第53話　激突！魔玩具VS闇機械　作：ター坊

「久しぶりだなぁ。城之内」
「お前は！バンデット･キース！？」
「バンデット…。盗賊とは物騒な肩書きだな」
「決闘王国の映像資料で見たことあるわ…」
「城之内。あやつとはどういった関係なのだ」
「まぁあいつとは…なんだろうな？腐れ縁ってやつか？」
「で？オジサンは僕になんの用なわけ？」
「けっ、クソガキが…。大人への口の聞き方ってもんを教えてやるか」
「何それ？鬱陶しいなー。先に狩ってあげるよ！」
「キース…」
「城之内、勘違いするなよ。テメェを獲るのは俺様だからな。ちょいと獲物を横取りするハイエナを先に掃除するだけさ」
「オジサン。いつまで外野と話してるのさ？行くよ？」
「デュエル！」





先攻:キース

「俺様のターン。魔法カード『闇の誘惑』を発動。デッキから2枚ドローして手札から『リボルバー･ドラゴン』を除外する」
「ふーん。機械族デッキかな？」
「さらに『モーター･シェル』を召喚し、装備魔法『エンジン･チューナー』を装備！これで守備力の半分の数値、攻撃力がアップする。カードを2枚伏せてターン終了だ」
「僕のターン、ドロー。僕は『ファーニマル･マウス』を召喚し、効果発動！デッキから同名モンスターを2体特殊召喚するよ。さらに手札から魔法カード『融合』を発動！これでフィールドの全ての『ファーニマル･マウス』と手札の『エッジインプ･シザー』を融合させる！悪魔の爪よ！鋭い牙よ！神秘の渦で1つとなりて、新たな力と姿を見せよ！融合召喚！現れ出ちゃえ！すべてを引き裂く密林の魔獣！『デストーイ･シザー･タイガー』！シザー･タイガーの効果発動。融合素材に使用したモンスターの数だけ相手フィールド上のカードを破壊するよ！」
「へっ。ガキが…。カウンター罠『闇工場の賄賂』を発動！闇属性･機械族が存在する場合、相手の魔法･罠･モンスター効果の発動を無効にして破壊するぜ」
「な、何！」
「まぁ、賄賂として1000LPくれてやるがな」
「くっ！僕はカードを1枚伏せてターンエンド」

キース:LP 8000
素良:LP 9000

「俺様のターン、ドロー。『モーター･シェル』を生け贄に捧げて『モーター･バイオレンス』を召喚！装備されていた『エンジン･チューナー』は手札に戻るぜ！さらにリバースカードオープン、『闇次元の開放』。これで除外ゾーンから『リボルバー･ドラゴン』を特殊召喚させてもらうぜ。さっき手札に戻した『エンジン･チューナー』を『リボルバー･ドラゴン』に装備し、２体でダイレクトアタック！」

リボルバー･ドラゴン ATK 3700 +モーター･バイオレンス ATK 2100　直接攻撃

「ぐあぁ！」
「おらおら、どうした？俺様はカードを1枚伏せてターン終了だ」

「キースの奴、あれから強くなったのかよ…」

キース:LP 8000
素良:LP 3200

「僕のターン、ドロー！僕は罠カードオープン『デストーイ･カスタム』！これで墓地から『エッジインプ･シザー』を墓地から特殊召喚するよ！そしてこいつを融合素材とする場合、デストーイモンスターとして扱う。僕は手札から魔法カード『魔玩具融合』を発動！これでデストーイ扱いとなっている『エッジインプ･シザー』と墓地の『デストーイ･シザー･タイガー』を融合させる！悪魔のケダモノ達よ！神秘の渦で1つとなりて新たな力と姿を見せよ！融合召喚！現れ出ちゃえ！悪夢を呼び出す魔犬『デストーイ･ナイトメア･オルトロス』！ナイトメア･オルトロスは融合素材として使用したモンスターのレベルの合計×200の数値となる。よって攻撃力は1800となる」
「へっ。大層な融合の割には今一つだなぁ」
「そんな顔いつまでできるかな？ナイトメア･オルトロスの効果発動！エクストラデッキから『デストーイ･ホイールソウ･ライオ』を除外し、同じ効果とホイールソウ･ライオの攻撃力をこのカードに加える！」
「何！？攻撃力4200だと…」
「効果発動。『リボルバー･ドラゴン』を破壊して元々の攻撃力分のダメージを与える！」
「ぬうわぁぁ！…だが、『エンジン･チューナー』は手札に戻るぜ…」
「さらにナイトメア･オルトロスで『モーター･バイオレンス』に攻撃！」

デストーイ･ナイトメア･オルトロス ATK 4200 VS モーター･バイオレンス ATK 2100

「くっそたれが！だが、『モーター･バイオレンス』が破壊された場合、モーター･パーツトークンを2体特殊召喚するぜ」
「僕はこれでターンエンド。ねぇ、オジサン。足掻いてみせてよ？」

キース:LP 3300
素良:LP 3200

「キース！」
「へっへへ…。城之内、待ってな。このクソガキの次はテメェだからよ…」
「はぁ？オジサン何言ってるの？僕が負けるわけないじゃん。狩られる側の獲物のくせにさ」
「へっ。見せてやるさ、地獄ってやつをよぉ。俺様のターン、ドロー！モーター･パーツトークンを生け贄に捧げて装備魔法『オーバーヒート･バサーク』を発動！これで墓地の『リボルバー･ドラゴン』を特殊召喚だ！」
「今さらそんなモンスターで何をやる気だい？」
「『オーバーヒート･バサーク』を装備している状態では効果は無効になってるが、その代わり攻撃力は守備力分アップし、フィールド上のモンスターに1回ずつ攻撃できるぜ」
「攻撃力、4800…！僕のナイトメア･オルトロスを上回っただと！？」（でもこのターンで決着は…）
「さらに『エンジン･チューナー』を装備してバトルだ！」

リボルバー･ドラゴン ATK 5900 VS デストーイ･ナイトメア･オルトロス ATK 4200

「っ！けど僕のLPは…」
「クソガキ…。てめぇに次のターンはねぇよ。罠カード『時の機械-タイム･マシーン』！これで戦闘破壊したナイトメア･オルトロスをもう一度特殊召喚するぜ！」
「キース！お前…！」
「…！！しまった…。ナイトメア･オルトロスは融合召喚時に素材にしたモンスターによって攻守を決定する。墓地から直接特殊召喚した場合、攻撃力は…」
「『オーバーヒート･バサーク』の効果で全体攻撃が可能になってるからな…。これで終いだ！」

リボルバー･ドラゴン ATK 5900 VS デストーイ･ナイトメア･オルトロス ATK 0

「うわぁああぁ！」





キースと言う男、粗暴な人間だがデュエルの腕は本物のようだ…。奴と戦って勝てる気がせん。
「くっそー！こんな奴に…！バンデット･キースとか言ったな！覚えてろよ！！」
素良はそう言うと光に包まれ、消えてしまった。他のオベリスク･フォース達も恐れをなしたのか次々と消えてしまった。
「キース！お前って奴は！」
城之内が駆け寄った。
「お前、あれからどうしてたんだ？」
「R･A計画のあと、アメリカに帰ったさ。ドラッグだの裏ギャンブルだの足洗ってよぉ。つい最近、州チャンプになったところよ」
「キース！」
「何も言うなよ城之内。俺様はただてめぇとの決着を望んでやり直して来たんだ。ところがどっこい、こんな訳わかんねぇ所に来ちまってよぉ」
「なぁキース。良かったら俺たちと来ねぇか？飯も寝床もあるし…」
「…いや、やめとくわ。誰かと一緒ってーのは性に合わねぇしな」
「そっか…。まぁ、お前らしいけどよ。…そうだ！決着を着けるか？今のお前なら…」
「…いや。やっぱやめとくか。こんな訳わかんねぇ所で決着なんぞごめんだ。それに元の世界に戻る目的にもなるしな」
「そっか…。分かったぜ、キース！俺達の世界で決着つけるまで負けんなよ！」
「そのセリフ、そのまんまテメェに返すぜ」
なんだか悪友と言う感じだな。だが、不思議と羨ましい気持ちになる。
「さてと、じゃあ帰るか！じゃあなキー」
「ねぇ、城之内さん」
「どうした龍可？」
「オベリスク･フォースが閉めたシャッターのスイッチ探さないと」
「おおっ！そっか！なぁ権現坂！そういった部屋ってどこなんだぁ？」
…年上のはずだが…。城之内克也、あんな粗暴な者も惹き付ける、不思議な魅力の男だ。
「知らぬ。共に探そう」