第43話　激闘！水属性大戦　作：ター坊

~謎の逃亡者サイド~

「ここならひとまず休めますわ」
「えぇ。…それにしても兄さんと凌牙くん、大丈夫かしら…」
「あら？心配いりませんわ。凌牙ですもの。それに吹雪さんもお強いですし」
私は見かけた学校の体育館倉庫に逃げ込んだ。

こんなことになったのは2日前くらいでしょうか？私と凌牙は突然鳴った大きな雷に巻き込まれ、気付いたら見たこともない街にいました。そこで黒タイツの集団にデュエルを挑まれ、追われる羽目になりました。
「…そうよね。兄さんなら簡単には負けないわね」
こうした中で会ったのはこちらの天上院明日香さんです。彼には吹雪さんというお兄さんがいて、初めてデュエルしたとき、とてもお強い方でした。けれど昨晩、黒タイツの集団が大挙して押し寄せ、凌牙と吹雪さんは私と明日香さんを逃がすために、足止め役としてその場に留まりました。
「それに負けたら、私が承知しませんわ」
「ふふ…。厳しいのね」
私と明日香さんが談笑していると

バンッ！

突然倉庫の扉が破られました。しかしそこには見慣れた姿が
「…！凌牙？」
「…見つけたぜ」
「凌牙？」
いいえ、凌牙に似た、何者かがいました。
「あなたは凌牙ではないわね！どこの誰なのか答えなさい！？」
「ハハ ハ…。何を言ってる璃緒？俺は俺ダゾ？」
目付きが違う。まるで獲物を見つけたような野獣の眼をしている。
「もういいわ…。アンタ、凍らすよ」
「おうおう！活きのいい獲物じゃのぅ！」
なっ！もう一人いる！？
「璃緒さん。ここは一緒にデュエルしましょう」
「タッグデュエルですか…。乗りましたわ！」
「はっはー。活きのいい獲物、この梶木漁太が仕留めるぜよ！」
「デュエル！」


先攻:明日香

「私のターン！私は『コールド･エンチャンター』を召喚。さらに効果で自身にアイスカウンターを１つ乗せるわ。これで攻撃力は1900にアップする。さらにフィールド魔法『白銀の湖上舞台(スノーワールド)』を発動！これでフィールド上のアイスカウンター1つにつき、水属性モンスターの攻撃力は200アップするわ！カードを1枚伏せて、ターン終了」
「俺のターンじゃい！俺は手札から『マッハ･マグロ』を特殊召喚！こいつは相手のフィールド上にのみモンスターが存在する場合、特殊召喚できるんじゃい！こいつを生け贄(エサ)に『半魚獣 フィッシャー･ビースト』を召喚！バトルじゃい！」
「な！相手も水属性なの！？罠発動！『ブリザード･アウト』！これでフィッシャー･ビーストの攻撃を無効にし、フィールド上のモンスター全てにアイスカウンターを１つ乗せるわ」
「ナイスですわ、明日香さん」
「ちぃ！俺はこれでターンエンドじゃ！」
「私のターン！私は『ブリザード･ファルコン』を召喚し、効果発動！このカードの攻撃力が元々の数値より上がっていれば相手に1500ダメージを与えます！」
「ぐわぁあ！」
「さらに手札から『スノー･イーグル』を特殊召喚！このカードは自分フィールド上に水属性･鳥獣族モンスターがいる場合、特殊召喚できます！私は『ブリザード･ファルコン』と『スノー･イーグル』でオーバーレイ！2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！エクシーズ召喚！『No.103 神葬零嬢 ラグナ･ゼロ』！ラグナ･ゼロの効果発動！オーバーレイユニットを１つ消費し、攻撃力が変化しているモンスターを破壊します！凍りなさい！フィッシャー･ビースト」
「俺のモンスターがぁ！」
「さらに1枚ドロー！バトル！明日香さん、借りますわよ！」

No.103 神葬零嬢 ラグナ･ゼロ ATK 2600 +コールド･エンチャンター ATK 2600　直接攻撃

「くっ！」
「私はこれでターンエンド！」
「おおっと！まだじゃい！『マッハ･マグロ』を生け贄に召喚されたモンスターが墓地に送られたターンの終了時、デッキから仲間を呼べるんじゃい！来い！『マッハ･マグロ』！」

璃緒･明日香 :LP 8000
凌牙･梶木:LP 1300

「俺のターン！俺は速攻魔法『サイクロン』で『白銀の湖上舞台』を破壊！まずは『セイバー･シャーク』召喚！さらに召喚成功時、手札から『シャーク･サッカー』を特殊召喚！『セイバー･シャーク』の効果で『シャーク･サッカー』のレベルを1上げる。俺はこの2体でオーバーレイ！エクシーズ召喚！現れろ！満たされぬ魂を乗せた方舟よ。光届かぬ深淵より浮上せよ！『No.101 S・H・Ark Knight』！効果発動！オーバーレイユニットを2つ消費し、ラグナ･ゼロをオーバーレイユニットにする！さらに魔法カード『浮上』で梶木の墓地から『マッハ･マグロ』を特殊召喚！『マッハ･マグロ』2体でオーバーレイ！『キャット･シャーク』！バトル！『キャット･シャーク』効果でオーバーレイユニットを１つ消費し、攻撃力を倍にする！」

No.101 S・H・Ark Knight ATK 4200 VS コールド･エンチャンター ATK 2200

「うぅっ！」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

璃緒･明日香:LP 6000
凌牙･梶木:LP 1300

「私のターン、ドロー！…モンスターをセットしてターンエンド…」
「どうしたんじゃい！俺のターン！ドロー！…決めるぜよ」
「え？」
「俺は『キャット･シャーク』の効果でオーバー…なんちゃらを取り除いてArk Knight の攻撃力を倍にする！さらに『キャット･シャーク』を生け贄に、降臨せよ海の荒神！『海竜皇神(リヴァイペラー)』！こいつの召喚に成功した時、フィールド上の水属性モンスター以外のカードはすべて消え失せるんじゃ！」
巨大な波がフィールドを洗い流す。
「トドメじゃい！」

海竜皇神 ATK 2800 + No.101 S･H･Ark Knight ATK 4200　直接攻撃

「さぁ。てめぇらの負けだ」
「観念せぇ！」
負けた私達ににじり寄ってくる。正気ではない眼だ。何をされるか分からない。もうダメだと思った…。
「あ！璃緒さーん！大丈夫ですかー！…あれ？シャークも？」
「あれはシニョーラ･明日香ナノーネ！」
「てめぇ！何やってんだよ！」
小鳥さん？もしかして助けに…？私達はまだ諦めるのは早いようです。