第98話　ゼツボウからの勝利　作：ター坊

先攻:明智

「拙者の番。拙者は『亡霊武者ウラミ』を召喚。札を伏せ終いとしましょう」
落武者のようなモンスター…。攻撃力はたったの500しかない。どんな戦法を？
「俺のターン、ドロー。『勇気の救世者 シグナム』を召喚。コイントス判定」

ﾁﾘｰﾝ…表！

「これで『亡霊武者ウラミ』を破壊」
シグナムの斬撃の衝撃波が亡霊をかき消す。無抵抗のまま倒されたことに違和感を感じずにはいられなかったが、何もないなら攻めるまでだ。
「バトル。シグナムでダイレクトアタック」
「罠札発動『亡霊招集』。これにより墓地のウラミを選び、山札から別のウラミを二体特殊召喚します」
人魂のようなものが明智のデッキから浮かび上がり、新たなウラミが出てきた。
「ならば、そのウラミに攻撃だ」

勇気の救世者 シグナム ATK 1800 VS 亡霊武者ウラミ ATK 500

「っ！」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
「そちらの番が終わった時、ウラミ達の効果発動。墓地に送られたウラミを特殊召喚します」
破壊されたはずのウラミ達が地面から這い出てくる。
「何！？」

ユイ:LP 8000
明智影政:LP 6700

「拙者の番。札を引き、拙者は『亡霊武者ノロイ』を召喚」
新たな落武者が召喚される。
「戦闘。ウラミ達は相手の場に式霊がいても直接攻撃できます。お行きなさい」
落武者達はシグナムをすり抜け俺に斬りかかる。
「ぬお！？」

亡霊武者ウラミ ATK 500 ×3　直接攻撃

「さらにノロイでシグナムを攻撃」

亡霊武者ノロイ ATK 1000 VS 勇気の救世者 シグナム ATK 1800

「自爆特攻だと？」
「これによりノロイの効果発動」
突如シグナムは苦しみだし、破壊されてしまった。
「これは！？」
「ノロイは戦闘によって破壊された場合、その破壊した式霊を道連れにし、その攻撃力の半分の痛みを与えますよ」
黒い霧のようなものが俺を包み、ライフが削られる。
「拙者は再び札を一枚伏せて終いとするが、ノロイもウラミと同様に蘇ります」
先程自爆特攻したノロイが復活する。
「何度でも蘇る亡霊達…。厄介この上ないな」

ユイ:LP 5600
明智影政:LP 5900

「俺のターン、ドロー。『奏笛の救世者 アルル』を召喚し、コイントス判定」

ﾁﾘｰﾝ…裏！

「これで手札からチューナーモンスター『金管の救世者 シエラ』を召喚。再びコイントス判定」

ﾁﾘｰﾝ…表！

「これでデッキから『輝翼の救世者 プラチナ･フェザー』を手札に加える。そしてレベル4のアルルとレベル4のシエラでチューニング！天に輝く星となった魂よ。今こそ運命の歯車を司る聖竜を起動させよ！シンクロ召喚！『運命の救世者 ギア･デスティニー･ドラゴン』！バトル！さらに、ダメージステップ時、手札からプラチナ･フェザーを墓地に送り、攻撃力を1000アップ！」

運命の救世者 ギア･デスティニー･ドラゴン ATK 3900 VS 亡霊武者ウラミ ATK 500

これで戦闘ダメージは3400。ギア･デスティニー･ドラゴンの効果でさらに効果ダメージ3400で俺の勝ちが確定する。
「拙者は罠札『因果応報』を発動。これにより戦闘による損傷を半分にし、その半分を相手に与える」
「くっ！だが、半分になっても戦闘ダメージだ！バトルフェイズ終了時、ギア･デスティニー･ドラゴンの効果で1700ダメージを食らえ！」
「ふっふ。やはり見込み通りですか…」
「ん？なんのことだ？」
「さぁ？勝てたらお答えしましょう」
「俺はこのままターンエンドだ」

ユイ:LP 3900
明智影政:LP 2500

「拙者の番。拙者は手札より魔法『怨念集合』を発動！これにより手札の『亡霊武者ネタミ』と『亡霊武者ミジメ』を素材に融合召喚を行う」
「柴田がシンクロなら、こいつは融合か！」
「戦場に漂う負の魂よ。今こそ生きとし生きる者に絶望を与えよ。融合召喚。『亡霊将軍ゼツボウ』」
禍々しいオーラを放つ黒い甲冑の武将が現れる。
「ただし、この式霊を融合召喚した番に戦闘は行えない。拙者はこのまま番を終えましょう」
なんだ？不気味な静けさが場を威圧する。
「俺のターン、ドロー。何かあるだろうが俺は戦うだけだ！バトル！ギア･デスティニー･ドラゴンでウラミを攻撃する！」
「この瞬間、ゼツボウの効果を発動。この式霊以外が攻撃対象に選択された場合、ゼツボウに移し変える」
「なっ！」

運命の救世者 ギア･デスティニー･ドラゴン ATK 2900 VS 亡霊将軍ゼツボウ DEF 0

「ゼツボウは戦闘及び効果では破壊されません」
「これでは攻撃が通らない…」
「いいえ。それだけではありませんよ？ゼツボウの更なる効果。この式霊を攻撃した決闘者は戦闘終了後…手札を全て墓地に送っていただきます」
「…俺はこのままターンエンド」

「そんな…ユイ様の手札が…」
「やはり織田四天王…。強い！」
「又左衛門殿。しかしユイ殿の目はまだ諦めておりませんぞ」

「拙者の番。ウラミ達で直接攻撃」

亡霊武者ウラミ ATK 500 ×3　直接攻撃

「続けてノロイでその竜を攻撃」

亡霊武者ノロイ ATK 1000 VS 運命の救世者 ギア･デスティニー･ドラゴン ATK 2900

「ノロイが破壊されたことで竜を破壊し、半分の痛みを。これで拙者の番は終い。そしてノロイはこの時、復活する」

ユイ:LP 950
明智影政:LP 600

「俺のターン、ドロー。……」
「どうしました？苦し紛れの笑みですか？」
「いや。俺ってば感情が顔に出やすいからな。これは勝てると思った顔だ」
「何？」(勝ちを確信している？手札は今引いた一枚のみ。そして最初の番から伏せてあり、今まで発動されなかった札…。二枚のみでこの布陣を崩す気でいるのか？)
「まずは1枚目。リバースカード『救世の継承』を発動。これでアルルを指定し、デッキから『礼弦の救世者 アリア』を手札に加える。そして2枚目。ペンデュラムスケールに『赤薔薇の救世者 ラブリ』をセッティング！」
「しかし、一枚のみでは偏出湯羅武召喚は不可能…」
「俺の狙いはペンデュラム召喚じゃないさ。俺はさっき加えたアリアを召喚！これにより、コイントス判定を行う際、800LP支払ってラブリのP効果発動。裏の効果を適用し、デッキから『慈愛の救世者 ココロナ』を特殊召喚。俺はこの2体でオーバーレイ！闇を切り裂く刃よ！今こそ正義の光を宿し、希望をもたらせ！エクシーズ召喚！ランク4！『闘魂の救世者 ダイブレード』！」
「お忘れですか？無敵のゼツボウがいる限り、拙者の式霊に攻撃は届きませんよ？」
「いや。これで仕上げだ。墓地に存在する『救世の十字架』を除外し、効果発動。これで『亡霊将軍ゼツボウ』の効果を無効にする！」
「なっ！一体いつの間に…。…まさか！」
「その通り。前のターン、ゼツボウの効果で手札を全て墓地に送られた時、その中に『救世の十字架』があったのさ！」
「まさかゼツボウの効果が仇になるとは…！」
「これでThe ENDだ。行け、ダイブレード！闘･魂･斬！！」

闘魂の救世者 ダイブレード ATK 2600 VS 亡霊武者ウラミ ATK 500

「やはりこの男は…」