41 本戦開始！白熱のエキシビジョン　作：ギガプラント

（ジェネシック・スタジアム）


司会「うぉはようございます皆さん！！Ｍ.Ｃ茶ノ畑でっす！」


茶ノ畑「本日は晴天に恵まれ絶好のデュエル日和！！」


茶ノ畑「予選を勝ち上がってきた強者達よぉ！デュエルの準備はできてるか～？」



夏武斗「いぇ～い！！」


天音「あはは…。」


仁「…」


楯山（客席）「………ｸｯ!」



茶ノ畑「しかぁし皆さん！先はまだまだ長いですよぉ？ここに集まった大勢のデュエリストの中で、決勝トーナメントに進めるのはたったの１６人！」


茶ノ畑「枠に収まりたければとにかく勝つしかない！！頼れるものは自分の力のみだ！！」


光輝「自分の力…か。」


奏「……」


大駕「ふむ！上等！」


司会「優勝目指して頑張ってください！！それでは早速……ｺﾎﾝ」


司会「ジェネシック・エレクトロニクス社主催アストベリーカップ！本戦のスタートです！！」





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（ジェネシック・スタジアム選手控え室）


予選を勝ち抜いた参加者達が幾つかの控え室に分けられ待機している。


夏武斗「へへ！ついに始まったぜ！わくわくすんなぁ天姉！」


天音「ふふ…そうですね。」


夏武斗「さて！本戦最初の相手はどんな奴かなぁ…！」


仁「………」

控え室を出ていく仁


夏武斗「あれ？おい仁どこいくんだ？」


仁「…外の空気を吸ってくるだけだ。」


夏武斗「えっ？でも試合は……」


ロバート「試合までにゃあまだたっぷり時間あるぜ。」


夏武斗「うおっ！ロバート！いつからそこに！」


天音「び、びっくりしました…。」


ロバート「ははは、気配を消すのは得意でな。」


仁「……はぁ。」


ロバート「なんだか試合の前にエキシビジョンマッチかなんかをやるんだと。俺等はその後までお預けってこった。」


夏武斗「へぇ～エキシビジョンマッチかぁ。誰が戦うんだ？」


ロバート「悪い。俺もそこまでは覚えてねえ。」


天音「えーっと…確かパンフレットに…。」


天音「今話題のイケメンアイドルデュエリスト『藍堂 流（あいどうながれ）』ＶＳ元プロデュエリスト『チョッパー寺川』……だそうです。」


ロバート「あー…なんかテレビで見たような気がするわ。」


夏武斗「なんかよくわかんねえけど凄そうだな！見てみようぜ！」


歩き出す仁


夏武斗「おーい仁！行っちまうのか？」


仁「興味ない。…ここは喧しくて好かん。」

部屋を後にする。


ロバート「あれまぁ…ちょーっとくらい見てやってもいいだろうに。」


天音「あ、始まるみたいですよ。」


控え室に設置されたモニターテレビにスタジアムの様子が映し出される。


夏武斗「おお！すっげえ！俺もあんなでっかいとこでデュエルたいぜ！」



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（ジェネシック・スタジアム）


茶ノ畑「ただいまより！本戦前のエキシビジョンマッチを開催致しま～す！！」


湧き上がる歓声


茶ノ畑「さて今年の本戦最初の花を咲かせてくれるのは～？」


茶ノ畑「今最も旬の男！そのルックスとデュエルで私達をどこまで魅了してくれるのか！！」


茶ノ畑「アイドルデュエリスト！藍堂流！！」

「きゃあああ！！！」
「流さまあああ！！こっち向いてえええ！！」
「愛してま～す！！！」

藍堂「皆さん！ありがとう！」


茶ノ畑「対するは！！元プロデュエリストの経歴を持ち、現在はデュエル塾を立ち上げ師範として活躍しています！」


茶ノ畑「正拳塾師範代！チョッパー寺川！！」

「しはーん！！」
「負けるなあああ！！」
「正拳塾の本気！見せてやってくださあああい！！」

寺川「正々堂々…行かせてもらう！！」


茶ノ畑「それでは参りましょう！！皆様もご一緒に！！」






dPhoneモードチェンジ！Ｄパッドモード！



ターゲットロックＯＫ！



ビジョンリンクＯＫ！



ファーストディールＯＫ！



デュエル！！




寺川「自分の先行！」


寺川「自分は『カラテマン』を召喚！」星３・ＡＴＫ１０００


寺川「カードを２枚セット！ターンエンド！」



藍堂「では僕のターンです！ドロー！」


藍堂「僕は『スターナイト・プリンス』を召喚！」星４・ＡＴＫ１５００
星型の装飾をあしらった王子様。


茶ノ畑「藍堂ここで寺川のモンスターより高い攻撃力のモンスターを召喚してきた！このまま攻撃が成功すれば寺川にダメージとなります！」


藍堂「まだまだこれからですよ。スターナイト・プリンスのモンスター効果発動。」


藍堂「手札から『白銀の名馬』を守備表示で特殊召喚！」星３・ＤＥＦ１２００
美しい毛並みの白馬。


藍堂「そして魔法カード『融合』を発動！スターナイト・プリンスと白銀の名馬を融合！」



夜空を渡り歩く旅人よ、煌びやかなる白馬を従え真の姿を現せ！


融合召喚！


来い！『スターナイト・ホワイトプリンス』！星８・ＡＴＫ２５００




乗っただけ融合+全身から眩い光を放つ。



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夏武斗「うっひょ～！！やっぱでっかいビジョンだと迫力もデカいぜ！！」


天音「そ、そうですね…ここまでとは思いませんでした。」


夏武斗「融合かぁ…どんな戦いになんのかなぁ。」


ロバート「………っだらね。」


夏武斗「ん？どうかしたかロバート？」


ロバート「いんや何でも。…俺もちょっと出てくるわ。」


夏武斗「なんでだよ？せっかく始まったのに…」


ロバート「あぁ、まぁちょっとな。そんじゃまた後で。」

部屋を後にするロバート。


夏武斗「なんだよ急に……変な奴だなぁ。」


天音「まぁきっと…何か思うところがあるんですよ。」


夏武斗「よく分っかんねえなぁ。」



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茶ノ畑「いきなり融合召喚！！流石です！ただのイケメンアイドルではない！ここに居るのは一人の強者だ！！」


藍堂「バトルフェイズ！スターナイト・ホワイトプリンスでカラテマンを攻撃！」


藍堂「星光の美技！！」


寺川「ぐうう！！」ＬＰ４０００→２５００


茶ノ畑「先制攻撃が決まった～！！１５００ポイントのダメージ！！」


茶ノ畑「いきなり半分近くのライフを削った藍堂！このまま一気に攻め切ってくれるのかぁ！！」


フィールド上にカラテマンが堂々と立っている。


茶ノ畑「おお～っとどうしたことか！？破壊された筈のカラテマンがフィールドにぃ！？」


寺川「自分は永続罠『団体戦』を発動していた！」


寺川「団体戦は、自分のモンスターが破壊され墓地へ送られた時、そのモンスターの同名モンスター１体をデッキより特殊召喚できる！」星３・ＡＴＫ１０００


茶ノ畑「フィールドに立っているのは先程とは別のカラテマン！言うなれば先鋒の次の中堅ということか～！」


茶ノ畑「しかし攻撃力は変わらず１０００！このままではスターナイト・ホワイトプリンスには敵わないぞ！！どうする寺川！？」


藍堂「ターンエンド！」（ﾆｺｯ）


「きゃあああ！！」
「こっち向いてえええ！！」
「あのモンスター…白馬の王子様よ！素敵！」


寺川「自分のターン。ドロー！！」


「師範！こっからです！」
「いっけえええ！！」


寺川「自分は魔法カード『黙想』を発動！！」


寺川「モンスター１体の元々の攻撃力をエンドフェイズまで倍にする！」ＡＴＫ１０００→２０００

カラテマンが目を瞑り、黙想のポーズをとる。


茶ノ畑「しかし黙想を使ったターン、モンスターの通常召喚ができません！そして攻撃力はまだ足りない！」


寺川「まだまだ！自分はカラテマンのモンスター効果を発動！」


寺川「自身の元々の攻撃力を２倍とする！！」ＡＴＫ２０００→４０００


藍堂「攻撃力４０００…！？」


茶ノ畑「これは凄い！魔法カードとモンスター効果のコンボで攻撃力を４０００まで釣り上げた！！」


寺川「更に魔法カード『地割れチョップ』を発動！」


寺川「自分フィールドで一番攻撃力の低いモンスターより低い攻撃力のモンスター１体を選び破壊する！」


藍堂「っ！スターナイト・ホワイトプリンスのモンスター効果発動！」


藍堂「手札を１枚捨てる事で、このターンこのカードは魔法罠の効果を受けない！」

掌より放たれた球状のバリアがホワイトプリンスを守る。


茶ノ畑「なんとか守った！だがまだ戦闘が残っている！」


寺川「バトル！行けカラテマン！ホワイトプリンスに攻撃だ！！」


藍堂「くっ…！！」ＬＰ４０００→２５００


茶ノ畑「チョッパー寺川！前のターンに削られたライフ分一気に削り取った！！」


寺川「エンドフェイズに入らせていただく。」


寺川「効果を発動したカラテマンはこの瞬間に破壊される。」


寺川「しかし！団体戦の効果で３体目をデッキから特殊召喚！」星３・ＡＴＫ１０００


寺川「そして罠カード『転生の予言』を発動！墓地のカラテマン２体をデッキへと戻す！」


寺川「ターンエンド。」


茶ノ畑「団体戦の効果は効果による破壊でも有効です！そして転生の予言の効果により更に後続が約束されました！」



藍堂「僕のターン！ドロー…！」


藍堂「モンスターを裏側守備表示でセット…更にカードを１枚伏せてターンエンドです…。」


茶ノ畑「自慢の融合モンスターを破壊されてしまった藍堂！ここはたまらず防御態勢か！？」



寺川「自分のターン！ドロー！」


「流れが変わったぜ！」
「チャンスだ！いっけえ！！」


寺川「自分はカラテマンをリリース！そして『カラテロード』をアドバンス召喚！！」星６・ＡＴＫ２０００


藍堂「アドバンス召喚か…。」


寺川「ふん！攻撃力が上がろうとモンスターは１体、このターンは凌げる、そう思っているな！！？」


藍堂「っ！？」


寺川「否！甘い！甘いぞ！魔法カード『フルコンタクト』を発動！」


寺川「相手フィールドのモンスターを全て攻撃表示とする！」


藍堂「『プリンスワン』が…！」星３・ＡＴＫ８００
王冠を被った綺麗な白鳥


寺川「カラテロードの効果発動！元々の攻撃力を２倍にする！」ＡＴＫ２０００→４０００


茶ノ畑「おおお～っと！！壁モンスターを攻撃表示に変更された！！」


茶ノ畑「このまま攻撃を受ければダメージは３２００ポイント！このまま決まるかぁ！？」


寺川「バトル！カラテロードでプリンスワンを攻撃！！」


藍堂「罠カード！『幸福な王子』を発動！」


藍堂「このターン受けるダメージを半分にし、更にダメージを受ける度にデッキからカードを１枚ドローする！」


藍堂「ぐああっ！」ＬＰ２５００→９００


茶ノ畑「なんと耐えた！ギリギリ耐えました！流石は藍堂見せてくれます！」


寺川「ふむ、ここに立つのならそれくらいは見せてくれなければな！」


寺川「エンドフェイズ、カラテロードは破壊され、団体戦の効果によりデッキからカラテロードを特殊召喚する！」星６・ＡＴＫ２０００


寺川「ターンエンド！」



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（ジェネシック・スタジアム通路）


仁「……お前か。」


ロバート「すっげぇな…ここまで歓声が聞こえてくんぜ。」


仁「試合を見るんじゃなかったのか？」


ロバート「あぁあんなん見る価値もねーよ。時間の無駄だ。」


仁「………」


通話中の男とすれ違う二人。


細身の男「………はい～、はい～。」


細身の男「分かってますって。もう僕の腕はご存知でしょう～？」


細身の男「はい～。頑張ります～はい～ではでは～。」


通り過ぎる。



ロバート「………あれまぁ。こんなに早くお目にかかれるとはな。」


ロバート「…マイティ。」


仁「…奴が？」


ロバート「あぁ…。」


ロバート「やっぱり奴は上がってきたか。できれば来て欲しくなかったんだがな～。」


ロバート「まぁ嘆いてもしょうがない…こっちも気張りますかね。」



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藍堂「僕のターン……ドロー！！」


藍堂「！！」


茶ノ畑「さぁなんとか勝ち取った１ターン、藍堂はどう出る！！？」


藍堂「僕は装備魔法『再融合』を発動！」


藍堂「ライフ８００をコストに、墓地の融合モンスターを特殊召喚する！蘇れ！『スターナイト・ホワイトプリンス』！」星８・ＡＴＫ２５００　ＬＰ９００→１００


寺川「なんと！？」


藍堂「更に僕は魔法カード『戦意喪失』を発動！」


藍堂「このターンのエンドフェイズまで、フィールド上の全てのモンスターの攻撃力を０にする！」


茶ノ畑「おっと！攻撃力はホワイトプリンスが上なのに、互いを弱体化させる魔法カードを使ったぁ！これはどういうことか！？」


藍堂「ホワイトプリンスの効果発動！手札１枚を捨てる事で、このターンこのカードは魔法罠の効果を受けない！」


寺川「ぬぅ！！」ＡＴＫ２０００→０


茶ノ畑「これは上手いいい！！！最後の手札を使い、自分のモンスターのみ弱体化の影響から逃れたあああ！！」


茶ノ畑「そして寺川のライフポイントは２５００！ホワイトプリンスの攻撃力と同じだあああ！！！」


藍堂「バトル！！スターナイト・ホワイトプリンスでカラテロードを攻撃！！」


藍堂「星光の美技！！」


寺川「無念！！」ＬＰ２５００→０




ＷＩＮ・藍堂



茶ノ畑「決まったあああ！！！勝者は藍堂流！一度は窮地に立ったと思われましたが、最後の最後に大きな逆転劇を見せてくれました！！」


茶ノ畑「対するチョッパー寺川も闘志に満ちた熱いデュエルでした！素晴らしい戦いを見せてくれた二人のデュエリストに盛大な拍手を！！」



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夏武斗「あ～凄かった！俺も早くデュエルしたくなってきたぜ！」


天音「ふふ、私もです。なんだかワクワクしてきますね！」









フードの男「……っけ！」


フードの男「………っだらねえ！！」




終










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（次回予告）


夏武斗「見たかあのでっかいビジョン！！凄かったなぁ！」


天音「見てるだけでワクワクしまてきますね。」


夏武斗「ようし次は俺の番だ！バリバリ行くぞ～！！」


天音「本戦最初の対戦カードに私達は入っているでしょうか。ちょっとドキドキです。」


夏武斗「次回！『十年前の栄光、雷のプロデュエリスト』」


ロバート「さぁ～て、いっちょ頑張っていきますか！」
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・カラテロードの効果はカラテマンと全く同じです。
・Ｍ.ＣとかＭ.Ｃ.Ｃとか微妙に紛らわしいな…。