45 無敵のサプライズ　作：ギガプラント

マイティ「はは、これで２回目以降の攻撃も防ぐことができますね。」


マイティ「運良くこんなに早くコンボが決まりました～どうです？驚きました？驚きました？」


夏武斗「あぁ…まさかこんな戦い方だとは思ってもみなかったぜ。」


夏武斗「けどまだ勝負はこっからだぜ？俺はカードを２枚セット！ターンエンドだ！」



マイティ「僕のターンです。ドロー。」


マイティ「魔法罠カードを２枚も増やしましたね～。こちらの攻撃力を顧みずにそんなことをするという事は何か策がおありなんですねぇ？」


夏武斗「さぁ、どうだろぉなぁ？」

口笛を吹きとぼけた様子の夏武斗。（口笛は音になっておらず空気の抜ける音だけがシューシュー言っている。）


マイティ「これはなにか驚かせてくれそうですねぇ。これに乗らない手はありません～」


マイティ「バトルです！物陰のグレムリンでダイレクトアタック！」


茶ノ畑「フィールドの魔法罠カードは合計８枚！攻撃が通れば攻撃力は２３００まで上がります！早くもこれで決まりか～！？」


夏武斗「決まらせねえよ！罠カード発動！『ブレイク・チューン』！」


夏武斗「手札のチューナーモンスター１体を特殊召喚して相手の攻撃を無効にする！」


夏武斗「来い！『スワローテイル・フェアリー』！」星２・ＤＥＦ８００


茶ノ畑「楠選手罠カードを使い華麗に攻撃を躱したぁ！やはりそう簡単に終わりはしないようです！」


マイティ「ほほーう流石ですねぇ。僕はこのままターンエンドです。」



--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


楯山「ふ、ふん…あれくらい当然…。」


竜太「ひやひやするぜ…まったく」


初「何とかコンボを打ち砕かないと…。」


--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


夏武斗「俺のターン！ドロー！！」


夏武斗（よし！来たぜ！）


夏武斗「俺は罠カード『ロスト・スター・ディセント』を発動！」


夏武斗「墓地のギラファイターを守備表示で特殊召喚！」星５→４・ＤＥＦ８００→０


茶ノ畑「シンクロモンスターが復活！ただしロスト・スター・ディセントで蘇生したモンスターには多くの制約が付きます！ここから何かが始まるのか！？」


夏武斗「勿論！俺はレベル４の突甲戦士ギラファイターにレベル２のスワローテイル・フェアリーをチューニング！」




逆巻く怒号の嵐！空を裂くこの腕に宿れ！



シンクロ召喚！



切り裂け！『裂刃ストームシックル』！星６・ＡＴＫ２２００




マイティ「ほう…」


夏武斗「バトル！ストームシックルで物陰のグレムリンを攻撃！サイクロンスウィング！」


マイティ「何か策がおありですか～？永続罠ＳＧ－トリモチキャノンの効果を発動！」


振りかぶった鎌はトリモチを切り刻む


夏武斗「まだまだ！エアリアル・ヤンマーで物陰のグレムリンを攻撃！」


竜太「おいおい！攻撃したら破壊されちまうんだろ！？」


マイティ「ＳＧ－スリップロードの効果により２回目以降に攻撃宣言を行ったモンスターは守備表示になります。そしてＳＧ－油断の落とし穴の効果で、守備表示になったモンスターは破壊されます。」


マイティ「あ、トンボさんは飛んでますけどちゃんと滑りますんでご注意を。飛行能力で回避～とかそんなことはありませんので～」


穴に吸い込まれていくエアリアル・ヤンマー


初「あ……」


楯山「何やってんだ夏武斗ォォォ！！！」



茶ノ畑「あぁ～と駄目だ！やはり１回目の攻撃は防がれ２回目の攻撃は通らずに破壊されてしまいます！」


夏武斗「へへ！この瞬間！速攻魔法『バタフライ・エフェクト』を発動！」


夏武斗「自分の昆虫族モンスターがカード効果で破壊された時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する！」


マイティ「あれれ…？」



初「あっ！このためにわざと攻撃を！」


竜太「５枚全部破壊できりゃもう勝ちは見えたようなもんだ！」


楯山「ふん…ま、まぁ僕の予想通りだな…。」



茶ノ畑「大量除去の強力なカードだ！相手のカードすら利用した高度なプレイングです！」


夏武斗「こいつでどうだ！いっけえええ！！」




ッパアアアァァァン！！！





花火のような大きな火薬の音が響き渡る。



夏武斗「わああ！？」


マイティ「はっはっは～驚きました？驚きました？僕はカウンター罠『ＳＧ－クラッカーエフェクト』を発動しました！」


マイティ「このカードは魔法罠を破壊するカードの発動を無効にします。」


夏武斗「くっ…！」


--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


仁「…やはり破壊への対策も万全か。」


天音「魔法罠をメインに使うならそれを狙われるのは当然ですからね…。」


ロバート「まぁ１枚使わせたってだけでも上々なんじゃねえか？…どーせ防がれるのは判ってたんだし。」


天音「１枚ずつ使わせる…それも一つの手ですね。」


仁「…そう悠長にしている時間も無いがな。」


ロバート「攻撃止めてんのがよりによって永続カードだしなぁ…。」


天音「夏武斗君なら…きっと大丈夫です。」


自分のバングルにそっと手を添える。


--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---



茶ノ畑「あ～っと一発大逆転かと思われましたがマイティそれを許さない！」


夏武斗「はは、あんたのデッキ面白いなぁ！なんだか楽しくなってくるぜ。」


マイティ「光栄です～こんなに喜んでくれる人は久しぶりだなぁ。」


マイティ「いやぁ予選で戦った方々にはあまりお気に召さなかったようでしてね？どうも怒らせちゃったりしたみたいなんですよ～。」


夏武斗「へぇ…こんなに面白えのになぁ！」





竜太「…いや普通そうだろ。やることなすこと邪魔されて驚きましたぁ？とか言われたら。」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

ロバート「あれをノーダメージの涼しい顔で言われるわけだろ？」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

楯山「どう考えても煽られてるとしか思えない…。」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

天音「まぁでも……夏武斗君ですから…。」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

初「はは……。」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

仁「無駄に熱くならない分良いのかもしれん…。尤も、あいつは普段から十二分に熱すぎるが。」





夏武斗「だがこっちもやられっぱなしって訳には行かないぜ！俺はストームシックルのモンスター効果発動！」


夏武斗「１ターンに１度、このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つフィールド上のモンスター１体を破壊できる！」


夏武斗「今度こそ物陰のグレムリンを破壊だ！シェーバースフィア！！」


球体の鎌鼬に包まれグレムリンは破壊される。


マイティ「なんと！」


茶ノ畑「今度は通った！これでダイレクトアタックの脅威はなくなりました！」


夏武斗「俺はこれでターンエンドだ！」



マイティ「僕のターン！ドロー！」


マイティ「うーむ…またモンスターがいなくなっちゃいましたねえ。これは困った。」


夏武斗「その様子だとモンスターを引けなかったみたいだな？」


マイティ「はい～残念ながら～。…というわけで僕は魔法カード『サプライズゲスト』を発動。」


マイティ「自分フィールド及び墓地にＳＧカードが４枚以上存在する時、墓地のモンスター１体を特殊召喚します。」


マイティ「僕は墓地の『物陰のグレムリン』を特殊召喚！」星４・ＡＴＫ７００


夏武斗「って！モンスターが無くても蘇生カードはあんのかよ！」


マイティ「ははは！驚きました？」


マイティ「さてさて、残った１枚の手札も魔法罠ゾーンにセットします。…それじゃあバトルフェイズです。」


夏武斗「とか言ってる場合じゃなかった！」


マイティ「物陰のグレムリンでダイレクトアタック！」


マイティ「モンスター効果により、攻撃力は１２００ポイントアップします！」ＡＴＫ７００→１９００


夏武斗「ぐわあああ！！！」ＬＰ２１００→２００


茶ノ畑「２度目のダイレクトアタックが決まったあああ！！楠選手のライフポイントはもう風前の灯火です！」


夏武斗「ぐっ…なんとか耐えたぜ。」


マイティ「ふふ～ん。僕はターンエンドです。」


マイティ（さぁ～て…これでおしまいですかぁ？例のカードを見る前に終わるのは寂しいんですけどねえ。）



竜太「…大丈夫かこの状況？」


楯山「やはりここは本戦…いくら僕に偶然勝ったあいつとは言……」
初「頑張れえええ！！」


楯山「………」



夏武斗「俺のターン！ドロー！」


夏武斗「ストームシックルのモンスター効果発動！物陰のグレムリンを破壊だ！シェーバースフィア！」


マイティ「今度は通しませんよ～？速攻魔法発動！『ＳＧ－スプラッシュスイッチ』！」


マイティ「自分のカードを破壊する相手効果モンスターの効果が発動した時、その効果の発動を無効にし破壊できます！」

鎌鼬が消失し、ストームシックルの真上から大量の水が降り注ぐ。


夏武斗「くっ！罠カード『シンクロ・アウト』発動！」


夏武斗「自分フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスター１体をエクストラデッキに戻す！」


夏武斗「更に！そのモンスターのシンクロ召喚に使用した素材モンスター１組が自分の墓地に揃っていれば、その素材モンスター１組を自分フィールド上に特殊召喚できる！」


夏武斗「戻ってこい！『突甲戦士ギラファイター』『スワローテイル・フェアリー』！」星５・ＡＴＫ２０００　星２・ＤＥＦ８００


茶ノ畑「効果を無効化されたがただではやられない！素材モンスターを呼び戻しました！」


茶ノ畑「互いに一歩も引きません！これは見ものだぞぉ！皆さ～ん！是非ともこっちを見てってくださ～い！！」


夏武斗「更に俺は手札の『騒々虫』の効果発動！このカードを手札から墓地へ送り、ギラファイターのレベルを１つ上げるぜ！」星５→６


夏武斗「俺はレベル６となった突甲戦士ギラファイターにレベル２のスワローテイル・フェアリーをチューニング！」




密林の王者よ！燃えたぎる闘志をその身に宿し、猛き一撃で勝利を掴め！



シンクロ召喚！



出でよ！『ヴィクトリー・ビートル』！星８・ＡＴＫ２５００




--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


天音「夏武斗君のエースモンスターですね！」


ロバート「…といっても攻撃が防がれている以上あまり意味は無いがな。」


仁「シンクロ・アウトで特殊召喚したモンスターはそのターンのエンドフェイズに破壊される。デメリットを回避する意味もあるんだろう。」


--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


マイティ（成程…これが例の…。）


マイティ（デュエル中に見る事ができて嬉しいですね～）


マイティ「ですがどんなモンスターでも攻撃は防いじゃいますよ～？」


夏武斗「くっ、俺は『貪欲な壺』を発動！墓地のモンスター５体をデッキに戻し、２枚ドロー！」

突甲戦士ギラファイター、ハイスピード・センチピード、エアリアル・ヤンマー、ブルズアイ・フェアリー、スワローテイル・フェアリーがデッキに戻っていく。


夏武斗「俺は…カードを２枚セット。ターンエンドだ。」



マイティ「僕のターンです！ドロー！」


マイティ「僕は罠カード『ＳＧリプレイ』を発動！墓地のＳＧカード２枚を手札に加えます。」


マイティ「僕は『ＳＧ－クラッカーエフェクト』と『ＳＧ－スプラッシュスイッチ』を回収します。」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

楯山「げっ！？さっきの罠をもう一回使うってのか。」


初「必死で使わせた罠を回収されるなんて…。」


竜太「今回ばっかは無理じゃねえか…？」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


マイティ「そしてカードを２枚セット。バトルです。」


マイティ「まだ耐えられます？物陰のグレムリンでダイレクトアタック！」


夏武斗「まだまだ！俺は『スペリオル・ガッツ』を発動！」


夏武斗「ライフを半分払い、このターン受ける全てのダメージを０にする！」ＬＰ２００→１００


マイティ「はえ～まだ耐えちゃうんですねぇ。流石です～。僕はターンエンドです。」



--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


ロバート「ひやひやさせるなぁ…あのちっこいの。」


仁「……」


天音「夏武斗君……。」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


茶ノ畑「勝負がつきそうでつかない！！楠選手の生命力はゴキブリ並かああああ！！？？」


夏武斗「…あんまり褒められてるような気がしないなそれ。」


マイティ「はははぁ。まぁいいじゃないですか。」


マイティ「それよりも、次でこの状況突破できます？こんなに上手く回ったのは久しぶりですよぉ。頑張ってください。」


マイティ（といってもセットカードは勿論ＳＧ－クラッカーエフェクトとＳＧ－スプラッシュスイッチ。破壊対策は万全なんですけどね。）


夏武斗「へへん！言われなくてもやってやるぜ！」


マイティ「おぉ？」


マイティ（また怒られちゃうかもと思いましたが…あれはまだ諦めていないようですね。）


夏武斗「まだまだ！！よおおおし！！笑顔１００倍突き進む！」


夏武斗「笑う門には………ヴィクトリイイイィィィ！！！」





夏武斗「俺のターン！ドロー！」




夏武斗「よっしゃきたあああ！！このままバトルだ！」


マイティ「なんと…！！？」


夏武斗「ヴィクトリー・ビートルで物陰のグレムリンを攻撃！！」


マイティ「っ！永続罠ＳＧ－トリモチキャノンの効果発動！」


マイティ「トリモチトークンを特殊召喚し攻撃対象を移し変え…」


夏武斗「させるか！速攻魔法『バトル・コンセントレーション』発動！」


夏武斗「モンスターの攻撃宣言時、戦闘を行うモンスター１体は他のカードの効果を受けない！！」


--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

初「他のカードの効果を受けないって事は…」


楯山「トークンを特殊召喚すること自体はヴィクトリー・ビートルに関係ないので問題無く発動される。」


楯山「しかしバトル・コンセントレーションによって、攻撃を誘導する効果は受けない…つまり」

--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---


夏武斗「トークンは無視だ！そのまま物陰のグレムリンを攻撃！」


夏武斗「ヴィクトリーホーン・ストライク！！」


マイティ「っ！！」ＬＰ４０００→２２００


茶ノ畑「攻撃が決まったあああ！！これで次のターン、ダイレクトアタックの脅威から逃れ…」
夏武斗「この瞬間罠発動！『戦神の暴風』！」


夏武斗「自分のモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、自分か相手のフィールドの全てのモンスターの表示形式を変更する！」


マイティ「！？」


夏武斗「この効果でトリモチトークンは攻撃表示になるぜ！」ＡＴＫ０


夏武斗「これで決める！ヴィクトリー・ビートルでトリモチトークンを攻撃！！」


茶ノ畑「２回目の攻撃宣言！で、ですが魔法カードの効果により守備表示への変更がされない！そのまま攻撃が有効だあああ！！」


夏武斗「ヴィクトリーホーン・ストライクウウウ！！！」


マイティ「………」ＬＰ２２００→０




ＷＩＮ・夏武斗



茶ノ畑「決まったあああ！！一世一代の大逆転！！誰がこんな展開を予想したでしょうかあああ！！」


茶ノ畑「勝者は１４歳の小さな勇者！楠夏武斗おおお！！！」


夏武斗「…小さなは余計だっての。」


--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

ロバート「なぁ仁、あいつ…」


仁「………」


ロバート「実はすっげえ強いんじゃねえか？」


仁「………何を今更。」


天音「はい！今更、です！」


--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---




マイティ（あいやー…これは流石に予想外でしたねぇ…後で怒られるかも…。）


マイティ（ってなんか着信来てるし…！！）


夏武斗「へへ！えーと…マイティ！楽しかったぜ！！」


マイティ「あ、ああはい！！僕もです…あ、失礼します～！ありがとうございましたあああ！」

慌てた様子で去っていくマイティ


夏武斗「ん？急にどうしたんだ？」


夏武斗「…まぁいっか。」




終











--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

（次回予告）


夏武斗「ふぅ危ねえ…危うくパーフェクト負けするとこだったぜ。」


天音「でもよく切り抜けましたね。お見事でした。」


夏武斗「へへっ！ありがとな。」


天音「今度は私達の番ですね。」


夏武斗「そうだな！天姉！仁！絶対勝ってこいよ！」


仁「…ふぅ」


天音「仁君…どうかしましたか？」


仁「…いや、面倒な奴が相手で少し滅入っただけだ。」


天音「め、面倒ですか…？」


夏武斗「次回！『全力全開！不屈の百鬼夜行！』」


？「がっはっは！今回はちゃんとエクストラデッキもあるぞ！！」
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
・「ブレイク・チューン」はファイブディーズにてジャックが、「シンクロ・アウト」は遊星が使用したアニメオリカです。覚えてる人はいらっしゃるかな？