67 ランクアップ 新たなる力　作：ギガプラント

仁「『韋駄天の魔妖兵』の効果発動！」


仁「相手の攻撃宣言時、手札のこのカードを攻撃表示で特殊召喚し、攻撃対象をこのカードに変更する！」星５・ＡＴＫ１０００


忍者風の格好をした悪魔が飛び出し、クロコダイラスの前に立ち塞ぐ。
クロコダイラスは標的を変え、悪魔に飛びつき噛み付きかかる。


仁「……間に合ったか。」ＬＰ４０００→３９００



香子「あっ…！」


天音「仁君！？どうして…！」


仁「話は後だ。まずはこいつらをなんとかするぞ。」


天音「あ…はい！」


飼育員Ｃ「…ターンエンド。」



仁「俺のターン！」


天音「仁君！あのモンスターさえなんとかできれば勝機はあります！」

エメラルドヒポポタマスを指す天音。


仁「アイツか…。」


仁（守備力４０００……だが今なら…！）



仁「自分フィールドにモンスターが存在しない時、『豪気の魔妖兵』はリリースなしで召喚できる。」星５・ＡＴＫ２０００


仁「更にこの瞬間、墓地に存在する『韋駄天の魔妖兵』のモンスター効果を発動！」


仁「戦闘で破壊され墓地へ送られたこのカードが墓地に存在し、自分が闇属性モンスターの召喚に成功した時、墓地のこのカードを特殊召喚する！」星５・ＡＴＫ１０００


香子「レベル５が並んだ…！」


仁「俺はレベル５の豪気の魔妖兵と韋駄天の魔妖兵でオーバーレイ！」




深淵を駆ける冷たき騎士の魂よ！今此処に冥府の門より来たれ！



エクシーズ召喚！



現れよ！ランク５！『冥獄の猛将 ナイトメア・エッジ』！ランク５・ＡＴＫ２５００





仁「ナイトメア・エッジのモンスター効果発動！」


仁「１ターンに１度、オーバーレイユニットを１つ使い、手札から闇属性モンスター１体を特殊召喚する。」


仁「『ランサー・デーモン』を特殊召喚！」星４・ＡＴＫ１６００



仁「………。」



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アストベリー「君にこのカードのテスターとなってもらいたい。」


仁「…分からないな。何故そんな事を俺に託す？」


アストベリー「さぁ…何故だろうな。」


アストベリー「真実にたどり着く鍵となりえたかもしれない夜見原博士のご子息である君に頼む事で、私自身ある種の願掛けをしているのかもな。」


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アストベリー「なに、難しい事はない。使ってくれさえすればあとはdPhoneが勝手にやってくれる。」


アストベリー「それにこれはある意味で誰も持っていないレアカードだ。悪い話ではあるまい。」


アストベリー「何か役に立つやもしれんしな。」


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仁（貴様の手を借りるのは癪だが…。）


仁「…行くぞ。」




仁「俺は魔法カード『ＲＵＭ－ジェネシック・フォース』を発動！」


天音「ランクアップマジック！？」


香子「一体…。」


仁「このカードは自分フィールドのエクシーズモンスター１体をランクアップさせ、同じ属性でランクが１つ高いエクシーズモンスターを特殊召喚する！」


仁「俺はランク５のナイトメア・エッジでオーバーレイネットワークを再構築！」




晦冥たる世界で研ぎ澄まされし気高き騎士の魂よ！冥府の門を突き破り、終わりなき覇道を突き進め！！



ランクアップ・エクシーズチェンジ！！



現れよ！ランク６！『冥獄の魔神将 ナイトメア・ドレッド』！！ランク６・ＡＴＫ３０００




更に分厚い鎧に身を包んだ魔界の騎士。身体から邪気が漂っており、外見はより悪魔に近しくなっている。




天音「これが…ランクアップ…！」


香子「凄い…！」




仁「行くぞ！ナイトメア・ドレッドで精霊獣エメラルドヒポポタマスを攻撃！」


香子「えっ！？倒すには攻撃力が…！」


仁「ナイトメア・ドレッドのモンスター効果発動！オーバーレイユニットを１つ使い、手札・フィールドの闇属性モンスター１体を墓地へ送る事で、このカードの攻撃力はターン終了時まで墓地へ送ったモンスターの攻撃力分アップする！！」


仁「手札の『魔界狼 マルコキアス』を墓地へ送り、その攻撃力…２７００ポイント分攻撃力を上昇させる！」ＡＴＫ３０００→５７００


天音「攻撃力…５７００…！」



仁「更にランサー・デーモンの効果発動！」


仁「１ターンに１度、自分フィールドのモンスターが守備表示モンスターを攻撃する時、そのモンスターに貫通効果を与える！」


飼育員Ａ「………！」



仁「ディアボリック・デスランス！！！」


猛スピードで駆ける黒馬に跨り、巨大な槍を構える。
ドス黒い邪気を纏ったそれをエメラルドヒポポタマス目がけて力一杯放り投げる。


大槍は鋼鉄の鎧以上にも堅そうなエメラルドヒポポタマスの皮膚を難なく貫通し、その身体は内側から爆散し消え去った。





飼育員Ｄ「………」ＬＰ２０００→３００


仁「そして、ランサー・デーモンで隻眼のホワイトタイガーを攻撃！」


飼育員Ｄ「………っ！」ＬＰ３００→０


そのまま地面に倒れこむ。




天音「あの巨大モンスターを１ターンで…。」


仁「ターンエンド。」


仁「花田、後は行けるな？」



天音「は、はい！私のターン！」




天音「私は『雨天使 レーゲン』を召喚！」星３・ＡＴＫ１５００


天音「雨天使レーゲンの効果発動！晴天使サニーのレベルを１つ下げます！」星４→３


香子「これでレベル３が２体ね！」


天音「私はレベル３の雨天使レーゲンと晴天使サニーでオーバーレイ！」



無垢なる可憐な乙女よ、そぼ降る雨に舞い踊れ！



エクシーズ召喚！



現れよ！『アプリコット・レイニー』！ランク３・ＡＴＫ１６００




天音「そして魔法カード『五月雨の舞』を発動！」


天音「ランク３以下のエクシーズモンスター１体のオーバーレイユニットを１つ取り除く事で、そのモンスターはこのターン全ての相手モンスターに攻撃できる！」


香子「全体攻撃！よし……それなら私も！」


香子「罠カード発動！『降雷ニンジン』！」


香子「墓地の通常モンスター１体を除外し、その攻撃力分、モンスター１体の攻撃力をアップさせる！」


香子「私はウィルミーを除外して、アプリコット・レイニーの攻撃力を１０００ポイントアップする！」ＡＴＫ１６００→２６００


天音「香子さんありがとうございます！」


香子「うん…！」


天音「アプリコット・レイニーの効果発動！オーバーレイユニットを１つ使い、メカレオンの攻撃力・守備力を８００ポイントダウンさせる！レイン・ドレイン！」ＡＴＫ８００→０


天音「それでは、バトルフェイズ！！」


天音「アプリコット・レイニーでメカレオンを攻撃！」


天音「ドロップ・エミッション！アン！」


レイニーの傘から大雨が放射される。


飼育員Ａ「………」ＬＰ４０００→１４００


天音「もう一体のメカレオンにも攻撃！ドロップ・エミッション・ドゥ！」


飼育員Ａ「………！」ＬＰ１４００→０


天音「次はクロコダイラス！ドロップ・エミッション・トロワ！」


飼育員Ｃ「………ｳｩ～ﾝ」ＬＰ１４５０→０


天音「最後にキラーパンダを攻撃！ドロップ・エミッション・キャトル！」


飼育員Ｂ「………」ＬＰ２４００→１０００


仁「……ﾌｯ。」


天音「これで最後です！クリアースカイ・ドラゴンでダイレクトアタック！！」


天音「サンライズ・ノヴァ！！」


飼育員Ｂ「………ｯｸﾞ！」ＬＰ１０００→０



ＷＩＮ・天音＆香子＆仁








天音「仁君。助かりました。」


香子「ありがとうございました。」


天音「この人達は…気絶しているだけのようですね。」



天音「仁君、どうして此処へ…それにさっきのカードは…。」


仁「…ここにいるのはこれで全員か。」


天音「え…？」


仁「…いや、俺の予想通りなら、糸を引いてる奴がまだ…！」



急に駆けだす仁。



天音「あの仁君、どこへ……！？」


仁「………！」




香子「い、行っちゃった…。」


天音「一体何がどうなってるんでしょう…。」


香子「飼育員の人達……大丈夫かな。」


天音「とにかく今は夏武斗君達にこの事を…えっ！？」

dPhoneを見て目を丸くする天音。




天音「電波圏外って、そんな筈…！」






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夏武斗「天姉達……大丈夫かなぁ。」


夏武斗「アイツすげえすばしっこいし…何より此処広いからな…。」




宇佐美「ミミの奴、儂の意図を…。」


宇佐美「いや、それは都合が良すぎというものか。」



夏武斗「ん？」




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（上波動物園・スタッフオンリーの高台）


仁「そこか！」


フードの男「…おや、」


仁「…裏にいたのは貴様か。」


フードの男「君がいるとは予想外でしたねぇ。わざわざ私にカードを提供しに来てくれたということでしょうか。」


仁「…寝言は寝てから言え。」


フードの男「これは手厳しい。もう少し君と話すのも面白そうですが、生憎今日はもう時間のようです。」


フードの男「先程、手駒が幾つか減ってしまったようなのでね。」


仁「…逃がすと思うか？」


フードの男「逆に、捕まえられるとお思いですか？」


仁「…！？」


真横に手を伸ばすと、禍々しい気が男の身体を包む。



フードの男「またいずれどこかで…」




ドス黒い気が煙のように一気に噴き出す。



煙は数秒で晴れ渡るが、そこに男の姿はない。




仁「…趣味の悪い手品だ。」




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夏武斗「！？」



夏武斗（この嫌な感じ…前に…。）




やけに静かな辺りを見渡す夏武斗。




夏武斗「間違いない…あの時と…。」


夏武斗「爺ちゃん！こっから離れるんだ！」


宇佐美「…離れる？」


夏武斗「詳しくは分かんねえけど危ないんだよ！このままだと俺達…！」


宇佐美「逃げると言っても……何処に逃げるというのじゃ？」


夏武斗「何処でもいい！とにかくできるだけ遠くに…！」


宇佐美「無駄じゃよ。」


夏武斗「はぁっ！？」









宇佐美「既に誰も儂等を認識できん。勿論その逆も然りじゃ。」










夏武斗「な、何言ってんだよ爺ちゃん。」


宇佐美「すまぬの、お主に恨みがあるわけではないが……」


フードの男のそれと同じ気が辺りを包みだす。



夏武斗「っ！！？」



宇佐美「これが儂の役目でな…！」


宇佐美が拳を前へ突き出すと。その腕に纏わりつくようにデュエルディスクが現れる。



夏武斗「なっ…！？」


宇佐美「アリス嬢ちゃんが言うとった不思議な光……お主が発したものなのかどうか…。」


宇佐美「この目で見せてもらうとするかい。ヴィクトリー・ビートル！！」


夏武斗「何っ！？」




夏武斗「まさか爺ちゃんアイツの……俺のヴィクトリー・ビートルを奪ったあのフード野郎の仲間だってのか！！！」


宇佐美「奪われた…！？」


宇佐美（既に誰かが終えたのか……いや、マヘル殿がその報告を怠るとも思えん。）


宇佐美（ただのはったりか…？いやしかし…。）




宇佐美「…戦えば分かる事か。」

デュエルディスクを構えだす。


夏武斗「おい！訳分かんねえよ！！爺ちゃんなんでこんな事…！！」


宇佐美「そのカードが儂等の目指す世界への道標になるかも知れんからじゃよ。」


夏武斗「道標…？ヴィクトリー・ビートルがなんだってんだよ！！」


宇佐美「年寄りには何も分からんよ。それに……お主が知ることもないじゃろう。」


宇佐美「無駄話は終わりじゃ、行くぞ！！」


夏武斗「くそっ！！」






dPhoneモードチェンジ！Ｄパッドモード！



ターゲットロックＯＫ！



ビジョンリンクＯＫ！



ファーストディールＯＫ！



デュエル！！






宇佐美「先攻は儂が貰う！儂のターン！」


夏武斗「爺ちゃん！！こんなデュエル！！」


宇佐美「香子にデュエルを教えたのはこの儂じゃ。大会で上に行ったとて、そう簡単にはやらせんぞ。」


宇佐美「それにどの道儂に勝たねばこの空間からは出られぬ…！最早お主に選択肢などは無いのじゃ！」


夏武斗「くっ…！」
宇佐美「儂はフィールド魔法『森』を発動！」


フィールドを深い森が包みだす。



夏武斗「森…！」


宇佐美「そう…森じゃ。これはソリットビジョンの紛い物じゃが、確かに現実に存在する美しい森じゃ。」


宇佐美「このカードが存在する限り、互いのフィールドに存在する昆虫族、植物族、獣族、獣戦士族モンスターの攻撃力と守備力は２００ポイントアップする。」


宇佐美「更に儂は儀式魔法『霊峰の月相』を発動！」


夏武斗「儀式魔法！？」


宇佐美「そうじゃ、儀式魔法の効果によりモンスターをリリースして召喚する特殊な召喚方法。」


宇佐美「最近ではあまり見ないようになってしまったがの…。じゃがだからといって甘く見て貰っては困る。」


宇佐美「儂はレベル合計が６以上になるようにモンスターをリリースしなければならない！」


宇佐美「じゃがこの儀式魔法『霊峰の月相』には普通の儀式魔法には無い特殊な能力がある！」


夏武斗「特殊な能力…！？」


宇佐美「自身のフィールドが森となっている時！このカードの効果によってリリースするモンスター１体を、デッキから墓地へ送る事で代用できる！」


夏武斗（手札の消費を抑えて召喚できるって事か…。）


宇佐美「儂はデッキよりレベル７の『森の番人グリーン・バブーン』を墓地へ送り儀式の糧とする！」





深き木々の中より目覚めよ！雄々しき山の守り神！！



儀式召喚！



レベル６！『深緑の獅子王』！！星６・ＡＴＫ１５００






深い緑色の毛に覆われた大きな獅子。獣でありながら妖精のような翼を持つ。




夏武斗「１ターン目から儀式召喚を決めてくるなんて…！」


宇佐美「森フィールドのパワーソースで攻撃力２００アップ！」ＡＴＫ１５００→１７００


宇佐美「カードを１枚伏せターンを終了。さぁ次はお主の番じゃぞ。」


夏武斗「くっ…！」





終









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（次回予告）


夏武斗「おい爺ちゃん！急にどうしたんだ！訳分かんねえよ！」


夏武斗「爺ちゃんも…ヴィクトリー・ビートルを奪ったアイツも、一体何者なんだ！？」


夏武斗「えっ…？消えゆく人間達って…。」


夏武斗「次回！『アインヘリアルの陰謀』」


夏武斗「なんだよそれ…全然分かんねえよ！！」
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・既存のオリカエクシーズ達にも新たに口上がついてます。