第134話　黒と白の邂逅　絆を取り戻せ！　作：ター坊

~遊星サイド~

俺はマスターDによって操られたとはいえ、アキとアポリアに酷いことをしてしまった…。だからこそ、彼にも同じ悲しみを与えるわけにはいかない！
「遊馬！俺とデュエルしろ！お前にも仲間との絆があったハズだ！」
「受けて立つぜ！よくもマスターDを裏切ったな！」
「俺が取り戻してみせる！！」
「デュエル！」


先攻:遊馬

「俺のターン！俺は『ゴブリン･ドバーグ』を召喚！コイツの効果で手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる！来い、『ゴゴゴゴーレム』！！」
同じレベルのモンスターが２体…。まさか！
「俺は『ゴブリン･ドバーグ』と『ゴゴゴゴーレム』でオーバーレイ！２体のレベル4モンスターでオーバーレイネットワークを構築！現れろ！『No.39希望皇ホープ』！！」
「やはり、エクシーズ召喚！」
「俺はカードを１枚セットしてターンエンド！」
「俺のターン、ドロー！俺は手札から『ボルト･ヘッジホッグ』を捨てチューナーモンスター『クイック･シンクロン』を特殊召喚！さらに墓地の『ボルト･ヘッジホッグ』は俺のフィールドにチューナーモンスターが存在する場合、墓地から特殊召喚できる！」
「でもレベルはバラバラ…」
「俺はレベル2の『ボルト･ヘッジホッグ』にレベル5の『クイック･シンクロン』をチューニング！集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く！光さす道となれ！シンクロ召喚！いでよ、『ジャンク･アーチャー』！」
「し、シンクロ召喚？」
「俺は『ジャンク･アーチャー』の効果発動！1ターンに１度、相手のモンスター１体をターン終了時まで除外できる！放て、ディメンジョン･シュート！」
「な！ホープが！」
ユイや、他の人達と共に過ごしていたアキとクロウ、龍可、アポリアからエクシーズモンスターのことを聞かされていた。モンスターの下に重ねられるオーバーレイユニットと呼ばれるものこそエクシーズモンスターの真価を発揮させると。
「フィールドから離れたことでオーバーレイユニットも消滅する」
「くっ…！」
「さらに俺は『シンクロン･エクスプローラー』を召喚し、墓地から『クイック･シンクロン』を特殊召喚！俺は再びレベル2の『シンクロン･エクスプローラー』とレベル5の『クイック･シンクロン』でチューニング！集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ！シンクロ召喚！燃え上がれ、『ニトロ･ウォリアー』！」
「えー！？レベル7のモンスターが一気に2体も…」
「バトルだ！まずは『ジャンク･アーチャー』でダイレクトアタック！」
「罠カード『ダメージ･ダイエット』を発動！これでこのターン受けるダメージは全て半分になる！くっ！」
それでも2550のダメージはかなり削った方だろう。
「簡単には通してくれないか。俺はカードを１枚セットしてターンエンド。そして遊馬のフィールドにホープが戻ってくるが、オーバーレイユニットはない」
これで恐らくホープの効果を無力化できた。俺が伏せたカードは『くず鉄のかかし』。次のターン、遊馬が返しのターンに攻撃しても『ジャンク･アーチャー』が破壊されることはない。
「くっそー！どうしたらいいんだ…」

遊馬:LP 5450
遊星:LP 8000

「俺のターン、ドロー！」
ﾌﾞﾜｧ
「うっ！」
「遊馬？」
どうしたんだ。何か震えているような…。いや、この感覚は…ダークシグナーの時のような嫌な悪寒を感じる。…まさか！
「俺は『RUM-フォビドゥン･フォース』を発動スル！これでホープのランクを倍にランクアップさせる！希望皇ホープでオーバーレイネットワークを再構築。闇の力よ。希望を飲み込み生きとし生きるものに絶望を与えよ。現れろ！『Ｄ(ダークネス)No.39絶望皇ディスパイア』！！」
「何！？このモンスターは」
先程のホープを赤黒く染め上げたようなモンスターだがこの威圧感、今までにない戦慄。ただのモンスターではない。
「ディスパイアの効果発動！1ターンに１度、相手フィールド上のモンスター全てを破壊する！必滅のディスパイア･スラッシュ！」
「何！俺のモンスター達が…！」
ディスパイアが作り出した黒い巨大な剣の一閃が俺のモンスターを全滅させる。
「そして次の俺のターン終了時まで通常の攻撃に加えてこの効果で破壊したモンスターの数だけ追加攻撃を得る！」
「なんだと！？」
「行け！絶望皇の攻撃！」
「そうはさせない！リバースカードオープン『くず鉄のかかし』！これで攻撃を無効にする」
「まだ攻撃は残っている！絶望のクロス･スラッシュ！」

DNo.39絶望皇ディスパイア ATK 3400 ×2

「ぐあっ！」
LPが一気に…！
「俺はこれでターンエンド！」

遊馬:LP 5450
遊星:LP 1200

「俺のターン、ドロー！俺はモンスターをセットしてターンエンド」
「俺のターン、ドロー。ディスパイアがいる限り俺は他のモンスターを召喚、特殊召喚できないけど、コイツ１体で充分だ！バトル！」

DNo.39絶望皇ディスパイア ATK 3300 VS シールド･ウィング DEF 900

「『シールド･ウィング』は1ターンに２度まで戦闘では破壊されない」
「もう１度攻撃しても破壊できなくて、３回目はさっきの『くず鉄のかかし』で防がれちまう…。俺はこれでターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー！…俺はカードを伏せてターンエンド」
このカードに賭けるしかない。
「俺のターン、ドロー！ディスパイアの効果発動！相手フィールド上のモンスターを全て破壊！」
『シールド･ウィング』の壁が突破された以上…もう。
「ディスパイアは次の俺のターン終了時まで２回攻撃できる！これでもう防げない！行け！ディスパイア！！」
「『くず鉄のかかし』！」
「ならば」
「攻撃宣言時前に罠カード『活路への希望』を発動！ライフ差が3000以上ある場合、1000ライフ支払うことでライフ差2000につき1枚ドローできる俺のライフは残り200。よって差は5250のため２枚ドローできる！」
頼む。俺のデッキよ。応えてくれ。
「ドロー！」
「ディスパイアの２回目の攻撃！今度こそ…俺は！」
「手札から『速攻のかかし』を捨てることで攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる」
「くそっ！俺はこれでターンエンド」

遊馬:LP 5450
遊星:LP 200

「俺のターン…」
「諦めろよ！なんで諦めないんだよ！」
トドメをさせるハズの相手をなかなか仕留められず、遊馬は苛立ちを隠せない様子だった。しかし俺の手札に存在するカードの中に逆転出来そうなカードはない。全てはこのドローに懸かっている。
「おい！遊星！」
後ろから叫び声がした。その声の主は
「ゴーシュ？」
「頼むぜ！遊星！遊馬に勝ってくれ！」
「遊星さん！お願いします！凌牙や小鳥さんのためにも遊馬を取り戻してください！」
ゴーシュ、璃緒…。
「遊馬。聴こえるか？お前に戻ってきて欲しいと願っている、お前の仲間の声が」
「知らねぇよ！俺はお前に勝ってマスターDの力になるんだ！」
「俺が目を覚まさせてやる！」
デッキよ。俺だけでなく遊馬の仲間の想いにも応えてくれ。
「ドロー！！」
これは！？

感じる…。赤き竜…。お前も力を貸してくれるのか？

「…行くぞ！俺はチューナーモンスター『デブリ･ドラゴン』を召喚！このカードの召喚成功時、墓地から攻撃力500以下のモンスターを特殊召喚できる。蘇れ『シールド･ウィング』！さらに墓地からのモンスターの特殊召喚に成功したことで手札から『ドッペル･ウォリアー』を特殊召喚！俺はレベル2の『シールド･ウィング』と『ドッペル･ウォリアー』にレベル4の『デブリ･ドラゴン』をチューニング！集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ！シンクロ召喚！飛翔せよ、『スターダスト･ドラゴン』！」
「そんなモンスターがなんだよ！」
「『ドッペル･ウォリアー』がシンクロ素材として墓地に送られたことでドッペルトークンが２体特殊召喚される。そして魔法カード『ワン･フォー･ワン』を発動！手札からモンスターを捨てることでデッキからレベル1のモンスターを特殊召喚する。来い！『救世竜セイヴァー･ドラゴン』！」
「そんなドラゴンが何なんだよ！」
「遊馬！今こそお前を取り戻してみせる！俺はレベル1のドッペルトークンとレベル8の『スターダスト･ドラゴン』にレベル1のセイヴァー･ドラゴンをチューニング！集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ！シンクロ召喚！光来せよ、『セイヴァー･スター･ドラゴン』！」
「なんだ！？このモンスターは！…けど、攻撃力が高くたって無駄だ！ディスパイアは相手モンスターの攻撃宣言時オーバレイユニットを1つ使うことでその攻撃モンスターを破壊してその攻撃力の倍のダメージを相手に跳ね返す効果がある！」
「それはどうかな？」
「何！」
「俺は『セイヴァー･スター･ドラゴン』の効果発動！相手モンスター１体の効果を無効にできる。サプリメイション･ドレイン！」
「これじゃあディスパイアの効果が…！」
「まだある！さらに無効にした効果を１度だけ使用できる！ディスパイアの効果、必滅のディスパイア･スラッシュをな！」
「なんだって！？」
「砕け散れ！絶望皇！」
『セイヴァー･スター･ドラゴン』の翼から放たれる光の翼の一閃が絶望皇を切り裂く。
「なっ…ああぁぁ…」
「そして破壊したモンスターの数だけ追加攻撃を得る！行け！シューティング･ブラスター･ソニック！！」

セイヴァー･スター･ドラゴン ATK 3800 ×2

「グアアァァ！！！」