46 全力全開！不屈の百鬼夜行！　作：ギガプラント

（ジェネシック・スタジアム選手控え室の一角）


ひっそりと特殊な機器を作動させる平留。
同じ機器を着けた他数人と通信が繋がる。


マヘル「…一回戦負けだと？」


平留「はい。彼の事なので報告が遅れると思い、一応先に報告致しました。」


アリス「はぁ！？あいつ自分の仕事分かってんのぉ！？」


平留「一々声を荒げないで。耳障り。」


アリス「なっ…ふん！」


ヴァルト「想定内ではありますが、そうですか負けてしまいましたか…。」


アリス「『こっちの方が盛り上がる』だとか『面白くないから』とか訳の分かんない事言ってたけど、こんな早く負けちゃあ意味ないじゃないのよ！」


双葉「ねぇマヘル…それで、大丈夫なの？」


マヘル「思いの外数値は高まっている。案ずるな、お前たちの仕事はあくまで保険…最優先事項ではない。」


双葉「そっか…。」


ヴァルト「承知しました。引き続き持ち場に就きます。」


マヘル「平留も引き続き頼む。奴の事は一旦捨て置け。」


アリス「ほんと何考えてるか分かんないんだからアイツは。」


平留「はい。では試合があるので私は失礼します。」





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（ジェネシック・スタジアム選手控え室）



夏武斗「たっだいま～！！」


天音「おかえりなさい夏武斗君。」


ロバート「おっ！お疲れさん。」


仁「………」


夏武斗「へへっ！俺もお先に一勝だぜ天姉。」


天音「おめでとうございます。格好良かったですよ。」


夏武斗「そ、そうか？」


天音「はい！とっても。」


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楯山「…む、今何処かで物凄く不愉快なやり取りが行われているような。」


竜太「何言ってんだお前…？」

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dPhoneが震えだす音。


仁「…来たか。」


天音「私もみたいです。」


夏武斗「おっ！次は天姉と仁の番か！」


ロバート「おい仁、頼むからこんなとこで負けないでくれよ？」


意味深な視線を向けるロバート。
それを受け、仁は少しだけ睨み返す。


夏武斗「今度はどんなデュエルが見られんのかなぁ…！」


天音「どんな相手でも勝ってみせます！ふふ…。」




？「残念ながらそうはいかないわ。」


？「ふぅん…そうじゃのう。」


？「こんにちは夏武斗君。」


夏武斗「ん？この声って…あっ！！」


光輝「お疲れさま。さっきのデュエル見せてもらったよ。」


夏武斗「光輝さん！」


大駕「あの布陣を突破するとは…お主もどんどんと強くなっているようじゃの。」


奏「まぁそのくらいじゃないと此処には居られないでしょうけどね。」


天音「奏さんに八取さんも…」


自身のdPhoneを見つめる仁。

仁「…成程な。」


ロバート「うん？」


仁「奴が…本戦初の相手だ。」


天音「えっ？あっ！！」

同じく自分のdPhoneを確認する。
天音の対戦相手に「対嶋奏」と表示されている。


大駕「夜見原仁よ！まさかこんなにも早くまたお前と戦えるとは！これも神の思し召しかのう！がっはっは！」


奏「天音ちゃん。悪いけど今回は本気よ？一切手加減するつもりはないからそのつもりで宜しくね？」


天音「は、はい！こちらこそ宜しくお願いします！」


夏武斗「よっし！二人とも頑張って来いよぉ！！」


光輝「ふふ…それじゃあ僕はそろそろ自分の控え室に戻るよ。」


控え室を後にする５人。





夏武斗「あーでも二人同時かぁ…どっちも見られっかなぁ？」


ロバート「あっちこっちちょろちょろしてても集中できねえだろ。仁の方は俺がしっかり見てっからよ、お前は姉ちゃんの方を見ててやんな。」


夏武斗「うーんそれもそっか。じゃあ俺は天姉の方を見るよ。」

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（ジェネシックスタジアム）


大駕「夜見原仁！先に言っておくが、儂とて前よりも格段に強くなっておる！」


大駕（…今回はちゃんとエクストラデッキあるしの。）


大駕「奏嬢同様儂も本気の全力全開じゃ！正々堂々漢同士の熱いデュエルに勤しもうではないか！！」


仁「…相変わらず暑苦しい。」


仁（だが…こいつもかなりの実力者。油断は出来ない。）


大駕「がっはっは！儂のペースに呑まれるようではまだまだ！では行くぞ！」


仁「………！」




dPhoneモードチェンジ！Ｄパッドモード！



ターゲットロックＯＫ！



ビジョンリンクＯＫ！



ファーストディールＯＫ！



デュエル！！




大駕「儂の先攻じゃ！永続魔法『闘鬼門（オーガスゲート）』を発動する！」


大駕「１ターンに１度、自分がバトルフェイズ中に武装闘鬼（アームドオーガス）モンスターを特殊召喚した時、デッキからそのモンスターより低い攻撃力の武装闘鬼モンスター１体を手札に加える事ができる！」


大駕「そして儂は『武装闘鬼 クファンジャル』を召喚！」星４・ＡＴＫ１４００


大駕「カードを１枚セットし、ターンエンドじゃ！」


仁「俺のターン…ドロー。」


仁（永続魔法を発動したがその効果は発動されなかった。つまり…）


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ロバート「このターンでなんか来るってこったな…。」

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仁（…だがその程度で臆していては奴の思う壺。）


仁「…その地雷踏み抜かせてもらう。」


仁「相手フィールドにのみモンスターが存在する時、手札より『先陣の魔妖兵』を特殊召喚。」星６・ＡＴＫ２４００


仁「更に『デッド・プランドラー』を召喚。」星４・ＡＴＫ１５００


仁「デッド・プランドラーの効果発動。自分フィールド上のレベル５以上のモンスター１体のレベルを１つ下げ、このモンスターのレベルを１つ上げる。」先陣 星６→５　プランドラー 星４→５


大駕「レベル５モンスターが２体…！」


仁「俺はレベル５の先陣の魔妖兵とデッド・プランドラーでオーバーレイ！」


仁「２体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」



エクシーズ召喚！


現れよ！深淵を駆ける瞬速の槍！ランク５！『冥獄の猛将 ナイトメア・エッジ』！ランク５・ＡＴＫ２５００



茶ノ畑「早速エクシーズ召喚を決めた！夜見原選手、良い滑り出しです！」


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夏武斗「…なぁロバート？」


ロバート「ん？どしたちっこいの。」


夏武斗「だから夏武斗だって……なんかこっちとそっちで実況の人が同じような気がするんだけど。」


ロバート「あぁ…そのことね。まぁあれに関しちゃ深く考えるな。」


夏武斗「？」


ロバート「世の中にはな、全く同じ顔の人間が生まれる事もあるんだ。」


夏武斗「なるほど！双子だったのか！」


ロバート（本当は八子だけどな…。）

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仁「…ナイトメア・エッジのモンスター効果発動。オーバーレイユニットを１つ使い、手札の闇属性モンスターを特殊召喚する。」


仁「…俺は手札より『深怨の魔妖兵』を特殊召喚！」星７・ＡＴＫ５００


仁「深怨の魔妖兵の攻撃力は、自身のレベル×３００ポイントアップする。」ＡＴＫ５００→２６００


仁「…このままバトル！ナイトメア・エッジで武装闘鬼クファンジャルを攻撃！デモニック・ランス！」


大駕「おおっと！速攻魔法『ハーフ・シャット』を発動！」


大駕「このターンモンスター１体の攻撃力を半分にし、戦闘では破壊されない！」


大駕「儂はこの効果をナイトメア・エッジに使わせてもらうぞ！」


茶ノ畑「おっと！これでナイトメア・エッジの攻撃力は半分の１２５０！クファンジャルを下回った！」


仁「………」ＬＰ４０００→３８５０


大駕「読み通りといった顔じゃな？…儂は武装闘鬼クファンジャルのモンスター効果発動！」


大駕「このカードが戦闘を行った時、手札から武装闘鬼モンスター１体を特殊召喚できる！」


大駕「来い！『武装闘鬼 ファルシオン』！」星５・ＡＴＫ１８００
幅広の剣を持ち、フードで顔を隠した鬼のモンスター。


大駕「ここで闘鬼門の効果発動！特殊召喚されたファルシオンの攻撃力１８００より低い攻撃力の武装闘鬼モンスター１体をデッキから手札に加える！」


大駕「儂は攻撃力１６００の『武装闘鬼 ククリ』を手札に加える！」


大駕「更に！ファルシオンがバトルフェイズ中に特殊召喚された時、手札または墓地からファルシオン以外の武装闘鬼モンスター１体を特殊召喚できる！」


大駕「手札より今手札に加えた武装闘鬼ククリを特殊召喚！」星４・ＡＴＫ１６００
小さな身体で動き回る身軽な鬼。


仁「………！」


大駕「まだ終わらんぞ！武装闘鬼ククリがバトルフェイズ中に特殊召喚された時、デッキからククリ１体を効果を無効にして特殊召喚できる！」星４・ＡＴＫ１６００


茶ノ畑「なななんだこれは！！モンスターを攻撃したはずが逆にモンスターが３体も増えてしまったぞ！！？」


大駕「どうじゃ！果たしてここまで展開まで読んでいたかのぅ？」


仁「…深怨の魔妖兵で武装闘鬼クファンジャルを攻撃。」


大駕「…ぐぅ！まだまだ掠り傷じゃ！」ＬＰ４０００→２８００


仁「…カードを２枚セット。ターンエンド。」


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ロバート「あれま…なんとかダメージは与えたが、こいつぁ流石にちょっと怖えな。」


ロバート「…相っ変わらず涼しい顔してっけど、大丈夫だろうな…？」

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大駕「儂のターン！ドロー！」


大駕「ふぅん…夜見原仁よ！儂の真の力！見せてやるわい！」


大駕「儂は！レベル４の武装闘鬼ククリ２体でオーバーレイ！」


大駕「２体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」



エクシーズ召喚！


現れよ！戦場の牛頭馬頭！『武装闘鬼 スクラマサクス』！ランク４・ＡＴＫ２４００



大鉈の如き刃を豪快に振り回す凶暴な悪鬼モンスター。


仁「…やはり貴様、エクシーズ使いか。」


大駕「先日は訳あって披露できず申し訳なかったのう！じゃが今回はこの刃の切れ味！心行くまで味わえい！！」


仁「だがお前のモンスターでは俺のモンスターの攻撃力には届かない…！」


大駕「上等じゃ！ならば乗り越えるまでよ！バトルフェイズ！」


大駕「儂は速攻魔法！『闘鬼取引（オーガスディーリング）』を発動！」


大駕「この効果により、デッキよりレベル４以下の武装闘鬼モンスター１体を攻撃表示で特殊召喚する！現れよ！『武装闘鬼 ハルパー』！」星４・ＡＴＫ１５００


大駕「バトルフェイズ中に特殊召喚されたハルパーの攻撃力はそのターン中１２００ポイントアップする！」ＡＴＫ１５００→２７００


大駕「闘鬼門の効果発動！デッキより攻撃力１２００の武装闘鬼武装闘鬼ファルクスを手札に加える！」


茶ノ畑「攻撃力２７００！夜見原選手のモンスターの攻撃力を上回った！！」


大駕「行け！武装闘鬼ハルパーでナイトメア・エッジを攻撃！！」


仁「罠発動！『マジックアーム・シールド』！」


仁「相手モンスター１体のコントロールを奪い、そのモンスターと強制的に戦闘させる！！」


仁「俺が選択するのは武装闘鬼スクラマサクス！」


大駕「上等じゃあ！武装闘鬼スクラマサクスのモンスター効果発動！」


大駕「バトルフェイズ中に発動したカード効果の発動を無効にする！」


大駕「更に！自分フィールド上の武装闘鬼モンスター全ての攻撃力を３００ポイントアップじゃ！」スクラマＡＴＫ２４００→２７００　ハルパーＡＴＫ２７００→３０００　ファルシオンＡＴＫ１８００→２１００


仁「っ！ぐぅ！！」仁ＬＰ３８５０→３３５０


茶ノ畑「罠を無効にしつつ攻撃力を上げてきたああ！これでスクラマサクスの攻撃力は２７００となり、残るモンスター深怨の魔妖兵の攻撃力を上回りました！」


大駕「貴様がそう来ることは読んでおった！この儂に二度同じ手が通じると思うな！がっはっはっは！！」


大駕「続けてスクラマサクスで深怨の魔妖兵を攻撃！！鮮血双乱麻！」


仁「…っ！！深怨の魔妖兵は戦闘によって破壊される場合、代わりに墓地から自分より低いレベルの悪魔族モンスター１体を除外できる。」仁ＬＰ３３５０→３２５０


仁「俺はレベル６の先陣の魔妖兵を除外…。」


仁「その後このカードのレベルは除外したモンスターと同じになる…。」星７→６　


仁「更にレベルが下がったことにより攻撃力もダウンする…。」ＡＴＫ２６００→２３００


大駕「本気を出せば、罠の１枚など怖くない！」


大駕「儂のモンスター達はそう簡単に途切れたりはせん！」


大駕「屈強な肉体と揺るぎなき精神で戦いに赴く！！これぞ不屈の百鬼夜行！！」


大駕「カードを１枚セットしてターンエンドじゃ！！」



大駕「さあ！！もっともっと熱い戦いをしようぞ！！夜見原仁よ！！」





終










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（次回予告）


大駕「漢同士の熱いデュエル！この瞬間こそ血沸き肉躍るというもの！！」


ロバート「なんだか凄えのと知り合いなんだなぁ…。」


大駕「前と同じなどと思うな！エクシーズモンスターを使役する儂は前回より数段強い！」


大駕「更に……今の儂には前回を大きく上回る堅い信念がある！」


大駕「お前の信念はどうか……見極めさせてもらうぞ！」


ロバート「…信念ねぇ。」


仁「次回、『戦う理由』」


ロバート「…どうした仁？怖え顔しちゃって。」
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・リアル思考で作ったカテゴリをアニメ風に活躍させるのは難しい…。どんどんアド取りやがってからに…とか思いましたｗ