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第九十四話「大トリ、明石慎之介」 作:イクス
第九十四話「大トリ、明石慎之介」
D1グランプリ三次予選、チームメイクデュエル。チーム遊太とチームJ4のデュエルは、熾烈を極めていた。
まず初戦シングルデュエル3、J4の桐生比斗志VS知多。J4の実力を見せつけるかのように桐生が知多を圧倒した。
続くタッグデュエル2、ギリギリまでJ4石山堅に追い詰められるも、ユイと菊姫、二人の力で逆転勝利を納めた。
しかしシングルデュエル2、J4の萌木冴香によって真薄もまた完全にやられてしまった。
その後タッグデュエル1では、アキラとカリンがルイを負かした。
2勝2敗で迎えた勝敗、ついに迎えたシングルデュエル1。戦いは六道遊太と、J4最後の一人明石慎之介。
明石には、以前ストリートデュエルによって完敗してしまった遊太。
だが、同じ相手に2度負け、自分を信じて託してくれた仲間を裏切るようなことはできない!
「いよいよ来たな、最後の大トリが」
「うん……」
「聞いた話じゃ、お前あの明石ってヤツに負けたんだろ?」
「うん……見事にね」
「けどよ、一回負けたまんまで終われる訳ねーよな? 遊太」
「うん、このまま終わるなんてできない。せっかくみんながここまで頑張って来たのに、僕で台無しにする訳にはいかないよ。それに、あの時のリベンジ……僕だってしたいんだ!」
「……気合い十分だな。よし、行ってこい!」
「うんっ!」
菊姫にケツを叩かれ、気合い十分で向かう遊太。後ろからも、仲間達が口々にエールを送る。
「遊太……勝ってくれじゃん……あの時もあの時も、こんな不利な状況から勝ってきたなら、今度もいけるはずじゃん!」
「僕は、ここで勝つのがヒーローだと思っています。だから、ここで勝つのは遊太君です。なぜなら、遊太君は僕のヒーローだからです!」
「私達は、いつだってあなたを見てきました……なら、一度負けた相手にはあなたは負けないと思っていますわ。ですから、勝ちなさい……いや、勝てますよね? 遊太君」
「遊太サン! 信じていマス! ぜーったいに、勝ってくだサイ!」
「……俺に勝っておいて、あんなヤツに負けているなよ」
「「勝つのは遊太! 勝つのは遊太! 勝つのは遊太!」」
と、遊太がエールを送られれば。
「なんやけったいな応援されとるなあ、アイツ」
「既に一度勝っているならば、負ける相手ではないでしょう? 明石君」
「まぁ明石君なら、負けるはずはないかも~」
「この試合、ド派手にぶちかましてやれよな!」
「……おう、わーったわ。派手にぶちかましたる……ところで鹿野君、このデュエル……未来見えとるか?」
「……さすがにこれは見えないよ。実力で勝てば良いんじゃないの?」
「……実力で勝てってことか。ま、ええわ。こういう場面なら、勝たなイカンと常々教えられとるしな! よし、行くか!」
J4のメンバー達は静かに見送る。
遊太と明石、二人が正面切って向かい合う。二人の勝つという意思には、微塵の揺らぎも無い。それが体からにじみ出ているとわかる程に。
「ここでお前かい、信頼されとるんやな」
「うん。ここで負けるようなら、ここまで託してくれたみんなに示しがつかないからね」
「へぇ、そこまで気合い入っとるんか。せやけど、俺とてここで負ける訳にもいかん。悪いけど、あの時戦った時とは違うで? 漆黒の堕天使達も、更にパワーアップしとるしな」
「……僕だって、あの時負けたままじゃいられない。勝って、リベンジを果たしてみせる!」
「ほぉ、やってみぃや」
両者、デュエルディスクを構え、臨戦態勢に入る。
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」
「先攻は俺や!」
1・明石のターン
「手札より、魔法カード『堕天使の追放』を発動! デッキより、『堕天使』カードを1枚手札に加える。デッキより、レベル10の『堕天使イシュタム』を手札に」(明石墓地0→1)
「そして、イシュタムの効果発動。手札のイシュタムと他の『堕天使』カードを1枚捨てることで、2枚ドローする。手札の『堕天使スペルビア』とイシュタムを捨てて、2枚ドロー」(明石墓地1→3)
「手札より『悦楽の堕天使』を召喚。効果発動、デッキよりレベルの違う『堕天使』を1体、相手フィールドに特殊召喚し、もう1体を手札に加える。俺は『堕天使エデ・アーラエ』を相手フィールドに守備表示で特殊召喚し、デッキから『堕天使アスモディウス』を手札に」
「更に、手札のレベル8モンスターアスモディウスを公開し、手札の『エンジェルO1』は特殊召喚できる」(明石手札5→4)
「光……!? 光属性の天使!?」
「そや。闇だけやあらへん、光も取り入れてこそ、闇は深まり光は輝く。これが光と闇の天使や!」
(相変わらず中二……)
「特殊召喚された『エンジェルO1』がいる限り、通常召喚に加えてもう一回アドバンス召喚できる。よって、手札からアスモディウスをアドバンス召喚!」(明石手札4→3)(明石墓地3→5)
現れたのは、相変わらずの黒き羽根の天使。墜ちた天使だ。攻撃力は3000。
「アスモディウスの効果、デッキより天使族モンスターを1体墓地へ送る。デッキより『トリアス・ヒエラルキア』を墓地へ」(明石墓地5→6)
「更に魔法カード『堕天使の戒壇』を発動! 墓地の『堕天使』1体を守備表示で特殊召喚する。俺が特殊召喚するのは、スペルビア。更に墓地から特殊召喚されたスペルビアは、更に墓地から天使族モンスターを特殊召喚できる。俺は墓地からイシュタムを特殊召喚!」(明石墓地6→5)
「更にイシュタムの効果発動。墓地の『堕天使』カードを1枚対象として、ライフを1000ポイント支払い効果を発動させる。墓地の『堕天使の追放』の効果を発動。よってデッキから『堕天使テスカトリポカ』を手札に」(明石墓地5→4)(明石ライフ8000→7000)(明石手札3→4)
「リバースカードを2枚セットして、ターンエンド。さあ、お前のターンやで?」(明石手札4→2)
明石
ライフポイント7000
手札枚数2枚
モンスター3体
『堕天使アスモディウス』(攻撃表示・攻撃力3000・闇属性・レベル8)
『堕天使イシュタム』(攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル10)
『堕天使スペルビア』(守備表示・守備力2400・闇属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚
2・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札5→6)
(明石君の『堕天使』モンスターは、墓地から『堕天使』魔法・罠をライフを1000支払って発動できる。更に、罠カードは『堕天使』をリリースして効果を発動するのが多い。モンスターを大量に出したのも、おそらくソレが狙い……!)
「手札から、魔法カード『増援』を発動。デッキから、レベル4以下の戦士族を1体手札に加える。レベル3の『ロードナイト・パニッシュ』を手札に」(遊太墓地0→1)
「そして、自分フィールドにモンスターがいない時、手札のパニッシュは特殊召喚できる。更に、特殊召喚されたパニッシュはデッキから『ロードナイト』モンスター1体を手札に加えられる。レベル1『ロードナイト・アウェイク』を手札に」
「手札の『ロードナイト・アウェイク』を墓地へ送って、効果発動。デッキから『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太墓地1→2)
「そして手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』モンスター1体をリリースして発動。リリースしたモンスターと同じ属性の『イクスロードナイト』モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する! リリースしたパニッシュは風属性。よってエクストラデッキから風属性の『イクスロードナイト・ローズ』を特殊召喚する!」(遊太手札6→5)(遊太墓地2→4)
そうして現れた、右手にフルーレを、左手に薔薇を持つ桃色の鎧を持つ騎士。攻撃力は2600。
だがそれを、明石は見逃さない。
「待っとったで! ソイツはバウンスとサーチやろ。罠カード『背徳の堕天使』を発動! スペルビアを墓地へ送って、そのローズを破壊する!」(明石墓地4→6)
ローズに雷が落ち、破壊されてしまう。それを、遊太はただ見ている。
「まだいるやろ遊太君、『イクスロードナイト』は全部出さないかんで?」
「お望み通り、出してやるさ!」
「フィールドのエデ・アーラエをリリースして、手札の『ロードナイト・リリアン』をアドバンス召喚する。効果発動、このモンスターがアドバンス召喚に成功した時、デッキから2体『ロードナイト』を特殊召喚できる。僕はデッキから、スターとネクロの2体を守備表示で特殊召喚する。効果発動、スターはデッキからレベル4以下の『ロードナイト』を特殊召喚できて、ネクロは墓地から『英雄騎士』魔法カード1枚を手札に加えられる。僕はデッキから、『ロードナイト・テラ』を特殊召喚して、墓地から『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(明石墓地6→7)(遊太手札5→4→5)(遊太墓地4→3)
「更に特殊召喚されたテラの効果で、デッキから永続魔法『英雄騎士の兵力維持』を手札に。そしてそのまま発動! このカードは、自分フィールドに『イクスロードナイト』が特殊召喚された時、同じ属性の『ロードナイト』をデッキから手札に加えられる。ただし、この効果で同じ属性の『ロードナイト』を手札に加えることはできない!」
「手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! フィールドの闇属性のネクロをリリースして、エクストラデッキから『イクスロードナイト・ドゥフト』を特殊召喚!」(遊太手札5→4)(遊太墓地3→5)
獣の鎧、右手の剣。『イクスロードナイト』一の策士が現れた。
「『イクスロードナイト』一の策士か……ソイツに罠カードは効かんのやろ?」
「兵力維持の効果で『ロードナイト・ファントム』を手札に加える。更に、手札を1枚捨てることで、ドゥフトの効果発動。デッキ・墓地から『英雄騎士』罠カード1枚をセットする。僕はカウンター罠『英雄騎士の封印術』をセットする」(遊太墓地5→6)
「なら、効果処理後にイシュタムのモンスター効果発動! 1000ライフを支払い、墓地の『堕天使』魔法・罠を発動させる! 墓地の『堕天使の戒壇』を発動させ、スペルビアを特殊召喚! そして更に、墓地から『悦楽の堕天使』を特殊召喚!」(明石ライフ7000→6000)(明石墓地7→4)
「『悦楽の堕天使』の効果発動! デッキの『堕天使ユコバック』を守備表示で特殊召喚し、デッキから『堕天使ディザイア』を手札に加える」(明石手札2→3)
「更に、墓地の『トリアス・ヒエラルキア』の効果発動や! 自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドの天使族モンスターを3体までリリースして、このモンスターを手札・墓地から特殊召喚できる。スペルビア・悦楽・イシュタムをリリースして、墓地から守備表示で特殊召喚するでぇ!」(明石墓地4→6)
「……!」
「更に、『トリアス・ヒエラルキア』のモンスター効果発動や! 2体以上リリースした時、相手フィールドのカード1枚を破壊できる。そして3体リリースすれば、2枚ドローできる! よって、お前のドゥフトを破壊して、2枚ドローや!」(明石手札3→5)
「くっ……」(遊太墓地5→6)
「さあどんどん来いや!」
「……手札から装備魔法『英雄騎士の応急処置』を発動! 墓地から『ロードナイト』1体を特殊召喚して、このカードを装備する。このカードがフィールドを離れた時、装備モンスターは墓地へ送られる。僕はローズを再び特殊召喚する。それにより、兵力維持の効果でデッキから同じ風属性の『ロードナイト・ビート』を手札に加える」(遊太墓地6→5)
「手札を1枚捨てて、ローズの効果発動!」(遊太手札4→3)(遊太墓地6→7)
「効果発動時、罠カード『神属の堕天使』を発動! 手札の『堕天使ネルガル』を墓地へ送り、フィールドの効果モンスター1体の効果を無効化し、無効化したモンスターの攻撃力分だけ、俺のライフを回復する。ローズの効果を無効化して攻撃力分、2600ポイントライフを回復する」(明石手札5→4)(明石墓地6→8)(明石ライフ6000→8600)
「くぅっ……」
(このまま攻撃しようにも、相手モンスターの攻撃力は高い……。かといって、この手札の『英雄騎士交代』でデュナスや他のを出したところで、テスカトリポカで防がれる……う~ん厳しい。なら、ダメージを直接与えるまで!)
「速攻魔法『英雄騎士交代』を発動! これは、自分フィールドの『イクスロードナイト』1体をエクストラデッキに戻して、エクストラデッキから違う属性の『イクスロードナイト』1体を特殊召喚できる。僕はローズをデッキに戻して、デッキから光属性の『イクスロードナイト・ディアナ』を特殊召喚するよ! 更に、光属性のディアナが特殊召喚されたことで、デッキから光属性の『ロードナイト・ガーディ』を手札に加える」(遊太墓地8→9)
「ディアナのモンスター効果、発動! ライフポイントを1000払い、モンスター1体の攻守を0にする。アスモディウスの攻守を0に!」(遊太ライフ8000→7000)
「来るか!?」
「バトルフェイズ! ディアナで、アスモディウスを攻撃! ミッドナイト・クレッセントムーン!」
「手札の『堕天使テスカトリポカ』の効果、『堕天使』が破壊される時、手札のこのモンスターを代わりに捨てられるでぇ!」(明石手札4→3)(明石墓地8→9)(明石ライフ8600→5900)
「……リバースカードを1枚セットして、ターンエンド」(遊太手札3→2)
遊太
ライフポイント7000
手札枚数2枚
モンスター4体
『イクスロードナイト・ディアナ』(攻撃表示・攻撃力2700・光属性・レベル8)
『ロードナイト・スター』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル2)
『ロードナイト・テラ』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル4)
『堕天使ユコバック』(守備表示・守備力1000・闇属性・レベル3)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
『英雄騎士の封印術』(カウンター罠・セット)
発動しているカード1枚
『英雄騎士の兵力維持』(永続魔法)
墓地の枚数9枚
除外されているカード0枚
遊太と明石のデュエル。お互いの初ターンから全力全開のデュエル。
しかし、チーム遊太のみんなは、明石のデュエルに見入っていた。
「これが明石のデュエルですか……!?」
「完璧だ……なんて無駄のないデュエル……!」
「墓地へ行ってからも魔法・罠を使えるモンスターと、ステータスの高い上級モンスターを中心とした場のコントロール。更に、発動時のそのライフコストも補える構築……なるほど、手強い」
「これがJ4の実力……」
チーム遊太のメンバーが驚く中、J4のメンバーはいつものことのように話す。
「アレが、いつもの明石君の手ですよ。ワタクシもよくやられました」
「あんなことやられちゃあ、さすがの俺もド派手には攻められねーよ」
「持久戦もさすがに厳しいかも~」
3・明石のターン
「俺のターン、ドローや!」(明石手札3→4)
「魔法カード『サイクロン』を発動や! フィールドの魔法・罠1枚を破壊するでぇ! そのセットされたカウンター罠を破壊や!」(明石手札4→3)
「くっ、やっぱり狙われるか……!」(遊太墓地9→10)
「やらせてもらうで。手札から魔法カード『死者蘇生』を発動や! 墓地からモンスター1体を特殊召喚する! 俺が特殊召喚するのは、もちろんスペルビア! 攻撃表示! 更に、スペルビアが墓地から特殊召喚された時、墓地から更に天使族を特殊召喚する! 墓地から『堕天使ネルガル』を特殊召喚!」(明石手札3→2)(明石墓地10→9)
「更に、アスモディウスの効果発動。デッキより天使族モンスター1体を墓地へ送る。デッキから『享楽の堕天使』を墓地へ送り、効果発動! フィールドの天使族モンスターの数×500ポイント相手フィールドのモンスター全ての攻守を下げる。今フィールドにいる天使族は5体。よって2500ポイントダウン!」(明石墓地9→10)
「ネルガルのモンスター効果発動! 1000ライフを支払い、墓地の『堕天使』魔法・罠の効果をコピーする。罠カード『神属の堕天使』をコピーして、ディアナの効果を無効化するでぇ!」(明石ライフ5900→4900→7600)(明石墓地10→9)
「なら、チェーンしてディアナのモンスター効果発動! ライフを1000支払って、アスモディウスの攻撃力を0にする!」(遊太ライフ7000→6000)
「なら、ここはアスモディウスをリリースして、手札からレベル10の堕天使『堕天使ディザイア』をアドバンス召喚! ディザイアは、特殊召喚できない代わりに天使族1体をリリースしてアドバンス召喚できる!」(明石手札2→1)(明石墓地9→10)
「そして、ディザイアのモンスター効果発動! このモンスターの攻撃力を1000下げることで、相手モンスター1体を墓地へ送る! そのディアナは破壊されたら、ライフを回復するんやろ? ならこれでディアナを墓地へ遅らせてもらうわ! 暗黒への直葬!」
「くっ!」(遊太墓地10→11)
「さて、バトルフェイズ行かしてもらうわ。ネルガルはフィールドに表側表示で存在する時、俺の全ての天使族に貫通効果を与えるで! 攻撃力2000以上のモンスターが、守備力0のモンスターに攻撃したら、お前のライフを全て吹き飛ぶで?」
「そんなことわかっているさ! 罠カード発動! 『英雄騎士の奇策』! このカードは、相手フィールドのモンスター全ての攻撃力を、墓地の『ロードナイト』の数×800ポイントダウンさせる! 今の墓地には、君のモンスターの攻撃力を0にできる程のモンスターがいる。よって攻撃力は0に!」(遊太墓地11→12)
「おっとっとマジかい……なら、魔法カード『三戦の才』を発動や。相手がモンスター効果を発動したターン、3つの効果のうちから1つを発動できる。デッキから2枚ドローする」(明石手札1→2)(明石墓地10→11)
「そしてリバースカードを1枚セットして、ターンエンド」(明石手札2→1)
明石
ライフポイント7600
手札枚数1枚
モンスター4体
『堕天使ディザイア』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル10)
『堕天使スペルビア』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル8)
『堕天使ネルガル』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル8)
『トリアス・ヒエラルキア』(守備表示・守備力2900・光属性・レベル9)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数11枚
除外されているカード0枚
4・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札2→3)
(伏せカード1枚……だけど、相手のモンスターが攻撃力0のみ! 今がチャンス!)
「魔法カード『英雄騎士の再生術』を発動! 墓地の『英雄騎士』魔法カード1枚と『ロードナイト』モンスター1体を手札に加える。僕は『英雄騎士への覚醒』とリリアンを手札に加える」(遊太手札2→4)(遊太墓地12→11)
「スターをリリースして、アドバンス召喚! レベル6『ロードナイト・リリアン』! アドバンス召喚に成功した時、リリアンはデッキから『ロードナイト』を2体特殊召喚する! 僕はデッキより、『ロードナイト・ボルカ』と『ロードナイト・ルナ』を特殊召喚する!」(遊太手札4→3)(遊太墓地11→12)
「ボルカの特殊効果、特殊召喚に成功した時、相手モンスター1体を対象として、破壊できる! ヒエラルキアを破壊!」
「……自身の効果で特殊召喚された『トリアス・ヒエラルキア』は、除外される」(明石除外0→1)
「そしてその後、相手ライフに1000のダメージを与える!」
「おう」(明石ライフ7600→6600)
「更に、特殊召喚されたルナの効果。デッキから『英雄騎士』魔法・罠1枚を手札に加えられる。デッキから『英雄騎士の進撃』を手札に加える」(遊太手札3→4)
「手札から速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! フィールドの炎属性のボルカをリリースして、特殊召喚! 現れろ、『イクスロードナイト・デューク』!」(遊太手札4→3)(遊太墓地12→14)
赤いマント、炎の形をした槍、紅の鎧。攻撃力2800の連続攻撃を持つ騎士が現れる。
「永続魔法兵力維持の効果で、デッキから炎属性の『ロードナイト・フレア』を手札に加える」(遊太手札3→4)
「バトルフェイズ! デュークで、『堕天使ディザイア』を攻撃! フレムベル・セイバー!」
「リバースカード・オープン! カウンター罠『攻撃の無力化』! 相手モンスターの攻撃を無効化して、バトルフェイズを終了させる!」
「くっ、でもメインフェイズ2で……」
「更に、カウンター罠が発動されたことで、俺のフィールドのモンスターを全てリリースすることで、手札のレベル8モンスター『裁きを下す者-ボルテニス』を特殊召喚する!」(明石手札1→0)(明石墓地11→14)
またしても現れた光の天使。攻撃力は2800。
「更に、自身の効果で特殊召喚されたボルテニスの効果発動。リリースしたモンスターの数まで、相手フィールドのカードを破壊する! デューク・永続魔法・リリアンを破壊する!」
「ぐぅっ! 攻撃モンスターまで……!」(遊太墓地14→17)
「リバースカードを1枚伏せて、ターンエンド……」(遊太手札4→3)
遊太
ライフポイント6000
手札枚数3枚
モンスター3体
『ロードナイト・ルナ』(守備表示・守備力1600・光属性・レベル4)
『ロードナイト・テラ』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル4)
『堕天使ユコバック』(守備表示・守備力1000・闇属性・レベル3)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数17枚
除外されているカード0枚
5・明石のターン
「俺のターン、ドロー!」(明石手札0→1)
「魔法カード『終わりの始まり』を発動! 墓地に闇属性モンスターが7体以上いる時、そのうちの5体を除外して3枚ドローする。悦楽・享楽・エデ・アーラエ・アスモディウス・ディザイアの5体を除外し、3枚ドローする!」(明石手札0→3)(明石墓地14→10)(明石除外1→6)
「『終わりの始まり』……!」
「せや、ここからが……お前の終わりの始まりなんやで。終焉はいつも静寂から始まるとは限らんのや」
「また出た、中二病……」
「やが、この3ドローは大きいで?」
「手札の『堕天使アムドゥシアス』の効果。手札のこのカードと『堕天使』カード1枚を捨てることで、墓地の『堕天使』カード1枚を手札に加える。手札のアムドゥシアスと罠カード『堕天使降臨』を墓地へ送り、墓地の『堕天使イシュタム』を手札に!」(明石墓地10→11)(明石手札3→2)
「イシュタムの効果、手札の『魅惑の堕天使』とこのカードを墓地へ送り、2枚ドロー!」(明石墓地11→13)
「……よし! 手札の魔法カード『堕天使の追放』を発動! デッキから『堕天使』カードを1枚手札に加える。よってデッキより『堕天使ルシフェル』を手札に加える」(明石墓地11→12)
「手札から魔法カード『堕天使の戒壇』を発動。墓地の『堕天使』を1体守備表示で特殊召喚する。墓地からスペルビアを特殊召喚し、効果発動。墓地から天使族モンスター1体を特殊召喚するでぇ!」(明石手札2→1)(明石墓地12→11)
「ここだ! 罠カード『英雄騎士の進軍』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』モンスターの数まで、相手フィールドのカードを破壊する! 今フィールドにいるのは2体! よってスペルビアとボルテニスを破壊する!」(遊太墓地17→18)
「じゃが、アムドゥシアスは特殊召喚されるで!」(明石墓地11→12)
「更にアムドゥシアスの効果。ライフを1000支払って、墓地の『堕天使』魔法・罠カードの効果を発動させる! 墓地の『堕天使の戒壇』を発動してスペルビアを特殊召喚する。実はこの効果、ターン1ついとらんのや。よって、もっかい墓地から『堕天使イシュタム』を特殊召喚するで!」(明石ライフ6600→5600)(歌詞墓地12→9)
「うぅっ……やっぱり厄介だ、その効果……!」
「ほな、行かせてもらうで? アムドゥシアスとスペルビア2体をリリースして、アドバンス召喚! いざ来たらん! 天より追放されし漆黒の天使の長! レベル11『堕天使ルシフェル』!」(明石手札1→0)(明石墓地9→11)
明石の切り札、堕天使の中で一番多い羽根を持つ攻撃力3000のモンスターが現れる。
「ルシフェルのモンスター効果。アドバンス召喚に成功した時、相手モンスターの数までデッキから『堕天使』を特殊召喚できる! 俺は『堕天使マスティマ』『堕天使ゼラート』『堕天使ネルガル』を攻撃表示で特殊召喚する!」
明石のフィールドに、高レベル・高攻撃力の『堕天使』達がそろう。5体のモンスターが並ぶ様は、圧巻の一言だった……!
これにはチーム遊太のメンツも驚かざるをえない。
「フィールドに『堕天使』が5体も……!」
「すげェ! 大型モンスターをこんなに……!?」
「これが、J4最強……という訳ですか?」
「なんて強さだ……こりゃあちょっとやべぇか?」
「ゆ、遊太サン!」
チーム遊太達は驚くが、チームJ4は黙って見ているだけであった。
「ルシフェルの効果、フィールドの『堕天使』の数までデッキの上からカードを墓地へ送り、その中にあった『堕天使』カードの数×500ポイントライフを回復する。今回フィールドにいるのは6体。よって6枚墓地へ送り……よし、あったのは4枚。ライフを2000回復!」(明石ライフ5600→7600)(明石墓地11→17)
「さて、ここで終わらせたるか。ネルガルが表側表示で存在する時、『堕天使』達は貫通効果を得る! 守備表示で逃げようとしても無駄や。行くでバトルフェイズ! ルシフェルで、ユコバックを攻撃! 天への叛逆の力は、味方さえも穿ち抜く! 漆黒の堕天衝撃!」
モンスター5体の攻撃。これにはチーム遊太のみんなも焦る。
「マズイ! 今『堕天使』は貫通効果を得ている! 故に、攻撃が全て通ればライフは尽きるぞ!」
「くっ……!」
「伏せカードも無い! これじゃあ……!」
誰もが敗北を予感した。だが、遊太は諦めない。
「自分の『ロードナイト』モンスターが戦闘を行う時、手札の『ロードナイト・ビート』の効果発動! このカードを手札から捨てて、自分が受けるダメージを1度だけ0にする!」(遊太手札2→1)(遊太墓地17→18)(明石墓地17→18)
ビートが身代わりになることによって、ダメージは防ぐ遊太。だが、これだけでは何の意味もない。
「ほぉ、防いだか。せやけど、第二第三の攻撃は避けられんやろ! ゼラートで、ルナを攻撃! 聖域への唾棄!」
「ぐぅっ!」(遊太ライフ6000→4800)(遊太墓地18→19)
「更に、マスティマでテラを攻撃! 神属なる牙!」
「ううっ!」(遊太ライフ4800→3700)(遊太墓地19→20)
「テラ、そのモンスターは破壊されたらデッキから『ロードナイト』を特殊召喚できる。さ、特殊召喚せぇや」
「……」
「なんや、発動せんの? なら、ここで終わらせてもらうわ。行くで? 『堕天使ネルガル』で、ダイレクトアタック! 漆黒への誘い!」
モンスターを出さない。そんなプレイミスとも言えるやり方には、外野のメンツも……。
「おい、諦めちまったのか!?」
「こんな……こんな終わり方……!」
だが、遊太は諦めてなどいなかった!
「手札の『ロードナイト・ガーディ』の効果発動! 相手が直接攻撃を宣言した時、手札のこのカードを特殊召喚して、バトルフェイズを終了させる!」(遊太手札1→0)
ガーディが四角いバリアを張って、バトルフェイズを終了させる。よって、攻撃は防がれてしまった。これによって、チーム遊太も一安心。
「なんだよ……わざとモンスター出さなかったのは、このためだったのか?」
「はぁ~……危なかった……」
「だが、ピンチはまだ続いている。相手には高レベル・攻撃力モンスターが5体もいる上に、あの『堕天使』モンスターは確か墓地から『堕天使』と名前がついた魔法・罠の効果をコピーできるんだろ? それが3体ってことは、実質3回妨害を構えられるってことだ。更に、ルシフェルの効果で他のカードも墓地へ送られているかもしれねえ。故に、このピンチを切り抜けるのは難しい」
「なんや、そんなんもあるんかい。けれど、そう簡単にはいかんで?」
「イシュタムの効果。墓地の『堕天使の追放』をデッキに戻し、効果をコピーしてデッキより『堕天使テスカトリポカ』を手札に。これでターンエンドや」(明石ライフ7600→6600)(明石墓地18→17)(明石手札0→1)
「しかも破壊耐性を与えるモンスターまで……こりゃあ本格的に負けが見え始めて来たぞ……!」
明石
ライフポイント6600
手札枚数1枚
モンスター5体
『堕天使ルシフェル』(攻撃表示・攻撃力3000・闇属性・レベル11)
『堕天使イシュタム』(攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル10)
『堕天使ゼラート』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル8)
『堕天使ネルガル』(攻撃表示・攻撃力2700・闇属性・レベル8)
『堕天使マスティマ』(攻撃表示・攻撃力2600・闇属性・レベル7)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数17枚
除外されているカード6枚
圧倒的な実力、そして完璧な盤面。J4最強の名は伊達ではなかった明石。これには先ほどまで口々に騒いでいたチーム遊太の面々も口をあんぐり開けて黙る。
逆にチームJ4のメンバーは、予想通りといった表情で明石を見つめる。
この絶望的な状況に、遊太は……。
「……フッ」
「なんや、負けを悟りでもしたか?」
「いや、なんか久々だな、この感覚って思ってね……ここまで圧倒的に制圧された状況を、どうやってひっくり返してやろうかって思うと、すっごくワクワクして楽しくなる!」
「へぇ、まだ諦めとらんのか。ま、そないやないとおもろないわ。なら、見せてみぃや。そこまで意気込んだ結果の、その先を!」
このやりとりを見て、チーム遊太の仲間達は正気を取り戻す。
「ああ、そうだった。コイツ、こんな状況でもデュエルを楽しむ、生粋のデュエルバカだってことに……」
「そうですよね。遊太君はここからが勝負強いのをすっかり忘れてました」
「そうだ、ここから本当の遊太のデュエルじゃん!」
「……俺に勝ってるクセに負けんな」
「遊太サン! 遊太サン!」
「遊太君!」
6・遊太のターン
(すごいよ……明石さん。今までの中では見たことのない、完璧で、強いデュエルタクティクス……! だけど、僕たちだって、負けられないんだ!)
(僕だって、今までのままじゃない。壁が立ち塞がったなら、そのたびにぶち壊して進んで行けば良いんだ! そのたびに、僕も進化していくんだ!)
(遊太……)
(あ、アルファ……なんかしばらく黙ってたけど、どうかした?)
(いや、これはお前のデュエルだったからな。私達が出る幕も無かったからな。だが、お前もまた、カラを破ろうとしているのだな。力を……貸そう)
(……ありがとう!)
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
「僕は手札から、魔法カード『英雄騎士の兵力増強』を発動! 墓地の『ロードナイト』モンスター3体をデッキに戻し、2枚ドローする。だけど、このカードの発動時に手札が0枚だった時、デュエル中に1度だけ3枚ドローする! ボルカ・リリアン・ローズの3体をデッキに戻し、手札0のため、3枚ドロー!」(遊太墓地20→18)(遊太手札0→3)
「……よし、魔法カード『おろかな重葬』を発動! ライフを半分支払い、エクストラデッキからモンスター1体を墓地へ送る。僕はエクストラデッキから『イクスロードナイト・マグナ』を墓地へ! そしてこのターン、魔法・罠をセットできない!」(遊太ライフ3700→1850)(遊太墓地18→20)(遊太手札3→2)
(エクストラデッキから、モンスターを墓地へ……? 何をする気や?)
「魔法カード『英雄騎士融合』を発動! フィールド・墓地の『ロードナイト』モンスターを除外することにより『ロードナイト』融合モンスター1体を融合召喚する! 僕は墓地のマグナとディアナを除外することにより、僕はレベル10『イクスロードナイト・シャイニング・グレイ』を融合召喚する!」(遊太手札2→1)(遊太墓地18→17)(遊太除外0→2)
「なにぃ!? 『イクスロードナイト』を、更に融合するやって!? ……イシュタムの効果で、罠カード『背徳の堕天使』の効果を発動して、そのガーディを破壊するで~!」(明石ライフ6600→5600)(明石墓地17→16)
「さあ、現れろ……戦場を光で照らし、その正義の刃を振りかざせ!」
フィールドにまばゆい光が満ちる。そして、光の中より現れたのは、日輪の鎧と、光の剣を持つ騎士であった。攻撃力は3500。(遊太墓地17→18)
「なんたる……さっき墓地へ送ったのはコレのためかい」
「シャイニング・グレイ、効果発動! ライフを500支払い、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力を全て0にする! そしてこの効果で攻撃力・守備力が0になったモンスターは効果を発動できない!」(遊太ライフ1850→1350)
「なら、ライフを1000支払い、イシュタムの効果発動! ライフを1000支払い、墓地の罠カード『神属の堕天使』の効果をコピーし、相手モンスターを無効化や!」(明石ライフ5600→4600)(明石墓地16→15)
「できないよ! シャイニング・グレイのモンスター効果、このモンスターが表側表示でいる時、僕の『ロードナイト』モンスターは戦闘・効果では破壊されず、相手の発動した効果を受けることはない! 更に、戦闘ダメージも0になる!」
「なんやて!?」
「攻めと守りを一度にこなす、太陽と月のモンスター! 攻撃力は0!」
「やろォ……」
「行くよ! バトルフェイズ! シャイニング・グレイで、ルシフェルを攻撃! サンストーム・ライトレイ!」
「ぐおおぉっ!」(明石ライフ4600→1100)(明石墓地15→16)
「さらに、破壊したモンスターの元々の攻撃力か守備力、高い方の数値分ライフを回復できる。よし! あとちょっとだ! ターンエンド!」(遊太ライフ1350→4350)
遊太
ライフポイント4350
手札枚数1枚
モンスター1体
『イクスロードナイト・シャイニング・グレイ』(攻撃表示・攻撃力3500・光属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数18枚
除外されているカード2枚
まさかの『イクスロードナイト』同士の融合により、一気に状況をひっくり返した遊太に対して、歓喜に沸き返るチーム遊太達。
「アイツ……あんな隠し球用意していたって言うのかよ……!」
「防御と攻撃を、いっぺんに行えてしかも両方相手に大損害を与えられる……強力なモンスターデスね」
「強力な『イクスロードナイト』を2体合体させただけはあるな」
「しかも、あのモンスターを突破できる方法なんて、そうそうあるもんじゃないじゃん!」
先ほどまでとは打って変わり、歓喜に沸き返るチーム遊太。チームJ4は、黙ったままデュエルを注視している。
7・明石のターン
「俺のターン、ドロー!」(明石手札0→1)
(なんたるモンスター……発動した効果を受けず、ダメージも0になり破壊されないあのモンスターを突破するには……)
「明石君!」
「こんなとこで負けるなんて、お前らしくねーぞ! いつもみたくド派手にやりやがれ!」
「J4最強なら、せめて勝ちなさいかも~」
「みんな……俺かて仲間のタメに負けるわけにはいかんのや! ここで勝って、俺たちも奴らにリベンジするんや!」
「奴ら?」
「アメリカの奴らに、勝たないかんのや!」
(……ひょっとして、ラルセイが言ってたスター5のことなのかな……)
「魔法カード『貧欲な壺』を発動! 除外されているモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローする! 享楽、悦楽、エデ・アーラエ、アスモディウス、ディザイアの5体をデッキに戻し、2枚ドローや!」(明石手札1→2)(明石墓地16→17)(明石除外6→1)
(確か……1枚だけあんなモンスターに対抗できるカードがあったはずや! まだ引かんか! なら、これも……!)
「魔法カード『アドバンスドロー』を発動や! 自分フィールドのレベル8以上のモンスター1体をリリースし、デッキから2枚ドローする。レベル10のイシュタムをリリースして、2枚ドローや!」(明石手札2→3)(明石墓地17→19)
(……来た! コレなら……いけるで!)
「そのモンスター、確かに無敵とも言えるモンスターや……けどな、倒せないモンスターはおらん! どんなモンスターともいえど、倒す方法はあるってことや!」
「ええっ」
「魔法カード『痛み分け』を発動や! 自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動、これは相手に自分のモンスターを1体リリースしなければいけないルールを適用するんや」
「でも、シャイニング・グレイは相手の発動した効果を受けない」
「これはモンスターに対する効果やない、プレイヤーに対する効果や! つまり、プレイヤーに行動を強要する効果やから、いくら効果を受けないモンスターといえども、耐性をすり抜けられるんや!」
「そ、そんなっ、そんなやり方でシャイニング・グレイを……!」
「ゼラートをリリースし、リリースせいや。その超強力モンスターをな」(明石手札3→2)(明石墓地19→21)
「くっ……」(遊太墓地18→19)
「これで、邪魔なモンスターは消えた。行かしてもらうで!」
せっかく出された強力なモンスターをあっさり除去され、焦る遊太たち。
「すげぇやり方! あんな方法があったっていうのかよ!」
「結局、これだけじゃJ4を倒せないってことかよ……」
これには、J4もにっこりと微笑む。
「さて、行かしてもらうで。手札から、魔法カード『生け贄人形』発動や。フィールドのネルガルをリリースして、手札からレベル7のモンスター1体を特殊召喚や。手札のレベル7『アテナ』を特殊召喚や! ただし、攻撃は封じられるけどな」(明石手札2→0)(明石墓地21→23)
「でも、攻撃ができないなら……」
「なんや、何もメージを与えるんは攻撃だけやないんやで? 『アテナ』、モンスター効果発動や! フィールドの天使族モンスター1体を墓地へ送り、墓地の天使族1体を特殊召喚や! マスティマを墓地へ送り、スペルビアを特殊召喚!」
「そしてここで、『アテナ』の効果発動や! このカードが表側表示で存在する時、天使族が召喚・特殊召喚・反転召喚された時、相手に600のダメージを与える!」
「ええっ、こんな……! ぐわっ!」(遊太ライフ4350→3750)
「更に、スペルビアが墓地から特殊召喚された時、更に墓地から天使族を特殊召喚できるでぇ! テスカトリポカを特殊召喚! 更に、天使族が特殊召喚された時、相手に600ダメージ!」(明石墓地23→22)
「ターン制限無いの!?」(遊太ライフ3750→3150)
「更に、ライフを1000支払って、イシュタムの効果発動や! 墓地の『堕天使の戒壇』を発動! 墓地より『堕天使』を守備表示で特殊召喚や! アムドゥシアスを特殊召喚して、更に600のダメージ!」(明石ライフ1100→100)(明石墓地22→20)
「ううっ……」(遊太ライフ3150→2550)
「よし、これでフィニッシュラインにたどり着いたな。最早守り切れるものやあらへんで! バトルフェイズ! スペルビアで、ダイレクトアタック!」
「墓地の『ロードナイト・ビート』の効果発動。墓地からこのカードを除外することで、相手の攻撃を1回無効にする!」(遊太墓地18→17)(遊太除外2→3)
「悪あがきやな。さっきの『おろかな重葬』の効果で、魔法・罠はセットできないんやろ? 防御は手薄やで! 最後のダイレクトアタック! テスカトリポカで、ダイレクトアタック!」
もはや、守る術は無く万策尽きたかと思われた。チーム遊太のメンバー達はもうダメかと顔を覆う人間もいた。
だが、遊太はまだ諦めていなかった!
「手札の『ロードナイト・バスター』の効果発動! 相手の攻撃宣言時、このカードを手札から捨てて効果発動! デッキから1枚ドローし、それが『ロードナイト』モンスターだった時、攻撃してきたモンスターの攻撃力を0にする! 違った場合は……僕が1000のダメージを受けてドローしたカードは除外される!」
「なんやと……!? ここに来て、一か八かのギャンブルをするやて……!? 考えられんわ。こんな絶体絶命の状況において、こんな無茶苦茶な……!」
「無茶苦茶でも、ここで引かなきゃどっちみち負けだからね! 引いて……みせる!」
(……なんたる……ホント無茶苦茶や……こんなデュエル、見たことないわ。せやけど、ここで引くんか!? 故に、ヤツはここで勝って来たんか……? こんなデュエルを成立させてきたから、コイツはここまで勝って来たと言うんか!?)
(良いね、この緊張感。引けば勝利への道しるべを作り、引けなきゃ負ける! この独特の緊張感、これがデュエルの醍醐味だよね! みんなは悪いけど、正直言って今一番楽しいよ!)
ふと笑顔を見せる遊太。それを見たチーム遊太の面々。
「アイツ……こんな状況で笑ってやがるぜ……」
「いろんなことがあって忘れていたけど、遊太はデュエルが大好きだったんだよな。楽しんで行こう! って感じだよな!」
「これが、遊太君のデュエルなんですよね!」
「俺に勝ってるんだから、ここで引きやがれ」
チーム遊太の声援を受け、ついに遊太はドローする!
「ドロー!」
引いたカードは……『ロードナイト・ダーク』。『ロードナイト』モンスター! (遊太手札0→1)(遊太墓地17→18)
「「引いたっ!」」
「なっ……ここで、引くと言うんか!」
「これで、攻撃力は0!」
「やったー! これで大丈夫だ!」
「チクショウ、『生け贄人形』の効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン攻撃できない……や」
(チクショウ、『アテナ』の効果を生かす為に、ライフを使っちまったのが仇になっちまった……これじゃ墓地のカードをコピーする効果が使えん!)
(だが……ルシフェルの効果で墓地へ送ったあのカードなら……!)
「メインフェイズ2に入り、墓地に存在する『シャッフル・リボーン』を除外して効果発動や! 自分フィールドのカード1枚をデッキに戻し、デッキから1枚ドローする。エンドフェイズ、手札があれば1枚除外する。俺はアムドゥシアスをデッキに戻し、1枚ドロー!」(明石墓地20→19)(明石除外1→2)
(頼む、ええカード来てくれ!)
そして引いたカードは……! (明石手札0→1)
「……このカードは! 場にカードを1枚伏せて、ターン終了や!」(明石手札1→0)
明石
ライフポイント100
手札枚数0枚
モンスター3体
『アテナ』(攻撃表示・攻撃力2600・光属性・レベル7)
『堕天使テスカトリポカ』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル9)
『堕天使スペルビア』(攻撃表示・攻撃力2900・闇属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数19枚
除外されているカード2枚
「よし、ついにここまで追い詰めた!」
「あの野郎、散々じらしやがって……!」
チーム遊太の面々が一斉に歓喜の瞬間を今か今かと待ち……。
「そんな、明石君が……負ける!?」
「まだ負けてねえよ。まだライフが100も残っているんだぜ!」
「明石君……」
チームJ4のメンツが、明石の敗北に信じられないといった表情を浮かべていた。
もはや勝利はすぐそこにある。だが、デュエルは一寸先は闇。勝利とは、相手が完全にライフが0になって初めて得られるものだからだ。
8・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札1→2)
(引いたカードは、魔法カード『英雄騎士の再生術』。これを使えば……!)
「悪いな、遊太。ここで俺は負けられん。チームのためにも、仲間のためにも、ここで負けて全員出られんようでは困るからな!」
「罠カード『ショック・ウェーブ』発動や! コイツは、自分のライフが相手より低いとき発動可能。フィールドのモンスター1体を破壊して、その攻撃力分のダメージをお互いに受ける! 俺はスペルビアを破壊して、攻撃力2900のダメージを互いに受ける!」
「えっ!?」
ドカンとモンスターが爆発し、互いに2900のダメージを受けた。これにより、ライフが同時に0となり引き分けとなった……。
「……これでも負けられん」(明石ライフ100→0)
「そんな……」(遊太ライフ2550→0)
「引き分け……!?」
両チーム唖然とする、まさかまさかのチーム戦引き分けによって。
「ウソだろ~!? この場合どうなるの!?」
これには主催者側も黙っていられず、すぐさまアオイとヒカリが駆けつける。
「おぉ~っと!? なんとチームJ4とチーム遊太、2勝2敗1分けの引き分け~!」
「これには主催者側も困惑中です~。ただいま審判団が裁定を決めかねています~」
長い長い協議。これにはチームとしても非常に嫌な予感を醸し出していた。
「まさかとは思うが、もう一回チーム戦やるんじゃないよな……?」
「それとも、じゃんけんで……?」
不安だった。どうなるのか。
そして、協議の末出された結果は……。
「審判団の協議の末、出された結論は……」
「両チーム、最終予選に出場です!」
その言葉に、おーっと会場が沸き返る。
そして遊太たちも……。
「よかったぁ~っ。これでダメだったら、もうどうなることかと……」
「決着は、最終予選か本戦にお預けっちゅー訳やな。おい、遊太!」
「あ、はい。明石さん?」
「次に相手するときは、絶対にこっちが勝っちゃるからな~!」
その言葉を言い残し波乱のチームデュエルは終わった……。だが、遊太達には最終予選が待っている。
ここで勝ち、本戦へと歩みを進めるのはチーム遊太のメンバーは……!?
第九十四話。終わり。
D1グランプリ三次予選、チームメイクデュエル。チーム遊太とチームJ4のデュエルは、熾烈を極めていた。
まず初戦シングルデュエル3、J4の桐生比斗志VS知多。J4の実力を見せつけるかのように桐生が知多を圧倒した。
続くタッグデュエル2、ギリギリまでJ4石山堅に追い詰められるも、ユイと菊姫、二人の力で逆転勝利を納めた。
しかしシングルデュエル2、J4の萌木冴香によって真薄もまた完全にやられてしまった。
その後タッグデュエル1では、アキラとカリンがルイを負かした。
2勝2敗で迎えた勝敗、ついに迎えたシングルデュエル1。戦いは六道遊太と、J4最後の一人明石慎之介。
明石には、以前ストリートデュエルによって完敗してしまった遊太。
だが、同じ相手に2度負け、自分を信じて託してくれた仲間を裏切るようなことはできない!
「いよいよ来たな、最後の大トリが」
「うん……」
「聞いた話じゃ、お前あの明石ってヤツに負けたんだろ?」
「うん……見事にね」
「けどよ、一回負けたまんまで終われる訳ねーよな? 遊太」
「うん、このまま終わるなんてできない。せっかくみんながここまで頑張って来たのに、僕で台無しにする訳にはいかないよ。それに、あの時のリベンジ……僕だってしたいんだ!」
「……気合い十分だな。よし、行ってこい!」
「うんっ!」
菊姫にケツを叩かれ、気合い十分で向かう遊太。後ろからも、仲間達が口々にエールを送る。
「遊太……勝ってくれじゃん……あの時もあの時も、こんな不利な状況から勝ってきたなら、今度もいけるはずじゃん!」
「僕は、ここで勝つのがヒーローだと思っています。だから、ここで勝つのは遊太君です。なぜなら、遊太君は僕のヒーローだからです!」
「私達は、いつだってあなたを見てきました……なら、一度負けた相手にはあなたは負けないと思っていますわ。ですから、勝ちなさい……いや、勝てますよね? 遊太君」
「遊太サン! 信じていマス! ぜーったいに、勝ってくだサイ!」
「……俺に勝っておいて、あんなヤツに負けているなよ」
「「勝つのは遊太! 勝つのは遊太! 勝つのは遊太!」」
と、遊太がエールを送られれば。
「なんやけったいな応援されとるなあ、アイツ」
「既に一度勝っているならば、負ける相手ではないでしょう? 明石君」
「まぁ明石君なら、負けるはずはないかも~」
「この試合、ド派手にぶちかましてやれよな!」
「……おう、わーったわ。派手にぶちかましたる……ところで鹿野君、このデュエル……未来見えとるか?」
「……さすがにこれは見えないよ。実力で勝てば良いんじゃないの?」
「……実力で勝てってことか。ま、ええわ。こういう場面なら、勝たなイカンと常々教えられとるしな! よし、行くか!」
J4のメンバー達は静かに見送る。
遊太と明石、二人が正面切って向かい合う。二人の勝つという意思には、微塵の揺らぎも無い。それが体からにじみ出ているとわかる程に。
「ここでお前かい、信頼されとるんやな」
「うん。ここで負けるようなら、ここまで託してくれたみんなに示しがつかないからね」
「へぇ、そこまで気合い入っとるんか。せやけど、俺とてここで負ける訳にもいかん。悪いけど、あの時戦った時とは違うで? 漆黒の堕天使達も、更にパワーアップしとるしな」
「……僕だって、あの時負けたままじゃいられない。勝って、リベンジを果たしてみせる!」
「ほぉ、やってみぃや」
両者、デュエルディスクを構え、臨戦態勢に入る。
「「ルールはマスタールール3! ライフポイントは8000!」」
「「デュエル!」」
「先攻は俺や!」
1・明石のターン
「手札より、魔法カード『堕天使の追放』を発動! デッキより、『堕天使』カードを1枚手札に加える。デッキより、レベル10の『堕天使イシュタム』を手札に」(明石墓地0→1)
「そして、イシュタムの効果発動。手札のイシュタムと他の『堕天使』カードを1枚捨てることで、2枚ドローする。手札の『堕天使スペルビア』とイシュタムを捨てて、2枚ドロー」(明石墓地1→3)
「手札より『悦楽の堕天使』を召喚。効果発動、デッキよりレベルの違う『堕天使』を1体、相手フィールドに特殊召喚し、もう1体を手札に加える。俺は『堕天使エデ・アーラエ』を相手フィールドに守備表示で特殊召喚し、デッキから『堕天使アスモディウス』を手札に」
「更に、手札のレベル8モンスターアスモディウスを公開し、手札の『エンジェルO1』は特殊召喚できる」(明石手札5→4)
「光……!? 光属性の天使!?」
「そや。闇だけやあらへん、光も取り入れてこそ、闇は深まり光は輝く。これが光と闇の天使や!」
(相変わらず中二……)
「特殊召喚された『エンジェルO1』がいる限り、通常召喚に加えてもう一回アドバンス召喚できる。よって、手札からアスモディウスをアドバンス召喚!」(明石手札4→3)(明石墓地3→5)
現れたのは、相変わらずの黒き羽根の天使。墜ちた天使だ。攻撃力は3000。
「アスモディウスの効果、デッキより天使族モンスターを1体墓地へ送る。デッキより『トリアス・ヒエラルキア』を墓地へ」(明石墓地5→6)
「更に魔法カード『堕天使の戒壇』を発動! 墓地の『堕天使』1体を守備表示で特殊召喚する。俺が特殊召喚するのは、スペルビア。更に墓地から特殊召喚されたスペルビアは、更に墓地から天使族モンスターを特殊召喚できる。俺は墓地からイシュタムを特殊召喚!」(明石墓地6→5)
「更にイシュタムの効果発動。墓地の『堕天使』カードを1枚対象として、ライフを1000ポイント支払い効果を発動させる。墓地の『堕天使の追放』の効果を発動。よってデッキから『堕天使テスカトリポカ』を手札に」(明石墓地5→4)(明石ライフ8000→7000)(明石手札3→4)
「リバースカードを2枚セットして、ターンエンド。さあ、お前のターンやで?」(明石手札4→2)
明石
ライフポイント7000
手札枚数2枚
モンスター3体
『堕天使アスモディウス』(攻撃表示・攻撃力3000・闇属性・レベル8)
『堕天使イシュタム』(攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル10)
『堕天使スペルビア』(守備表示・守備力2400・闇属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数4枚
除外されているカード0枚
2・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札5→6)
(明石君の『堕天使』モンスターは、墓地から『堕天使』魔法・罠をライフを1000支払って発動できる。更に、罠カードは『堕天使』をリリースして効果を発動するのが多い。モンスターを大量に出したのも、おそらくソレが狙い……!)
「手札から、魔法カード『増援』を発動。デッキから、レベル4以下の戦士族を1体手札に加える。レベル3の『ロードナイト・パニッシュ』を手札に」(遊太墓地0→1)
「そして、自分フィールドにモンスターがいない時、手札のパニッシュは特殊召喚できる。更に、特殊召喚されたパニッシュはデッキから『ロードナイト』モンスター1体を手札に加えられる。レベル1『ロードナイト・アウェイク』を手札に」
「手札の『ロードナイト・アウェイク』を墓地へ送って、効果発動。デッキから『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(遊太墓地1→2)
「そして手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』モンスター1体をリリースして発動。リリースしたモンスターと同じ属性の『イクスロードナイト』モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する! リリースしたパニッシュは風属性。よってエクストラデッキから風属性の『イクスロードナイト・ローズ』を特殊召喚する!」(遊太手札6→5)(遊太墓地2→4)
そうして現れた、右手にフルーレを、左手に薔薇を持つ桃色の鎧を持つ騎士。攻撃力は2600。
だがそれを、明石は見逃さない。
「待っとったで! ソイツはバウンスとサーチやろ。罠カード『背徳の堕天使』を発動! スペルビアを墓地へ送って、そのローズを破壊する!」(明石墓地4→6)
ローズに雷が落ち、破壊されてしまう。それを、遊太はただ見ている。
「まだいるやろ遊太君、『イクスロードナイト』は全部出さないかんで?」
「お望み通り、出してやるさ!」
「フィールドのエデ・アーラエをリリースして、手札の『ロードナイト・リリアン』をアドバンス召喚する。効果発動、このモンスターがアドバンス召喚に成功した時、デッキから2体『ロードナイト』を特殊召喚できる。僕はデッキから、スターとネクロの2体を守備表示で特殊召喚する。効果発動、スターはデッキからレベル4以下の『ロードナイト』を特殊召喚できて、ネクロは墓地から『英雄騎士』魔法カード1枚を手札に加えられる。僕はデッキから、『ロードナイト・テラ』を特殊召喚して、墓地から『英雄騎士への覚醒』を手札に加える」(明石墓地6→7)(遊太手札5→4→5)(遊太墓地4→3)
「更に特殊召喚されたテラの効果で、デッキから永続魔法『英雄騎士の兵力維持』を手札に。そしてそのまま発動! このカードは、自分フィールドに『イクスロードナイト』が特殊召喚された時、同じ属性の『ロードナイト』をデッキから手札に加えられる。ただし、この効果で同じ属性の『ロードナイト』を手札に加えることはできない!」
「手札から、速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! フィールドの闇属性のネクロをリリースして、エクストラデッキから『イクスロードナイト・ドゥフト』を特殊召喚!」(遊太手札5→4)(遊太墓地3→5)
獣の鎧、右手の剣。『イクスロードナイト』一の策士が現れた。
「『イクスロードナイト』一の策士か……ソイツに罠カードは効かんのやろ?」
「兵力維持の効果で『ロードナイト・ファントム』を手札に加える。更に、手札を1枚捨てることで、ドゥフトの効果発動。デッキ・墓地から『英雄騎士』罠カード1枚をセットする。僕はカウンター罠『英雄騎士の封印術』をセットする」(遊太墓地5→6)
「なら、効果処理後にイシュタムのモンスター効果発動! 1000ライフを支払い、墓地の『堕天使』魔法・罠を発動させる! 墓地の『堕天使の戒壇』を発動させ、スペルビアを特殊召喚! そして更に、墓地から『悦楽の堕天使』を特殊召喚!」(明石ライフ7000→6000)(明石墓地7→4)
「『悦楽の堕天使』の効果発動! デッキの『堕天使ユコバック』を守備表示で特殊召喚し、デッキから『堕天使ディザイア』を手札に加える」(明石手札2→3)
「更に、墓地の『トリアス・ヒエラルキア』の効果発動や! 自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドの天使族モンスターを3体までリリースして、このモンスターを手札・墓地から特殊召喚できる。スペルビア・悦楽・イシュタムをリリースして、墓地から守備表示で特殊召喚するでぇ!」(明石墓地4→6)
「……!」
「更に、『トリアス・ヒエラルキア』のモンスター効果発動や! 2体以上リリースした時、相手フィールドのカード1枚を破壊できる。そして3体リリースすれば、2枚ドローできる! よって、お前のドゥフトを破壊して、2枚ドローや!」(明石手札3→5)
「くっ……」(遊太墓地5→6)
「さあどんどん来いや!」
「……手札から装備魔法『英雄騎士の応急処置』を発動! 墓地から『ロードナイト』1体を特殊召喚して、このカードを装備する。このカードがフィールドを離れた時、装備モンスターは墓地へ送られる。僕はローズを再び特殊召喚する。それにより、兵力維持の効果でデッキから同じ風属性の『ロードナイト・ビート』を手札に加える」(遊太墓地6→5)
「手札を1枚捨てて、ローズの効果発動!」(遊太手札4→3)(遊太墓地6→7)
「効果発動時、罠カード『神属の堕天使』を発動! 手札の『堕天使ネルガル』を墓地へ送り、フィールドの効果モンスター1体の効果を無効化し、無効化したモンスターの攻撃力分だけ、俺のライフを回復する。ローズの効果を無効化して攻撃力分、2600ポイントライフを回復する」(明石手札5→4)(明石墓地6→8)(明石ライフ6000→8600)
「くぅっ……」
(このまま攻撃しようにも、相手モンスターの攻撃力は高い……。かといって、この手札の『英雄騎士交代』でデュナスや他のを出したところで、テスカトリポカで防がれる……う~ん厳しい。なら、ダメージを直接与えるまで!)
「速攻魔法『英雄騎士交代』を発動! これは、自分フィールドの『イクスロードナイト』1体をエクストラデッキに戻して、エクストラデッキから違う属性の『イクスロードナイト』1体を特殊召喚できる。僕はローズをデッキに戻して、デッキから光属性の『イクスロードナイト・ディアナ』を特殊召喚するよ! 更に、光属性のディアナが特殊召喚されたことで、デッキから光属性の『ロードナイト・ガーディ』を手札に加える」(遊太墓地8→9)
「ディアナのモンスター効果、発動! ライフポイントを1000払い、モンスター1体の攻守を0にする。アスモディウスの攻守を0に!」(遊太ライフ8000→7000)
「来るか!?」
「バトルフェイズ! ディアナで、アスモディウスを攻撃! ミッドナイト・クレッセントムーン!」
「手札の『堕天使テスカトリポカ』の効果、『堕天使』が破壊される時、手札のこのモンスターを代わりに捨てられるでぇ!」(明石手札4→3)(明石墓地8→9)(明石ライフ8600→5900)
「……リバースカードを1枚セットして、ターンエンド」(遊太手札3→2)
遊太
ライフポイント7000
手札枚数2枚
モンスター4体
『イクスロードナイト・ディアナ』(攻撃表示・攻撃力2700・光属性・レベル8)
『ロードナイト・スター』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル2)
『ロードナイト・テラ』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル4)
『堕天使ユコバック』(守備表示・守備力1000・闇属性・レベル3)
魔法・罠ゾーンのカード3枚
『英雄騎士の封印術』(カウンター罠・セット)
発動しているカード1枚
『英雄騎士の兵力維持』(永続魔法)
墓地の枚数9枚
除外されているカード0枚
遊太と明石のデュエル。お互いの初ターンから全力全開のデュエル。
しかし、チーム遊太のみんなは、明石のデュエルに見入っていた。
「これが明石のデュエルですか……!?」
「完璧だ……なんて無駄のないデュエル……!」
「墓地へ行ってからも魔法・罠を使えるモンスターと、ステータスの高い上級モンスターを中心とした場のコントロール。更に、発動時のそのライフコストも補える構築……なるほど、手強い」
「これがJ4の実力……」
チーム遊太のメンバーが驚く中、J4のメンバーはいつものことのように話す。
「アレが、いつもの明石君の手ですよ。ワタクシもよくやられました」
「あんなことやられちゃあ、さすがの俺もド派手には攻められねーよ」
「持久戦もさすがに厳しいかも~」
3・明石のターン
「俺のターン、ドローや!」(明石手札3→4)
「魔法カード『サイクロン』を発動や! フィールドの魔法・罠1枚を破壊するでぇ! そのセットされたカウンター罠を破壊や!」(明石手札4→3)
「くっ、やっぱり狙われるか……!」(遊太墓地9→10)
「やらせてもらうで。手札から魔法カード『死者蘇生』を発動や! 墓地からモンスター1体を特殊召喚する! 俺が特殊召喚するのは、もちろんスペルビア! 攻撃表示! 更に、スペルビアが墓地から特殊召喚された時、墓地から更に天使族を特殊召喚する! 墓地から『堕天使ネルガル』を特殊召喚!」(明石手札3→2)(明石墓地10→9)
「更に、アスモディウスの効果発動。デッキより天使族モンスター1体を墓地へ送る。デッキから『享楽の堕天使』を墓地へ送り、効果発動! フィールドの天使族モンスターの数×500ポイント相手フィールドのモンスター全ての攻守を下げる。今フィールドにいる天使族は5体。よって2500ポイントダウン!」(明石墓地9→10)
「ネルガルのモンスター効果発動! 1000ライフを支払い、墓地の『堕天使』魔法・罠の効果をコピーする。罠カード『神属の堕天使』をコピーして、ディアナの効果を無効化するでぇ!」(明石ライフ5900→4900→7600)(明石墓地10→9)
「なら、チェーンしてディアナのモンスター効果発動! ライフを1000支払って、アスモディウスの攻撃力を0にする!」(遊太ライフ7000→6000)
「なら、ここはアスモディウスをリリースして、手札からレベル10の堕天使『堕天使ディザイア』をアドバンス召喚! ディザイアは、特殊召喚できない代わりに天使族1体をリリースしてアドバンス召喚できる!」(明石手札2→1)(明石墓地9→10)
「そして、ディザイアのモンスター効果発動! このモンスターの攻撃力を1000下げることで、相手モンスター1体を墓地へ送る! そのディアナは破壊されたら、ライフを回復するんやろ? ならこれでディアナを墓地へ遅らせてもらうわ! 暗黒への直葬!」
「くっ!」(遊太墓地10→11)
「さて、バトルフェイズ行かしてもらうわ。ネルガルはフィールドに表側表示で存在する時、俺の全ての天使族に貫通効果を与えるで! 攻撃力2000以上のモンスターが、守備力0のモンスターに攻撃したら、お前のライフを全て吹き飛ぶで?」
「そんなことわかっているさ! 罠カード発動! 『英雄騎士の奇策』! このカードは、相手フィールドのモンスター全ての攻撃力を、墓地の『ロードナイト』の数×800ポイントダウンさせる! 今の墓地には、君のモンスターの攻撃力を0にできる程のモンスターがいる。よって攻撃力は0に!」(遊太墓地11→12)
「おっとっとマジかい……なら、魔法カード『三戦の才』を発動や。相手がモンスター効果を発動したターン、3つの効果のうちから1つを発動できる。デッキから2枚ドローする」(明石手札1→2)(明石墓地10→11)
「そしてリバースカードを1枚セットして、ターンエンド」(明石手札2→1)
明石
ライフポイント7600
手札枚数1枚
モンスター4体
『堕天使ディザイア』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル10)
『堕天使スペルビア』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル8)
『堕天使ネルガル』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル8)
『トリアス・ヒエラルキア』(守備表示・守備力2900・光属性・レベル9)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数11枚
除外されているカード0枚
4・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札2→3)
(伏せカード1枚……だけど、相手のモンスターが攻撃力0のみ! 今がチャンス!)
「魔法カード『英雄騎士の再生術』を発動! 墓地の『英雄騎士』魔法カード1枚と『ロードナイト』モンスター1体を手札に加える。僕は『英雄騎士への覚醒』とリリアンを手札に加える」(遊太手札2→4)(遊太墓地12→11)
「スターをリリースして、アドバンス召喚! レベル6『ロードナイト・リリアン』! アドバンス召喚に成功した時、リリアンはデッキから『ロードナイト』を2体特殊召喚する! 僕はデッキより、『ロードナイト・ボルカ』と『ロードナイト・ルナ』を特殊召喚する!」(遊太手札4→3)(遊太墓地11→12)
「ボルカの特殊効果、特殊召喚に成功した時、相手モンスター1体を対象として、破壊できる! ヒエラルキアを破壊!」
「……自身の効果で特殊召喚された『トリアス・ヒエラルキア』は、除外される」(明石除外0→1)
「そしてその後、相手ライフに1000のダメージを与える!」
「おう」(明石ライフ7600→6600)
「更に、特殊召喚されたルナの効果。デッキから『英雄騎士』魔法・罠1枚を手札に加えられる。デッキから『英雄騎士の進撃』を手札に加える」(遊太手札3→4)
「手札から速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動! フィールドの炎属性のボルカをリリースして、特殊召喚! 現れろ、『イクスロードナイト・デューク』!」(遊太手札4→3)(遊太墓地12→14)
赤いマント、炎の形をした槍、紅の鎧。攻撃力2800の連続攻撃を持つ騎士が現れる。
「永続魔法兵力維持の効果で、デッキから炎属性の『ロードナイト・フレア』を手札に加える」(遊太手札3→4)
「バトルフェイズ! デュークで、『堕天使ディザイア』を攻撃! フレムベル・セイバー!」
「リバースカード・オープン! カウンター罠『攻撃の無力化』! 相手モンスターの攻撃を無効化して、バトルフェイズを終了させる!」
「くっ、でもメインフェイズ2で……」
「更に、カウンター罠が発動されたことで、俺のフィールドのモンスターを全てリリースすることで、手札のレベル8モンスター『裁きを下す者-ボルテニス』を特殊召喚する!」(明石手札1→0)(明石墓地11→14)
またしても現れた光の天使。攻撃力は2800。
「更に、自身の効果で特殊召喚されたボルテニスの効果発動。リリースしたモンスターの数まで、相手フィールドのカードを破壊する! デューク・永続魔法・リリアンを破壊する!」
「ぐぅっ! 攻撃モンスターまで……!」(遊太墓地14→17)
「リバースカードを1枚伏せて、ターンエンド……」(遊太手札4→3)
遊太
ライフポイント6000
手札枚数3枚
モンスター3体
『ロードナイト・ルナ』(守備表示・守備力1600・光属性・レベル4)
『ロードナイト・テラ』(守備表示・守備力1500・光属性・レベル4)
『堕天使ユコバック』(守備表示・守備力1000・闇属性・レベル3)
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数17枚
除外されているカード0枚
5・明石のターン
「俺のターン、ドロー!」(明石手札0→1)
「魔法カード『終わりの始まり』を発動! 墓地に闇属性モンスターが7体以上いる時、そのうちの5体を除外して3枚ドローする。悦楽・享楽・エデ・アーラエ・アスモディウス・ディザイアの5体を除外し、3枚ドローする!」(明石手札0→3)(明石墓地14→10)(明石除外1→6)
「『終わりの始まり』……!」
「せや、ここからが……お前の終わりの始まりなんやで。終焉はいつも静寂から始まるとは限らんのや」
「また出た、中二病……」
「やが、この3ドローは大きいで?」
「手札の『堕天使アムドゥシアス』の効果。手札のこのカードと『堕天使』カード1枚を捨てることで、墓地の『堕天使』カード1枚を手札に加える。手札のアムドゥシアスと罠カード『堕天使降臨』を墓地へ送り、墓地の『堕天使イシュタム』を手札に!」(明石墓地10→11)(明石手札3→2)
「イシュタムの効果、手札の『魅惑の堕天使』とこのカードを墓地へ送り、2枚ドロー!」(明石墓地11→13)
「……よし! 手札の魔法カード『堕天使の追放』を発動! デッキから『堕天使』カードを1枚手札に加える。よってデッキより『堕天使ルシフェル』を手札に加える」(明石墓地11→12)
「手札から魔法カード『堕天使の戒壇』を発動。墓地の『堕天使』を1体守備表示で特殊召喚する。墓地からスペルビアを特殊召喚し、効果発動。墓地から天使族モンスター1体を特殊召喚するでぇ!」(明石手札2→1)(明石墓地12→11)
「ここだ! 罠カード『英雄騎士の進軍』を発動! 自分フィールドの『ロードナイト』モンスターの数まで、相手フィールドのカードを破壊する! 今フィールドにいるのは2体! よってスペルビアとボルテニスを破壊する!」(遊太墓地17→18)
「じゃが、アムドゥシアスは特殊召喚されるで!」(明石墓地11→12)
「更にアムドゥシアスの効果。ライフを1000支払って、墓地の『堕天使』魔法・罠カードの効果を発動させる! 墓地の『堕天使の戒壇』を発動してスペルビアを特殊召喚する。実はこの効果、ターン1ついとらんのや。よって、もっかい墓地から『堕天使イシュタム』を特殊召喚するで!」(明石ライフ6600→5600)(歌詞墓地12→9)
「うぅっ……やっぱり厄介だ、その効果……!」
「ほな、行かせてもらうで? アムドゥシアスとスペルビア2体をリリースして、アドバンス召喚! いざ来たらん! 天より追放されし漆黒の天使の長! レベル11『堕天使ルシフェル』!」(明石手札1→0)(明石墓地9→11)
明石の切り札、堕天使の中で一番多い羽根を持つ攻撃力3000のモンスターが現れる。
「ルシフェルのモンスター効果。アドバンス召喚に成功した時、相手モンスターの数までデッキから『堕天使』を特殊召喚できる! 俺は『堕天使マスティマ』『堕天使ゼラート』『堕天使ネルガル』を攻撃表示で特殊召喚する!」
明石のフィールドに、高レベル・高攻撃力の『堕天使』達がそろう。5体のモンスターが並ぶ様は、圧巻の一言だった……!
これにはチーム遊太のメンツも驚かざるをえない。
「フィールドに『堕天使』が5体も……!」
「すげェ! 大型モンスターをこんなに……!?」
「これが、J4最強……という訳ですか?」
「なんて強さだ……こりゃあちょっとやべぇか?」
「ゆ、遊太サン!」
チーム遊太達は驚くが、チームJ4は黙って見ているだけであった。
「ルシフェルの効果、フィールドの『堕天使』の数までデッキの上からカードを墓地へ送り、その中にあった『堕天使』カードの数×500ポイントライフを回復する。今回フィールドにいるのは6体。よって6枚墓地へ送り……よし、あったのは4枚。ライフを2000回復!」(明石ライフ5600→7600)(明石墓地11→17)
「さて、ここで終わらせたるか。ネルガルが表側表示で存在する時、『堕天使』達は貫通効果を得る! 守備表示で逃げようとしても無駄や。行くでバトルフェイズ! ルシフェルで、ユコバックを攻撃! 天への叛逆の力は、味方さえも穿ち抜く! 漆黒の堕天衝撃!」
モンスター5体の攻撃。これにはチーム遊太のみんなも焦る。
「マズイ! 今『堕天使』は貫通効果を得ている! 故に、攻撃が全て通ればライフは尽きるぞ!」
「くっ……!」
「伏せカードも無い! これじゃあ……!」
誰もが敗北を予感した。だが、遊太は諦めない。
「自分の『ロードナイト』モンスターが戦闘を行う時、手札の『ロードナイト・ビート』の効果発動! このカードを手札から捨てて、自分が受けるダメージを1度だけ0にする!」(遊太手札2→1)(遊太墓地17→18)(明石墓地17→18)
ビートが身代わりになることによって、ダメージは防ぐ遊太。だが、これだけでは何の意味もない。
「ほぉ、防いだか。せやけど、第二第三の攻撃は避けられんやろ! ゼラートで、ルナを攻撃! 聖域への唾棄!」
「ぐぅっ!」(遊太ライフ6000→4800)(遊太墓地18→19)
「更に、マスティマでテラを攻撃! 神属なる牙!」
「ううっ!」(遊太ライフ4800→3700)(遊太墓地19→20)
「テラ、そのモンスターは破壊されたらデッキから『ロードナイト』を特殊召喚できる。さ、特殊召喚せぇや」
「……」
「なんや、発動せんの? なら、ここで終わらせてもらうわ。行くで? 『堕天使ネルガル』で、ダイレクトアタック! 漆黒への誘い!」
モンスターを出さない。そんなプレイミスとも言えるやり方には、外野のメンツも……。
「おい、諦めちまったのか!?」
「こんな……こんな終わり方……!」
だが、遊太は諦めてなどいなかった!
「手札の『ロードナイト・ガーディ』の効果発動! 相手が直接攻撃を宣言した時、手札のこのカードを特殊召喚して、バトルフェイズを終了させる!」(遊太手札1→0)
ガーディが四角いバリアを張って、バトルフェイズを終了させる。よって、攻撃は防がれてしまった。これによって、チーム遊太も一安心。
「なんだよ……わざとモンスター出さなかったのは、このためだったのか?」
「はぁ~……危なかった……」
「だが、ピンチはまだ続いている。相手には高レベル・攻撃力モンスターが5体もいる上に、あの『堕天使』モンスターは確か墓地から『堕天使』と名前がついた魔法・罠の効果をコピーできるんだろ? それが3体ってことは、実質3回妨害を構えられるってことだ。更に、ルシフェルの効果で他のカードも墓地へ送られているかもしれねえ。故に、このピンチを切り抜けるのは難しい」
「なんや、そんなんもあるんかい。けれど、そう簡単にはいかんで?」
「イシュタムの効果。墓地の『堕天使の追放』をデッキに戻し、効果をコピーしてデッキより『堕天使テスカトリポカ』を手札に。これでターンエンドや」(明石ライフ7600→6600)(明石墓地18→17)(明石手札0→1)
「しかも破壊耐性を与えるモンスターまで……こりゃあ本格的に負けが見え始めて来たぞ……!」
明石
ライフポイント6600
手札枚数1枚
モンスター5体
『堕天使ルシフェル』(攻撃表示・攻撃力3000・闇属性・レベル11)
『堕天使イシュタム』(攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル10)
『堕天使ゼラート』(攻撃表示・攻撃力2800・闇属性・レベル8)
『堕天使ネルガル』(攻撃表示・攻撃力2700・闇属性・レベル8)
『堕天使マスティマ』(攻撃表示・攻撃力2600・闇属性・レベル7)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数17枚
除外されているカード6枚
圧倒的な実力、そして完璧な盤面。J4最強の名は伊達ではなかった明石。これには先ほどまで口々に騒いでいたチーム遊太の面々も口をあんぐり開けて黙る。
逆にチームJ4のメンバーは、予想通りといった表情で明石を見つめる。
この絶望的な状況に、遊太は……。
「……フッ」
「なんや、負けを悟りでもしたか?」
「いや、なんか久々だな、この感覚って思ってね……ここまで圧倒的に制圧された状況を、どうやってひっくり返してやろうかって思うと、すっごくワクワクして楽しくなる!」
「へぇ、まだ諦めとらんのか。ま、そないやないとおもろないわ。なら、見せてみぃや。そこまで意気込んだ結果の、その先を!」
このやりとりを見て、チーム遊太の仲間達は正気を取り戻す。
「ああ、そうだった。コイツ、こんな状況でもデュエルを楽しむ、生粋のデュエルバカだってことに……」
「そうですよね。遊太君はここからが勝負強いのをすっかり忘れてました」
「そうだ、ここから本当の遊太のデュエルじゃん!」
「……俺に勝ってるクセに負けんな」
「遊太サン! 遊太サン!」
「遊太君!」
6・遊太のターン
(すごいよ……明石さん。今までの中では見たことのない、完璧で、強いデュエルタクティクス……! だけど、僕たちだって、負けられないんだ!)
(僕だって、今までのままじゃない。壁が立ち塞がったなら、そのたびにぶち壊して進んで行けば良いんだ! そのたびに、僕も進化していくんだ!)
(遊太……)
(あ、アルファ……なんかしばらく黙ってたけど、どうかした?)
(いや、これはお前のデュエルだったからな。私達が出る幕も無かったからな。だが、お前もまた、カラを破ろうとしているのだな。力を……貸そう)
(……ありがとう!)
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札0→1)
「僕は手札から、魔法カード『英雄騎士の兵力増強』を発動! 墓地の『ロードナイト』モンスター3体をデッキに戻し、2枚ドローする。だけど、このカードの発動時に手札が0枚だった時、デュエル中に1度だけ3枚ドローする! ボルカ・リリアン・ローズの3体をデッキに戻し、手札0のため、3枚ドロー!」(遊太墓地20→18)(遊太手札0→3)
「……よし、魔法カード『おろかな重葬』を発動! ライフを半分支払い、エクストラデッキからモンスター1体を墓地へ送る。僕はエクストラデッキから『イクスロードナイト・マグナ』を墓地へ! そしてこのターン、魔法・罠をセットできない!」(遊太ライフ3700→1850)(遊太墓地18→20)(遊太手札3→2)
(エクストラデッキから、モンスターを墓地へ……? 何をする気や?)
「魔法カード『英雄騎士融合』を発動! フィールド・墓地の『ロードナイト』モンスターを除外することにより『ロードナイト』融合モンスター1体を融合召喚する! 僕は墓地のマグナとディアナを除外することにより、僕はレベル10『イクスロードナイト・シャイニング・グレイ』を融合召喚する!」(遊太手札2→1)(遊太墓地18→17)(遊太除外0→2)
「なにぃ!? 『イクスロードナイト』を、更に融合するやって!? ……イシュタムの効果で、罠カード『背徳の堕天使』の効果を発動して、そのガーディを破壊するで~!」(明石ライフ6600→5600)(明石墓地17→16)
「さあ、現れろ……戦場を光で照らし、その正義の刃を振りかざせ!」
フィールドにまばゆい光が満ちる。そして、光の中より現れたのは、日輪の鎧と、光の剣を持つ騎士であった。攻撃力は3500。(遊太墓地17→18)
「なんたる……さっき墓地へ送ったのはコレのためかい」
「シャイニング・グレイ、効果発動! ライフを500支払い、相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力を全て0にする! そしてこの効果で攻撃力・守備力が0になったモンスターは効果を発動できない!」(遊太ライフ1850→1350)
「なら、ライフを1000支払い、イシュタムの効果発動! ライフを1000支払い、墓地の罠カード『神属の堕天使』の効果をコピーし、相手モンスターを無効化や!」(明石ライフ5600→4600)(明石墓地16→15)
「できないよ! シャイニング・グレイのモンスター効果、このモンスターが表側表示でいる時、僕の『ロードナイト』モンスターは戦闘・効果では破壊されず、相手の発動した効果を受けることはない! 更に、戦闘ダメージも0になる!」
「なんやて!?」
「攻めと守りを一度にこなす、太陽と月のモンスター! 攻撃力は0!」
「やろォ……」
「行くよ! バトルフェイズ! シャイニング・グレイで、ルシフェルを攻撃! サンストーム・ライトレイ!」
「ぐおおぉっ!」(明石ライフ4600→1100)(明石墓地15→16)
「さらに、破壊したモンスターの元々の攻撃力か守備力、高い方の数値分ライフを回復できる。よし! あとちょっとだ! ターンエンド!」(遊太ライフ1350→4350)
遊太
ライフポイント4350
手札枚数1枚
モンスター1体
『イクスロードナイト・シャイニング・グレイ』(攻撃表示・攻撃力3500・光属性・レベル10)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数18枚
除外されているカード2枚
まさかの『イクスロードナイト』同士の融合により、一気に状況をひっくり返した遊太に対して、歓喜に沸き返るチーム遊太達。
「アイツ……あんな隠し球用意していたって言うのかよ……!」
「防御と攻撃を、いっぺんに行えてしかも両方相手に大損害を与えられる……強力なモンスターデスね」
「強力な『イクスロードナイト』を2体合体させただけはあるな」
「しかも、あのモンスターを突破できる方法なんて、そうそうあるもんじゃないじゃん!」
先ほどまでとは打って変わり、歓喜に沸き返るチーム遊太。チームJ4は、黙ったままデュエルを注視している。
7・明石のターン
「俺のターン、ドロー!」(明石手札0→1)
(なんたるモンスター……発動した効果を受けず、ダメージも0になり破壊されないあのモンスターを突破するには……)
「明石君!」
「こんなとこで負けるなんて、お前らしくねーぞ! いつもみたくド派手にやりやがれ!」
「J4最強なら、せめて勝ちなさいかも~」
「みんな……俺かて仲間のタメに負けるわけにはいかんのや! ここで勝って、俺たちも奴らにリベンジするんや!」
「奴ら?」
「アメリカの奴らに、勝たないかんのや!」
(……ひょっとして、ラルセイが言ってたスター5のことなのかな……)
「魔法カード『貧欲な壺』を発動! 除外されているモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローする! 享楽、悦楽、エデ・アーラエ、アスモディウス、ディザイアの5体をデッキに戻し、2枚ドローや!」(明石手札1→2)(明石墓地16→17)(明石除外6→1)
(確か……1枚だけあんなモンスターに対抗できるカードがあったはずや! まだ引かんか! なら、これも……!)
「魔法カード『アドバンスドロー』を発動や! 自分フィールドのレベル8以上のモンスター1体をリリースし、デッキから2枚ドローする。レベル10のイシュタムをリリースして、2枚ドローや!」(明石手札2→3)(明石墓地17→19)
(……来た! コレなら……いけるで!)
「そのモンスター、確かに無敵とも言えるモンスターや……けどな、倒せないモンスターはおらん! どんなモンスターともいえど、倒す方法はあるってことや!」
「ええっ」
「魔法カード『痛み分け』を発動や! 自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動、これは相手に自分のモンスターを1体リリースしなければいけないルールを適用するんや」
「でも、シャイニング・グレイは相手の発動した効果を受けない」
「これはモンスターに対する効果やない、プレイヤーに対する効果や! つまり、プレイヤーに行動を強要する効果やから、いくら効果を受けないモンスターといえども、耐性をすり抜けられるんや!」
「そ、そんなっ、そんなやり方でシャイニング・グレイを……!」
「ゼラートをリリースし、リリースせいや。その超強力モンスターをな」(明石手札3→2)(明石墓地19→21)
「くっ……」(遊太墓地18→19)
「これで、邪魔なモンスターは消えた。行かしてもらうで!」
せっかく出された強力なモンスターをあっさり除去され、焦る遊太たち。
「すげぇやり方! あんな方法があったっていうのかよ!」
「結局、これだけじゃJ4を倒せないってことかよ……」
これには、J4もにっこりと微笑む。
「さて、行かしてもらうで。手札から、魔法カード『生け贄人形』発動や。フィールドのネルガルをリリースして、手札からレベル7のモンスター1体を特殊召喚や。手札のレベル7『アテナ』を特殊召喚や! ただし、攻撃は封じられるけどな」(明石手札2→0)(明石墓地21→23)
「でも、攻撃ができないなら……」
「なんや、何もメージを与えるんは攻撃だけやないんやで? 『アテナ』、モンスター効果発動や! フィールドの天使族モンスター1体を墓地へ送り、墓地の天使族1体を特殊召喚や! マスティマを墓地へ送り、スペルビアを特殊召喚!」
「そしてここで、『アテナ』の効果発動や! このカードが表側表示で存在する時、天使族が召喚・特殊召喚・反転召喚された時、相手に600のダメージを与える!」
「ええっ、こんな……! ぐわっ!」(遊太ライフ4350→3750)
「更に、スペルビアが墓地から特殊召喚された時、更に墓地から天使族を特殊召喚できるでぇ! テスカトリポカを特殊召喚! 更に、天使族が特殊召喚された時、相手に600ダメージ!」(明石墓地23→22)
「ターン制限無いの!?」(遊太ライフ3750→3150)
「更に、ライフを1000支払って、イシュタムの効果発動や! 墓地の『堕天使の戒壇』を発動! 墓地より『堕天使』を守備表示で特殊召喚や! アムドゥシアスを特殊召喚して、更に600のダメージ!」(明石ライフ1100→100)(明石墓地22→20)
「ううっ……」(遊太ライフ3150→2550)
「よし、これでフィニッシュラインにたどり着いたな。最早守り切れるものやあらへんで! バトルフェイズ! スペルビアで、ダイレクトアタック!」
「墓地の『ロードナイト・ビート』の効果発動。墓地からこのカードを除外することで、相手の攻撃を1回無効にする!」(遊太墓地18→17)(遊太除外2→3)
「悪あがきやな。さっきの『おろかな重葬』の効果で、魔法・罠はセットできないんやろ? 防御は手薄やで! 最後のダイレクトアタック! テスカトリポカで、ダイレクトアタック!」
もはや、守る術は無く万策尽きたかと思われた。チーム遊太のメンバー達はもうダメかと顔を覆う人間もいた。
だが、遊太はまだ諦めていなかった!
「手札の『ロードナイト・バスター』の効果発動! 相手の攻撃宣言時、このカードを手札から捨てて効果発動! デッキから1枚ドローし、それが『ロードナイト』モンスターだった時、攻撃してきたモンスターの攻撃力を0にする! 違った場合は……僕が1000のダメージを受けてドローしたカードは除外される!」
「なんやと……!? ここに来て、一か八かのギャンブルをするやて……!? 考えられんわ。こんな絶体絶命の状況において、こんな無茶苦茶な……!」
「無茶苦茶でも、ここで引かなきゃどっちみち負けだからね! 引いて……みせる!」
(……なんたる……ホント無茶苦茶や……こんなデュエル、見たことないわ。せやけど、ここで引くんか!? 故に、ヤツはここで勝って来たんか……? こんなデュエルを成立させてきたから、コイツはここまで勝って来たと言うんか!?)
(良いね、この緊張感。引けば勝利への道しるべを作り、引けなきゃ負ける! この独特の緊張感、これがデュエルの醍醐味だよね! みんなは悪いけど、正直言って今一番楽しいよ!)
ふと笑顔を見せる遊太。それを見たチーム遊太の面々。
「アイツ……こんな状況で笑ってやがるぜ……」
「いろんなことがあって忘れていたけど、遊太はデュエルが大好きだったんだよな。楽しんで行こう! って感じだよな!」
「これが、遊太君のデュエルなんですよね!」
「俺に勝ってるんだから、ここで引きやがれ」
チーム遊太の声援を受け、ついに遊太はドローする!
「ドロー!」
引いたカードは……『ロードナイト・ダーク』。『ロードナイト』モンスター! (遊太手札0→1)(遊太墓地17→18)
「「引いたっ!」」
「なっ……ここで、引くと言うんか!」
「これで、攻撃力は0!」
「やったー! これで大丈夫だ!」
「チクショウ、『生け贄人形』の効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン攻撃できない……や」
(チクショウ、『アテナ』の効果を生かす為に、ライフを使っちまったのが仇になっちまった……これじゃ墓地のカードをコピーする効果が使えん!)
(だが……ルシフェルの効果で墓地へ送ったあのカードなら……!)
「メインフェイズ2に入り、墓地に存在する『シャッフル・リボーン』を除外して効果発動や! 自分フィールドのカード1枚をデッキに戻し、デッキから1枚ドローする。エンドフェイズ、手札があれば1枚除外する。俺はアムドゥシアスをデッキに戻し、1枚ドロー!」(明石墓地20→19)(明石除外1→2)
(頼む、ええカード来てくれ!)
そして引いたカードは……! (明石手札0→1)
「……このカードは! 場にカードを1枚伏せて、ターン終了や!」(明石手札1→0)
明石
ライフポイント100
手札枚数0枚
モンスター3体
『アテナ』(攻撃表示・攻撃力2600・光属性・レベル7)
『堕天使テスカトリポカ』(攻撃表示・攻撃力0・闇属性・レベル9)
『堕天使スペルビア』(攻撃表示・攻撃力2900・闇属性・レベル8)
魔法・罠ゾーンのカード0枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数19枚
除外されているカード2枚
「よし、ついにここまで追い詰めた!」
「あの野郎、散々じらしやがって……!」
チーム遊太の面々が一斉に歓喜の瞬間を今か今かと待ち……。
「そんな、明石君が……負ける!?」
「まだ負けてねえよ。まだライフが100も残っているんだぜ!」
「明石君……」
チームJ4のメンツが、明石の敗北に信じられないといった表情を浮かべていた。
もはや勝利はすぐそこにある。だが、デュエルは一寸先は闇。勝利とは、相手が完全にライフが0になって初めて得られるものだからだ。
8・遊太のターン
「僕のターン、ドロー!」(遊太手札1→2)
(引いたカードは、魔法カード『英雄騎士の再生術』。これを使えば……!)
「悪いな、遊太。ここで俺は負けられん。チームのためにも、仲間のためにも、ここで負けて全員出られんようでは困るからな!」
「罠カード『ショック・ウェーブ』発動や! コイツは、自分のライフが相手より低いとき発動可能。フィールドのモンスター1体を破壊して、その攻撃力分のダメージをお互いに受ける! 俺はスペルビアを破壊して、攻撃力2900のダメージを互いに受ける!」
「えっ!?」
ドカンとモンスターが爆発し、互いに2900のダメージを受けた。これにより、ライフが同時に0となり引き分けとなった……。
「……これでも負けられん」(明石ライフ100→0)
「そんな……」(遊太ライフ2550→0)
「引き分け……!?」
両チーム唖然とする、まさかまさかのチーム戦引き分けによって。
「ウソだろ~!? この場合どうなるの!?」
これには主催者側も黙っていられず、すぐさまアオイとヒカリが駆けつける。
「おぉ~っと!? なんとチームJ4とチーム遊太、2勝2敗1分けの引き分け~!」
「これには主催者側も困惑中です~。ただいま審判団が裁定を決めかねています~」
長い長い協議。これにはチームとしても非常に嫌な予感を醸し出していた。
「まさかとは思うが、もう一回チーム戦やるんじゃないよな……?」
「それとも、じゃんけんで……?」
不安だった。どうなるのか。
そして、協議の末出された結果は……。
「審判団の協議の末、出された結論は……」
「両チーム、最終予選に出場です!」
その言葉に、おーっと会場が沸き返る。
そして遊太たちも……。
「よかったぁ~っ。これでダメだったら、もうどうなることかと……」
「決着は、最終予選か本戦にお預けっちゅー訳やな。おい、遊太!」
「あ、はい。明石さん?」
「次に相手するときは、絶対にこっちが勝っちゃるからな~!」
その言葉を言い残し波乱のチームデュエルは終わった……。だが、遊太達には最終予選が待っている。
ここで勝ち、本戦へと歩みを進めるのはチーム遊太のメンバーは……!?
第九十四話。終わり。
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127 | プロローグ「出会いは突然に」 | 1896 | 3 | 2018-01-27 | - | |
176 | 第一話「六道遊太、デュエルと出会う」 | 1533 | 1 | 2018-01-28 | - | |
101 | 第二話「六道遊太、デュエルスタンバイ!」 | 1411 | 3 | 2018-01-30 | - | |
147 | 第三話「ロードナイトVSC・HERO」 | 1231 | 1 | 2018-02-05 | - | |
83 | 第四話「大会にて」 | 1022 | 1 | 2018-02-11 | - | |
136 | 第五話「カリンとカードの精霊の話」 | 1139 | 1 | 2018-02-14 | - | |
124 | 第六話「戦いの幕開け」 | 1045 | 1 | 2018-02-18 | - | |
220 | 第七話「大鴉の特訓」 | 1136 | 1 | 2018-02-22 | - | |
89 | 第八話「知多泉、デュエルスタンバイ!」 | 1001 | 0 | 2018-02-25 | - | |
183 | 第九話「儀式降臨のサフィラ」 | 1058 | 0 | 2018-03-02 | - | |
96 | 第十話「驚きの予選会」 | 1163 | 1 | 2018-03-05 | - | |
84 | 第十一話「ペンデュラムと、英雄騎士達」 | 1197 | 2 | 2018-03-10 | - | |
94 | 第十二話「プラクサス大会スタート!」 | 1063 | 0 | 2018-03-13 | - | |
156 | 第十三話「恐怖のロックバーン」 | 1159 | 2 | 2018-03-17 | - | |
175 | 第十四話「カリンとサフィラ」 | 1030 | 0 | 2018-03-24 | - | |
155 | 第十五話「アキラ君の思い」 | 1184 | 2 | 2018-03-29 | - | |
77 | 第十六話「楽しむ心、やるべき心」 | 972 | 2 | 2018-04-03 | - | |
86 | 第十七話「本戦開始!」 | 964 | 0 | 2018-04-06 | - | |
143 | 第十八話「知多と遊太」 | 981 | 0 | 2018-04-13 | - | |
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148 | 第二十話「僕のヒーローは」 | 1044 | 0 | 2018-04-21 | - | |
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138 | 第二十二話「菊姫の切り札」 | 984 | 2 | 2018-04-29 | - | |
107 | 第二十三話「覚醒を封じられた先に……!」 | 1000 | 2 | 2018-05-09 | - | |
146 | 第二十四話「プラクサス大会、決勝戦!」 | 1028 | 0 | 2018-05-12 | - | |
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134 | 第三十五話「GAME START」 | 945 | 0 | 2018-07-22 | - | |
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100 | 第三十八話「実力勝負!」 | 943 | 0 | 2018-08-12 | - | |
138 | 第三十九話「エンジョイデュエル!」 | 1045 | 0 | 2018-08-23 | - | |
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70 | 第八十八話「タッグメイクデュエル④」 | 588 | 0 | 2021-05-04 | - | |
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