72 ハイウェイの戦い！激闘ツーリング　作：ギガプラント

ロバート「…てめぇ。」


仁「…奴は。」


男「俺の顔を忘れちゃあいねえだろうなあああ！！ロバート・バーンズウウウ！！！」







仁「ライジン…！」


ロバート「…の偽物さんか。」


ライジン「こんなとこでてめぇを見つけられるたぁ思わなかったぜ！」


ライジン「もう一度俺とデュエルしろぉ！ロバート・バーンズ！！」



ロバート「…ったく一瞬本物かと思ったじゃねえか。」


ロバート「今こっちは大事な話の最中なんだわ！盛り上がってるとこ悪いが他所当たってくんねえか！」


ロバート「こんなとこまで人追っかけてる暇があったら、世の為人の為に善行でも積んどけぇ！」


ライジン「はっ！聞けねえなあ！俺は今度こそてめぇに勝つ！！」


ロバート「あれまぁ…妙なのに好かれたもんだぜ。好かれるなら綺麗な姉ちゃんの方が良いんだがな。」


仁「…どうする？受けるのか？」


ロバート「まさか。ここは逃げるが勝ちってね！！」


前方の脇道を見据えるロバート。




ロバート「仁ちゃん！ちょっくらつかまってな！」





ライジン「逃がすかよぉ！！ハアアアァァァ！！！」


仁「っ！？」



掌を上空に掲げるライジン。
空中にエネルギーの球体が生成される。


ロバート「はぁ！？」


球体は静止しているようにも見えるが、走行中の二台と同等のスピードで移動しており、常に一定の距離を保っている。




ライジン「うおらぁ！！」




球体から噴水のようにエネルギーが四散する。
カーテン状に広がったそれは帳のように二台を包みこんだ。



ロバート「なんだこりゃ…うわぁっと！！」


横道に逸れようとしたロバートだが、帳が壁となり行く手を塞ぐ。
ギリギリのところで車体を修正し、ライジンに向き直る。



ライジン「デュエルが終わるまでここからは逃がさねえ！！さぁ来いロバート・バーンズ！！」


仁（なんだこの力は…！）


ロバート「ったく、なんのマジックだよ！タネ何処だ！」


ライジン「マジックじゃねえ！！現実だ！俺等はこんなやべえ力を持ってんだよ！！」


ロバート「今度はマジシャン気取りかぁ！？付き合ってられっか！！」


壁を突っ切ろうとするロバート

ロバート「どうせホログラムかなんか…」

仁「っ！待てロバート！！」



ロバート「お、おい仁落ち着けって…！」


仁「軽はずみに行動するな。あれは多分本当に……」



ライジン「連れが有能で良かったなぁ！」


ライジン「よーく見てろよっと…オラァァ！！」


先程外したヘルメットを大きく後方に投げつける。


ロバート「何を…！？」



弧を描いて飛んだヘルメットは帳の内壁に吸い込まれる。

瞬間、発光したエネルギーに包まれたそれは、音を立て爆散し粉々になった。



ロバート「なあぁ！？」


仁「っ！」


仁（黒い結界……これはまさか！？）



ライジン「見たか！こいつは夢でも幻でもねえ！！」


ロバート「あれま……流石に冗談キツイぜ…。」


ライジン「分かったらとっととかかってきやがれ！」


ロバート「やれやれ……しゃーない、いっちょ飛ばしますか！」





dPhoneモードチェンジ！Ｄパッドモード！



ターゲットロックＯＫ！



ビジョンリンクＯＫ！



ファーストディールＯＫ！



デュエル！！





ロバート「そんなに言うならかかってやらあよ！俺のターン！！」


ロバート「一気に行かせてもらうぜぇ？俺は魔法カード『融合』を発動！」


ロバート「手札の『マシンガン・ソルジャー』と『カラミティ・バルカン』で融合！」





撃ち鳴らせ、交わる２つの銃撃音！無慈悲なる火薬の雨にて、眼下の大地を焼き尽くせ！




融合召喚！




殲滅せよ！『ガトリング・スローター』！星８・ＡＴＫ２８００




仁（いきなり融合を決めたか…。）


ライジン「………。」


ロバート「カードを２枚セット！ターンエンド！」



ロバート「仁！落っこちんなよ！？」


仁「分かっている。」




ライジン「１ターン目から融合召喚か…。」


ライジン「へっ！遅い……遅すぎるぜロバート・バーンズ！！」



ライジン「俺のターン！ドロー！！」


ライジン「俺は速攻魔法！『アクセラレイテッド・エクスプリンター』を発動！」


ライジン「手札からエクスプリンターモンスター１体を特殊召喚する！」




ロバート「…エクスプリンター？」


仁（奴のカードは雷族モンスターで構築されたビートバーンだった筈…。）




ライジン「来い！『エクスプリンター・シャドーダッシュ』！」星１・ＤＥＦ３００
メカニカルな装備の忍者風戦士。


ライジン「シャドーダッシュが特殊召喚された時、デッキからシャドーダッシュ以外のエクスプリンターカード１枚を手札に加える！」


ライジン「俺は『エクスプリンター・レックレスプレス』を手札に加えそのまま召喚！」星３・ＡＴＫ７００
腕が生えた電車型のモンスター。


ライジン「まだまだぁ！エクスプリンターモンスターが召喚された時、自分フィールド上のモンスターの数より低いレベルのエクスプリンターは手札から特殊召喚できる！」


ライジン「俺のフィールドのモンスターは２体！手札から更にレベル１の『エクスプリンター・バーサークホイール』を特殊召喚！」星１・ＤＥＦ０
ひとりでに高速で走り回るタイヤ型モンスター。


仁「…一気に３体か。」




ロバート「へぇ…お前、ライジンの真似事はもうやめたのか？」


ライジン「…てめぇはあの時俺に言ったな。」


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ロバート「…一つだけ教えてやる。お前がどんだけ精巧に真似ようと、ライジン自身の魂は作れない。」


ロバート「お前はお前自身の魂そしてお前自身のデュエルで魅せなきゃ、どんなに派手に飾っても脆く崩れちまうぜ？」


ロバート「安っぽい弾丸一発でな。」


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ライジン「だから今度は俺の魂で魅せてやる…！」





ライジン「兄貴のデュエルじゃねえ、俺のデュエルでてめぇを倒す！！！」





ロバート「あ、兄貴ぃ！！？」





仁「…成程、そういう事か。」


ロバート「てめぇ…ライジンの…。」


ライジン「あぁ…そうさ。」











フウジン「俺の名はフウジン！『亞流帝滅屠天変須斗（アルティメットテンペスト）』二代目総長！」


フウジン「初代総長ライジンの弟だ！！」



フウジン「俺はレベル１のシャドーダッシュとバーサークホイールに、レベル３のレックレスプレスをチューニング！！」



永久の疾走終わらぬ加速！光の速さを超え、風を切れ！





シンクロ召喚！



突っ走れ！『エクスプリンター・瞬足神アキレウス』！ 　星５・ＡＴＫ２２００





大きな斧を背負ったままバイクに並んで走り出す鎧の騎士。


ロバート「弟ね……そりゃそっくり真似っこできるわけだ。」


ロバート「そんで更に同じ暴走族のメンバーだったと来た。ライジンの事は誰より知ってるって事か。」


フウジン「瞬足神アキレウスのモンスター効果！シンクロ召喚成功時、このカードのシンクロ素材となったチューナー以外のモンスターの数だけ、このカードにスプリントカウンターを置く！」


フウジン「素材となったチューナー以外のモンスターは２体！よってスプリントカウンターは２つ乗る！」


フウジン「そしてコイツの攻撃力は、スプリントカウンター１つにつき３００ポイントアップする！」ＡＴＫ２２００→２８００


仁「攻撃力２８００か…。」


ロバート「火力はこっちと同じだぜ？どうする！相打ち覚悟で突っ込んでくるかぁ？」


フウジン「そんなつまんねえ手なんざ使うわきゃあ無えだろおお！」


フウジン「俺は瞬足神アキレウスのモンスター効果発動！」


フウジン「スプリントカウンターを１つ取り除く事で、フィールドのカード１枚を破壊する！！」ＡＴＫ２８００→２５００


ロバート「なんだとぉ！？」


仁（モンスターを除去してダイレクトアタックするつもりか…。）


フウジン「ガトリング・スローターを破壊だぁ！ハイスピード・インパクト！！」


超スピードでガトリング・スローターに斬撃を繰り出す。



ロバート「ちっ、させっかよ！罠発動！『アンダーテイク・エンデューロ』！」


ロバート「このターン自分フィールドのカードが破壊される場合、その破壊を無効にし、自分は７００ポイントダメージを受ける！」


ロバート「ぐあああ！！」ＬＰ４０００→３３００


仁「くっ…。」


車体が大きく揺れる。



フウジン「上等じゃねえか！だったら俺は、もう一つのスプリントカウンターを使い、更に効果発動！」ＡＴＫ２５００→２２００


フウジン「ハイスピード・インパクトォ！！」


ロバート「がぁあ！！」ＬＰ３３００→２６００



ロバート「痛ってえな…２発は堪えるぜ。」


フウジン「まだだ！俺は魔法カード『スリップ・ストリーム・フォース』を発動！」


フウジン「このターン対象のモンスターが自身より高い攻撃力のモンスターに攻撃する場合、ダメージ計算中、攻撃力は元々の２倍となる！」


ロバート「２倍ぃ！！？」


フウジン「それだけじゃねえ！俺は駿足神アキレウスの更なる効果発動！」


フウジン「このカードがカード効果の対象となった時、墓地からエクスプリンターモンスター１体を手札に加える！」


フウジン「俺は『エクスプリンター・レックレスプレス』を手札に戻すぜ！」



フウジン「さぁまだまだこれからぁ！バトルフェイズだ！！」


仁（これはマズい…！）


フウジン「俺はエクスプリンター・駿足神アキレウスで、ガトリング・スローターを攻撃！」


フウジン「バッシュ・モーメント！！」


目にも止まらぬ速さで戦斧の一撃を叩き込む。


フウジン「スリップ・ストリーム・フォースの効果で攻撃力は倍となるぅ！」ＡＴＫ２２００→４４００


ロバート「くそっ！ぐあああ！！！」ＬＰ２６００→１０００→３００


仁「ぐっ…！！」



フウジン「バトル終了後、攻撃力は元に戻る。」ＡＴＫ４４００→２２００


フウジン「こんなもんじゃねえだろぉロバート・バーンズ！！」


フウジン「カードを１枚セット。ターンエンドだ！」



ロバート「ちっ…好き放題やってくれやがって……俺は罠カード『非常用物資』を発動。」


ロバート「エンドフェイズ時、このターン自分が受けた効果ダメージの回数分だけカードをドローする。」


ロバート「俺が受けた効果ダメージはアンダーテイク・エンデューロの効果で受けた３回、よって３枚ドロー！」


仁（手札は増強されたが……。）


仁「これだけのダメージは流石に痛いな…。」



ロバート「俺のターン！ドロー！」


ロバート（ライフは取られたが火力では勝ってんだ！）


ロバート「好き勝手ボカスカやってくれた礼をしてやらぁ！」


ロバート「ガトリング・スローター！！駿足神アキレウスを攻撃！！」


ロバート「デス・ハニーコム！！」


アキレウスを銃撃の雨が襲う。


フウジン「素直に受け取るわきゃねえだろぉ！罠カード『サブスティテューション』発動！」


フウジン「エクスプリンターモンスター１体を手札に戻し、更に手札からエクスプリンターモンスター１体を特殊召喚する！」


フウジン「アキレウスはエクストラデッキへ！そして手札から『エクスプリンター・レックレスプレス』を特殊召喚！」星３・ＤＥＦ１５００


ロバート「ちぇっ…逃がしたか。だったらそいつを攻撃だ！！」


フウジン「勝手にしなぁ！だがサブスティテューションで特殊召喚されたモンスターはそのターン戦闘で破壊されねぇ！」


ロバート「守りも隙がありませんってか……。」


ロバート「チッ…俺はカードを２枚セット、ターンエンド。」



仁「………」


ロバート「随分やるようになったじゃないの…そいつがお前のホントの力ってか。」


ロバート「最初っからそのノリで行きゃ良かったろうに。なんでわざわざライジンの真似なんてしてたんだか。」


ロバート「お前ならそのままでも客を沸かせる事くらい造作もないだろ。」


フウジン「んあぁ…？」


ロバート「そりゃあライジンになりきりゃチヤホヤキャーキャーされるだろうがよぉ。」





フウジン「…あぁ、そうさ。」


フウジン「兄貴は誰よりすげえプロデュエリスト。名前だけでもあれだけの歓声が上げられる…！」


フウジン「最強で最高のエンターテイナー！！だがな！！」


ロバート「っ！？」


フウジン「兄貴の栄光は今の腐りきったプロデュエル界にはもう存在しねえ！！！」


ロバート「なんだと！？」


フウジン「俺が兄貴に扮したのはあの屑連中共をボロボロにする為…！！」






フウジン「俺達から兄貴を奪った糞共をぶっ潰す為だあああ！！！」




終










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（次回予告）


フウジン「兄貴は俺達の誇りだった。誰よりも強いデュエリストだった！」


フウジン「デュエルで人を沸かせるのが得意で……そして好きだったんだ。」


フウジン「兄貴がプロになりゃあ世界中が沸きあがる！！世界中が震えあがる！」


ロバート「ライジンの弟か……お前は一体何を見てきたんだ？」


ロバート「次回！『俺達の誇り』」


フウジン「この俺が全部ぶっ潰す！！」
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・久しぶりの登場ですがライジンは42.43話に登場しています。