第146話　諦めない眼　作：ター坊

~Ⅲサイド~

闇に貪られるという恐怖の中で始まったバクラと言う男とのデュエル。こんな危険なデュエル、遊馬達にさせるわけにはいかない！しかし戦況は…

クロウ:LP 3850　手札１枚
Ⅲ:LP 5800　手札3枚
バクラ:LP 6600　手札２枚

バクラのフィールドには強力な耐性を得ている『闇の支配者-ゾーク』と『ダーク･ネクロフィア』の効果で奪われたクロウの『BF-アーマード･ウィング』がいる。次はクロウのターンだけど…。

「俺のターン、ドロー！俺は魔法カード『黒い旋風』を発動！そして『BF-極北のブリザード』を召喚してまずは『黒い旋風』の効果でデッキから東雲のコチを手札に加え、極北のブリザードの効果で墓地から精鋭のゼピュロスを特殊召喚！俺はレベル４の精鋭のゼピュロスにレベル２の極北のブリザードをチューニング！シンクロ召喚！『BF-星影のノートゥング』！ノートゥングが特殊召喚に成功したことで効果を使わせてもらうぜ！ホーミングソード！」
クロウの召喚した鳥の剣士の剣は不思議な軌跡を描きながらバクラとゾークを切り裂く。
「何！？」
「ノートゥングの効果は対象に取らねぇ効果、つまりゾークにも通用するってことだ！バトル！」

BF-星影のノートゥング ATK 2400 VS 闇の支配者-ゾーク ATK 1900

「俺はこれでターンエンドだ！」

クロウ:LP 3850
Ⅲ:LP 5800
バクラ:LP 5300

「僕のターン、ドロー！」
クロウがゾークを倒したんだ！僕も。
「Ⅲ！」
「クロウ？」
「俺のモンスターだけどよ、遠慮は要らねぇぜ！」
「うん！この勝負、僕達は勝たなきゃいけない！僕のフィールドにモンスターがいないため手札から『先史遺産クリスタル･ボーン』を特殊召喚！この方法での特殊召喚に成功したことで墓地からクリスタル･スカルを特殊召喚！さらに墓地のネブラ･ディスクは僕のフィールドに先史遺産モンスターがいることで特殊召喚できる」
「やるじゃねぇかⅢ！」
「そして『先史遺産カブレラの投石機』を召喚して効果発動！クリスタル･ボーンをリリースしてアーマード･ウィングの攻撃力を０にする！」
「だが、テメェの相方のモンスターは確か戦闘では無敵じゃなかったか？」
「僕の狙いはそうじゃない。僕はカブレラの投石機とネブラ･ディスクでオーバーレイ！レベル４の先史遺産モンスター２体でオーバーレイネットワークを構築！エクシーズ召喚！『No.36先史遺産-超機関フォーク=ヒューク』！フォーク=ヒュークの効果発動！クリスタル･スカルをリリースして攻撃力が変化しているモンスターを破壊する！」
「何！？」
「これで君のフィールドはがら空きだ！フォーク=ヒュークでダイレクトアタック！」

No.36先史遺産-超機関フォーク=ヒューク ATK 2000　直接攻撃

「ぐぁっ！今のは効いたぜ…」
「僕はこれでターンエンドだ」

クロウ:LP 3850
Ⅲ:LP 5800
バクラ:LP 3300

フォーク=ヒュークにはオーバーレイユニットを１つ使うことでいつでも相手モンスターの攻撃力を０にする効果がある。どんなに攻撃力が高いモンスターが出てきたとしても耐えられる。
「俺様のターン、ドロー！…ヘッヘッヘ…」
「気でもおかしくしたか？」
「ああ。テメェらがどんな風に顔を歪めるか楽しみで仕方ないね」
「なんだって？」
「俺様は墓地に眠るゾークを除外してコイツを出させてもらうぜ」
そうバクラが宣言すると地面から倒したハズのゾークが這い出てきて姿を変えていく。
「これは…」
「これがゾークの最終形態、『ラスト･ゾーク』だ！」
ゾークは全身が骨格に覆われた四つん這いの不気味な姿に形を変えた。
「『ラスト･ゾーク』の特殊召喚に成功したことで俺様のライフは４０００回復するぜ」
「そんな…」
「そして『ラスト･ゾーク』の効果発動。ゾーク･インフェルノ！」
『ラスト･ゾーク』は何かの体勢を取ると胸から目玉のようなものが露出する。
「ゾーク･インフェルノには相手フィールドのモンスターを全て破壊して相手に破壊したモンスターの攻撃力の合計の半分のダメージを与えるぜぇ」
まずい！そんな大ダメージを受けた上にダイレクトアタックを許したら！
「僕はフォーク=ヒュークの効果発動！オーバーレイユニットを１つ使うことで相手フィールドのモンスターの攻撃力を０にする！」
「おっと、良いのかな？」
「え？うっ！」
急に胸が！
「ゾークのもう１つの効果。相手が魔法･罠･モンスターの効果を発動する度に５００ダメージを与えるぜ」
「なん、だって？」
「消し飛びな！」
『ラスト･ゾーク』の胸部から強烈な光が放たれ僕らのフィールドを一掃する。
「ぬああぁぁ！」
「うぅあ！」
僕とクロウは吹き飛ばされる。
「俺様はこれでターンエンドだ」

クロウ:LP 1650
Ⅲ:LP 3100
バクラ:LP 7700


~遊馬サイド~

「Ⅲ！クロウ！」
ゾークの攻撃で吹っ飛ばされたⅢとクロウの体はまた闇に削られていく。
「Ⅲ！」
「遊馬…。僕なら大丈夫だ…」
もう体の半分以上は無くなってる。
「Ⅲ！」
「へっ！大丈夫だぜ、遊馬」
「え？クロウ？」
「俺もⅢも簡単にはくたばらねぇよ」
クロウは苦笑いを浮かべながらそう言う。
「だけど…！こんなのデュエルじゃ」
ﾎﾟﾝ
「え？」
誰かが俺の肩に手を置く。
「遊馬。仲間を信じるんだ」
「遊星？」
「クロウ達の眼はまだ諦めてない。アイツらが諦めてないのに、俺達がそれを止めることをしてはいけないんだ」
「遊星…」
「遊馬」
「アストラル？」
「不動遊星の言う通りだ。それにこういう時こそ、君のアレじゃないのか？」
「アストラル…」
……そうだよな。こんな時こそ、応援しなくちゃ、だよな。
「行けぇ！Ⅲ！クロウ！かっとビングだぁー！」


~クロウサイド~

そうだ。俺達はまだ諦めねぇ！
「俺のターン、ドロー！！」
これは…！
「俺は『BF-東雲のコチ』を召喚！さらに俺のフィールドにBFが存在する時、手札から『BF-黒槍のブラスト』を特殊召喚できる！俺はレベル４の黒槍のブラストにレベル４の東雲のコチをチューニング！黒き疾風よ！秘めたる思いをその翼に現出せよ！シンクロ召喚！舞い上がれ、『ブラックフェザー・ドラゴン』！」
「大層なドラゴンだが、『ラスト･ゾーク』の敵じゃないな」
「そいつはどうかな？俺は墓地の精鋭のゼピュロスの効果発動！『黒い旋風』を手札に戻して特殊召喚するぜ！」
「血迷ったか？ゾークの効果でお前に５００ダメージが入るぜ！」
「『ブラックフェザー･ドラゴン』が存在する限り、このカードに黒羽カウンターを置いて効果ダメージを無効にする！ダメージ･ドレイン！！」
「なんだと」
「そして精鋭のゼピュロスの特殊召喚した時に４００ダメージが発生するがこれも無効だ。さらに手札に戻した『黒い旋風』を発動！」
「『ラスト･ゾーク』の効果は発動するがダメージは無効…」
「これで準備は整ったぜ。『ブラックフェザー･ドラゴン』の効果発動！このカードに乗っている黒羽カウンターを全て取り除き、その数×７００分『ラスト･ゾーク』の攻撃力を下げ、下がった数値分のダメージを相手に与える！俺が取り除いた黒羽カウンターは3個だ。ブラック･バースト！！」
「ぐあっ！クソが…」
「さぁ踊りやがれ！行け『ブラックフェザー･ドラゴン』！ノーブルストリーム！！」

ブラックフェザー･ドラゴン ATK 2100 VS ラスト･ゾーク ATK 1900

「だが、『ラスト･ゾーク』は１ターンに１度、戦闘では破壊されないのさ」
「まぁいいぜ。あとはⅢがぶっ飛ばしてくれるからな。頼んだぜ！俺はこれでターンエンドだ！」

クロウ:LP 1650
Ⅲ:LP 3100
バクラ:LP 5400

「僕のターン、ドロー！僕は『先史遺産ゴルディアス･ユナイト』を召喚し効果発動！」
「なら５００ダメージ…受けてもらうぜ」
「そのくらい覚悟の上だ。ゴルディアス･ユナイトの効果で手札から『先史遺産トゥーラ･ガーディアン』を特殊召喚し同じレベルになる。僕はレベル５になったゴルディアス･ユナイトとレベル５のトゥーラ･ガーディアンでオーバーレイ！レベル５のモンスター２体でオーバーレイネットワークを構築！現れろ『No.33先史遺産-超兵器マシュ=マック』！マシュ=マックの効果発動！オーバーレイユニットを１つ使うことで相手モンスターの攻撃力の変動分のダメージを相手に与え、そのダメージ分、攻撃力をアップさせる！インフィニティ･キャノン！！」
「グファッ！」
「マシュ=マックの攻撃！ヴリルの火！！」

No.33先史遺産-超兵器マシュ=マック ATK 4500 VS ラスト･ゾーク ATK 1900

「…」
「ハッハッハ！残念だったなぁ。俺様のライフはまだ７００残ってるぜ？」
「いや、このターンで終わりだ！手札から速攻魔法『石の心臓』を発動！このカードは先史遺産モンスターがバトルで相手モンスターを破壊できなかった場合、もう一度攻撃することができる！」
「なんだと！？」
「これで最後だ！」

No.33先史遺産-超兵器マシュ=マック ATK 4500 VS ラスト･ゾーク ATK 1900

「…俺様の負けか……」