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第三十一話「忍び寄る侵略の影」 作:イクス
第三十一話「忍び寄る侵略の影」
その日は丁度、降りしきる豪雨と落雷が酷い夜だった。こんな夜の中、作業をしている二人組の男性がいる。
「あーあ、なんでこんな土砂降りだっていうのに、荷物運びの仕事しなきゃいけねえんだよ。雷も鳴っているって言うのに……」
「仕方ねえだろ、上からの命令なんだからよお。今日中にコレ全部倉庫に入れられねえと、俺達金貰えねえんだぞ! つべこべ言わずにつべこべ……いや、詰め込めぇ!」
愚痴を言いながら、荷物を倉庫へと運んでいく二人組。しかし、そんな二人の所にとんでもないことが起きるのだった。
ビシャーンッ!
「うわああ! なんだあ!?」
「雷だ! 倉庫の外に雷が落ちたんだ!」
外を見てみると、地面に焦げた跡が見つかる。そして、その中心に、何かがいた。
「な、なんだって言うんだ……一体?」
その何かは、人型になって立ち上がり、突如声をあげる。
「:[^0@dkal0752;ha!」
「な、なんだってんだよお……アレは!」
「……;:a-eomg;.da:po」
その何かは突如、二人組に向かって走り出し、その手を伸ばすのであった。
翌日。先日の雨と雷は何処へ行ったのか、プラクサスシティは快晴であった。遊太の家にも、雨上がりの雫が垂れている。
「酷い嵐だったねえ、昨日は」
「全くだな、酷い嵐があったもんだ」
「まあ、これが昼だったら、学校とか行かなきゃいけないから大変だったけど。夜だから問題はなかったよ」
「そうだな、学校へ行くにしても、バスを使えるだけのお金とかを、お前が持っている訳ではないしな」
遊太の部屋には、遊太一人しかそこにはいなかったが、会話が成り立っていた。なぜなら、彼の机においてあるデュエルモンスターズのカード、『イクスロードナイト』のカードに宿るモンスター達が、遊太と会話をしているのだから。
今、会話をしているのは、『イクスロードナイト・アルファ』。『イクスロードナイト』達を纏める、リーダー的存在である。
「それにしても、嵐だけじゃなく、昨日の電話には驚いたよ。ロベルトさんからの電話!」
「ああ、開口一番『やったよ遊太君! 精霊を一手に集める方法を思いついた!』と大声で語るのだからな。それと、今日の予定も教えてくれた」
「明日、ミナコ社の前まで来てくれ……だってさ」
「全く、急すぎるな」
「ま、良いか。行こっか、ミナコ社へ」
「お母さーん、お父さーん、行ってきまーす」
「おう、気を付けていけよ」
「いってらっしゃい」
父幸市が見ていたテレビには、このようなニュースが放送されていた。
「昨晩、倉庫で作業をしていた二人組の男性が、何者かに殺害されるという事件が起こりました。男性は、なんと全身が痩せこけており、まるで血を抜かれたかのような状態になっているそうです。警察は、この事件に対し疑問点を数多く述べているようで……」
「……世の中には、奇妙な事件があるものだなあ」
ミナコ社へとやって来た、遊太達。達といっても、デッキに含まれている『イクスロードナイト』達なのだが。
「ねえ、ロベルトさんがアタシ達を呼ぶなんて、一体どういう用件なのよ?」
「そうだな、ディアナ。それも、俺達を連れてやってきてくれなんて、ちょっと何かありげだな」
「だよねえ、アポロ」
「まあまあ、こうしてミナコ社に招待してもらえただけでも、良いんじゃないでしょうか皆さん」
「まあ、マグナがそう言うならそういうことで……ところで遊太、ロベルトさんまだかよ」
「うん、そうなんだよデュナス。もうすぐ来るはずなんだけど……」
噂をすれば影といったところか、ミナコ社の中からロベルト・フランシスが出てきた。
「いやあ、ゴメン。遅くなっちゃって。今日は急な誘いにも応じてくれて、どうもありがとう!」
「ま、まあね。ロベルトさんの頼みとあれば、一応断れませんよ」
「俺達も、折角のご招待だって言うのに、来ない訳にはいかねえしなあ」
「うん。わかってくれて嬉しいよ。じゃあ、早速例の件を話すから、中に入ってくれないかい?」
「はい、わかりました」
そうして、自動ドアを開けてミナコ社の中へと入っていくロベルトと遊太。すると、ミナコ社と違うビルの隙間に何かがうごめいた。
「……」
「さて、話をしよう。前言った通り、アルファの言っていたアルファ達の世界の生き物……つまり、精霊はこの世界に散らばっていて、なんとかして集めて保護しないといけない。新しい世界の目途が立つまでね」
「そして、今の所この日本でしか精霊は集められないけど、ゆくゆくは世界中の奴も集めようと思う。それで、日本の精霊を集める手段なんだけど」
「何か策があるって言うのですか?」
「ああ、ちょっとした策なんだが、結構集められると思うんだ。名付けて、『決闘者の王国』というものなんだ!」
「『決闘者の王国』? それって確か、真薄君から借りたアニメのDVD『カードヒーロー』で聞いたような単語だなあ……」
「ああ、そのアニメでは優れたデュエリストを選抜するための策略だったけど、これは違う。全国のデュエリスト達の、交流の場さ! このプラクサスシティに、ミナコ社主導で建設している遊園地がある。その名も『デュエルランド』! そのお披露目も兼ねて、全国からデュエリストを集めて、交流大会を開こうとおもう!」
「そ、そうなんですか!? 確かにそれなら、精霊も一手に集められる上に、そしてデュエル大会という名目だから表向きにも怪しまれない!」
「やるなあ、さすがカードデザイナー。デュエルのことに関しては、お任せってことか」
「ジエスも、そう思ってくれるかい?」
「ああ、相談して決めたんだ。彼、『アストログラフ・マジシャン』とね」
「そうか……」
「それで、大会に参加する人は?」
「全国から選りすぐった、デュエルの実力者を揃えた。しかし、精霊を持っててデュエルの実力者ともなると、かなりアンダー15が多くてねえ……」
「アンダー15? それって15歳以下のこと?」
「ああ、君達と同じ年代か、少し上くらいの連中が多いなあ。大会参加者は50名。そして追加の参加者は、菊姫ちゃん・真薄君・知多君・アキラ君にカリンちゃん! それと君もね」
「なるほど……それで? カリンちゃんとアキラ君以外の僕の友達はを除くと、皆精霊を持っているの?」
「そうだね、ほぼ全員持っているよ。それに……プラクサスシティ以外の都市チャンピオンもいる。アキンドシティ、エンドシティ、ハネダシティ! 他にも数多くのシティのデュエリストがやってくるぞ!」
「そうなの!? 凄い!」
「このことは、まだミナコ社内部でしか知られていないけど、上層部は遠慮なく許可してくれたよ」
「そーなのかー」
「だから、大会が開催されるその時まで、君達は大人しくしていると良い」
「本当? やったね。これで日本の精霊たちは皆保護されるって訳だね」
「ああ。これは見事に名案だと思うだろう?」
「うん。で、今日僕に伝えたかったことはこれだけ?」
「あ、うん……そうなんだ。このことを伝えたかった。ただ、それだけ」
「なーんだ。わざわざ会社まで呼び出して、何を伝えるかと思ったら、大会の準備ができたのと、それを通じて精霊を集めるってことを伝えたかっただけなのかあ」
「あー……電話で伝えても良かったね、コレ。わざわざ呼び出す必要無かったかも」
「でも、まあいっか。ロベルトさんにとっては、直接伝えなきゃいけない程、火急の用事だったことがわかったよ」
「ハハハ……少々喜びすぎて、より良い伝え方を見失っていたなあ。でも、遊太君の言う通り、まあいっか!」
「「アハハハ!」」
そうして、二人でバカ笑いをした後、遊太は帰り支度をするのであった。
そして、ドアの前で遊太とロベルトの二人は、別れるのだった。
「じゃあね、遊太君。大会の日程が決まったら、ホームページとかで適宜知らせるからさ。それまで待っていてくれ」
「はい、わかりました。その時はちゃんと参加しますので、楽しみに待っていますね」
「ああ、俺達も待つさ。元の世界の仲間達を、助けるための大事な一手だからな」
「そのことは、私達『イクスロードナイト』もこの大会に賭けよう」
「ああ、アルファ……君達の世界のためにも、私はこの大会を成功させたいと思う」
「うん、僕も……出来る限りのことはするよ」
「それじゃあね」
ロベルトの部屋、ドアの前で別れた遊太とロベルト。遊太は大会への決意を固め、ロベルトは大会を成功させるとの意志を固めるのだった。
遊太が去ったのを見て、ロベルトは部屋の鍵を閉めて、遊太とは別方向へと歩き出す。
「さて、今日は王国の会議だったな。そろそろ時間だし、会議室へ行くか」
と、会議室へと向かって行ったロベルト。すると、彼のデッキが光る。すると、デッキから現れたのは、宇宙をその身に宿したようなローブを身に纏う、杖を持つ魔術師。『アストログラフ・マジシャン』だった。
「どうしたんだい? アストログラフ。君が出てくるってことは、何かあるってことなのかい?」
「ああ、事件は今、会議室で起きている。行くぞ、ロベルト」
「わかった! ところで、遊太君には……言わなくて良いのかい?」
「彼は、そのうち来る。心配しなくて良い」
「……そうか。わかった」
それと同時に、ロベルトは会議室へと足を早める。そして、辿り着いた先には。
「こ、これは!」
会議室には、黒いマントを羽織った仮面の男に支配されていた。会議室にいたロベルトの同僚達は、口から黒い瘴気を溢れ出し、黒マントの男に奪われていた。
「な、なんだお前は!」
「ほう、まだ残っている人間がいたか。だが、どうせ同じことだ、私はお前のエネルギーを奪い取らせてもらおう」
黒い手を伸ばし、手からロープのようなものを出して、ロベルトを縛ろうとする。しかし、デッキから現れた、『アストログラフ・マジシャン』がそれを弾く。
「何……貴様、あの世界の生き物を使役しているというのか」
「あの世界……? アストログラフを知っているのか、お前は!」
「我は闇の王。あのお方の為に、侵略を行う者」
「闇の王……? あのお方? それがアストログラフと、なんの関係があるんだ!」
「あのお方は、以前そのアストログラフという者がいる世界を、焦土に変えた。だが、何匹かの生き物は、あの女神のせいで逃がしてしまった」
「お前達は……一体なんの為に、アストログラフの世界を!」
「それをお前が知る必要は無い。これから貴様は消されるのだ……」
「……アストログラフ」
「ロベルト。少なくとも、コイツが我々の世界を侵略した奴らの手先であるということはわかった。迎撃するぞ、今はそれしかない」
「ああ、やるしかないようだな」
「ほう、我と戦うというのか、面白い。だが、ただの戦いでは、そのアストログラフに、防がれるのがオチだ。物理では、敵わない。だからこそ、奴らの最も得意なもので戦う。貴様らの最も得意とするもの、そう、デュエルでだ!」
闇の王は、右腕にデュエルディスクのようなものを展開する。それと同時に、闇の炎が周囲を取り巻き、逃げ場を無くす。
「こ、これは……」
「闇のデュエル、とでも言ってもらおう。その世界の生き物、アストログラフと名乗るそれが物事を決める、デュエルというもので、我々はその世界を侵略した。さあ、やりたまえ。どのみち逃げることはできない」
「……やるしかないということか。アストログラフ、行くぞ!」
「ああ、少なくとも奴らに仕返しをしたいと思っているからな。我々の世界を、焼け野原に変えた奴らに」
そうすると、ロベルトもデュエルディスクを構え、デッキをセットする。デュエルの臨戦態勢が、整ったということだ。
「さあ、やろうではないか、闇のデュエルを! 命がけで!」
「「デュエル!」」
そして、ミナコ社の外に出た遊太。その顔は、大会へのワクワク顔だが、その顔は崩されることになった。
「遊太!」
「な、何? アルファ」
「この感覚……奴だ。奴らが来た!」
「奴らって何?」
「我らの世界を……侵略した奴だ……! 今、我々に仕掛けた、闇のデュエルを行っている……! そして、それを仕掛けている相手は……ロベルトだ!」
「な、なんだって!?」
「行かなければ、彼が危ない! あのデュエルは、危険だ!」
「わ、 わかった。今すぐ行くよ!」
そうして、遊太はミナコ社の中へと戻っていき、ロベルトの所へと向かうのであった。
「先攻は、私が取る!」
1・ロベルトのターン
「私のターン! 私は手札からスケール8の『虹彩の魔術師』とスケール5の『慧眼の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!」(ロベルト手札5→3)
「フン、レベル6から7までのモンスターをペンデュラム召喚できるから何だというのだ」
「慌てるんじゃあない。『慧眼の魔術師』のP効果発動! 片方のPスケールに『魔術師』『EM』がいる時、このカードを破壊することで、デッキより『魔術師』PモンスターをPスケールにセットできる。私はデッキより、スケール1の『竜脈の魔術師』をセットする」(ロベルトエクストラ0→1)
「そして、私はペンデュラム召喚を行う! 現れろ、レベル7『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』! レベル4『相生の魔術師』! レベル4『慧眼の魔術師』!」(ロベルト手札3→1)(ロベルトエクストラ1→0)
「ほう……それがペンデュラム召喚か。次はどうすると言うのだ?」
「私はレベル4の相生と、慧眼でエクシーズ召喚を行う! 来い、ランク4『星刻の魔術師』! そして、効果発動! エクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから魔法使い・闇属性モンスターを1枚手札に加える。私はデッキより、レベル7の『アストログラフ・マジシャン』を手札に加える」(ロベルト手札1→2)(ロベルト墓地0→1)
「そして私は、リバースカード1枚をセットして、ターンエンド」(ロベルト手札2→1)
ロベルト
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター2体
『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2500・レベル7・闇属性)
『星刻の魔術師』(攻撃表示・攻撃力2400・ランク4・闇属性・X素材1つ)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード2枚
『虹彩の魔術師』(スケール8)
『竜脈の魔術師』(スケール1)
墓地の枚数1枚
除外されているカード0枚
2・闇の王のターン
「我のターン、ドロー」(闇の王手札5→6)
「我は、お前の場に家臣トークンを1体守備表示で特殊召喚することによって、手札の『雷帝家臣ミスラ』を守備表示で特殊召喚する」(闇の王手札6→5)
「私の場にトークンを出して、特殊召喚……ということはもう一体……」
「ああその通り、我はミスラをリリースして、レベル5の『雷帝ザボルグ』をアドバンス召喚!」(闇の王手札5→4)(闇の王墓地0→1)
雷雲と共に現れた、光の帝王。そして、雷雲を相手フィールド上にかき集め始めて……。
「ザボルグのモンスター効果。アドバンス召喚に成功した時、相手フィールドのモンスターを1体破壊する! 我は『星刻の魔術師』を破壊する!」
「ぐっ……やはりそう来るか……」(ロベルト墓地1→3)
『星刻の魔術師』は、表側表示のPカード破壊から守る効果を持ち……そしてサーチ効果を持つモンスター。早々放っておくはずがない……)
「更に、ミスラのモンスター効果発動。このモンスターをリリースしてアドバンス召喚した時、もう一回アドバンス召喚が行える! 我はザボルグをリリースして、レベル6『氷帝メビウス』をアドバンス召喚する!」(闇の王手札4→3)(闇の王墓地1→2)
フィールドに吹雪が巻き起こると、今度は氷の帝王が現れる。そして、フィールドに吹雪を巻き起こす!
「メビウスのモンスター効果。アドバンス召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠を2枚まで破壊する! そうだな……伏せカードが気になるが、我はセットされているPスケール2枚を破壊する!」
「やはり……しかし、ただではやられない。私は永続罠『臨時収入』を発動!」
「だが、破壊はされる」
「ぐぅ……だが、永続罠『臨時収入』の効果発動。エクストラデッキにカードが加わる度に、このカードに魔力カウンターを1つ乗せる」(ロベルトエクストラ0→2)
「更に、フィールドのカードが破壊された時、手札にある『アストログラフ・マジシャン』は特殊召喚できる! 現れろ、時空を切り裂き現れる魔術師!」
(ロベルト手札0→1)
手札から特殊召喚されたのは、まるで宇宙を身に纏っているかのような姿の魔術師。そして、そのステッキから放たれた光は……。
「『アストログラフ・マジシャン』の効果。破壊されたカードを1枚手札に加えられる。私は『竜脈の魔術師』を手札に加える」(ロベルト手札0→1)
「更に『虹彩の魔術師』の効果で、デッキから『ペンデュラムグラフ』を手札に加える。私は『星霜のペンデュラムグラフ』を手札に加える」(ロベルト手札1→2)
「ほう……例え破壊されようとも自身の効果で次々とアドが稼げる……これが貴様のペンデュラムデッキか」
「そう、これが私のデッキの強みさ。さて、まだやるかい?」
「ふむ……我はリバースカードを1枚伏せて、ターンエンド」(闇の王手札3→2)
闇の王
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体
『氷帝メビウス』(攻撃表示・攻撃力2400・レベル6・水属性)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数2枚
除外されているカード0枚
3・ロベルトのターン
「私のターン、ドロー!」(ロベルト手札2→3)
「私は手札から、先程手札に加えた永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』を発動!」(ロベルト手札3→2)
ロベルトのフィールドに、ペンデュラムのアークが現れる。それはまるで、ペンデュラム召喚のホールのよう。
「これは一体……」
「『星霜のペンデュラムグラフ』の効果、これが私のフィールドにある限り、私の魔法使い族モンスターは相手の魔法カードの対象とはならない。更に、もう一つ効果がある」
「ほう……やってみろ」
「ああ、やるさ。私は手札から、レベル3チューナー『貴竜の魔術師』の効果発動! 自分フィールド上に存在する、レベル7以上の『オッドアイズ』モンスターのレベルを3つ下げることで、このカードは手札から特殊召喚できる! 来い!」(ロベルト手札2→1)
「そして、私はレベル4となっている『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と、レベル3の『貴竜の魔術師』で、シンクロ召喚! 隕石の力を得たオッドアイの竜よ! 今ここに現れよ! レベル7『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!」(ロベルトエクストラ2→4)
「そして、永続罠『臨時収入』に魔力カウンターの2つ目を乗せる。更に、永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』の効果発動、『魔術師』Pモンスターがフィールドを離れた時、デッキから『魔術師』Pモンスターを1枚手札に加えられる。私はスケール8の『黒牙の魔術師』を手札に加える」(ロベルト手札1→2)
「そして、手札からスケール1の『竜脈の魔術師』と、スケール8の『黒牙の魔術師』で、ペンデュラムスケールをセッティング! これでレベル2~7までのモンスターがペンデュラム召喚可能に!」(ロベルト手札2→0)
「そして私は、エクストラデッキからレベル7の『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』をP召喚! 更に、私はレベル7の『アストログラフ・マジシャン』で、エクシーズ召喚! 現れろ、永久凍土の力を得たオッドアイの竜よ! ランク7『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!」
「更に、Pスケールの『黒牙の魔術師』の効果発動! このPスケールのこのカードを破壊することで、相手モンスター1体の攻撃力を半分にする! 『氷帝メビウス』の攻撃力を半分に!」(ロベルトエクストラ4→5)
「これにより、永続罠『臨時収入』に魔力カウンターが3つ乗った。魔力カウンターが3つ乗ったこのカードを墓地へ送ることで、私はデッキから2枚ドローする!」(ロベルト墓地3→4)(ロベルト手札0→2)
「バトルだ! 私は『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』で攻撃! メテオバーストは、バトルフェイズ中の相手モンスター効果を封じることができる!」
「ではカウンター罠『攻撃の無力化』を発動。相手モンスターの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる」(闇の王墓地2→3)
「やはり、簡単にはいかないか……カードを1枚伏せて、ターンエンド」(ロベルト手札2→1)
ロベルト
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター2体
『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2500・レベル7・炎属性)
『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2800・ランク7・水属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード2枚
『竜脈の魔術師』(スケール1)
『星霜のペンデュラムグラフ』(永続魔法)
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚
エクストラPカード枚数5
4・闇の王のターン
「我のターン、ドロー」(闇の王手札2→3)
「さて……お前のペンデュラムデッキ、相当やるようだな……こういう奴を倒すには、やはり帝の本気を見せねばなるまい」
「なんの……つもりだ?」
「こうするつもりさ、我は相手フィールドのアブソリュートを裏側守備表示に変更して、手札から『地帝家臣ランドローブ』を特殊召喚!」(闇の王手札3→2)
「くっ……」
「そして我は、手札からレベル6『地帝グランマール』をアドバンス召喚する! そしてモンスター効果発動! 相手フィールドの裏側表示カードを1枚破壊する。裏守備のアブソリュートを破壊する」(闇の王手札2→1)(闇の王墓地3→4)
「ぐぅっ……」(ロベルト墓地3→6)
「更に、ランドローブはアドバンス召喚のためにリリースされた時、自分の墓地から攻撃力800で守備力1000のモンスターを手札に加えられる。我は墓地の『雷帝家臣ミスラ』を手札に加える」(闇の王手札1→2)(闇の王墓地4→3)
「そして我は、カードを1枚伏せてターンエンド」(闇の王手札2→1)
闇の王
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター2体
『氷帝メビウス』(攻撃表示)
『地帝グランマーグ』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚
(奴め……絶対に何かを考えている。ならば速攻でカタをつけるしかない!)
5・ロベルトのターン
「私のターン、ドロー!」(ロベルト手札1→2)
「ロベルトさあん!」
闇の瘴気の中から、遊太が潜り抜けてきた。あまりの出来事に、ロベルトは驚く。
「遊太君! 君、どうしてここに……!」
「何か、胸騒ぎがして……それに『イクスロードナイト』達が、ロベルトさんが危ないって言われて……そしたら、なんかこの黒い靄が出ている部屋を見つけて……」
「とにかく、このデュエルは普通じゃない。そんな予感がするんだ。だから逃げてくれ」
「でも……」
「とにかく、何とか逃げてくれ! コイツは、私が仕留めてみせる!」
「ほう……それが貴様の増援か? それにしては、やけに小さな増援のようだが……」
「彼は、遊太君は関係ない! これは私とお前のデュエルだ!」
第三十一話。終わり。
その日は丁度、降りしきる豪雨と落雷が酷い夜だった。こんな夜の中、作業をしている二人組の男性がいる。
「あーあ、なんでこんな土砂降りだっていうのに、荷物運びの仕事しなきゃいけねえんだよ。雷も鳴っているって言うのに……」
「仕方ねえだろ、上からの命令なんだからよお。今日中にコレ全部倉庫に入れられねえと、俺達金貰えねえんだぞ! つべこべ言わずにつべこべ……いや、詰め込めぇ!」
愚痴を言いながら、荷物を倉庫へと運んでいく二人組。しかし、そんな二人の所にとんでもないことが起きるのだった。
ビシャーンッ!
「うわああ! なんだあ!?」
「雷だ! 倉庫の外に雷が落ちたんだ!」
外を見てみると、地面に焦げた跡が見つかる。そして、その中心に、何かがいた。
「な、なんだって言うんだ……一体?」
その何かは、人型になって立ち上がり、突如声をあげる。
「:[^0@dkal0752;ha!」
「な、なんだってんだよお……アレは!」
「……;:a-eomg;.da:po」
その何かは突如、二人組に向かって走り出し、その手を伸ばすのであった。
翌日。先日の雨と雷は何処へ行ったのか、プラクサスシティは快晴であった。遊太の家にも、雨上がりの雫が垂れている。
「酷い嵐だったねえ、昨日は」
「全くだな、酷い嵐があったもんだ」
「まあ、これが昼だったら、学校とか行かなきゃいけないから大変だったけど。夜だから問題はなかったよ」
「そうだな、学校へ行くにしても、バスを使えるだけのお金とかを、お前が持っている訳ではないしな」
遊太の部屋には、遊太一人しかそこにはいなかったが、会話が成り立っていた。なぜなら、彼の机においてあるデュエルモンスターズのカード、『イクスロードナイト』のカードに宿るモンスター達が、遊太と会話をしているのだから。
今、会話をしているのは、『イクスロードナイト・アルファ』。『イクスロードナイト』達を纏める、リーダー的存在である。
「それにしても、嵐だけじゃなく、昨日の電話には驚いたよ。ロベルトさんからの電話!」
「ああ、開口一番『やったよ遊太君! 精霊を一手に集める方法を思いついた!』と大声で語るのだからな。それと、今日の予定も教えてくれた」
「明日、ミナコ社の前まで来てくれ……だってさ」
「全く、急すぎるな」
「ま、良いか。行こっか、ミナコ社へ」
「お母さーん、お父さーん、行ってきまーす」
「おう、気を付けていけよ」
「いってらっしゃい」
父幸市が見ていたテレビには、このようなニュースが放送されていた。
「昨晩、倉庫で作業をしていた二人組の男性が、何者かに殺害されるという事件が起こりました。男性は、なんと全身が痩せこけており、まるで血を抜かれたかのような状態になっているそうです。警察は、この事件に対し疑問点を数多く述べているようで……」
「……世の中には、奇妙な事件があるものだなあ」
ミナコ社へとやって来た、遊太達。達といっても、デッキに含まれている『イクスロードナイト』達なのだが。
「ねえ、ロベルトさんがアタシ達を呼ぶなんて、一体どういう用件なのよ?」
「そうだな、ディアナ。それも、俺達を連れてやってきてくれなんて、ちょっと何かありげだな」
「だよねえ、アポロ」
「まあまあ、こうしてミナコ社に招待してもらえただけでも、良いんじゃないでしょうか皆さん」
「まあ、マグナがそう言うならそういうことで……ところで遊太、ロベルトさんまだかよ」
「うん、そうなんだよデュナス。もうすぐ来るはずなんだけど……」
噂をすれば影といったところか、ミナコ社の中からロベルト・フランシスが出てきた。
「いやあ、ゴメン。遅くなっちゃって。今日は急な誘いにも応じてくれて、どうもありがとう!」
「ま、まあね。ロベルトさんの頼みとあれば、一応断れませんよ」
「俺達も、折角のご招待だって言うのに、来ない訳にはいかねえしなあ」
「うん。わかってくれて嬉しいよ。じゃあ、早速例の件を話すから、中に入ってくれないかい?」
「はい、わかりました」
そうして、自動ドアを開けてミナコ社の中へと入っていくロベルトと遊太。すると、ミナコ社と違うビルの隙間に何かがうごめいた。
「……」
「さて、話をしよう。前言った通り、アルファの言っていたアルファ達の世界の生き物……つまり、精霊はこの世界に散らばっていて、なんとかして集めて保護しないといけない。新しい世界の目途が立つまでね」
「そして、今の所この日本でしか精霊は集められないけど、ゆくゆくは世界中の奴も集めようと思う。それで、日本の精霊を集める手段なんだけど」
「何か策があるって言うのですか?」
「ああ、ちょっとした策なんだが、結構集められると思うんだ。名付けて、『決闘者の王国』というものなんだ!」
「『決闘者の王国』? それって確か、真薄君から借りたアニメのDVD『カードヒーロー』で聞いたような単語だなあ……」
「ああ、そのアニメでは優れたデュエリストを選抜するための策略だったけど、これは違う。全国のデュエリスト達の、交流の場さ! このプラクサスシティに、ミナコ社主導で建設している遊園地がある。その名も『デュエルランド』! そのお披露目も兼ねて、全国からデュエリストを集めて、交流大会を開こうとおもう!」
「そ、そうなんですか!? 確かにそれなら、精霊も一手に集められる上に、そしてデュエル大会という名目だから表向きにも怪しまれない!」
「やるなあ、さすがカードデザイナー。デュエルのことに関しては、お任せってことか」
「ジエスも、そう思ってくれるかい?」
「ああ、相談して決めたんだ。彼、『アストログラフ・マジシャン』とね」
「そうか……」
「それで、大会に参加する人は?」
「全国から選りすぐった、デュエルの実力者を揃えた。しかし、精霊を持っててデュエルの実力者ともなると、かなりアンダー15が多くてねえ……」
「アンダー15? それって15歳以下のこと?」
「ああ、君達と同じ年代か、少し上くらいの連中が多いなあ。大会参加者は50名。そして追加の参加者は、菊姫ちゃん・真薄君・知多君・アキラ君にカリンちゃん! それと君もね」
「なるほど……それで? カリンちゃんとアキラ君以外の僕の友達はを除くと、皆精霊を持っているの?」
「そうだね、ほぼ全員持っているよ。それに……プラクサスシティ以外の都市チャンピオンもいる。アキンドシティ、エンドシティ、ハネダシティ! 他にも数多くのシティのデュエリストがやってくるぞ!」
「そうなの!? 凄い!」
「このことは、まだミナコ社内部でしか知られていないけど、上層部は遠慮なく許可してくれたよ」
「そーなのかー」
「だから、大会が開催されるその時まで、君達は大人しくしていると良い」
「本当? やったね。これで日本の精霊たちは皆保護されるって訳だね」
「ああ。これは見事に名案だと思うだろう?」
「うん。で、今日僕に伝えたかったことはこれだけ?」
「あ、うん……そうなんだ。このことを伝えたかった。ただ、それだけ」
「なーんだ。わざわざ会社まで呼び出して、何を伝えるかと思ったら、大会の準備ができたのと、それを通じて精霊を集めるってことを伝えたかっただけなのかあ」
「あー……電話で伝えても良かったね、コレ。わざわざ呼び出す必要無かったかも」
「でも、まあいっか。ロベルトさんにとっては、直接伝えなきゃいけない程、火急の用事だったことがわかったよ」
「ハハハ……少々喜びすぎて、より良い伝え方を見失っていたなあ。でも、遊太君の言う通り、まあいっか!」
「「アハハハ!」」
そうして、二人でバカ笑いをした後、遊太は帰り支度をするのであった。
そして、ドアの前で遊太とロベルトの二人は、別れるのだった。
「じゃあね、遊太君。大会の日程が決まったら、ホームページとかで適宜知らせるからさ。それまで待っていてくれ」
「はい、わかりました。その時はちゃんと参加しますので、楽しみに待っていますね」
「ああ、俺達も待つさ。元の世界の仲間達を、助けるための大事な一手だからな」
「そのことは、私達『イクスロードナイト』もこの大会に賭けよう」
「ああ、アルファ……君達の世界のためにも、私はこの大会を成功させたいと思う」
「うん、僕も……出来る限りのことはするよ」
「それじゃあね」
ロベルトの部屋、ドアの前で別れた遊太とロベルト。遊太は大会への決意を固め、ロベルトは大会を成功させるとの意志を固めるのだった。
遊太が去ったのを見て、ロベルトは部屋の鍵を閉めて、遊太とは別方向へと歩き出す。
「さて、今日は王国の会議だったな。そろそろ時間だし、会議室へ行くか」
と、会議室へと向かって行ったロベルト。すると、彼のデッキが光る。すると、デッキから現れたのは、宇宙をその身に宿したようなローブを身に纏う、杖を持つ魔術師。『アストログラフ・マジシャン』だった。
「どうしたんだい? アストログラフ。君が出てくるってことは、何かあるってことなのかい?」
「ああ、事件は今、会議室で起きている。行くぞ、ロベルト」
「わかった! ところで、遊太君には……言わなくて良いのかい?」
「彼は、そのうち来る。心配しなくて良い」
「……そうか。わかった」
それと同時に、ロベルトは会議室へと足を早める。そして、辿り着いた先には。
「こ、これは!」
会議室には、黒いマントを羽織った仮面の男に支配されていた。会議室にいたロベルトの同僚達は、口から黒い瘴気を溢れ出し、黒マントの男に奪われていた。
「な、なんだお前は!」
「ほう、まだ残っている人間がいたか。だが、どうせ同じことだ、私はお前のエネルギーを奪い取らせてもらおう」
黒い手を伸ばし、手からロープのようなものを出して、ロベルトを縛ろうとする。しかし、デッキから現れた、『アストログラフ・マジシャン』がそれを弾く。
「何……貴様、あの世界の生き物を使役しているというのか」
「あの世界……? アストログラフを知っているのか、お前は!」
「我は闇の王。あのお方の為に、侵略を行う者」
「闇の王……? あのお方? それがアストログラフと、なんの関係があるんだ!」
「あのお方は、以前そのアストログラフという者がいる世界を、焦土に変えた。だが、何匹かの生き物は、あの女神のせいで逃がしてしまった」
「お前達は……一体なんの為に、アストログラフの世界を!」
「それをお前が知る必要は無い。これから貴様は消されるのだ……」
「……アストログラフ」
「ロベルト。少なくとも、コイツが我々の世界を侵略した奴らの手先であるということはわかった。迎撃するぞ、今はそれしかない」
「ああ、やるしかないようだな」
「ほう、我と戦うというのか、面白い。だが、ただの戦いでは、そのアストログラフに、防がれるのがオチだ。物理では、敵わない。だからこそ、奴らの最も得意なもので戦う。貴様らの最も得意とするもの、そう、デュエルでだ!」
闇の王は、右腕にデュエルディスクのようなものを展開する。それと同時に、闇の炎が周囲を取り巻き、逃げ場を無くす。
「こ、これは……」
「闇のデュエル、とでも言ってもらおう。その世界の生き物、アストログラフと名乗るそれが物事を決める、デュエルというもので、我々はその世界を侵略した。さあ、やりたまえ。どのみち逃げることはできない」
「……やるしかないということか。アストログラフ、行くぞ!」
「ああ、少なくとも奴らに仕返しをしたいと思っているからな。我々の世界を、焼け野原に変えた奴らに」
そうすると、ロベルトもデュエルディスクを構え、デッキをセットする。デュエルの臨戦態勢が、整ったということだ。
「さあ、やろうではないか、闇のデュエルを! 命がけで!」
「「デュエル!」」
そして、ミナコ社の外に出た遊太。その顔は、大会へのワクワク顔だが、その顔は崩されることになった。
「遊太!」
「な、何? アルファ」
「この感覚……奴だ。奴らが来た!」
「奴らって何?」
「我らの世界を……侵略した奴だ……! 今、我々に仕掛けた、闇のデュエルを行っている……! そして、それを仕掛けている相手は……ロベルトだ!」
「な、なんだって!?」
「行かなければ、彼が危ない! あのデュエルは、危険だ!」
「わ、 わかった。今すぐ行くよ!」
そうして、遊太はミナコ社の中へと戻っていき、ロベルトの所へと向かうのであった。
「先攻は、私が取る!」
1・ロベルトのターン
「私のターン! 私は手札からスケール8の『虹彩の魔術師』とスケール5の『慧眼の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!」(ロベルト手札5→3)
「フン、レベル6から7までのモンスターをペンデュラム召喚できるから何だというのだ」
「慌てるんじゃあない。『慧眼の魔術師』のP効果発動! 片方のPスケールに『魔術師』『EM』がいる時、このカードを破壊することで、デッキより『魔術師』PモンスターをPスケールにセットできる。私はデッキより、スケール1の『竜脈の魔術師』をセットする」(ロベルトエクストラ0→1)
「そして、私はペンデュラム召喚を行う! 現れろ、レベル7『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』! レベル4『相生の魔術師』! レベル4『慧眼の魔術師』!」(ロベルト手札3→1)(ロベルトエクストラ1→0)
「ほう……それがペンデュラム召喚か。次はどうすると言うのだ?」
「私はレベル4の相生と、慧眼でエクシーズ召喚を行う! 来い、ランク4『星刻の魔術師』! そして、効果発動! エクシーズ素材を1つ取り除き、デッキから魔法使い・闇属性モンスターを1枚手札に加える。私はデッキより、レベル7の『アストログラフ・マジシャン』を手札に加える」(ロベルト手札1→2)(ロベルト墓地0→1)
「そして私は、リバースカード1枚をセットして、ターンエンド」(ロベルト手札2→1)
ロベルト
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター2体
『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2500・レベル7・闇属性)
『星刻の魔術師』(攻撃表示・攻撃力2400・ランク4・闇属性・X素材1つ)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード2枚
『虹彩の魔術師』(スケール8)
『竜脈の魔術師』(スケール1)
墓地の枚数1枚
除外されているカード0枚
2・闇の王のターン
「我のターン、ドロー」(闇の王手札5→6)
「我は、お前の場に家臣トークンを1体守備表示で特殊召喚することによって、手札の『雷帝家臣ミスラ』を守備表示で特殊召喚する」(闇の王手札6→5)
「私の場にトークンを出して、特殊召喚……ということはもう一体……」
「ああその通り、我はミスラをリリースして、レベル5の『雷帝ザボルグ』をアドバンス召喚!」(闇の王手札5→4)(闇の王墓地0→1)
雷雲と共に現れた、光の帝王。そして、雷雲を相手フィールド上にかき集め始めて……。
「ザボルグのモンスター効果。アドバンス召喚に成功した時、相手フィールドのモンスターを1体破壊する! 我は『星刻の魔術師』を破壊する!」
「ぐっ……やはりそう来るか……」(ロベルト墓地1→3)
『星刻の魔術師』は、表側表示のPカード破壊から守る効果を持ち……そしてサーチ効果を持つモンスター。早々放っておくはずがない……)
「更に、ミスラのモンスター効果発動。このモンスターをリリースしてアドバンス召喚した時、もう一回アドバンス召喚が行える! 我はザボルグをリリースして、レベル6『氷帝メビウス』をアドバンス召喚する!」(闇の王手札4→3)(闇の王墓地1→2)
フィールドに吹雪が巻き起こると、今度は氷の帝王が現れる。そして、フィールドに吹雪を巻き起こす!
「メビウスのモンスター効果。アドバンス召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠を2枚まで破壊する! そうだな……伏せカードが気になるが、我はセットされているPスケール2枚を破壊する!」
「やはり……しかし、ただではやられない。私は永続罠『臨時収入』を発動!」
「だが、破壊はされる」
「ぐぅ……だが、永続罠『臨時収入』の効果発動。エクストラデッキにカードが加わる度に、このカードに魔力カウンターを1つ乗せる」(ロベルトエクストラ0→2)
「更に、フィールドのカードが破壊された時、手札にある『アストログラフ・マジシャン』は特殊召喚できる! 現れろ、時空を切り裂き現れる魔術師!」
(ロベルト手札0→1)
手札から特殊召喚されたのは、まるで宇宙を身に纏っているかのような姿の魔術師。そして、そのステッキから放たれた光は……。
「『アストログラフ・マジシャン』の効果。破壊されたカードを1枚手札に加えられる。私は『竜脈の魔術師』を手札に加える」(ロベルト手札0→1)
「更に『虹彩の魔術師』の効果で、デッキから『ペンデュラムグラフ』を手札に加える。私は『星霜のペンデュラムグラフ』を手札に加える」(ロベルト手札1→2)
「ほう……例え破壊されようとも自身の効果で次々とアドが稼げる……これが貴様のペンデュラムデッキか」
「そう、これが私のデッキの強みさ。さて、まだやるかい?」
「ふむ……我はリバースカードを1枚伏せて、ターンエンド」(闇の王手札3→2)
闇の王
ライフポイント8000
手札枚数2枚
モンスター1体
『氷帝メビウス』(攻撃表示・攻撃力2400・レベル6・水属性)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数2枚
除外されているカード0枚
3・ロベルトのターン
「私のターン、ドロー!」(ロベルト手札2→3)
「私は手札から、先程手札に加えた永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』を発動!」(ロベルト手札3→2)
ロベルトのフィールドに、ペンデュラムのアークが現れる。それはまるで、ペンデュラム召喚のホールのよう。
「これは一体……」
「『星霜のペンデュラムグラフ』の効果、これが私のフィールドにある限り、私の魔法使い族モンスターは相手の魔法カードの対象とはならない。更に、もう一つ効果がある」
「ほう……やってみろ」
「ああ、やるさ。私は手札から、レベル3チューナー『貴竜の魔術師』の効果発動! 自分フィールド上に存在する、レベル7以上の『オッドアイズ』モンスターのレベルを3つ下げることで、このカードは手札から特殊召喚できる! 来い!」(ロベルト手札2→1)
「そして、私はレベル4となっている『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と、レベル3の『貴竜の魔術師』で、シンクロ召喚! 隕石の力を得たオッドアイの竜よ! 今ここに現れよ! レベル7『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』!」(ロベルトエクストラ2→4)
「そして、永続罠『臨時収入』に魔力カウンターの2つ目を乗せる。更に、永続魔法『星霜のペンデュラムグラフ』の効果発動、『魔術師』Pモンスターがフィールドを離れた時、デッキから『魔術師』Pモンスターを1枚手札に加えられる。私はスケール8の『黒牙の魔術師』を手札に加える」(ロベルト手札1→2)
「そして、手札からスケール1の『竜脈の魔術師』と、スケール8の『黒牙の魔術師』で、ペンデュラムスケールをセッティング! これでレベル2~7までのモンスターがペンデュラム召喚可能に!」(ロベルト手札2→0)
「そして私は、エクストラデッキからレベル7の『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』をP召喚! 更に、私はレベル7の『アストログラフ・マジシャン』で、エクシーズ召喚! 現れろ、永久凍土の力を得たオッドアイの竜よ! ランク7『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!」
「更に、Pスケールの『黒牙の魔術師』の効果発動! このPスケールのこのカードを破壊することで、相手モンスター1体の攻撃力を半分にする! 『氷帝メビウス』の攻撃力を半分に!」(ロベルトエクストラ4→5)
「これにより、永続罠『臨時収入』に魔力カウンターが3つ乗った。魔力カウンターが3つ乗ったこのカードを墓地へ送ることで、私はデッキから2枚ドローする!」(ロベルト墓地3→4)(ロベルト手札0→2)
「バトルだ! 私は『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』で攻撃! メテオバーストは、バトルフェイズ中の相手モンスター効果を封じることができる!」
「ではカウンター罠『攻撃の無力化』を発動。相手モンスターの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる」(闇の王墓地2→3)
「やはり、簡単にはいかないか……カードを1枚伏せて、ターンエンド」(ロベルト手札2→1)
ロベルト
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター2体
『オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2500・レベル7・炎属性)
『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』(攻撃表示・攻撃力2800・ランク7・水属性)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード2枚
『竜脈の魔術師』(スケール1)
『星霜のペンデュラムグラフ』(永続魔法)
墓地の枚数3枚
除外されているカード0枚
エクストラPカード枚数5
4・闇の王のターン
「我のターン、ドロー」(闇の王手札2→3)
「さて……お前のペンデュラムデッキ、相当やるようだな……こういう奴を倒すには、やはり帝の本気を見せねばなるまい」
「なんの……つもりだ?」
「こうするつもりさ、我は相手フィールドのアブソリュートを裏側守備表示に変更して、手札から『地帝家臣ランドローブ』を特殊召喚!」(闇の王手札3→2)
「くっ……」
「そして我は、手札からレベル6『地帝グランマール』をアドバンス召喚する! そしてモンスター効果発動! 相手フィールドの裏側表示カードを1枚破壊する。裏守備のアブソリュートを破壊する」(闇の王手札2→1)(闇の王墓地3→4)
「ぐぅっ……」(ロベルト墓地3→6)
「更に、ランドローブはアドバンス召喚のためにリリースされた時、自分の墓地から攻撃力800で守備力1000のモンスターを手札に加えられる。我は墓地の『雷帝家臣ミスラ』を手札に加える」(闇の王手札1→2)(闇の王墓地4→3)
「そして我は、カードを1枚伏せてターンエンド」(闇の王手札2→1)
闇の王
ライフポイント8000
手札枚数1枚
モンスター2体
『氷帝メビウス』(攻撃表示)
『地帝グランマーグ』(攻撃表示)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚
(奴め……絶対に何かを考えている。ならば速攻でカタをつけるしかない!)
5・ロベルトのターン
「私のターン、ドロー!」(ロベルト手札1→2)
「ロベルトさあん!」
闇の瘴気の中から、遊太が潜り抜けてきた。あまりの出来事に、ロベルトは驚く。
「遊太君! 君、どうしてここに……!」
「何か、胸騒ぎがして……それに『イクスロードナイト』達が、ロベルトさんが危ないって言われて……そしたら、なんかこの黒い靄が出ている部屋を見つけて……」
「とにかく、このデュエルは普通じゃない。そんな予感がするんだ。だから逃げてくれ」
「でも……」
「とにかく、何とか逃げてくれ! コイツは、私が仕留めてみせる!」
「ほう……それが貴様の増援か? それにしては、やけに小さな増援のようだが……」
「彼は、遊太君は関係ない! これは私とお前のデュエルだ!」
第三十一話。終わり。
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84 | 決闘者の帝国における、特殊ルール | 919 | 2 | 2018-07-22 | - | |
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139 | 第三十九話「エンジョイデュエル!」 | 1047 | 0 | 2018-08-23 | - | |
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79 | 第六十八話「視える未来(ビジョン)」 | 855 | 0 | 2020-05-30 | - | |
97 | 第六十九話「突入、アポカリプトのアジト」 | 759 | 0 | 2020-06-12 | - | |
65 | 第七十話「登場! 世界チャンピオン!」 | 731 | 0 | 2020-06-14 | - | |
63 | 第七十一話「デートじゃん!」 | 677 | 0 | 2020-06-27 | - | |
77 | 第七十二話「不死者は少年を好く」 | 777 | 0 | 2020-06-28 | - | |
64 | 第七十三話「最強デュエリストのいとこ」 | 671 | 0 | 2020-07-07 | - | |
76 | 第七十四話「D1グランプリ、開催決定!」 | 637 | 0 | 2020-07-13 | - | |
78 | 遊戯王EXS キャラ紹介その2 | 751 | 0 | 2020-07-13 | - | |
74 | 特別編「VSサイコ・ショッカー!?」 | 608 | 0 | 2020-07-26 | - | |
89 | 第七十五話「D1グランプリへの道しるべ」 | 685 | 0 | 2020-08-06 | - | |
64 | 第七十六話「不死と再生、イモータル」 | 669 | 0 | 2020-08-15 | - | |
64 | 第七十七話「雨が降れば蛙が鳴く」 | 603 | 0 | 2020-08-30 | - | |
75 | 第七十八話「噴火寸前のヴォルケーノ」 | 686 | 0 | 2020-09-13 | - | |
73 | 第七十九話「燃えろ遊太!」 | 644 | 0 | 2020-09-27 | - | |
120 | 作者よりお知らせ3 | 627 | 0 | 2020-10-02 | - | |
69 | 第八十話「燃えるデュエル!」 | 626 | 0 | 2020-10-18 | - | |
74 | 特別編「乙女の対決、ブラマジガール!」 | 707 | 0 | 2020-11-05 | - | |
68 | 第八十一話「高き壁」 | 666 | 0 | 2020-11-22 | - | |
76 | 第八十二話「強き者」 | 746 | 0 | 2020-12-05 | - | |
59 | 第八十三話「エキシビションマッチ」 | 682 | 0 | 2021-01-01 | - | |
78 | 第八十四話「二次予選開始!」 | 738 | 0 | 2021-01-11 | - | |
59 | 第八十五話「タッグメイクデュエル」 | 524 | 0 | 2021-02-20 | - | |
66 | 第八十六話「タッグメイクデュエル②」 | 482 | 0 | 2021-04-04 | - | |
70 | 第八十七話「タッグメイクデュエル③」 | 436 | 0 | 2021-04-25 | - | |
71 | 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 | 590 | 0 | 2021-05-04 | - | |
54 | 第八十九話「チーム結成!」 | 503 | 0 | 2021-05-08 | - | |
62 | 第九十話「J4の実力 輝く竜の星」 | 454 | 0 | 2021-06-02 | - | |
61 | 第九十一話「超弩級のパワー」 | 585 | 0 | 2021-06-12 | - | |
78 | 第九十二話「空飛ぶケモノたち」 | 457 | 0 | 2021-07-08 | - | |
69 | 第九十三話「雷と未来」 | 428 | 0 | 2021-07-18 | - | |
66 | 第九十四話「大トリ、明石慎之介」 | 647 | 0 | 2021-09-04 | - | |
59 | 作者からお知らせ4 | 463 | 0 | 2021-09-17 | - | |
75 | 特別編「冥界の王(ファラオ)と決闘!?」 | 554 | 2 | 2021-10-17 | - | |
60 | 第九十五話「最終予選1 友達VS友達」 | 489 | 0 | 2021-12-18 | - | |
65 | 第九十六話「最終予選2 竜姫神と青眼」 | 468 | 0 | 2022-01-04 | - | |
70 | 第九十七話『最終予選3 約束のために』 | 566 | 0 | 2022-01-10 | - | |
62 | 第九十八話「最終予選4 VSJ4最強」 | 672 | 0 | 2022-02-01 | - | |
54 | 第九十九話「異変」 | 517 | 0 | 2022-02-27 | - | |
72 | 第百話「D1グランプリ、本戦開始!」 | 413 | 0 | 2022-04-09 | - | |
75 | 第百一話「プロの実力」 | 427 | 0 | 2022-05-07 | - | |
63 | 第百二話「デストーイ・デコレーション」 | 518 | 0 | 2022-06-04 | - | |
46 | 第百三話「アマゾネスの首領」 | 376 | 0 | 2022-07-10 | - | |
41 | 第百四話「プロ辞めます!」 | 462 | 0 | 2022-08-28 | - | |
40 | 第百五話「強襲! 梁山泊デュエル!」 | 340 | 0 | 2022-10-16 | - | |
49 | 第百六話「鉄屑と星屑」 | 556 | 0 | 2022-11-27 | - |
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