(真薄ライフ2850→2550)
「おっとっと。やるじゃん?」(知多除外1→2)
「よし、魔法カード『死者蘇生』を発動します! 墓地からモンスター1体を特殊召喚します! 僕が特殊召喚するのは、グレイマター!」(真薄手札2→1)
「グレイマターの効果発動。『C・HERO』1体をリリースして、デッキ・墓地より『融合』『フュージョン』カード1枚を手札に加えます。グレイマター自身をリリースして、墓地より『コスモテック・フュージョンサポート』を手札に加えます」(真薄手札1→2)
「永続魔法『コスモテック・フュージョンサポート』を発動させます! デッキより『C・HERO』1体を手札に加えます。デッキより『C・HERO チル』を手札に加えます」
「魔法カード『貪欲な壺』を発動させます! 墓地のモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローします。『ヴォルカニック・バレット』2枚と、アクセル、ヒート、ストーンの5体をデッキに戻して、デッキより2枚ドローします」(真薄墓地25→20→21)(真薄手札1→3)
「魔法カード『フュージョン・リスタート』を発動させます! 墓地からレベル5以下のモンスターを特殊召喚します。そして、墓地に『融合』がある場合、墓地から魔法・罠ゾーンにセットできます。僕はアズマスを特殊召喚して、墓地から『融合』を1枚セットします」(真薄手札3→2)(真薄墓地21→20)
「アズマスの効果、デッキより『コスモ』魔法・罠を1枚手札に加えます。2枚目の『コスモスペース』を手札に加え、そのまま発動させます」
「魔法カード『融合』を発動させます! 手札からチルと、フィールドからアズマスを素材として、融合召喚を行います! フィールド魔法『コスモスペース』の効果で、融合素材の属性縛りを無視できます! 現れてください! 絶対零度のエイリアン、レベル8『C・HERO ビッグチル』!」(真薄手札2→1)(真薄墓地20→23)
現れたのは、青と黒が混じった蛾のようなエイリアン。攻撃力は2800。だが、そのビッグチルはフィールドに猛吹雪を発生させる!
「ビッグチルの効果、特殊召喚された時相手フィールドの表側表示カードを全て無効化します! エターナル・フォース・ブリザード!」
「来たな! この時クリアウィングの効果が発動じゃん! レベル5以上のモンスター効果が発動した時、それを無効化して破壊するじゃん! 更に、クリアウィングがモンスター効果を無効化した時、そのモンスターの攻撃力分攻撃力を上げるじゃん!」(クリアウィング攻撃力2500→5300)(真薄墓地23→24)
「ええっ!? そんな、ビッグチルが……でも、融合素材となったチルとアズマスの効果を発動させます! チルが融合素材となった時、相手フィールドの表側表示カード1枚を無効化します。永続罠『イモータルの輪廻』を無効化します。そして『コスモスペース』の効果で1枚ドローし、『コスモテック・フュージョンサポート』の効果でデッキより『C・HERO アクセル』を手札に加えます!」(真薄手札1→3)
「融合素材となったアズマスの効果も発動して、墓地から『融合』『フュージョン』カードを1枚手札に加えます。僕が手札に加えるのは……」
(手札に加えるのは……『簡易融合』? それとも『パラドックス・フュージョン』? 『簡易融合』はライフを1000支払い、『パラドックス・フュージョン』は融合モンスターを1体離してしまう……でも、普通に融合したら……! でも、レベル5以上でも発動しない効果なら……! よし、こっち!)
「墓地から手札に加えるのは、『融合』!」(真薄墓地24→25)(真薄手札3→4)
(それに、どうせ破壊されただけなら……!)
「墓地の『置換融合』を除外して発動します! 墓地の融合モンスター1体をエクストラに戻して、1枚ドローします! ビッグチルをエクストラに戻して、1枚ドローです!」(真薄手札4→5)(真薄墓地25→23)(真薄除外1→2)
(……よし! これなら……!)
「魔法カード『融合』を発動します! 手札から、ゴーストと『C・HERO フライ』を素材として……融合召喚! 現れてください、レベル6『C・HERO アクセラレート』!」(真薄手札5→2)(真薄墓地23→26)
「またそのモンスターか!」
「フュージョンサポートの効果で、デッキより『C・HERO ヒート』を手札に加え『コスモスペース』の効果で、1枚ドローします!」(真薄手札2→4)
「融合素材となったフライは、相手フィールドのモンスター1体を対象として攻撃力を半分にできる! クリアウィングの攻撃力を半分に!」
「悪いが、クリアウィングはレベル5以上のモンスターを対象としたモンスター効果を無効化できるじゃん!」
(おそらく、それが効果の全容……!)
「行きますよ、バトルフェイズ! アクセラレートで、ダイレクトアタック! ライトニング・アクセル!」
「更に速攻魔法『コンセントレイト』を発動させます! コンセントレイトは、対象としたモンスターの攻撃力をモンスターの守備力分上げます!!」(真薄手札4→3)(真薄墓地26→27)(アクセラレート攻撃力2400→4200)
「ぐあっ! ライフが……!」(知多ライフ5200→1000)
「よし……! カードを2枚伏せて、ターンエンドです!」(真薄手札3→1)
「エンドフェイズ、クリアウィングの効果でアップした攻撃力は元に戻るじゃん」(クリアウィング攻撃力5300→2500)
真薄
ライフポイント2550
手札枚数1枚
モンスター2体
『スターヴヴェノム・フュージョン・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル8)
『C・HERO アクセラレート』(攻撃表示・攻撃力2400・風属性・レベル6)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『コスモテック・フュージョンサポート』(永続魔法)
『コスモスペース』(フィールド魔法)
墓地の枚数27枚
除外されているカード2枚
「逆転……! やるじゃん、真薄!」
「僕だって、まだまだ負けません! ここで勝って、本戦は僕が行きます!」
(僕も知多君ももうギリギリ……次のお互いのターンで勝負が決まりますね……!)
(ここで決められなかったら、おそらく負けるじゃん……! それに、お互いの伏せカード……! 多分これが勝負のカギ……!)
((ここがお互いの正念場!))
7・知多のターン
「俺のターン、ドローじゃん!」(知多手札3→4)
(コレが最後の賭け!)
「魔法カード『手札爆殺』を発動じゃん! 互いのプレイヤーは、手札を全て破壊してその破壊した数までドローするじゃん! 俺は3枚破壊して、3枚ドローじゃん!」(知多手札4→3)(知多墓地18→21)
「1枚破壊して、1枚ドローします」(真薄墓地27→28)
「……よし! 手札より、『生者の書-禁断の呪術』を発動じゃん! 墓地からアンデット族モンスター1体を特殊召喚して、相手の墓地からモンスター1体を除外するじゃん! 俺は墓地からレベル3チューナーの『ユニゾンビ』を特殊召喚して、お前の墓地からグレイマターを除外じゃん!」(知多手札3→2)(真薄除外2→3)
「『ユニゾンビ』の効果、発動じゃん! デッキよりアンデット族モンスター1体を墓地へ送って、フィールドのモンスター1体のレベルを1上げるじゃん! デッキより再び『馬頭鬼』を墓地へ送って、ヴォーンのレベルを1上げて5にするじゃん!」
「レベル合計8……! 来ますか!?」
「レベル5となっているヴォーンに、レベル3の『ユニゾンビ』をチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、レベル8俺のエース! 『吸血竜-ノワール・ヴァンプドラゴン』!」(知多墓地21→23)
現れたのは、知多のデュエルで幾度となくフィニッシャーとなってきた紅と黒のドラゴン。攻撃力は3000。さらには破壊された時特殊召喚できる効果も持っている。
「知多君の、この状況を決められるモンスター……! たとえ相手の攻撃力がいくら高くても、それを無にできる上に、攻撃力が高ければ高いほど仇になるカード……!」
「そう、ノワール・ヴァンプの効果。このカードは相手モンスターに攻撃する時、お互いのモンスターは破壊されずダメージは0になり、相手モンスターの攻撃力を0にする。更に、その時俺は攻撃した相手モンスターの元々の攻撃力分のライフを回復して、回復した分のダメージを相手に与える!」
ノワール・ヴァンプがスターヴ・ヴェノムに攻撃すれば、スターヴ・ヴェノムの攻撃力は2800。真薄のライフは2550。これを食らえば、ライフは尽きてしまう!
だが、真薄はただではやられない。
「罠カード『フュージョン・ディメンションホール』を発動させます! このカードは、自分フィールドにレベル5以上の融合モンスターが存在する時、相手がモンスターを召喚・特殊召喚・反転召喚した時、相手モンスターを全て除外します!」(真薄墓地27→28)
「なにっ!? てことは……!」
「そうです! 全て除外されて、復活はできません!」
「ぬーっ!」(知多除外1→4)
「さぁ、これでもう……!」
「まだまだじゃん! 手札より、魔法カード『死者蘇生』を発動じゃん!」(知多手札2→1)
「ここで、『死者蘇生』ですか!?」
(ですが、墓地に存在するモンスターは……! あ、しまった! 墓地には除外することで墓地からアンデット族を特殊召喚できる『馬頭鬼』が……!)
「俺は墓地から、グールを特殊召喚! 更に、墓地から『馬頭鬼』を除外して、墓地から『ユニゾンビ』を特殊召喚!」(知多墓地23→21)(知多除外1→2)
「レベル4のグールに、レベル3の『ユニゾンビ』をチューニング! シンクロ召喚! 現れろ、全てを石へと変える嘆きの魔女! レベル7『ストーンイモータル・カーミラ』!」(知多墓地21→23)
現れた、蛇の下半身と髪を持つ魔女。攻撃力は2700。
「手札より、『イモータル・スケルトン』を召喚! そしてカーミラの効果発動! フィールドのカーミラを破壊して、スターヴ・ヴェノムに石化カウンターを1つ置く!」(知多手札1→0)(知多墓地23→24)
「そしてコレが、俺のフィニッシュカードだ! リバースカード、オープン! 速攻魔法『イージーチューニング』! このカードは、墓地のチューナーモンスター1体を除外して、除外したモンスターの攻撃力を自分のモンスター1体に加える! 俺は墓地の『ユニゾンビ』を除外して、カーミラの攻撃力を1300アップだ!」(知多除外4→5)(カーミラ攻撃力2700→4000)
「カーミラの攻撃! カーミラで、スターヴヴェノムを攻撃! クイック・サーペント!」
カーミラの鋭い尻尾攻撃が、石化したスターヴヴェノムを打ち砕く!
「ぐっ……ですが、スターヴヴェノムの効果発動! 融合召喚したこのカードが破壊された時、相手の特殊召喚されたモンスターを全て破壊して……」(真薄ライフ2550→1350)(真薄墓地28→29)
「悪いが、ソイツはできないじゃん! カーミラは戦闘で破壊したモンスターの効果を無効化するじゃん! そして、石化カウンターが乗ったモンスターが戦闘で破壊された時、破壊されたモンスターの攻撃力分のダメージを、相手に与えるじゃん!」
「そんな……この状況、僕がどうやっても、封じることはできなかった……ということですか……!」(真薄ライフ1350→0)
遊太の仲間達の中で、最初に本戦に出場を決めたのは知多であった。デュエルを終えた知多と真薄は、互いにこれからのことを語り合う。
「本戦出場おめでとうございます、知多君」
「ああ。ま、あの子達との約束もあったし、ここで負けてはいられなかったじゃん。んで、今後はどうするつもりなんじゃん?」
「みんなを、応援します。自分がいけなかった分も、みんなに頑張ってもらいたいです!」
「わかったじゃん……さて、みんなはどうなっているのかじゃん?」
第九十五話。終わり。
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236 | 遊戯王EXSキャラ紹介 その1 | 1423 | 2 | 2018-07-14 | - | |
134 | 第三十五話「GAME START」 | 945 | 0 | 2018-07-22 | - | |
84 | 決闘者の帝国における、特殊ルール | 919 | 2 | 2018-07-22 | - | |
169 | 第三十六話「まずは一つ」 | 1059 | 0 | 2018-07-29 | - | |
97 | 第三十七話「菊姫とアキラ」 | 1003 | 0 | 2018-08-05 | - | |
100 | 第三十八話「実力勝負!」 | 943 | 0 | 2018-08-12 | - | |
138 | 第三十九話「エンジョイデュエル!」 | 1045 | 0 | 2018-08-23 | - | |
90 | 第四十話「プレイヤーキラー、動く!」 | 856 | 0 | 2018-09-07 | - | |
80 | 第四十一話「闇を打ち砕け、遊太!」 | 928 | 0 | 2018-09-15 | - | |
117 | 第四十二話「ユニオンロボ&宇宙のヒーロー | 937 | 0 | 2018-09-29 | - | |
88 | 第四十三話「侵攻するワーム」 | 1002 | 0 | 2018-10-06 | - | |
133 | 第四十四話「ヒーロー覚醒!?」 | 958 | 2 | 2018-10-14 | - | |
213 | 第四十五話「血の刻印」 | 1146 | 2 | 2018-10-27 | - | |
71 | 第四十六話「二つの竜」 | 837 | 2 | 2018-11-08 | - | |
171 | 第四十七話「共鳴、そして目醒め」 | 1021 | 2 | 2018-11-19 | - | |
138 | 第四十八話「思わぬ敵」 | 972 | 2 | 2018-12-02 | - | |
101 | 第四十九話「救いと絶望」 | 946 | 0 | 2018-12-09 | - | |
149 | 第五十話「ロベルトを救う者」 | 988 | 0 | 2018-12-17 | - | |
134 | 第五十一話「決戦! 闇の王と遊太」 | 995 | 0 | 2019-01-17 | - | |
101 | 作者よりお知らせ | 826 | 0 | 2019-01-27 | - | |
83 | 第五十二話「突き抜ける意志」 | 781 | 0 | 2019-02-05 | - | |
99 | 第五十三話「神帝現る」 | 948 | 0 | 2019-02-12 | - | |
96 | 第五十四話「帝国の終焉」 | 854 | 0 | 2019-02-22 | - | |
115 | 特別編『超次元! 世界を越えた絆』1 | 1025 | 0 | 2019-03-07 | - | |
143 | 特別編『超次元! 世界を越えた絆』2 | 892 | 0 | 2019-03-14 | - | |
89 | 特別編『超次元! 世界を越えた絆』3 | 910 | 0 | 2019-03-22 | - | |
82 | 第五十五話「休息の時」 | 803 | 0 | 2019-04-07 | - | |
79 | 第五十六話「彼女との再会」 | 746 | 0 | 2019-04-20 | - | |
102 | 第五十七話「マダムの危ない罠」 | 764 | 0 | 2019-05-01 | - | |
70 | 第五十八話「ストアブレーカー」 | 791 | 0 | 2019-05-19 | - | |
74 | 第五十九話「闇のカード」 | 839 | 0 | 2019-06-04 | - | |
111 | 第六十話「変わり始める生活」 | 792 | 0 | 2019-07-18 | - | |
70 | 第六十一話「ユイのデュエル」 | 725 | 0 | 2019-08-04 | - | |
76 | 作者よりお知らせ2 | 733 | 0 | 2019-08-11 | - | |
93 | 第六十二話「プラクサスの怪人」 | 727 | 0 | 2019-09-11 | - | |
69 | お詫びとお知らせ | 493 | 0 | 2020-02-19 | - | |
147 | 第六十三話「暴走! 怪人クロウリー」 | 779 | 0 | 2020-02-19 | - | |
84 | 特別編『ブルーアイズVSブルーアイズ』 | 846 | 0 | 2020-02-22 | - | |
91 | 第六十四話「闇に落ちる小鳥」 | 786 | 0 | 2020-03-22 | - | |
70 | 第六十五話「鳥人を食う邪竜」 | 673 | 0 | 2020-04-18 | - | |
91 | 第六十六話「ダークヒーロー!ヴェンデット | 696 | 0 | 2020-05-09 | - | |
87 | 第六十七話「堕ちたヒーロー」 | 719 | 0 | 2020-05-23 | - | |
78 | 第六十八話「視える未来(ビジョン)」 | 853 | 0 | 2020-05-30 | - | |
97 | 第六十九話「突入、アポカリプトのアジト」 | 759 | 0 | 2020-06-12 | - | |
64 | 第七十話「登場! 世界チャンピオン!」 | 729 | 0 | 2020-06-14 | - | |
63 | 第七十一話「デートじゃん!」 | 677 | 0 | 2020-06-27 | - | |
77 | 第七十二話「不死者は少年を好く」 | 777 | 0 | 2020-06-28 | - | |
64 | 第七十三話「最強デュエリストのいとこ」 | 671 | 0 | 2020-07-07 | - | |
76 | 第七十四話「D1グランプリ、開催決定!」 | 637 | 0 | 2020-07-13 | - | |
78 | 遊戯王EXS キャラ紹介その2 | 751 | 0 | 2020-07-13 | - | |
74 | 特別編「VSサイコ・ショッカー!?」 | 608 | 0 | 2020-07-26 | - | |
89 | 第七十五話「D1グランプリへの道しるべ」 | 685 | 0 | 2020-08-06 | - | |
64 | 第七十六話「不死と再生、イモータル」 | 669 | 0 | 2020-08-15 | - | |
63 | 第七十七話「雨が降れば蛙が鳴く」 | 601 | 0 | 2020-08-30 | - | |
74 | 第七十八話「噴火寸前のヴォルケーノ」 | 684 | 0 | 2020-09-13 | - | |
72 | 第七十九話「燃えろ遊太!」 | 642 | 0 | 2020-09-27 | - | |
119 | 作者よりお知らせ3 | 625 | 0 | 2020-10-02 | - | |
69 | 第八十話「燃えるデュエル!」 | 626 | 0 | 2020-10-18 | - | |
74 | 特別編「乙女の対決、ブラマジガール!」 | 707 | 0 | 2020-11-05 | - | |
67 | 第八十一話「高き壁」 | 664 | 0 | 2020-11-22 | - | |
76 | 第八十二話「強き者」 | 746 | 0 | 2020-12-05 | - | |
58 | 第八十三話「エキシビションマッチ」 | 680 | 0 | 2021-01-01 | - | |
78 | 第八十四話「二次予選開始!」 | 738 | 0 | 2021-01-11 | - | |
58 | 第八十五話「タッグメイクデュエル」 | 522 | 0 | 2021-02-20 | - | |
66 | 第八十六話「タッグメイクデュエル②」 | 482 | 0 | 2021-04-04 | - | |
70 | 第八十七話「タッグメイクデュエル③」 | 436 | 0 | 2021-04-25 | - | |
70 | 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 | 588 | 0 | 2021-05-04 | - | |
54 | 第八十九話「チーム結成!」 | 503 | 0 | 2021-05-08 | - | |
62 | 第九十話「J4の実力 輝く竜の星」 | 454 | 0 | 2021-06-02 | - | |
60 | 第九十一話「超弩級のパワー」 | 583 | 0 | 2021-06-12 | - | |
78 | 第九十二話「空飛ぶケモノたち」 | 457 | 0 | 2021-07-08 | - | |
69 | 第九十三話「雷と未来」 | 428 | 0 | 2021-07-18 | - | |
66 | 第九十四話「大トリ、明石慎之介」 | 647 | 0 | 2021-09-04 | - | |
59 | 作者からお知らせ4 | 463 | 0 | 2021-09-17 | - | |
75 | 特別編「冥界の王(ファラオ)と決闘!?」 | 554 | 2 | 2021-10-17 | - | |
60 | 第九十五話「最終予選1 友達VS友達」 | 488 | 0 | 2021-12-18 | - | |
64 | 第九十六話「最終予選2 竜姫神と青眼」 | 466 | 0 | 2022-01-04 | - | |
69 | 第九十七話『最終予選3 約束のために』 | 564 | 0 | 2022-01-10 | - | |
61 | 第九十八話「最終予選4 VSJ4最強」 | 670 | 0 | 2022-02-01 | - | |
54 | 第九十九話「異変」 | 517 | 0 | 2022-02-27 | - | |
72 | 第百話「D1グランプリ、本戦開始!」 | 413 | 0 | 2022-04-09 | - | |
74 | 第百一話「プロの実力」 | 425 | 0 | 2022-05-07 | - | |
62 | 第百二話「デストーイ・デコレーション」 | 516 | 0 | 2022-06-04 | - | |
46 | 第百三話「アマゾネスの首領」 | 376 | 0 | 2022-07-10 | - | |
41 | 第百四話「プロ辞めます!」 | 462 | 0 | 2022-08-28 | - | |
40 | 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 | 340 | 0 | 2022-10-16 | - | |
49 | 第百六話「鉄屑と星屑」 | 556 | 0 | 2022-11-27 | - |
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