33 勝利を照らせ！逆転の天召術　作：ギガプラント

香子「さぁ！これで終わりよ！バトルフェイズ！」


香子「妖獣－ストロング・コニーで、ファイン・ファイターに攻撃！」

大穴の中にその巨体を沈み込ませる。
束の間の後、ファイン・ファイターの真下の地中より鋭い爪が突き出される。
一瞬で跳ね飛ばされた身体は上空へと舞い上がっていく。


香子「これで私の勝ち……えっ！？」

空中のファイン・ファイターは防御耐性をとっており、その後なんとか体制を立て直す。


天音「罠カード『ガード・シフト』を発動させました！」


天音「この効果によりファイン・ファイターは守備表示となり、このターンの戦闘破壊は無効となります！」ＤＥＦ５００


香子「むぅ…一筋縄ではいかなかったわけね。」


天音「私もそう簡単にやられる訳にはいきません！」


香子「だけど私のストロング・コニーの攻撃力は４７５０。この子を倒せるかしら？」


香子「私はこれでターンエンド！」



天音「私のターンです！ドロー！」


天音（攻撃力４７５０…確かにあれは強力ですね…。）


天音「私はもう一度ファイン・ファイターの効果を発動！」


天音「このカードのレベルを１つ上げます！」星５→６


天音「そして私は『上昇気龍（アップ・ドラゴン）』を召喚！」星３・ＡＴＫ８００
フワフワと飛び回る小さな飛龍。


香子「攻撃力８００のモンスター？それで私のモンスターを倒せるのかしら？」


天音「まだまだこれからです！更に私は魔法カード『倍雨前線（ダブル・レインフロント）』を発動！」


天音「このターンエクシーズ召喚を行う場合、自分のモンスター１体を２倍のレベルとして扱う事ができる！」


天音「私はこの効果を上昇気龍に使います！」


香子「レベル３の２倍は６…これで」


天音「私はレベル６扱いの上昇気龍とファイン・ファイターでオーバーレイ！」


天音「２体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」



エクシーズ召喚！



現れよ！天光の海を翔る優しき翼！『晴天竜 クリアースカイ・ドラゴン』！ランク６・ＤＥＦ１３００



香子「ランク６のエクシーズ…！でも守備表示のドラゴンなんて怖くないわ！」


天音（確かに…今の状況ではあのモンスターを倒す手段はない…。）


天音「私は…これでターンエンドです。」



香子「私のターン！ドロー！」


香子（…モンスターじゃなかったか。）


香子「…でも私の有利は変わらない、バトル！」


香子「妖獣－ストロング・コニーで、晴天竜 クリアースカイ・ドラゴンを攻撃！」


天音「この瞬間、クリアースカイ・ドラゴンのモンスター効果発動！」


天音「オーバーレイユニットを１つ使い、フィールドのモンスター１体をこのターンの戦闘破壊から守ります！」


天音「この効果を自身に付与！クリアーシャイン・ウィンド！」

半透明の障壁が、地中より繰り出される猛攻から身を守る。


香子「また防御の効果を！？」


香子（大丈夫…ストロング・コニーは装備したモンスターを身代わりにする事で、対象を取る効果から身を守る効果もある…！）


香子（４７５０の攻撃力を超える手なんて早々揃えられる訳ないもの…！）


香子「私は前のターンに反転召喚したデス・ウサギを表側守備表示に変更！」ＤＥＦ１９００


香子「カードを１枚伏せてターンエンド…！」


香子（ミミ…待っててね。）



天音（クリアースカイ・ドラゴンのお陰で助かりましたが、いつまでも防戦一方という訳にはいきません…！）


天音「私のターン！！ドロー！」



天音（来た！）



香子「！？」


天音「このカードはエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター１体をリリースして手札から特殊召喚できる！」


天音「私はアプリコット・レイニーをリリース！」


天音「ミスト・ミストレスを特殊召喚！」星６・ＡＴＫ２４００


天音「そしてミスト・ミストレスは召喚・特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在する魔法罠カードを全て手札に戻します！」


香子「魔法罠を！？」


天音「ミスティ・ミラージュ！」


香子（しまった！！装備カード化したモンスターがいなくなったら…！！）


天音「装備カード扱いのラビードラゴンがいなくなった事により、ストロング・コニーの攻撃力は元に戻ります！」ＡＴＫ４７５０→１８００


天音「更に！この効果で戻したカード１枚につき、このターン中ミスト・ミストレスの攻撃力は５００ポイントアップ！」ＡＴＫ２４００→２９００


香子（完全に隙を突かれた…！）


天音「こちらからも行きますよ！雨天使レーゲンを召喚！」星３・ＡＴＫ１５００


天音「クリアースカイ・ドラゴンを攻撃表示に変更！」ＡＴＫ２８００


天音「バトルフェイズです！まずはミスト・ミストレスでストロング・コニーを攻撃！ホワイトアウト・ミスト！」


香子「コニー！！」ＬＰ６８００→５７００


天音「続いてクリアースカイ・ドラゴンで、デス・ウサギを攻撃！サンライズ・ノヴァ！」


香子「モンスターが…！」


天音「最後！雨天使レーゲンでダイレクトアタック！」


香子「きゃあ！！」ＬＰ５７００→４２００


香子「くっ…！」


天音「これでターンエンドです！」　ミストレスＡＴＫ２９００→２４００



香子（そんな…まさかこんなに早くきり返されるなんて…！）


香子（私は……このまま）







香子「………まだ」


香子（まだ負けたくない！！ミミに…ちゃんと胸を張れるように！あなたの家族は凄いってしっかり誇れるように！！）


香子「天音さん！！ホントの勝負はここからよ！」


天音「はい！全力で戦いましょう！」


香子「私のターン！ドロー！！」



香子（これは！？）



香子「このカードに掛ける！魔法カード！『トレード・イン』を発動！」


香子「手札のレベル８モンスター１体を捨て、デッキからカードを２枚ドローする！」


香子「私は手札のラビードラゴンを捨て、２枚ドロー！！」


天音「……！」



香子「行くわよ！私は『ウィルミー』を召喚！」星・ＡＴＫ１２００


天音（また通常モンスター…！？）


香子「更に永続罠『蘇りし魂』を発動！」


香子「自分の墓地から通常モンスター１体を選択して守備表示で特殊召喚する！」


香子「戻ってきて！『ダークラビット』！」星４・ＤＥＦ１５００


香子「そして魔法カード『ナチュラル・チューン』を発動！」


香子「自分フィールドのレベル４以下の通常モンスター１体をチューナーとして扱う事ができる！」


天音「チューナー！？まさか…！！」


香子「この効果によりダークラビットはチューナーとなる！」


香子「私はレベル４のウィルミーにレベル４のダークラビットをチューニング！」



真紅の瞳輝かせ、神々しき月下に降り立て！


シンクロ召喚！


輝け！レベル８！『妖獣－ブリリアント・ヘアー』星８・ＡＴＫ２７００



輝く毛並みを持つウサギモンスター。

天音「まさかシンクロまで使ってくるなんて…！」


香子「そして魔法カード『思い出のブランコ』を発動！」


香子「墓地の通常モンスター１体を特殊召喚する！」


香子「今度は一緒に戦って！『ラビードラゴン』！」星８・ＡＴＫ２９５０


天音「最上級モンスターが２体も…！！」


天音（香子さん…やっぱり強い…！！）


香子「バトル！ラビードラゴンでミスト・ミストレスに攻撃！」


天音「くぅ！」ＬＰ２０００→１４５０


香子「続けてブリリアント・ヘアーで雨天使レーゲンに攻撃！」


天音（今は…まだクリアースカイ・ドラゴンの効果を使う時じゃない…！）


天音「っ！！」ＬＰ１４５０→２５０


香子（勝てる…このままいけば、絶対に！）


香子「エンドフェイズ！思い出のブランコで特殊召喚されたモンスターは破壊される！」


天音「…最上級モンスターを呼べる代わりにデメリットがつくわけですね。」


香子「ただし！ブリリアント・ヘアーが表側表示で存在する限り、自分の通常モンスターは破壊されない！」


天音「なっ！？」


香子「よってラビードラゴンはそのままよ！私はこれでターンエンド！」


天音（デメリットを回避する効果を持っていたんですね…。）



天音「私のターン！ドロー！」


天音（違う…このカードじゃ…！）


天音（クリアースカイ・ドラゴンのオーバーレイユニットはあと１つ…次のターンがラストチャンスですね。）


天音「クリアースカイ・ドラゴンを守備表示に変更！」ＤＥＦ１３００


天音「カードを１枚セットしてターンエンドです！」



香子「私のターン！」


香子「ラビードラゴンでクリアースカイ・ドラゴンを攻撃！」


天音「っ！！クリアースカイ・ドラゴンのモンスター効果発動！クリアーシャイン・ウィンド！」

再び半透明のバリアが現れる。


天音「更にこの瞬間！オーバーレイユニットとなっていた『上昇気龍』のモンスター効果発動！」


香子「オーバーレイユニットの効果！？」


天音「オーバーレイユニットとなっていたこのカードが、エクシーズモンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、墓地のこのカードをゲームから除外する事で、墓地からレベル４以下の風属性モンスター１体を手札に加えることができる！」


天音「上昇気龍をゲームから除外し、墓地から『朝凪の精霊』を手札に加えます！」


香子「でもこれでもうその防御効果は使えなくなったわ！次のターンで終わりよ！」


香子「カードを１枚伏せてターンエンド！」



天音（相手の場には最上級モンスターが２体…ライフポイントは４２００）


天音（対して私のライフは僅か２５０…ちょっと隙を見せれば簡単に奪われてしまう数値です。）


天音（もう一歩も引けない…次の１枚に全てを掛けます…！！）


天音（………）


天音（行きます！）


天音「私のターン！ドロー！」




香子「………！」


天音「………私は、」


天音「スタンバイフェイズ時、手札の『朝凪の精霊』の効果を発動！」


天音「このカードを手札より特殊召喚！」星３・ＤＥＦ０


天音「メインフェイズ！『曇天使 ヴェルクト』を召喚！」星３・ＡＴＫ１２００


香子「レベル３が２体…」


天音「いえまだです！曇天使ヴェルクトは召喚に成功した時、墓地からヴェルクト以外の守備力０の天使族モンスター１体を選択して特殊召喚できる！」


天音「私が特殊召喚するのは『サンライズ・ゲイザー』！」星３・ＤＥＦ０


天音「そしてサンライズ・ゲイザーのモンスター効果も発動！」


天音「このカードが特殊召喚に成功した時、墓地のレベル３モンスター１体を表側守備表示で特殊召喚できる！」


香子「まだ増えるの！？」


天音「『雨天使 レーゲン』を特殊召喚！」星３・ＤＥＦ０


香子「まさか…１ターンで４体もモンスターを増やすなんて…！」


天音「私はレベル３の雨天使レーゲン、朝凪の精霊、サンライズ・ゲイザーでオーバーレイ！」


天音「３体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」



エクシーズ召喚！



現れよ！蒼天の操る奇跡の力！『気象喚師 ウェザード・キャスター』！ランク３・ＡＴＫ２３００



香子「ここに来てまたエクシーズを…。」


天音「気象喚師ウェザード・キャスターのモンスター効果発動！」


天音「オーバーレイユニットを１つ使う事で、自分フィールド上の攻撃表示モンスターの攻撃力は、ターン終了時まで自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター１体につき、４００ポイントアップする。」


香子「１体につき４００…ということは…！」


天音「私の場のモンスターは３体！よって攻撃力は１２００ポイントアップします！」


天音「天召術－エレベイション・サンライト！！」

天に向け杖を翳すと、優しく温かい日差しがフィールドに差し込む。


香子「！！」クリアースカイＡＴＫ２８００→４０００　ウェザードＡＴＫ２３００→３５００　ヴェルクトＡＴＫ１２００→２４００


天音「クリアースカイ・ドラゴンを攻撃表示に変更してバトルフェイズ！気象喚師ウェザード・キャスターで、妖獣－ブリリアント・ヘアーに攻撃！」


天音「ミスティック・ヘイズ！」


香子「くぅぅ！！」ＬＰ４２００→３４００


天音「これでラビードラゴンも破壊可能です！クリアースカイ・ドラゴンでラビードラゴンを攻撃！」


天音「サンライズ・ノヴァ！」


香子「まだよ…」


香子「まだ負けられない！！罠発動！『ジャスティブレイク』！」


香子「通常モンスターが攻撃された時、フィールド上の通常モンスター以外のモンスターを全て破壊する！！」

ラビードラゴンの身体よりフィールド前面に閃光が放たれる。


香子「これであなたのモンスターは…！」


天音「カウンター罠発動！『エクシーズ・シェルター』！」


天音「自分フィールド上のオーバーレイユニットを１つ取り除く事で、フィールド上のカードを破壊する効果を持つカードの発動を無効にし破壊する！」


天音「ウェザード・キャスターのオーバーレイユニットを１つ使い、ジャスティブレイクの発動を無効化します！」

ウェザード・キャスターから分離されたオーバーレイユニットが見えない壁へと変化し、ジャスティブレイクの閃光を受け止める。


香子「そんな！！カウンター！？」


輝く濃霧はみるみるうちにラビードラゴンの巨躰を包み込んでいく。


香子「っあああぁぁぁ！！」ＬＰ３４００→２３５０


香子「っ！？残りライフ…２３５０…。」


天音「最後です！曇天使ヴェルクトでダイレクトアタック！」








香子「ここまで…か。」


香子「ごめんミミ…負けちゃった…。」ＬＰ２３５０→０




ＷＩＮ・天音








香子「…あー惜しかったなぁ。勝てたって思ったんだけど…予選落ちか。」


天音「ありがとうございました。…とても、とても楽しいデュエルでした。」


香子「えぇ、私も。…後でミミと一緒に反省会するわ。」


天音「ふふ、仲良しさんですね。」


香子「そりゃそうよ。…なんたって家族だからね。」


天音（家族………ですか。）


香子「天音さん…本選出場おめでとう。」


天音「はい！ありがとうございます。」


香子「本戦の試合、ミミと一緒に見に行くわ。…今度は逃がさないようしっかり見てあげながらね。」


天音「ミミさん元気ですからね…。」


香子「ほんとよ…変なとこばっかり私に似ちゃうんだから。」


天音「あ、あははは…。」


香子「それじゃ、またね。みんなにも宜しく。」


天音「はい！」



天音（これで本戦出場…ですね！）


天音（夏武斗君や仁君も勝ってるでしょうか…。）


天音「ふふ…。」


天音「あの二人ならきっと勝ってますよね！」





終











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（次回予告）


？「楠夏武斗！！漸く貴様をこの手で叩き潰す時が来た！」


夏武斗「予選最終戦…これに勝てば本戦か…！よーし！」


？「貴様の最近の行動実にけしからん！！もう見過ごすわけにはいかない！」


夏武斗「天姉や仁は勝ってるかな？皆で本戦行って、全力で戦いたいな。」


？「隙があればマイスィートアンドロメダ天音さんと話し込んだりご飯食べたり買い物行ったり……って聞いてるのか貴様！？」


夏武斗「ん？えーっと…お前誰だっけ？」


夏武斗「次回！『ライフ・イズ・ラヴ！愛の特攻隊！』」


？「わざとだろ！？わざとやってんだろおおおぉぉぉ！！！」

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・気象喚師 ウェザード・キャスターが前回（１６話）と違う効果を使っていますが、これは効果を二つ持っている為です。敵を弱体化する『雨』の効果と、味方を強化する『晴れ』の効果といったところですかね。
・年末落下（香子の予選落ち）