第61話　見参！鬼柴田　作：ター坊

先攻:柴田

「我の番からじゃ。我は『牙鬼』を召喚！さらに札を一枚伏せ、我の番は終いじゃ」
見たこともない小鬼のモンスターだが、とりあいずデュエルで間違いないようだ。
「俺のターン、ドロー！俺は『勇気の救世者 シグナム』を召喚。召喚成功時にコイントス判定」

ﾁﾘｰﾝ…裏！

「これで相手のセットカードを破壊！」
「な、なぬ！？なんじゃあの式霊は！」
式霊？何のことだろうか？まぁいいか。
「バトルだ！」

勇気の救世者 シグナム ATK 1800 VS 牙鬼 ATK 1400

「ぬぉ！この鬼柴田に傷を付けるか！？だが『牙鬼』の効果発動！破壊された時、山札から新たな鬼を手札に加える。これで我は『鈍鬼』を手札に加える！」
「サーチ効果か…俺はカードを2枚伏せてターンエンド」

ユイ:LP 8000
柴田秀長:LP 7600

「我の番、引くぞ！我は手札から『胆鬼』を特殊召喚！この鬼は相手の場にのみ式霊が存在する場合、手札から特殊召喚できるのだ！さらに『胆鬼』を贄とし、手札から『鈍鬼』を生け贄召喚する！」
太っている大柄な鬼が現れる。
「罠カード『奈落の落とし穴』発動！これで『鈍鬼』を」
しかし、『鈍鬼』は平然としており、鼻をほじっている。
「何！」
「ワッハハ！見たことがない妙な札だが、その赤枠は罠(わな)の札じゃのう？我が鬼の軍団に罠という小細工は通用せんぞ小僧」
「ちっ。罠耐性持ちか…」
「行け！『鈍鬼』よ！あんな式霊なぞ壊してしまえい！」
「それはどうかな？」
「む？」
「俺は手札から『輝翼の救世者 プラチナ･フェザー』を墓地に送り、シグナムの攻撃力を1000アップする！返り討ちだ！」

鈍鬼 ATK 2400 VS 勇気の救世者 シグナム ATK 2800

「おのれぇ！だがしかし、『鈍鬼』は破壊された場合、次の相手の番、式霊を新たに召喚できぬようになる！我の番は終了だ」

ユイ:LP 8000
柴田秀長:LP 7200

「俺のターン、ドロー」
今までの流れで式霊とはモンスターを指すようだ。つまり、俺はモンスターの召喚ができない状態か。
「俺はシグナムでダイレクトアタック！」

勇気の救世者 シグナム ATK 1800　直接攻撃

「グオォォ！」
「ひ、秀長様ー！」
取り巻きの軍団は動揺しているようだ。

「あの若者は一体…。あの鬼柴田と渡り合っておるじゃと…」
「解せませぬが、又左衛門殿。拙者らにも光明が…」

「俺はこのままターンエンド」

ユイ:LP 8000
柴田秀長:LP 5400

「我の番、引くぞ！…フッフフ…ガッハハッハ！」
「何？」
「小僧。光栄に思うのだな。この鬼柴田の切り札を拝ませてやろう！」
「切り札？」
「我は手札から仲宇那阿(ちゅぅなぁ)の式霊『蘇鬼』を召喚！」
「チューナーモンスター…来るか」
「『蘇鬼』は死した鬼を蘇らせる！蘇れ『鈍鬼』！我は星五の『鈍鬼』と星三の『蘇鬼』を仲宇仁愚(ちゅぅにんぐ)！大地を揺るがす鬼よ！全ての敵を押し潰せ！秦苦露(しんくろ)召喚！星八！『荒覇刃鬼』！」
禍々しい角を生やしたどす黒い鬼が空から地鳴りと共に落ちてきた。
「我は『荒覇刃鬼』の効果発動！手札を一枚捨てるたびに攻撃力が五百上がる！我は二枚捨て攻撃力を千上げる！そして『荒覇刃鬼』は我の場と手札の札が『荒覇刃鬼』以外にない場合、相手が使用する札の効果を受けぬのだ！いざ勝負！」


荒覇刃鬼 ATK 4000 VS 勇気の救世者 シグナム ATK 1800

「ぐあぁ！」
「さらに、墓地の罠札『鬼神の咆哮』の効果発動！この札を除外し、『荒覇刃鬼』の攻撃力の半分だけ直接命を削り取る！」
「重たいバーンダメージだな…」

「あの若者…ようやった方じゃが…」
「私のせいで無関係な者まで…」

「ぬっはは！どうだ小僧？我の番は終いじゃ。とっとと降参すれば見逃してやるぞ？」
「あいにくだが、勝つのは俺だ！」
「何を血迷い事を？」（そうじゃ。攻撃力四千の無敵耐性、破れるわけがない！）

ユイ:LP 3600
柴田秀長:LP 5400

「俺のターン、ドロー！俺はリバースカードオープン！『救世の継承』！これで墓地のシグナムと同じレベル･種族の『赤薔薇の救世者 ラブリ』を手札に加える。そしてスケール9の『赤薔薇の救世者 ラブリ』とスケール3の『白薔薇の救世者 ピュアリー』でペンデュラムスケールをセッティング！」
「なぬ！？偏出湯羅武(ぺんでゆらむ)召喚とな！？」
「これでレベル4~8のモンスターを同時に召喚可能！揺れろ運命のペンデュラム！俺に無限の未来を見せろ！ペンデュラム召喚！現れろ！俺のモンスター達！チューナーモンスター『誠実の救世者 タリス』、『友愛の救世者 エミュリン』！エミュリンはP召喚に成功した場合、コイントスを行う！」

ﾁﾘｰﾝ…表！

「表の効果で墓地からプラチナ･フェザーを手札に戻す。さらに俺はレベル4のエミュリンにレベル4のタリスをチューニング！」
「な、何！？あの小僧も…」
「神々の国より降臨せし天女よ。今こそ俺に勝利を舞い掲げよ！シンクロ召喚！レベル8！『天舞の救世者 アメウズメ』！」
羽衣を纏った女神が俺の場に舞い降りた。
「俺はアメウズメの効果発動！ダイスロール！」

コロコロコロコロコロ…5！

天からの楽しげな歌と共にアメウズメが舞うたびに優しい光が溢れてくる。
「これで俺は500回復し、2枚ドローする。さらに『礼弦の救世者 アリア』を召喚し、ラブリのP効果で800LPを払ってコイントスを行わず裏の効果を適用！デッキから『慈愛の救世者 ココロナ』特殊召喚！俺はアリアとココロナでオーバーレイ！無限に廻る命の輝きよ。今集いて燃え煌めく翼となれ！エクシーズ召喚！ランク4『輪廻の救世者 メビウス･ライフ･フェニックス』！」
「ば、馬鹿な！ありえん！こんな小僧が秦苦露だけでなく、偏出湯羅武や得苦師伊頭(えくしぃず)を使うなんて…」
「メビウス･ライフ･フェニックスの効果発動。オーバーレイユニットをすべて使いコイントスを3回行う」

ﾁﾘｰﾝ…表！表！表！

「これで自分自身･『荒覇刃鬼』･アメウズメを選択し、レベル･ランクの合計×200アップする。よって攻撃力4000アップ！バトルだ！」

輪廻の救世者 メビウス･ライフ･フェニックス ATK 6500 VS 荒覇刃鬼 ATK4000

「ぬおうわあぁぁ！」
「これで The ENDだ。プラチナ･フェザーを使い、ダイレクトアタック！」

天舞の救世者 アメウズメ ATK 3300　直接攻撃

「この鬼柴田がぁ…貴様のような小僧なんぞに…！」