特別編『超次元！　世界を越えた絆』３　作：イクス

1周年＋イイネ1000突破記念　
遊戯王デュエルモンスターズＥＸＳ特別編『超次元！　世界を越えた絆』３


※注意　この話は帝国を終えた遊太君が、違う作品の主人公達とコラボするお話です。遊戯王ＺＥＸＡＬから九十九遊馬とアストラルが、遊戯王ＡＲＣ－Ｖより榊遊矢が出ます。
特別編なので、大元のストーリーには全然関係ありません。読み飛ばしても、構いません。


７・遊太のターン

「僕のターン、ドロー！」（遊太手札3→4）
「僕は手札より、魔法カード『アドバンスドロー』を発動！　フィールドのレベル８以上のモンスター１体をリリースして、デッキから２枚ドローする。僕はアルファをリリースして、デッキから２枚ドローする！」（遊太手札4→3→5）（遊太墓地3→5）
「更に、墓地に存在するファントムのモンスター効果発動！　このカードを墓地から除外することで、墓地から『ロードナイト』１体を特殊召喚する！　墓地より復活しろ、アルファ！」（遊太墓地5→3）（遊太除外1→2）
「更に、速攻魔法『英雄騎士の作戦変更』を発動！　フィールドの『ロードナイト』１体をリリースして、リリースしたモンスターとは違う属性を持つ『ロードナイト』１体を特殊召喚する！　僕は闇属性のネクロをリリースして、デッキから光属性の『ロードナイト・スター』を特殊召喚する！」（遊太手札5→4）（遊太墓地3→5）
「そして、スターのモンスター効果発動！　スターは特殊召喚に成功した時、デッキからレベル４以下の『ロードナイト』を特殊召喚する！　僕はデッキより、レベル３『ロードナイト・サイク』を特殊召喚する！　そしてサイクは特殊召喚された時、フィールドの魔法・罠１枚を破壊できる！　これにより、僕はフィールドの『超次元スクラム』を破壊する！」
現れたサイクが?・エンペラーの魔法を破壊する。攻撃の要であったスクラムが破壊されたことにより、?・エンペラーのモンスターの攻撃力はただの上級程度に下がってしまう。
「ぬう……」（?墓地5→6）（トリロジーグ攻撃力7000→4000）（ディメンション・ドラゴン攻撃力7000→4000）（ダークホープ攻撃力7000→4000）
「追撃だ！　手札の『ロードナイト・ロックン』の効果発動！　フィールドの『ロードナイト』１体をリリースして、このモンスターを特殊召喚する！　僕はサイクをリリースして、特殊召喚する！」（遊太手札4→3）（遊太墓地5→6）
「そして僕は、手札から速攻魔法『英雄騎士への覚醒』を発動！　これにより、僕は地属性であるロックンをリリースすることで、エクストラデッキより地属性の『イクスロードナイト』を特殊召喚する！　来い、大地に根差す太陽の騎士『イクスロードナイト・アポロ』！」（遊太手札3→2）（遊太墓地6→8）
現れたのは、獅子の鎧を身に纏い、巨大な手甲を身に着けた太陽の騎士。攻撃力は2500と、アルファと同じ程度であるが……？　
「更に、アルファのモンスター効果発動！　墓地の『ロードナイト』１体をデッキ戻し、デッキ・墓地から『英雄騎士』魔法カード１枚を手札に加える！　僕はディスエンスをデッキに戻し、デッキより速攻魔法『英雄騎士交代』を手札に加える」（遊太手札2→3）（遊太墓地8→7）
「バトルフェイズ！　僕はアポロで、ダークホープを攻撃する！　さらに、アポロのモンスター効果発動！　アポロが戦闘を行う時、自分フィールドのモンスター１体の攻撃力をプラスできる！　僕はアルファの攻撃力2500をプラスして、その攻撃力を5000とする！」（アポロ攻撃力2500→5000）
「なんだと！？」
「よし、これで攻撃力を上回った！」
「まだだよ！　僕は手札から、『ロードナイト・パワード』の効果発動！　『ロードナイト』が戦闘を行う時、パワードを手札・フィールドからリリースすることで、戦闘を行うモンスターの攻撃力を1500アップさせる！」（遊太手札3→2）（遊太墓地7→8）（アポロ攻撃力5000→6500）
「おおっ！　更に攻撃力を挙げてきたか！」
「行け、アポロ！　希望皇ホープの、偽物を倒せ！　マグヒート・ブレイジング！」
アポロの熱帯びた拳が、ダークホープを貫く。その攻撃力によって、ダークホープは粉々に砕け散った！　
「ぐぅっ！」（Ｄライフ7000→4500）（Ｄ墓地5→9）
「更に、手札から速攻魔法『英雄騎士交代』を発動させる！　このカードは、フィールドの『イクスロードナイト』１体をエクストラデッキに戻し、戻したモンスターとは違う『イクスロードナイト』を『英雄騎士への覚醒』の効果扱いで特殊召喚する！　僕はアポロをデッキに戻し、光属性の『イクスロードナイト・ディアナ』を特殊召喚する！」（遊太手札2→1）（遊太墓地8→9）
アポロと入れ替わるようにして、遊太のフィールドに月の意匠を持つ鎧を纏い、三日月のごとき鎌を持った女性の騎士が現れる！　攻撃力は2800。
「遊矢さん、遊馬さん、ライフを借ります！　ディアナのモンスター効果発動！　ライフを1000支払うことで、相手モンスター１体の攻撃力・守備力を０にする！　これでトリロジーグの攻撃力０にして、トリロジーグに攻撃！　ミッドナイト・クレッセントムーン！」（遊太ライフ7000→6000）
三日月の鎌から放たれた真空波によって、ディメンション・ドラゴンは破壊される。ディアナの攻撃力、そのままのダメージがＤ・エンペラーに与えられる！　
「ぬおっ！」（Ｄライフ6000→3200）（Ｄ墓地9→11）
「すげえ！　モンスターを立て続けに召喚して、それによるモンスターコンボの攻撃！　あのＤ・エンペラーのライフを、大幅に削りやがった！」
「モンスター達の絆の強さ……これが『イクスロードナイト』の強さなのか！」
「そうなんです。遊矢さん、遊馬さん。仲間と共に力を生み出す、それが『イクスロードナイト』なんです！　でも、まだまだ終わりませんよ！　ディアナのモンスター効果発動！　ディアナはモンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分自分のライフを回復できる！　ディメンション・ドラゴンの攻撃力、その4000のライフを回復する！」（遊太ライフ6000→10000）
「メインフェイズ２に入り、僕はリバースカードを１枚セットして、ターンエンド！」（遊太手札1→0）

遊太

ライフポイント10000
手札枚数0枚
モンスター3体
『イクスロードナイト・アルファ』（攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル８）
『イクスロードナイト・ディアナ』（攻撃表示・攻撃力2800）
『ロードナイト・スター』（守備表示・守備力1500・光属性・レベル２）
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード0枚
墓地の枚数9枚
除外されているカード2枚


８・Ｄ・エンペラーのターン

「我のターン。『超次元ゾーン』の効果で、我はドローフェイズにドローしない代わりに、デッキより『超次元ゲイン』を手札に加える」（Ｄ手札4→5）
「我はＰスケールにセットされている、『超次元ゲート』の効果発動！　自分の墓地より『超次元』モンスターを特殊召喚する！　我は墓地より、レベル２チューナー『超次元ギア』を特殊召喚する！」（Ｄ墓地11→10）
「チューナーモンスター……ということは、もう一体召喚するのか？」
「このモンスターは１ターンに１度、シンクロ召喚に必要なモンスターを１体、フィールドから墓地へ送ることによって、シンクロモンスターを１体、エクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚することができる」
「フィールドのモンスター……ん？　まさか、そのモンスター……！」
「そう、このモンスターは相手フィールドのモンスター１体を対象として発動することもできる！　我は遊太、貴様のディアナ１体を対象として、レベル８のディアナに、レベル２のギアをチューニング！　シンクロ召喚！　現れろ、レベル１０『花札衛-五光』！」（Ｄ墓地10→11）（遊太墓地9→10）
まるで、花札の五光のように煌びやかな意匠を持つ戦士が現れる。攻撃力は5000と、非常に高い。
そして、このモンスターに、遊矢は見覚えがあった。
「これは……シンクロ次元のエンジョイデュエリスト、徳松長次郎さんが使っていた、シンクロモンスター……。本来、あのシンクロモンスターを召喚するには、チューナー含めて合計５体のモンスターが必要なはず……なのにアイツは、こんな手でモンスターを召喚してくるなんて……」
「フン。我のデッキは、様々な次元のデュエリスト達が使うカードを、我のデッキでも使えるようにしているのだ。当然強力なカードも、我が使えるようにしている！」
「更に、手札の『超次元ミラー』を召喚する。ミラーのレベルは１だが、自分フィールドのモンスター１体と同じレベルにすることができる。我はディメンション・ドラゴンと同じレベル、１０にする」（Ｄ手札5→4）
「そして、レベル１０のモンスター２体で、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚！　現れろ、ランク１０『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』！」（Ｄ墓地11→12）
今度現れたのは、なんと超巨大な装甲列車。その砲身は天をも仰ぐ程長い。
そしてこのモンスターも、遊馬には見覚えがある。
「これは……アンナが使っていたカード！」
「やはり、遊矢の時と同じ。我々の仲間のカードも使うのか……」
「行くぞ、グスタフマックスの効果発動！　オーバレイユニットを１つ取り除き、相手に2000ポイントのダメージを与える！　喰らえ、主砲発射！」（Ｄ墓地12→13）
「くぅっ……！」（遊太ライフ10000→8000）
「遊太、大丈夫か！」
「平気平気、まだ振り出しに戻っただけです」
「そう、本当の恐怖はこれからだ。バトルフェイズに入り、五光でアルファを攻撃する！　五光はバトルするモンスターの効果を無効にし、更に相手の発動した魔法・罠を無効化する！　どうだ、このモンスターの攻撃を止めることはできまい！」
「魔法・罠を無効化……でも、抜け道はある！　カウンター罠発動！　『攻撃の無力化』！　相手モンスターの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる！　カウンター罠は、カウンター罠でしか無効にできない！　これで、攻撃は無効となり、バトルフェイズはスキップされる！」（遊太墓地10→11）
「フン、そうきたか。そうやって攻撃を躱したか……。我はカードを２枚伏せ、ターンエンド」（Ｄ手札4→2）

Ｄ・エンペラー

ライフポイント3200
手札枚数2枚
モンスター2体
『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』（攻撃表示・攻撃力3000・地属性・ランク１０）
『花札衛-五光』（攻撃表示・攻撃力5000・闇属性・レベル１０）
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード3枚
『超次元ゾーン』（フィールド魔法）
『超次元ゲート』（スケール１）
『超次元エクスイット』（スケール１２）
墓地の枚数13枚
除外されているカード0枚


９・遊矢のターン

「俺のターン、ドロー！」（遊矢手札2→3）
「俺は手札から、スケール８の『ＥＭオッドアイズ・ユニコーン』をＰスケールにセットする！」（遊矢手札3→2）
「ほう……片方だけＰスケールを張ったか。恐らくは、永続罠『ペンデュラム・スイッチ』によってＰモンスターをスケールに移動させて、ペンデュラム召喚か？　だが無意味だ。五光の効果発動、これにより魔法・罠の発動を無効にする！」
「……」（遊矢エクストラ4→5）
「フフフ、これでペンデュラム召喚が封じられたな。このターン、ほぼ何もせずエンドか？」
「いや、そうでもないさ！　俺は手札から、魔法カード『ＥＭリハーサル』を発動！　エクストラデッキ・墓地から『ＥＭ』モンスターを２体まで手札に加えられる！　俺はエクストラデッキから、『ＥＭオッドアイズ・ユニコーン』と、『ＥＭリザードロー』を手札に加える！」（遊矢手札2→1→3）（遊矢エクストラ5→3）（遊矢墓地3→4）
「ほう、我としたことが迂闊だったな。どちらに転んでもＰスケールの設定は免れなかったか……」
「そうさ、俺はスケール８の『ＥＭオッドアイズ・ユニコーン』と、スケール６の『ＥＭリザードロー』で、Ｐスケールをセッティング！　これで、レベル７のモンスターがペンデュラム召喚可能に！」（遊矢手札3→1）
「だけど、まだペンデュラム召喚しない。俺はリザードローのＰ効果発動。片方のＰスケールに『ＥＭ』がある時、このカードを破壊して、１枚ドローする！」（遊矢手札1→2）（遊矢エクストラ3→4）
「よし！　俺はＰスケールに、スケール２の『ＥＭドラミング・コング』をセットする！　これで、レベル３から７までのモンスターがペンデュラム召喚可能に！」（遊矢手札2→1）
「行くぞ、ペンデュラム召喚！　現れろ、俺のモンスター達！　レベル３『時読みの魔術師』！　レベル５『星読みの魔術師』！　そして、俺のエースモンスター、レベル７『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』！」（遊矢エクストラ4→1）
遊矢のフィールドに、再びモンスターが並ぶ。しかし。
「またペンデュラム召喚で、モンスターを揃えてきたか……だが、その程度では我のモンスターを倒すことなど出来んぞ！」
「その通りさ。ただモンスターを並べただけじゃ、相手に勝つことはできない。だけど、遊太君がモンスターの絆を見せたから、俺だって見せないとね！」
「なんだと……？！」
「俺は手札から、魔法カード『スマイル・ワールド』を発動！」（遊矢手札1→0）（遊矢墓地4→5）
遊矢がそのカードを発動させると、突如にこやかなマークがフィールドを包み始めた。これには、モンスターや遊馬達も笑い始める。
「ハハハ、なんだこりゃ！　フィールドがスマイルに包まれてんぞ！」
「遊矢という少年は、随分独特なカードを使うのだな」
「こ、これが遊矢さんの使うカード……エンタメデュエルで皆を笑顔にする、遊矢さんのスタイルのカード……！　ふふっ」
「な、なんなのだこれは！　一体どうすれば良いのだ！」
「『スマイル・ワールド』」の効果、フィールドの表側表示のモンスターの数×100ポイント攻撃力をアップさせる！　今、俺とお前のフィールドにいるモンスターは６体。よって、600ポイントアップ！」（オッドアイズ攻撃力2500→3100）（スマイル・マジシャン攻撃力2500→3100）（グスタフ・マックス攻撃力3000→3600）（五光5000→5600）
「更に、スマイル・マジシャンのモンスター効果発動！　自分フィールドの、元々の攻撃力より高い攻撃力をモンスターの数だけ、ドローできる！　今、俺のフィールドにいるのは４体。これにより、俺は４枚ドローする！　ただし、この効果を使用した場合、特殊召喚が行えなくなる」（遊矢手札0→4）
「ククク、自ら特殊召喚を封じたか。エクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない以上、ここからどうすることもできまい」
「いや、そうでもないさ！　俺は、『時読みの魔術師』と『星読みの魔術師』の２体をリリース！」
「リリース！？」
「俺は２体のモンスターをリリースして、レベル８『ＥＭラフメイカー』をアドバンス召喚する！　来い、ラフメイカー！」（遊矢手札4→3）（遊矢エクストラ1→3）
現れたのは、黄色い魔術師の衣装に身を包んだ、笑顔の魔術師。攻撃力は2500。
「行くぞ、バトルだ！　俺はラフメイカーで、グスタフ・マックスを攻撃！　この時、ラフメイカーの効果発動！」
「何っ！？」
「ラフメイカーの攻撃宣言時、このカードと相手フィールドの元々の攻撃力より高いモンスターの数×1000ポイント攻撃力をアップさせる！　今お前の場にいるのは２体のモンスター。これで、ラフメイカーの攻撃力は2000アップの4500だ！　行け、ラフィングスパーク！」
「ぐぅっ……」（Ｄライフ3200→2300）（Ｄ墓地13→14）
「更に、俺はオッドアイズで五光へ攻撃！　この瞬間、Ｐスケールのユニコーンの効果発動！　『オッドアイズ』モンスターが攻撃する時、フィールドの『ＥＭ』モンスター１体を対象として発動！　そのモンスターの元々の攻撃力分だけ、『オッドアイズ』モンスターの攻撃力を上げる！　俺は、スマイル・マジシャンの攻撃力、2500をオッドアイズに加えて、その攻撃力を5600にする！」（オッドアイズ攻撃力3100→5600）
「更に、もう片方のＰスケールにセットされているドラミング・コングのＰ効果発動！　自分モンスターの攻撃宣言時、600ポイントそのモンスターの攻撃力をアップさせる！　これで、オッドアイズの攻撃力は6200。『スマイル・ワールド』で強化された分を加えても、五光の攻撃力を上回る！　五光は戦闘するモンスターの効果を無効化するから、オッドアイズのダメージ倍化効果を使えないけど、十分さ！　行け、オッドアイズ！　螺旋のストライクバースト！」
「そうはさせん！　罠カード『ドレインシールド』を発動！　相手モンスターの攻撃を無効化し、そのモンスターの攻撃力分ライフを回復する！　これにより、我のライフを6200回復し、オッドアイズの攻撃を無効にする！」（Ｄライフ2300→8500）（Ｄ墓地14→15）
オッドアイズの攻撃が、特殊なシールドによって防がれ、それによってＤ・エンペラーのライフが回復してしまう。
「あーっくそ！　しまった～！」
「フフフ、惜しかったな。これで大きくライフに溝を開けてやったぞ」
「……確かに、防がれたのは防がれた。けれど、問題はないね！　俺は手札から、魔法カード『エンタメ・バンド・ハリケーン』を発動！　フィールドの『ＥＭ』モンスターの数まで、相手フィールドのカードを手札に戻す！　俺のフィールドには、『ＥＭ』が２体。よって、お前のフィールドのモンスターと、伏せカードを手札に戻してもらおうか！」（遊矢手札3→2）（遊矢墓地5→6）
「ぐっ、我の五光を……！」（Ｄ手札2→3）
「お前の五光じゃない。徳松さんの五光だ！　俺はこのメインフェイズ２、カードを２枚セットして、スマイル・マジシャンを守備表示にしてターンエンド！　このエンドフェイズ、『スマイル・ワールド』の効果で上がった攻撃力は、元に戻る」（遊矢手札2→0）

遊矢

ライフポイント6000
手札枚数0枚
モンスター3体
『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』（攻撃表示・攻撃力2500・闇属性・レベル７）
『ＥＭスマイル・マジシャン』（守備表示・守備力2000・光属性・レベル８）
『ＥＭラフメイカー』（攻撃表示・攻撃力2500・光属性・レベル８）
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード2枚
『ＥＭオッドアイズ・ユニコーン』（スケール８）
『ＥＭドラミング・コング』（スケール２）
『ペンデュラム・スイッチ』（永続罠）
墓地の枚数6枚
除外されているカード0枚


１０・Ｄエンペラーのターン

「我のターン、ドロー！」（Ｄ手札3→4）
「何！？」
「ここに来てドローだって！？」
Ｄ・エンペラーは、フィールド魔法『超次元ゾーン』の効果によって、確定のサーチを繰り返してきた。それが、ここに来てドローをするなど、遊太達にとっては意味が分からなかった。
「フフフ……このカードが来ることは、あらかじめ分かっていたこと……遊馬、君にとってはこのカードは非常に懐かしいものだろう？　我がドローしたカードは、『ＲＵＭー七皇の剣』！　このカードを発動させる！」（Ｄ手札4→3）（Ｄ墓地15→16）
「な、なんだと！？」
「そのカードは！」
「ど、どうしたんですか？　遊馬さん、アストラルさん！」
遊馬やアストラルが驚くのも無理はない。『ＲＵＭー七皇の剣』は本来、バリアン七皇が使っていたカード。彼らが普通の人間となった今では、オーバーハンドレットナンバーズと共に、存在しないはずのカードであった。なのに、あのカードをＤ・エンペラーが使っているのだから。
「彼らをカード化したと同時に、彼らの記憶からカードを作り出したのだ。これにより、あらゆるカードが我の手に持つことができるのだ。そして、このカードの特殊効果発動！　エクストラデッキより、『Ｎｏ.１０７ 銀河眼の時空竜』を特殊召喚する！」
Ｄ・エンペラーのエクストラデッキより現れた、時空をも支配する銀河の眼を持つ竜。だが、それだけではない。
「このモンスターを素材とし、オーバレイユニットを再構築！　ランクアップ・エクシーズチェンジ！　顕現せよ『ＣＮｏ.１０７ 超銀河眼の時空龍』！」
時空を昇華し現れた、黄金の三つ首竜。その攻撃力は、4500と破格である。
「なんてこった……これ、ミザエルの奴が見たらきっと凄く怒るだろうな～」
「フン、元の持ち主などどうでも良い。時空龍の効果発動！　オーバレイユニットを１つ使い、ターン終了時まで相手フィールドのカードを全て無効化し、フィールドのカードの発動を不可にする！　タイムタイラント！」（Ｄ墓地16→17）
時空龍の効果によって、遊矢のフィールドのカードの時間が止まる。伏せカードも、Ｐスケールのカードも止まってしまった。
「更に、Ｐスケールの『超次元ゲート』の効果発動。墓地より『超次元フレーム』を特殊召喚する。それにより、フレームの効果発動。墓地から特殊召喚された時、デッキから同名カードを守備表示で特殊召喚できる！　デッキより同名カードを、特殊召喚する！」
「更に、時空龍の効果発動！　自分フィールドのモンスター２体をリリースし、モンスターへの３回攻撃を可能とさせる！」（Ｄ墓地17→19）
「くっ……！」
「さあ行くぞ、バトルフェイズだ！　時空龍で、榊遊矢への全モンスターへと攻撃！　アルティメット・タキオンスパイラル！」
「ぐあーーーっ！」（遊矢ライフ6000→2000）（遊矢エクストラ3→6）
「遊矢！」
「遊矢さん！」
「たははは……ちょっと、ダメージ喰らいすぎた……でも、大丈夫！　こっからこっから！　まだまだやれるはず！」
「遊矢さん……！」
「へへっ、そうだよな！　それくらいやれなきゃ絶対に勝てねえさ！」
「……貴様ら……！　カードを２枚セットし、ターンエンドだ！」（Ｄ手札3→1）

Ｄ・エンペラー

ライフポイント8500
手札枚数1枚
モンスター2体
『ＣＮｏ.１０７ 超銀河眼の時空龍』（攻撃表示・攻撃力4500・光属性・ランク９）
『超次元フレーム』（守備表示・守備力3000・闇属性・レベル８）
魔法・罠ゾーンのカード2枚
発動しているカード3枚
『超次元ゾーン』（フィールド魔法）
『超次元ゲート』（スケール１）
『超次元エクスイット』（スケール１２）
墓地の枚数19枚
除外されているカード0枚


１１・遊馬のターン

「俺のターン、ドロー！」（遊馬手札1→2）
「俺は手札から、魔法カード『エクシーズ・トレジャー』を発動！　フィールドのエクシーズモンスターの数だけデッキからドローする！　今、フィールドにいるエクシーズモンスターは２体。よって、俺は２枚ドローする！」（遊馬手札2→1→3）（遊馬墓地6→7）
「俺は手札から、『ゴゴゴジャイアント』を召喚！　モンスター効果発動。墓地より『ゴゴゴ』モンスターを守備表示で特殊召喚して、このカードを守備表示にする。俺は墓地の『ゴゴゴゴーレム』を特殊召喚する！」（遊馬手札3→2）（遊馬墓地7→6）
「これで俺のフィールドには、レベル４のモンスターが２体！」
「バカの一つ覚えのように、エクシーズ召喚か？　だが遊馬、貴様の持っているエクシーズモンスターでは、どうあがいてもこのモンスターを超える事はできんぞ！」
Ｄ・エンペラーのその言葉を聞いて、遊馬とアストラルは眼を合わせる。
「遊馬、わかっているな？」
「ああ。俺達の新たな可能性を、アイツに見せてやろうぜ！」
「俺はレベル４のモンスター２体で、オーバーレイネットワークを構築！　エクシーズ召喚！　新たな希望の光よ、２つの力をもって大きな力を生み出せ！　現れろ、ランク４『Ｎｏ.３９ 希望皇ホープ・ダブル』！」
現れたのは、先程遊馬が召喚した希望皇ホープ……なのだが、剣を二つ持ち、半透明とどこか違う。
「何……！？　新たな希望皇ホープだと！？　そんなモンスター、お前の世界では……」
「これが、私と遊馬の新たな可能性だ。遊馬、行くぞ！」
「おう！　俺は、ホープ・ダブルのオーバーレイユニットを１つ使って、効果発動！　デッキから『ダブル・アップ・チャンス』を手札に加え、このモンスターをエクシーズ素材として、希望皇ホープをランクアップさせることができる！　俺はホープ・ダブルで、オーバーレイユニットを再構築！　ランクアップ・エクシーズチェンジ！　現れろ、ランク５『ＣＮｏ.３９ 希望皇ホープレイＶ』！」（遊馬手札2→3）（遊馬墓地6→7）
ホープ・ダブルによって、昇華された希望皇ホープは、更なる力を得ていた。Ｖの力を。攻撃力は2600。
「バカな！　ランクアップをするには、『ＲＵＭ』が必要な筈……！」
「ランクアップマジックに頼らない、ランクアップ……これが、俺とアストラルの出した新たな可能性さ！　ホープ・ダブルを介してランクアップしたモンスターは、直接攻撃の権利を失う代わりに、攻撃力を倍化させることができる！　これで、ホープレイＶの攻撃力は倍の5200だ！」
「なんだと！？　攻撃力を倍化させ、時空龍を倒そうというのか！？」
「早とちりは困るな。ホープレイＶの、モンスター効果発動！　オーバーレイネットワークを１つ使い、相手モンスター１体を対象とする。そのモンスターを破壊する！　砕け散れ、時空龍！　Ｖブレードシュート！」（遊馬墓地7→8）
「くぅぅ！　我の時空龍が……！」（Ｄ墓地19→20）
「それはお前のカードじゃねえ。ミザエルのカードだ！　この効果でモンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える！　これで4500のダメージを、お前に与える！　4500のダメージを、喰らえ！」
「ぐおーーっ！」（Ｄライフ8500→4000）
「更に、バトルフェイズ！　俺はホープレイＶで、フレムへと攻撃！　ホープ剣・Ｖの字斬り！」
「ぬうっ！」（Ｄ墓地20→21）
「そして俺は、『最強の盾』を装備している希望皇ホープで、ダイレクトアタック！　ホープ剣・スラッシュ！　これで4500のダメージ、俺達の勝ちだ！」
「ぬう……させるか！　手札の『超次元イーター』の効果発動！　手札のこのカードを墓地へ捨て、相手フィールドのモンスターの攻撃力を1000下げる！」（Ｄ手札1→0）（Ｄ墓地21→22）（希望皇ホープ攻撃力4500→3500）（ホープレイＶ攻撃力5200→4200）
「なにっ！？」
ホープの攻撃が直撃するも、ダメージを減らされライフを削り切るには至らなかった。
「ぐぬぅ……！」（Ｄライフ4000→500）
「クソ……あと一歩だったのにな～」
「でも、あと一歩ですよ！　遊馬さん、遊矢さん！」
「ああ、そうだな遊太。あの強敵相手に、ここまでアイツを追い詰めたんだからな！」
「うん。俺達三人の力で、やっとのことでここまでやれたんだからな！　あと一息だ！」
「メインフェイズ２に入り、俺はカードを２枚伏せて、ターンエンド！」（遊馬手札3→1）

遊馬

ライフポイント2000
手札枚数1枚
モンスター2体
『Ｎｏ.３９ 希望皇ホープ』（攻撃表示・攻撃力4500・光属性・ランク４）
『ＣＮｏ.３９ 希望皇ホープレイＶ』（攻撃表示・攻撃力5200・光属性・ランク５）
魔法・罠ゾーンのカード3枚
発動しているカード1枚
『最強の盾』（装備魔法）
墓地の枚数8枚
除外されているカード0枚


遊太・遊矢・遊馬の３人のコンビネーションにより、ライフが500まで減らされ、更にはモンスターが０という状況まで追い込まれたＤ・エンペラー。
「おのれ……我をここまで追い詰めるとは、奴らめ……！」
「もう諦めるんだ、Ｄ・エンペラー！　どうあがいても、こちらの有利には変わりない。さあ、皆のカードを返してもらう！」
遊太がそう言うも、Ｄ・エンペラーはこう返す。
「黙れ！　誰が返すものか！　それに、まだ我は真の切り札を出していない！」


１２・Ｄ・エンペラーのターン

「我のターン！　我はフィールド魔法『超次元ゾーン』の効果により、デッキより『超次元テレポート』を手札に加える！」（Ｄ手札0→1）
「リバースカードオープン！　『超次元融合殺』！　このカードは、自分のフィールド・墓地より融合素材を除外し、融合召喚を行える！　我は墓地に眠る５体のモンスター、トリロジーグ、ディメンション・ドラゴン、ダークホープ、グスタフ・マックス、五光の５体を除外し、『超次元竜カイザー・バーン』を融合召喚する！　うおーーーっ！！」（Ｄ墓地22→17→18）（Ｄ除外0→5）
「な、なんだ！？」
突如Ｄ・エンペラーが光に包まれ、墓地から除外されたモンスターを混ざり合う。そして、その交ざり合った中から現れたのは、紫の鉄竜であった。その頭部は、心なしかＤ・エンペラーのドラゴン状のヘルメットに似ている。攻撃力は。
「攻撃力、5000！？」
「いや、それよりも！　Ｄ・エンペラーの奴がいないぞ！　どこへ行った！？」
「遊馬、あそこだ！」
「えっ！？」
アストラルが指差した方向は、カイザー・バーンの額。そこに、Ｄ・エンペラーの顔だけが露出していた。
「な、なんだアレは……！」
「融合したっていうのか！？　モンスターと！？」
「フハハハハハ！　これこそが我の真の切り札、カイザー・バーン！　モンスターだけではなく、我との融合によって、現実世界への干渉も可能となる！」
「何！？」
「行くぞ、バトルフェイズ！　カイザー・バーンによって、アルファを攻撃する！　残りライフポイント2000のお前達は、この攻撃で死ぬ！　そして我のコレクションとなるのだ！　カイザー・ストリーム！」
カイザー・バーンの光線が、アルファに向かって放たれる。攻撃力2500しかない遊太達にとっては、これだけで敗北してしまう！　
「こ、これじゃあ……！」
「遊太君、今助けるよ！　Ｐスケールにセットされたドラミング・コングのＰ効果発動！　モンスターと戦闘を行う時、攻撃力を600アップさせる！」（アルファ攻撃力2500→3100）
「その程度、どうにもならぬ！　消え去れ！」
「「「うわあーーっ！」」」（遊太ライフ2000→100）（遊太墓地11→12）
遊矢のＰ効果によって、かろうじてライフを繋ぎとめた遊太達。しかし、そのダメージが遊太達に大きなダメージを与えた！　
「ううっ……！」
「まだだ。カイザー・バーンは戦闘によってモンスターを破壊した時、相手のモンスター全てを破壊する！　消え去れ、モンスター達よ！　ハイパー・ディストラクション！」
「うわあああっ！」（遊太墓地12→13）（遊馬墓地8→11）
フィールドのモンスターが、全て消えてしまった。これでは、がら空きの遊太達に攻撃が叩きこまれてしまう！　
「貴様らの最後だ！　フィールド魔法『超次元ゾーン』の効果で、戦闘でモンスターを破壊したレベル１０・ランク１０以上のモンスターは、もう一度攻撃ができる！　今度こそ沈むが良い！　歴戦のデュエリスト達よ！　カイザー・ストリーム！」
がら空きのフィールド。そして攻撃力5000。絶体絶命であるが、遊馬達は諦めない！　
「相手の直接攻撃宣言時、俺は手札から『ガガガガードナー』を守備表示で特殊召喚する！　これで、直撃は防ぐぜ！　……ぐうっ！」（遊馬手札1→0）（遊馬墓地11→12）
遊馬のモンスターによって、何とかダメージを防ぐことができた。しかし、これだけでは終わらない！　
「まだだ、速攻魔法『超次元テレポート』を発動させる！　除外ゾーンより、レベル１０・ランク１０以上のモンスターを特殊召喚する！　我はダークホープを特殊召喚し、攻撃する！　貴様らの壁はもう無い！　消え去るがよい！」（Ｄ手札1→0）（Ｄ墓地18→19）（Ｄ除外5→4）
ダークホープの攻撃が、がら空きとなってしまった遊太達に襲い掛かる。この攻撃に対し、遊太は。
「もう、ダメなのか……僕達は……！」
半ば諦めかけてしまっていた。項垂れる。膝をつく。
しかし、遊馬と遊矢は。
「おいおい、もう諦めちまったのか？　遊太！」
「遊馬さん……！？」
「こんな苦しい時、どうしてもそう思っちゃうよね。こんな辛い状況じゃ」
「遊矢さん……！？」
「こんな時こそ、かっとビングだ！　『勇気を持って踏み出す事』・『どんなピンチでも決して諦めない事』・『あらゆる困難にチャレンジする事』これを心に抱けば、きっと勝てる！」
「遊馬さん！」
「遊太、遊馬はいついかなる時も、かっとビングを胸に諦めることなくデュエルをしていた。君も、遊馬の真似をして、立ち上がるんだ！」
「アストラルさん……！？」
「辛く苦しい時こそ、思いっきり笑ってやれ！　そうすれば、きっと心の底から笑える時が来るさ！」
「遊矢さん！」
この攻撃が迫る状況で、なんともタフネスな言葉を言える。遊太もこれに、立ち上がる意志を持つ！　
「僕も、僕もそうすれば、お二人のように……勝てるのですか！？」
「ああ、きっとできるさ！　遊馬！」
「ああ！　かっとビングだ、俺！　俺は墓地に存在する『虹クリボー』の効果発動！　相手の直接攻撃宣言時、墓地からこのモンスターを特殊召喚する！　攻撃はコイツが受けるぜ！」（遊馬墓地12→11）
「何っ！？」
墓地から現れた『虹クリボー』が、攻撃を受ける盾となった。これにより、遊馬達へのダメージは再び０となった。
「ふーっ……どうにか、首の皮一枚繋がったな……！」（遊馬除外0→1）
「バカな……これだけの攻撃をもってしても、トドメを刺せないだと……！？　だが、メインフェイズ２に入り、ダークホープの効果発動。カイザー・バーンの攻撃力分、ライフを回復する。これで5000のライフを回復だ！」（Ｄライフ500→5500）
「エンドフェイズだ。このエンドフェイズ、『超次元テレポート』の効果で特殊召喚したモンスターは除外される……だが、カイザー・バーンは相手のあらゆる効果を受け付けることはない！　何をしようとも、無駄だ！　ターンエンド！」（Ｄ除外4→5）

Ｄ・エンペラー

ライフポイント5500
手札枚数0枚
モンスター1体
『超次元竜カイザー・バーン』（攻撃表示・攻撃力5000・闇属性・レベル１２）
魔法・罠ゾーンのカード1枚
発動しているカード3枚
『超次元ゾーン』（フィールド魔法）
『超次元ゲート』（スケール１）
『超次元エクスイット』（スケール１２）
墓地の枚数19枚
除外されているカード5枚


遊太のターンがやってくる。遊馬と遊矢は、遊太に声をかける。
「遊太、思いっきり行け！」
「遊太君、君が決めるんだ！」
「はい！」


１３・遊太のターン

「僕のターン、ドロー！」（遊太手札0→1）
「……僕が引いたカードは、魔法カード『死者蘇生』！　これで墓地から、モンスターを特殊召喚する！　僕が特殊召喚するのは、このモンスター！　『イクスロードナイト・アルファ』だ！」（遊太手札1→0）
遊太の墓地から、再び現れた遊太のエースモンスター。攻撃力は2500。遊太のその選択に、アルファも応える。
（なるほど……遊太、ここで私を出すとは！）
「アルファのモンスター効果発動！　墓地のロックンをデッキに戻し、デッキから『英雄騎士』魔法カード『英雄騎士の兵力増強』を手札に加える」（遊太手札0→1）（遊太墓地13→12）
「手札から魔法カード『英雄騎士の兵力増強』を発動！　墓地の『ロードナイト』３体をデッキに戻し、２枚ドローする。だけど、手札が０の時にこのカードを発動した時、デュエル中に１度だけ３枚ドローできる！　僕はサイク、パワード、ディアナの３体をデッキに戻し、３枚ドローする！」（遊太手札0→3）（遊太墓地12→9→10）
ドローしたカードを見つめる遊太。そのカードは、遊太にとってこの逆境を変えられる、唯一のカード。
「遊矢さん、遊馬さん。あのモンスターを倒すには、僕達３人の力を結集させなければいけません。それは、分かっていることでしょう？」
「ああ、俺も同じだ」
「一発かましてやろうぜ！」
「罠カード発動！　『エクシーズ・リボーン』！」
「罠カード発動！　『ペンデュラム・リボーン』！」
「俺は、『エクシーズ・リボーン』でこのカードをオーバーレイユニットとし、希望皇ホープを特殊召喚する！」（遊馬墓地11→10）
「俺はエクストラデッキから、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』を特殊召喚する！」（遊矢墓地6→7）（遊矢エクストラ6→5）
「これで、遊矢さんと遊馬さんのエースカードが僕の場に揃った。ここからが本番だ！　魔法カード『結束の力』を発動！　自分フィールドのモンスター１体を対象として、このカードを発動できる。僕はアルファを対象とする。そして、その攻撃力を他のフィールドのモンスターの攻撃力分だけアップさせる！　これで、アルファの攻撃力はホープとオッドアイズの攻撃力の合計。5000アップする！」（遊太手札3→2）（遊太墓地10→11）（アルファ攻撃力2500→7500）
「一瞬にして、我がカイザー・バーンの攻撃力を超えただと！？」
「行くぞ、バトルフェイズ！　アルファで、カイザー・バーンを攻撃！　ブラック・ロードソード！」
「遊太君、俺の力を受け取ってくれ！　速攻魔法『オッドアイズ・リアクションフォース』！　このカードは、自分フィールドに『オッドアイズ』モンスターがいる時発動可能な速攻魔法！　このターン、相手が受ける戦闘ダメージを倍にする！　これで、遊太君の攻撃によるダメージを倍にする！」（遊矢墓地7→8）
「ほう、意外と策士だな。だがその程度、どうってことはないわ！　罠カード発動『超次元ゲイン』！　このカードをカイザー・バーンの装備カードとし、効果発動！　装備モンスターの攻撃力を倍にする！　どうだ、これでお前達のモンスターは返り討ち。我の勝ちだ！」
「それは」
「どうかな！」
「俺は希望皇ホープのモンスター効果発動！　モンスターの攻撃宣言時、モンスターの攻撃を無効化する！」（遊馬墓地10→11）
「何！？　攻撃を自ら無効化し、回避しただと！？」
「いいや、そういう訳じゃないさ！　速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』を発動！　攻撃が無効となった時、攻撃が無効となったモンスターを対象として効果発動！　そのモンスターをもう一度攻撃可能とさせ、その攻撃力を倍にする！」（遊馬墓地11→12）
「なん……だと……！？」
「もう、この攻撃を躱す術は、お前には無い！　これで最後だ！」
「「「行くぞ！」」」
アルファ、オッドアイズ、ホープの３体が空へと飛び立つ。そして、３体のモンスターは力を一つにし、アルファの剣へと力を溜めていく！　（アルファ攻撃力7500→15000）
「「「ホープ剣・ストライク・ロードソード！」」」
ホープ、オッドアイズ、アルファの三位一体の力が乗った攻撃が、カイザー・バーンへと向かって行く！　その強大な力が乗った剣が、カイザー・バーンを一刀両断した！　
「バカな！　全てのデュエリストの上に立つ筈のこの私が、この私ガァーーーーッ！」（Ｄライフ5500→0）
カイザー・バーンが一刀両断されたことによって、モンスターと融合していたＤ・エンペラーも、消え去った。
それによってか、Ｄ・エンペラーを倒した跡から、多数のカードがあふれ出てきた。そのカード達は、多数の次元へと消えて行った。


Ｄ・エンペラーとの死闘を終え、ミナコ社の前に立つ三人。遊太、遊馬、遊矢。
「……終わったな。これで、カード化されたデュエリスト達は皆、元の次元へと戻って行ったみたいだね」
「うん。これで一件落着いたいだな！」
「ああ。恐らくこれから零次からも……」
すると、遊矢のデュエルディスクから電子音が鳴り、声が聞こえる。
「もしもし、遊矢か？　各次元の人々から、デュエリスト達が戻って来たという情報が入って来た。どうやら任務は完了したようだな。では、早急に帰還してくれ」
「了解。じゃあ、こっちでの用事が終わったらすぐ帰るからさ。それじゃ」
デュエルディスクの電源を切る。そして、遊馬と遊太に向き直る。
「んじゃ、俺はそろそろ帰るから」
「そうだ、俺もそろそろ元の世界に帰らないといけないしな～。アストラルも、そろそろ帰らないとダメなんだろ？」
「ああ、今頃エリファスも戻っている頃だろう。そもそも遊馬の世界へ来たのも、エリファスを取り戻すため。それが済んだ以上、長居はできないからな」
「そーなのか……随分と久しぶりに会えたから、ちょっと嬉しかったんだけどなあ」
二人と一人がそんな話をする中、遊太は口を開く。
「あ、あの……お二人とも、もう帰ってしまうんですか？」
「ああ、柚子や権現坂みたいに、待たせている人が沢山いるから……。それに、俺もあの世界でやらなきゃいけないこともあるから」
「アストラルも、元の世界でやるべきことがあるしな。かくいう俺も、結構やんないといけないこと山積みだったり……」
「ああ、皆さん結構お忙しいようで……」
「……？　どうした、遊太？」
戦いが終わり、喜んでいる遊矢、遊馬に対し、ちょっとしゅんとした表情を見せる遊太。
「遊矢さん、遊馬さんも、素晴らしいデュエリストでした。貴方たちのデュエルの腕、とても良いものだと感じました。全てが素敵な……凄腕のデュエリストです」
「で……それで？」
「デュエルを見ていく内に、できるなら……僕はお二人とデュエルをしたいなあと、思ったのです！」
遊太のその言葉に、大きくうなずく遊矢と遊馬。そしてアストラル。
「確かに、遊馬は凄かったよなあ。『ＲＵＭ』を使わないランクアップ……あんなランクアップ、俺達の世界でも見た事ないよ」
「俺だって、遊矢のデュエルは凄いと思っていたぜ！　あんなに面白いデュエル、そんなの全然見られないデュエルだったぜ！」
遊矢は遊馬を、遊馬は遊矢を褒め称える。だが、遊太に向き直り、こう告げる。
「けれど、さっきも言った通り、俺達はやらなきゃいけないことが沢山ある。それこそ、多すぎるくらい……。遊馬もそうだろ？」
「ああ」
「それに……遊太君だっていろいろあるんだろ？　そこを考えたら、まずはそれを済ませた方が良いんじゃないかな。その方が、もっと楽しいデュエルができそうな気がする！」
「遊矢さん……！」
「俺も、遊矢に賛成だな。俺達も、まだまだいっぱい課題を残している。なら、それを全部やりきってからの方が、後腐れの無いデュエルができる。そうだろ、アストラル？」
「ああ、我々のやるべきこと、全てが終わった時、我々は真のデュエルができる。そんな予感がする」
「アストラルの言う通りだ。今じゃあダメなんだ。やるべき時が、俺達にはある。だから、それが終わった時には、凄いデュエルができると思うからこそ、ここは引くことが重要だと思うんだ」
「そう……ですか、なら。遊矢さんも、遊馬さんも、全てが終わってから、ですね……でも、きっとまた会えますよね。二人とも」
遊太のその言葉に対し、遊矢と遊馬は。
「ああ、絶対だ！」
「会えるさ、きっと！」
満面の笑みで、遊太にそう返した。それに対し、遊太も。
「はい！　絶対ですよ！」
二人に負けないくらいの笑顔で、そう返したのであった。

そして、遊矢は自身のマシンで、遊馬はアストラルの力によって、遊太の世界から自分の世界へと帰って行った。それを、笑顔で見届けた遊太。
「また会える……か」
遊太がそう独り言を言うと、後ろから声が聞こえてきた。
「おーい、遊太ぁ～！」
菊姫の声、それと平行するように見えてきたのは、知多、真薄、カリンにアキラと、ロベルトさん。Ｄ・エンペラーにカード化された遊太の友人達が、やってきたのだった。
（アルファ……！）
（ああ、遊太……）
自分にとっては、まだまだいろいろやるべきことが沢山あるのかもしれない。だからこそ、彼らとのデュエルが一層待ち遠しいのである。
そして、学んだこともある。遊馬から、かっとビングの精神を、遊矢から笑顔の精神を。
「……笑顔でかっとビングだ、僕！」


特別編　おしまい。

次回より、本編の更新に戻ります。